JP2018108223A - 医療用ドリル - Google Patents
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Abstract
Description
その結果、中空ドリルの回転トルクがガイドピンにまで伝達されてしまう場合がある。その場合、ガイドピンが中空ドリルとともに回転して予期せぬ深さへ過剰に侵入して、周囲の重要な神経、血管、筋腱、臓器などを損傷させる虞がある。
特許文献1の骨穿孔器具は、骨穿孔の方向と深度を決定して予め骨内に先行的に挿入するガイドピンと、先端に切削刃を有し、前記ガイドピンを先端から軸方向に挿通可能な内腔が形成されている中空ドリルと、を備え、
前記中空ドリルは、前記内腔とドリル外表面とを連通する骨屑導出孔を有することを構成上の特徴としている。
特許文献1の骨穿孔器具では、骨内に先行的に挿入されるガイドピンはあくまでも位置決めのために使用されるものであることから回転力が付与されない。
人体の部位や術式によっては、予め細いドリルによって目的箇所に対して穿孔を行なった上で、骨から抜くことなく穿孔完了時の状態で滞留させ、その細いドリル(101)をガイドとして、ドリルの外径と同等或いは若干大きめに穴径を定めた中空ドリル(102)によって、細径ドリル(101)の穿孔径より拡径した穴を穿孔する場合が多い(図24参照)。
(1)図25の(a)に示される細径ドリル(直径1mm乃至3mm程度、長さ200mm乃至600mm程度)を所定の穿孔箇所より目的箇所まで穿孔する。
(2)細径ドリルを穿孔終了時のまま骨に留めた状態で、中空ドリル(図25の(b)参照)の内径に挿入しながら、中空ドリルを回転させ、再建靭帯を通すための穴を穿孔する。この工程において細径ドリルは中空ドリル穿孔時のガイドとなる(図25の(c)参照)。
さらに、従来の細径ドリルでは、切削抵抗が高く、且つ切削力に問題があったため、切削時の孔の位置決めが難しく、所望の穿孔位置からずれてしまう虞がある。
前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで延びる主切刃とからなり、
前記シンニング切刃により形成されたシンニング面の切屑排出溝との境界の稜線が、前記切屑排出溝の開口側であるドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向に対してドリル先端側から基端側に向かうにつれてシンニング切刃側から主切刃側へと移行する方向に傾斜した略U字状に形成されており、
前記主切刃により形成されたすくい角θ1と、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θ2が、θ1>θ2>0°を満たし、
先端角が30°〜110°であり、捩れ角が5°〜25°であり、
前記切屑排出溝の溝長が、切削する骨の切削深さよりも短いことを特徴とする中実の医療用ドリルに関する。
当該中空の医療用ドリルが軸方向に回転した際に、前記先端部の形状は軸方向に対して垂直方向から見て球状又は楕円球状を形成し、
前記切刃はその背面に逃げ角を備え、
前記先端部の内径端から外周部に掛けて切屑排出溝が設けられ、
前記切屑排出溝は軸方向に対して捩れを有し、これによって前記切刃前面にすくい角が形成され、
切刃先端部には、ギャッシュポケットが設けられている
ことを特徴とする中空の医療用ドリルに関する。
回転駆動装置に固定される基端部と
を備えた先端部にシンニングが施されている骨切削のための中実の医療用ドリルであって、
前記先端部から前記基端部に向かって2面の平面部が設けられ、
前記先端部に先端角が設けられ、
前記先端部には1以上のシンニング面が形成され、
前記先端部は中心部にチゼル部を有し、
前記1以上のシンニング面が、前記先端部の中心部から外周部に向け刃先と略平行に形成されており、
前記1以上のシンニング面に形成された切刃のすくい面の逆側には逃げ面が形成されていることを特徴とする中実の医療用ドリルに関する。
(2)請求項6乃至9のいずれか1項に記載の中空の医療用ドリルを用いて、前記中実の医療用ドリルを当該中空の医療用ドリルの内腔の先端から軸方向に挿通しながら当該中空の医療用ドリルで前記パイロット孔を拡径する工程と、
(3)前記中実の医療用ドリルのみを拡径した孔から取り出し、該拡径した孔に腱を通し、該腱の両端を骨に固定する工程と
からなる中実の医療用ドリル及び中空の医療用ドリルを用いた靭帯再建のための骨穿孔方法に関する。
また、捩れ角が5°〜25°であることから、骨に割れを生じさせることなく円滑に穿孔することができる。
シンニング切刃により形成されたシンニング面の切屑排出溝との境界の稜線が、前記切屑排出溝の開口側であるドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向に対してドリル先端側から基端側に向かうにつれてシンニング切刃側から主切刃側へと移行する方向に傾斜した略U字状に形成されており、主切刃により形成されたすくい角θ1と、シンニング切刃により形成されたすくい角θ2がθ1>θ2>0°を満たすことにより、従来の医療用ドリルに比べて切削抵抗を大幅に低減することができ、骨穿孔を容易に行うことが可能な中実の医療用ドリルを提供することができる。また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穿孔時間が短縮するため作業効率が向上し、ドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。さらに、切削抵抗が大幅に低減されているため、骨穿孔時の加工熱を抑制し、骨組織の壊死を抑制できる。
さらに、主切刃により形成されたすくい角θ1と、シンニング切刃により形成されたすくい角θ2が、θ1>θ2を満たすことにより、見掛け上のすくい角が小さくなって骨組織に食い込む量が少なくなり、骨組織を容易に切れるようになる。また、θ2>0°とすることにより、θ2を0°からマイナス(負)とした場合の不具合(切削抵抗が増加して切れ味が悪くなる)が生じない。
加えて、切屑排出溝の溝長が切削する骨の切削深さよりも短いため、溝長が切削深さよりも長いドリルよりも、ドリルの強度が高くなる。そのため、中空ドリルによる切削時に中空ドリルの軸(ガイド)として用いた際に、ドリルが破損し難く、より安定に中空ドリルを支持することができる。
加えて、切削目的に応じて、適切な切削能力を備えた中空ドリルを選択できる。
以下、本発明に係る医療用ドリルの好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る中実の医療用ドリルの第一実施形態を示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。
切刃は、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃(1)と、シンニング切刃(1)の端部からドリル外周端まで延びる主切刃(2)とからなる。尚、図示例において、主切刃(2)は、シンニング切刃(1)の端部からドリル外周端まで直線状に延びているが、曲線状に延びていてもよいし、直線状部分と曲線状部分とを含む線状に延びていてもよい。これは本発明の第一乃至第五実施形態に共通する。
図中、(3)は逃げ面、(4)はチゼル、(5)は主切刃(2)により形成されたすくい面、(6)はシンニングにより形成された新たなすくい面、(W)はチゼル幅である。
シンニング切刃(1)の長さ(B)を、主切刃(2)の長さ(A)と同じかそれ以上に設定することにより、A>Bである従来の医療用ドリルに比べて切削抵抗を大幅に低減することが可能となる場合がある。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。但し、チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)が、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)より小さいということは、シンニングを施すことにより見掛け上のすくい角が小さくなる(緩くなる)ことを意味する。
すくい角が大きいと刃先が穿孔対象に食い込む量が多くなり、工作機械等を使用して金属製のワークを穿孔する場合には問題ないが、人力で刃先を骨等の穿孔対象に押し付ける場合は負荷に対して人力が負けてしまい、結果として切れないということになる。
本実施形態では、θ1>θ2を満たすようにシンニング切刃(1)を形成することにより、見掛け上のすくい角が小さくなって被切削物(骨組織)に食い込む量が少なくなり、容易に切れるようになる。
先端角が30°未満であるとドリルの先端がいびつな形状となって切れ味が低下し、110°を超えると、被切削物(骨組織)の表面に対する当接角度を浅くしようとしてドリルを傾けると、ドリル先端が滑って穿孔ポイントからずれやすくなり、穿孔時に人体(神経等)を傷つけてしまう危険性がある上、当接角度を55°以下に浅く設定できず、骨に対する穿孔が困難な場合が多くなるため、いずれの場合も好ましくない。
先端角を30°〜110°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度を浅くしても、具体的には当接角度を55°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
先端角を40°〜90°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度をさらに浅くしても、具体的には当接角度を45°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
先端角を45°〜55°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度を非常に浅くしても、具体的には当接角度を30°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
本発明に係る中実の医療用ドリルにおいて、先端角の最適値としては例えば50°を挙げることができる。この場合、図3に示すように、当接角度を30°まで浅く(小さく)しても、ドリル外周が穿孔対象に当たるおそれが殆どなくなり、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことが可能となる。
尚、先端角がより大きい場合であっても、当接角度を30°まで浅く(小さく)して穿孔することは可能である。先端角が90°の場合を例にとれば、図4に示すように、先ず当接角度を略90°としてパイロット穴を形成した後、順次、当接角度を小さくしてゆけばよい。先端角が110°を超えるとこのような穿孔方法は困難である。
捩れ角が5°未満であると切削抵抗が大きくなって切れ味が低下し、25°を超えると、穿孔対象に対して刃先が楔のように食い込み易くなり、被切削物(骨組織)が割れるおそれがあるため、いずれの場合も好ましくない。
捩れ角を5°〜25°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)に割れを生じさせることなく円滑に穿孔することが可能となる。
捩れ角を15°〜20°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)に割れを生じさせることなく円滑に穿孔することができる機能をより確実に発揮することが可能となる。
ドリルが本来持っているすくい角(シンニング形成前のすくい角)では、刃先角が鋭すぎて、刃先が楔のように被切削物に鋭く食い込むため、切削抵抗が大きくなる。
シンニングを行うことにより、すくい角が減少して刃先角が増大し、これによって切れ味が向上する(切削抵抗が減少する)。特に、本実施形態に係る中実の医療用ドリルに施されるシンニングによれば、施術に適した緩やかなすくい角と大きめの刃先角が創成されることとなる。
本発明に係る中実の医療用ドリルに於いては、捩れ角を小さめに設定することで、穿孔対象(骨)に割れを生じさせることなく円滑に穿孔することが可能となり、これに応じて逃げ角を少し大きめに設定することで、捩れ角を小さめに設定することによる切削力の低下を補うことができる。本発明に係る中実の医療用ドリルでは、捩れ角を小さめに設定したことと、逃げ角を大きめに設定したことにより、金属とは異なる被切削物(骨組織)に対応できる。
本発明に係る中実の医療用ドリルでは逃げ角(β)を5°<β≦30°に設定することにより、被切削物(骨組織)に食い込む量が調整され、被切削物(骨組織)を容易に切れるようになる。
(イ)半径50mm以上の砥石外周部の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度(図5(a)参照)。
(ロ)砥石側面(垂直平面)の砥石水平中心線上に、ドリル先端部の中心を合わせ、ドリル先端部の切刃部を砥石水平中心線と平行(=水平)に当て、ドリル後端部を、ドリル先端部を中心に砥石水平中心線より下降させたときの砥石水平中心線とドリル中心軸線のなす角度(図5(b)参照)。
そのため、(イ)で求める場合、この差分を加えたものを逃げ角とすることが好ましい。つまり、逃げ角は下式の通りに求めることが好ましい。
(イ)(図5(a))の場合:逃げ角=β+tan−1((1−cos(sin−1×0.5W/R))R÷0.5W)
(ロ)(図5(b))の場合:逃げ角=β
例えば、逃げ角3°で半径(R)50mmの砥石で研磨する、直径10mm、心厚2mmのドリルの実際の逃げ角は約3.573°となる。
ドリル直径φは、特に限定されないが、例えば1〜6mm程度のものが好適に使用される。
従来のシンニングは、ドリル自体の強度・剛性を優先するために、シンニング形成時にドリルを砥石に当てる角度(θ)を大きめにしていた(図6(a)参照)。
角度(θ)を極力少なくし、砥石の研削面接線上にドリルの中心を近づけると、ドリル中心部のウエブと呼ばれる部分の抵抗を受けなくなるため、切削抵抗は大幅に減少する(図6(b)参照)。
図8はドリルのシンニング部に直角な断面(図1(b)の線Dに直角な線を切断線とした断面)を示す図である。
図8に示す例では、シンニングにより形成されたすくい面(6)の縁部(主切刃(2)により形成されたすくい面(5)との境界部)は、シンニングの半径(R2)によって円弧状に形成されている。尚、(R1)はドリル溝部の半径である。
図示のように、主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。
また、主切刃(2)により形成された刃先角(α1)と、シンニング切刃(1)により形成された刃先角(α2)は、α1<α2<90°を満たす。
傾斜の方向は、図示の通り、ドリル先端側から基端側に向かうにつれ、シンニング切刃(1)側から主切刃(2)側へと移行する方向(正面視にて左斜め下方向)である。後述する本発明に係る中実の医療用ドリルについても同様である。
傾斜の角度(γ)は、10°〜25°の範囲(例えば16.5°)に設定する。この角度設定は、上述したように、シンニングを行う砥石の幅方向の中心線に対してドリル中心軸線のなす角度が10°〜25°(図7参照)となるように設定することにより行うことができる。シンニングを行う際に、ドリル長手方向の中心軸に対して砥石の中心(図10(a)の一点鎖線(L)参照)を傾ける角度は、ドリルの捩れ角を考慮して、捩れ角−10°乃至捩れ角+10°の範囲に設定することが好ましい。但し、理論上はこの角度は捩れ角−10°乃至切刃側の先端角の1/2までに設定できる。
これらの構成(シンニング切刃の形状、傾斜の方向、傾斜の角度)は、本発明に係る第一乃至第四実施形態の中実の医療用ドリルに共通する構成である。
ずれ量(d)は、ドリル直径の10%以内であることが好ましい。10%を超えると、切削抵抗が増加して切れ味が低下するためである。
図10は本発明の第二実施形態の中実の医療用ドリルを示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。
第二実施形態の中実の医療用ドリルも、シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)が、ドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向(C)に対して傾斜した略放物線状(略U字状)に形成されている(図10(b)参照)。
シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)の最深部(シンニングにより削り取られた最も深い部分)に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線(D)は、ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部(7)と交わらずにドリルの切刃側にずれている。
ずれ量(d)は、ドリル直径の10%以内であることが好ましい。10%を超えると、切削抵抗が増加して切れ味が低下するためである。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たしている。チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
図11は本発明の第三実施形態の中実の医療用ドリルを示す図であって、(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は先端部の正面図である。
第三実施形態の中実の医療用ドリルも、シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)が、ドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向(C)に対して傾斜した略放物線状(略U字状)に形成されている(図11(b)参照)。
シンニング切刃(1)により形成されたシンニング面(8)の最深部に沿って延びる線をドリル先端方向に延長した延長線(D)は、ドリル正面側から見たとき、ドリル先端中心部(7)と交わっている。
主切刃(2)により形成されたすくい角(θ1)と、シンニング切刃(1)により形成されたすくい角(θ2)は、θ1>θ2>0°を満たす。但し、チゼル(4)の直下のみでθ2≒0°(ほぼ0°に近いθ2<0°)となる。
図13は本発明の第四実施形態に係る中実の医療用ドリルを示す図であって、(a)は側面図、(b)は先端部の正面図である。図14は本発明の第四実施形態に係る中実の医療用ドリルを示す図であって、(a)は曲線形状を備えるチゼル部の拡大側面図、(b)は直線形状(くの字状)を備えるチゼル部の拡大側面図である。
本実施形態に係る中実の医療用ドリルは、捩れを有していないが、捩れを備えた形状であってもよい。
図13の(a)において、平面部(25)の基端部(24)側の端部は曲線状であるが、これに限定されず、例えば直線状であってもよく、いかなる形状であってもよい。
先端角が30°未満であるとドリルの先端がいびつな形状となって切れ味が低下し、150°を超えると、被切削物(骨組織)の表面に対する当接角度を浅くしようとしてドリルを傾けると、ドリル先端が滑って穿孔ポイントからずれやすくなり、穿孔時に人体(神経等)を傷つけてしまう危険性がある上、当接角度を75°以下に浅く設定できず、骨に対する穿孔が困難な場合が多くなるため、いずれの場合も好ましくない。
先端角(ε)を30°〜150°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度を浅くしても、具体的には当接角度を75°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
先端角(ε)を40°〜90°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度をさらに浅くしても、具体的には当接角度を45°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
先端角(ε)を45°〜55°の範囲に設定することにより、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度を非常に浅くしても、具体的には当接角度を30°程度まで浅く(小さく)しても、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができる。
本実施形態に係る中実の医療用ドリルにおいて、先端角(ε)の最適値としては例えば50°を挙げることができる。この場合、図3に示すように、当接角度を30°まで浅く(小さく)しても、ドリル外周が穿孔対象に当たるおそれが殆どなくなり、穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことが可能となる。
尚、先端角(ε)がより大きい場合であっても、当接角度を30°まで浅く(小さく)して穿孔することは可能である。先端角(ε)が90°の場合を例にとれば、図4に示すように、先ず当接角度を略90°としてパイロット穴を形成した後、順次、当接角度を小さくしてゆけばよい。先端角(ε)が150°を超えるとこのような穿孔方法は困難である。
このシンニング面(26)は、先端部(23)の中心部(27)から外周部(29)に向け刃先と略平行に形成されており、1以上のシンニング面(26)に形成された切刃(32)のすくい面(30)の逆側には逃げ面(31)が形成されている。このように、先端部(23)の中心部(27)から外周部(29)に向け刃先と略並行にシンニング面(26)を形成することで、刃先全体にすくい面を設け、明確な切刃(32)を創成することができる。先端部(23)は、ドリルの様に中心部(27)にチゼル部(28)を有し、シンニング面(26)を設けることで形成された切刃(32)のすくい面(30)の逆側に逃げ面(31)を形成しているので、回転切削が効率良く行えるという利点がある。
チゼル部(28)は直線としても良いが、曲線(R)を含む形状(図14の(a)参照)、或いは先端をくの字状(L)(図14の(b)参照)とすると、中心部(27)の滑りが抑制され、骨穿孔術に於いて的確な施術が行なわれる形状となる。
また、シンニング面(26)の基端部(24)方向(長手方向)の長さや、幅方向の長さも特に限定されず、切削能力を向上させ、切削抵抗を低減することができる形状であれば、いかなる寸法であってもよい。
また、切削抵抗を大幅に減少させることができるため、骨切削時の発熱を抑えることができ、骨切削時の骨組織の壊死を抑制できる。
第四実施形態の中実の医療用ドリルは、上記第一乃至第四実施形態の中実の医療用ドリルのいずれかの特徴を備え、ドリル直径が1mm〜4mm、好ましくは、1mm〜3mmの医療用ドリルである。上記のドリル直径であることにより、所望の箇所に所望の径でパイロット孔を形成することができる。また、上記第一乃至第四実施形態の中実の医療用ドリルのいずれかの特徴を備えていることにより、従来の医療用ドリルよりも切削抵抗が低くなり、骨穿孔時の加工熱を抑えることができ、且つ切削能力の高いドリルを提供できる。
従来のドリル(特に鉄やステンレス等の硬い材料を切削するためのドリル)において、切屑排出溝の溝長は、被切削物の切削深さ(穿孔する穴の深さ)よりも長くする必要があった。切屑排出溝の溝長(11)を切削深さ(dep)よりも長くすることにより、穿孔する穴の容積分の切屑を、切屑排出溝を通して穿孔する穴の外に排出する。しかしながら、切屑排出溝の溝長(11)が長くなるとドリルの強度が低下してしまう。加えて、切屑排出溝の溝長(11)が切削深さ(dep)よりも短いと、切屑を穴の外に排出することができず、切屑が切屑排出溝に詰まってしまい、切削が行われず、結果的にドリルの折損に繋がる虞があった。
本実施形態の中実の医療用ドリルは、骨組織を切削対象としている。骨組織は、鉄やステンレス等と比べて、組織間に隙間があり、切削時に穿孔する穴が幅方向に押し広がる。そのため、穿孔する穴の容積分の切屑を穴の外に排出する必要がない。
本実施形態の中実の医療用ドリルは、骨組織を切削した後、中空ドリルで切削する際の中空ドリルの軸(ガイド)として使用されるため、ドリルが十分な強度を備えている必要がある。そのため、切屑排出溝の溝長(11)を従来のドリルの溝長(被切削物の切削深さよりも長い溝長)とすると、ドリルの強度が低いため、中空ドリルの軸として使用した際にドリルが折れてしまう等の破損の虞があった。
そのため、本実施形態の中実の医療用ドリルは、中空ドリルの軸として、十分な強度と安定性を備えるように、切屑排出溝の溝長(11)が切削する骨の切削深さ(dep)よりも短いことが好ましい。
図22に示すように、本実施形態の中実の医療用ドリルは、切屑排出溝の溝長(11)が切削する骨の切削深さ(dep)よりも短いことが好ましい。より具体的には、切削深さ(dep)に対する溝長(11)を8%〜30%に設定することが好ましく、より好ましくは10%〜20%に設定することが好ましい。
この比率とすることにより、本実施形態の中実の医療用ドリルを中空の医療用ドリルの軸(ガイド)として用いた際に、ドリルが破損し難く、より安定に中空の医療用ドリルを支持することができる。しかしながら、切削深さ(dep)に対する溝長(11)の比率は上記比率に限定されず、溝長(11)が切削深さ(dep)よりも短ければ、いかなる比率であってもよい。
また、上記第二乃至第三実施形態の医療用ドリルはいずれも、上記第一実施形態の医療用ドリルと同様に設定された先端角と捩れ角を有しているため、被切削物(骨組織)の表面に対するドリルの当接角度が浅くても穿孔すべきポイントからドリルの先端がずれることなく的確なポイントへの穿孔を行うことができるとともに、骨に割れを生じさせることなく円滑に穿孔することができる中実の医療用ドリルとなる。
砥石は、回転端部に1つ以上の曲率半径をもった砥石とする。
砥石の曲率半径の1つをR1とし、このR1を主に切刃部に掛かるシンニング切刃創成用の半径とする。次にR1と隣り合ってR1と滑らかに繋がる曲面を形成する曲率半径R2を、主にヒール部に当たるように設ける。
また、上記1つ以上の曲率半径を組み合わせた砥石を使用することもできる。
更に、図16に示すように、R部の間に直線部を含ませたり、側面に傾斜をつけたりして、シンニングを施してもよい。
第六実施形態の中空の医療用ドリルは、先端から軸方向に貫通する内腔(12)を備え、先端部(13)の円周状エッジ(14)上に複数の切刃(15)を有している。
この中空の医療用ドリルは、主に、内腔(12)を挿通するドリル直径を有する中実の医療用ドリルによって穿設された孔を拡径するために用いられる。
切刃(15)が直線部(20)を備えている場合、第六実施形態の中空の医療用ドリルの先端部(13)の形状は、図18の(a)〜(d)に示すように、当該中空の医療用ドリルが軸方向に回転した際に、軸方向に対して垂直方向から見て直線を含む球状又は楕円球状を形成する。より詳しくは、先端部(13)と円筒部(16)との境界線(17)より先端部側の形状が直線を含む球状(図18の(a))、直線を含む横長(幅方向に長い)の楕円球状(図18の(b))、直線を含む縦長(軸方向に長い)の楕円球状(図18の(c))、あるいは直線を含むコーナーR状(角が丸みを帯びている)(図18の(d))である。
切刃(15)が、先端部(13)の内径端(18)から外周部(19)に向けて直線部(20)を備えることによって、切刃(15)が摩耗し難くなり、切削能力が向上する。
また、先端部(13)は、内径端(18)から外周部(19)に掛けて切屑排出溝(21)を備えている。切屑排出溝(21)は、軸方向に対して捩れている。この切屑排出溝(21)の捩れの角度(捩れ角(δ))は、5°<δ<45°を満たすように設定する。好ましくは10°<δ<40°、より好ましくは15°<δ<30°を満たすように設定する。
切屑排出溝(21)は、円筒部(16)に繋がっているため、切削時に外周部(19)より切屑が排出される。
このように、切刃(15)はその背面に逃げ角(β2)を有し、切屑排出溝(21)に捩れを持たせることで、切刃前面すべてにすくい角(θ3)を形成することができる。
切刃前面のすくい角(θ3)は、2°<θ3<20°を満たすように設定する。好ましくは5°<θ3<15°、より好ましくは8°<θ3<12°を満たすように設定する。
加えて、切刃(15)の内径端(18)側には、ギャッシュポケット(22)が設けられている。ギャッシュポケット(22)を設けることにより、明確なすくいと切屑の排出を促すことができる。
しかしながら、切削箇所や所望の切削能力に応じて、切刃(15)の枚数は1枚でもよく、7枚以上であってもよい。
また、切削力を均一にするため、複数の切刃(15)は、円周状エッジ(14)上に等間隔に配することが望ましい。
また、本発明の第一乃至第六実施形態に係る中実及び中空の医療用ドリルの材質は、医療機器等法で許容される材質であれば特に限定されないが、ステンレス鋼が好適に使用され、特にSUS420J、SUS440Cなどが好適に使用される。
工程(1):第五実施形態の中実の医療用ドリルを用いて、該中実の医療用ドリルの直径によって骨の予め決められた位置に、骨の皮質を該中実の医療用ドリル先端によって穿孔してパイロット孔を穿設する。
工程(2):第六実施形態の中空の医療用ドリルを当該中空の医療用ドリルの内腔の先端から軸方向に挿通しながら当該中空の医療用ドリルで前記パイロット孔を拡径する。
工程(3):前記中実の医療用ドリルのみを拡径した孔から取り出し、該拡径した孔に腱を通し、該腱の両端を骨に固定する。
尚、上記骨穿孔では、第五及び第六実施形態のドリルを用いているが、これに限定されない。
第六実施形態の医療用ドリルと共に使用する中実の医療用ドリルとして、本出願と同日で本出願人が別途出願している「キルシュナー鋼線を用いた医療用ドリル」に記載されている医療用ドリルを使用することもできる。
(傾斜状態における穿孔時の位置ずれ試験)
アクリル板を45°傾けてNCフライス盤(大鳥機工製ON−3VII)に固定し、中実の医療用ドリルの先端を回転させ、アクリル板に振れた状態から9.57mm垂直方向に穿孔してX軸方向及びY軸方向のずれ量をレーザ式判別変位センサー(キーエンス(IL100)X方向、(IL300)Y方向)によって測定した(図23参照)。
試験には以下の中実の医療用ドリルを用いた。
実施例:第1実施形態に係る中実の医療用ドリル
比較例:スミス&ネヒュー社製ガイドピン
各種中実の医療用ドリルによる切削は、以下の条件で実施した。
回転数:13.33s−1(800rpm)
送り速度:5mm/min
実施例及び比較例ともに、ドリルチャックからドリル先端までの突出し量を110mmに設定した。
実施例及び比較例の中実の医療用ドリルは、ドリル直径が2.4mmのものを使用した。
実施例及び比較例の中実の医療用ドリルによる穿孔時に発生したX軸方向及びY軸方向のずれを表1に示す。
また、実施例はY軸方向のずれが0.412mmであったのに対し、比較例はY軸方向のずれが1.162mmであった。
このように、傾斜面に対する穿孔時に於いて、本発明にかかる中実の医療用ドリルは、従来の中実の医療用ドリルと比較して、ドリル先端のずれ量が極めて少ないことがわかった。
尚、実際の施術の際には、穿孔目的箇所に中実の医療用ドリルの先端をおいてハンドピース(工業用で言うハンドドリル)を徐々に回転させると中実の医療用ドリルの先端は自由端ではなくなるので、中実の医療用ドリルは滑ることなく目的箇所を穿孔することが出来る。同時に工作機械による試験と違い、施術に当たる医師の手加減も加味されるので、実施例は極めて正確な位置に穿孔できる中実の医療用ドリルであることがわかる。
また、上記試験では第1実施形態に係る中実の医療用ドリルを用いたが、第2乃至第4実施形態に係る中実の医療用ドリルにおいても、第1実施形態に係る中実の医療用ドリルと同様の試験結果を得た。
(中空の医療用ドリルの切れ味評価試験)
株式会社アヴィス製皮質骨シート(厚さ10mm)に対して、上記試験(傾斜状態における穿孔時の位置ずれ試験)に使用したものと先端部が同寸法、同形状の第1実施形態に係る中実の医療用ドリル(直径2.4mm×全長255mm)を垂直に穿孔して先端部が1mm程度覗いた状態に留めた後、皮質骨シートに刺さった状態の中実の医療用ドリルに対して中空の医療用ドリルを疳入した状態で、ストライカー社製のハンドピースを用いて中空の医療用ドリルを回転させ、中空の医療用ドリルの切れ味を比較した。
工作機械等で試験すると、中空の医療用ドリルを掴むチャック部が中実の医療用ドリルの端部に当たってしまい、穿孔不能となるため、この試験においてはストライカー社等の医療機器メーカーのハンドピースを使用する。これらのハンドピースは、施術方法に則し、ドリル端部がハンドピースの外部に自由にスライドできる構造となっているため、穿孔不能とはならない。
比較例:スミス&ネヒュー社製中空ドリル(図25の(d)に相当する形状)、刃部の外径:約4.4mm、穴径:約2.6mm、全長:約203mm、外周切刃の捩れ角:16°
実施例:比較例のスミス&ネヒュー社製のドリルの先端部を、図20の(b)に相当する形状に形成した本発明に係る中空の医療用ドリル
比較例と実施例の切れ味は、3名の作業者A〜Cにより、良く切れる(〇)、切れ難い(△)、の評価を以って確認した。
実施例及び比較例の中空の医療用ドリルによる切れ味の評価を表2に示す。
この試験結果から、本発明に係る中空の医療用ドリルは、従来の中空の医療用ドリルと比較して、切削能力が高いことがわかった。
2 主切刃
3 逃げ面
4 チゼル
5 主切刃により形成されたすくい面
6 シンニングにより形成されたすくい面
7 ドリル先端中心部
8 シンニング切刃により形成されたシンニング面
11 切屑排出溝の溝長
12 内腔
13 先端部
14 円周状エッジ
15 切刃
18 内径端
19 外周部
20 直線部
21 切屑排出溝
22 ギャッシュポケット
23 先端部
24 基端部
25 平面部
26 シンニング面
27 中心部
28 チゼル部
29 外周部
30 すくい面
31 逃げ面
32 切刃
θ1 主切刃により形成されたすくい角
θ2 シンニング切刃により形成されたすくい角
δ 捩れ角
ε 先端角
α1 主切刃により形成された刃先角
α2 シンニング切刃により形成された刃先角
β 逃げ角
γ 傾斜の角度
A 主切刃の長さ
B シンニング切刃の長さ
C ドリル軸芯方向
D シンニング面最深部の延長線
R ドリル半径
W チゼル幅
d ずれ量
Claims (15)
- 回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部にシンニングが施されている骨切削のための中実の医療用ドリルであって、
前記切刃が、ドリル先端側から見たとき、チゼルエッジからドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃と、前記シンニング切刃の端部からドリル外周端まで延びる主切刃とからなり、
前記シンニング切刃により形成されたシンニング面の切屑排出溝との境界の稜線が、前記切屑排出溝の開口側であるドリル正面側から見たとき、ドリル軸芯方向に対してドリル先端側から基端側に向かうにつれてシンニング切刃側から主切刃側へと移行する方向に傾斜した略U字状に形成されており、
前記主切刃により形成されたすくい角θ1と、前記シンニング切刃により形成されたすくい角θ2が、θ1>θ2>0°を満たし、
先端角が30°〜110°であり、捩れ角が5°〜25°であり、
前記切屑排出溝の溝長が、切削する骨の切削深さよりも短いことを特徴とする中実の医療用ドリル。 - 前記先端角が40°〜90°であることを特徴とする請求項1に記載の中実の医療用ドリル。
- 前記先端角が45°〜55°であることを特徴とする請求項2に記載の中実の医療用ドリル。
- 前記捩れ角が15°〜20°であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリル。
- ドリル直径が1mm〜3mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリル。
- 先端から軸方向に貫通する内腔を備え、先端部の円周状エッジ上に複数の切刃を有し、前記内腔を挿通するドリル直径を有する中実の医療用ドリルによって穿設された孔を拡径するための骨切削用の中空の医療用ドリルであって、
当該中空の医療用ドリルが軸方向に回転した際に、前記先端部の形状は軸方向に対して垂直方向から見て球状又は楕円球状を形成し、
前記切刃はその背面に逃げ角を備え、
前記先端部の内径端から外周部に掛けて切屑排出溝が設けられ、
前記切屑排出溝は軸方向に対して捩れを有し、これによって前記切刃前面にすくい角が形成され、
切刃先端部には、ギャッシュポケットが設けられている
ことを特徴とする骨切削のための中空の医療用ドリル。 - 前記切刃が、前記先端部の内径端から外周部に向けて直線部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の中空の医療用ドリル。
- 前記複数の切刃の枚数が2乃至6枚であることを特徴とする請求項6又は7に記載の中空の医療用ドリル。
- 前記内腔の直径が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリルの直径よりも0.1mm〜0.2mm大きいことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の中空の医療用ドリル。
- 被切削物を切削する先端部と、
回転駆動装置に固定される基端部と
を備えた先端部にシンニングが施されている骨切削のための中実の医療用ドリルであって、
前記先端部から前記基端部に向かって2面の平面部が設けられ、
前記先端部に先端角が設けられ、
前記先端部には1以上のシンニング面が形成され、
前記先端部は中心部にチゼル部を有し、
前記1以上のシンニング面が、前記先端部の中心部から外周部に向け刃先と略平行に形成されており、
前記1以上のシンニング面に形成された切刃のすくい面の逆側には逃げ面が形成されていることを特徴とする中実の医療用ドリル。 - 前記先端角が40°〜90°であることを特徴とする請求項10に記載の中実の医療用ドリル。
- 前記先端角が45°〜55°であることを特徴とする請求項11に記載の中実の医療用ドリル。
- ドリル直径が1mm〜3mmであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリル。
- 請求項1乃至5及び請求項10乃至13のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリルと、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の中空の医療用ドリルとからなる医療用ドリルセット。
- (1)請求項1乃至5及び請求項10乃至13のいずれか1項に記載の中実の医療用ドリルを用いて、該中実の医療用ドリルの直径によって骨の予め決められた位置に、骨の皮質を該中実の医療用ドリル先端によって穿孔してパイロット孔を穿設する工程と、
(2)請求項6乃至9のいずれか1項に記載の中空の医療用ドリルを用いて、前記中実の医療用ドリルを当該中空の医療用ドリルの内腔の先端から軸方向に挿通しながら当該中空の医療用ドリルで前記パイロット孔を拡径する工程と、
(3)前記中実の医療用ドリルのみを拡径した孔から取り出し、該拡径した孔に腱を通し、該腱の両端を骨に固定する工程と
からなる中実の医療用ドリル及び中空の医療用ドリルを用いた靭帯再建のための骨穿孔方法。
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