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JP2018101633A - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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JP2018101633A JP2018019753A JP2018019753A JP2018101633A JP 2018101633 A JP2018101633 A JP 2018101633A JP 2018019753 A JP2018019753 A JP 2018019753A JP 2018019753 A JP2018019753 A JP 2018019753A JP 2018101633 A JP2018101633 A JP 2018101633A
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Abstract

【課題】製造工程において電極を高温に晒すことなく、二次電池のサイクル特性を向上させることができる二次電池およびその製造方法を提供する。【解決手段】負極箔42aと負極合剤層42bとを有する負電極42と、負極箔42aと溶接される集電板とを備えた二次電池である。負極合剤層42bは、被覆層3を有するSiO系活物質粒子1と、炭素系活物質粒子4と、導電材と、結着剤とを含む。結着剤は、被覆層3とは異なる材料で構成されている。炭素系活物質粒子4は、結着剤で覆われている。被覆層3は、イミド系樹脂材料で構成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、二次電池およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池では、従来から負極活物質として黒
鉛等の炭素材料が用いられている。このような従来の二次電池では、近年の高容量化の要
求の高まりに対応することが次第に困難になりつつあり、ケイ素等のより高容量の負極活
物質を用いた二次電池の検討が進められている(例えば、下記特許文献1、2を参照)。
特許文献1では、ケイ素を負極活物質として用いることにより、炭素材料を用いるより
も高容量の電池とすることができるとされている。また、負極活物質として、特定のシリ
コン複合体のみを用いること、前記シリコン複合体に、SiOx(0.3≦x≦1.6)
で表されるケイ素酸化物からなる粒子、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化
合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体などの公知の負極活物質を混合して用いるこ
と、などが記載されている。
また、特許文献1には、活物質および電極の導電性を高めるために添加される導電助剤
を集電体に結着するためのバインダー樹脂として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマー、スチレンブタジエンゴ
ム(SBR)等のゴム、ポリイミド等のイミド系ポリマーなどが例示されている。
特許文献2では、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ることを課題とし、負
極活物質として黒鉛材料とケイ素またはケイ素化合物とを含む活物質を用い、負極バイン
ダーとして、ポリイミドおよびポリビニルピロリドンを用いることを特徴とする非水電解
質二次電池が開示されている。
特開2013−234088号公報 特開2012−160353号公報
負極活物質としてケイ素を用いる場合、充放電に伴う体積の膨張収縮が従来の炭素材料
と比較して大きくなる。そのため、例えば、特許文献1に記載の非水系二次電池において
、負極活物質として前記シリコン複合体または該シリコン複合体と公知の負極活物質との
混合物を用い、バインダー樹脂として比較的結着力の弱いPVDF、PTFE、SBR等
を用いる場合には、前記シリコン複合体が二次電池の充放電に伴って膨張収縮を繰り返し
て割れる虞がある。前記シリコン複合体に割れが生じた場合、二次電池のサイクル特性が
劣化する。
これに対し、特許文献2に記載の非水電解質二次電池では、負極バインダーとして比較
的結着力の強いポリイミドおよびポリビニルピロリドンを用いることで、二次電池のサイ
クル特性を向上させている。しかし、特許文献2では、ポリイミド樹脂の前駆体をN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)中に溶解させ、さらにポリビニルピロリドン、黒鉛およ
びケイ素を混合して調製した負極スラリを、負極集電体としての銅箔の両面上に塗布し、
乾燥し、圧延した後、アルゴン雰囲気化で400℃10時間熱処理して、負電極を作成し
ている。このように、負電極の製造過程において負極集電体が長時間に亘って高温に晒さ
れると、負極集電体の強度が低下し、または、集電板等の金属に対する溶接性が低下し、
後の二次電池の製造工程に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、二次電池
の製造工程において電極を高温に晒すことなく、二次電池のサイクル特性を向上させるこ
とにある。
前記目的を達成すべく、本発明の二次電池は、負極箔と負極合剤層とを有する負電極を
備えた二次電池であって、前記負極合剤層は、SiO系活物質粒子と結着剤とを含み、前
記SiO系活物質粒子は、前記結着剤の耐熱温度よりも高い温度でイミド化させたイミド
結合を含む樹脂材料からなる被覆層によって少なくとも一部が被覆されていることを特徴
とする。
本発明の二次電池によれば、二次電池の製造工程において電極を高温に晒すことなく、
二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
実施形態に係る二次電池の斜視図。 図1に示す二次電池の内部構造を示す分解斜視図。 図2に示す電極群の分解斜視図。 図3に示す負電極の拡大断面図。 図3に示す負電極の製造工程を示すフロー図。 実施例に係る二次電池のサイクル数と容量維持率の関係を示すグラフ。 実施例に係る二次電池のケイ素系材料の被覆率と初回充放電効率との関係を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る二次電池およびその製造方法を説明する
。図1は、本発明の実施形態1に係る二次電池100の外観斜視図である。本実施形態の
二次電池100は、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池である。
本実施形態の二次電池100は、後述する負電極が備える負極合剤層が負極活物質とし
てSiO系活物質粒子を含み、このSiO系活物質粒子が、結着剤の耐熱温度よりも高い
温度でイミド化させたイミド結合を含む樹脂材料からなる被覆層によって、少なくとも一
部が被覆されていることを最大の特徴としている。以下、本実施形態の二次電池100の
構成を詳細に説明する。
二次電池100は、例えばアルミニウム合金等の金属材料によって製作された扁平箱形
の電池容器10を備えている。電池容器10は、上端面10a、下端面10b、広側面1
0cおよび狭側面10dを有する扁平な直方体形状の筐体である。電池容器10は、上部
が開放された扁平な矩形箱形の電池缶11と、電池缶11の上部を封止する長方形板状の
電池蓋12とを有している。電池缶11は、例えば、前記金属材料に深絞り加工を施すこ
とによって、上部に矩形の開口部11aを有する有底角筒状に形成されている。
電池容器10の幅方向すなわち電池蓋12の長手方向の両端には、電池容器10の外側
で電池蓋12の上面に、正極および負極の外部端子20A、20Bが設けられている。外
部端子20A、20Bと電池蓋12との間には、絶縁部材24が配置され、外部端子20
A、20Bが電池蓋12に対して電気的に絶縁されている。正極の外部端子20Aは、例
えばアルミニウムまたはアルミニウム合金によって製作され、負極の外部端子20Bは、
例えば銅または銅合金によって製作されている。
外部端子20A、20Bは、それぞれ、導電板21と、ボルト22とを備えている。導
電板21は、電池容器10の幅方向外側に設けられた貫通孔にボルト22を下方から上方
へ挿通させている。ボルト22は、頭部が絶縁部材24と導電板21との間に配置され、
導電板21と電気的に接続されている。導電板21は、電池容器10の幅方向内側に設け
られた貫通孔に下方から上方へ接続端子23を挿通させている。接続端子23は、先端部
が導電板21の上面でかしめられ、拡径するように塑性変形して導電板21に密着するこ
とで、導電板21に電気的に接続され、絶縁部材24によって電池蓋12に対して電気的
に絶縁されている。
電池蓋12の正極および負極の外部端子20A、20Bの間には、ガス排出弁13と注
液口14とが設けられている。ガス排出弁13は、例えば電池蓋12を薄肉化して溝部1
3aを形成することによって設けられ、電池容器10の内部の圧力が所定値を超えて上昇
した時に開裂して内部のガスを放出することで、電池容器10の内部の圧力を低下させる
。注液口14は、電池容器10の内部に電解液を注入するのに用いられ、例えばレーザ溶
接によって注液栓15が溶接されて封止されている。
図2は、図1に示す二次電池100の内部構造を示す分解斜視図である。なお、図2で
は、電池缶11の図示は省略している。電池蓋12の長手方向の両端で、電池容器10の
内側となる電池蓋12の下面には、不図示の絶縁部材を介して正極および負極の集電板3
0A、30Bが固定されている。正極の集電板30Aは、例えば、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金によって製作され、負極の集電板30Bは、例えば、銅または銅合金によ
って製作されている。集電板30A、30Bは、それぞれ、接続端子23の基端部が接続
された基部31と、基部31から電池缶11の底面11bに向けて延びる端子部32と、
を有している。
集電板30A、30Bのそれぞれの基部31に接続された接続端子23は、電池容器1
0の外方へ向けて延びて電池蓋12を貫通している。接続端子23は、電池蓋12の下面
に配された不図示の絶縁部材の貫通孔と、電池蓋12の貫通孔と、電池蓋12の上面に配
された絶縁部材24の貫通孔と、導電板21の貫通孔とを貫通し、先端部が導電板21の
上面でかしめられている。これにより、集電板30A、30Bのそれぞれの基部31は、
接続端子23によって導電板21に電気的に接続されると共に、不図示の絶縁部材を介し
て電池蓋12の下面に略平行に固定されている。集電板30A、30Bのそれぞれの基部
31および接続端子23は、電池蓋12の下面に配された不図示の絶縁部材によって電池
蓋12に対して電気的に絶縁されている。
正極および負極の集電板30A、30Bのそれぞれの端子部32は、電池容器10の厚
さ方向における基部31の両側から、電池缶11の最大面積の広側面11cに沿って電池
缶11の底面11bに向けて延びる板状に形成されている。集電板30A、30Bのそれ
ぞれの端子部32は、後述する電極群40の捲回軸D方向において、基部31の外側の端
部から延びて電極群40の端部の集電板接合部41d、42dにそれぞれ接合されている
。これにより、正極の集電板30Aが、電極群40の捲回軸D方向の一方の端部に配置さ
れて正電極41(図3参照)に電気的に接続され、負極の集電板30Bが、電極群40の
捲回軸D方向の他方の端部に配置されて負電極42(図3参照)に電気的に接続されてい
る。
電極群40は、端子部32に接合されることで、集電板30A、30Bおよび絶縁部材
(図示略)を介して電池蓋12に固定されている。また、外部端子20A、20B、絶縁
部材24、電池蓋12の下面の絶縁部材(図示略)、集電板30A、30B、および電極
群40が電池蓋12に組み付けられることで、蓋組立体が構成されている。
電池缶11と電極群40との間には、電極群40を覆う絶縁ケース50が配置される。
絶縁ケース50は、シート状のシート部51と、ケース状のケース部52とを備えている
。なお、絶縁ケース50は、一体に成形してもよい。絶縁ケース50は、例えば、ポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(PFA)、ポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)等によって製作されている。
シート部51は、電極群40の捲回軸D方向における幅と同等の幅を有し、電極群40
の正極の集電板30Aの端子部32が接続された集電板接合部41dに対向する位置から
、負極の集電板30Bの端子部が接合された集電板接合部42dに対向する位置まで、電
池容器10の幅方向に延在している。また、シート部51は、図1に示す電池容器10の
正面側の電池蓋12近傍から、電池容器10の広側面10cに沿って下端面10b近傍ま
で延び、電池容器10の底面10a対向する電極群40の湾曲部40bを覆うように折り
返され、電池容器10の背面側の広側面10cに沿って電池蓋12近傍まで延在している
ケース部52は、電極群40の捲回軸D方向の両端に配されて、それぞれ集電板30A
、30Bの端子部32が接合された電極群40の集電板接合部41d、42dを覆うよう
に設けられている。ケース部52は、捲回軸D方向の内側の面と、電池蓋12側の面とが
開放された直方体の箱形状を有し、集電板30A、30Bの端子部32が接合された電極
群40の捲回軸D方向の両端を、電池容器10の下端面10bに垂直な高さ方向の全体に
亘って覆っている。
二次電池100の製造時に、図2に示す部材からなる前記蓋組立体は、電極群40およ
び集電板30A,30Bと電池缶11との間に絶縁ケース50を配置してこれらの間を電
気的に絶縁した状態で、電極群40の下方側の湾曲部40bから、図1に示す電池缶11
の開口部11aに挿入される。電極群40は、捲回軸D方向の両側に電池缶11の狭側面
11dが位置し、捲回軸D方向が電池缶11の底面11bおよび広側面11cに略平行に
沿うように電池缶11内に収容される。
これにより、電極群40は、一方の湾曲部40bが電池蓋12に対向し、もう一方の湾
曲部40bが電池缶11の底面11bに対向し、平坦部40aが広側面11cに対向した
状態になる。そして、電池蓋12によって電池缶11の開口部11aを閉塞した状態で、
例えば、レーザ溶接によって電池蓋12の全周を電池缶11の開口部11aに接合するこ
とで、電池缶11と電池蓋12からなる電池容器10が形成される。
その後、電池蓋12の注液口14を介して電池容器10の内部に非水電解液を注入し、
例えば、レーザ溶接によって注液栓15を注液口14に接合して封止することで、電池容
器10が密閉されている。電池容器10の内部に注入する非水電解液としては、例えば、
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比で1:2の割合で混合した混合
溶液中に、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解した
ものを用いることができる。
図3は、図2に示す電極群40の一部を展開した分解斜視図である。電極群40は、セ
パレータ43、44を介在させて積層させた正負の電極41、42を捲回軸Dに平行な軸
心の周りに捲回して扁平形状に成形した捲回電極群である。
電極群40は、電池容器10の広側面10cに対向する平坦部40aと上下端面10a
、10bに対向する湾曲部40bとを有する扁平形状に成形されている。平坦部40aは
、電極41、42とセパレータ43、44が平坦に積層された部分であり、湾曲部40b
は、電極41、42とセパレータ43、44が半円筒状に湾曲して積層された部分である
。セパレータ43、44は、正電極41と負電極42との間を絶縁すると共に、最外周に
捲回された負電極42の外周にもセパレータ44が捲回されている。
正電極41は、正極集電体である正極箔41aと、正極箔41aの両面に塗布された正
極活物質合剤からなる正極合剤層41bとを有している。正電極41の幅方向の一側は、
正極合剤層41bが形成されず、正極箔41aが露出した箔露出部41cとされている。
正電極41は、箔露出部41cが負電極42の箔露出部42cと捲回軸D方向の反対側に
配置されて、捲回軸Dの周りに捲回されている。
正電極41は、例えば、正極活物質に導電材、結着剤および分散溶媒を添加して混練し
た正極活物質合剤を、幅方向の一側を除いて正極箔41aの両面に塗布し、乾燥、プレス
、裁断することによって製作することができる。正極箔41aとしては、例えば、厚さ約
20μmのアルミニウム箔を用いることができる。正極箔41aの厚みを含まない正極合
剤層41bの厚さは、例えば、約90μmである。
正極活物質合剤の材料としては、例えば、正極活物質として100重量部のマンガン酸
リチウム(化学式LiMn)を、導電材として10重量部の鱗片状黒鉛を、結着剤
として10重量部のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)を、分散溶媒とし
てN−メチルピロリドン(以下、NMPという。)を、それぞれ用いることができる。
正極活物質は、前記したマンガン酸リチウムに限定されず、例えば、スピネル結晶構造
を有する他のマンガン酸リチウム、一部を金属元素で置換またはドープしたリチウムマン
ガン複合酸化物を用いてもよい。また、正極活物質として、層状結晶構造を有するコバル
ト酸リチウムやチタン酸リチウム、およびこれらの一部を金属元素で置換またはドープし
たリチウム−金属複合酸化物を用いてもよい。
負電極42は、負極集電体である負極箔42aと、負極箔42aの両面に塗布された負
極活物質合剤からなる負極合剤層42bとを有している。負電極42の幅方向の一側は、
負極合剤層42bが形成されず、負極箔42aが露出した箔露出部42cとされている。
負電極42は、その箔露出部42cが正電極41の箔露出部41cと捲回軸D方向の反対
側に配置されて、捲回軸D周りに捲回されている。
図4は、図3に示す負電極42の断面の一部を拡大した模式的な拡大断面図である。な
お、負極合剤層42bは、負極箔42aの両面に形成されているが、図4では、負極箔4
2aの一方の面の負極合剤層42bのみを図示し、他方の面の負極合剤層42bの図示を
省略している。
本実施形態の二次電池100は、負極合剤層42bが、負極活物質としてのSiO系活
物質粒子1と結着剤2とを含み、SiO系活物質粒子1は、結着剤2の耐熱温度よりも高
い温度でイミド化させたイミド結合を含む樹脂材料からなる被覆層3によって少なくとも
一部が被覆されていることを最大の特徴としている。また、本実施形態では、負極合剤層
42bは、負極活物質として、例えば、天然黒鉛等の炭素系活物質粒子4を含んでいる。
SiO系活物質粒子1は、例えば、化学式SiOx(ただし、0.8<x<1.2)で
表されるケイ素系活物質であり、例えば、篩目開き53μm、270メッシュの篩によって
粗粒が取り除かれた粒子である。SiO系活物質粒子1は、表面の全体または一部が被覆
層3によって覆われている。SiO系活物質粒子1の被覆層3から露出した部分は、充放
電に伴うリチウム(Li)イオンの収受を担うサイトとして機能し、Liイオンを吸蔵放
出する出入り口となる。
結着剤2は、被覆層3を有するSiO系活物質粒子1と炭素系活物質粒子4との間に充
填され、これらを結着させて負極箔42aの表面に保持している。結着剤2は、例えば、
スチレンブタジエンゴム(SBR)によって構成され、導電材として、例えば炭素や鱗片
状黒鉛を含んでいる。結着剤2がSBRによって構成される場合には、100℃以下の温
度で軟化するため、耐熱温度は100℃以下となる。また、結着剤2がPVDFによって
構成される場合には、融点が、例えば、150℃以上180℃以下であるため、耐熱温度
は150℃以下となる。結着剤2の耐熱温度とは、結着剤2がその機能を維持することが
できる温度の上限である。
被覆層3は、SiO系活物質粒子1の表面全体または表面の一部を覆うように、SiO
系活物質粒子1の表面に強固に結着している。被覆層3は、例えば、ポリイミド(PI)
またはポリアミドイミド(PAI)によって構成することができる。被覆層3を形成する
工程におけるイミド化の温度をより低くする観点から、被覆層3は、好ましくはPAIに
よって構成される。
炭素系活物質粒子4の平均粒径は、例えば、SiO系活物質粒子1の平均粒径よりも大
きくされている。炭素系活物質粒子4の総重量と、被覆層3を有するSiO系活物質粒子
1の総重量との比は、例えば、95:5とされている。炭素系活物質粒子4は、被覆層3
を有しておらず、表面に結着剤2が結着している。
ここで、図5を参照して、本実施形態の二次電池100の製造工程に含まれる負電極4
2の製造工程について説明する。図5(a)は、負電極42の製造工程を示すフロー図で
あり、図5(b)は、図5(a)に示す被覆工程S1の詳細を示すフロー図である。負電
極42は、図5(a)に示す被覆工程S1、調製工程S2および塗布乾燥工程S3を経て
製造される。
被覆工程S1は、樹脂材料の前駆体をイミド化させてSiO系活物質粒子1の表面の少
なくとも一部にイミド結合を含む前記樹脂材料からなる被覆層3を形成する工程である。
被覆工程S1は、図5(b)に示す混合工程S11、乾燥工程S12、粉砕工程S13、
重合工程S14、解砕工程S15、および、選別工程S16を有している。
混合工程S11では、まず、平均粒径が約5μmのSiOx(ただし、0.8<x<1
.2)の粒子であるSiO系活物質粒子1の集合体である粉末に対して約5%の炭素を担
持させる。また、例えば、PI、PAI等の樹脂材料を、例えば、NMP等の溶媒に溶解
させ、樹脂材料の前駆体の溶液を用意する。そして、これらをプラネタリミキサに投入し
て、例えば約20分程度、混合および撹拌する。これにより、SiO系活物質粒子1と樹
脂材料の前駆体との混合物を得る。
なお、本実施形態では、樹脂材料の前駆体をイミド化重合させることによって形成され
る被覆層3の総重量が、SiO系活物質粒子1の総重量の1%以上かつ5%以下となるよ
うに、各材料の重量を調整している。
乾燥工程S12では、混合工程S11で得られた混合物をプラネタリミキサから取り出
し、例えばアルミニウム等の金属箔上に載置し、例えば空気中で約80℃の温度で約1時
間乾燥させて溶媒を蒸発させる。さらに、乾燥させた混合物を、例えば真空中で約100
℃の温度で約2時間乾燥させ、溶媒を完全に蒸発させる。これによりSiO系活物質粒子
1と樹脂材料の前駆体とを含む塊状物を得る。
粉砕工程S13では、乾燥工程S12で得られた塊状物を、例えば、乳鉢で粗く解砕し
た後、ミルで砂粒状になるまで10分以上粉砕して、SiO系活物質粒子1と樹脂材料の
前駆体とを含む粉体を得る。
重合工程S14では、樹脂材料の前駆体をSiO系活物質粒子1と共に250℃以上か
つ350℃以下の温度に加熱してイミド化させる。本実施形態では、重合工程において、
粉砕工程S13で得られた粉体を、例えばアルミニウム等の金属箔上に載置し、例えば3
00℃の温度で真空乾燥して加熱し、樹脂材料の前駆体を重合させてイミド化させる。こ
れにより、SiO系活物質粒子1の表面に、例えばPIまたはPAI等のイミド結合を含
む樹脂材料を強固に結着させる。
解砕工程S15では、重合工程S14で得られたSiO系活物質粒子1と例えばPIま
たはPAI等のイミド結合を含む樹脂材料からなる塊状物を室温まで降温させた後、例え
ば、乳鉢およびミルで5分以上解砕する。これにより、少なくとも一部がPIまたはPA
I等のイミド結合を含む樹脂材料からなる被覆層3に被覆されたSiO系活物質粒子1の
粉末を得る。
選別工程S16では、解砕工程S15で得られた粉末を、例えば、篩目開き53μm、
270メッシュの篩に掛けて粗粒を取り除き、所定の範囲の粒径を有し、表面の少なくと
も一部が被覆層3に被覆されたSiO系活物質粒子1の粉末を得る。以上により、図5(
a)に示す被覆工程S1が終了する。
図5(a)に示す調製工程S2では、被覆工程S1で得られた被覆層3を有するSiO
系活物質粒子1と、結着剤2とを含むスラリを調製する。本実施形態では、調製工程S2
において、負極活物質として、被覆層3を有するSiO系活物質粒子1だけでなく炭素系
活物質粒子4をも含むスラリを調整する。具体的には、炭素系活物質粒子4の総重量と、
被覆層3を有するSiO系活物質粒子1の総重量との比が、例えば、95:5から95:
3までの範囲となるように混合してプラネタリミキサで乾式混合する。
その後、この混合物に、増粘剤として例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)を
加えて撹拌し、粘度を調整することで適切な粘度のスラリを得る。このスラリに、結着剤
として例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)を加えて混練することで、負極活物質お
よび結着剤を含むスラリが得られる。CMCとSBRは、例えば、98重量部の負極活物
質に対して2重量部を加えることができる。増粘剤、結着剤の分散溶媒およびスラリの粘
度調整には、例えばイオン交換水を用いることができる。
図5(a)に示す塗布乾燥工程S3では、調製工程S2で得られたスラリを、負極箔4
2aの両面に幅方向の一側を除いて塗布し、乾燥させて結着剤を溶融または軟化させ、そ
の後、降温させてプレス、裁断する。本実施形態において、塗布乾燥工程S3における乾
燥温度は、被覆工程S1においてSiO系活物質粒子1を被覆する被覆層3の樹脂材料の
前駆体を重合させる温度よりも低く、例えば120℃以下であり、好ましくは100℃以
下とされる。負極箔42aとしては、例えば、厚さ約10μmの銅箔を用いることができ
る。
これにより、図4に示すように、被覆層3を有するSiO系活物質粒子1間に結着剤2
が形成され、負極箔42aの表面に負極合剤層42bが形成される。本実施形態では、結
着剤2の層は、被覆層3を有するSiO系活物質粒子1と炭素系活物質粒子4との間、お
よび炭素系活物質粒子4間にも形成される。負極箔42aの厚みを含まない負極合剤層4
2bの厚さは、例えば、約70μmである。以上により、負極活物質の粒子間に結着剤2
を含む負極合剤層42bを備えた負電極42を製造することができる。
本実施形態において、負極活物質は、SiO系活物質粒子1と炭素系活物質粒子4の双
方を含んでいる。しかし、負極活物質としてSiO系活物質粒子1のみを用いてもよい。
また、炭素系活物質粒子4は、前記したリチウムイオンを挿入、脱離可能な天然黒鉛に限
定されず、非晶質炭素、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料やSiやSnなど
の化合物(例えば、SiO、TiSi等)、またはそれらの複合材料を用いてもよい。
負極活物質の粒子形状についても特に限定されず、鱗片状、球状、繊維状または塊状等の
粒子形状を適宜選択することができる。
また、前記した正極および負極の合剤層41b、42bに用いる結着材は、PVDF、
SBRに限定されない。前記した結着材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(
PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム
、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロ
ニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、
アクリル系樹脂などの重合体およびこれらの混合体などを用いてもよい。
また、図3に示すセパレータ43、44を介在させて正電極41および負電極42を重
ねて捲回する際の軸芯は、例えば、正極箔41a、負極箔42a、セパレータ43、44
のいずれよりも曲げ剛性の高い樹脂シートを捲回したものを用いることができる。
電極群40の捲回軸D方向において、負電極42の負極合剤層42bの幅は、正電極4
1の正極合剤層41bの幅よりも広くなっている。また、電極群40の最内周と最外周に
は負電極42が捲回されている。これにより、正極合剤層41bは、電極群40の最内周
から最外周まで負極合剤層42bの間に挟まれている。
正電極41および負電極42の箔露出部41c、42cはそれぞれ電極群40の平坦部
40aで束ねられて前記した集電板接合部41d、42d(図2参照)が形成される。正
電極41および負電極42のそれぞれの集電板接合部41d、42dは、例えば超音波溶
接等によって、正極および負極の集電板30A、30Bのそれぞれの端子部32に接合さ
れる。これにより、正極側および負極側において、外部端子20A、20Bが、それぞれ
集電板30A、30Bを介して、電極群40を構成する正負の電極41、42とそれぞれ
電気的に接続される。
なお、電極群40の捲回軸D方向において、セパレータ43、44の幅は負極合剤層4
2bの幅よりも広いが、正電極41および負電極42の箔露出部41c、42cは、それ
ぞれセパレータ43、44の幅方向端部よりも幅方向外側に突出している。したがって、
セパレータ43、44は、箔露出部41c、42cを束ねて溶接する際の支障にはならな
い。
以下、本実施形態の二次電池100およびその製造方法の作用について説明する。
本実施形態の二次電池100は、例えば、図1に示す外部端子20A、20Bのボルト
22に不図示のバスバーを締結して他の二次電池100の外部端子20A、20Bと接続
することにより、組電池として用いられる。二次電池100は、外部端子20A、20B
を介して外部から供給された電力を、図2に示す接続端子23および集電板30A、30
Bを介して電極群40に蓄積する。また、電極群40に蓄積した電力を、集電板30A、
30Bおよび接続端子23を介して外部端子20A、20Bから外部へ供給する。
二次電池100の充放電に伴って、図4に示す負極合剤層42bに含まれるSiO系活
物質粒子1と炭素系活物質粒子4は膨脹収縮を繰り返すが、SiO系活物質粒子1の体積
の変化は、炭素系活物質粒子4よりも大きくなる。そのため、バインダー樹脂、すなわち
結着剤2として、比較的結着力が弱いPVDF、SBR等を用いた従来の二次電池では、
繰り返しの膨張収縮によってSiO系活物質粒子1に割れを生じ、二次電池のサイクル特
性が低下する虞があった。また、負極バインダー、すなわち結着剤2としてポリイミド(
PI)およびポリビニルピロリドン(PVP)を用いた従来の二次電池では、PIをイミ
ド化させて結着剤2を形成する際に、負極箔42aが高温に晒されて強度および溶接性が
低下し、二次電池100の製造工程に悪影響を及ぼす虞があった。
これに対し、本実施形態の二次電池100では、SiO系活物質粒子1は、結着剤2の
耐熱温度よりも高い温度でイミド化させたイミド結合を含む樹脂材料からなる被覆層3に
よって少なくとも一部が被覆されている。これにより、SiO系活物質粒子1の膨張収縮
時の体積変化を、結着剤2よりも結着力の高い強靭な樹脂材料からなる被覆層3によって
低減させ、または、SiO系活物質粒子1の表面で起こる電解液の還元分解などの副反応
を抑制し、SiO系活物質粒子1の割れを抑制することができる。
また、本実施形態の二次電池100は、負電極42の製造時に、負極箔42aに結着剤
2を形成する塗布乾燥工程S3の前に、SiO系活物質粒子1の表面にPIまたはPAI
等のイミド結合を含む樹脂材料からなる被覆層3を形成する被覆工程S1を有している。
また、塗布乾燥工程S3における乾燥温度は、被覆工程S1において被覆層3の樹脂材料
の前駆体をイミド化させて重合させる温度よりも低くなっている。そのため、負極箔42
aを、イミド化重合に必要な高温に晒さらすことを回避できる。
したがって、本実施形態の二次電池100およびその製造方法によれば、製造工程にお
いて負電極42を高温に晒すことなく、二次電池100のサイクル特性を向上させること
ができる。
また、被覆層3の樹脂材料がPAIである場合には、イミド化重合に必要な温度をPI
の場合よりも低下させ、二次電池100の製造工程の簡略化および製造コストの低減に寄
与する。また、結着剤2がSBRを含む場合には、結着剤2の柔軟性を向上させて負極合
剤層42bの耐久性を向上させることができる。また、負極合剤層42bが、炭素系活物
質粒子4を含むことで、負極合剤層42bが負極活物質としてSiO系活物質粒子1のみ
を含む場合と比較して、負極合剤層42bの膨張収縮を抑制することができる。
また、被覆工程S1は、被覆層3の樹脂材料の前駆体をSiO系活物質粒子1と共に2
50℃以上かつ350℃以下の温度に加熱してイミド化させる重合工程S14を有してい
る。これにより、SiO系活物質粒子1の表面に強固に結着したPIまたはPAI等のイ
ミド結合を含む樹脂材料からなる強靭な被覆層3を形成することができる。
また、被覆工程S1は、重合工程S14の前に、混合工程S11と乾燥工程S12と粉
砕工程S13とを有している。これにより、重合工程S14において、粉体とされた被覆
層3の樹脂材料の前駆体とSiO系活物質粒子1とを加熱することができる。したがって
、重合工程S14において、被覆層3の樹脂材料の前駆体とSiO系活物質粒子1とが塊
状である場合と比較して、SiO系活物質粒子1の表面により均一かつ緻密な被覆層3を
形成することが可能になる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形
態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても、それらは本発明に含まれるものである。例えば、前述の実施形態および実施例では
、本発明を角形二次電池に適用する例について説明したが、本発明は、角形二次電池に限
られず、例えば円筒形やラミネート型等、非水電解液二次電池の負極全般に適用すること
が可能である。
[実施例]
以下、本発明の二次電池およびその製造方法の実施例について説明する。
前述の実施形態で説明した製造方法に基づき、実施例1、2および比較例1の負電極を
製作した。実施例1、2の負電極では、それぞれ、SiO系活物質粒子の総重量に対する
被覆層の樹脂材料としてのPAIの総重量を3%、および5%とした。一方、比較例1の
負電極では、SiO系活物質粒子の総重量に対する被覆層の樹脂材料としてのPAIの総
重量を0%(被覆層なし)とした。なお、実施例1、2および比較例1の負電極において
、炭素系活物質粒子の総重量と、被覆層を有するSiO系活物質粒子の総重量との比は、
95:3とした。これらの負電極を、それぞれセパレータを介して正電極と重ね、実施例
1、2および3の小型セルを作製し、初期サイクル特性を測定した。なお、各小型セルの
充放電方法は、以下の通りである。
充電:0.5C定電流定電圧充電、定電圧値4.2V、0.01C終止
放電:0.5C定電流、2.7V終止
図6は、横軸を充放電のサイクル数(cycle)、縦軸を各セルの容量維持率(%)とし
て実施例1、2および比較例1の小型セルのサイクル数と容量維持率との関係を示すグラ
フである。
図6中、実施例1(PAI:3%)の小型セルの測定結果を白抜きの三角印および破線
で、実施例2(PAI:5%)の小型セルの測定結果を白抜きの丸印および実線で、比較
例1(PAI:0%)の小型セルの測定結果を黒の四角印および一点鎖線で示している。
以上の結果から、実施例1および2の被覆層を有するSiO系活物質粒子を用いた小型セ
ルでは、比較例1の被覆層を有しないSiO系活物質粒子を用いた小型セルよりもサイク
ル特性が向上することが確認された。
次に、前述の実施例1、2および比較例1の負電極を製作すると共に、SiO系活物質
粒子の総重量に対する被覆層の樹脂材料としてのPAIの総重量(PAI被覆量)を1%
とした実施例3の負電極を同様に製作した。なお、各負電極においては、炭素系活物質粒
子の総重量と、被覆層を有するSiO系活物質粒子の総重量と、結着剤および増粘剤から
なるバインダーの総重量との比が95:3:2となるようにスラリを調整して負極箔に塗
布した。これらの負電極を用いて金属リチウムを対極としたハーフセルを作製し、負極の
初回充放電効率を計測した。以下の条件で充電、放電を行ったときの放電容量を充電容量
で除した値を図7に示す。
充電:0.5C定電流定電圧充電、定電圧値0.01V vs Li金属、0.01C終止
放電:0.5C定電流、1.5V vs Li金属終止
図7は、縦軸を初回充放電効率(%)、横軸をPAI被覆量(wt%)として、初回充
放電効率とPAI被覆量との関係を示すグラフである。実施例1(PAI被覆量:3wt
%)、実施例2(PAI被覆量:5wt%)および実施例3(PAI被覆量:1wt%)
と、比較例1(PAI被覆量:0wt%)とを比較すると、実施例1から3のいずれの小
型セルも比較例1の小型セルよりも高い初回充放電効率を示すことが確認された。
また、各実施例の小型セルの初回充放電効率は、実施例3(PAI被覆量:1wt%)
の小型セルが最も高く、実施例2(PAI被覆量:5wt%)の小型セルが最も低かった
。すなわち、被覆層の総重量は、SiO系活物質粒子の総重量の1%以上かつ5%以下で
あれば、被覆層を有しない場合よりも高い初回充放電効率が得られるが、SiO系活物質
粒子の総重量の1%以上かつ3%以下であれば、より高い初回充放電効率が得られること
が確認された。
1…SiO系活物質粒子、2…結着剤、3…被覆層、4…炭素系活物質粒子、42…負電
極、42a…負極箔、42b…負極合剤層、100…二次電池

Claims (2)

  1. 負極箔と負極合剤層とを有する負電極と、前記負極箔と溶接される集電板とを備えた二次電池であって、
    前記負極合剤層は、被覆層を有するSiO系活物質粒子と、炭素系活物質粒子と、導電材と、結着剤とを含み、
    前記結着剤は、前記被覆層とは異なる材料で構成され、
    前記炭素系活物質粒子は、前記結着剤で覆われており、
    前記被覆層は、イミド系樹脂材料で構成されていることを特徴とする二次電池。
  2. 前記結着剤は、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
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