(実施形態1)
以下、実施形態1に係る制御装置、点灯装置、照明器具及び点灯制御方法について、図1〜5を参照して説明する。
本実施形態の照明器具4は、図1に示すように、点灯装置2と、固体光源40とを有している。固体光源40は、複数(図1では2つのみを図示)のLED(Light Emitting Diode)素子41を有している。ただし、LED素子41の個数は2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、LED素子41に代えて、有機エレクトロルミネッセンス素子又はレーザーダイオード素子等を用いることもできる。
本実施形態の点灯装置2は、制御装置1と、入力フィルタ11と、整流回路12と、昇圧チョッパ回路13と、降圧チョッパ回路14(電源回路)とを備えている。
本実施形態の制御装置1は、制御ユニット3と、検出回路21(取得部)とを備えている。制御ユニット3は、制御部30と、昇圧制御回路31と、変換回路32(入力部)と、記憶部332と、A/D変換ポート333と、を備えている。制御部30は、降圧制御回路34と、処理部331と、信号送信部334と、を備えている。処理部331は、例えば、CPU(中央処理装置)により構成されている。信号送信部334は、図示しない複数の出力端子を有している。処理部331、記憶部332、A/D変換ポート333及び信号送信部334は、マイクロコンピュータ33(以降、マイコン33と称す)を構成している。
入力フィルタ11は、商用電源100から入力された交流電力からノイズ等の不要な周波数成分を除去する。
整流回路12は、入力フィルタ11を介して入力された交流電圧を整流(全波整流又は半波整流)した整流電圧を出力する。整流回路12は、例えば、ダイオードブリッジで構成されている。
昇圧チョッパ回路13は、インダクタL1を有する絶縁トランスT1と、ダイオードD1とを有している。インダクタL1は、一端が整流回路12の高電位側の出力端に接続されており、他端がダイオードD1のアノードに接続されている。さらに、昇圧チョッパ回路13は、スイッチング素子Q1と抵抗R1との直列回路を有している。スイッチング素子Q1としては、例えば、nチャネル型のエンハンスメント形電界効果トランジスタが用いられている。スイッチング素子Q1のドレインが、インダクタL1とダイオードD1との間の接続点に接続されている。抵抗R1は、一端がスイッチング素子Q1のソースに接続されており、他端が整流回路12の低電位側の出力端に接続されている。さらに、昇圧チョッパ回路13は、ダイオードD1のカソード及び整流回路12の低電位側の出力端に接続されたコンデンサC1を有している。昇圧チョッパ回路13において、スイッチング素子Q1がオン・オフすることによって、コンデンサC1の両端(昇圧チョッパ回路13の2つの出力端)間に昇圧電圧が発生する。
降圧チョッパ回路14は、スイッチング素子Q2と、インダクタL2を有する絶縁トランスT2と、コンデンサC2と、抵抗R2とを有している。スイッチング素子Q2、インダクタL2、コンデンサC2及び抵抗R2は、この順で、昇圧チョッパ回路13のコンデンサC1の両端間に、直列に接続されている。スイッチング素子Q2としては、例えば、nチャネル型のエンハンスメント形電界効果トランジスタが用いられている。スイッチング素子Q2のドレインがコンデンサC1の高電位側に接続されており、スイッチング素子Q2のソースがインダクタL2に接続されている。さらに、降圧チョッパ回路14は、インダクタL2とコンデンサC2との直列回路に並列接続した回生用のダイオードD2を有している。ダイオードD2のアノードが、コンデンサC2と抵抗R2との間の接続点に接続されている。降圧チョッパ回路14において、スイッチング素子Q2がオン・オフすることによって、コンデンサC2の両端(降圧チョッパ回路14の2つの出力端)間に降圧電圧が発生する。
降圧チョッパ回路14のコンデンサC2の両端間には、固体光源40が接続されている。昇圧チョッパ回路13が出力する電力は降圧チョッパ回路14に入力されて、固体光源40に供給される。スイッチング素子Q2は、オン・オフすることによって、固体光源40に供給される電力を増減させる。固体光源40はコンデンサC2に並列接続されているので、固体光源40に印加される電圧である印加電圧Vo1は、リプルが抑えられた波形となる。すなわち、コンデンサC2は印加電圧Vo1を平滑化する。
降圧チョッパ回路14が制御装置1による制御を受けることにより、固体光源40の調光レベルが制御される。調光レベルは、固体光源40の明るさを示す。制御装置1による調光制御の詳細は後述する。
昇圧チョッパ回路13からスイッチング素子Q2を介して供給される電力により、コンデンサC2が充電されて、印加電圧Vo1(コンデンサC2の両端の電圧)が点灯電圧VL1(図3B参照)に達すると、固体光源40は点灯する。つまり、点灯電圧VL1は、固体光源40が点灯を開始する電圧である。固体光源40の点灯電圧VL1は、固体光源40を構成する複数のLED素子41の順方向電圧、個数及び配置等によって決まる。
検出回路21は、2つの抵抗R3、R4の直列回路を備えている。抵抗R3は、一端がコンデンサC2の高電位側に接続されており、他端が抵抗R4と、制御ユニット3のマイコン33とに接続されている。抵抗R4は、抵抗R3に接続されている側とは反対側の端が接地されている。検出回路21は、固体光源40に印加された印加電圧Vo1を、2つの抵抗R3、R4の分圧として検出し(取得ステップ)、検出した電圧値である検出電圧値(物理量)を制御ユニット3のマイコン33に出力する。
マイコン33の記憶部332は、所定電圧値(所定値)を記憶している。所定電圧値は、点灯電圧VL1(図3B参照)に対応した値に設定されている。具体的には、検出電圧値が所定電圧値になったときに、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に略等しくなるように、所定電圧値が設定されている。検出電圧値は、印加電圧Vo1を検出回路21の抵抗R3、R4で分圧した値としてマイコン33へ出力されるので、所定電圧値は、固体光源40の点灯電圧VL1をR3、R4で分圧した値に略等しく設定されている。
制御ユニット3の昇圧制御回路31は、絶縁トランスT1によって検出されたインダクタL1を流れる電流値を閾値と比較して、スイッチング素子Q1のオンタイミングを決定する電流フィードバック制御を行う。また、昇圧制御回路31は、抵抗R1の両端電圧(スイッチング素子Q1を流れる電流値)を検出し、閾値と比較して、スイッチング素子Q1のオフタイミングを決定する電圧フィードバック制御を行う。昇圧制御回路31は、決定したオンタイミング及びオフタイミングに応じたPWM(Pulse Width Modulation)信号を、スイッチング素子Q1のゲートに出力する。昇圧制御回路31は、PWM信号によりスイッチング素子Q1のオンタイミング及びオフタイミングを制御することによって、昇圧チョッパ回路13の昇圧動作を制御する。すなわち、昇圧制御回路31は、スイッチング素子Q1のオン・オフを制御することによって、コンデンサC1の両端間に発生する昇圧電圧を所定の電圧に制御する。
制御ユニット3の変換回路32は、調光レベル指示値X1を有する調光信号の連続的又は断続的な入力を受け付ける(入力ステップ)。
図2に示すように、調光レベル指示値X1は、固体光源40の調光レベルを示す。図2の横軸は調光信号が有する調光レベル指示値X1を示し、縦軸は、調光レベル指示値X1が変換回路32に入力されてから、制御装置1により固体光源40に流れる電流がどの値へと調整されるかを、電流の最大値を100%として百分比で示す。固体光源40に流れる電流が大きいほど、固体光源40の調光レベルが大きくなる。調光レベルは0〜100%の値であり、調光レベルが大きいほど、固体光源40が明るく点灯するとする。調光レベル指示値X1が0%のとき、固体光源40に流れる電流は最小である0[A]となり、調光レベルは0%となり、固体光源40は消灯する。調光レベル指示値X1が100%のとき、固体光源40に流れる電流は最大となり、調光レベルは100%となり、固体光源40は全点灯する。調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3未満のときは調光レベルは0%であり、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3以上のときは、調光レベル指示値X1が大きいほど、調光レベルも大きい。調光信号は、例えば、DMX(Digital Multiplex)信号である。
図1に示すように、変換回路32は、調光信号を直流電圧V1に変換して、マイコン33のA/D変換ポート333に入力する。調光信号の調光レベル指示値X1が大きいほど、調光信号は大きい直流電圧V1に変換される。
A/D変換ポート333は、直流電圧V1をA/D変換する。以降、直流電圧V1がA/D変換ポート333でA/D変換されて生じた直流電圧を、直流電圧信号と称す。
マイコン33の記憶部332は、直流電圧信号が、どの値の制御値S1に対応するかを、予め記憶している。以降、記憶部332が記憶している、直流電圧信号と制御値S1との対応を示すデータを、調光テーブルと称す。マイコン33の処理部331は、調光テーブルを参照して、直流電圧信号に基づいて制御値S1を決定する。制御値S1は、降圧制御回路34がスイッチング素子Q2をオン・オフするタイミングを決定するための値である。処理部331は、直流電圧信号が大きいほど、制御値S1を大きい値に決定する。マイコン33は、信号送信部334により、制御値S1を降圧制御回路34へ出力する。
マイコン33は、処理部331で決定された制御値S1を直ちに降圧制御回路34に出力する場合と、記憶部332に記憶された制御値S1である後述の記憶値S2を降圧制御回路34に出力する場合とがある。詳しくは後述する。
制御部30の降圧制御回路34は、調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。すなわち、降圧制御回路34は、制御値S1に基づいて、スイッチング素子Q2のオンタイミング及びオフタイミングを決定する。さらに、降圧制御回路34は、絶縁トランスT2によって検出されたインダクタL2を流れる電流値を、制御値S1に対応する閾値と比較して、スイッチング素子Q2のオンタイミングを調整する電流フィードバック制御を行う。また、降圧制御回路34は、抵抗R2の両端電圧(スイッチング素子Q2を流れる電流値)を検出し、閾値と比較して、スイッチング素子Q2のオフタイミングを調整する電圧フィードバック制御を行う。降圧制御回路34は、決定・調整したオンタイミング及びオフタイミングに応じたPWM信号を、スイッチング素子Q2のゲートに出力する。降圧制御回路34は、PWM信号によりスイッチング素子Q2のオンタイミング及びオフタイミングを制御することによって、降圧チョッパ回路14の降圧動作を制御する。
より詳細には、降圧制御回路34は、制御値S1に応じてデューティ比を決定したPWM信号をスイッチング素子Q2のゲートに出力する。これにより、降圧制御回路34は、スイッチング素子Q2のデューティ比を制御し、制御値S1が大きいほど、固体光源40に流れる電流を増加させる。つまり、変換回路32に入力された調光信号が有する調光レベル指示値X1が大きいほど、固体光源40に流れる電流が大きくなる。これにより、固体光源40に流れる電流は、調光レベル指示値X1により示された調光レベルに応じた所定電流へと調整されるので、固体光源40は、調光レベル指示値X1により示された調光レベルとなる。
固体光源40に対する調光制御は、上記のように降圧チョッパ回路14のスイッチング素子Q2のオン・オフを制御するほか、昇圧チョッパ回路13のスイッチング素子Q1のオン・オフを制御することによっても可能である。すなわち、昇圧制御回路31は、スイッチング素子Q1に出力するPWM信号のデューティ比を増減し、スイッチング素子Q1のデューティ比を増減することにより、昇圧チョッパ回路13の出力電流を制御し、固体光源40に対する調光制御を行うことができる。
また、調光レベル指示値X1が閾値よりも大きい(明るい)調光レベルを示すときは、制御装置1はDC(直流)調光を行う。すなわち、制御部30は、スイッチング素子Q2を制御して、固体光源40に供給する電流の振幅を調光レベル指示値X1に応じて増減させる。一方、調光レベル指示値X1が閾値よりも小さい(暗い)又は閾値と等しい調光レベルを示すときは、制御装置1はバースト調光を行う。すなわち、制御部30は、スイッチング素子Q2を制御して、固体光源40に供給する電流を間欠的に遮断する期間の単位時間あたりの比率を調光レベル指示値X1に応じて増減させる。
ところで、記憶部332は、制御閾値ST3を記憶している。制御閾値ST3は、調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1として、固体光源40が点灯する範囲における最も小さい(暗い)調光レベルを示す。つまり、制御閾値ST3は、マイコン33において点灯閾値XT3(図2参照)に基づいて決定される制御値S1に等しい。
次に、固体光源40が点灯する際に制御装置1が固体光源40を調光する動作について説明する。
検出回路21により検出される検出電圧値が所定電圧値に達するまでは、マイコン33は、制御値S1として、調光レベル指示値X1に基づいて処理部331で決定された制御値S1を直ちに制御部30の降圧制御回路34に出力する。そのような制御値S1に基づき、降圧制御回路34はスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。つまり、検出電圧値が所定電圧値に達するまで、降圧制御回路34は、調光レベル指示値X1を有する調光信号が変換回路32に入力されることに対してリアルタイムで、調光レベル指示値X1に基づくスイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行う(第一制御ステップ)。
図3A、Bでは、時刻t20〜t21において、制御ユニット3の変換回路32には、制御閾値ST3未満の制御値S1に対応した調光レベル指示値X1を有する調光信号が入力されている。マイコン33は、調光レベル指示値X1に基づいて決定した制御値S1を、リアルタイムで降圧制御回路34に出力する。制御部30の降圧制御回路34は、制御値S1が制御閾値ST3未満である場合、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御することによって、固体光源40への印加電圧Vo1を点灯電圧VL1未満に制御する。本実施形態では、制御値S1が制御閾値ST3未満のとき、印加電圧Vo1が0[V]となるようにスイッチング素子Q2のオン・オフが制御される。
そして、時刻t21において、変換回路32に入力される調光信号の調光レベル指示値X1が、制御閾値ST3未満の制御値S1に対応した調光レベル指示値X1から、制御閾値ST3以上の制御値S1に対応した調光レベル指示値X1に変化したとする。マイコン33は、そのような調光レベル指示値X1に基づいて制御値S1を決定し、リアルタイムで降圧制御回路34に出力する。制御部30の降圧制御回路34は、制御閾値ST3未満の制御値S1が入力されていたときよりも、制御値S1の大きさに応じてコンデンサC2に流れる電流が大きくなるように、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。これにより、降圧チョッパ回路14は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから、コンデンサC2に流れる電流を増加させて、コンデンサC2を充電するので、固体光源40への印加電圧Vo1が増加する。やがて、時刻t22において、検出回路21により検出される検出電圧値が所定電圧値に達する。
検出電圧値が所定電圧値に達したということは、固体光源40への印加電圧Vo1(コンデンサC2の両端の電圧)が点灯電圧VL1に達したということであるから、固体光源40は点灯する。
また、調光信号の調光レベル指示値X1に対応した制御値S1が制御閾値ST3に達して以降、記憶部332は、調光信号が連続的に又は断続的に変換回路32に入力されることに対応して時々刻々と決定される制御値S1を、記憶値S2として記憶する。記憶部332は、例えば、制御値S1を記憶するアドレスを、記憶する順が後であるほど大きい値にすることにより、制御値S1が記憶された順序を保持している。すなわち、記憶部332は、調光レベル指示値X1に基づく制御値S1を、調光レベル指示値X1を有する調光信号が変換回路32に入力された時間的順序を保持して、記憶値S2として記憶する(記憶ステップ)。図3Aでは、時刻t21以降、記憶部332は制御値S1を記憶値S2として記憶する。
ここで、固体光源40が点灯する時刻t22以後において、時刻t20〜t22と同様に、リアルタイムで変換回路32に入力されている調光信号の調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1(図3Aの破線部)を用いて調光制御を行う場合を考える。このとき、図3Aでは、時刻t22以後における制御値S1が、時刻t20〜t22時点の制御値S1よりも大きくなるように、調光信号の調光レベル指示値X1が設定されている。したがって、固体光源40が点灯するとき、降圧制御回路が時刻t22以後における制御値S1(図3Aの破線部)に基づいてスイッチング素子のオン・オフを制御することにより、図3Cに破線で示すように、固体光源40に急に大きな電流が流れてしまう。
このように、入力される調光信号をリアルタイムで用いて調光制御を行う場合、固体光源40が消灯しているときに入力された調光信号の調光レベル指示値X1は、点灯した固体光源40に対する調光制御に用いることはできない。そのため、固体光源40が点灯するまでに調光信号を時間的に変化させる場合は、固体光源40の点灯開始時に、固体光源40が消灯しているときに初めに変換回路に入力された調光信号とは異なる調光信号に基づく調光制御を行うことになる。したがって、固体光源40に対する調光制御は、意図に沿った適切な制御とはならない場合がある。
それに対して、本実施形態では、検出電圧値が所定電圧値に達する(時刻t22)と、マイコン33は、リアルタイムで変換回路32に入力されている調光信号の調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1を降圧制御回路34に出力しなくなる。代わって、マイコン33は、記憶部332に記憶された記憶値S2(図3Aでは時刻t22以後において実線で示す)を、制御値S1として降圧制御回路34に出力する。特にマイコン33は、記憶値S2を、調光レベル指示値X1を有する調光信号が変換回路32に入力された時間的順序に従って降圧制御回路34に出力する。したがって、制御部30の降圧制御回路34は、検出電圧値が所定電圧値に達してから(時刻t22以後)、時間的順序に従い、記憶部332に記憶された記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する(第二制御ステップ)。
すなわち、固体光源40は、点灯してから(時刻t22以後)、時刻t21以後に入力されていた調光信号の調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1(記憶値S2)に基づいて、制御装置1により調光制御される。図3Aの例では、時刻t21以後において制御値S1は、小さい値から徐々に増加している。つまり、時刻t22以後において降圧制御回路34に出力される記憶値S2(図3Aの実線部)は、小さい値から徐々に増加している。したがって、降圧制御回路34は、図3Cに示すように、時刻t22以後における固体光源40に流れる電流が小さい値から徐々に増加するように、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。これにより、固体光源40は、光量が小さい状態から徐々に光量が増加する。
このように、本実施形態の制御装置1による調光制御では、制御閾値ST3以上の制御値S1に対応する調光信号が変換回路32に入力されて以後、固体光源40の点灯後に調整すべき調光レベルに応じた調光レベル指示値X1を有する調光信号の入力を受け付ければよい。固体光源40が消灯しているとき、調光レベル指示値X1に基づく制御値S1は記憶値S2として記憶部332に記憶される。そして、固体光源40の点灯後に、記憶値S2に基づく調光制御が行われる。そのため、固体光源40の点灯後に行われる調光制御は、固体光源40が消灯しているときから入力されていた調光信号に基づいた、より適切な制御となる。
以上の通り、本実施形態の制御装置1は、調光信号(調光レベル指示値X1)による調光制御を、固体光源40が点灯するときにおいて、より適切に行うことができるので、舞台用照明器具や、その他一般用の演出用照明器具に有効に用いることができる。
次に、本実施形態に係る照明器具4について、図4を参照して説明する。照明器具4は、固体光源40(図1参照)を有する光源ユニット5と、点灯装置2(図1参照)を有する電源ユニット6とを備えている。
なお、以下の説明では、図4において、前後、左右、上下の各方向を規定する。すなわち、光源ユニット5と電源ユニット6とが並んでいる方向において、光源ユニット5側を上とし、電源ユニット6側を下とする。また、後述のノブボルト62を軸に電源ユニット6に対して光源ユニット5が回転する回転軸方向を左右方向とする。また、光源ユニット5と電源ユニット6とが並んでいる方向及び光源ユニット5の回転軸方向の両方に対して直交する方向を前後方向とする。
照明器具4は、テレビ局のスタジオや舞台などの背景壁面(ホリゾント)を照明する用途に用いられる、いわゆる、ホリゾントライトである。ただし、点灯装置2(図1参照)の用途はホリゾントライトに限定されず、例えば、シーリングライト、ベースライト及びダウンライト等の各種の照明器具に用いることができる。
光源ユニット5は、4つの光源モジュール50と、第1筐体51と、反射板ブロック52と、放熱板ブロック53とを備えている。各光源モジュール50は、長方形状の基板の表面に固体光源40(図1参照)が実装されて構成されている。
第1筐体51は、金属板によって直方体状に形成されている。第1筐体51は、前面に矩形の窓孔510が開口している。第1筐体51の内部には、表面を窓孔510に対向させるようにして、4つの光源モジュール50が縦2列及び横2列に並べて収容されている。
反射板ブロック52は、複数の反射板520と、遮光板521とを備えている。複数の反射板520及び遮光板521は、第1筐体51内において、窓孔510と各光源モジュール50の表面との間に配置されており、各光源モジュール50から放射される光の配光を制御するように構成されている。
放熱板ブロック53は、複数の放熱板530を備えている。複数の放熱板530は、互いに板厚方向に沿って等間隔に並べて構成されている。放熱板ブロック53は、第1筐体51の後面に設けられている。なお、放熱板ブロック53は、第1筐体51内において、4つの光源モジュール50の基板とそれぞれ熱的に結合されていることが好ましい。
電源ユニット6は、点灯装置2(図1参照)と、点灯装置2を内部に収容する第2筐体60と、一対のアーム61とを備えている。
第2筐体60は、金属板によって扁平な直方体状に形成されている。一対のアーム61は、第2筐体60の左右両端から上向きに立ち上がるように設けられている。一対のアーム61は、先端(上端)に向かって、前後方向の幅寸法を徐々に狭くするように形成されている。各アーム61の先端部分には、いわゆるノブボルト62のボルトが挿通される挿通孔がそれぞれ設けられている。すなわち、一対のアーム61は、先端部分の挿通孔に挿通されるボルトを、第1筐体51の左右両側面に設けられる雌ねじにねじ込むことにより、光源ユニット5を回転可能に支持するように構成されている。
照明器具4は、例えば、光源ユニット5の窓孔510を背景壁面に向け、かつ、背景壁面から離れた床に設置される。照明器具4は、背景壁面の床に近い下部から上部にかけてほぼ均一に照明光を照射することができる。
次に、照明システム7について図5を参照しながら説明する。照明システム7は、複数の照明器具4と、コントローラとしての調光操作卓8とを備えている。複数の照明器具4は、通信ケーブル80を介して調光操作卓8に送り配線接続されている。調光操作卓8は、調光レベル指示値X1を有する調光信号を、通信ケーブル80を介して複数の照明器具4に伝送する。調光操作卓8から伝送される調光レベル指示値X1は、各照明器具4の制御ユニット3(図1参照)の変換回路32(図1参照)に入力される。
上記の通り、本実施形態に係る制御装置1は、電源回路(降圧チョッパ回路14)を制御して、固体光源40の調光レベルを制御する制御装置である。電源回路は、コンデンサC2と、スイッチング素子Q2と、を有する。コンデンサC2には、固体光源40が並列接続される。スイッチング素子Q2は、オン・オフすることにより固体光源40に供給される電力を増減させる。制御装置1は、入力部(変換回路32)と、取得部(検出回路21)と、記憶部332と、制御部30と、を備える。変換回路32は、調光レベル指示値X1の連続的又は断続的な入力を受け付ける。調光レベル指示値X1は、調光レベルを示す。検出回路21は、物理量(検出電圧値)を取得する。物理量は、固体光源40に印加された電圧(印加電圧Vo1)に対応する。記憶部332は、少なくとも、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから物理量が所定値(所定電圧値)に達するまで、調光レベル指示値X1(制御値S1)を、変換回路32に入力された時間的順序を保持して記憶値S2として記憶する。点灯閾値XT3は、固体光源40が点灯する範囲における最も小さい調光レベルを示す。所定値は、固体光源40の点灯電圧VL1に対応する。制御部30は、物理量が所定値に達するまで、調光レベル指示値X1(制御値S1)に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。制御部30は、物理量が所定値に達してから、時間的順序に従い、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
ところで、調光レベル指示値X1は、固体光源40に印加された印加電圧Vo1が点灯電圧VL1未満であり固体光源40が消灯しているときから入力される場合がある。調光レベル指示値X1が入力されることに応じてリアルタイムで当該調光レベル指示値X1を用いて調光制御を行う場合は、固体光源40が消灯しているときに入力された調光レベル指示値X1を調光制御に用いることはできない。
一方で、本実施形態に係る制御装置1では、記憶部332は、入力部(変換回路32)に入力された調光レベル指示値X1(制御値S1)を記憶値S2として記憶する。記憶値S2は、少なくとも、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから、印加電圧Vo1に対応した物理量(検出電圧値)が点灯電圧VL1に対応した所定値(所定電圧値)に達するまで記憶される。つまり、記憶部332は、少なくとも固体光源40が消灯している期間に変換回路32に入力された調光レベル指示値X1を、記憶値S2として記憶する。物理量が所定値になり、固体光源40が点灯する際に、制御部30は、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することで、固体光源40の調光レベルを制御する。
このように、本実施形態の制御装置1では、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御を記憶値S2に基づいて行うことにより、固体光源40が消灯しているときに入力された調光レベル指示値X1も用いて、調光制御をより適切に行うことができる。すなわち、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御を、調光レベル指示値X1が入力されることに応じてリアルタイムで当該調光レベル指示値X1を用いて行う場合と比べて、調光制御をより適切に行うことができる。
例えば、固体光源40が点灯する前から、調光レベル指示値X1(制御値S1)を滑らかに増加させる場合には、記憶部332は、そのような調光レベル指示値X1(制御値S1)を記憶値S2として記憶する。したがって、固体光源40が点灯するときに、記憶値S2に基づいて、固体光源40の光量を滑らかに増加させるフェードインを行うことができる。
また、本実施形態に係る点灯装置2は、制御装置1と、電源回路(降圧チョッパ回路14)と、を備える。
上記の構成により、本実施形態の点灯装置2では、少なくとも、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから物理量(検出電圧値)が所定値(所定電圧値)に達するまで、記憶部332は調光レベル指示値X1(制御値S1)を記憶値S2として記憶する。物理量が所定値になると、制御部30は、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。これにより、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。
また、本実施形態に係る照明器具4は、制御装置1と、電源回路(降圧チョッパ回路14)と、固体光源40と、を備える。
上記の構成により、本実施形態の照明器具4では、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。
また、本実施形態に係る点灯制御方法は、電源回路(降圧チョッパ回路14)を制御して、固体光源40の調光レベルを制御する点灯制御方法である。電源回路は、コンデンサC2と、スイッチング素子Q2と、を有する。コンデンサC2には、固体光源40が並列接続される。スイッチング素子Q2は、オン・オフすることにより固体光源40に供給される電力を増減させる。点灯制御方法は、入力ステップと、取得ステップと、記憶ステップと、第一制御ステップと、第二制御ステップと、を有する。入力ステップでは、調光レベル指示値X1の連続的又は断続的な入力を受け付ける。調光レベル指示値X1は、調光レベルを示す。取得ステップでは、物理量(検出電圧値)を取得する。物理量は、固体光源40に印加された電圧(印加電圧Vo1)に対応する。記憶ステップでは、少なくとも、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから物理量が所定値(所定電圧値)に達するまで、調光レベル指示値X1(制御値S1)を、入力ステップにおいて入力された時間的順序を保持して記憶値S2として記憶する。制御閾値ST3は、固体光源40が点灯する範囲における最も小さい調光レベルを示す。所定値は、固体光源40の点灯電圧VL1に対応する。第一制御ステップでは、物理量が所定値に達するまで、調光レベル指示値X1(制御値S1)に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。第二制御ステップでは、物理量が所定値に達してから、時間的順序に従い、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
上記の方法により、本実施形態の点灯制御方法では、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。
ところで、本実施形態では、制御値S1が制御閾値ST3に達して以降、記憶部332は制御値S1を記憶値S2として記憶する。これに対して、記憶部332は、制御値S1を記憶し始めてから所定の条件を満たしたとき、制御値S1を記憶することを停止してもよい。例えば、マイコン33が制御値S1の時間的な推移を監視して、制御値S1が時間的に略一定に推移するようになってから、記憶部332は、制御値S1を記憶することを停止してもよい。制御部30は、記憶部332が記憶している記憶値S2による調光制御を終えると、記憶値S2ではなく、制御部30に入力されている調光信号が有する調光レベル指示値X1をリアルタイムで用いて、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御すればよい。
ただし、記憶部332は、少なくとも、制御値S1が制御閾値ST3に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまで、制御値S1を、調光信号が変換回路32に入力された時間的順序を保持して記憶値S2として記憶する。つまり、記憶部332は、少なくとも、固体光源40への印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達して固体光源40が点灯するまで、制御値S1を記憶する。さらに、少なくとも時刻t21から時刻t22までの間に記憶された記憶値S2は、固体光源40が点灯してから(時刻t22以後)、記憶された時間的順序に従って降圧制御回路34に出力され、固体光源40に対する調光制御に用いられる。
なお、本実施形態では、調光レベル指示値X1に応じて決定される制御値S1が制御閾値ST3に達してから、記憶部332は制御値S1を記憶するが、記憶部332は、制御値S1に代えて調光レベル指示値X1そのものを記憶値として記憶してもよい。そして、検出電圧値が所定電圧値に達してから、制御部30は、記憶部332に記憶された調光レベル指示値X1(記憶値)に基づく値(制御値S1)に基づいて、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御すればよい。
あるいは、記憶部332は、調光レベル指示値X1に対応する直流電圧V1等、調光レベル指示値X1に基づいて生じた値を記憶値として記憶してもよい。
また、記憶部332が制御値S1又は調光レベル指示値X1等の記憶を開始する条件は、制御値S1が制御閾値ST3に達することではなく、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3(図2参照)に達することであってもよい。すなわち、処理部331は、調光レベル指示値X1そのものを点灯閾値XT3と比較してもよいし、調光レベル指示値X1に基づいて生じた値(例えば、制御値S1)を、点灯閾値XT3に対応する制御閾値ST3と比較してもよい。
これらの各変形例であっても、制御装置1、点灯装置2、照明器具4及び点灯制御方法は、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る制御装置、点灯装置及び照明器具について、図6A〜Cを参照して説明する。なお、実施形態1の制御装置1、点灯装置2及び照明器具4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の制御装置1は、図6Aに示すように、制御値S1が制御閾値ST3に達してから(時刻t31)、検出電圧値が所定電圧値に達するまで(時刻t32)において、制御値S1の値が変更されるという点で、実施形態1とは異なる。
本実施形態の記憶部332は、直流電圧信号と制御値S1との対応(調光テーブル)、制御閾値ST3及び所定電圧値のほかに、所定の調光レベル指示値X1に対応する制御値(以降、設定値S31と称す)を予め記憶している。制御値S1が制御閾値ST3に達してから、検出電圧値が所定電圧値に達するまでの間、マイコン33は、入力された調光信号の調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1ではなく、設定値S31を降圧制御回路34に出力する。設定値S31は、制御値S1として機能する。つまり、設定値S31は、スイッチング素子Q2をオン・オフするタイミングを降圧制御回路34に示す値である。したがって、制御値S1が制御閾値ST3に達してから(時刻t31)、検出電圧値が所定電圧値に達するまで(時刻t32)、制御部30の降圧制御回路34は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
設定値S31は、一定値である。設定値S31は、制御閾値ST3よりも大きい値である。設定値S31は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから、検出電圧値が所定電圧値に達するまでの間を通して、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1(図6Aの破線部)よりも大きい値であることが好ましい。つまり、設定値S31は、制御値S1よりも大きい(明るい)調光レベルを示すことが好ましい。これにより、制御部30が調光レベル指示値X1に基づく制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する場合よりも、コンデンサC2に流れる電流が増加して、コンデンサC2がより速く充電される。つまり、固体光源40への印加電圧Vo1(図6Bで実線で示す)は、制御部30が調光レベル指示値X1に基づく制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する場合(図6Bで破線で示す)よりも速く増加する。これにより、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達して固体光源40が点灯する(時刻t32)までに要する時間が短縮される。
さらに、設定値S31は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することにより、調光レベル指示値X1が制御閾値ST3に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまでの時間が所定時間以内となる値に設定されている。つまり、設定値S31は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから、消灯している固体光源40が点灯するまでに要する時間(時刻t31から時刻t32までの間の時間)が所定時間以内となる値に設定されている。所定時間は、例えば、0.1〜0.5秒である。
実施形態1と同様に、制御値S1が制御閾値ST3に達して以降(時刻t31以降)、記憶部332は、制御値S1を記憶値S2として記憶する。この際に記憶部332が記憶する制御値S1は、設定値S31ではなく、変換回路32に入力される調光信号が有する調光レベル指示値X1に基づいて決定される制御値S1(図6Aの破線部)である。検出電圧値が所定電圧値に達する時刻t32以後は、制御部30の降圧制御回路34は、記憶部332に記憶された記憶値S2(図6Aでは時刻t32以後において実線で示す)に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
上記の通り、本実施形態に係る制御装置1において、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから物理量(検出電圧値)が所定値(所定電圧値)に達するまで、制御部30は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。設定値S31は、調光レベル指示値X1(制御値S1)よりも大きい調光レベルを示す。設定値S31は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することにより、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3に達してから物理量が所定値に達するまでの時間が所定時間以内となる値である。
上記の構成により、本実施形態に係る制御装置1では、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してから、物理量(検出電圧値)が所定値(所定電圧値)に達するまで、制御部30は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。設定値S31は、調光レベル指示値X1(制御値S1)よりも大きい(明るい)調光レベルを示す。これにより、スイッチング素子Q2に制御されてコンデンサC2に供給される電力が増加して、コンデンサC2がより速く充電される。すなわち、消灯した状態の固体光源40への印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達して固体光源40が点灯するまでに要する時間が短縮される。したがって、入力された調光レベル指示値X1が固体光源40の調光レベルに反映されるまでに要する時間が短縮される。すなわち、調光レベル指示値X1が入力部(変換回路32)に入力されることに対する固体光源40の調光レベルの応答性が改善する。
また、本実施形態に係る制御装置1において、設定値S31は一定の値である。
設定値S31は一定の値であるので、制御装置1では、消灯している固体光源40の印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達して固体光源40が点灯するまでに要する時間の長さを安定させることができる。
なお、本実施形態では、設定値S31は一定の値であるが、設定値S31は、例えば、調光レベル指示値X1に基づいて決定する制御値S1及び印加電圧Vo1に応じて変化する値であってもよい。
また、本実施形態では、制御部30は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまで、制御値S1として設定値S31を用いる。これに対して、制御部30が制御値S1として設定値S31を用いることを開始する条件は、制御値S1が制御閾値ST3に達することではなく、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3(図2参照)に達することであってもよい。
また、調光レベル指示値X1に基づく制御値S1に代えて設定値S31を用いるのではなく、調光レベル指示値X1そのものに代えて所定の設定値を用いてもよい。所定の設定値は、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3(図2参照)に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまでにおいて、調光レベル指示値X1よりも大きい(明るい)調光レベルを示すことが好ましい。また、所定の設定値は、所定の設定値に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することにより、調光レベル指示値X1が点灯閾値XT3に達してから検出電圧値が所定電圧値に達するまでの時間が所定時間以内となる値に設定されることも好ましい。制御部30は、所定の設定値に対応する制御値S1を決定し、決定した制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る制御装置、点灯装置及び照明器具について、図7を参照して説明する。なお、実施形態1の制御装置1、点灯装置2及び照明器具4と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の照明器具4aは、複数(図7では2つ)の点灯装置2aと、複数(図7では2つ)の固体光源40とを備えている。2つの点灯装置2aは、1つの制御装置1aを共有している。各点灯装置2aは、制御装置1aのほかに、入力フィルタ11と、整流回路12と、昇圧チョッパ回路13と、降圧チョッパ回路14(電源回路)とを備えている。つまり、照明器具4aは、降圧チョッパ回路14を複数(2つ)備えている。2つの固体光源40は、2つの降圧チョッパ回路14に一対一で対応しており、各固体光源40は対応する降圧チョッパ回路14に接続されている。また、2つの固体光源40は、互いに異なる色の光を放射する。具体的には、2つの固体光源40のうち一方は電球色の光を放射し、他方は白色の光を放射する。
制御装置1aは、中央ブロック36と、複数(図7では2つ)の動作ブロック37とを備えている。動作ブロック37は、降圧チョッパ回路14と同数備えられており、降圧チョッパ回路14と一対一で対応している。実施形態1における制御ユニット3(図1参照)の機能は、中央ブロック36と2つの動作ブロック37とにより分担されている。以下、より詳細に説明する。
中央ブロック36は、変換回路32と、処理部361と、記憶部362と、A/D変換ポート363と、信号送信部364と、タイマ365(取得部)とを備えている。処理部361は、例えば、CPU(中央処理装置)により構成されている。処理部361と、記憶部362と、A/D変換ポート363と、信号送信部364と、タイマ365とが、マイクロコンピュータ360(以降、マイコン360と称す)を構成している。
動作ブロック37は、昇圧制御回路31と、マイクロコンピュータ370(以降、マイコン370と称す)と、降圧制御回路34(実行部)とを備えている。各動作ブロック37における降圧制御回路34は、降圧チョッパ回路14と一対一で対応している。
中央ブロック36の処理部361及び信号送信部364と、複数(2つ)の動作ブロック37のマイコン370及び降圧制御回路34とが、制御部30aを構成している。つまり、制御部30aは、処理部361と、信号送信部364と、複数(2つ)のマイコン370と、複数(2つ)の降圧制御回路34とを備えている。
なお、実施形態1、2の制御装置1(図1参照)とは異なり、制御装置1aは、固体光源40に印加された印加電圧Vo1を検出する取得部に相当する検出回路21(図1参照)を備えていない。本実施形態では、マイコン360のタイマ365が取得部に相当する。タイマ365は、調光レベル指示値X1に基づく制御値S1が制御閾値ST3に達してからの経過時間を、取得時間長(物理量)として取得する(取得ステップ)。すなわち、タイマ365は、スイッチング素子Q2を介してコンデンサC2に電力が供給されている時間を計測する。これにより、各固体光源40への印加電圧Vo1が推定できるので、取得時間長は、印加電圧Vo1に対応した値である。つまり、取得時間長は、2つの固体光源40のうち、一方の固体光源40への印加電圧Vo1と、他方の固体光源40への印加電圧Vo1との両方に対応した値である。
中央ブロック36の変換回路32は、調光レベル指示値X1を有する調光信号の連続的又は断続的な入力を受け付ける。変換回路32は、調光信号を、調光レベル指示値X1に応じた直流電圧V1に変換する。変換回路32は、マイコン360のA/D変換ポート363へ直流電圧V1を入力する。A/D変換ポート363は、直流電圧V1をA/D変換して直流電圧信号に変える。マイコン360の処理部361は、記憶部362に記憶されている調光テーブルを参照して、直流電圧信号に応じて制御値S1を決定する。制御値S1は、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御するための制御信号に相当する。
マイコン360の信号送信部364は、図示しない複数の出力端子を有している。信号送信部364は、制御値S1を各動作ブロック37のマイコン370に送信する。各動作ブロック37において、マイコン370は、制御値S1を降圧制御回路34に送信する。各動作ブロック37における降圧制御回路34が、制御値S1に基づいて、対応する降圧チョッパ回路14のスイッチング素子Q2のオン・オフを制御することにより、固体光源40は、調光レベル指示値X1により示された調光レベルへと調整される。
信号送信部364は、処理部361で決定された制御値S1(制御信号)を直ちにマイコン370に出力する場合と、記憶部362に記憶された制御値S1(制御信号)である記憶値S2をマイコン370に出力する場合とがある。詳しくは後述する。
マイコン360の記憶部362は制御閾値ST3を記憶しており、マイコン360の処理部361において決定された制御値S1は、処理部361において制御閾値ST3と比較される。また、記憶部362は所定時間長(所定値)を記憶している。所定時間長は、制御値S1が制御閾値ST3に達してから、固体光源40への印加電圧Vo1が固体光源40の点灯電圧VL1に達するまでに要する時間の長さに略等しく設定される。すなわち、所定時間長は、固体光源40の点灯電圧VL1に対応した値に設定される。所定時間長は、例えば、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するまでに要する時間の実測値に基づいて予め設定されている。なお、所定時間長は、例えば、入力された調光信号の調光レベル指示値X1に基づく制御値S1の積分値に基づいて設定されてもよい。
また、マイコン360の記憶部362は、制御値S1が制御閾値ST3に達して以降、制御値S1を記憶値S2として記憶する。なお、記憶部362は、少なくとも、制御値S1が制御閾値ST3に達してから取得時間長が所定時間長に達するまで、制御値S1を記憶値S2として記憶すればよい。
次に、固体光源40が点灯する際に制御装置1aが固体光源40を調光する動作について説明する。
上記の通り、マイコン360のタイマ365は、制御値S1が制御閾値ST3に達すると、それ以後に経過した時間の長さを、取得時間長として計測する。
マイコン360の処理部361は、変換回路32に入力された調光信号が有する調光レベル指示値X1に基づいて制御値S1を決定する。取得時間長が所定時間長に達するまで、信号送信部364は、処理部361が決定した制御値S1を、調光信号が入力されることに対してリアルタイムで、各動作ブロック37のマイコン370を介して降圧制御回路34に送信する。したがって、各動作ブロック37の降圧制御回路34は、制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
取得時間長が所定時間長に達すると、信号送信部364は、記憶部362に記憶された記憶値S2を、各動作ブロック37のマイコン370を介して降圧制御回路34に送信する。したがって、各動作ブロック37の降圧制御回路34は、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。
以上の通り、中央ブロック36は、調光レベル指示値X1を有する調光信号が入力されてから、制御値S1又は記憶値S2を各動作ブロック37のマイコン370に出力するまでの機能を担っている。また、中央ブロック36において、マイコン360のタイマ365は、制御値S1が制御閾値ST3に達すると、それ以後に経過した時間の長さを取得時間長として計測し、マイコン360の記憶部362は、制御値S1を記憶値S2として記憶する。
照明器具4aが複数(2つ)の点灯装置2aを備えているのに対して、1つの制御装置1aにおける1つの中央ブロック36がこれらの機能を担っているので、中央ブロック36を複数設けることなく、照明器具4aの回路構成を簡素化することができる。
上記の通り、本実施形態に係る制御装置1aにおいて、取得部(タイマ365)は、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してからの経過時間を、物理量(取得時間長)として取得する。
上記のように、取得部(タイマ365)は、調光レベル指示値X1(制御値S1)が点灯閾値XT3(制御閾値ST3)に達してからの経過時間を、印加電圧Vo1に対応した物理量(取得時間長)として取得する。取得時間長は、コンデンサC2に電力が供給されている時間に相当するので、固体光源40への印加電圧Vo1は、取得時間長から推定できる。このように、制御装置1aでは、既存の固体光源40及び電源回路(降圧チョッパ回路14)に手を加えることなく、印加電圧Vo1に対応した取得時間長を取得し、固体光源40に対して、記憶値S2を用いたより適切な調光制御を行うことができる。
また、本実施形態に係る照明器具4aは、電源回路(降圧チョッパ回路14)を複数備える。照明器具4aは、さらに、固体光源40を複数備える。複数の固体光源40は、複数の電源回路に一対一で対応する。取得部(タイマ365)は、物理量(取得時間長)を取得する。物理量は、複数の固体光源40に個別に印加された電圧(印加電圧Vo1)のうち少なくとも1つに対応する。制御部30aは、信号送信部364と、複数の実行部(降圧制御回路34)と、を有する。処理部361は、制御信号(制御値S1、記憶値S2)を送信する。制御信号(制御値S1、記憶値S2)は、スイッチング素子Q2のオン・オフを制御するための信号である。複数の降圧制御回路34は、複数の電源回路に一対一で対応する。複数の降圧制御回路34は、信号送信部364から入力される制御信号(制御値S1、記憶値S2)に基づいて複数の電源回路のうち対応する電源回路のスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。信号送信部364は、物理量が所定値(所定時間長)に達するまで、調光レベル指示値X1に基づく制御信号(制御値S1)を複数の降圧制御回路34に送信する。処理部361は、物理量が所定値に達してから、時間的順序に従い、記憶値S2に基づく制御信号(記憶値S2)を複数の降圧制御回路34に送信する。
上記の構成により、本実施形態の照明器具4aでは、1つの制御装置1aの1つの取得部(タイマ365)が、固体光源40に印加された印加電圧Vo1に対応する物理量(取得時間長)を取得する。したがって、複数の電源回路(降圧チョッパ回路14)に対してタイマ365を複数設けることなく、照明器具4aの回路構成を簡素化し、照明器具4aの製造コストを削減することができる。また、信号送信部364は、物理量が所定値(所定時間長)に達したか否かに対応して、制御信号(制御値S1、記憶値S2)を複数の実行部(降圧制御回路34)に送信する。複数の降圧制御回路34の各々は、対応する電源回路のスイッチング素子Q2のオン・オフを制御する。したがって、複数の電源回路に一対一で対応して接続された複数の固体光源40に対する調光のタイミングを同期させることができる。また、調光レベル指示値X1を1つの入力部(変換回路32)に入力することにより、複数の電源回路の各々に接続された固体光源40に対する調光制御を一括して行うことができる。
なお、本実施形態のように、記憶値S2が、降圧制御回路34においてそのまま利用できる形態で記憶部362に記憶されている場合は、信号送信部364は、制御信号として記憶値S2をそのまま送信すればよい。一方、記憶値が、例えば調光レベル指示値X1として記憶されていて、降圧制御回路34において利用するために制御値S1への変換を要する場合には、制御部30aの処理部361は、記憶されている調光レベル指示値X1に基づいて制御値S1を決定すればよい。さらに、信号送信部364は、そのような制御値S1を制御信号として降圧制御回路34に送信すればよい。
また、本実施形態では、2つの点灯装置2aが制御装置1aを共有している場合について説明したが、1つの点灯装置2aが1つの制御装置1aを有していてもよいし、3つ以上の点灯装置2aが1つの制御装置1aを共有していてもよい。
また、本実施形態において、2つの固体光源40が放射する光の色は互いに同色であってもよい。あるいは、例えば、赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40を、4つの点灯装置2aの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続してもよい。
また、本実施形態の制御装置1aにおいても、実施形態2の制御装置1と同様に、制御値S1として設定値S31を用いてもよい。すなわち、制御値S1が制御閾値ST3に達してから取得時間長が所定時間長に達するまでの間、降圧制御回路34は、設定値S31に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御してもよい。
また、実施形態1、2では、抵抗R3、R4を有する検出回路21(取得部)により固体光源40への印加電圧Vo1を検出するが、実施形態1、2で、検出回路21を設けることに代えて、マイコン33がタイマ機能を有していてもよい。つまり、実施形態3のマイコン360のタイマ365に倣って、実施形態1、2で、マイコン33のタイマが取得部として機能してもよい。さらに、マイコン33のタイマは、制御値S1が制御閾値ST3に達してからの経過時間である取得時間長(物理量)を取得すればよい。制御部30は、取得時間長が所定時間長に達するまで、制御値S1に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御し、取得時間長が所定時間長に達してから、記憶値S2に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフを制御すればよい。
なお、各実施形態の1つの点灯装置2(2a)において、降圧チョッパ回路14が複数設けられていてもよい。すなわち、昇圧チョッパ回路13の出力端に、降圧チョッパ回路14が複数個、並列に接続されていてもよい。さらに、1つの点灯装置2(2a)において制御部30(30a)を複数設けてもよい。これにより、複数の降圧チョッパ回路14にそれぞれ異なる色の複数の固体光源40を接続して、複数の制御部30(30a)により、各固体光源40の点灯電圧VL1に応じた調光制御を行うことができる。例えば、赤色、緑色、青色及び白色の固体光源40を4つの降圧チョッパ回路14にそれぞれ1種類ずつ接続して、光の色を可変とした照明器具4(4a)を構成することができる。
また、各実施形態では、電源回路として降圧チョッパ回路14を用いているが、電源回路は降圧チョッパ回路14に限定されず、フライバック回路等の周知のスイッチング回路を用いてもよい。
また、各実施形態において、変換回路32に入力される調光信号は、DC0V〜10Vなどのアナログ信号であっても良いし、PWM信号などのデジタル信号であっても良い。
また、各実施形態において、所定値(所定電圧値又は所定時間長)は、固体光源40が点灯を開始する電圧である点灯電圧VL1に印加電圧Vo1が達するときの物理量(検出電圧値又は取得時間長)としたが、所定値はこれに限定されない。例えば、所定値は、物理量の検出誤差や、想定される調光レベル指示値X1の値等を考慮して、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達するときの物理量に対して増減させた値であってもよい。固体光源40が点灯を開始するときに、記憶部332(362)に記憶されている記憶値S2に基づく調光制御が開始することが好ましい。したがって、印加電圧Vo1が点灯電圧VL1に達する直前に、物理量が所定値に達するように、所定値を設定することが好ましい。
上記の各変形例であっても、制御装置1(1a)、点灯装置2(2a)、照明器具4(4a)及び点灯制御方法は、消灯した状態の固体光源40が点灯するときの調光制御をより適切に行うことができる。
なお、以上説明した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。