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JP2018066416A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

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JP2018066416A
JP2018066416A JP2016204271A JP2016204271A JP2018066416A JP 2018066416 A JP2018066416 A JP 2018066416A JP 2016204271 A JP2016204271 A JP 2016204271A JP 2016204271 A JP2016204271 A JP 2016204271A JP 2018066416 A JP2018066416 A JP 2018066416A
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JP2016204271A
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雄一 伊藤
Yuichi Ito
雄一 伊藤
光和 板山
Mitsukazu Itayama
光和 板山
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】軸受内部の潤滑性を向上させる。【解決手段】内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころを保持器により周方向に間隔をおいて保持するものであり、保持器のそれぞれのポケットは、その軸方向中央位置が内輪の軌道面の軸方向中央位置に対して、軸方向反対側に位置するように周方向に交互に配置されている。ラジアル荷重が負荷されると、ラジアル荷重の負荷域をポケット内の円筒ころが順次転動することに伴い軸受の重心が内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向の反対側に交互に移動する。これによって、軸受自体に振動を生じさせ、軸受内部のグリースを振動させて、潤滑性を向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、各種機械装置の回転支持部に組み込まれる円筒ころ軸受に関する。
各種機械装置の回転支持部を支持する円筒ころ軸受は、一般に、外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、円筒ころを周方向に等間隔に保持する保持器とを備え、内輪または外輪の軌道面の軸方向両側に鍔部が形成されている。
この円筒ころ軸受の保持器としては、軸方向に所定間隔で離間する一対の環状部と、一対の環状部を連結し、周方向に複数配置される柱部とを有し、一対の環状部と隣り合う柱部とで形成されたポケット内に円筒ころを保持するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された円筒ころ軸受の保持器は、周方向に複数形成されたポケットが、1つの駆動ポケットと、その他の非駆動ポケットとからなり、駆動ポケットと円筒ころとの周方向のすき間が、非駆動ポケットと円筒ころとの周方向のすき間よりも小さく形成されている。
特許文献1に記載された円筒ころ軸受が回転運動を行う場合には、円筒ころの中心軸が内輪および外輪の中心軸に対して傾いた状態のまま円筒ころが回転する、いわゆるスキューが発生することが避けられない。
1つの円筒ころにスキューが発生した場合、他の円筒ころに対する公転遅れが生じるが、特許文献1に記載された円筒ころ軸受は、駆動ポケットと円筒ころとの周方向のすき間よりも、円筒ころとの周方向すき間が大きい非駆動ポケットを有するので、非駆動ポケット内の円筒ころと保持器の柱部との衝突が防止され、保持器音の発生を抑制することができる。
特開2015−12753号公報
特許文献1に記載された円筒ころ軸受は、円筒ころの転動面と内輪および外輪の軌道面とが線接触するため、ラジアル荷重の負荷能力が高い。しかしながら、玉軸受に比べて回転時の発熱量が大きくなることから、円筒ころの転動面と内輪および外輪の軌道面との間や円筒ころと保持器のポケット内面との間など、軸受内部の潤滑性を向上させる必要があった。
そこで、この発明の課題としては、軸受内部の潤滑性を向上させることにある。
上記の課題を解決するために、この発明は、外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、それぞれの前記ポケットは、その軸方向中央が前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向反対側に位置するように周方向に交互に配置されている構成を採用することができる。
この構成によると、保持器のそれぞれのポケット内に保持される円筒ころは、その軸方向中央が、内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向反対側に位置するように周方向へ交互に複数配置される。
このように円筒ころが配置された状態において、ラジアル荷重が負荷されると、ラジアル荷重の負荷域を円筒ころが順次転動することに伴って、軸受の重心が内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向の反対側に交互に移動して、軸受自体に振動が生ずる。軸受自体の振動によりグリースを移動させたり、グリースから基油を染み出させたりすることができる。
また、前記円筒ころが長さ方向片側にのみクラウニングを有し、前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して軸方向中央が軸方向一方に位置するポケット内に、前記クラウニングが軸方向一方に位置する状態で前記円筒ころが保持され、前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向中央が軸方向他方に位置するポケット内に、前記クラウニングが軸方向他方に位置する状態で前記円筒ころが保持されている構成を採用することができる。
この構成では、ラジアル荷重が負荷されると、ラジアル荷重の負荷域において、内輪の軌道面の軸方向中央に対して軸受の重心が移動する軸方向一方または他方に、円筒ころのクラウニングが位置することとなる。
この構成において、前記内輪の軌道面の軸方向中央と前記ポケットの軸方向中央との距離が、前記円筒ころの長さの1〜5%の範囲内である構成を採用すると、この構成の保持器は、環状部の軸方向厚みを確保することができるので、運転時における、円筒ころとの摺動に対する強度を確保することができる。
また、上記の課題を解決するために、この発明は、外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、前記ポケットは、軸方向の少なくとも一方の内面が周方向に対して傾斜する傾斜面である構成を採用することができる。
ポケットの軸方向内面が傾斜面であると、運転時、円筒ころの端面がポケットの軸方向内面に突き当たり、保持器が軸方向に移動する。保持器が軸方向に移動する際、これに付着したグリースが揺れたり、飛散したりするので、円筒ころの転走面や端面に、グリースやグリースから染み出る基油を移動させることができる。
また、前記ポケットの軸方向両側の内面が前記傾斜面であって、それぞれの傾斜面が周方向の一方に向かって軸方向内向きに傾斜している構成、または、それぞれの傾斜面が平行である構成を採用することができる。
ポケットの軸方向両側の内面が傾斜面であるため、運転時、保持器の回転方向に関係なく、円筒ころを軸方向に移動させることが可能となる。
上記の課題を解決するために、この発明は、外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、周方向の一部に軸受中心軸周りの重量バランスが不均一状態となるアンバランス部を有する構成を採用することができる。
周方向の一部にアンバランス部を有することにより、運転時、軸受自体が振動して、内輪と外輪との間に入れたグリースを振動させることができる。
この構成において、前記保持器は、前記アンバランス部に位置する前記柱部が前記アンバランス部以外の周方向の部分に位置する前記柱部に対して重量が異なる状態となっている構成を採用することができる。
また、前記アンバランス部に位置する前記円筒ころが、前記アンバランス部以外の周方向の部分に位置する円筒ころよりもころ長さが短いものである構成を採用することができる。
さらに、前記アンバランス部に位置する柱部の内径面が、そのアンバランス部以外の周方向の部分に位置する柱部の内径面に対して、径方向外側に位置している構成を採用してもよい。
この発明は、運転時、軸受自体を振動させ、あるいは保持器を軸方向または周方向に振動させるようにしたので、内輪と外輪との間に入れたグリースが振動し、円筒ころの転走面や端面に、グリースやグリースから染み出る基油を移動させることができ、軸受内部の潤滑性を向上させることができる。
この発明に係る第一実施形態の円筒ころ軸受の正面図 同上の円筒ころ軸受の縦断面図 同上の保持器の一部を拡大した斜視図 同上の保持器の一部を拡大した平面図 第二実施形態の円筒ころ軸受の縦断面図 同上の円筒ころを保持した保持器の一部を拡大した平面図 第三実施形態の円筒ころ軸受の保持器の一部を拡大した平面図 同上の円筒ころ軸受の他の形態の保持器の一部を拡大した平面図 第四実施形態の円筒ころ軸受の円筒ころを保持した保持器の一部を拡大した平面図 第五実施形態の円筒ころ軸受の円筒ころを保持した保持器の一部を拡大した斜視図
以下、この発明の第一実施形態に係る円筒ころ軸受を図1〜4に基づいて説明する。
この実施形態に係る円筒ころ軸受1は、例えば、製鉄所において使用される圧延ローラや、破砕ローラなどの振動する回転部材や低速回転するローラ軸を支持する環境で用いられる。
円筒ころ軸受1は、図1および図2に示すように、外周に軌道面2aを有する内輪2と、内周に軌道面3aを有する外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に転動自在に複数配置される円筒ころ4と、これらの円筒ころ4を周方向に所定間隔をおいて保持する保持器10と、内輪2と外輪3との間の軸方向両端部を閉塞するシールド板5とを備えている。
円筒ころ軸受1は、上述した圧延ローラや破砕ローラのローラ軸(図示省略)の外周に内輪2が嵌め合わされ、外輪3がハウジング(図示省略)等に嵌め合わされており、回転トルクが付与されたローラ軸が回転すると、これに従って内輪2が回転するものである。
内輪2は、その外周部において、軸方向中央部分に形成された軌道面2aと、軌道面2aの軸方向外側に形成された鍔部2b、2bとを有する。鍔部2bは、軌道面2aよりも大きな外径を有し、その軸方向外側の端面が円筒ころ軸受1の端面を形成している。
外輪3は、その内周部において、軸方向中央部分に形成された軌道面3aと、軌道面3aの軸方向外側に形成された肩部3bとを有する。肩部3bは、軌道面3aの軸方向外縁から軸方向外側へ向かって径方向外向きのテーパ面となっている。
円筒ころ4は、内輪2のそれぞれの鍔部2bの間隔よりもわずかに小さいころ長さを有し、鍔部2bと円筒ころ4との間にわずかにすき間が生じている。
保持器10は、図2、図3に示すように、対向する一対の環状部11と、環状部11間で軸方向に延び、環状部11同士を連結する複数の柱部12とを有する。柱部12は、環状部11の円周方向に等間隔を置いて配列されており、一対の環状部11、11および隣り合う柱部12の間にポケット13が形成されている。
ポケット13は、その内部に円筒ころ4がそれぞれ収納されている。隣り合う柱部12の対向面は、円筒ころ4の外周面に沿って、径方向の断面形状が円弧状に凹んでいる。
また、ポケット13は、径方向から見て矩形をなし、軸方向両側に位置する軸方向を向く内面13a(軸方向内面13a)が平面であって、軸受中心軸(内輪2の中心軸)に対して直角となる平面(ラジアル平面)と平行である。
保持器10のそれぞれのポケット13は、図4に示すように、軸方向両側の軸方向内面13a、13aの間の軸方向中央X1が、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して、軸方向反対側に位置するように周方向に交互に配置されている。
すなわち、それぞれのポケット13は、周方向に向かうに従い、その軸方向中央X1が内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xを挟んで軸方向反対側に交互に位置するように千鳥状に配置されている。
ポケット13の軸方向中央X1と、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xとの軸方向距離Wが、円筒ころ4のころ長さの1〜5%の範囲内に設定される。前記軸方向距離Wは、1%よりも小さいと、後述する軸受自体の振動を生じさせることが難しくなり、5%を超えると、保持器10の環状部11の軸方向厚みを確保することが難しく、保持器10の強度不足となるおそれがある。
なお、図4におけるポケット13は、その軸方向中央X1と内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xとの軸方向の位置関係を理解するために、その軸方向位置が誇張して表現されている。
シールド板5は、円環状の金属板から形成され、外輪3の軸方向端部の内部に圧入固定されるフランジ状の係止部5aと、内輪2の鍔部2bの外周面との間で非接触シールを形成するシール部5bとを有する。
シールド板5は、外輪3の軸方向両側の端部に係止部5aがそれぞれ圧入固定されて、内輪2と外輪3との間の両端部を覆う状態とすることができる。また、シールド板5により、内輪2と外輪3との間に形成された軸受空間内に入れたグリースが外部に漏出することを防止する。
第一実施形態に係る円筒ころ軸受は、以上のようなものであり、その運転時、ラジアル荷重が負荷されると、ラジアル荷重の負荷域を円筒ころ4が順次転動する。
ここで、保持器10のそれぞれのポケット13内に保持される円筒ころ4は、その軸方向中央が、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xを挟んで軸方向反対側に周方向に交互に位置するように配置される。
このようにポケット13内に円筒ころ4が配置された状態において、ラジアル荷重の負荷域を円筒ころ4が順次転動すると、軸受自体の重心が内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して、軸方向の反対側に交互に移動して、軸受自体に振動が生ずる。軸受自体の振動によりグリースが移動したり、グリースから基油を染み出させたりすることができる。
グリースの移動や、グリースの基油の染み出しがなされることにより、円筒ころ4と内輪2の軌道面2aおよび外輪3の軌道面3aとの接触部、あるいは円筒ころ4と保持器10のポケット13の内面との摺動部の潤滑性が向上する。
なお、この実施形態においては、内輪2の軌道面2aの軸方向両側に鍔部2bが形成された、いわゆるN型の円筒ころ軸受を適用したが、外輪3の軌道面3aの軸方向両側に鍔部が形成された、いわゆるNU型の円筒ころ軸受を適用してもよい。内輪2及び外輪3のうち少なくとも一方の軌道面の両側にそれぞれ鍔部が形成されていればよい。
この発明に係る第二実施形態を図5、6に基づいて説明する。
第二実施形態の円筒ころ軸受では、円筒ころ4は長さ方向一方にのみクラウニング4aを有する点で、上述の第一実施形態と相違する。その他の構成については、第一実施形態の構成と同じと考えられるものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
第二実施形態では、図5に示すように、保持器10のそれぞれのポケット13内に保持される円筒ころ4は、その長さ方向の一方にのみクラウニング4aが形成されている。
円筒ころ4は、図6に示すように、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して軸方向中央X1が軸方向外側の一方に位置するポケット13内に、クラウニング4aが軸方向一方に位置する状態で保持される。
また、円筒ころ4は、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して、軸方向中央X1が軸方向外側の他方に位置するポケット13内に、クラウニング4aが軸方向他方に位置する状態で保持されている。
すなわち、円筒ころ4は、保持器10の周方向に並ぶポケット13内において、周方向に向かうに従い、クラウニング4aが内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して、軸方向反対側に交互に位置するように保持されている。
この第二実施形態の円筒ころ軸受は、運転時、ラジアル荷重が負荷されると、その負荷域において、内輪2の軌道面2aの軸方向中央Xに対して、軸方向外側の一方または他方に軸受自体の重心が移動する。
ここで、円筒ころ4は、重心が移動した軸方向一方または他方の端部と、内輪2の軌道面2aおよび外輪3の軌道面3aとのエッジロードが大きくなるおそれがある。この実施形態では、円筒ころ4のクラウニング4aが、重心の移動する軸方向外側の一方または他方に位置することとなる。このため、円筒ころ4のクラウニング4aと内輪2の軌道面2aおよび外輪3の軌道面3aとのエッジロードが軽減される。
この発明に係る第三実施形態の円筒ころ軸受を図7に基づいて説明する。
第三実施形態の円筒ころ軸受は、保持器10のポケット13の軸方向位置および形状が上述の第一実施形態の円筒ころ軸受と相違する。その他の構成については、第一実施形態の構成と同じと考えられるものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
保持器10のそれぞれのポケット13は、径方向から見て等脚台形(底辺の両端の内角が等しい台形)をなし、その軸方向中央X1が内輪2の軌道面2aの軸方向中央X上に位置している。
ポケット13は軸方向両側に位置する軸方向内面13a、13aが平面であり、それぞれの軸方向内面13a、13aは周方向一方に向かって軸方向内向きに傾斜する傾斜面となり、ラジアル平面を中心に対称となる。
また、それぞれの軸方向内面13a、13aは、周方向に対して角度αをもって傾斜している。この角度αは、1度〜5度の範囲内に設定される。角度αが1度よりも小さいと後述する保持器10の振動を生じさせることが難しくなる。5度よりも大きいと、ポケット13の周方向他方側部分での保持器10の環状部11に応力が集中して、保持器10の破損のおそれがある。
この第三実施形態の円筒ころ軸受は、運転時、円筒ころ4の端面が保持器10のポケット13の軸方向内面13aに突き当たり、保持器10が軸方向に移動する。保持器10が軸方向に移動する際、保持器10に付着したグリースが移動したり、グリースから基油を染み出させたりすることができる。
グリースの移動や、グリースの基油の染み出しがなされることにより、第一実施形態の場合と同様に、軸受内部の潤滑性が向上する。
この第三実施形態では、保持器10のポケット13の軸方向両側の軸方向内面13a、13aが周方向に対して傾斜する傾斜面であるが、軸方向一方の軸方向内面13aのみを傾斜面としてもよい。要は、保持器10のポケット13の軸方向両側の少なくとも一方の軸方向内面13aが周方向に対して傾斜する傾斜面であればよい。
また、この実施形態では、保持器10のポケット13の軸方向両側の軸方向内面13a、13aが周方向一方に向かって軸方向内向きに傾斜しているが、これに限られない。例えば、図8に示すように、ポケット13の軸方向両側の軸方向内面13aが周方向に対して傾斜する傾斜面であって、それぞれの傾斜面が平行としてもよい。
この場合、図8に示すように、径方向から見たポケット13は平行四辺形をなし、それぞれのポケット13は、径方向から見た場合での対角線の交点Oが、内輪2の軌道面2aの軸方向中央X上に位置している。
図8に示すポケット13を有する保持器10の場合も、運転時、円筒ころ4の端面が保持器10のポケット13の軸方向内面13aに突き当たり、保持器10が軸方向に移動させることができる。移動させたグリースやグリースの基油により軸受内部の潤滑性が向上する。
次に、この発明の第四実施形態に係る円筒ころ軸受を図9に基づいて説明する。
この実施形態に係る円筒ころ軸受1では、保持器10のそれぞれのポケット13の軸方向中央X1が、内輪2の軌道面2aの軸方向中央X上に位置している点、周方向の一部であるアンバランス部に位置する円筒ころ4bが、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する円筒ころ4に対して、ころ長さが短い点で、上述の第一実施形態と相違する。その他の構成については、第一実施形態の構成と同じと考えられるものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
すなわち、保持器10のそれぞれのポケット13のうち、周方向の一部となるアンバランス部に位置するポケット13内に保持される円筒ころ4bが、アンバランス部以外の周方向の部分に位置するポケット13内に保持される円筒ころ4よりもころ長さが短いものとなっている。
また、円筒ころ4bは、円筒ころ4と同じ材質から形成されている。このため、円筒ころ4bは円筒ころ4よりも軽量である。円筒ころ4bが保持される保持器10のポケット13が位置するアンバランス部によって、アンバランス部以外の周方向の部分との関係で、円筒ころ軸受1は、軸受中心軸周りの重量バランスが不均一状態となる。
また、保持器10のポケット13は、径方向から見て矩形をなし、軸方向両側に位置する軸方向内面13aが平面である。それぞれのポケット13の軸方向一方に位置する軸方向内面13aは、ラジアル平面と平行な同一平面上に位置する。また、それぞれのポケット13の軸方向他方に位置する軸方向内面13aも、ラジアル平面と平行な同一平面上に位置する。
このようなアンバランス部を周方向の一部に有する円筒ころ軸受1は、運転時、軸受自体が振動する。軸受自体の振動によりグリースが移動したり、グリースから基油を染み出させたりすることができる。
グリースの移動や、グリースの基油の染み出しがなされることにより、第一実施形態の場合と同様に、軸受内部の潤滑性が向上する。
さらに、この発明の第五実施形態に係る円筒ころ軸受を図10に基づいて説明する。
この実施形態に係る円筒ころ軸受1は、保持器10のそれぞれのポケット13の軸方向中央X1が内輪2の軌道面2aの軸方向中央X上に位置している点、周方向の一部であるアンバランス部に位置する保持器10の柱部12が、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する保持器10の柱部12に対して、重量が軽く形成されている点で、上述の第一実施形態と相違する。その他の構成については、第一実施形態の構成と同じと考えられるものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
保持器10のポケット13は、軸方向両側に位置する軸方向内面13aが平面である。それぞれのポケット13の軸方向一方に位置する軸方向内面13aは、ラジアル平面と平行な同一平面上に位置する。また、それぞれのポケット13の軸方向他方に位置する軸方向内面13aも、ラジアル平面と平行な同一平面上に位置する。
保持器10は、図10に示すように、周方向の一部であるアンバランス部に位置する柱部12aの内径面12bが、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する保持器10の柱部12の内径面に対して、径方向外側に位置している。また、柱部12aの内径面12bは、複数の円筒ころ4のPCD(ピッチ円半径よりも)径方向内側に位置している。
アンバランス部に位置する柱部12aは、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する保持器10の柱部12よりも重量が軽くなる。保持器10において、重量が軽い柱部12aが位置するアンバランス部によって、アンバランス部以外の周方向の部分との関係で、円筒ころ軸受1は、軸受中心軸周りの重量バランスが不均一状態となる。
このようなアンバランス部を周方向の一部に有する円筒ころ軸受1は、第一実施形態の場合と同様に、運転時、軸受自体が振動する。軸受自体の振動によりグリースが移動したり、グリースから基油を染み出させたりすることができる。
なお、この実施形態においては、アンバランス部に位置する保持器10の柱部12aの内径面12bをアンバランス部以外に位置する柱部12の内径面に対して、径方向外側に形成したが、これに限られない。
例えば、保持器10を樹脂成型品とし、アンバランス部となる保持器10の周方向の一部の柱部12aを、その他の周方向の部分の柱部12に対して、比重の異なる樹脂成型部とすることができる。この場合、アンバランス部に位置する柱部12aは、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する柱部12に対して、比重の大きさにより重量が異なる状態とすることができる。
また、アンバランス部となる周方向の一部に位置する柱部12aを金属片を含む樹脂成型部としてもよい。この場合、アンバランス部に位置する柱部12aは、アンバランス部以外の周方向の部分に位置する柱部12に対して、重量が重い状態とすることができる。
1 円筒ころ軸受
2 内輪
2a、3a 軌道面
2b 鍔部
3 外輪
3b 肩部
4 円筒ころ
4a クラウニング
4b 円筒ころ
5 シールド板
5a 係止部
5b シール部
10 保持器
11 環状部
12、12a 柱部
12b 内径面
13 ポケット
13a 軸方向内面
O 交点
W 軸方向距離
X、X1 軸方向中央

Claims (10)

  1. 外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、
    前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、それぞれの前記ポケットは、その軸方向中央が前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向反対側に位置するように周方向に交互に配置されていることを特徴とする円筒ころ軸受。
  2. 前記円筒ころが長さ方向片側にのみクラウニングを有し、前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して軸方向中央が軸方向一方に位置するポケット内に、前記クラウニングが軸方向一方に位置する状態で前記円筒ころが保持され、前記内輪の軌道面の軸方向中央に対して、軸方向中央が軸方向他方に位置するポケット内に、前記クラウニングが軸方向他方に位置する状態で前記円筒ころが保持されていることを特徴とする請求項1に記載された円筒ころ軸受。
  3. 前記内輪の軌道面の軸方向中央と前記ポケットの軸方向中央との距離が、前記円筒ころの長さの1〜5%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載された円筒ころ軸受。
  4. 外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、
    前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、前記ポケットは、軸方向の少なくとも一方の内面が周方向に対して傾斜する傾斜面であることを特徴とする円筒ころ軸受。
  5. 前記ポケットの軸方向両側の内面が前記傾斜面であって、それぞれの傾斜面が周方向の一方に向かって軸方向内向きに傾斜していることを特徴とする請求項4に記載された円筒ころ軸受。
  6. 前記ポケットの軸方向両側の内面が前記傾斜面であって、それぞれの傾斜面が平行であることを特徴とする請求項4に記載された円筒ころ軸受。
  7. 外周に軌道面を有する内輪と、内周に軌道面を有する外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に転動自在に配置された複数の円筒ころと、複数の前記円筒ころを周方向に間隔をおいて保持する保持器を備え、前記内輪及び外輪のうち少なくとも一方の軌道面の両側に鍔部が設けられた円筒ころ軸受において、
    前記保持器が、軸方向に離間する一対の環状部と、その一対の環状部を軸方向に連結し、周方向に複数配置される柱部と、隣り合う前記柱部および前記一対の環状部により周方向に複数形成されるポケットとを有し、周方向の一部に軸受中心軸周りの重量バランスが不均一状態となるアンバランス部を有することを特徴とする円筒ころ軸受。
  8. 前記保持器は、前記アンバランス部に位置する前記柱部が前記アンバランス部以外の周方向の部分に位置する前記柱部に対して重量が異なる状態となっていることを特徴とする請求項7に記載された円筒ころ軸受。
  9. 前記アンバランス部に位置する前記円筒ころが、前記アンバランス部以外の周方向の部分に位置する円筒ころよりもころ長さが短いものであることを特徴とする請求項7に記載された円筒ころ軸受。
  10. 前記アンバランス部に位置する柱部の内径面が、そのアンバランス部以外の周方向の部分に位置する柱部の内径面に対して、径方向外側に位置していることを特徴とする請求項7に記載された円筒ころ軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111677760A (zh) * 2020-06-28 2020-09-18 瓦房店轴承集团国家轴承工程技术研究中心有限公司 自润滑锁扣式三排圆柱轴承用隔离环
CN114483792A (zh) * 2022-01-10 2022-05-13 中国航发哈尔滨轴承有限公司 一种保持架及轴承

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