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JP2018042383A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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JP2018042383A JP2016175254A JP2016175254A JP2018042383A JP 2018042383 A JP2018042383 A JP 2018042383A JP 2016175254 A JP2016175254 A JP 2016175254A JP 2016175254 A JP2016175254 A JP 2016175254A JP 2018042383 A JP2018042383 A JP 2018042383A
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Abstract

【課題】ADコンバータの量子化ゆらぎによる出力リップルの発生を抑制すると共にコントロール電圧の変更に対する出力電圧の応答時間を短くする。【解決手段】出力制御部12にはコントロール電圧VTRMが入力され、出力電圧Voを設定する制御用基準値R1を出力する。ADコンバータ52は入力されたコントロール電圧からAD測定値NADmeasを生成して演算部54に出力し、演算部はAD測定値を積算回数mだけ積算した値であるAD積算値NADsumを生成し、AD測定値に積算回数mを乗じた値とAD積算値NADsumとの差分が所定の変動判定値以上の場合は、AD演算値NADcalcをAD測定値に積算回数mを乗じた値に設定して出力し、差分が所定の変動判定値未満の場合は、AD演算値NADcalcにAD積算値NADsumを設定して出力し、AD演算値NADcalcに基づき制御用基準値R1を生成して電力変換部10に出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、入力電圧を所望の電圧に変換し電子機器に供給するためのスイッチング電源装置に関し、特に、低コストのデジタルプロセッサを用いて高精度な出力電圧制御を実現するスイッチング電源装置に関する。
(デジタルプロセッサによるスイッチング電源装置の出力電圧制御)
従来、スイッチング電源装置の出力電圧をデジタルプロセッサで制御する技術として、特許文献1が開示されている。
特許文献1のスイッチング電源装置は、デジタルプロセッサで制御可能な基準パルス生成部が出力する基準パルスVrpをパルス平滑回路で平滑することで目標電圧信号Vobを得る。
スイッチング電源装置の出力電圧Voは、誤差増幅回路によって目標電圧信号Vobに比例した所定の値になるように制御が行われる。基準パルスVrpは所定の周期と所定のデューティを持つ方形波であり、目標電圧Vobは、基準パルスVrpの振幅とデューティで決定される。
基準パルスVrpがHレベルの時の電圧をVH、Lレベルの時の電圧をVL、デューティをdとすると、目標電圧Vobは、
Vob=(VH−VL)×d+VL
となる。例えば、VH=5ボルト、VL=0ボルト、d=0.5の場合は目標電圧Vob=2.5ボルトが得られることになる。従って、スイッチング電源装置の出力電圧Voの設定の分解能は、基準パルスVrpのデューティdを設定する際の分解能によって決定される。
基準パルス生成部が出力する方形波は、クロック発生器のクロック信号Vckをカウンタでカウントすることでカウント値を生成し、カウント値がレジスタ設定値R1に達したところで、基準パルスVrpの電圧レベルをLレベルとし、カウント値がレジスタ設定値R2に達したところで、基準パルスVrpの電圧レベルをHレベルにすると同時にカウント値をリセットする動作が繰り返されることで生成される。
従って、クロック信号Vckの周期とレジスタ設定値R2が基準パルスVrpの方形波の周期を決定し、レジスタ設定値R1が基準パルスVrpのデューティを決定する。
このとき基準パルスVrpのデューティdはR1/R2であるので、デューティdの設定分解能はレジスタ設定値R2となる。例えば、クロック信号Vckの周期が100nsec、レジスタ設定値R2が10000の場合は、基準パルスVrpの周期は1msとなり、デューティdの設定分解能は10000となる。
レジスタ設定値R1が5000の場合はデューティdは0.5となり、目標電圧Vobとして2.5ボルトが得られる。レジスタ設定値R1が5001の場合はデューティdは0.5001となり、目標電圧Vobとして2.5005ボルトが得られる。ここで、レジスタ設定値R1、R2はデジタルプロセッサで設定される値である。
デジタルプロセッサを用いてスイッチング電源装置の出力電圧Voを高分解能で設定するためには、高分解能のDAコンバータを使用することが一般的であるが、高分解能のDAコンバータを備えたデジタルプロセッサはたいへん高価であるため、汎用の低コストのデジタルプロセッサはDAコンバータを備えていないか、もしくは、備えていても分解能が低いものである場合がほとんどである。
汎用の低コストなデジタルプロセッサでも、クロック発生器や基準パルス生成部を備えているため、特許文献1の技術を用いることで、低コストのデジタルプロセッサを用いた場合でも出力電圧を高分解能で制御することが可能となる。
(外部から入力された電圧によるスイッチング電源装置の出力電圧可変制御)
また、スイッチング電源装置の出力電圧を、外部から入力された電圧信号で可変する技術が、特許文献2に開示されている。
特許文献2のスイッチング電源装置は、出力電圧を抵抗で分圧した電圧が誤差増幅器の入力の一端に入力されており、誤差増幅器の入力の他端は、コントロール電圧端子とされている。誤差増幅器は、スイッチング電源装置の出力電圧をコントロール電圧端子に印加された電圧に比例した電圧となるように出力電圧を制御する。
これにより、誤差増幅器は、コントロール電圧端子に印加された電圧に対してスイッチング電源装置の出力電圧が比例した電圧となるように制御を行うことができるようになり、例えばコントロール電圧端子に正弦波を入力することでスイッチング電源装置の出力電圧を正弦波状に成形すると言ったようなことができる。
ところで、特許文献2のスイッチング電源装置は、コントロール電圧端子に印加された電圧を誤差増幅器に直接入力していたため、スイッチング電源装置の出力電圧をコントロール電圧端子に印加された電圧に比例した電圧となるようにしか制御することができなかった。
これに対し特許文献3のスイッチング電源装置には、スイッチング電源装置の出力電圧を可変するためのコントロール電圧(アナログ値)をデジタルプロセッサでデジタル値に変換した上で、このデジタル値に基づいてスイッチング電源装置の出力電圧を制御する技術が開示されている。
特許文献3のスイッチング電源装置は、外部入力端子に入力されているアナログ電圧(出力電圧を可変するためのコントロール電圧)を、デジタルプロセッサの処理部がADコンバータを用いて、デジタル値の電圧設定信号Vtrm(k)に変換して取得する。
処理部は電圧設定信号Vtrm(k)や他に与えられている条件に従って、自己目標値VR(k)を演算し、基準電源の電圧を自己目標値VR(k)に設定し、誤差アンプに出力する。これにより、スイッチング電源装置の出力電圧Voは、基準電源の電圧VR(k)に比例した所定の値になるように制御が行われる。
特許文献3の技術を用いることにより、スイッチング電源装置の処理部は、外部入力端子に入力されているアナログ値で出力電圧Voを設定することができるようになり、また、出力電圧を可変するためのコントロール電圧に対する出力電圧Voの可変方法を、比例、反比例、直線、対数、可変幅制限等のように自由に設定することができるようになる。また、スイッチング電源装置の動作中に、例えば、通信機能による電圧設定に切り替えると言ったことも自由に行うことができるようになる。
なお、特許文献3では、基準電源で自己目標電圧VR(k)を生成する技術が明記されていないが、先の特許文献1を用いることで、基準電源の自己目標電圧VR(k)を生成することができる。
特開2014−128110号公報 特開平6−222847号公報 特開2013−138557号公報
ところで、特許文献1と特許文献3を組み合わせることで、スイッチング電源装置は、出力電圧を可変するためのコントロール電圧の取得と出力電圧設定の双方をデジタルプロセッサで処理することが可能になる。ただし、これらの従来例を組み合わせたスイッチング電源装置においては、低コストのデジタルプロセッサを用いて広い出力電圧可変範囲を得ようとすると以下の問題がある。
低コストのデジタルプロセッサを制御に用いる場合において、出力電圧の設定に関しては、特許文献1の技術を用いることで十分に高分解能に設定することができる。ここで、低コストのデジタルプロセッサが備えるADコンバータは、8bitや10bitと言った分解能が低いものが一般的である。従って、特許文献3の技術を用いて出力電圧を設定するためのコントロール電圧をデジタル値に変換する場合、例えば、10bitのADコンバータでは210=1024段階でしかデジタル値を得ることができない。
例えば、最高出力電圧として約6.144ボルト、最低出力電圧として約0ボルトを出力することができるスイッチング電源装置の出力電圧を、分解能10bitのADコンバータを用いてコントロール電圧をデジタル値に変換して出力電圧を設定する場合、出力電圧設定の分解能は、
(6.144ボルト−0ボルト)/210=6ミリボルト
となる。この場合、デジタルプロセッサは、ADコンバータからのデジタル値NDGに対して、式(1)に従うようにスイッチング電源の出力電圧Voを制御することになる。
Vo=NDG×6ミリボルト (1)
ここで、デジタル値NDGは、NDG=0〜1023の整数となる。
出力電圧の設定分解能は、特許文献1の技術で十分に高くすることができるが、出力電圧を可変するためのコントロール電圧をデジタル値に変換する際のADコンバータの分解能が低いと、結果として、スイッチング電源装置の出力電圧Voを高分解能に設定することができなくなってしまう。
例えば、式(1)のスイッチング電源装置では6ミリボルト以下の部分の電圧を設定することができない。この問題は、出力電圧可変範囲を広くすると顕著となる。例えば、スイッチング電源装置において、出力電圧の可変範囲を半分にすると、出力電圧を可変するためのコントロール電圧の変化に対して、出力電圧の可変範囲が半分になるため、スイッチング電源装置は3ミリボルトのステップで出力電圧設定を行うことができることになる。
(ADコンバータの量子化ゆらぎの問題)
次に、ADコンバータの量子化ゆらぎに起因する出力電圧設定の問題を説明する。一般的な逐次変換型のADコンバータを例にADコンバータの動作を以下に説明する。ADコンバータ回路内には、アナログのリファレンス電圧VADrefを出力するリファレンス電圧回路、アナログの比較電圧VADcmpを出力する比較電圧生成回路、電圧コンパレータ、および、ADコンバータ制御回路が備えられている。
比較電圧生成回路が発生する比較電圧VADcmpは、リファレンス電圧回路からのリファレンス電圧VADrefを分圧した電圧で生成され、ADコンバータ制御回路から比較電圧生成回路に与えられた分圧情報ADdivに対応した電圧を発生する。10bitのADコンバータでは、分圧情報ADdivは0〜1023の整数が与えられることになり、比較電圧VADcmpは式(2)のようになる。
VADcmp=VADRef/1024×ADdiv (2)
ADコンバータ回路内の電圧コンパレータには、比較電圧生成回路からの比較電圧VADcmpと出力電圧を可変するためのコントロール電圧VTRMが入力される。ADコンバータ制御回路は、分圧情報ADdivをスキャンすることで比較電圧生成回路からの比較電圧VADcmpを変化させる。そして、分圧情報ADdivを変化させる毎に、電圧コンパレータで比較電圧VADcmpとコントロール電圧VTRMの比較を行う。比較動作の結果、コントロール電圧VTRMと比較電圧VADcmpの電圧値が最も近くなったときに比較動作を完了し、分圧情報ADdivの値をAD測定値(デジタル値)NADmeasとして出力する。
ここで、リファレンス電圧VADRefとして5.120ボルトが与えられているとして逐次変換型のADコンバータの動作を説明する。
ADコンバータが出力するAD測定値NADmeasを、式(1)のデジタル値NDGとして用いて出力電圧を制御するスイッチング電源装置を考える。このスイッチング電源装置は、コントロール電圧VTRMに4.000ボルトを与えると、式(2)よりAD測定値NADmeasとして800が得られ、式(1)に従って出力電圧Voとして4.800ボルトが出力され、また、コントロール電圧VTRMに4.005ボルトを与えると、式(2)よりAD測定値NADmeasとして801が得られ、式(1)に従って出力電圧Voとして4.806ボルトが出力される。
ここで、コントロール電圧VTRMに4.000ボルトと4.005ボルトの中間の電圧である4.0025ボルトを与えると、ADコンバータの分解能よりも小さい電圧の部分をデジタル値に変換する動作を行うことになり、AD測定値NADmeasは、確率50%で800か801の何れかが出力されることになる。
これは、ADコンバータの「量子化ゆらぎ」と言われる一般的な現象で、先のADコンバータの「コントロール電圧VTRMと比較電圧VADcmpの電圧値が最も近くなったときに比較動作を完了し、分圧情報ADdivの値をAD測定値NADmeasとして出力する」と言う動作と、実在の回路における「ADコンバータ回路のリファレンス電圧回路のリファレンス電圧VADRefや、出力電圧Voを可変するためのコントロール電圧VTRM等が持つ電圧のゆらぎ」に起因する。
以下、単純化して考えるために、リファレンス電圧VADrefには電圧ゆらぎが無いとし、コントロール電圧VTRMの電圧ゆらぎに対するAD測定値NADmeasを考える。
コントロール電圧VTRMが4.0025ボルトから若干高い方向の電圧ゆらぎが発生しているときにADコンバータの変換動作が行われると、分圧情報ADdivが801の時にコントロール電圧VTRMと比較電圧VADcmpの値が最も近くなるためAD測定値NADmeasとして801が出力されることになる。
また、コントロール電圧VTRMが4.0025ボルトから若干低い方向の電圧ゆらぎが発生しているときにADコンバータの変換動作が行われると、分圧情報ADdivが800の場合にコントロール電圧VTRMと比較電圧VADcmpの値が最も近くなるためAD測定値NADmeasとして800が出力されることになる。
電圧ゆらぎは、コントロール電圧VTRMの4.0025ボルトを中心として一様分布的に発生することになるため、AD測定値NADmeasは50%の確率で800もしくは801の何れかが出力されることになる。
また、コントロール電圧VTRMが4.000Vボルトよりも大きく4.0025ボルトよりも小さい場合は、AD測定値NADmeasとして800を出力する確率が801を出力する確率よりも高くなる。
このとき、コントロール電圧VTRMが4.000ボルトに近いほどAD測定値NADmeasは800を出力する確率が高くなる。逆に、コントロール電圧VTRMが4.0025ボルトよりも大きく4.005ボルトよりも小さい場合は、AD測定値NADmeasとして801を出力する確率が800を出力する確率よりも高くなる。
以上より、逐次比較型のADコンバータから出力されるAD測定値NADmeasを基に出力電圧Voを制御しているスイッチング電源装置では、AD測定値NADmeasが量子化ゆらぎによって変動すると出力電圧Voに変動が発生することになる。例えば、式(1)に従って出力電圧Voが制御されるようなスイッチング電源装置の場合には、AD測定値NADmeasが1だけ変動すると出力電圧Voが6ミリボルトも変動することになる。
この量子化ゆらぎによるスイッチング電源装置の出力電圧Voの変動は、スイッチング電源装置の出力リップルとなって現れる。ADコンバータに高分解能のものを用いることで、ADコンバータの量子化ゆらぎによって発生するスイッチング電源装置の出力リップルを小さくすることが可能であるが、高分解能のADコンバータは高コストであるため、スイッチング電源装置が高コストなものになってしまう。
また、他の方法として、リップルを除去するためのLCフィルタをスイッチング電源装置の出力に付加する方法があるが、ゆらぎは不定期かつ低周波数で発生するため、スイッチング電源装置の出力リップルも不定期かつ低周波数なものとなり、これを除去するためにはスイッチング電源装置の出力に低周波のリップルを除去できる大型のLCフィルタを取り付けることになり、スイッチング電源装置の大型化や高コスト化を招いてしまう。
(ADコンバータの分解能に対する現在の解決法と問題)
ADコンバータの分解能が低いことに起因して発生するスイッチング電源装置の出力リップルは、ADコンバータの分解能を高くすることで実用上の問題が出ないレベルまで低減することができる。
低分解能のADコンバータの分解能を擬似的に向上させる方法としてオーバーサンプリングと言われる手法がデジタルオーディオ機器等で使用されている。オーバーサンプリングは、ADコンバータの測定値を所定の回数だけ積算して得られる値を使用することで分解能を向上させる方法である。
オーバーサンプリングでは、先の量子化ゆらぎに起因して発生するAD測定値NADmeasのゆらぎの確率を利用することで分解能を向上させる。AD測定値NADmeasのゆらぎの確率は、ADコンバータの分解能よりも小さな部分の電圧によって決まることになるため、ADコンバータのサンプリング結果を積算した値にはADコンバータの分解能以下の情報が得られることになる。
オーバーサンプリングによる積算回数に対して向上する分解能のビット数は、表1のようになることが知られている。例えば、10bitのADコンバータの変換結果を4096回積算すると分解能は6bit分だけ向上することになり、16bitのADコンバータを使用した場合と同じ分解能が得られることになる。
Figure 2018042383
オーバーサンプリングを適用して分解能を向上させる場合、測定結果を得るまでに時間が長くなる問題が発生する。例えば、サンプリング周期が100μsecの分解能10bitのADコンバータを用いて、オーバーサンプリングを行うことで13bit相当の分解能を得ようとする場合は、表1より、64回のサンプリングが必要になる。この場合、100μsec×64回=6400μsecの時間が必要になる。
スイッチング電源装置において、出力電圧を可変するためのコントロール電圧VTRMをADコンバータで取得している場合にオーバーサンプリングを用いると、コントロール入力端子に入力されたコントロール電圧VTRMを変更した際にスイッチング電源装置の出力電圧Voが応答するまでの時間が長くなる。
特許文献3のスイッチング電源装置では、例えば、コントロール入力端子に正弦波を入力することで、スイッチング電源装置の出力電圧Voを正弦波状に成形することが可能であったが、オーバーサンプリングを用いたスイッチング電源装置では、コントロール入力端子に入力されたコントロール電圧VTRMを変更した際に出力電圧Voが応答するまでの時間が長くなってしまうため、コントロール電圧VTRMに対する出力電圧Voの成形が難しくなってしまう問題が発生する。
本発明は、低分解能のADコンバータしか持たない低コストのデジタルプロセッサを用いて出力電圧制御を行った場合でも、ADコンバータの量子化ゆらぎによるスイッチング電源装置の出力リップルの発生を抑制することと、コントロール入力端子に対する出力電圧の応答時間を短くすることを両立可能とするスッチング電源装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明のスイッチング電源装置は次の構成を備える。なお、カッコ内に図面中の信号や情報の符号を示す。
(第1発明:出力電圧を制御するスイッチンング電源装置)
本発明は、電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧(Vo)を生成する回路であって、出力電圧(Vo)は出力制御部から与えられた制御用基準値(R1)によって制御され、
出力制御部は、電力変換部の出力電圧(Vo)を制御するためのコントロール電圧(VTRM)が入力され、電力変換部に対して出力電圧(Vo)を設定する制御用基準値(R1)を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部を備えた演算部とから構成されており、
ADコンバータは、コントロール電圧(VTRM)が入力されており、入力されたコントロール電圧(VTRM)からデジタル値であるAD測定値(NADmeas)を生成して演算部に出力し、
AD測定値積算処理部は、AD測定値(NADmeas)を所定の積算回数(m)だけ積算した値であるAD積算値(NADsum)を生成してAD測定値変動応答処理部へ出力し、
AD測定値変動応答処理部は、AD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値とAD積算値(NADsum)との差分を求め、差分が所定の変動判定値(a)以上又は超える場合は、AD演算値(NADcalc)をAD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値に設定して設定情報生成処理部に出力し、差分が所定の変動判定値(a)未満又は以下の場合は、AD演算値(NADcalc)をAD積算値(NADsum)に設定して設定情報生成処理部へ出力し、
設定情報生成処理部は、AD演算値(NADcalc)に基づき制御用基準値(R1)を生成して電力変換部に出力する、
ことを特徴とする。
(第2発明:出力電流を制御するスイッチング電源装置)
本発明の別の形態にあっては、電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、
電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧(Vo)及び出力電流(Io)を生成する回路であって、出力電流(Io)は出力制御部から与えられた制御用基準値(R1)によって制御され、
出力制御部は、電力変換部の出力電流(Io)を制御するためのコントロール電圧(ITRM)が入力され、電力変換部に対して出力電流(Io)を設定する制御用基準値(R1)を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部を備えた演算部とから構成されており、
ADコンバータは、コントロール電圧(ITRM)が入力されており、入力されたコントロール電圧(ITRM)からデジタル値であるAD測定値(NADmeas)を生成して演算部に出力し、
AD測定値積算処理部は、AD測定値(NADmeas)を所定の積算回数(m)だけ積算した値であるAD積算値(NADsum)を生成してAD測定値変動応答処理部へ出力し、
AD測定値変動応答処理部は、AD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値とAD積算値(NADsum)との差分を求め、差分が所定の変動判定値(a)以上又は超える場合は、AD演算値(NADcalc)をAD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値に設定して設定情報生成処理部に出力し、差分が所定の変動判定値(a)未満又は以下の場合は、AD演算値(NADcalc)をAD積算値(NADsum)に設定して設定情報生成処理部へ出力し、
設定情報生成処理部は、AD演算値(NADcalc)に基づき制御用基準値(R1)を生成して電力変換部に出力する、
ことを特徴とする。
(パルス周期設定用レジスタの設定値による演算の簡略化)
電力変換部は、出力制御部からの制御用基準値(R1)が入力される制御用基準電圧発生部を備えており、
制御用基準電圧発生部は、基準パルス発生部と平滑回路で構成され、
前記基準パルス発生部は、クロック信号が入力されたカウンタ、パルス周期設定用レジスタ、デューティ設定用レジスタ、及び基準パルスを平滑回路へ出力するパルス制御部を備え、
カウンタは、クロック信号をカウントしたカウント値をパルス制御部へ出力し、
パルス制御部は、カウント値がパルス周期設定用レジスタの設定値(R2)と一致した場合にカウンタのカウント値をリセットすると同時に基準パルスを所定の電圧レベルに設定し、カウント値がデューティ設定用レジスタの設定値(R1)と一致した場合に基準パルスの電圧レベルを反転させ、所定の周期、デューティおよびデューティの分解能を持った方形波の基準パルスを出力し、
パルス周期設定用レジスタには、基準パルスのデューティの分解能が、ADコンバータの分解能と積算回数mの積を2のn乗で除算した値(nは整数)となるパルス周期制御用基準値(R2)が設定され、
デューティ設定用レジスタには出力制御部から出力された制御用基準値(R1)が設定され、
平滑回路は、パルス制御部から出力された基準パルスの平滑により制御用基準電圧を生成する。
(第1発明の効果)
本発明は、電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧(Vo)を生成する回路であって、出力電圧は出力制御部から与えられた制御用基準値(R1)によって制御され、出力制御部は、電力変換部の出力電圧(Vo)を制御するためのコントロール電圧(VTRM)が入力され、電力変換部に対して出力電圧(Vo)を設定する制御用基準値(R1)を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部を備えた演算部とから構成されており、ADコンバータは、コントロール電圧(VTRM)が入力されており、入力されたコントロール電圧(VTRM)からデジタル値であるAD測定値(NADmeas)を生成して演算部に出力し、AD測定値積算処理部は、AD測定値(NADmeas)を所定の積算回数(m)だけ積算した値であるAD積算値(NADsum)を生成してAD測定値変動応答処理部へ出力し、AD測定値変動応答処理部は、AD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値とAD積算値(NADsum)との差分を求め、差分が所定の変動判定値(a)以上又は超える場合は、AD演算値(NADcalc)をAD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値に設定して設定情報生成処理部に出力し、差分が所定の変動判定値(a)未満又は以下の場合は、AD演算値(NADcalc)をAD積算値(NADsum)に設定して設定情報生成処理部へ出力し、設定情報生成処理部は、AD演算値(NADcalc)に基づき制御用基準値(R1)を生成して電力変換部に出力するようにしたため次の効果が得られる。
本発明では、低分解能のADコンバータを用いた場合でも、オーバーサンプリング(AD測定値積算処理)により、量子化ゆらぎによる出力リップルの発生を抑制し、オーバーサンプリングに起因するコントロール電圧(VTRM)の可変に対する出力電圧(Vo)の応答遅れをAD測定値積算処理(オーバーサンプリング)とAD測定値変動応答処理を同時に行うことで解決し、低コストのデジタルプロセッサでも、高精度の制御と高速な制御を両立することができるようになる。
(第2発明の効果)
本発明の別の形態にあっては、電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、断続電圧を出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧(Vo)及び出力電流(Io)を生成する回路であって、出力電流(Io)は出力制御部から与えられた制御用基準値(R1)によって制御され、出力制御部は、電力変換部の出力電流(Io)を制御するためのコントロール電圧(ITRM)が入力され、電力変換部に対して出力電流(Io)を設定する制御用基準値(R1)を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部とを備えた演算部から構成されており、ADコンバータは、コントロール電圧(ITRM)が入力されており、入力されたコントロール電圧(ITRM)からデジタル値であるAD測定値(NADmeas)を生成して演算部に出力し、AD測定値積算処理部は、AD測定値(NADmeas)を所定の積算回数(m)だけ積算した値であるAD積算値(NADsum)を生成してAD測定値変動応答処理部へ出力し、D測定値変動応答処理部は、AD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値とAD積算値(NADsum)との差分を求め、差分が所定の変動判定値(a)以上又は超える場合は、AD演算値(NADcalc)をAD測定値(NADmeas)に積算回数(m)を乗じた値に設定して設定情報生成処理部に出力し、差分が所定の変動判定値(a)未満又は以下の場合は、AD演算値(NADcalc)をAD積算値(NADsum)に設定して設定情報生成処理部へ出力し、設定情報生成処理部は、AD演算値(NADcalc)に基づき制御用基準値(R1)を生成して電力変換部に出力するようにしたため、次の効果が得られる。
本発明では、低分解能のADコンバータを用いた場合でも、オーバーサンプリング(AD測定値積算処理)により、量子化ゆらぎによる出力電流(Io)の振動の発生を抑制し、オーバーサンプリングに起因するコントロール電圧(ITRM)の可変に対する出力電流(Io)の応答遅れをAD測定値積算処理(オーバーサンプリング)とAD測定値変動応答処理を同時に行うことで解決し、低コストのデジタルプロセッサでも、高精度の制御と高速な制御を両立することができるようになる。
(パルス周期設定用レジスタの設定値による演算の効果)
また、電力変換部は、出力制御部からの制御用基準値(R1)が入力される制御用基準電圧発生部を備えており、制御用基準電圧発生部は、基準パルス発生部と平滑回路で構成され、基準パルス発生部は、クロック信号が入力されたカウンタ、パルス周期設定用レジスタ、デューティ設定用レジスタ、及び基準パルスを平滑回路へ出力するパルス制御部を備え、カウンタは、クロック信号をカウントしたカウント値をパルス制御部へ出力し、パルス制御部は、カウント値がパルス周期設定用レジスタの設定値(R2)と一致した場合にカウンタにカウント値をリセットすると同時に基準パルスを所定の電圧レベルに設定し、カウント値がデューティ設定用レジスタの設定値(R1)と一致した場合に基準パルスの電圧レベルを反転させ、所定の周期、デューティおよびデューティの分解能を持った方形波の基準パルスを出力し、パルス周期設定用レジスタには、基準パルスのデューティの分解能が、ADコンバータの分解能と積算回数mの積を2のn乗で除算した値(nは整数)となるパルス周期制御用基準値(R2)が設定され、デューティ設定用レジスタには出力制御部から出力された制御用基準値(R1)が設定され、平滑回路は、パルス制御部から出力された基準パルスの平滑により制御用基準電圧を生成するようにしたため、出力制御部からの制御用基準値(R1)に基づく制御用基準電圧の生成がカウンタ、パルス周期設定用レジスタ、デューティ設定用レジスタ、及びパルス制御部を備えた基準パルス生成部を構成する回路と平滑回路で行われるようになるため、次の効果が得られる。
本発明では、オーバーサンプリングにより得られたAD測定値(NADmeas)を所定の積算回数(m)だけ積算した積算結果となるAD積算値(NADsum)を直接、もしくは、補正値の加算や減算やレジスタのビットシフト程度の簡単な演算を行うだけで、制御用基準値(R1)として取り扱うことが可能となるため、デジタルプロセッサの演算が簡略化できることで、低コストのデジタルプロセッサでも高分解能の制御を高速で行うことが可能となり、また、リップル低減用の大型のコイルやコンデンサで構成されるLCフィルタ回路や高分解能のADコンバータが不要となり、スイッチング電源装置の小型・低コスト化が可能になる。
コントロール電圧によって出力電圧を制御するスイッチング電源装置の実施形態を示したブロック図 AD測定値積算処理部の処理動作を示したフローチャート AD測定値変動応答処理部の処理動作を示したフローチャート 基準パルス生成部の動作を示したタイムチャート コントロール電圧によって出力電流を制御するスイッチング電源装置の実施形態を示したブロック図
[第1発明によるスイッチング装置の実施形態]
図1は出力電圧を制御するスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のスイッチング電源装置は、電力変換部10と出力制御部12から構成される。
[電力変換部の回路構成]
(降圧チョッパー回路)
電力変換部10は、入力端子11a,11bに対する入力電圧Vinを出力電圧Voに変換して出力端子25a,25bから負荷に出力する電源回路として降圧チョッパー回路を備えている。
電力変換部10の降圧チョッパー回路は、プラス側の入力端子11aにMOS−FETを用いたスイッチング素子14のドレインが接続され、スイッチング素子14のソースに整流用のダイオード16のアノードとインダクタ18の一端が接続され、インダクタ18の他端にコンデンサ20の一端が接続され、コンデンサ20の他端とダイオード16のカソードがマイナス側の入力端子11bに接続されている。
降圧チョッパー回路は、入力端子11a,11bからの入力電圧Vinを、スイッチング素子14のオン、オフ動作によって断続電圧に変換し、断続電圧をダイオード16により整流してインダクタ18とコンデンサ20で構成される平滑回路で平滑することで直流電圧に変換し、出力電圧Voを生成して出力端子25a,25bから負荷に供給している。
なお、本実施形態では、電力変換部10に非絶縁型の降圧チョッパーを用いているが、スイッチング素子のオン、オフで電力変換できる回路であれば良く、例えば、絶縁型のフォワードコンバータやフライバックコンバータを用いても良い。
また、電力変換部10には、制御用基準電圧発生部28、フィードバック制御回路26及びPWM制御回路30が設けられている。
(制御用基準電圧発生部)
電力変換部10は、出力制御部12から入力された制御用基準値R1に従うように、出力電圧Voの制御を行うものであり、このため電力変換部10に制御用基準電圧発生部28が設けられ、制御用基準電圧発生部28は入力された制御用基準値R1を制御用基準電圧VoRefに変換してフィードバック制御回路26に出力する。なお、制御用基準電圧発生部28の詳細は後の説明で明らかにする。
(フィードバック制御回路)
フィードバック制御回路26は、誤差アンプ32で構成される。誤差アンプ32には、制御用基準電圧VoRefと抵抗22,24で分圧された出力電圧Voに比例した電圧である出力検出電圧Vsensが入力される。誤差アンプ32は制御用基準電圧VoRefと出力検出電圧Vsensとの誤差に応じて変化するフィードバック信号VFBをPWM制御回路30に出力する。
即ち、フィードバック制御回路26の誤差アンプ32は、Vsens>VoRefのときフィードバック信号VFBが低下するように制御を行い、Vsens<VoRefのときフィードバック信号VFBが上昇するように制御を行う。
(PWM制御回路)
PWM制御回路30は、PWMコンパレータ50と三角波発振器48から構成される。三角波発振器48は所定の周波数と振幅の三角波信号Vtriを出力する。PWMコンパレータ50には三角波信号Vtriとフィードバック信号VFBが入力され、三角波信号Vtriとフィードバック信号VFBを比較した結果に基づいてスイッチング素子14をオン、オフさせるスイッチング制御信号VGSを出力する。
即ち、PWM制御回路30は、VFB>Vtriのときスイッチング制御信号VGSがHレベルになるように制御を行い、VFB<Vtriのときスイッチング制御信号VGSがLレベルになるように制御を行う。
これにより、スイッチング電源装置のスイッチング周波数は、三角波発振器48の周波数で決定される。また、スイッチング素子14のオンデューティは、フィードバック信号VFBの電圧レベルで制御され、フィードバック信号VFBが上昇するとスイッチング素子14のオンデューティが大きくなり、フィードバック信号VFBが低下するとスイッチング素子14のオンデューティが小さくなる。
[出力制御部]
出力制御部12はデジタルプロセッサにより実現される機能であり、コントロール電圧入力端子15にコントロール電圧VTRMが入力され、演算を行うことで制御用基準値R1を出力する回路であり、ADコンバータ52と演算部54から構成される。
(ADコンバータ)
ADコンバータ52には、コントロール電圧入力端子15からコントロール電圧VTRMが入力されており、アナログ電圧であるコントロール電圧VTRMをデジタル値であるAD測定値NADmeasに変換する動作を行う。AD測定値NADmeasは、ADコンバータ52のサンプリング周期TADで新しい値に更新され、演算部54に出力される。本実施形態のADコンバータ52は逐次変換型のADコンバータを示しており、先の従来例で説明したものと同様の動作を行う。
ADコンバータ52の回路内には、アナログ電圧のリファレンス電圧VADrefを出力するリファレンス電圧発生回路58、アナログ電圧の比較電圧VADcmpを出力する比較電圧生成回路60、電圧コンパレータ56、および、ADコンバータ制御回路62が備えられている。
比較電圧生成回路60が発生する比較電圧VADcmpは、リファレンス電圧発生回路58からのリファレンス電圧VADrefを分圧した電圧で生成され、ADコンバータ制御回路62から比較電圧生成回路60に与えられた分圧情報ADdivに対応した電圧を発生する。例えば10bitのADコンバータ52では、分圧情報ADdivは0〜1023の整数が与えられることになり、比較電圧VADcmpは前述した式(2)のようになる。
電圧コンパレータ56には、比較電圧生成回路60の比較電圧VADcmpと出力電圧を可変するためのコントロール電圧VTRMが入力される。ADコンバータ制御回路62は、分圧情報ADdivをスキャンすることで比較電圧生成回路60からの比較電圧VADcmpを変化させる。そして、分圧情報ADdivを変化させる毎に、電圧コンパレータ56で比較電圧VADcmpとコントロール電圧VTRMの比較を行う。ADコンバータ制御回路62は、比較動作の結果、コントロール電圧VTRMと比較電圧VADcmpの電圧値が最も近くなったときに比較動作を完了し、分圧情報ADdivの値をAD測定値(デジタル値)NADmeasとして演算部54に出力する。
(演算部)
演算部54はデジタルプロセッサのハードウェアとなるCPUや演算用のプログラムが格納されたメモリ等で構成されるもので、AD測定値積算処理部64、AD測定値変動応答処理部66及び設定情報生成処理部68の処理機能を備える。
(AD測定値積算処理部)
AD測定値積算処理部64は、ADコンバータ52がサンプリングする毎に得られたAD測定値NADmeasを所定の積算回数mだけ積算した値であるAD積算値NADsumを生成し、AD測定値変動応答処理部66に出力する。AD測定値積算処理部64によるAD測定値NADmeasの積算は、ADコンバータ52のサンプリング周期TAD毎に行われる。従って、AD積算値NADsumの更新周期は、
(ADコンバータ52のサンプリング周期TAD)×(積算回数m)
となる。
図2はAD測定値積算処理部の演算処理を示したフローチャートであり、次の演算処理が実行される。図2に示すように、AD測定値積算処理部64は、ステップS1で積算用変数Sを0にリセットすると共に、カウンタ用変数Cに積算回数mをセットしてC=mとする。続いて、ステップS2に進み、ADコンバータ52からのAD測定値NADmeasが更新されたことを確認するとステップS3に進み、AD測定値NADmeasを積算用変数Sに積算して
S=S+NADmeas
とし、更に、カウンタ用変数Cを1つ減算してC=C−1とする。
続いてステップS4に進み、積算回数Cが0に達したか否か確認し、0に達するまでステップS2からの処理を繰り返す。
ステップS4で積算回数Cが0に達したことが確認されるとステップS5に進み、AD積算値NADsumを更新し、ステップS6で更新されたAD積算値NADsumをAD測定値変動応答処理部66に出力する。
(AD測定値変動応答処理部)
AD測定値変動応答処理部66は、ADコンバータ52が出力するAD測定値NADmeasとAD測定値積算処理部64が出力するAD積算値NADsumとの比較を行い、AD積算値NADsumとAD測定値NADmeasに上記の積算回数mを乗じた値の差分を求め、差分が変動判定値a以上の時にAD測定値NADmeasに変動があることを検出する。
AD測定値変動応答処理部66は、変動があることを検出したときには
(AD測定値NADmeas)×(積算回数m)
として求めた値をAD演算値NADcalcとして出力し、変動がないことを検出した場合は、AD積算値NADsumをそのままAD演算値NADcalcとして出力する。
AD測定値変動応答処理部66では、AD測定値NADmeasが新しい値に更新される周期であるADコンバータ52のサンプリング周期TAD毎に、AD積算値NADsumとAD測定値の比較を行い、AD演算値NADcalcを設定情報生成処理へ出力するため、ADコンバータ52で分解能を高めるためのオーバーサンプリング(AD測定値積算処理)を行っていても、コントロール電圧VTRMの変動に対して高速に応答できる。
図3はAD測定値変動応答処理部の演算処理を示したフローチャートである。図3に示すように、AD測定値変動応答処理部66は、ステップS11でAD測定値NADmeasが更新されたことを確認するとステップS12に進み、AD積算値NADsumと、AD測定値NADmeasに積算回数mを乗じた値との差の絶対値を求めて変動判定値aと比較し、変動判定値a未満を確認した場合はステップS13に進み、AD測定値NADmeasに変動が無いと認識し、AD演算値NADcalcにAD積算値NADsumを代入し、ステップS15に進んでAD演算値NADcalcを設定情報生成処理部68に出力する。
また、ステップS12で変動判定値a以上を確認した場合はステップS14に進み、AD測定値NADmeasに変動が有ると認識し、AD演算値NADcalcに
(AD測定値NADmeas)×(積算回数m)
の値を代入し、ステップS15に進んでAD演算値NADcalcを設定情報生成処理部68に出力する。
(設定情報生成処理部)
設定情報生成処理部68は、AD測定値変動応答処理部66から入力されたAD演算値NADcalcを基に演算を行うことで制御用基準値R1を生成し、電力変換部10に設けられた制御用基準電圧発生部28に入力させる。
また、設定情報生成処理部68は、ADコンバータ52の分解能と積算回数mの積を2のn乗で除算した値(nは整数)となるパルス周期制御用基準値R2を生成し、電力変換部10に設けられた制御用基準電圧発生部28に入力させる。
[制御用基準電圧発生部]
電力変換部10に設けられた制御用基準電圧発生部28は、演算部54からの制御用基準値R1とパルス周期制御用基準値R2を受けて、制御用基準電圧VoRefを発生する。本実施形態の制御用基準電圧発生部28は、基準パルス生成部36と平滑回路44で構成されている。
(基準パルス生成部)
基準パルス生成部36は、カウンタ38、パルス制御部40、制御用基準値R1が入力されることでデューティ設定用レジスタ設定値R1が設定されるデューティ設定用レジスタ41、及びパルス幅制御用基準値R2が入力されることでパルス周期設定値R2が設定されるパルス周期設定用レジスタ42を備えている。カウンタ38は、図4(A)に示すようにクロック発生部34からのクロック信号Vckをカウントすることでカウント値NCTを出力する。図4(B)に示すように、カウント値NCTは、最初はゼロとなっており、クロック信号Vckをカウントすると1だけ増加する。
パルス制御部40は、カウンタ38のカウント値NCT、デューティ設定用レジスタ41のデューティ設定用レジスタ設定値R1、および、パルス周期設定用レジスタ42のパルス周期設定値R2が入力され、カウント値NCTと設定値R1、R2の値により図4(C)に示すように、基準パルスVrpの電圧レベルを制御する。
基準パルスVrpの電圧レベルは、最初はHレベルとなっているが、カウント値NCTが増加してデューティ設定用レジスタ設定値R1と一致する時刻t1で基準パルスVrpの電圧レベルを反転させてLレベルとする。さらにカウント値NCTが増加してパルス周期設定値R2と一致する時刻t2で、基準パルスVrpの電圧レベルをリセットしてHレベルにすると共に、カウンタ38もリセットされカウント値NCTがゼロになる。
この動作が繰り返されることで、基準パルスVrpは、クロック信号Vckの周期とパルス幅制御用基準値R2の値で規定された周期を持ち、また、制御用基準値R1の値で規定されたデューティを持つ方形波が作られ、基準パルスVrpは平滑回路44に出力される。
平滑回路44は、入力された基準パルスVrpを抵抗45とコンデンサ46で平滑することで直流電圧の制御用基準電圧VoRefを出力する。
(パルス周期制御用基準値R2)
出力制御部12に設けられた設定情報生成処理部68は、基準パルス生成部36のデューティの分解能が、ADコンバータ52の分解能と積算回数mの積を2のn乗で除算した値となるように、パルス周期制御用基準値R2を設定する。
R2=(ADコンバータの分解能×積算回数m)/2n (3)
パルス周期制御用基準値R2をこの設定とすることで、設定情報生成処理部68に必要な演算を高速化することができるようになるため、低コストのデジタルプロセッサを用いる場合に効果が高い。
ここで、n=0とすれば、2n=1となるので、式(3)で得られるパルス周期制御用基準値R2は、AD演算値NADcalcの最大値とほぼ等しくなる。これにより、設定情報生成処理部68は、AD演算値NADcalcに補正値を加算(もしくは減算)する程度の演算を行った結果を、パルス周期制御用基準値R2として出力することができるようになる。ここでの補正値は、ADコンバータ52や周辺回路部品(例えば、抵抗等)に起因した誤差を補正するために与える値であり、デジタルプロセッサは、加算や減算は高速に処理することができる。
また、基準パルス生成部36のデューティの分解能を低く設定しても良い場合は、n=1以上の値とすることでパルス周期制御用基準値R2を小さくして、基準パルスVrpの周波数を高くし、平滑回路44の抵抗45とコンデンサ46を小型化できる。
この場合は、パルス周期制御用基準値R2を生成する際にAD演算値NADcalcを2のn乗で除算した値に補正値を加算(もしくは減算)することになる。デジタルプロセッサは、一般的な乗算や除算には大変な時間を必要とするが、2進数演算に限っては、レジスタのビットシフトで行うことができるため、2のn乗の乗算および除算に限って高速に処理することができる。
本実施形態では、ADコンバータ52、演算部54、基準パルス生成部36は、低コストのデジタルプロセッサに内蔵されているものを示しているが、デジタルプロセッサに内蔵されていないものを使用しても構わない。また、電力変換部10は、制御用基準電圧発生部28において、制御用基準値R1から制御用基準電圧VoRefを生成し、出力電圧Voが制御用基準電圧VoRefと比例した電圧になるようなに回路を構成しているが、例えば、スイッチング素子14をデジタルプロセッサで制御を行う構成とし、制御用基準値R1から出力電圧Voを制御する構成、即ち、制御用基準電圧発生部28を持たない構成としても構わない。
[スイッチング電源装置の動作]
次に、図1に示したスイッチング電源装置の動作を実際の数値を代入して説明する。
(コントロール電圧VTRMが一定値の場合の動作)
まず、コントロール電圧VTRMが一定値の場合について説明する。スイッチング電源装置のコントロール電圧入力端子15に印可するコントロール電圧VTRMとして、従来例と同様に4.0025ボルトが与えられているとする。
ADコンバータ52として分解能10bit、サンプリング周期TADが100μsecのものを用いており、ADコンバータ52のリファレンス電圧VADrefとして、従来例と同様に、5.120ボルトが与えられているものとする。
ADコンバータ52、サンプリング周期TADの100μsec毎にアナログ値であるコントロール電圧VTRMをデジタル値であるAD測定値NADmeasに変換する。ADコンバータ52の分解能やリファレンス電圧VADrefは従来例の説明と同じ値が与えられているので、従来例と同様に、AD測定値NADmeasは、量子化ゆらぎに起因して、50%の確率で800もしくは801となる。
AD測定値積算処理部64において、積算回数mをm=64に設定すると、AD積算値NADsumは、確率50%で800もしくは801となる値を64回だけ積算した値となるので、
NADsum=800×(64/2)+801×(64/2)=51232
となる。
積算回数mはm=64であるので、AD積算値NADsumは、前述した表1から分解能13bitのADコンバータの測定値と同等の分解能が得られることになる。また、AD測定値積算処理部64は、
(TAD×m)=(100μsec×64回)=6400μsec
の周期でAD積算値NADsumをAD測定値変動応答処理部66に出力する。
AD測定値変動応答処理部66では、変動判定値aとしてa=128が与えられているとする。AD測定値変動応答処理部66は、図3のフローチャートに従って、AD測定値積算処理部64から入力されたAD積算値NADsumとADコンバータ52から入力されたAD測定値NADmeasに積算回数m=64を乗じた値との差分を計算し、変動判定値a=128との比較を行った結果から、AD演算値NADcalcを演算する。
AD測定値NADmeasは800もしくは801であるので、AD測定値NADmeasに積算回数mを乗じた値は、
800×64=51200、もしくは
801×64=51264
となる。
AD積算値NADsumは51232であるので、AD測定値NADmeasに積算回数mを乗じた値との差は、それぞれ、
|51232−51200|=32、および、
|51232−51264=|−32|=32
となり、差分はいずれの場合も32となっている。
ここで、差分の32と変動判定値a=128とを比較すると、いずれの差分も変動判定値以下であるので、AD測定値変動応答処理部66は、AD積算値NADsum=51232をAD演算値NADcalcとして設定情報生成処理部68へ出力する。また、AD測定値変動応答処理部66は、ADコンバータ52のサンプリング周期TAD=100μsec毎にAD演算値NADcalcを設定情報生成処理部68へ出力する。
設定情報生成処理部68では、基準パルス生成部36のデューティ分解能がADコンバータ52の分解能10bit(210=1024)に積算回数m=64を乗じた値である65536になるように、基準パルス生成部36に対してパルス周期制御基準値R2を出力する。また、設定情報生成処理部68は、AD測定値変動応答処理部66から入力されたAD演算値NADcalc=51232を制御用基準値R1として基準パルス生成部36に出力する。
基準パルス生成部36は、Hレベルとして5ボルト、Lレベルとして0ボルトを出力するものとする。設定情報生成処理部68から与えられた条件、即ち、デューティ設定用レジスタ41に設定された制御用基準値R1=51232とパルス周期設定用レジスタ42のパルス周期制御用基準値R2=65536に従って、基準パルス生成部36は、
R1/R2=51232/65536≒0.78174
のデューティの矩形波となる基準パルスVrpを平滑回路44に出力する。
この基準パルスVrpの矩形波が平滑回路44で平滑されて得られる制御用基準電圧VoRefは、
VoRef=5×0.78174≒3.9087ボルト
となる。
ここで、従来例と同じく、出力電圧Vo=0〜6.144ボルトを出力できるスイッチング電源装置を制御用基準電圧VoRef=0〜5ボルトで制御しているものとすると、式(4)で出力電圧Voが制御されることになる。
Vo=6.144V/5V×VoRef (4)
これらより、電力変換部10から出力電圧Vo=4.803ボルトが出力されることになる。
従来例では、分解能10bitのADコンバータのAD測定値ADmeasで出力電圧を制御していたため、量子化ゆらぎによって、Vo=4.800ボルトとVo=4.806ボルトをー様分布的に出力することになり、6ミリボルトの大きなリップルが発生していたが、本実施形態では積算処理によって得られたAD演算値ADcalcで出力電圧Voを制御するため、量子化ゆらぎによって発生する大きなリップルを無くし、Vo=4.803ボルトの安定な出力電圧を得ることができる。
(コントロール電圧VTRMを可変させた場合の動作)
次に、コントロール電圧VTRMを可変させた場合について説明する。コントロール電圧VTRMを4.0025ボルトから4.5ボルトに可変させた場合を考える。このとき、ADコンバータ52は、AD測定値NADmeas=900をサンプリング周期TAD=100μsec毎にAD測定値積算処理部64およびAD測定値変動応答処理部66へ出力する。
AD測定値積算処理部64は、AD測定値NADmeasを100μsec毎に積算回数m=64回積算することで、AD積算値NADsum=900×64=57600を生成する。また、AD測定値積算処理部64は、100μsec×64回=6400μsec毎に、AD積算値NADsumをAD測定値変動応答処理部66へ出力する。
ここで、コントロール電圧VTRMを可変させた直後の情報がAD積算値NADsumに反映されるのは、最短でも6400μsec後と言うことになる。従って、コントロール電圧VTRMを可変させた直後からAD積算値NADsumが新しい値である57600に更新されるまでの6400μsecの期間は、コントロール電圧VTRM=4.0025ボルトの時の値である51232がAD積算値NADsumとしてAD測定値変動応答処理部66へ出力されることになる。
AD測定値変動応答処理部66は、ADコンバータ52のサンプリング周期TAD=100μsec毎にADコンバータ52から出力されたAD測定値NADmeas=900に積算回数m=64を乗じた値である900×64=57600と、AD測定値積算処理部64が出力するAD積算値NADsumの差分を計算し、変動判定値a=128と比較を行う。
コントロール電圧VTRMを可変してから6400μsec後まではAD積算値NADsum=51232であるので、差分は、
|57600−51232|=6368
となり、変動判定値a=128よりも大きいため、AD測定値変動応答処理部66は、変動判定値以上であることを検出し、AD演算値NADcalcをAD積算値NADmeas×m=57600に設定し、これを、設定情報生成処理部68へ出力する。
コントロール電圧VTRMを可変した直後の値がAD積算値NADsumに反映されるには6400μsec応答遅れがあるが、AD測定値変動応答処理部66によってAD測定値NADmeasが変化した直後にAD演算値NADcalcの値をコントロール電圧VTRMに追従させることができるようになるため、コントロール電圧VTRMの可変情報を短時間でスイッチング電源装置の出力電圧Voに反映させることができる。
(第1発明の実施形態のメリット)
図1に示したスイッチング電源装置の実施形態では、低分解能のADコンバータ52を用いた場合でも、オーバーサンプリング(AD測定値積算処理)により、量子化ゆらぎによる出力リップルの発生を抑制し、オーバーサンプリングに起因するコントロール電圧VTRMの可変に対する出力電圧Voの応答遅れをAD測定値積算処理部64とAD測定値変動応答処理部66の処理を同時に行うことで解決し、低コストのデジタルプロセッサでも、高精度の制御と高速な制御を両立することができるようになる。
また、オーバーサンプリングにより得られた積算結果を直接、もしくは、補正値の加算、減算やレジスタのビットシフト程度の簡単な演算を行うだけで、出力電圧Voを設定するための値として取り扱うことが可能となるため、低コストのデジタルプロセッサでも高分解能で出力電圧を制御することが可能となり、リップル低減用の大型のコイルやコンデンサで構成されるLCフィルタ回路や高分解能のADコンバータが不要となり、スイッチング電源装置の小型・低コスト化が可能になる。
[第2発明によるスイッチング装置の実施形態]
(回路構成と機能)
図5は出力電流を制御するスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図であり、コントロール電圧ITRMにより、スイッチング電源装置の出力電流Ioの設定を可能にしたことを特徴とする。
図5に示すように、本実施形態では、制御用基準電圧発生部28は、制御用基準電圧IoRefを出力しており、電力変換部10のフィードバック制御回路26には、電流検出抵抗等の出力電流検出器70により検出された出力電流検出信号Isensと制御用基準電圧IoRefが入力されている。それ以外の構成及び機能は図1の実施形態と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。これによりコントロール電圧ITRMによる出力電流Ioの制御が可能になる。
(本実施形態のメリット)
本実施形態のスイッチング電源装置によれば、低分解能のADコンバータ52を用いた場合でも、オーバーサンプリング(AD測定値積算処理)により、量子化ゆらぎによる出力電流Ioの振動の発生を抑制し、オーバーサンプリングに起因するコントロール電圧ITRMの可変に対する出力電流Ioの応答遅れをAD測定値積算処理部64とAD測定値変動応答処理部66の処理を同時に行うことで解決し、低コストのデジタルプロセッサでも、高精度の制御と高速な制御を両立することができるようになる。
また、オーバーサンプリングにより得られた積算結果を直接、もしくは、補正値の加算、減算やレジスタのビットシフト程度の簡単な演算で出力電流Ioを設定するための値として取り扱うことが可能となるため、低コストのデジタルプロセッサでも高分解能で出力電流Ioを制御することが可能となり、リップル低減用の大型のコイルやコンデンサで構成されるLCフィルタ回路や高分解能のADコンバータが不要となり、スイッチング電源装置の小型・低コスト化が可能になる。
[本発明の変形例]
本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:電力変換部
12:出力制御部
14:スイッチング素子
15:コントロール電圧入力端子
16:ダイオード
18:インダクタ
20,46:コンデンサ
22,24,45:抵抗
26:フィードバック制御回路
28:制御用基準電圧発生部
30:PWM制御回路
32:誤差アンプ
34:クロック発生部
36:基準パルス生成部
38:カウンタ
40:パルス制御部
41:デューティ設定用レジスタ
42:パルス周期設定用レジスタ
44:平滑回路
48:三角波発振器
50:PWMコンパレータ
52:ADコンバータ
54:演算部
56:電圧コンパレータ
58:リファレンス電圧発生回路
60:比較電圧生成回路
62:ADコンバータ制御回路
64:AD測定値積算処理部
66:AD測定値変動応答処理部
68:設定情報生成処理部
70:出力電流検出器

Claims (3)

  1. 電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、前記スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を前記出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧を生成する回路であって、前記出力電圧は前記出力制御部から与えられた制御用基準値によって制御され、
    前記出力制御部は、前記電力変換部の前記出力電圧を制御するためのコントロール電圧が入力され、前記電力変換部に対して前記出力電圧を設定する制御用基準値を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部を備えた演算部とから構成されており、
    前記ADコンバータは、前記コントロール電圧が入力されており、入力された前記コントロール電圧からデジタル値であるAD測定値を生成して前記演算部に出力し、
    前記AD測定値積算処理部は、前記AD測定値を所定の積算回数だけ積算した値であるAD積算値を生成して前記AD測定値変動応答処理部へ出力し、
    前記AD測定値変動応答処理部は、前記AD測定値に前記積算回数を乗じた値と前記AD積算値との差分を求め、前記差分が所定の変動判定値以上又は超える場合は、AD演算値を前記AD測定値に前記積算回数を乗じた値に設定して前記設定情報生成処理部に出力し、前記差分が所定の変動判定値未満又は以下の場合は、前記AD演算値に前記AD積算値を設定して前記設定情報生成処理部へ出力し、
    前記設定情報生成処理部は、前記AD演算値に基づき前記制御用基準値を生成して前記電力変換部に出力する、
    ことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 電力変換部と出力制御部を備えたスイッチング電源装置であって、
    前記電力変換部は、スイッチング素子と出力平滑回路を備え、前記スイッチング素子のオンオフによって入力電圧を断続電圧に変換し、前記断続電圧を前記出力平滑回路で直流電圧に変換して出力電圧及び出力電流を生成する回路であって、前記出力電流は前記出力制御部から与えられた制御用基準値によって制御され、
    前記出力制御部は、前記電力変換部の前記出力電流を制御するためのコントロール電圧が入力され、前記電力変換部に対して前記出力電流を設定する制御用基準値を出力する回路であって、ADコンバータと、AD測定値積算処理部、AD測定値変動応答処理部及び設定情報生成処理部を備えた演算部とから構成されており、
    前記ADコンバータは、前記コントロール電圧が入力されており、入力された前記コントロール電圧からデジタル値であるAD測定値を生成して前記演算部に出力し、
    前記AD測定値積算処理部は、前記AD測定値を所定の積算回数だけ積算した値であるAD積算値を生成して前記AD測定値変動応答処理部へ出力し、
    前記AD測定値変動応答処理部は、前記AD測定値に前記積算回数を乗じた値と前記AD積算値との差分を求め、前記差分が所定の変動判定値以上又は超える場合は、AD演算値を前記AD測定値に前記積算回数を乗じた値に設定して前記設定情報生成処理部に出力し、前記差分が所定の変動判定値未満又は以下の場合は、前記AD演算値に前記AD積算値を設定して前記設定情報生成処理部へ出力し、
    前記設定情報生成処理部は、前記AD演算値に基づき前記制御用基準値を生成して前記電力変換部に出力する、
    ことを特徴とするスイッチング電源装置。
  3. 請求項1又は2記載のスイッチング電源装置に於いて、
    前記電力変換部は、前記出力制御部からの前記制御用基準値が入力される制御用基準電圧発生部を備えており、
    前記制御用基準電圧発生部は、基準パルス生成部と平滑回路で構成され、
    前記基準パルス生成部は、クロック信号が入力されたカウンタ、パルス周期設定用レジスタ、デューティ設定用レジスタ、及び基準パルスを前記平滑回路へ出力するパルス制御部を備え、
    前記カウンタは、前記クロック信号をカウントしたカウント値を前記パルス制御部へ出力し、
    前記パルス制御部は、前記カウント値が前記パルス周期設定用レジスタの設定値と一致した場合に前記カウンタのカウント値をリセットすると同時に基準パルスを所定の電圧レベルに設定し、前記カウント値が前記デューティ設定用レジスタの設定値と一致した場合に前記基準パルスの電圧レベルを反転させ、所定の周期、デューティおよびデューティの分解能を持った方形波の基準パルスを出力し、
    前記パルス周期設定用レジスタには、前記基準パルスのデューティの分解能が、前記ADコンバータの分解能と積算回数mの積を2のn乗で除算した値(nは整数)となるパルス周期制御用基準値が設定され、
    前記デューティ設定用レジスタには、前記出力制御部から出力された制御用基準値が設定され、
    前記平滑回路は、前記パルス制御部から出力された前記基準パルスの平滑により前記制御用基準電圧を生成することを特徴とするスイッチング電源装置。
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