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JP2018040940A - 反射防止積層体、表示装置用前面板および表示装置 - Google Patents

反射防止積層体、表示装置用前面板および表示装置 Download PDF

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JP2018040940A JP2016174773A JP2016174773A JP2018040940A JP 2018040940 A JP2018040940 A JP 2018040940A JP 2016174773 A JP2016174773 A JP 2016174773A JP 2016174773 A JP2016174773 A JP 2016174773A JP 2018040940 A JP2018040940 A JP 2018040940A
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朱洋 草原
Akehiro Kusahara
朱洋 草原
俵屋 誠治
Seiji Tawaraya
誠治 俵屋
晋 宮崎
Susumu Miyazaki
晋 宮崎
和希 籔本
Kazuki Yabumoto
和希 籔本
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Abstract

【課題】本発明は、耐擦傷性が良好な反射防止積層体等を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材と、前記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層と、前記低屈折率層上に形成されたオーバーコート層とを有することを特徴とする反射防止積層体を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐擦傷性が良好な反射防止積層体、表示装置用前面板、およびこれを用いた表示装置に関する。
例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置の前面には、表示装置の保護のための前面板が設けられている。また、パチンコ等の遊技機においても遊技盤を保護するため、前面板が設けられている。前面板を設けた場合、前面板と空気との界面の屈折率差により光の反射が起こり、表示装置や遊技盤等の視認性が低下するという問題がある。そこで、前面板の最表面に反射防止フィルムを配置すること(特許文献1)や、反射防止層を配置することが提案されている。
反射防止フィルムとしては、例えばTACフィルムやPETフィルム等の透明基材上に反射防止層を形成したものを挙げることができ、反射防止層としては、例えば高屈折率層および低屈折率層が積層されたものが挙げられる。このような反射防止フィルムは、前面板の最表面に粘着層や接着層を介して貼付される。
反射防止フィルムは前面板に貼付するだけで反射防止性を付与することができる。しかしながら、反射防止フィルムにおいては透明基材および粘着層または接着層が存在するため、光学設計が複雑になる。また、透明基材にはうねりがあるため、平坦性が低下し、表示品位が劣化する。また、反射防止フィルムを貼付する際に異物や気泡の混入等の不具合が生じ、歩留りが低下する。また、透明基材および粘着層または接着層によって、透過率が低下する。
一方、反射防止層としては、例えばスパッタリング法や真空蒸着法等のドライプロセスにより形成された無機膜を挙げることができる。このような反射防止層は透明基材上に形成可能であることから、上記の反射防止フィルムにおける問題点を解消することができる。また、無機膜は膜強度が高く、表面硬度の高い反射防止層を得ることができる。
しかしながら、無機膜では低屈折率化が難しく、例えば屈折率(n)が1.7ないしそれ以上の無機高屈折率層および屈折率nが1.5程度の無機中屈折率層を交互に複数積層するのが一般的である。この場合、ドライプロセスにより複数層を積層するため、生産性が低下し、製造コストがかかる。特に、大面積の表示装置に用いられる前面板の場合には設備が大掛かりになりコストが増大する。また、ドライプロセスの場合には、反射防止層の厚さの面内分布にばらつきが生じ、反射防止性の均一性が損なわれる。
このような問題に対して、例えば、ウェットプロセスにより透明基材上に反射防止層を形成する方法が提案されている(特許文献2〜3)。この場合、生産性やコスト面で有利である。
このような反射防止層として、例えば、中空微粒子を含有する低屈折率層を有する構成が好適に用いられる。また、より低コストで反射防止機能を付与するため、単層の低屈折率層を反射防止層として透明基材上に形成して用いることが検討されている。
特開2002−265866号公報 特開2008−152199号公報 特開2008−19358号公報
ところで、前面板等に用いられる反射防止層は、通常、表示装置等の操作者側の最表面に配置されるため、操作者との接触による摩擦が加わりやすい。そのため、高い耐擦傷性が求められる。一方で、上述した低屈折率層においては、現状、十分な耐擦傷性が得られていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐擦傷性が良好な反射防止積層体、表示装置用前面板、およびこれを用いた表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層と、上記低屈折率層上に形成されたオーバーコート層とを有することを特徴とする反射防止積層体を提供する。
本発明によれば、オーバーコート層を有することにより、反射防止積層体の低屈折率層側表面に対して平滑性を付与することができる。よって、耐擦傷性が良好な反射防止積層体とすることができる。
上記発明においては、上記低屈折率層のバインダおよび上記オーバーコート層が無機酸化物を含有することが好ましい。低屈折率層およびオーバーコート層の密着性を良好にすることができるとともに、反射防止積層体の低屈折率層側表面の耐擦傷性および鉛筆硬度を飛躍的に高くすることができるからである。
本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層とを有し、上記低屈折率層の厚さが120nm以下であり、上記低屈折率層表面の十点平均粗さ(RzJIS)が、10nm以下であることを特徴とする反射防止積層体を提供する。
本発明によれば、低屈折率層表面の十点平均粗さが所定の範囲内であることにより、低屈折率層表面の平滑性を良好にすることができる。よって、耐擦傷性が良好な反射防止積層体とすることができる。
本発明は、表示装置に用いられる表示装置用前面板であって、上述した反射防止積層体を有することを特徴とする表示装置用前面板を提供する。
本発明によれば、上述した反射防止積層体を有することにより、耐擦傷性が良好な表示装置用前面板とすることができる。
本発明は、前面板と、表示パネルとを有する表示装置であって、上記前面板が上述した表示装置用前面板であることを特徴とする表示装置を提供する。
本発明によれば、上述した表示装置用前面板を有することにより、耐擦傷性および視認性が良好な表示装置とすることができる。
本発明の反射防止積層体は、耐擦傷性が良好であるといった効果を奏する。
本発明の反射防止積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明における低屈折率層側表面の耐擦傷性について説明する説明図である。 本発明の反射防止積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の反射防止積層体の製造方法について説明する工程図である。 本発明の反射防止積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の表示装置用前面板および表示装置の一例を示す概略断面図である。 従来における低屈折率層の耐擦傷性について説明する説明図である。
以下、本発明の反射防止積層体、表示装置用前面板および表示装置の詳細を説明する。
A.反射防止積層体
本発明の反射防止積層体は、二つの実施態様を有する。以下、各実施態様について説明する。
I.第一実施態様
第一実施態様の反射防止積層体は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層と、上記低屈折率層上に形成されたオーバーコート層とを有することを特徴とするものである。
第一実施態様の反射防止積層体について図を用いて説明する。図1は第一実施態様の反射防止積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、第一実施態様の反射防止積層体10は、透明基材1と、透明基材1上に形成され、中空微粒子2aおよびバインダ2bを含有する低屈折率層2と、低屈折率層2上に形成されたオーバーコート層3とを有する。
本発明によれば、オーバーコート層を有することにより、反射防止積層体の低屈折率層側表面に対して平滑性を付与することができる。よって、耐擦傷性が良好な反射防止積層体とすることができる。
上述したように、従来の中空微粒子を含有する低屈折率層においては十分な耐擦傷性が得られてない。その理由については以下のように考えられる。
図7(a)に示すように、低屈折率層2においては、中空微粒子2aが透明基材1側とは反対側の表面に偏在しやすい。そのため、従来の反射防止積層体11の低屈折率層2においては、ナノレベルで表面凹凸を有している。そのため、荷重gを加えてスチールウールs等により低屈折率層2表面を摩擦した場合、表面凹凸の凸部分がスチールウールsと引っ掛かりやすく、摩擦方向に力が加わりやすくなると考えられる。これにより、図7(b)に示すように、凸部分に存在する中空微粒子2aやバインダ2bが剥がれやすくなると考えられる。剥がれ部分が傷として視認されることが考えられる。また、剥がれた中空微粒子2aやバインダ2bが研磨剤として機能し表面の削れを促進することが考えられる。さらにまた、低屈折率層2は、比較的薄膜で形成されるため、剥がれ部分が起点となり、厚さ方向に対しても亀裂が生じやすくなることが考えられる。
低屈折率層の表面において中空微粒子の偏在が生じやすい理由については以下のように考えられる。すなわち、低屈折率層は、中空微粒子およびバインダ成分を含む低屈折率層用組成物を、透明基材上に塗布することにより形成されるものである。中空微粒子は内部に空洞を有することから、バインダ成分に対して比重が軽いため、塗膜中で中空微粒子は表面に浮いている状態で存在すると考えられる。このような塗膜を硬化させるため、中空微粒子が偏在すると考えられる。
これに対し、第一実施態様においては、オーバーコート層で低屈折率層の表面凹凸を埋めることができ、平滑性を付与することができるため、耐擦傷性を良好にすることができる。その理由として、具体的には、図2に示すように、オーバーコート層3表面を摩擦した場合、オーバーコート層3表面に局所的に摩擦方向の力が加わることを抑制することができる。よって、低屈折率層の表面凹凸による中空微粒子、バインダの剥がれを抑制することができ、剥がれた中空微粒子等が研磨剤として機能することも抑制することができると考えられる。また、オーバーコート層を有することにより、低屈折率層側の表面の硬度を高くすることができることも、耐擦傷性を向上させることが可能な理由として考えられる。
また、第一実施態様においては、オーバーコート層を有することにより、反射防止積層体の低反射層側の表面の鉛筆硬度を向上することができる。その理由としては、上述したように、低屈折率層側表面を平坦化することができるため、鉛筆が引っ掛かりにくくなることが考えられる。また、オーバーコート層を有することにより、低屈折率層側の表面の硬度を高くすることができることも考えられる。
以下、第一実施態様の反射防止積層体の各構成について説明する。
1.低屈折率層
第一実施態様における低屈折率層は、透明基材上に形成されるものであり、中空微粒子およびバインダを含有する。低屈折率層は、通常、透明基材よりも低い屈折率を有する。低屈折率層は、透明基材に対して反射防止機能を付与するものである。
低屈折率層は、透明基材上に形成されていれば特に限定されず、図1に示すように、透明基材1上に直に形成されていてもよく、図3に示すように透明基材1上に高屈折率層4を介して形成されていてもよい。なお高屈折率層については後述する。
低屈折率層の屈折率としては、透明基材の屈折率よりも低ければ特に限定されないが、例えば、1.2〜1.4の範囲内であることが好ましい。
ここで、各部材の「屈折率」とは、波長550nmの光に対する屈折率をいう。屈折率の測定方法は特に限定されないが、例えば、分光反射スペクトルから算出する方法、エリプソメーターを用いて測定する方法、アッベ法等が挙げられる。エリプソメーターとしてはジョバンイボン社製UVSELが挙げられる。具体的には、テクノ・シナジー社製DF1030Rにて屈折率を測定することができる。
低屈折率層の厚さは、屈折率に応じて適宜選択され特に限定されないが、例えば、120nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、95nm以下であることがさらに好ましい。また、低屈折率層の厚さとしては、例えば、80nm以上であることが好ましく、85nm以上であることがより好ましい。低屈折率層の厚さが上述した範囲内であることにより、低屈折率層を形成しやすいからである。
ここで、各部材の「厚さ」とは、一般的な測定方法によって得られる厚さをいう。厚さの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚さを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚さを算出する光学式の方法等が挙げられる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P−15を用いて厚さを測定することができる。なお、厚さとして、対象となる部材の複数箇所における厚さ測定結果の平均値が用いられても良い。
(1)中空微粒子
中空微粒子は、低屈折率層において屈折率を調整するために用いられるものである。中空微粒子は、例えば、空洞である中芯部と殻部とを有する。
中空微粒子の粒子形状としては、例えば、球状を挙げることができる。
中空微粒子の平均粒径としては、低屈折率層に対して所望の屈折率を付与することができれば特に限定されないが、30nm〜70nmの範囲内、中でも40nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。中空微粒子の平均粒径が上述した範囲内であることにより、低屈折率層の屈折率を調整しやすいからである。
中空微粒子の粒子変動係数(CV値)としては、例えば、1%〜50%の範囲内、中でも2%〜30%の範囲内であることが好ましい。CV値が大きすぎる場合、または小さすぎる場合は、低屈折率層の屈折率を十分に低くすることが困難となる可能性があるからである。
中空微粒子の平均粒径は、電子顕微鏡の撮影像を用いて、任意の100個の粒子について粒径を測定し、その平均値として得られる値である。また、CV値は、測定した100個の粒子の粒径の標準偏差と平均粒径から下記式で得られる値である。なお、中空微粒子の粒径は、殻部の最外経で測定した値である。
CV値(%)=粒径標準偏差(σ)/平均粒径(D)×100
シリカ系中空微粒子の屈折率は、例えば、1.10〜1.40の範囲内、さらには1.10〜1.35の範囲内にあることが好ましい。シリカ系中空微粒子の殻部の厚さは、粒子径によっても異なるが、例えば、1nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。平均粒径に対する殻部の厚さの比率としては、例えば0.025〜0.25の範囲内にあることが望ましい。
なお、中空微粒子の屈折率は、例えば、既知の屈折率を有する標準屈折液を用い、中空微粒子を混合させた場合に混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率として測定することができる。また、殻部の厚さは、電子顕微鏡の撮影像を用いて、任意の100個の粒子について殻部の厚さを測定し、平均値として得られる値である。
中空微粒子としては、例えば殻部が無機材料を含む無機中空微粒子を挙げることができる。無機中空微粒子に含まれる無機材料としては、例えば、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、およびこれらの複合物を挙げることができる。無機中空微粒子としては、例えば、特開2014−058683号公報のシリカ系中空微粒子を用いることができる。
さらに、中空微粒子は、表面処理が施されていてもよい。具体的には、後述する「(2)バインダ」の項で説明する式(1)の有機ケイ素化合物を用いて表面処理がされていてもよい。
低屈折率層中の中空微粒子の含有量としては、例えば、40質量%〜60質量%の範囲内、なかでも40質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。中空微粒子の含有量が少なすぎる場合は、屈折率層の屈折率を十分に下げることが困難となる可能性があるからであり、中空微粒子の含有量が多すぎる場合は、相対的にバインダの含有量が少なくなるため、低屈折率層の強度を確保することが困難となる可能性があるからである。
(2)バインダ
バインダは、中空微粒子を分散させて保持するものである。
第一実施態様に用いられるバインダとしては、中空微粒子を分散させることができ、低屈折率層に所望の屈折率を付与することができれば特に限定されない。バインダとしては、樹脂材料であってもよく、無機酸化物を含有するものであってもよいが、無機酸化物を含有するものがより好ましい。無機酸化物としては、例えば、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、またはこれらの複合酸化物を挙げることができる。第一実施態様においては、中でもケイ素酸化物を含むことが好ましい。低屈折率層の屈折率および厚さを調整しやすいからである。また、低屈折率層の強度を良好に調整することができるからである。
無機酸化物を含有するバインダ(無機バインダ)としては、具体的には、ゾルゲル材料の硬化物、すなわち金属アルコキシドの加水分解縮合物を挙げる。
第一実施態様におけるバインダとしては、中でも、下記の一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。
−SiX4−n …(1)
(ただし、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素である。nは0〜3の整数である。)
このような式(1)で表される有機ケイ素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3−ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、テトラメトキシシランとその派生物は架橋密度が高いことから望ましい。
低屈折率層中のバインダの含有量としては、低屈折率層に所望の屈折率を付与することができれば特に限定されないが、例えば、40質量%〜60質量%の範囲内、なかでも50質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
バインダの含有量が少なすぎる場合は、低屈折率層の強度を確保することが困難となる可能性があるからである。一方、バインダの含有量が多すぎる場合は、低屈折率層の屈折率を調整することが困難となる可能性があるからである。
(3)その他
低屈折率層は、中空微粒子およびバインダを含有するものであればよく、必要な成分を適宜追加して用いることができる。例えば、界面活性剤、分散剤等を挙げることができる。
低屈折率層の形成方法としては、例えば、ゾルゲル法を挙げることができる。具体的には、中空微粒子およびバインダ成分を含有する低屈折率層用組成物を透明基材上に低屈折率層用塗工液を塗布し、重縮合により硬化させる方法を挙げることができる。
低屈折率層用組成物の固形分中の中空微粒子の含有量およびバインダ成分の含有量については、低屈折率層中の中空微粒子の含有量およびバインダの含有量に応じて適宜調整される。
低屈折率層用組成物は、必要に応じて溶媒をさらに含有していてもよい。
低屈折率層用組成物の塗布方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法等の透明基材の全域に低屈折率層用組成物を塗布する方法や、インクジェット法等の透明基材上に低屈折率層用組成物を吐出する方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の印刷法等が挙げられる。
低屈折率層用組成物の塗膜は、必要に応じて熱処理をして硬化させてもよい。低屈折率層用組成物中のゾルゲル材料の重縮合(熱縮合)させやすくすることができるからである。熱処理温度としては、例えば、60℃〜250℃の範囲内とすることができる。上記熱処理温度は、通常、透明基材の耐熱性に応じて適宜調整される。
2.オーバーコート層
第一実施態様に用いられるオーバーコート層は、低屈折率層上に形成されるものである。オーバーコート層は、通常、低屈折率層上に直に形成されるものであり、低屈折率層の表面凹凸を埋める機能を有するものである。
第一実施態様において「オーバーコート層が低屈折率層上に形成されている」ことは、例えば、反射防止積層体の厚さ方向の断面SEM像を観察した場合に、界面が観察されることにより確認することができる。また、例えば、オーバーコート層および低屈折率層中に含有される添加剤の含有量の違いを調べることにより確認することができる。
オーバーコート層の屈折率としては、低屈折率層の反射防止機能を阻害しない程度であればよく、例えば、低屈折率層およびオーバーコート層の積層体としての屈折率が、1.2〜1.4の範囲内となるような屈折率であることが好ましい。
オーバーコート層は、第一実施態様の反射防止積層体における低屈折率層側の表面に対して、平滑性を付与するものである。具体的なオーバーコート層表面の十点平均粗さ(RzJIS)としては、10nm以下、特に5nm以下であることが好ましい。
オーバーコート層表面の十点平均粗さを上述した範囲内とすることにより、耐擦傷性を良好にすることができるからである。
オーバーコート層の十点平均粗さは、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)の表面観察像や触針式の膜厚計により表面凹凸の厚さプロファイルを測定して、計算により求めることができる。触針式の膜厚計、表面段差計としては、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式膜厚計P−15を用いて厚さプロファイルを測定して十点平均粗さを算出することができる。
オーバーコート層の厚さとしては、低屈折率層の表面凹凸を埋めることができれば特に限定されないが、10nm〜30nmの範囲内であることが好ましい。オーバーコート層の厚さが薄すぎる場合は、反射防止積層体に対して十分な耐擦傷性を付与することが困難となる可能性があるからである。一方、オーバーコート層の厚さが厚すぎると、低反射特性が十分に得られない可能性があるからである。
オーバーコート層の材料としては、低反射層の表面凹凸を埋めることができれば特に限定されない。例えば、上述した低屈折率層のバインダで挙げた材料の中から適宜選択して用いることができ、樹脂材料であってもよく無機酸化物を含有するものであってもよい。中でも、オーバーコート層の材料としては、無機酸化物を含有するものであることが好ましい。具体的には、オーバーコート層の材料としては、ゾルゲル材料の硬化物、すなわち金属アルコキシドの加水分解縮合物を用いることが好ましい。
また、第一実施態様においては、低屈折率層のバインダおよびオーバーコート層が無機酸化物を含有することが好ましい。低屈折率層およびオーバーコート層の密着性を良好にすることができるからである。また、第一実施態様における低屈折率層側表面の耐擦傷性および鉛筆硬度を飛躍的に向上させることができるからである。
低屈折率層のバインダおよびオーバーコート層の材料としては、同種であってもよく、異種であってもよいが、同種であることが好ましい。両層の密着性を向上させることができるからである。
また、オーバーコート層は、フッ素をさらに含有することが好ましい。オーバーコート層表面における防汚性、撥水性、耐指紋性、滑り性を良好にすることができるからである。また、滑り性を良好にすることができるため、耐擦傷性も向上させることができる。オーバーコート層にフッ素を含有させる方法としては、例えば、フッ素表面剤を添加する方法であってもよく、オーバーコート層の材料自体にフッ素を含有するものを用いる方法であってもよい。例えば、上述したバインダの項で説明した有機ケイ素化合物のうち、フッ素を含有するものを用いてもよい。
オーバーコート層の形成方法としては、例えば、低屈折率層をゾルゲル法により形成した後、オーバーコート層をゾルゲル法により形成する方法を挙げることができる。具体的には、上述した低屈折率層用組成物を重縮合により硬化させて耐屈折率層を形成する。次に、得られた低屈折率層上に、オーバーコート層用組成物を塗布し重縮合させて硬化させてオーバーコート層を形成する方法を挙げることができる。具体的な塗布法および硬化方法については、上述した低屈折率層の形成方法の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.透明基材
透明基材は、上述した低反射層およびオーバーコート層を支持するものである。
ここで、透明基材の透明性は、第一実施態様の反射防止積層体を介して、観察者が観察対象を見たときに、観察対象の視認を阻害しない程度であれば特に限定されず、第一実施態様の反射防止積層体の用途に応じて適宜選択することができる。
また、透明基材の屈折率は、材料に応じて適宜異なるが、例えば、強化ガラスは、1.51程度であることが好ましい。
透明基材としては、例えば、剛性を有するものを好適に用いることができる。
透明基材としては、光透過性、剛性、強度、耐久性等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス等のアルカリガラス、無アルカリガラス、強化ガラス等のガラスや、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル等の樹脂を挙げることができる。中でも、透明基板はガラス基板であることが好ましい。
ここで、「強化ガラス」とは、ガラスの表面に圧縮応力層が設けられたものである。圧縮応力層は、例えばガラス中のナトリウムをカリウムに置換することにより形成される。表面に圧縮応力層が形成されたガラスの例としては、コーニング社のGorilla Glass(ゴリラガラス)(登録商標)や、旭硝子社のDragontrail(ドラゴントレイル)(登録商標)等が挙げられる。
透明基材の厚さとしては、反射防止積層体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、0.1mm〜1.5mmの範囲内であることが好ましい。
4.高屈折率層
本発明においては、図3に示すように、透明基材1と低屈折率層2との間に、高屈折率層4が形成されていてもよい。高屈折率層が形成されていることにより、反射防止積層体の低屈折率層側の反射率を低下させることができる。また、反射防止積層体の色付きを抑制することができる。
高屈折率層は、透明基材および低反射層よりも屈折率が高い層である。高屈折率層の屈折率としては、例えば、1.55〜1.61の範囲内で調整されることが好ましい。
高屈折率層としては、所望の屈折率を有し、透明基材および低屈折率層の間に形成することができれば特に限定されない。高屈折率層としては、例えば、図3に示すように、高屈折率微粒子4aおよびバインダ4bを含有するものを挙げることができる。
高屈折率微粒子としては、上記の屈折率を満たす高屈折率層を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、中でも高屈折率微粒子の屈折率は1.5〜2.8程度であることが好ましい。高屈折率微粒子としては、具体的には金属酸化物微粒子を挙げることができ、具体的には酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、ガリウム亜鉛酸化物(屈折率:1.90〜2.00)、β−Al(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al(屈折率:1.63〜1.76)、BaTiO(屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO、屈折率:2.71)、酸化セリウム(CeO、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00、)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.9〜2.0)等が挙げられる。
また、高屈折率微粒子は、表面処理されたものであっても良い。
高屈折率微粒子の平均粒径としては、均一な厚さを有する高屈折率層を形成可能な程度であればよく、例えば5nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜100nmの範囲内、特に10nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。高屈折率微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、高屈折率層の透明性を損なうことがなく、良好な高屈折率微粒子の分散状態が得られる。なお、高屈折率微粒子の平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また高屈折率微粒子が鎖状に連なっていても良い。
高屈折率微粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等が挙げられる。
高屈折率層に用いられるバインダとしては、上述した高屈折率層を形成することが可能であれば特に限定されず、例えば、上述した「1.低屈折率層」の項で説明したバインダから適宜選択して用いることができる。低屈折率層および高屈折率層のバインダは同種であってもよく、異種であってもよい。
高屈折率層におけるバインダおよび高屈折率微粒子の含有量としては、高屈折率層全体としての屈折率が上記の屈折率を満たすように適宜設定される。
高屈折率層の厚さは、屈折率に応じて異なるが、140nm〜180nmの範囲内であることが好ましい。
高屈折率層の形成方法としては、例えば、高屈折率層用組成物を塗布し硬化させる方法を挙げることができる。具体的な塗布法および硬化方法については、上述した低屈折率層の形成方法の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
5.反射防止積層体の製造方法
第一実施態様の反射防止積層体の製造方法としては、上述した各構成を有する反射防止積層体を形成することができれば特に限定されない。例えば、図4に例示する反射防止積層体の製造方法を用いて製造することができる。図4(a)に示すように、透明基材1上に、低屈折率層用組成物を塗布し、塗膜を重縮合により硬化して低屈折率層2を形成する。次に、図4(b)に示すように、低屈折率層2上にオーバーコート層用組成物を塗布し、塗膜を重縮合により硬化してオーバーコート層3を形成する。
6.その他
本発明の反射防止積層体は、例えば、前面板に用いることができる。
前面板としては、例えば、表示装置用前面板、遊技機用前面板等を挙げることができる。中でも、第一実施態様の反射防止積層体は、表示装置用前面板であることが好ましい。なお、第一実施態様の反射防止積層体を用いた表示装置用前面板については、後述する「B.表示装置用前面板」の項で説明する。
第一実施態様においては、透明基材、低屈折率層およびオーバーコート層がいずれもケイ素を含有するものであることが好ましい。各層の密着性を良好にすることができるとともに、耐擦傷性を良好にすることができるからである。
II.第二実施態様
第二実施態様の反射防止積層体は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層とを有し、上記低屈折率層の厚さが、120nm以下であり、上記低屈折率層表面の十点平均粗さ(RzJIS)が、10nm以下であることを特徴とするものである。
第二実施態様の反射防止積層体について、図を用いて説明する。図5は第二実施態様の反射防止積層体の一例を示す概略断面図である。図5に示すように、第二実施態様の反射防止積層体10は、透明基材1と、透明基材1上に形成され、中空微粒子2aおよびバインダ2bを含有する低屈折率層2とを有し、低屈折率層2の厚さ、および低屈折率層2表面の十点平均粗さが所定の値以下であることを特徴とする。
第二実施態様によれば、低屈折率層表面の十点平均粗さが所定の範囲内であることにより、低屈折率層表面の平滑性を良好にすることができる。よって、耐擦傷性が良好な反射防止積層体とすることができる。また、第二実施態様においては、鉛筆硬度を良好にすることができる。なお、この理由については、上述した「I.第一実施態様」の項で説明した理由と同様である。
第二実施態様においては、低屈折率層自体の表面が平滑性を有することを特徴とする。低屈折率層表面の十点平均粗さとしては、10nm以下、特に5nm以下であることが好ましい。
第二実施態様における低屈折率層は、上述した平滑性を有していれば特に限定されず、見かけ上1層で構成されていてもよく、2層で構成されていてもよい。「低屈折率層が見かけ上1層で構成されている」ことは、例えば、反射防止積層体の厚さ方向の断面SEM像を観察した場合に、界面が観察されないことにより確認することができる。
第二実施態様における低屈折率層の製造方法としては、中空微粒子およびバインダを有する第1低屈折率層をゾルゲル法により形成した後、第1低屈折率層上にゾルゲル材料の硬化物である第2低屈折層をゾルゲル法により形成する方法を挙げることができる。具体的には、中空微粒子およびバインダ成分を含有する第一低屈折率層用組成物を、透明基材上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を硬化させて第一低屈折率層を形成する。次に、ゾルゲル材料を含む第二低屈折率層用組成物を第一低屈折率層上に塗布して硬化させることにより、表面に平滑性を付与した低屈折率層とすることができる。第一低屈折率層の材料および第2屈折率層の材料については、それぞれ上述した「I.第一実施態様」の項で説明した低屈折率層の材料、オーバーコート層の材料から選択して用いることができる。
第二実施態様の反射防止積層体について、上述した点以外については、上述した「I.第一実施態様」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
B.表示装置用前面板
本発明の表示装置用前面板は、表示装置に用いられる表示装置用前面板であって、「A.反射防止積層体」に記載の反射防止積層体を有することを特徴とするものである。
本発明の表示装置用前面板について、図を用いて説明する。図6は本発明の表示装置用前面板および表示装置の一例を示す概略断面図である。図6に示すように、本発明の表示装置用前面板10aは、表示装置30に用いられるものである。本発明においては、表示装置用前面板10は、観察者Xと表示パネル20との間に配置される。また表示装置用前面板10は、表示装置30の観察者X側に低反射層2側表面が、表示パネル20の表示面D側に透明基材1側表面が配置される。
本発明によれば、上述した反射防止積層体を有することにより、耐擦傷性が良好な表示装置用前面板とすることができる。
本発明に用いられる反射防止積層体については、上述した「A.反射防止積層体」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の表示装置用前面板は、反射防止積層体を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択することができる。このような構成としては、例えば、加飾層、タッチパネルセンサ等を挙げることができる。
本発明の表示装置用前面板は、表示パネルとともに表示装置に用いられる。本発明の表示装置用前面板を用いた表示装置については、後述する「C.表示装置」の項で説明する。
C.表示装置
本発明の表示装置は、前面板および表示パネルを有するものであって、上記前面板が、「B.表示装置用前面板」の項に記載の表示装置用前面板であることを特徴とするものである。
図6は本発明の表示装置の一例を示す概略断面図である。なお、図6については、上述した「B.表示装置用前面板」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上述した表示装置用前面板を有することにより、耐擦傷性および視認性が良好な表示装置とすることができる。
本発明に用いられる表示装置用前面板については、上述した「B.表示装置用前面板」の項で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
表示パネルとしては、例えば液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電子ペーパー等の表示装置に用いられる表示パネルを挙げることができる。
また、本発明の表示装置の用途としては、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートパソコン、テレビ、デジタルサイネージ、ウェアラブル端末等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の詳細について説明する。
[実施例]
(低屈折率層の作製)
透明基材として、強化ガラス(旭硝子社製Dragontrail サイズ100mm×100mm 厚さ0.7mm、屈折率1.51)を準備した。
次に、低屈折率層用組成物として、日揮触媒化成(株)製のP−5102を準備した。P−5012は平均粒子径φ50nmの中空シリカおよびシリカゾルゲルを含むものである。透明基材上に低屈折率層用組成物をスピンコーターを使用して塗布した。その後、塗膜をオーブンで230℃、30分間焼結させることにより、厚さ0.09μm、屈折率1.33の低反射層を得た。
(オーバーコート層の作製)
次に、オーバーコート層用組成物として、日揮触媒化成(株)製のP−8510(シリカゾルゲル)を準備した。低屈折率層上にオーバーコート層用組成物を塗布した。その後、塗膜をオーブンで230℃、30分間焼結させることにより、厚さ0.10μmのオーバーコート層を得た。なお、低屈折率層およびオーバーコート層の積層体の屈折率は、1.35であった。
[比較例]
オーバーコート層を形成しないこと以外は、実施例と同様の手順により、透明基材上に低屈折率層を形成して、反射防止積層体を得た。
[評価]
(耐擦傷性)
得られた前面板について、各荷重の条件で#0000のスチールウールを10往復させた後の傷つき有無を目視評価した。傷つきが生じた荷重を表1に示す。
(鉛筆硬度)
JIS K 5600−5−4に準拠した方法により、反射防止積層体の低反射層表面の鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
(十点平均粗さ)
AFMによる表面観察像から、十点平均粗さを求めた。結果を表1に示す。
Figure 2018040940
実施例および比較例で示すように、オーバーコート層を形成することにより、耐擦傷性が飛躍的に向上した。
なお、製造コストの面からは、比較例のように、1回の塗布工程により得られる低屈折率層が好ましいと考えられているが、今回の実施例では、あえて2回の塗布工程を行ない低屈折率層上にオーバーコート層を形成することで、耐擦傷性および鉛筆硬度を飛躍的に向上させることができることが示された。
1 … 透明基材
2 … 低屈折率層
2a … 中空微粒子
2b … バインダ
3 … オーバーコート層
10 … 反射防止積層体
10a … 表示装置用前面板
20 … 表示パネル
30 … 表示装置

Claims (5)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層と、
    前記低屈折率層上に形成されたオーバーコート層と
    を有することを特徴とする反射防止積層体。
  2. 前記低屈折率層の前記バインダおよび前記オーバーコート層が、無機酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体。
  3. 透明基材と、
    前記透明基材上に形成され、中空微粒子およびバインダを含有する低屈折率層と
    を有し、
    前記低屈折率層の厚さが、120nm以下であり、前記低屈折率層表面の十点平均粗さ(RzJIS)が、10nm以下であることを特徴とする反射防止積層体。
  4. 表示装置に用いられる表示装置用前面板であって、
    請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の反射防止積層体を有することを特徴とする表示装置用前面板。
  5. 前面板および表示パネルを有する表示装置であって、
    前記前面板が、請求項4に記載の表示装置用前面板であることを特徴とする表示装置。
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