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JP2018020334A - 缶蓋、これを用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法 - Google Patents

缶蓋、これを用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法 Download PDF

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JP2018020334A
JP2018020334A JP2016151713A JP2016151713A JP2018020334A JP 2018020334 A JP2018020334 A JP 2018020334A JP 2016151713 A JP2016151713 A JP 2016151713A JP 2016151713 A JP2016151713 A JP 2016151713A JP 2018020334 A JP2018020334 A JP 2018020334A
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JP2016151713A
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裕 田部
Yutaka Tanabe
裕 田部
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Altemira Can Co Ltd
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Universal Can Corp
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Abstract

【課題】耐圧強度を高めることができる缶蓋、これを用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法を提供する。【解決手段】缶蓋10Aは、タブ31が取り付けられるパネル部11の外周縁とチャックウォール部16との間を接続し、上方に向けて凹となる環状凹部12,13を径方向に二重に形成したカウンターシンク部15を有し、環状凹部12,13のうち、径方向内側に配置される内側環状凹部12と、径方向外側に配置される外側環状凹部13との間が、上方に向けて凸となる環状凸部14を介して接続されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、内部に飲料等の内容物が充填される缶胴の開口端部に巻締められる缶蓋、この缶蓋を用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法に関する。
内容物として発泡性飲料を充填する場合や、非発泡性飲料でも充填時に液体窒素が封入される場合などの、密封した後に内圧が作用するいわゆる陽圧缶では、その内圧に耐え得る強度を有することが要求される。そこで、例えば缶蓋の耐圧強度を高めるために、カウンターシンク部の幅を小さくしたり、チャックウォール部の形状を工夫したりする等、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1記載の缶蓋は、鉛直方向に対するチャック壁(チャックウォール部)の傾斜角度を大きくして、カウンターシンク部の直径を小さくするとともに、そのカウンターシンク部の幅を狭くした形状とされている。
また、特許文献2記載の缶エンド(缶蓋)は、環状溝部の下端部分から缶エンドの外周側へ向けて5つの湾曲部(第1の湾曲部〜第5の湾曲部)からなるチャック壁(チャックウォール部)を設けた構造とすることで、剛性を高めている。また、特許文献3には、5つの湾曲部を備えるチャック壁(チャックウォール部)により、環状溝部を半径方向内側に寄せて配置することができるので、耐圧強度をより向上できることが記載されている。
特許第3809190号公報 特開2016‐84144号公報
特許文献1又は特許文献2に記載されるように、従来より、缶蓋の耐圧強度を高める様々な試みがなされているが、缶体の軽量化が進められ、さらなる缶蓋材(缶蓋の板厚)の薄肉化が求められていることから、耐圧強度を向上させることがますます困難なものになっている。
また、缶蓋材の薄肉化により缶蓋中央のパネル部や缶胴との巻締め部(カール部)の強度が低下することに伴い、缶蓋を缶胴の開口端部に巻締めて製缶した後も変形しやすく、落下時にパネル部が楕円に変形する等して、バックリング現象(パネル部が外方へ膨らみ、カウンターシンク部が反転する現象)が生じやすくなる。このように、バックリング現象が生じた場合には、カウンターシンク部に亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりする危険性が高まり、缶の密封性が低下するおそれがある。また、バックリング現象が生じた缶は、正常に開缶することが難しくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、耐圧強度を高めることができる缶蓋、これを用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法を提供することを目的とする。
本発明の缶蓋は、タブが取り付けられるパネル部の外周縁とチャックウォール部の内周縁との間を接続し、上方に向けて凹となる環状凹部を径方向に二重に形成したカウンターシンク部を有し、前記環状凹部のうち、径方向内側に配置される内側環状凹部と、径方向外側に配置される外側環状凹部との間が、上方に向けて凸となる環状凸部を介して接続されている。
カウンターシンク部を二重の環状凹部で形成することで、カウンターシンク部を径方向内側に寄せて配置できるので、耐圧強度を向上でき、缶蓋を薄肉化することが可能となる。また、環状凹部を二重に設けることで、各環状凹部の溝幅を広げることなく形成でき、さらに二重の環状凹部の間を環状凸部により接続した凹凸形状により、缶蓋の剛性を高めることができる。このため、缶蓋を缶胴の開口端部に巻締めて製缶した後の巻締め部の剛性を向上でき、落下時にパネル部が径方向に潰れて楕円に変形する等の変形が生じることを防止できるので、バックリング現象の発生を防止できる。したがって、パネル部に膨らみが生じた場合でも、缶を正常に開缶することができる。
さらに、カウンターシンク部は、二重に構成した環状凹部により剛性が高められているので、カウンターシンク部を一重の環状凹部で構成した場合と比べて、各環状凹部の深さを浅く形成でき、缶蓋の成形性を向上できる。
本発明の缶蓋において、前記内側環状凹部がチャック部材を係合可能な溝幅に形成されており、前記外側環状凹部の溝幅が、前記内側環状凹部の前記溝幅よりも小さく形成されているとよい。
外側環状凹部の溝幅を、内側環状凹部の溝幅よりも小さく形成することで、内側環状凹部よりも外側環状凹部の剛性を高めることができる。このため、パネル部が上方へ膨らみを生じた場合でも、外側環状凹部が反転することを防止できる。したがって、巻締め部まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
本発明の缶蓋において、前記チャックウォール部が、前記パネル部のパネル面と直交する中心軸に対して0°以上10°以下の角度で形成されているとよい。
カウンターシンク部を一重の環状凹部で構成した場合は、カウンターシンク部を半径方向内側に寄せて配置すると、その外周縁とカール部との間を直線状に接続するチャックウォール部と、中心軸との傾斜角度が大きくなり、カウンターシンク部が内圧により外方に反転しやすくなる。
一方、本発明の缶蓋は、カウンターシンク部を二重の環状凹部により構成しているので、外側環状凹部の外周縁から連続するチャックウォール部を、中心軸に対して0°以上10°以下の角度で立てた形状に形成でき、耐圧強度を向上できる。このため、パネル部が上方へ膨らみを生じた場合でも、外側環状凹部が反転することを防止できる。したがって、巻締め部まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
本発明の缶蓋において、前記チャックウォール部の外周縁に連続するカール部の頂点を通り前記中心軸に直交する面を基準面とし、前記基準面から前記外側環状凹部の内周底面の最下点までの垂直距離を距離Aとし、前記基準面から前記外側環状凹部と前記内側環状凹部との間に配置される環状凸部の頂点までの垂直距離を距離Bとした場合に、前記距離Aと前記距離Bとの差分(A−B)が0mmを超え3.2mm以下に設けられているとよい。
差分(A−B)が3.2mmを超えると、外側環状凹部の成形が難しくなる。一方、差分(A−B)が0mmでは、外側環状凹部を形成できず、缶蓋の剛性向上や耐圧強度向上の効果が得られなくなる。
本発明の缶蓋において、前記基準面から前記内側環状凹部の内周底面の最下点までの垂直距離を距離Cとした場合に、前記距離Aと前記距離Cとの比率(A/C)が0.40以上1.00以下とされているとよい。
外側環状凹部を比率(A/C)が0.40以上1.00以下の範囲では、外側環状凹部の最下点と内側環状凹部の最下点とが同じ位置か、外側環状凹部の最下点が内側環状凹部の最下点よりも高い位置に配置されるので、容易に成形できる。
なお、比率(A/C)が0.40未満では、チャックウォール部が短くなるので、巻締め部の下部側を十分に潰すことが難しくなり、巻締め部の下部側が十分に潰されていない状態では内容物の漏れが生じやすく、缶の密封性を維持することが難しくなる。一方、比率(A/C)が1.00を超えると、外側環状凹部の最下点が内側環状凹部の最下点よりも深く形成されることから、成形が難しくなる。
本発明は、前記缶蓋の前記チャックウォール部から外周側の部分を缶胴の開口端部に巻締めてなる巻締め部を有する缶の巻締め部構造であって、前記チャックウォール部は、前記巻締め部の下端位置から下方に0.5mm以上の長さのストレート形状部を有する。
巻締め部よりも下方に0.5mm以上の長さのストレート形状部を設けておくことで、耐圧強度を高めることができる。したがって、衝撃等を受けて巻締め部が開くことを防止でき、缶の密封性を維持できる。
本発明の缶の巻締め部構造において、前記ストレート形状部は、前記中心軸に対して0°以上10°以下の角度で形成されているとよい。
ストレート形状部を中心軸に対して0°以上10°以下の角度で立てた形状に形成しておくことで、耐圧強度を向上できる。このため、パネル部が上方へ膨らみを生じた場合でも、外側環状凹部が反転することを防止できる。したがって、巻締め部まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
本発明の缶蓋の巻締め方法は、前記缶蓋を缶胴に巻締める方法であって、前記缶胴の開口端部に前記缶蓋を被せ、前記内側環状凹部にチャック部材の環状突出部を嵌合した状態で、第1巻締めロールを径方向外方から接近させて、前記開口端部と前記カール部とを巻き込み、その巻き込み部を第2巻締めロールと前記チャック部材の台金部との間で挟み込むことにより、巻締め部を形成する。
チャック部材の環状突出部を缶蓋の内側環状凹部の内周面にくい込ませた状態とすることで、チャック部材が缶蓋を強固に保持し、チャック部材の回転駆動力をくい込み部分の摩擦力により確実に伝達できる。このため、外側環状凹部にはチャック部材をくい込ませることを必要としない。したがって、外側環状凹部に連続するチャックウォール部の形状をチャック部材により変形させることがなく、巻締め前と同様に、中心軸に対して0°以上10°以下の角度で維持できる。
本発明によれば、カウンターシンク部を二重の環状凹部により構成することで、缶蓋の剛性と耐圧強度を高めることができるので、缶の密封性を確実に維持できる。
本発明の第1実施形態の缶蓋を示す半断面図である。 図1に示す缶蓋の要部断面図である。 缶蓋の巻締め方法を説明する缶蓋と缶胴の要部断面図であり、巻締め前の状態を示す。 缶蓋の巻締め方法の第一工程を説明する缶蓋と缶胴の要部断面図である。 缶蓋の巻締め方法の第二工程を説明する缶蓋と缶胴の要部断面図であり、巻締め後の状態を示す。 本発明の第2実施形態の缶蓋を示す要部断面図である。 図6に示す缶蓋を缶胴に巻締めた缶の要部断面図である。 本発明の第3実施形態の缶蓋を示す要部断面図である。 図8に示す缶蓋を缶胴に巻締めた缶の要部断面図である。
以下、本発明に係る缶蓋、これを用いた缶の巻締め部構造及び缶蓋の巻締め方法の実施形態を図面を参照しながら説明する。
[缶蓋の構成]
第1実施形態の缶蓋10Aは、図1及び図2に示すように、タブ31が取り付けられるパネル部11と、パネル部11の外周縁に連続し、上方に向けて凹となる環状凹部12,13を径方向に二重に形成したカウンターシンク部15と、カウンターシンク部15の外周縁から上方に向けて延在するチャックウォール部16と、チャックウォール部16の外周縁に連続するカール部17とを有する。以下、この図1及び図2に示すように、缶蓋10Aを上方に向けた姿勢で中心軸O方向(缶軸方向)に沿って上下方向を特定するものとする。
パネル部11は、全体として円板状に形成されている。タブ31は、パネル部11の中心に取り付けられており、図示は省略するが、パネル部11のパネル面(上面)11aは、タブ31を起こすことによって開口され飲み口となるスコア及びそのスコアの周辺を補強するビード、タブ31を起こす際の指掛け部を形成するための凹部等が形成されることにより、若干の凹凸形状に形成されている。
カウンターシンク部15は、パネル部11の外周縁とチャックウォール部16の内周縁との間を接続して設けられ、上述したように、パネル部11の外周縁に連続して上方に向けて凹となる環状凹部12,13を径方向に二重に形成した構成とされており、環状凹部12,13のうち、径方向内側に配置される内側環状凹部12と径方向外側に配置される環状凹部13との間が、上方に向けて凸となる環状凸部14を介して接続されている。つまり、カウンターシンク部15は、径方向の内側から順に、内側環状凹部12と、環状凸部14と、外側環状凹部13とが順に接続された構成とされている。そして、カウンターシンク部15は、これら二重の環状凹部12,13との間を環状凸部14により接続した凹凸形状により、径方向内側に寄せて配置されている。
カウンターシンク部15を構成する環状凹部12,13のうち、内側環状凹部12は、缶蓋10Aの巻締め加工時に、チャック部材40(図3参照)を係合可能な溝幅W1で形成されている。また、外側環状凹部13の溝幅W2は、内側環状凹部12の溝幅W1よりも小さく形成されている。これら溝幅W1及び溝幅W2は、環状凹部12,13の径方向寸法であり、溝幅W1が内側環状凹部12の内周底面12aの径方向寸法、溝幅W2が外側環状凹部13の内周底面13aの径方向寸法とされる。なお、内側環状凹部12の内周底面12aは内側環状凹部12の折り返し形状部分であり、外側環状凹部13の内周底面13aは外側環状凹部13の折り返し形状部分であり、内周底面12aと内周底面13aは、その縦断面(径方向の断面)において、複数の円弧により形成してもよいし、単一の円弧により形成してもよい。
例えば、缶蓋10Aが、図5に示すように、缶胴20と缶蓋10Aの巻締め部36の最外径D2が56mm以上57mm以下とされ、図1及び図2に示すように、巻締め前の缶蓋10Aのカール部17の最外径D1が62.0mm以上62.4mm以下とされる公称径が204の缶蓋である場合、例えば溝幅W1が0.7mm以上1.0mm以下、溝幅W2が0.3mm以上0.6mm以下で形成され、パネル部11(パネル面11a)の外径D3が46mm以上47mm以下に形成される。
外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2は、内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3と同じ位置か、最下点P3よりも高い位置に配置されている。図2に示すように、第1実施形態の缶蓋10Aにおいては、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2が内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3よりも高い位置に配置されているが、図8及び図9に示す缶蓋10Cのように、最下点P2を最下点P3と同じ位置に配置してもよい。
また、缶蓋10Aにおいては、外側環状凹部13の最下点P2がパネル部11の上面(パネル面11a)よりも高い位置に配置されているが、図6及び図7に示す缶蓋10Bや、図8及び図9に示す缶蓋10Cのように、最下点P2をパネル面11aよりも低い位置に配置してもよい。
次に、中心軸O方向におけるカウンターシンク部15の各寸法を説明する。図2に示すように、カール部17の頂点P1を通り缶蓋10Aの中心軸Oに直交する面を基準面Sとし、基準面Sから外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2までの垂直距離を距離A、基準面Sから環状凸部14の頂点P4までの垂直距離を距離B、基準面Sから内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3までの垂直距離を距離C、基準面Sからパネル面11aまでの垂直距離を距離Eとする。
この場合において、距離Aと距離Bとの差分(A−B)は、0mmを超えて設けられ、3.2mm以下に設けることが望ましい。この差分(A−B)は、外側環状凹部13の溝深さを表わしており、差分(A−B)の値が大きい程、外側環状凹部13の溝深さが深く形成されることになり、外側環状凹部13の部分の剛性が高められる。なお、差分(A−B)が3.2mmを超えると、狭い溝幅の溝を深く形成することになるから、外側環状凹部13の成形が難しくなる。一方、差分(A−B)が0mmでは、外側環状凹部13自体が形成されないことになり、外側環状凹部13を設けることによる缶蓋の剛性向上や耐圧強度向上の効果が得られなくなる。
また、距離Aと距離Cとの比率(A/C)は、0.40以上1.00以下に設けることが望ましい。比率(A/C)は、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2と内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3との位置関係を表わしており、比率(A/C)が1.00の場合は、図8に示す缶蓋10Cのように、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2と内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3とが同じ位置(基準面Sからの距離が同じ位置)に形成されることになり、比率(A/C)が1.00未満の場合は、図2に示す缶蓋10Aや図6に示す缶蓋10Bのように、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2が内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3よりも高い位置に配置されることになる。そして、比率(A/C)が小さくなる程、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2が内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3から離れた高い位置に配置される。
このように、比率(A/C)が0.40以上1.00以下の範囲で形成された外側環状凹部13は、外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2と内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3とが同じ位置か、最下点P2が最下点P3よりも高い位置に配置されるので、容易に成形できる。なお、比率(A/C)が0.40未満では、チャックウォール部16が短くなるので、巻締め部の下部側を十分に潰すことが難しくなり、巻締め部の下部側が十分に潰されていない状態では内容物の漏れが生じやすく、缶の密封性を維持することが難しくなる。一方、比率(A/C)が1.00を超えると、外側環状凹部13の最下点P2が内側環状凹部12の最下点P3よりも低い位置に形成されることから、成形が難しくなる。
チャックウォール部16は、外側環状凹部13(内周底面13a)の外周縁とカール部17の内周縁との間を接続し、上方に向けて延在する形状とされている。そして、チャックウォール部16は、パネル部11のパネル面11aと直交する中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで、中心軸O方向に立てた形状で形成されている。なお、図示例では、中心軸Oに平行な軸線O’により、角度αを表している。角度αが0°の場合は、チャックウォール部16が中心軸O(軸線O’)と平行な垂直形状に設けられ、角度αが0°を超える場合は、チャックウォール部16が上方に向かうにしたがって漸次拡径した形状に設けられる。
カール部17は、チャックウォール部16の外周縁(上端縁)に連続し、上方向けて凸となるように湾曲しながら拡径して径方向外側に延在し、外周縁部が下方かつ径方向の内側に向けて折り返された形状とされている。
[缶胴の構成]
缶蓋10Aが巻締められる缶胴20は、全体として有底筒状に設けられ、缶胴20の開口端部に、図3に示すように、湾曲部22から連続して設けられ、径方向外側に向けて突出するフランジ部21が形成されている。
[缶蓋の巻締め方法]
次に、缶胴20に缶蓋10Aを巻締める方法について説明する。
(第一工程)
図示は省略するが、リフター(図示略)により缶胴20の底部を保持する。次に、図3に示すように、缶胴20の開口端部に缶蓋10Aを被せ、缶胴20のフランジ部21の上面に、缶蓋10Aのカール部17の裏面を対向させて配置する。そして、内側環状凹部12にチャック部材40の環状突出部41を嵌め込み、缶胴20の底部を支持するリフター(図示略)とチャック部材40との間で缶胴20及び缶蓋10Aを挟持した状態で、これら缶胴20及び缶蓋10Aを軸心(中心軸O)回りに一体に回転させる。この際、チャック部材40の環状突出部41を内側環状凹部12の内周面にくい込ませた状態とすることで、チャック部材40により缶蓋10Aを強固に保持し、チャック部材40の回転駆動力をくい込み部分の摩擦力により確実に伝達できる。一方、外側環状凹部13にはチャック部材40をくい込ませることを必要としないので、チャック部材40により直接、外側環状凹部13が変形させられることがない。
このようにして内側環状凹部12に環状突出部41を嵌合した状態で、図3に示すように、第1巻締めロール50を径方向外方から接近させ、図4に示すように、缶胴20の開口端部と缶蓋10Aのチャックウォール部16からカール部17までの部分とを外側に一体にカールさせ、カール部17を缶胴20のフランジ部21の外方から鉤状に折り返して抱き合わせるように巻き込んで、巻き込み部35を形成する。この際、チャック部材40は、缶蓋10Aの内側環状凹部12を介してチャック部材40から回転駆動力を付与されることから、外側環状凹部13に連続するチャックウォール部16の形状をチャック部材40により変形させることがなく、チャックウォール部16の形状が、巻締め前と同様に、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで維持される。
(第二工程)
続いて、チャック部材40の環状突出部41を内側環状凹部12に嵌合させたままの状態で、第1巻締めロール50を巻き込み部35から径方向外方に離間させ、図5に示すように、第2巻締めロール60を巻き込み部35に接近させ、巻き込み部35を、押しつぶすように押圧する。この際、チャック部材40の台金部42がチャックウォール部16を内側から支持し、この台金部42と第2巻締めロール60との間で巻き込み部35を挟み込むことにより、カール部17の中に折り返された状態のフランジ部21が入り込んで、缶蓋10Aと缶胴20とが相互に相手を挟み込んでなる巻締め部36が形成され、缶蓋10Aが缶胴20に取り付けられた巻締め部構造101を有する缶が製造される。
以上説明したように、本実施形態の缶蓋10Aにおいては、カウンターシンク部15を二重の環状凹部12,13で形成することで、カウンターシンク部15を径方向内側に寄せて配置できるので、耐圧強度を向上でき、缶蓋10Aを薄肉化することが可能となる。
また、環状凹部12,13を二重に設けることで、各環状凹部12,13の各溝幅W1,W2を大きく広げることなくカウンターシンク部15を径方向内側に寄せて形成でき、さらに二重の環状凹部12,13の間を環状凸部14により接続した凹凸形状により、缶蓋10Aの剛性を高めることができる。このため、缶蓋10Aを缶胴20の開口端部に巻締めて製缶した後の巻締め部36の剛性を向上でき、落下時にパネル部11が径方向に潰れて楕円に変形する等の変形が生じることを防止できる。したがって、バックリング現象の発生を防止でき、また、パネル部11に膨らみが生じた場合でも、缶を正常に開缶することができる。
さらに、カウンターシンク部15は、二重に構成した環状凹部12,13により剛性が高められているので、カウンターシンク部15を一重の環状凹部で構成した場合と比べて、各環状凹部12,13の溝深さを浅く形成しても必要な剛性を確保することができ、缶蓋10Aの成形性を向上できる。
また、外側環状凹部13の溝幅W2を、内側環状凹部12の溝幅W1よりも小さく形成することで、内側環状凹部12よりも外側環状凹部13の剛性を高めることもできる。この場合、パネル部11が上方へ膨らみを生じた場合でも、剛性を高くした外側環状凹部13が反転することを確実に防止できる。したがって、巻締め部36まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
なお、カウンターシンク部を一重の環状凹部で構成した場合は、カウンターシンク部を半径方向内側に寄せて配置すると、その外周縁とカール部との間を直線状に接続するチャックウォール部と、中心軸との傾斜角度が大きくなり、カウンターシンク部が内圧により外方に反転しやすくなる。
一方、本実施形態の缶蓋10Aは、図2に示すように、カウンターシンク部15を二重の環状凹部12,13により構成しているので、外側環状凹部13の外周縁から連続するチャックウォール部16を、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで立てた形状に形成でき、耐圧強度を向上できる。このため、パネル部11が上方へ膨らみを生じた場合でも、外側環状凹部13が反転することを防止できる。したがって、巻締め部36まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
また、缶蓋10Aを缶胴20に巻締めてなる巻締め部36を有する缶の巻締め部構造101において、チャックウォール部16は、図5に示すように、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで維持されているので、耐圧強度を向上できる。この場合において、このチャックウォール部16の下部側に、巻締め部36の下端位置から下方に0.5mm以上の長さLを有するストレート形状部18を形成しておくことで、さらに耐圧強度を向上できる。このストレート形状部18は、チャックウォール部16の一部をなし、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで立てた形状とされる。
このような長さLが0.5mm以上とされるストレート形状部18を設けておくことにより、耐圧強度を向上できるので、衝撃等を受けて巻締め部36が開くことを防止でき、缶の密封性を維持できる。また、パネル部11が上方へ膨らみを生じた場合でも、ストレート形状部18により、そのストレート形状部18の内周縁部に連続する外側環状凹部13が反転することを防止できる。したがって、巻締め部36まで変形が及ぼされることを防止でき、亀裂が発生したり、巻締め外れが生じたりすることを防止できる。
なお、上記第1実施形態の缶蓋10Aでは、カウンターシンク部15を構成する外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2を、内側環状凹部12の内周底面12aの最下点P3よりも高い位置に配置し、さらに外側環状凹部13の内周底面13aの最下点P2を、パネル部11の上面(パネル面11a)よりも高い位置に配置していたが、図6及び図7に示す第2実施形態の缶蓋10Bのように、最下点P2をパネル面11aよりも低い位置に配置しても良いし、図8及び図9に示す第3実施形態の缶蓋10Cのように、最下点P2を最下点P3と同じ位置に配置するとともに、最下点P2をパネル面11aよりも低い位置に配置しても良い。
この缶蓋10Bを用いた缶の巻締め部構造102(図7)においても、チャックウォール部16を、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで維持でき、0.5mm以上の長さLを有するストレート形状部18を設けることができる。また、缶蓋10Cを用いた缶の巻締め部構造103(図9)においても、チャックウォール部16を、中心軸Oに対して0°以上10°以下の角度αで維持でき、0.5mm以上の長さLを有するストレート形状部18を設けることができるので、耐圧強度を高めることができる。また、缶蓋10B,10Cのように、最下点P2をパネル面11aよりも低い位置に配置した場合は、缶蓋10Aのように最下点P2をパネル面11aよりも高い位置に配置した場合と比べて、ストレート形状部18の長さLを長く(大きく)形成できるので、缶蓋の耐圧強度をさらに高めることができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
10A,10B,10C 缶蓋
11 パネル部
11a パネル面
12 内側環状凹部
13 外側環状凹部
14 環状凸部
15 カウンターシンク部
16 チャックウォール部
17 カール部
18 ストレート形状部
20 缶胴
21 フランジ部
22 屈曲部
35 巻き込み部
36 巻締め部
40 チャック部材
41 環状突出部
42 台金部
50 第1巻締めロール
60 第2巻締めロール
101,102,103 缶の巻締め部構造

Claims (8)

  1. タブが取り付けられるパネル部の外周縁とチャックウォール部の内周縁との間を接続し、上方に向けて凹となる環状凹部を径方向に二重に形成したカウンターシンク部を有し、
    前記環状凹部のうち、径方向内側に配置される内側環状凹部と、径方向外側に配置される外側環状凹部との間が、上方に向けて凸となる環状凸部を介して接続されていることを特徴とする缶蓋。
  2. 前記内側環状凹部がチャック部材を係合可能な溝幅に形成されており、
    前記外側環状凹部の溝幅が、前記内側環状凹部の前記溝幅よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の缶蓋。
  3. 前記チャックウォール部が、前記パネル部のパネル面と直交する中心軸に対して0°以上10°以下の角度で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の缶蓋。
  4. 前記チャックウォール部の外周縁に連続するカール部の頂点を通り前記中心軸に直交する面を基準面とし、
    前記基準面から前記外側環状凹部の内周底面の最下点までの垂直距離を距離Aとし、
    前記基準面から前記外側環状凹部と前記内側環状凹部との間に配置される環状凸部の頂点までの垂直距離を距離Bとした場合に、
    前記距離Aと前記距離Bとの差分(A−B)が0mmを超え3.2mm以下に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の缶蓋。
  5. 前記基準面から前記内側環状凹部の内周底面の最下点までの垂直距離を距離Cとした場合に、
    前記距離Aと前記距離Cとの比率(A/C)が0.40以上1.00以下とされていることを特徴とする請求項4に記載の缶蓋。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の前記缶蓋の前記チャックウォール部から外周側の部分を缶胴の開口端部に巻締めてなる巻締め部を有する缶の巻締め部構造であって、
    前記チャックウォール部は、前記巻締め部の下端位置から下方に0.5mm以上の長さのストレート形状部を有することを特徴とする缶の巻締め部構造。
  7. 前記ストレート形状部は、前記中心軸に対して0°以上10°以下の角度で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の缶の巻締め部構造。
  8. 請求項1から5のいずれか一項に記載の前記缶蓋を缶胴に巻締める方法であって、
    前記缶胴の開口端部に前記缶蓋を被せ、前記内側環状凹部にチャック部材の環状突出部を嵌合した状態で、第1巻締めロールを径方向外方から接近させて、前記開口端部と前記カール部とを巻き込み、その巻き込み部を第2巻締めロールと前記チャック部材の台金部との間で挟み込むことにより、巻締め部を形成することを特徴とする缶蓋の巻締め方法。
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