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JP2018017930A - 光学素子およびそれを有する光学系、撮像装置 - Google Patents

光学素子およびそれを有する光学系、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 空隙を含んでおり最も屈折率の低い領域よりも屈折率の高い領域が最も表面側に設けられている光学素子において反射率を低減することである。【解決手段】 光学素子10は、基板1と、基板1に設けられた反射防止膜6と、を備える。反射防止膜6は、空隙を含んでおり厚さ方向に屈折率が均一である第1の領域2と、第1の領域に対して基板1とは反対側に設けられた第2の領域3を有する。第2の領域3の屈折率は、基板1から離れるにつれて大きくなっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像装置等の光学系に用いられる光学素子に関する。
光学系に用いられるレンズなどの光学素子の反射率を低減することで、ゴーストやフレアの発生を低減したり、透過率を向上したりすることができる。
光学素子の反射率を十分に低減するためには、光学素子に設けられる反射防止膜において、最も空気側の層に屈折率の低い材料を用いることが有効である。屈折率の低い材料としては、内部に空隙を含む多孔質材料が知られているが、多孔質材料を反射防止膜の最も空気側の層に用いる場合、汚染による反射防止性能の変化が生じやすい。これは、多孔質材料に油分等が付着して空隙に浸透する結果、多孔質材料の屈折率が変化してしまうためである。
多孔質材料により形成された層が外部から汚染されることを低減するためには、多孔質材料により形成された層上に多孔質材料を保護する層を設けることが有効である。特許文献1には、多孔質材料により形成された層(屈折率1.27)の上に撥水性および撥油性を備えるフッ素樹脂層(屈折率1.40)を設けた構成の反射防止膜が記載されている。
特開2009−168986号公報
しかしながら、特許文献1の反射防止膜は、多孔質材料よりも屈折率の高いフッ素樹脂層を多孔質材料からなる層よりも表面側に設けているため、反射率を十分に低減することができないおそれがある。
本発明の目的は、空隙を含んでおり最も屈折率の低い領域よりも屈折率の高い領域が最も表面側に設けられている光学素子において反射率を低減することである。
本発明の光学素子は、基板と、前記基板に設けられた反射防止膜と、を備える光学素子であって、前記反射防止膜は、空隙を含んでおり厚さ方向に屈折率が均一である第1の領域と、前記第1の領域に対して前記基板とは反対側に設けられた第2の領域と、を有し、前記第2の領域の屈折率は前記基板から離れるにつれて大きくなることを特徴とする。
本発明によれば、空隙を含んでおり最も屈折率の低い領域よりも屈折率の高い領域が最も表面側に設けられている光学素子において反射率を低減することができる。
光学素子の概略図である。 実施例1の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例2の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例3の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例4の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例5の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例6の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例7の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例8の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例9の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例10の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例11の光学素子の反射率特性を示す図である。 実施例12の光学素子の反射率特性を示す図である。 光学系の構成を示す断面図である。 撮像装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では屈折率の値は550nmの光に対する値であるとして説明する。
図1は本実施形態の光学素子10を示す概略図である。光学素子10は、基板1と、反射防止膜6を有する。基板1としてはガラスやプラスチック等を用いることができる。また、基板1の形状は平板状に限らず、レンズ等の曲率を有する形状であっても良いし、フィルム状であっても良い。
反射防止膜6は第1の領域2と第2の領域3を有している。第1の領域2は内部に空隙を含んで構成されている。内部に空隙を含むことによって、第1の領域2の実効的な屈折率を低くすることができる。また、第1の領域2の実効的な屈折率は厚さ方向に均一となっている。ここで、第1の領域2において実効的な屈折率が厚さ方向に変化していたとしても、実効的な屈折率の変化量が第1の領域2の実効的な屈折率を厚さ方向に平均した値の5%以内の大きさであれば、実効的な屈折率が厚さ方向に均一であるとみなすことができる。
また、第2の領域3は、第1の領域2に対して基板1とは反対側に設けられており、第1の領域2が外部から汚染されることを低減する。また、第2の領域3の屈折率は厚さ方向に均一ではなく、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなるように変化している。なお、第2の領域3に対して第1の領域2とは反対側に、厚さ方向に屈折率が均一である第3の領域5を設けても良い。また、反射防止膜6において、第1の領域2と基板1の間に、複数の層を設けても良い。以下では、第1の領域2と基板1の間に設けられた複数の層により構成される領域を第4の領域4と称する。
一般に、多層の反射防止膜によって光学素子の反射率を低減するためには、反射防止膜の最も空気側の層に多孔質材料のような屈折率の低い材料を用いることが好ましい。これは、反射防止膜と空気の界面における屈折率差を小さくすることで、より反射率を低減することができるためである。
一方、反射防止膜が外部から汚染されることを低減するためには、防汚性の高い材料を含んで構成される保護層を最も空気側に設ける必要がある。しかし、一般に防汚性の高い材料の屈折率は比較的高い。このため、保護層のような屈折率の高い層を最も空気側に設けると、保護層と空気との界面および保護層と下層との界面における反射により反射率が増加し得る。
これに対して、本実施形態の光学素子10の反射防止膜6では、第1の領域2に対して基板1とは反対側に、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなるような第2の領域3を設けて第1の領域2を保護している。このような第2の領域3を設けることで、第1の領域2と第2の領域3との間での屈折率の変化を緩やかにすることができる。したがって、第1の領域2よりも表面側に第1の領域2よりも屈折率の高い領域を設けることによる反射率の増加量を低減することができる。
なお、第2の領域3において最も基板1に近い位置における屈折率は第1の領域2の実効的な屈折率と等しいことが好ましい。これによって、第1の領域2と第2の領域3との境界において屈折率を連続的に変化させられることができ、反射率をより低減することができる。
さらに、第1の領域2の屈折率をn、第2の領域3において基板1から最も離れた位置における屈折率をnとしたとき、nをnよりも大きくし、以下の条件式(1)および(2)を満たすことが好ましい。
1.1≦n≦1.3 (1)
1.25≦n≦1.4 (2)
とnを式(1)および(2)を満たす範囲とすることで、反射率をより低減することができる。
また、反射率をより低減するためには、第1の領域2の厚みをd[nm]、第2の領域3の厚みをd[nm]としたとき、以下の条件式(3)および(4)を満たすと良い。
50≦d≦130 (3)
5≦d≦50 (4)
なお、第2の領域3は第1の領域2と同様に空隙を含んでいても良い。これによって、第2の領域3の屈折率を小さくすることができ、第1の領域2と第2の領域3の境界で屈折率の変化を小さくすることができる。結果として、反射率をより低減することができる。
さらに、第2の領域3は防汚性の高い材料を含んでいることが好ましい。このような材料としては、高い撥水性を有する有機フッ素化合物を用いることが好ましい。有機フッ素化合物中の炭素とフッ素の結合は非常に高い結合エネルギーを有しており、表面張力が非常に小さいために優れた撥水性を有する。特に、有機フッ素化合物の中でも、フッ素樹脂は撥水性に加えて撥油性が高く、防汚性に優れている。第2の領域3が撥水性および撥油性を有する材料を含んで構成されることで、光学素子10の防汚性を向上することができる。
なお、光学素子10の防汚性を向上するためには第3の領域5を設けることが好ましい。第3の領域5のように厚さ方向に均質な領域を設けて第1の領域2を保護することによって、摩耗による防汚性の劣化を低減することができるためである。第3の領域5を設ける場合には、第3の領域5が撥水性および撥油性を有する材料を含んでいることが好ましい。この場合、第2の領域3は必ずしも撥水性および撥油性を有する材料を含んでいなくても、光学素子10の防汚性を向上することができる。
また、第3の領域5を設ける場合、第3の領域の屈折率は第2の領域3において基板1から最も離れた位置における屈折率と等しいことが好ましい。これによって、第2の領域3と第3の領域5との境界において屈折率を連続的に変化させられることができ、反射率をより低減することができる。
さらに、第3の領域5の厚みをd[nm]としたとき、以下の条件式を満足することが好ましい。
0<d≦10 (5)
式(5)を満たすことによって、第3の領域4を設けた場合においても光学素子10の反射率を低減することができる。
また、第1の領域2は空隙を含んで形成されていれば良い。例えば、複数の微粒子を凝集することで、空隙を含んだ第1の領域2を形成することができる。微粒子としては、酸化シリコンやフッ化マグネシウム等の無機酸化物の微粒子がある。なお、耐摩擦性や密着力を向上するためには微粒子同士をバインダで結合して形成することが好ましい。また微粒子の形状は鎖状形状であることが好ましい。鎖状形状の微粒子とは、複数の粒子が鎖状に連結して構成されている微粒子である。これによって第1の領域2に空隙を設けつつ、第1の領域2の物理的な強度を向上することができる。
第4の領域4を構成する層の数を増やすことで、より広い波長範囲で反射率を低減することができる。このため、第4の領域4は2層以上で構成されていることが好ましく、6層以上で構成されていることがより好ましい。このとき、第4の領域4は第1の領域2よりも屈折率の高い高屈折率層と、屈折率が第1の領域2よりも大きく高屈折率層よりも小さな低屈折率層とを備えていることが好ましい。また、第4の領域において2層よりも多くの層を積層する場合、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層して第4の領域4を構成することが好ましい。これによってより広い波長範囲で反射率を低減することができる。
第4の領域4を構成する各層は、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウム等の無機酸化物や、フッ化マグネシウム等を用いて構成すれば良い。
次に、本実施形態の光学素子10を製造する方法について説明する。
まず、基板1に第4の領域4を蒸着やスパッタリングなどを用いて積層する。次に、ゾルゲル法を用いて空隙を含む層を形成する。具体的には、基板1に形成された第4の領域4に、スピンコータなどを用いて微粒子を分散させた液を塗工する。その後乾燥や焼成を行うことで、第4の領域4上に空隙を含む層を形成することができる。
次に、第1の領域2と第2の領域3を形成する。空隙を含む層に有機フッ素化合物等を含む溶液を塗工すると、溶液は空隙を伝ってある深さまで浸透する。このとき、浸透する深さが深くなるほど、溶液の浸透する量は少なくなる。このように空隙を含む層に有機フッ素化合物等を含む溶液を浸透させた後に乾燥や焼成を行うことで、第1の領域2と第2の領域3を形成することができる。
すなわち、空隙を含む層において溶液が浸透しなかった部分は、空隙率が厚さ方向に均一となっているため、厚さ方向に屈折率が均一である第1の領域2に相当する。一方、溶液が浸透した部分は、浸透した溶液の量に応じて屈折率が増大するため、基板1から離れるにつれて屈折率が増大する第2の領域3に相当する。
このとき、溶液の浸透する量に対して塗工した溶液の量が多かった場合には、第2の領域3上に第3の領域5が形成されることになる。このようにして、ゾルゲル法を用いて第1の領域2および第2の領域3を形成することで、本実施形態の光学素子10を容易に得ることができる。
また、上述した製造方法においては、第4の領域4上に形成される空隙を含む層の空隙の大きさを調整したり、空隙を含む層に塗工する溶液の濃度や粘度を調整したりすることによって空隙を含む層に溶液が浸透する深さを調節することができる。これによって、第1の領域2と第2の領域3の厚さを調整することができる。
次に、本発明の光学素子に関する具体的な実施例について説明する。なお、以下で説明する実施例1〜12における第1の領域2、第2の領域3、第3の領域5は、以下の手順によって得られる鎖状SiO粒子塗工液13、14、15と、パーフルオロポリエーテル溶剤を用いて形成することができる。
(1)鎖状SiO粒子分散液11の調整
鎖状SiO粒子の2−プロパノール(IPA)分散液(日産化学工業株式会社製 IPA−ST−UP、平均粒径12nm・固形分濃度15質量%)の溶媒を、エバポレーターを用いてIPAから1−プロポキシ−2−プロパノール(シグマ製)に置換した。このようにして得た鎖状SiO粒子の1−プロポキシ−2−プロパノール分散液(固形分濃度17wt%)を鎖状SiO粒子分散液11(固形分濃度17wt%)とする。なお、鎖状SiO粒子分散液11の溶媒の比率はIPA:1−プロポキシ−2−プロパノール=7.5:92.5であった。
(2)バインダ溶液12の調整
テトラエトキシシラン(TEOS、東京化成工業株式会社製)18.5gと、触媒水としてTEOSに対して10当量の0.1wt%ホスフィン酸16.0gと、を20℃の水浴中で60分間混合攪拌した。このようにして得た溶液をバインダ溶液12とする。
(3)鎖状SiO粒子塗工液13、14、15の調整
(1)において調整した鎖状SiO粒子分散液11(固形分濃度17wt%)251.3gに、(2)において調整したバインダ溶液12を33.4g添加した。その後、1−プロポキシ−2−プロパノールを174.5g、乳酸エチル546.5gを添加し、60分間攪拌した。これを、鎖状SiO粒子塗工液13とする。
(1)において調整した鎖状SiO粒子分散液11(固形分濃度17wt%)251.3gに(2)において調整したバインダ溶液12を27.3g添加した。その後、1−プロポキシ−2−プロパノールを174.5g、乳酸エチル550.7gを添加し、60分間攪拌した。これを、鎖状SiO粒子塗工液14とする。
(1)において調整した鎖状SiO粒子分散液11(固形分濃度17wt%)251.3gに(2)において調整したバインダ溶液12を22.2g添加した。その後、1−プロポキシ−2−プロパノールを174.5g、乳酸エチル555.4gを添加し、60分間攪拌した。これを、鎖状SiO粒子塗工液15とする。
なお、鎖状SiO粒子塗工液13、14、15はバインダ量が異なる。そのため、これらの塗工液を用いて空隙を含む層を形成した際の実効的な屈折率はバインダ量に応じてそれぞれ異なる。
[実施例1]
実施例1における光学素子10の構成を表1に示す。基板1には、OHARA社製S−BSL7を用いている。また、第4の領域4は合計8層で構成されている。
本実施例の光学素子10では第3の領域5および第2の領域3は共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図2に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図2に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率(実線)は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率(点線)は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。本実施例の光学素子10のように、第1の領域2と第2の領域3を設けることで、反射率を低減することができる。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−BSL7)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液13を0.2ml滴下し、3400rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例2]
実施例2における光学素子10の構成を表2に示す。基板1は、実施例1と同様にOHARA社製S−BSL7を用いている。本実施例では、基板1に積層する層の積層数、光学定数および厚みが異なっている。本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。
本実施例の光学素子10において、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図3に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図3に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−BSL7)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液14を0.2ml滴下し、3730rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例3]
実施例3における光学素子10の構成を表3に示す。本実施例においては、実施例1および実施例2と異なり、基板1にOHARA社製L−BAL43を用いている。
本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1および実施例2と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図4に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図4に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、L−BAL43)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液15を0.2ml滴下し、3870rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例4]
実施例4における光学素子10の構成を表4に示す。本実施例においては、実施例3と同様に、基板1にOHARA社製L−BAL43を用いている。基板1に積層する層の積層数、光学定数および厚みは実施例3と異なっている。
本実施例において、第4の領域4は合計8層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至3と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図5に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図5に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、L−BAL43)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液13を0.2ml滴下し、3580rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例5]
実施例5における光学素子10の構成を表5に示す。本実施例においては、実施例1乃至4と異なり、基板1にOHARA社製S−LAL14を用いている。本実施例において、第4の領域4は合計8層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至4と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図6に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図6に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAL14)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液15を0.2ml滴下し、3620rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例6]
実施例6における光学素子10の構成を表6に示す。本実施例においては、実施例5と同様に、基板1にOHARA社製S−LAL14を用いている。基板1に積層する層の積層数、光学定数および厚みは実施例5と異なっている。
本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至5と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図7に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図7に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAL14)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液13を0.2ml滴下し、3720rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例7]
実施例7における光学素子10の構成を表7に示す。本実施例においては、実施例1乃至6と異なり、基板1にOHARA社製S−LAH64を用いている。本実施例において、第4の領域4は合計8層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至6と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図8に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図8に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAH64)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液13を0.2ml滴下し、3570rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例8]
実施例8における光学素子10の構成を表8に示す。本実施例においては、実施例1乃至7と異なり、基板1にOHARA社製S−BAH28を用いている。本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至7と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図9に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図9に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−BAH28)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液15を0.2ml滴下し、3630rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例9]
実施例9における光学素子10の構成を表9に示す。本実施例においては、実施例1乃至8と異なり、基板1にOHARA社製S−LAH58を用いている。本実施例において、第4の領域4は合計8層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至8と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図10に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図10に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAH58)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液14を0.2ml滴下し、3700rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例10]
実施例10における光学素子10の構成を表10に示す。本実施例においては、実施例9と同様に、基板1にOHARA社製S−LAH58を用いている。基板1に積層する層の積層数、光学定数および厚みは実施例9と異なっている。
本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至9と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図11に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図11に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAH58)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液13を0.2ml滴下し、3780rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例11]
実施例11における光学素子10の構成を表11に示す。本実施例においては、実施例1乃至10と異なり、基板1にOHARA社製S−LAH79を用いている。本実施例において、第4の領域4は合計8層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至10と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図12に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図12に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAH79)に、真空蒸着法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液14を0.2ml滴下し、3700rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
[実施例12]
実施例12における光学素子10の構成を表12に示す。本実施例においては、実施例11と同様に、基板1にOHARA社製S−LAH79を用いている。基板1に積層する層の積層数、光学定数および厚みは実施例11とは異なっている。
本実施例において、第4の領域4は合計7層で構成されている。また、第3の領域5および第2の領域3は、実施例1乃至11と同様に、共にフッ素樹脂であるパーフルオロポリエーテルを含んでいる。これによって第1の領域2が外部から汚染されることを低減することができる。
Figure 2018017930
図13に本実施例の光学素子10における分光反射率を示す。図13に示すように、光学素子10に対して垂直に光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において0.1%以下となっている。また、光学素子10に対して45度の角度で光が入射する際の反射率は、400nmから700nmの波長範囲において1%以下となっている。
なお、本実施例の光学素子10は、以下の手順によって形成することができる。
まず、直径30mm、厚さ1mmの基板1(OHARA社製、S−LAH79)に、スパッタ法により第4の領域4を設けた。次に、鎖状SiO粒子塗工液15を0.2ml滴下し、3700rpmで20秒スピンコートを行った。
さらに、パーフルオロポリエーテル溶液として株式会社ハーベス製デュラサーフDS−1101S135(固形分濃度0.10質量%)を0.2ml滴下し、3000rpmで20秒スピンコートを行った。その後、熱風循環オーブンにおいて140℃で30分間加熱した。
このような条件で各溶液を塗工することで、鎖状SiOの内部の空隙の一部にパーフルオロポリエーテル溶液を浸透させることができる。これにより、屈折率が均一である第1の領域2と、屈折率が基板1から離れるにつれて大きくなる第2の領域3を有する光学素子10を作成することができる。
以上の実施例1乃至12で説明したように、基板1の屈折率を種々変更したとしても、第1の領域2と第2の領域3を有する反射防止膜6を設けることで反射率を低減できることがわかる。
[変形例]
なお、上述した光学素子10の製造方法はあくまで一例である。空隙を含み屈折率が厚さ方向に均一である第1の領域2と、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなる第2の領域3を得ることができれば、他の方法を用いて本発明の光学素子を製造しても良い。
例えば、第2の領域3をスパッタや蒸着を用いて形成しても良い。まず、第4の領域4上に空隙を含む層を形成する。その後、空隙を含む層上にスパッタや蒸着を用いて成膜を行う。このとき、ガス流量を変化させながら成膜を行うことで、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなる層を形成することができる。
または、複数の成膜源を用い、成膜源毎の成膜量を変化させながら成膜を行うことで、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなる層を形成することができる。このようにして光学素子10を形成した場合、空隙を含む層の全体が第1の領域2に相当し、基板1から離れるにつれて屈折率が大きくなる層の全体が第2の領域3に相当する。
[光学系]
次に、本発明の実施形態としての光学系について説明する。光学系を構成する各光学素子の表面における反射光は、フレアやゴーストの要因となり得る。
図14に光学系100を示す。光学系100は、複数の光学素子G101〜G111を有している。光学系100において光学素子G102の物体側の面には、実施例1乃至13のいずれかで述べた光学素子10の反射防止膜6と同様の特性を有する反射防止膜6が設けられている。また、図14において102は絞り、103は結像面を表している。
実施例1乃至13で述べたように、光学素子G102の物体側の面に反射防止膜6を設けることで、光学素子G102の物体側の面の反射率を低減することができる。このような反射率の低い面を有する光学素子G102を光学系100に用いることで、ゴーストやフレアの発生を低減することができる。また、光学素子G101は最も表面側に高い防汚性を有するパーフルオロポリエーテルを含む領域が設けられている。そのため、外部からの汚染による反射率の変化を低減することができる。
なお、G102の物体側の面に反射防止膜6を設ける場合について説明したが、G102の両面に反射防止膜6を設けても良いし、結像面103側の面のみに反射防止膜6を設けても良い。また、光学系100において光学素子G102に反射防止膜6を設けた例について説明したが、他の光学素子に反射防止膜6を設けても良い。また、複数の光学素子に反射防止膜6を設けても良い。
また、本発明の光学系は、後述する撮像装置に用いるものに限らず、双眼鏡、プロジェクタ、望遠鏡等の様々な用途の光学系に適用することができる。
[撮像装置]
次に本発明の実施形態としての撮像装置について説明する。
図15は、撮像装置としてのデジタルカメラ300である。デジタルカメラ300は、レンズ部301に上述した光学系100を有する。また、光学系100の結像面103には、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子303が、本体部302に配置される。
デジタルカメラ300が光学系100を有することで、ゴーストやフレアの発生を低減した高品位な画像を得ることができる。
なお、図15では、本体部302とレンズ部301が一体となった例を示しているが、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ装置に本発明を適用してもよい。このようなレンズ装置は、例えば一眼カメラ用の交換レンズとして用いられる。この場合、図14は、光学系100を有するレンズ装置301が撮像装置本体302に装着されている状態と見ることもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
10 光学素子
1 基板
2 第1の領域
3 第3の領域
6 反射防止膜

Claims (20)

  1. 基板と、前記基板に設けられた反射防止膜と、を備える光学素子であって、
    前記反射防止膜は、
    空隙を含んでおり厚さ方向に屈折率が均一である第1の領域と、
    前記第1の領域に対して前記基板とは反対側に設けられた第2の領域と、を有し、
    前記第2の領域の屈折率は前記基板から離れるにつれて大きくなることを特徴とする光学素子。
  2. 前記第1の領域の屈折率をn、前記第2の領域において前記基板から最も離れた位置における屈折率をnとしたとき、nはnよりも大きく、
    1.1≦n≦1.3
    1.25≦n≦1.4
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1の領域の厚みをd[nm]、前記第2の領域の厚みをd[nm]としたとき、
    50≦d≦130
    5≦d≦50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記第2の領域において前記基板に最も近い位置における屈折率は、前記第1の領域の屈折率と等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記第2の領域は有機フッ素化合物を含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記第2の領域に対して前記第1の領域とは反対側に、厚さ方向に屈折率が均一である第3の領域を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記第3の領域の厚みをd[nm]としたとき、
    0<d≦10
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記第3の領域は有機フッ素化合物を含んでいることを特徴とする請求項6または7に記載の光学素子。
  9. 前記第2の領域において前記基板から最も離れた位置における屈折率は、前記第3の領域の屈折率と等しいことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の光学素子。
  10. 前記第1の領域と前記基板の間には、前記第1の領域の屈折率よりも大きな高屈折率層と、屈折率が前記第1の領域よりも大きく前記高屈折率層よりも小さな低屈折率層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子。
  11. 前記第2の領域は空隙を含んでいることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学素子。
  12. 前記第2の領域は、鎖状形状の微粒子を含んでいることを特徴とする請求項11に記載の光学素子。
  13. 前記第2の領域は、微粒子と、前記微粒子同士を結合するバインダを含んでいることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学素子。
  14. 前記微粒子は無機酸化物の微粒子であることを特徴とする請求項12または13に記載の光学素子。
  15. 前記第1の領域は、鎖状形状の微粒子を含んでいることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学素子。
  16. 前記第1の領域は、微粒子と、前記微粒子同士を結合するバインダを含んでいることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学素子。
  17. 前記微粒子は無機酸化物の微粒子であることを特徴とする請求項15または16に記載の光学素子。
  18. 複数の光学素子を備え、
    前記光学素子のうちの少なくとも一つは請求項1乃至17のいずれか一項に記載の光学素子であることを特徴とする光学系。
  19. 撮像素子と、請求項18に記載の光学系を有することを特徴とする撮像装置。
  20. 撮像装置本体に対して着脱可能であり、請求項18に記載の光学系を有することを特徴とするレンズ装置。
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