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JP2018013080A - 内燃機関の製造方法 - Google Patents

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JP2018013080A
JP2018013080A JP2016142985A JP2016142985A JP2018013080A JP 2018013080 A JP2018013080 A JP 2018013080A JP 2016142985 A JP2016142985 A JP 2016142985A JP 2016142985 A JP2016142985 A JP 2016142985A JP 2018013080 A JP2018013080 A JP 2018013080A
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JP2016142985A
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克一 宮坂
Katsuichi Miyasaka
克一 宮坂
智子 東福寺
Tomoko Tofukuji
智子 東福寺
憲治 池田
Kenji Ikeda
憲治 池田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】一系統タイプの潤滑油循環経路を備えるタイプとして利用可能な内燃機関に対して簡単な設計変更を行うことにより、二系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関を製造可能な内燃機関の製造方法を提供する。【解決手段】供給用油路108に、潤滑油がメイン潤滑油経路からカムシャフト収納空間側へ流れるのを規制する潤滑油流入規制栓127を装着するステップ、及び、カムシャフト収納空間からサブオイルパン20aを介して経路変更用孔111へ流れた潤滑油が第二戻し用油路112へ流れるのを規制しつつ第一戻し用油路107へ流れるのを許容する切換流路130、131及び潤滑油を切換流路を介して第一戻し用油路へ流すサブオイルポンプ103を有する経路切換アタッチメント128を、シリンダブロック20の外周面に装着して独立型サブ潤滑油経路を形成するステップ、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、二系統の潤滑油循環経路を備える内燃機関の製造方法に関する。
周知のように内燃機関は、一般的に、シリンダブロック、シリンダヘッド、シリンダヘッドカバー、オイルパン及びチェーンカバーを備えている。
さらに内燃機関の内部には、ピストン、クランクシャフト、カムシャフト、バルブ、及びタイミングチェーンなどの可動部材が配設されている。
内燃機関の内部には潤滑油循環経路が形成されている。
潤滑油循環経路には、一系統タイプと二系統タイプの二種類が存在する。
一系統タイプの潤滑油循環経路は、一つの潤滑油循環経路によって構成されている。
この潤滑油循環経路は、オイルパンの内部空間である潤滑油貯蔵室、クランクシャフトを収納するクランクシャフト収納空間、シリンダブロックの内部空間、及びチェーンカバーの内部空間に跨る態様で内燃機関の内部に形成されている。
潤滑油貯蔵室には潤滑油が充填されている。
さらに内燃機関の内部には、潤滑油貯蔵室の潤滑油に圧力を与えて、潤滑油を潤滑油循環経路内で循環させするオイルポンプが設けられている。
潤滑油がこの潤滑油循環経路を循環すると、潤滑油がピストン、クランクシャフト、カムシャフト、バルブ、及びタイミングチェーンに付着する。そのため、これらの可動部材が円滑に動作する。
一方、二系統タイプの潤滑油循環経路は、二つの潤滑油循環経路を備えている。即ち、二系統タイプの潤滑油循環経路はメイン潤滑油経路及びサブ潤滑油経路を有している(例えば特許文献1)。
メイン潤滑油経路は、オイルパンの内部空間である第一潤滑油貯蔵室、クランクシャフトを収納するクランクシャフト収納空間、シリンダブロックの内部空間、及びチェーンカバーの内部空間に跨る態様で内燃機関の内部に形成されている。
第一潤滑油貯蔵室には第一潤滑油が充填されている。
さらに内燃機関の内部には、第一潤滑油貯蔵室の第一潤滑油に圧力を与えて、第一潤滑油をメイン潤滑油経路内で循環させる第一オイルポンプが設けられている。
一方、サブ潤滑油経路は、シリンダヘッドの内部に形成された第二潤滑油貯蔵室(サブオイルパン)及びカムシャフト収納空間に跨る態様で内燃機関の内部に形成されている。第二潤滑油貯蔵室には第二潤滑油が充填されている。さらに、シリンダヘッドの内部には、第二潤滑油貯蔵室の第二潤滑油に圧力を与えて、第二潤滑油をサブ潤滑油経路内で循環させる第二オイルポンプが設けられている。
さらにメイン潤滑油経路とサブ潤滑油経路とは互いに独立している。換言すると、第一潤滑油がサブ潤滑油経路に流れることはなく、且つ、第二潤滑油がメイン潤滑油経路に流れることはない。
第一オイルポンプの動力によって第一潤滑油がメイン潤滑油経路を循環すると、第一潤滑油がピストン、クランクシャフト、及びタイミングチェーンに付着するので、これらの可動部材が円滑に動作する。
さらに第二オイルポンプの動力によって第二潤滑油がサブ潤滑油経路を循環すると、第二潤滑油がカムシャフト及びバルブに付着するので、これらの可動部材が円滑に動作する。
特開2010−071221号公報
一系統タイプの潤滑油循環経路は、一つの潤滑油循環経路によって構成されている。
その一方で、二系統タイプの潤滑油循環経路は、互いに独立した二つの潤滑油循環経路(メイン潤滑油経路、サブ潤滑油経路)を備えている。
即ち、従来の一系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関と、従来の二系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関とは、潤滑油循環経路の構造が大きく異なっていた。具体的には、シリンダブロック及びシリンダヘッドの構造が異なっていた。
そのため従来は、一系統タイプの潤滑油循環経路を備えるタイプとして利用可能な内燃機関に対して簡単な設計変更を行うことにより、二系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関を製造できなかった。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、一系統タイプの潤滑油循環経路を備えるタイプとして利用可能な内燃機関に対して簡単な設計変更を行うことにより、二系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関を製造可能な内燃機関の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の内燃機関の製造方法は、
ピストン(23)が摺動可能に支持されたシリンダブロック内部空間(21)及びサブオイルパン(20a)を有するシリンダブロック(20)と、
前記ピストンの動作に連動して回転するクランクシャフト(25)を収納するクランクシャフト収納空間(32)を内部に備え且つ前記シリンダブロックに接続されたオイルパン(30)と、
前記シリンダブロック内部空間と連通し且つ前記ピストンの動作に連動して往復移動するバルブ(44、45)によって開閉されるポート、及び、前記サブオイルパンと連通し且つ自身の軸線まわりに回転することにより前記バルブを往復移動させるカムシャフト(65、70)を収納するカムシャフト収納空間(47a)を内部に備えるシリンダヘッド(35)と、
前記クランクシャフト収納空間及び前記シリンダブロック内部空間に渡って形成され且つ潤滑油(125、133)が内部を循環するメイン潤滑油経路(90)と、
前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドの内部に形成され且つ一端が前記メイン潤滑油経路に接続され他端が前記カムシャフト収納空間と連通する供給用油路(108)、前記サブオイルパンと連通するように前記シリンダブロックの外周面に形成された経路変更用孔(111)、前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドの内部に形成され且つ一端が前記シリンダブロックの外周面において開口し他端が前記カムシャフト収納空間と連通する第一戻し用油路(107)、並びに前記シリンダブロックの内部に形成され且つ一端が前記経路変更用孔に接続され他端が前記クランクシャフト収納空間と連通する第二戻し用油路(112)、を備え、内部を潤滑油(125、135)が循環するサブ潤滑油経路(100)と、
前記潤滑油が前記メイン潤滑油経路を循環するように前記潤滑油に圧力を付与するオイルポンプ(94)と、
を備える内燃機関(10)を利用して、前記メイン潤滑油経路及び前記メイン潤滑油経路とは独立した前記サブ潤滑油経路である独立型サブ潤滑油経路(100b)を有する二系統タイプ内燃機関(10B)を製造する方法であって、
前記供給用油路(108)に、前記潤滑油が前記メイン潤滑油経路から前記カムシャフト収納空間側へ流れるのを規制する潤滑油流入規制栓(127)を装着するステップ、及び
前記カムシャフト収納空間から前記サブオイルパン(20a)を介して前記経路変更用孔(111)へ流れた前記潤滑油が前記第二戻し用油路(112)へ流れるのを規制しつつ前記第一戻し用油路(107)へ流れるのを許容する切換流路(130、131)及び前記潤滑油を前記切換流路を介して前記第一戻し用油路へ流すサブオイルポンプ(103)を有する経路切換アタッチメント(128)を、前記シリンダブロック(20)の外周面に装着して前記独立型サブ潤滑油経路を形成するステップ、
を有する。
本発明の内燃機関は、メイン潤滑油経路とサブ潤滑油経路とを有している。
さらに、サブ潤滑油経路の供給用油路の一端はメイン潤滑油経路と連通している。即ち、メイン潤滑油経路とサブ潤滑油経路とは互いに連通されている。
従って、メイン潤滑油経路とサブ潤滑油経路との間の潤滑油の流れを阻害しない場合は、メイン潤滑油経路及びサブ潤滑油経路が一系統タイプの潤滑油循環経路を構成する。
本発明では、この構造の内燃機関のシリンダブロックの外周面に経路切換アタッチメントを装着する。
経路切換アタッチメントは、カムシャフト収納空間からサブオイルパンを介して経路変更用孔へ流れた潤滑油が第二戻し用油路へ流れるのを規制しつつ第一戻し用油路へ流れるのを許容する切換流路を有している。さらに経路切換アタッチメントは、潤滑油を切換流路を介して第一戻し用油路へ流すサブオイルポンプを有している。
さらに本発明では、供給用油路に、潤滑油がメイン潤滑油経路からカムシャフト収納空間側へ流れるのを規制する潤滑油流入規制栓を装着する。
これらの作業は、内燃機関の組み立て工程において簡単に実行可能である。
その結果、メイン潤滑油経路とは独立したサブ潤滑油経路である独立型サブ潤滑油経路が内燃機関に形成される。
即ち、本発明によれば、一系統タイプの潤滑油循環経路を備えるタイプとして利用可能な内燃機関に対して簡単な設計変更を行うことにより、二系統タイプの潤滑油循環経路を備える内燃機関を製造できる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係る一系統タイプ内燃機関の模式的な全体図である。 シリンダヘッド本体、カムシャフトハウジング、エキゾーストカムシャフト、インテークカムシャフト及びカムキャップの分解斜視図である。 シリンダヘッド本体、カムシャフトハウジング、エキゾーストカムシャフト、インテークカムシャフト及びカムキャップの組み立て状態の斜視図である。 図1のIV−IV切断線の矢線の方向に沿って見た一系統タイプ内燃機関の断面図である。 一系統タイプ内燃機関のメイン潤滑油経路及びサブ潤滑油経路(接続型サブ潤滑油経路)の概念図である。 二系統タイプ内燃機関の模式的な全体図である。 二系統タイプ内燃機関の図4に相当する断面図である。 二系統タイプ内燃機関のメイン潤滑油経路の概念図である。 二系統タイプ内燃機関のサブ潤滑油経路(独立型サブ潤滑油経路)の概念図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係る内燃機関について説明する。
図1及び図6は多気筒(例えば、4気筒)内燃機関10の概略構成を示している。この内燃機関10は、図示を省略した車両の駆動源としてその車両に搭載されている。
この内燃機関10は、主要な構成要素として、シリンダブロック20、オイルパン30、シリンダヘッド本体40、カムシャフトハウジング47、エキゾーストカムシャフト65、インテークカムシャフト70、カムキャップ75、端部カムキャップ80、タイミングチェーン86、シリンダヘッドカバー87、及びカバー部材88を備えている。
図1に示すように、シリンダブロック20の上部側にはシリンダブロック内部空間21(一つのみ図示)が形成されている。シリンダブロック20の下部側には、シリンダブロック内部空間21と連通する下部空間22が形成されている。
シリンダブロック内部空間21には、ピストン23がシリンダブロック内部空間21の軸線方向に摺動可能に設けられている。
ピストン23にはコネクティングロッド24の上部が回転可能に接続されている。
シリンダブロック20の下面にはオイルパン30の上面が気密且つ液密状態で接触しており、シリンダブロック20とオイルパン30とは互いに固定されている。図1に示すように、オイルパン30の前後方向長はシリンダブロック20より長く、オイルパン30の前端部はシリンダブロック20の前端部より前方に位置している。
シリンダブロック20の下部に設けられたクランクシャフト軸受(図示略)には、軸線が前後方向に延びるクランクシャフト25が回転可能に支持されている。さらにコネクティングロッド24の下端部が、クランクシャフト25に形成されたコネクティングロッド軸受(図示略)に回転可能に接続されている。クランクシャフト25の前部にはスプロケット(図示略)が固定されている。
オイルパン30の内部空間は第一潤滑油貯蔵室31を構成している。さらにシリンダブロック20の下部空間22及びオイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31が、シリンダブロック内部空間21と連通するクランクシャフト収納空間32を構成している。
シリンダブロック20の上端部にはシリンダヘッド35が固定されている。シリンダヘッド35は、シリンダヘッド本体40及びカムシャフトハウジング47を備えている。
シリンダヘッド本体40の下面はシリンダブロック20の上面に気密且つ液密状態で接触しており、シリンダヘッド本体40とシリンダブロック20とは互いに固定されている。
シリンダヘッド本体40の下部には凹部(図示略)が形成されており、この凹部はシリンダブロック内部空間21及びピストン23の上端面と燃焼室41を形成している。
さらにシリンダヘッド本体40には、燃焼室41と連通する吸気ポート及び排気ポートが形成されている(いずれも図示略)。さらにシリンダヘッド本体40には共に筒状をなす吸気バルブガイド及び排気バルブガイドが固定されている(いずれも図示略)。吸気バルブガイド及び排気バルブガイドの下端部は、それぞれ吸気ポートと排気ポートに接続されている。吸気バルブガイド及び排気バルブガイドには、吸気バルブ44と排気バルブ45とがそれぞれの軸線方向に移動可能に挿入されている。周知のように、吸気バルブ44及び排気バルブ45は吸気バルブガイドと排気バルブガイドの軸線方向に往復移動することにより吸気ポートと排気ポートをそれぞれ開閉する。
さらにシリンダヘッド本体40の内部には、点火プラグ、点火プラグに与える高電圧を発生するイグナイタ、及び吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタが設けられている(いずれも図示略)。
シリンダヘッド本体40の上面にはカムシャフトハウジング47が設けられている。
図2及び図3に示すように、カムシャフトハウジング47は、平面視略矩形且つ上下両面が開放された枠体である。シリンダヘッド本体40の上面とカムシャフトハウジング47の下面とは気密且つ液密状態で接触している。さらにシリンダヘッド本体40とカムシャフトハウジング47とは互いに固定されている。
カムシャフトハウジング47は、カムシャフトハウジング47の前面を構成するチェーンカバー隣接壁48と、左右両面をそれぞれ構成する一対の側壁49と、後面を構成する後部壁50(図1参照)と、を備えている。
カムシャフトハウジング47の内部には、上面が開放されたカムシャフト収納空間47aが形成されている。
カムシャフト収納空間47aは、シリンダヘッド本体40の下部に形成された上記凹部(燃焼室41)とは独立している。換言すると、カムシャフト収納空間47aとこの燃焼室41とは互いに連通していない。さらに、吸気バルブガイド及び排気バルブガイドの上端部に固定されたシール部材(図示略)の働きにより、カムシャフト収納空間47aは吸気ポート及び排気ポートとは独立している(即ち、連通していない)。
図2及び図3に示すように、チェーンカバー隣接壁48の上端部には正面視矩形のカムキャップ用凹部51が形成されている。カムキャップ用凹部51は、チェーンカバー隣接壁48を前後方向に貫通している。
カムキャップ用凹部51の底面51aには左右一対の断面半円形をなす軸受用凹部52a、52bが形成されている。
さらにカムシャフトハウジング47は、前後方向に略等間隔で並ぶ複数のジャーナル軸受56を一体的に備えている。
各ジャーナル軸受56の上面には、左右一対の断面半円形をなす軸受用凹部57aと軸受用凹部57bとが形成されている。
図示は省略してあるが、シリンダヘッド本体40の吸気ポートの上流側端部と排気ポートの下流側端部には、吸気系統と排気系統の一端がそれぞれ接続されている。吸気系統は、シリンダブロック20に燃料(例えばガソリン)と空気とからなる混合気を燃焼室41に供給する。排気系統は、シリンダブロック20からの排ガスを内燃機関10の外部に放出する。
図2及び図3に示すように、カムシャフトハウジング47の軸受用凹部52a及び各軸受用凹部57aには、エキゾーストカムシャフト65の下半部の複数箇所がそれぞれ回転可能に支持されている。同様に、軸受用凹部52b及び各軸受用凹部57bには、インテークカムシャフト70の下半部の複数箇所がそれぞれ回転可能に支持されている。
エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70は、その軸線が前後方向に延びる長尺部材である。エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70は共に、チェーンカバー隣接壁48及び各ジャーナル軸受56の合計数と同数の被支持部66、71を備えている。さらにエキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70は、各被支持部66、71とは異なる位置に形成された複数対のカム67、72をそれぞれ備えている。さらにエキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70の前端近傍部には、スプロケット68、73がそれぞれ固定されている。
エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70の最も前側の被支持部66と被支持部71の下半部は、カムシャフトハウジング47の軸受用凹部52aと軸受用凹部52bとによってそれぞれ支持されている。一方、エキゾーストカムシャフト65の残りの被支持部66の下半部は、各ジャーナル軸受56の各軸受用凹部57aによってそれぞれ回転可能に支持され、インテークカムシャフト70の残りの被支持部71の下半部は、各ジャーナル軸受56の各軸受用凹部57bによってそれぞれ回転可能に支持されている。さらにエキゾーストカムシャフト65のスプロケット68及びインテークカムシャフト70のスプロケット73は、カムシャフトハウジング47のチェーンカバー隣接壁48より前方に位置する。
カムシャフトハウジング47の各ジャーナル軸受56の上面には、上方からカムキャップ75がそれぞれ被せられている。
カムキャップ75の下面には、左右一対の断面半円形をなす軸受用凹部76a、76bが形成されている。
各カムキャップ75は、その下面がジャーナル軸受56の上面に接触している。さらに、各カムキャップ75が対応するジャーナル軸受56に固定されている。
各カムキャップ75の軸受用凹部76aは、エキゾーストカムシャフト65の各被支持部66の上半部をそれぞれ回転可能に支持している。同様に、各カムキャップ75の軸受用凹部76bは、インテークカムシャフト70の各被支持部71の上半部をそれぞれ回転可能に支持している。
カムシャフトハウジング47のカムキャップ用凹部51には、端部カムキャップ80が設けられている。
端部カムキャップ80の下面には、左右一対の断面半円形をなす軸受用凹部81a、81bが形成されている。
端部カムキャップ80の底面全体及び左右両側面全体には、耐油性シール材であるFIPG (Formed In Place Gasket)と呼ばれるペースト状のガスケットGが塗布されている。
そして、ガスケットGが塗布された端部カムキャップ80はカムキャップ用凹部51に嵌合され、且つ、図示を省略したボルトによってカムキャップ用凹部51に対して固定される。ガスケットGは端部カムキャップ80に塗布された瞬間はペースト状であるが、空気に触れると時間の経過とともに徐々に半固化する。そしてガスケットGが空気に触れることにより半固化すると、端部カムキャップ80の底面全体及び左右両側面全体とカムキャップ用凹部51の内面全体との間が気密且つ液密状態となる。
端部カムキャップ80がカムキャップ用凹部51に固定されると、軸受用凹部81a及び軸受用凹部52aが、エキゾーストカムシャフト65の最も前方に位置する被支持部66を回転可能に支持する。同様に、軸受用凹部81b及び軸受用凹部52bが、インテークカムシャフト70の最も前方に位置する被支持部71を回転可能に支持する。そのため、エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70はカムシャフトハウジング47に対して自身の軸線まわりに相対回転可能となる。
図示は省略してあるが、カムシャフトハウジング47の内部には複数のロッカーアームが揺動可能に設けられている。半数のロッカーアームは、各排気バルブ45の上端に対して上方から接触し且つ各カム67に対して下方から接触している。一方、残りの半数のロッカーアームは各吸気バルブ44の上端に対して上方から接触し且つ各カム72に対して下方から接触している。さらにカムシャフトハウジング47の内部には、各ロッカーアームの吸気バルブ44及び排気バルブ45バルブそれぞれとの接触部と反対側の端部にそれぞれ接続された複数のHLA(ハイドロリックラッシュアジャスタ。図示略)が設けられている。
図3に示すように、クランクシャフト25の上記スプロケット、エキゾーストカムシャフト65のスプロケット68、及びインテークカムシャフト70のスプロケット73には、環状部材であるタイミングチェーン86が掛け回されている。
図1に示すように、カムシャフトハウジング47及び端部カムキャップ80の上面にはシリンダヘッドカバー87の下面が気密且つ液密状態で接触している。さらに、カムシャフトハウジング47とシリンダヘッドカバー87は互いに固定されている。即ち、シリンダヘッドカバー87によってカムシャフトハウジング47のカムシャフト収納空間47aの上端開口部が閉塞されている。
従って、カムシャフトハウジング47のカムシャフト収納空間47a及びシリンダヘッドカバー87の内部空間は互いに連通している。これらの空間は、シリンダヘッド本体40、カムシャフトハウジング47、及びシリンダヘッドカバー87の外部空間に対しては完全に遮断されている。
さらに図1に示すように、シリンダブロック20、シリンダヘッド本体40、カムシャフトハウジング47及びシリンダヘッドカバー87の前面並びにオイルパン30の前部の上面には、カバー部材88の各部が気密且つ液密状態で接触している。そしてカバー部材88は、シリンダブロック20、シリンダヘッド本体40、カムシャフトハウジング47、シリンダヘッドカバー87及びオイルパン30に固定されている。
カバー部材88は、その後面及び下面のみが開口している。
カバー部材88の内部にはチェーン収納空間89が形成されている(図1、図3、及び6参照)。
カバー部材88の下端はオイルパン30の前部の上面に接続されている。即ち、チェーン収納空間89の下端は、第一潤滑油貯蔵室31(クランクシャフト収納空間32)の前端部と互いに連通している。
図1、図5、図6、図8及び図9に示すように、内燃機関10の内部にはメイン潤滑油経路90及びサブ潤滑油経路100が形成されている。
メイン潤滑油経路90は、シリンダブロック内部空間21、オイルパン30(クランクシャフト収納空間32)、メインギャラリ92、オイルストレーナ93、オイルポンプ94、リリーフバルブ95、オイルフィルタ96、ピストンジェット97、チェーンジェット98、クランクシャフト軸受及びコネクティングロッド軸受を備えている。
シリンダブロック20の内部には、潤滑油の経路であるメインギャラリ92が形成されている。
シリンダブロック20には、オイルストレーナ93、オイルポンプ94及びオイルフィルタ96が設けられている。オイルストレーナ93、オイルポンプ94及びオイルフィルタ96は、油路(図示略)を介して互いに接続されている。オイルポンプ94はクランクシャフト25とチェーン(図示略)等を介して連係され且つリリーフバルブ95を一体的に備えている。
メインギャラリ92は、各クランクシャフト軸受及びピストンジェット97に接続されている。このピストンジェット97は、シリンダブロック内部空間21及びピストン23と近接するようにシリンダブロック20に設けられている。さらに、メインギャラリ92はチェーンジェット98に接続されている。このチェーンジェット98は、シリンダヘッド本体40又はシリンダブロック20に固定されている。チェーンジェット98は、チェーン収納空間89側に露出し且つタイミングチェーン86と近接している。
図1、図5、図6及び図9に示すように、サブ潤滑油経路100は、サブオイルパン20a、第一戻し用油路107、供給用油路108、サブオイルパン戻し用油路109、下降用油路110、経路変更用孔111、第二戻し用油路112、油路形成用溝113、潤滑油用孔114、115、送油パイプ116、117、油路形成用溝118、119、及び潤滑油用孔120を備えている。
シリンダブロック20は、シリンダブロック20の内部に形成された凹部(空間)であるサブオイルパン20aを備えている。
図2、図4及び図7に示すように、第一戻し用油路107はシリンダブロック20、シリンダヘッド本体40及びカムシャフトハウジング47に跨って形成されている。第一戻し用油路107の下端部は、シリンダブロック20の右側面において開口する下端接続孔107aによって構成されている。さらに第一戻し用油路107の上端部は、カムキャップ用凹部51の底面51aの右端部において開口する上端接続孔107bによって構成されている。
供給用油路108はシリンダヘッド本体40及びカムシャフトハウジング47に跨って形成されている。図示は省略してあるが、供給用油路108の下端はメイン潤滑油経路90のメインギャラリ92に接続されている。
サブオイルパン戻し用油路109はシリンダヘッド本体40及びシリンダブロック20に跨って形成されている。サブオイルパン戻し用油路109の上端部は、シリンダヘッド本体40の内部に形成された潤滑油流通空間40a(図4、図7参照)に接続されている。この潤滑油流通空間40aはカムシャフト収納空間47aに接続されている。サブオイルパン戻し用油路109の下端部はサブオイルパン20aに接続されている。
シリンダブロック20の内部には下降用油路110が形成されている。下降用油路110の上端はサブオイルパン20aに接続されている。
シリンダブロック20の内部には水平方向に延びる経路変更用孔111が形成されている。経路変更用孔111の一部には下降用油路110の下端が接続されている。経路変更用孔111の下降用油路110と反対側の端部は、シリンダブロック20の右側面において開口している。
シリンダブロック20の内部には第二戻し用油路112が形成されている。第二戻し用油路112の上端部は経路変更用孔111に接続されている。第二戻し用油路112の下端部はクランクシャフト収納空間32(下部空間22)と対向するように開口している(図示略)。
図2に示すように、底面51aの上面には軸受用凹部52a、52bの表面を通過しながら左右方向に延びる油路形成用溝113が凹設されている。
第一戻し用油路107及び供給用油路108の上端部は油路形成用溝113に接続されている。
さらに、カムシャフトハウジング47及びシリンダヘッド本体40の内部には潤滑油用孔114及び潤滑油用孔115が形成されている。潤滑油用孔114の上端部は底面51aの中央部で開口しており、潤滑油用孔115の上端部は底面51aの左端部で開口している。潤滑油用孔114及び潤滑油用孔115の側面形状は共に略L字形である。即ち、潤滑油用孔114及び潤滑油用孔115は、底面51aから下方に延びた後に後方に向かって延びている。
さらに潤滑油用孔114及び潤滑油用孔115の下端部(後端部)には、シリンダヘッド本体40内に配設され且つ前後方向に延びる送油パイプ116、117の前端部がそれぞれ接続されている。送油パイプ116、117の中間部には、複数のHLA供給用孔(図示略)が形成されている。
さらに各ジャーナル軸受56の上面には、軸受用凹部57aの表面及び軸受用凹部57bの表面を縦断するように形成された油路形成用溝118、119が凹設されている。
さらに各ジャーナル軸受56の内部には2本の潤滑油用孔120(図2では一本のみ図示)が形成されている。一方の潤滑油用孔120の上端部はジャーナル軸受56の上面において油路形成用溝118の左端部に接続され、且つ、この潤滑油用孔120の下端部はジャーナル軸受56の下面において送油パイプ116の中間部に接続されている。他方(左側)の潤滑油用孔120(図示略)の上端部はジャーナル軸受56の上面において油路形成用溝119の左端部に接続され、且つ、この潤滑油用孔120の下端部はジャーナル軸受56の下面において送油パイプ117の中間部に接続されている。
上述のようにカムシャフトハウジング47のカムキャップ用凹部51には端部カムキャップ80が嵌合及び固定される。すると、端部カムキャップ80の底面(ガスケットG)によって油路形成用溝113の上面が塞がれ、その結果、油路形成用溝113が油路となる。
以上説明した構造の内燃機関10に対して設計変更を施すことにより一系統タイプ内燃機関10Aと二系統タイプ内燃機関10Bとを選択的に製造可能である。
上述のように一系統タイプ内燃機関10Aは、一つの潤滑油循環経路を備えている。一方、二系統タイプ内燃機関10Bは二つの互いに独立した潤滑油循環経路を備えている。
図1、図4及び図5は一系統タイプ内燃機関10Aを示している。
一系統タイプ内燃機関10Aを製造するには、図4に示すように、端部カムキャップ80をカムシャフトハウジング47のカムキャップ用凹部51に装着する前に(即ち、端部カムキャップ80がカムキャップ用凹部51から分離した状態で)、第一戻し用油路107の上端接続孔107bに対して上方から潤滑油流入規制栓122を圧入する。すると潤滑油流入規制栓122の外周面が上端接続孔107bの内周面に気密且つ液密状態で接触する。
さらに、シリンダブロック20の右側面に対して閉塞部材123を、ボルト(図示略)を利用して固定する。閉塞部材123の内面は平面であり且つシリンダブロック20の右側面に対して気密且つ液密状態で接触する。そのため、閉塞部材123をシリンダブロック20の右側面に固定すると、閉塞部材123の内面によって経路変更用孔111の右側の開口端部と第一戻し用油路107の下端接続孔107aとは互いに非連続となる。
さらに一系統タイプ内燃機関10Aのオイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31は、常に潤滑油125が充填されている。
続いて一系統タイプ内燃機関10Aの動作について説明する。
キーの操作によって前記車両のイグニッションスイッチが操作されると、一系統タイプ内燃機関10Aが回転を開始する。すると図示を省略した制御手段(ECU)からの指令に基づいて、イグナイタ及びインジェクタが動作を開始する。
すると、燃料と空気とからなる混合気が吸気系統から燃焼室41に供給され、この混合気が燃焼室41において燃焼する。そのため、ピストン23がシリンダブロック20のシリンダブロック内部空間21内を上下方向に往復移動する。するとピストン23の動きがコネクティングロッド24を介してクランクシャフト25に伝わり、クランクシャフト25がその軸線まわりに回転する。すると、クランクシャフト25の回転力がタイミングチェーン86を介してエキゾーストカムシャフト65のスプロケット68及びインテークカムシャフト70のスプロケット73に伝わるので、エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70がそれぞれ自身の軸線まわりに回転する。その結果、エキゾーストカムシャフト65の各カム67が回転しながら対応する複数のロッカーアームを上下方向に移動させるので、これらのロッカーアームに接続された各排気バルブ45が上下動することにより各排気ポートを開閉する。また、インテークカムシャフト70の各カム72が回転しながら対応する複数のロッカーアームを上下方向に移動させるので、これらのロッカーアームに接続された各吸気バルブ44が上下動することにより各吸気ポートを開閉する。
さらにクランクシャフト25が回転すると、この回転力がチェーン等を介してオイルポンプ94に伝達され、オイルポンプ94が吸引動作を開始する。
オイルポンプ94が吸引動作を開始すると、オイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31内の潤滑油125が、オイルストレーナ93を介してオイルポンプ94によって吸引される。そしてオイルポンプ94から吐出された潤滑油125は、オイルフィルタ96を通った後にメインギャラリ92へ流れる。
さらに潤滑油125は、メインギャラリ92から上記クランクシャフト軸受へ供給される。クランクシャフト軸受へ供給された潤滑油125の一部は重力によってオイルパン30に戻り、残りの潤滑油125はクランクシャフト25の上記コネクティングロッド軸受へ供給され且つ重力によってオイルパン30へ戻る。
さらに潤滑油125の一部は、メインギャラリ92からピストンジェット97へ供給される。するとピストンジェット97が潤滑油125をシリンダブロック内部空間21及びピストン23に向けて噴射する。シリンダブロック内部空間21及びピストン23へ供給された潤滑油125は重力によってオイルパン30へ戻る。
さらにメインギャラリ92内に流れた潤滑油125は、メインギャラリ92からチェーンジェット98に供給される。するとチェーンジェット98は、潤滑油125をタイミングチェーン86に向けて噴射する。タイミングチェーン86へ供給された潤滑油125は重力によってオイルパン30へ戻る。
このようにオイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31内の潤滑油125はオイルポンプ94の吸引力によって、オイルパン30の内部、シリンダブロック20の内部及びカバー部材88のチェーン収納空間89の間を循環する。即ち、潤滑油125はメイン潤滑油経路90を循環する。
さらにメインギャラリ92内に流れた潤滑油125は、供給用油路108を介してカムシャフトハウジング47の油路形成用溝113に供給される。そのため、潤滑油125によってエキゾーストカムシャフト65の前端の被支持部66及びインテークカムシャフト70の前端の被支持部71が潤滑される。
さらに潤滑油125は、潤滑油用孔114及び送油パイプ116並びに潤滑油用孔115及び送油パイプ117へ流れる。そして、送油パイプ116へ流れた潤滑油125は潤滑油用孔120を介して油路形成用溝118へ流れて、インテークカムシャフト70の被支持部71を潤滑する、同様に、送油パイプ117へ流れた潤滑油125は潤滑油用孔120を介して油路形成用溝119へ流れて、エキゾーストカムシャフト65の被支持部66を潤滑する。
さらに潤滑油125は送油パイプ116、117の複数のHLA供給用孔から各HLAへ供給される。さらにHLAに供給された潤滑油125の一部は、カムシャフトハウジング47のカムシャフト収納空間47aへ流れ落ちる。
被支持部66、71を潤滑した潤滑油125の一部はカムシャフト収納空間47aへ流れ落ち、この潤滑油125の残りは各ロッカーアームに供給される。
さらに各ロッカーアームを潤滑した潤滑油125はカムシャフトハウジング47のカムシャフト収納空間47aへ流れ落ちる。するとこの潤滑油125は潤滑油流通空間40aを介してサブオイルパン戻し用油路109へ流れ、さらにサブオイルパン20aに流れる。そしてサブオイルパン20a内の潤滑油125は、下降用油路110を介して経路変更用孔111へ流れる。
すると経路変更用孔111へ流れた潤滑油125は、第二戻し用油路112の下端部からクランクシャフト収納空間32(オイルパン30)へ戻される。
また、シリンダブロック20の右側面には閉塞部材123が固定されているので、経路変更用孔111へ流れた潤滑油125が経路変更用孔111の右端開口部から一系統タイプ内燃機関10Aの外側へ流出することはない。
このように潤滑油125はオイルポンプ94の吸引力によって、メイン潤滑油経路90及びサブ潤滑油経路100を循環する。即ち、一系統タイプ内燃機関10Aのサブ潤滑油経路100は、メイン潤滑油経路90に接続された接続型サブ潤滑油経路100aとなる。
図6乃至図9は二系統タイプ内燃機関10Bを示している。
二系統タイプ内燃機関10Bを製造するには、図7に示すように、端部カムキャップ80をカムシャフトハウジング47のカムキャップ用凹部51に装着する前に(即ち、端部カムキャップ80がカムキャップ用凹部51から分離した状態で)、供給用油路108の上端部に対して上方から潤滑油流入規制栓127を圧入する。すると潤滑油流入規制栓127の外周面が供給用油路108の内周面に気密且つ液密状態で接触する。
一方、この場合は、第一戻し用油路107の上端接続孔107bに対して潤滑油流入規制栓122は圧入しない。
さらに、シリンダブロック20の右側面に対して閉塞部材123の代わりに経路切換アタッチメント128を装着する。
図7に示すように経路切換アタッチメント128は、本体部129、及び、本体部129の内面から突出する経路切換筒130を一体的に有している。
経路切換筒130の両端部は開口している。
さらに本体部129の内部には接続流路131が形成されている。接続流路131の下端部は経路切換筒130の基端側端部(右端部)に接続されている。一方、接続流路131の上端部は、本体部129の内面において開口している。
経路切換アタッチメント128は、経路切換筒130を経路変更用孔111に圧入し且つ本体部129の内面をシリンダブロック20の右側面に接触させた状態で、ボルトを利用してシリンダブロック20に固定される。本体部129の内面は平面であり且つシリンダブロック20の右側面に対して気密且つ液密状態で接触する。
このようにして経路切換アタッチメント128を経路変更用孔111に装着すると、経路切換筒130の外周面が経路変更用孔111の内周面に対して気密且つ液密状態で接触する。さらに経路切換筒130によって第二戻し用油路112の上端が塞がれる。また接続流路131の上端部が第一戻し用油路107の下端接続孔107aに接続される。即ち、経路切換筒130及び接続流路131を介して経路変更用孔111及び第一戻し用油路107が互いに連通する。
さらに本体部129の内部には、図9に示したサブオイルポンプ103及びサブオイルフィルタ105が設けられている。さらに経路切換筒130の先端部にはサブオイルストレーナ102が固定されている。サブオイルポンプ103はチェーン等を介してクランクシャフト25と連係され且つリリーフバルブ104を一体的に備えている。なお、サブオイルポンプ103は電動ポンプであってもよい。
サブオイルストレーナ102、サブオイルポンプ103及びサブオイルフィルタ105は、接続流路131により互いに接続されている。
さらに二系統タイプ内燃機関10Bのオイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31は、常に第一潤滑油133が充填されている。
一方、二系統タイプ内燃機関10Bのサブオイルパン20aは常に第二潤滑油135が充填されている。
続いて二系統タイプ内燃機関10Bの動作について説明する。
キーを操作すると、一系統タイプ内燃機関10Aと同様に、ピストン23がシリンダブロック20のシリンダブロック内部空間21内を上下方向に往復移動し、エキゾーストカムシャフト65及びインテークカムシャフト70がそれぞれ自身の軸線まわりに回転する。その結果、ロッカーアームに接続された各排気バルブ45が上下動することにより各排気ポートを開閉し、且つ、ロッカーアームに接続された各吸気バルブ44が上下動することにより各吸気ポートを開閉する。
さらにクランクシャフト25が回転すると、この回転力がチェーン等を介してオイルポンプ94及びサブオイルポンプ103に伝達され、オイルポンプ94及びサブオイルポンプ103が吸引動作を開始する。
オイルポンプ94が吸引動作を開始すると、オイルパン30の第一潤滑油貯蔵室31内の第一潤滑油133は図8に示す順序で二系統タイプ内燃機関10Bのメイン潤滑油経路90を循環する。即ち、第一潤滑油133は一系統タイプ内燃機関10Aの場合と同様の要領でメイン潤滑油経路90を循環する。
さらにメインギャラリ92内に流れた第一潤滑油133は、供給用油路108の内部を上方へ流れる。
しかし二系統タイプ内燃機関10Bの供給用油路108の上端部には潤滑油流入規制栓127が圧入されている。従って、供給用油路108を上昇した第一潤滑油133が油路形成用溝113へ流れることはない。
さらにサブオイルポンプ103が吸引動作を開始すると、サブオイルパン20aの第二潤滑油135が、下降用油路110、経路変更用孔111、サブオイルストレーナ102、経路切換筒130を介してサブオイルポンプ103によって吸引される。そしてサブオイルポンプ103から吐出された第二潤滑油135は、サブオイルフィルタ105を通った後に接続流路131を介して第一戻し用油路107へ流れる。さらに第二潤滑油135は第一戻し用油路107内を上昇して、上端接続孔107bから油路形成用溝113へ供給される。
さらに第二潤滑油135は一系統タイプ内燃機関10Aの場合と同様に、潤滑油用孔114及び送油パイプ116、潤滑油用孔115及び送油パイプ117、油路形成用溝118、119、並びに潤滑油用孔120へ流れる。従って、図9に示したように、第二潤滑油135は、ジャーナル軸受56(エキゾーストカムシャフト65の被支持部66、インテークカムシャフト70の被支持部71)、HLA及び各ロッカーアームを潤滑する。
さらに、各ロッカーアームを潤滑した第二潤滑油135はカムシャフトハウジング47のカムシャフト収納空間47aへ流れ落ちる。するとこの第二潤滑油135は潤滑油流通空間40aを介してサブオイルパン戻し用油路109へ流れてサブオイルパン20aに戻る。
このように第二潤滑油135はサブオイルポンプ103の吸引力によって、サブ潤滑油経路100を循環する。
ところで、サブオイルパン20aから下降用油路110へ流れた第二潤滑油135の第二戻し用油路112への流入は経路切換筒130によって規制されている。即ち、第二潤滑油135が第二戻し用油路112を介してクランクシャフト収納空間32(オイルパン30)へ流れることはない。
さらに上述のように、供給用油路108を上昇した第一潤滑油133が油路形成用溝113へ流れることはない。
従って、二系統タイプ内燃機関10Bではメイン潤滑油経路90とサブ潤滑油経路100とが互いに独立している。換言すると、メイン潤滑油経路90内の第一潤滑油133がサブ潤滑油経路100側へ流れることはなく、且つ、サブ潤滑油経路100内の第二潤滑油135がメイン潤滑油経路90側へ流れることはない。即ち、二系統タイプ内燃機関10Bのサブ潤滑油経路100はメイン潤滑油経路90とは独立した独立型サブ潤滑油経路100bとなる。
このように本実施形態によれば、簡単な設計変更を施すことにより一系統タイプ内燃機関10Aと二系統タイプ内燃機関10Bとを選択的に製造可能である。換言すると、シリンダブロック20及びシリンダヘッド35の設計変更を行うことなく、一系統タイプ内燃機関10Aと二系統タイプ内燃機関10Bとを選択的に製造可能である。
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、内燃機関10(一系統タイプ内燃機関10A、二系統タイプ内燃機関10B)は、タイミングチェーン86の代わりに、クランクシャフト25、エキゾーストカムシャフト65、及びインテークカムシャフト70を互いに連係する環状形状のタイミングベルト(環状連係部材)を備えてもよい。
1本のカムシャフトによって吸気バルブ44及び排気バルブ45が開閉されるように、内燃機関10が構成されてもよい。
10A・・・一系統タイプ内燃機関、10B・・・二系統タイプ内燃機関、20・・・シリンダブロック、20a・・・サブオイルパン、30・・・オイルパン、32・・・クランクシャフト収納空間、35・・・シリンダヘッド、40・・・シリンダヘッド本体、90・・・メイン潤滑油経路、94・・・オイルポンプ、100・・・サブ潤滑油経路100a・・・接続型サブ潤滑油経路、100b・・・独立型サブ潤滑油経路、102・・・サブオイルストレーナ、104・・・リリーフバルブ、103・・・サブオイルポンプ、105・・・サブオイルフィルタ、107・・・第一戻し用油路、108・・・・供給用油路、109・・・サブオイルパン戻し用油路、110・・・下降用油路、111・・・経路変更用孔、112・・・第二戻し用油路、113・・・油路形成用溝、122・・・潤滑油流入規制栓、123・・・閉塞部材、125・・・潤滑油、127・・・潤滑油流入規制栓、128・・・経路切換アタッチメント、129・・・本体部、130・・・経路切換筒、131・・・接続流路、133・・・第一潤滑油、135・・・第二潤滑油。

Claims (1)

  1. ピストンが摺動可能に支持されたシリンダブロック内部空間及びサブオイルパンを有するシリンダブロックと、
    前記ピストンの動作に連動して回転するクランクシャフトを収納するクランクシャフト収納空間を内部に備え且つ前記シリンダブロックに接続されたオイルパンと、
    前記シリンダブロック内部空間と連通し且つ前記ピストンの動作に連動して往復移動するバルブによって開閉されるポート、及び、前記サブオイルパンと連通し且つ自身の軸線まわりに回転することにより前記バルブを往復移動させるカムシャフトを収納するカムシャフト収納空間を内部に備えるシリンダヘッドと、
    前記クランクシャフト収納空間及び前記シリンダブロック内部空間に渡って形成され且つ潤滑油が内部を循環するメイン潤滑油経路と、
    前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドの内部に形成され且つ一端が前記メイン潤滑油経路に接続され他端が前記カムシャフト収納空間と連通する供給用油路、前記サブオイルパンと連通するように前記シリンダブロックの外周面に形成された経路変更用孔、前記シリンダブロック及び前記シリンダヘッドの内部に形成され且つ一端が前記シリンダブロックの外周面において開口し他端が前記カムシャフト収納空間と連通する第一戻し用油路、並びに前記シリンダブロックの内部に形成され且つ一端が前記経路変更用孔に接続され他端が前記クランクシャフト収納空間と連通する第二戻し用油路、を備え、内部を潤滑油が循環するサブ潤滑油経路と、
    前記潤滑油が前記メイン潤滑油経路を循環するように前記潤滑油に圧力を付与するオイルポンプと、
    を備える内燃機関を利用して、前記メイン潤滑油経路及び前記メイン潤滑油経路とは独立した前記サブ潤滑油経路である独立型サブ潤滑油経路を有する二系統タイプ内燃機関を製造する方法であって、
    前記供給用油路に、前記潤滑油が前記メイン潤滑油経路から前記カムシャフト収納空間側へ流れるのを規制する潤滑油流入規制栓を装着するステップ、及び
    前記カムシャフト収納空間から前記サブオイルパンを介して前記経路変更用孔へ流れた前記潤滑油が前記第二戻し用油路へ流れるのを規制しつつ前記第一戻し用油路へ流れるのを許容する切換流路及び前記潤滑油を前記切換流路を介して前記第一戻し用油路へ流すサブオイルポンプを有する経路切換アタッチメントを、前記シリンダブロックの外周面に装着して前記独立型サブ潤滑油経路を形成するステップ、
    を有する、
    内燃機関の製造方法。
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