以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態において、走行支援装置(走行支援システム)を搭載する車両1は、例えば、不図示の内燃機関を駆動源とする自動車、すなわち内燃機関自動車であってもよいし、不図示の電動機を駆動源とする自動車、すなわち電気自動車や燃料電池自動車等であってもよい。また、それらの双方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよいし、他の駆動源を備えた自動車であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置、例えばシステムや部品等を搭載することができる。また、車両1は、例えば、いわゆる「オンロード」(主として舗装された道路やそれと同等の整地路)の走行に加え、「オフロード」(主として舗装されていない不整地路等)の走行も好適に行える車両である。駆動方式としては、4つある車輪3すべてに駆動力を伝え、4輪すべてを駆動輪として用いる四輪駆動車両とすることができる。車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。例えば、「オンロード」の走行を主目的とする車両でもよい。また、駆動方式も四輪駆動方式に限定されず、例えば、前輪駆動方式や後輪駆動方式でもよい。
図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールであり、加速操作部5は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部6は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。なお、操舵部4、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等は、これらには限定されない。
また、車室2a内には、表示装置8や、音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置で手指等により操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。これら表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、ダッシュボード24の車幅方向すなわち左右方向の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の不図示の操作入力部を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に不図示の音声出力装置を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。なお、モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
また、図1、図2に例示されるように、車両1は、例えば、四輪自動車であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。これら四つの車輪3は、いずれも転舵可能に構成されうる。図3に例示されるように、車両1は、少なくとも二つの車輪3を操舵する操舵システム13を有している。操舵システム13は、アクチュエータ13aと、トルクセンサ13bとを有する。操舵システム13は、統合ECU30(electronic control unit)等によって電気的に制御されて、アクチュエータ13aを動作させる。操舵システム13は、例えば、電動パワーステアリングシステムや、SBW(steer by wire)システム等である。また、トルクセンサ13bは、例えば、運転者が操舵部4に与えるトルクを検出する。
また、車両1は、各車輪3の制動状態を個別に制御するブレーキシステム18を有している。ブレーキシステム18は、統合ECU30等によって電気的に制御されて、アクチュエータ18aを動作させる。ブレーキシステム18は、例えば、ブレーキのロックを抑制するABS(anti-lock brake system)や、コーナリング時の車両1の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC:electronic stability control)、ブレーキ力を増強させる(ブレーキアシストを実行する)電動ブレーキシステム、BBW(brake by wire)等である。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aを介して、各車輪3の制動力を個別に制御して車両1全体に制動力を与える。また、ブレーキシステム18は、車輪3毎に設けられた車輪速センサ22(22a,22b,22c,22d)からの出力に基づき、各車輪3の回転差を検出しブレーキのロックや、車輪3の空回り、横滑りの兆候等を検出して、各種制御を実行することができる。ブレーキセンサ18bは、例えば、制動操作部6の可動部の位置を検出するセンサである。
統合ECU30は、上述したように、操舵システム13やブレーキシステム18等の制御、すなわち車両1の走行に関する制御を行うとともに、機能毎に設けられた各種ECU、例えば表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36等の管理を併せて行う。すなわち、統合ECU30は、取得した判定結果に基づき、表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36等の制御を行うことができる。統合ECU30の詳細は後述する。なお、表示ECU32は、車室2aに設けられたモニタ装置11(表示装置8)の制御を主に行うとともに、表示制御の切り替え(第1制御モード、第2制御モード)を制御する。エンジンECU34は、車速制御装置としてのエンジンユニット50の制御を主に行い、車両1の出力制御(速度制御やトルク制御)を行うとともに、車速制御(制限速度値の設定)の切り替え(第1制御モード、第2制御モード)を制御する。なお、車両1の駆動源として電動機が含まれる場合、つまり、車両1が電気自動車の場合、エンジンECU34の代わりにモータECUが設けられる。また、車両1がハイブリッド自動車の場合、エンジンECU34に加えモータECUが設けられる。また、車高調整ECU36は、液圧制御ユニット56を介して車高調整装置としてのアブソーバユニット58(58a,58b,58c,58d)の制御を主として行い、車両1の車高の調整制御を行うとともに、車高制御の切り替え(第1制御モード、第2制御モード)を制御する。
図3に例示されるように、走行支援システム100(走行支援装置)では、統合ECU30、表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36、モニタ装置11、操舵システム13、ブレーキシステム18等の他、測距部16,17、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22、加速度センサ26、車高センサ28等が、電気通信回線としての車内ネットワーク23を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、例えば、CAN(controller area network)として構成されている。統合ECU30は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、操舵システム13、ブレーキシステム18等を制御することができる。また、統合ECU30は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、測距部16、測距部17、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22、加速度センサ26、車高センサ28等の検出結果や、操作入力部10等の操作信号等を、受け取ることができる。
図2に例示されるように、車体2には、複数の撮像部15として、例えば四つの撮像部15a〜15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで動画データ(撮像画像データ)を出力することができる。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°〜220°の範囲を撮影することができる。また、撮像部15の光軸は斜め下方に向けて設定されている場合もある。よって、撮像部15は、車両1が移動可能な路面や渡渉走行(水中走行)時の水面、その周辺の状況(路面の凹凸状態、凹凸までの距離、水の有無、水面の状態等)や物体(障害物として、例えば、岩、樹木、人間、自転車、車両等)を含む車両1の周辺状況(車両外部の環境)を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。
撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eに位置され、リアハッチのドア2hのリアウインドウの下方の壁部に設けられている。撮像部15bは、例えば、車体2の右側の端部2fに位置され、右側のドアミラー2gに設けられている。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部2cに位置され、フロントバンパやフロントグリル等に設けられている。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち車幅方向の左側の端部2dに位置され、左側のドアミラー2gに設けられている。表示ECU32は、複数の撮像部15で得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方から見た仮想的な俯瞰画像を生成したりすることができる。また、表示ECU32は、撮像部15で得られた広角画像のデータに演算処理や画像処理を実行し、特定の領域を切り出した画像を生成したり、特定の領域のみを示す画像データを生成したりする。また、表示ECU32は、撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点から撮像したような仮想画像データに変換(視点変換)することができる。例えば、車両1を上空から俯瞰したような俯瞰画像を示す仮想画像データに変換したり、車両1の側面を当該車両1から離れた位置から臨むような側視画像を示す仮想画像データに変換したりすることができる。表示ECU32は、取得した画像データを表示装置8に表示することで、例えば、車両1の右側方や左側方の安全確認や後述する渡渉走行時の水位の確認、車両1を俯瞰してその周囲の安全確認を実行できるような周辺監視情報を提供する。
また、表示ECU32は、渡渉走行時に、水面の状態とともに、車体2の一部を表示して渡渉走行時の車両1と水面の関係を表示して、渡渉走行支援を実行することもできる。この場合、表示ECU32は、後述するように、車両1の一部、例えば車体2の側面に水位限界線や水位参照線等を重畳した画像を表示させることができる。なお、表示ECU32は、撮像部15から提供される撮像画像データから車両1の周辺の路面に示された区画線等を識別して走行支援を実行したり、駐車区画を検出(抽出)して駐車支援を実行したりすることもできる。
また、図1、図2に例示されるように、車体2には、複数の測距部16,17として、例えば四つの測距部16a〜16dと、八つの測距部17a〜17hとが設けられている。測距部16,17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナーである。ソナーは、ソナーセンサ、あるいは超音波探知器、超音波ソナーとも称されうる。本実施形態において、測距部16,17は、車両1の車高方向において低い位置、例えば前後のバンパに設けられ、車両1の周辺の例えば障害物を検出し、その障害物までの距離を測定することができる。また、測距部16,17は、車両1が水に進入(渡渉走行)状態か否かを判定するセンサとして利用することができる。上述したように、測距部16,17は、車両1の車高方向において低い位置である前後のバンパに設けられているので、渡渉走行を行う場合、水位が渡渉走行不能となる高さ(水位限界線が重畳される高さ)に達する前の比較的早期の段階で水没する。例えば、測距部16,17が水没した場合、反射波の受信状態が不安定になり動作エラーとなる。したがって、車両1が河川や沼に進入して水没した場合、複数の測距部16,17でほぼ同時にエラー信号を出力することができる。例えば、車両1が前進走行しながら河川や沼に進入していく場合、測距部17e,17f,17g,17hがほぼ同時に水没してエラー信号を出力し、続いて測距部16c,16dがエラー信号を出力する。同様に、車両1が後進走行しながら河川や沼に進入していく場合、測距部17a,17b,17c,17dがほぼ同時に水没してエラー信号を出力し、続いて測距部16a,16bがエラー信号を出力する。つまり、測距部16,17のエラー信号の出力態様に基づいて、車両1が渡渉走行状態か否かを判定するための情報を得ることができる。なお、車両1が渡渉走行を完了した場合(上陸した場合)は、車両1が前進走行しながら河川や沼から脱出した場合、測距部17e,17f,17g,17hがほぼ同時に復帰し、続いて測距部16c,16dが復帰する。さらに上陸が進むと、測距部16a,16bが復帰し、最後に測距部17a,17b,17c,17dがほぼ同時に復帰する。このように、全ての測距部16,17が復帰した場合に、車両1が渡渉走行から脱出(完全上陸)したと判定するための情報を得ることができる。なお、測距部16,17は、防水構造とし、水没による破損等は生じないように構成されている。
舵角センサ19は、例えば、ステアリングホイール等の操舵部4の操舵量を検出するセンサである。統合ECU30は、運転者による操舵部4の操舵量や、自動操舵時の各車輪3の操舵量等を、舵角センサ19から取得して各種制御を実行する。アクセルセンサ20は、例えば、加速操作部5の可動部の位置を検出するセンサであり、運転者の要求する加速度の大きさや維持速度の大きさ等を検出する。車輪速センサ22は、各車輪3に設けられ各車輪3の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサであり、検出した回転数を示す車輪速パルス数を検出値として出力する。統合ECU30は、車輪速センサ22から取得した検出値に基づき、車両1の車速や移動量などを演算し、各種制御を実行する。なお、統合ECU30は、車輪速センサ22(22a,22b,22c,22d)の検出値に基づいて車両1の車速を算出する場合、4輪のうち最も小さな検出値の車輪3の速度に基づき車両1の車速を決定し、各種制御を実行する。また、統合ECU30は、4輪の中で他の車輪3に比べて検出値が大きな車輪3が存在する場合、例えば、他の車輪3に比べて単位期間(単位時間や単位距離)の回転数が所定数以上多い車輪3が存在する場合、その車輪3はスリップ状態(空転状態)であると見なし、各種制御を実行する。シフトセンサ21は、例えば、変速操作部7の可動部の位置を検出するセンサである。エンジンECU34は、アクセルセンサ20の検出値、車輪速センサ22(22a,22b,22c,22d)の検出値、シフトセンサ21の検出値等に従い、エンジンユニット50における燃料噴射量や吸気量を制御して車両1の車速や加速の状態を制御する。
車両1は、2個の加速度センサ26(26a,26b)を備える。なお、車両1がESCを搭載する場合、ESCに従来から搭載されている加速度センサ26(26a,26b)を用いる。加速度センサ26aは、例えば、車両1の左右方向の加速度を検出するセンサであり、加速度センサ26bは、例えば、車両1の前後方向の加速度を検出するセンサである。統合ECU30は、加速度センサ26a,26bの検出値に基づき、車両1の左右方向の傾き(ロール角)や前後方向の傾き(ピッチ角)を算出する。
車高センサ28は、車体2と車輪3とを接続するサスペンションを構成するサスペンションアーム(ロアアームなど)に接続され、サスペンションアームと車体2との上下変位量を検出する。また、車高センサ28として、路面との距離を超音波やレーザで直接計測するタイプのものを用いてもよい。車高調整ECU36は、車高センサ28の検出値に基づき、液圧制御ユニット56を制御して、各アブソーバユニット58(58a,58b,58c,58d)の伸縮動作を制御する。例えば、車両1の積載量や乗員数が変化した場合、その重量により車高が変化するが、アブソーバユニット58の伸縮状態を制御すれば車両1の車高をほぼ一定の高さに制御できる。また、アブソーバユニット58は、車両1の車速によって車高を変化させることが可能で、車速に応じた安定した走行を実現できる。さらに、アブソーバユニット58は、乗員が乗り降りするときに車高を下げたり、荷物の積み降ろしのために荷台の高さを調節したりすることが可能であり、乗り降り動作や積み降ろし作業を容易に行わせることができる。また、路面に凹凸(例えば、岩や縁石、窪み等)が存在する場合、アブソーバユニット58は、各車輪3の車高を適宜変化させて、車両1が極端に傾いたり、車体底部が路面に接触して走行不能になってしまったりすることを回避することができる。
アブソーバユニット58の伸縮状態は、液圧制御ユニット56が給排する作動流体によって制御される。液圧制御ユニット56は、例えば電動モータにより駆動される液圧ポンプを備え、リザーバタンクから作動流体を汲み上げ液圧制御ユニット56から吐出させ、各車輪3に設けられたバルブを介して各アブソーバユニット58に供給する。その結果、アブソーバユニット58は内部圧力が上昇させられ、伸長して車両1の車高を上げることができる。一方、作動流体がバルブを介してアブソーバユニット58から排出されて液圧制御ユニット56のリザーバタンクに戻されることで、アブソーバユニット58の内部圧力が低下させられ、当該アブソーバユニット58が縮んで車両1の車高を下げることができる。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
統合ECU30は、例えば、CPU38(central processing unit)や、ROM30a(read only memory)、RAM30b(random access memory)、SSD30c(solid state drive、フラッシュメモリ)等の記憶装置(記憶部)を有する。CPU38は、例えば、上述したように、操舵システム13やブレーキシステム18を制御するための車両制御モジュールを含む。また、CPU38は、表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36等の他のECUを制御して、車両1の制御状態を整地路の走行に適した第1制御モードから不整地路の走行に適した第2制御モードに切り替えたり、第2制御モードから第1制御モードに切り替えたりするモジュールを含む。なお、整地路とは、例えば舗装された路面やそれと同等の路面であり、いわゆる「オンロード」と称される路面であり、第1制御モードは、「オンロード」用制御モードということができる。一方、不整地路とは、例えば凹凸が多く存在する例えば未舗装の路面や砂地、湿地、浅い河川や沼等を含む路面であり、いわゆる「オフロード」と称される路面であり、第2制御モードは、「オフロード」用制御モードということができる。
統合ECU30のCPU38は、第1制御モードと第2制御モードとを自動的に切り替えるためのモジュールとして、例えば、比較部40や切替部42(制御部)等を含む。比較部40は、車両1の状態を検出するセンサ(車輪速センサ22、加速度センサ26、車高センサ28等)から出力される検出結果と予めROM30aやSSD30c等の記憶部に保持された参照値との比較を行う。参照値として、例えば検出結果と比較する閾値または、所定期間(例えば、所定時間、または所定の走行距離)内にその閾値以上となる回数値を含むことが可能である。また、切替部42は、比較部40による比較の結果、検出結果が参照値以上になった場合に、車両1の制御を第1制御モードから当該第1制御モードとは異なる第2制御モードに切り替える。例えば、加速度センサ26の検出結果に基づく車両1の左右方向(車幅方向)の傾き量が、例えば30°であったとする。一方、ROM30aに保持された参照値の閾値として、例えば「20°以上の傾き量の場合はオフロードである」と定められているとする。この場合、比較部40の比較の結果、検出結果の傾きが閾値以上となるので、切替部42は、車両1がオフロード走行中であると見なし、表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36等の制御をオンロード用の第1制御モードからオフロード用の第2制御モードに自動的に切り替える。また、ROM30aに保持された参照値として、例えば「20°以上の傾き量(閾値)となる場合が3回以上の場合、オフロードである」と定められているとする。この場合、比較部40の比較の結果、所定期間内(例えば、所定時間として5秒走行以内や所定の走行距離として5m走行以内等)に検出結果が閾値以上になる回数(回数値)が3回以上の場合(すなわち、複数回以上の場合)、切替部42は、車両1がオフロード走行中であると見なし、表示ECU32、エンジンECU34、車高調整ECU36等の制御をオンロード用の第1制御モードからオフロード用の第2制御モードに自動的に切り替える。なお、比較部40は、加速度センサ26の検出結果に基づく車両1の前後方向の傾き量と参照値との比較を行い、第2制御モードへ切り替えるか否かを決定してもよい。
CPU38は、ROM30a等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって比較部40や切替部42を実現することができる。RAM30bは、CPU38での演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、SSD30cは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、統合ECU30の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU38や、ROM30a、RAM30b等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、統合ECU30は、CPU38に替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD30cに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSD30cやHDDは、統合ECU30とは別に設けられてもよい。なお、統合ECU30は、各センサの検出結果に基づき、第2制御モードから第1制御モードに切り替える(戻す)制御も実行可能である。
表示ECU32は、CPU44や記憶部46(ROM、RAM、SSD等)を含む。CPU44は、記憶部46にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって表示処理のためのモジュールを実現する。表示ECU32のCPU44は、例えば、撮像部15で撮像した撮像画像データに基づく車両周辺画像の処理やその画像に重畳する各種情報(後述する傾斜計やスリップ表示計等)の処理、各種情報を表示装置8に表示する処理、ナビゲーション画面やオーディオ画面を表示する処理等を行う。
エンジンECU34は、CPU52や記憶部54(ROM、RAM、SSD等)を含む。CPU52は、記憶部54にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがってエンジン制御のためのモジュールを実現する。エンジンECU34のCPU52は、例えば、アクセルセンサ20の検出値や車輪速センサ22の検出値に基づき、エンジンユニット50における燃料噴射量や吸気量、電子スロットルの開度等を決定してエンジンユニット50の出力を決定する処理等を行う。
車高調整ECU36は、CPU60や記憶部62(ROM、RAM、SSD等)を含む。CPU60は、記憶部62にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって車高制御処理のためのモジュールを実現する。車高調整ECU36のCPU60は、例えば、図示を省略した操作スイッチの入力や重量センサの検出値や車高センサ28の検出値に基づき、液圧制御ユニット56における作動流体の給排量を決定してアブソーバユニット58の伸縮状態を決定する処理等を行う。
このように構成される走行支援システム100による第1制御モードと第2制御モードの切り替え処理を図4および図5〜図7の表示装置8の表示例を用いて説明する。
上述したように、統合ECU30の比較部40は、各種センサからの検出値に基づき、車両1の状態を監視している。例えば、図4に示すように、車両1がオフロードGに進入した場合、車両1の姿勢は路面の状態に応じて傾くとともに、走行を継続することにより前後左右の傾きを繰り返す。図4の場合、左の後輪3Rは窪みG1に嵌まり、左の前輪3Fが岩G2に乗り上げている。この場合、車両1は左の前部が高くなった姿勢になる。車両1が走行を継続すれば、左の前輪3Fが岩G2を下るため左の前部が低くなった姿勢になる。このとき、例えば加速度センサ26(26a,26b)は、前後左右に頻繁に変化する加速度を検出値として出力する。CPU38は、周知の演算方法により検出された加速度に基づき車両1の傾き量を取得することができる。前述したように、比較部40は、算出した傾き量とROM30a等が保持する参照値(閾値)とを比較し、算出した傾き量が参照値以上の場合、車両1がオフロード上に存在する(オフロードを走行している)と判定することができる。つまり、加速度センサ26は車両1の状態(傾き量)を検出する傾きセンサの一つとして機能することができる。
また、例えば車高センサ28(28a〜28d)は、前後左右が頻繁に変化する車高値を検出値として出力する。CPU38は、左右の車輪3の高低差量を検出することで車両1の傾き量を取得することができる。比較部40は、算出した傾き量とROM30a等が保持する参照値(閾値)とを比較し、算出した傾き量が参照値以上の場合、車両1がオフロード上に存在する(オフロードを走行している)と判定することができる。つまり、車高センサ28は車両1の状態(傾き量)を検出する傾きセンサの一つとして機能することができる。なお、ROM30aは、前後左右の車輪3の高低差量を比較値として保持し、車高センサ28(28a〜28d)の検出値と比較してもよい。
また、オフロードを走行する場合、車両1の各車輪3の接地バランスが崩れやすいため特定の車輪3、例えば窪みG1に嵌まった車輪3がスリップ(空転)することがある。このような場合、車輪速センサ22(22a〜22d)は、スリップ(空転)した車輪3の車輪速度を他のスリップ(空転)していない車輪3より大きな車輪速度の検出値として出力する。つまり、CPU38は、車輪3の車輪速度の違いを検出することで車両1がスリップ状態であるか否かを取得することができる。比較部40は、算出したスリップ状態を示す値(スリップ状態の継続時間や単位期間内にスリップ状態となる回数等)とROM30a等が保持する参照値(閾値)とを比較し、算出したスリップ状態を示す値が参照値以上の場合、車両1がオフロード上に存在する(オフロードを走行している)と判定することができる。つまり、車輪速センサ22は車両1の状態(スリップ状態を示す値)を検出するセンサの一つとして機能することができる。
また、路面の傾きが少なかったり、車輪3がスリップ状態(空転状態)でなかったりする場合でも、車両1が水没するような路面の場合、オフロードと見なすことができる。前述したように、車両1に設けられた複数の測距部16,17は、オンロードでは障害物等の検出を行うことができる。一方、バンパ等の車両1の低い位置に設けられた測距部16,17は、渡渉走行を行う場合、渡渉走行が不能となる高さ(水位限界線が重畳される高さ)に達する前の比較的早期の段階で水没する。この場合、測距部16,17は、反射波の受信状態が不安定になり動作エラーとなる。したがって、車両1が河川や沼等のオフロードに進入して測距部16,17が水没した場合、複数の測距部16,17でほぼ同時にエラー信号を出力する。比較部40は、検出されたエラー信号数とROM30a等が保持するほぼ同時に出力されるエラー信号の数と位置等の水没情報とを比較し、検出したエラー信号が水没情報(参照値、閾値)を満たす場合、車両1がオフロード上(水中)に存在する(渡渉走行中)と判定することができる。
比較部40の比較結果により車両1がオフロード上に存在する(オフロードを走行中)と見なすことができた場合、切替部42は、車両1の制御を第1制御モードから第2制御モードに切り替える。例えば、切替部42は、表示ECU32のCPU44に対して表示装置8の表示を切り替えるように制御信号を出力する。
なお、上述のように、比較部40の比較において、例えば、加速度センサ26の出力値に基づく検出結果、例えば、車両1の左右方向(車幅方向)の傾き量が参照値(閾値)以上になった場合、または、車高センサ28の出力値に基づく検出結果、例えば、前後左右の車輪3の高低差量(傾き量)が、参照値(閾値)以上になった場合に直ちに第1制御モードから第2制御モードに切り替えてもよい。また、他の実施形態では、比較部40は、所定期間内(例えば5秒走行以内や5m走行以内等)に閾値以上となる回数値(例えば3回)を参照値として参照し、所定期間内に検出結果が閾値以上となる回数が3回以上となる場合、統合ECU30(切替部42)は、第1制御モードから前記第2制御モードに切り替えてもよい。この場合、例えば縁石等に乗り上げて、車両1が傾いたり車高が変わったりした場合等で実際はオフロード走行でない場合に、第2制御モードへ切り替えられてしまうことが回避できる。つまり、切替部42は、所定期間内に所定頻度で車両1の状態が変化した場合、例えば、傾き量や車輪3の高低差量に変化が生じた場合にオフロード走行中であると判定して、第2制御モードへの切り替えを実行する。
同様に、比較部40の比較において、例えば、車輪速センサ22の出力値に基づく検出結果と参照値(閾値)を比較した結果、車輪3のスリップ状態を示す値が参照値(閾値)以上になった場合に直ちに第1制御モードから第2制御モードに切り替えてもよい。また、他の実施形態では、比較部40は、所定期間内(例えば5秒走行以内や5m走行以内等)に車輪3のスリップ状態を示す値が閾値以上となる回数が回数値(例えば3回)以上の場合、統合ECU30(切替部42)は、第1制御モードから前記第2制御モードに切り替えてもよい。この場合、例えば路上の小片を踏んで、一瞬、車輪3が滑った場合等で実際はオフロード走行でない場合に、第2制御モードへ切り替えられてしまうことが回避できる。つまり、切替部42は、所定期間内に所定頻度でスリップ状態になった場合にオフロード走行中であると判定して、第2制御モードへの切り替えを実行する。
なお、第2制御モードに切り替えを実行するオフロード走行と見なす場合の「閾値」、「所定期間」、「回数値」は適宜設定可能であり、搭乗者の好みに合わせた制御切替タイミングを実現可能である。
図5には、表示ECU32によって制御される表示装置8における第1制御モードの表示例としてナビゲーション画面が示されている。図5は、表示装置8の画面上に自車位置マーク80および目的地マーク82を結ぶ推奨走行経路84が表示され、車両1を目的地まで誘導する例である。つまり、図5の表示は、オンロードの走行中に適した表示例である。なお、オンロードの走行中に適した表示例として、例えばオーディオ画面でもよい。
図6には、オフロード用の車両1の状態を示す情報を表示する第2制御モードにおける表示装置8の表示例であり、車両1の周辺画像と傾斜計66およびスリップ表示計70を含む画面が示されている。図6は、表示装置8の表示領域を複数に分割して種々の方向の画像を表示している。図6は、オフロード用の画面として、例えば、表示装置8の表示領域の中央上部に前方表示領域FVを配置し、その左右に左側表示領域SVL、右側表示領域SVRを配置している。また、前方表示領域FVの下方に、傾斜計66を表示する姿勢表示領域PV、およびスリップ表示計70を表示する状態表示領域TVを配置している。前方表示領域FVには、車両1の進行推定方向を示す進路指標Rや車体2の前方側の端部2cからの距離の目安を示す前方参考線Qa、車体2の側方の端部2d,2fからの距離の目安を示す側方参考線Pa等が表示され、オフロードにおいて、より適切な路面状態の部分を選択しながら走行できるような走行支援が行えるようにしてもよい。ここで、統合ECU30は、測距部16,17の検出結果(エラー信号の有無)によって、車両1が陸上走行中か渡渉走行中かを判定できる。したがって、表示ECU32は、切替部42から第2制御モードへの切り替え信号とともに陸上走行中であることを示す信号を受け取ることが可能である。この場合、表示ECU32のCPU44は、左側表示領域SVLおよび右側表示領域SVRにおいて、車両1のボディ側面2mの表示割合より路面の表示割合を多くして、前輪3Fの周囲の路面状況を把握しやすくした画像を表示する。また、傾斜計66は、加速度センサ26(26a,26b)からの信号に基づき、車両1の左右方向の傾き(ロール角)や前後方向の傾き(ピッチ角)をシンボル68の姿勢で表示する。
また、スリップ表示計70は、車輪速センサ22(22a〜22d)からの信号に基づき、スリップ(空転)している車輪3が存在する場合、その車輪3を明示する。図6の場合、車両アイコン72の左右の前輪3Fおよび右の後輪3Rがスリップ(空転)していない状態であり、例えば半透明で表示されている。一方、左の後輪3Rはスリップ(空転)している状態であり、例えば赤色で表示されている。
図7は、統合ECU30によって、車両1が水中、つまりオフロード上に存在する(オフロードを走行中)であると見なすことができた場合、表示ECU32のCPU44が表示装置8を第2制御モードの画面に切り替えた状態を示す図である。前述したように、統合ECU30の切替部42は、車両1が渡渉走行状態に移行したことを測距部16,17のエラー信号の状態によって判定することができるため、表示ECU32に別のオフロード用画面を表示させることができる。
図7の場合、前方表示領域FV、左側表示領域SVL、右側表示領域SVR、姿勢表示領域PVのレイアウトは、図6の陸上走行時と同じであるが、左側表示領域SVL、右側表示領域SVRの内部のレイアウトが図6の場合と異なる。図7に示されるように、左側表示領域SVL、右側表示領域SVRには、「水位限界線L」と「水位参照線K」が表示されている。「水位限界線L」は、車両1が渡渉走行を行う場合、渡渉走行が不能となる高さを示す指標線であり、車両1のボディ側面2mを示す実画像に重畳されている。また、「水位参照線K」は、水位限界線Lと略平行に重畳されて、水位限界線Lには到達していないが水位の上昇を予告的に運転者等に報知する指標線である。「水位限界線L」は、車両1の設計段階での防水処理や止水処理等が施される高さと車両1の駆動性能等によって予め設定される高さを示す線であり、例えば、車輪3の接地面から600mmの位置に付される。また、「水位参照線K」が例えば2本重畳される場合、1本は、「水位限界線L」の下方例えば400mm、すなわち車輪3の接地面から200mmの位置に「第1水位参照線K1」として重畳される。また、もう1本は、「水位限界線L」の下方例えば200mm、すなわち車輪3の接地面から400mmの位置に「第2水位参照線K2」として重畳される。このように、「水位参照線K」を設けることにより、ボディ側面2mに対する水位の上昇の程度を段階的に示すことができるので、水位上昇に対する段階的な注意喚起を行うことができる。なお、「水位参照線K」の表示の有無は、運転者等によって選択できるようにしてもよい。
水位限界線L(水位参照線K)が表示される第2制御モードの画面の場合、左側表示領域SVL、右側表示領域SVRに表示される画像におけるボディ側面2mの表面の表示領域を水位限界線L(水位参照線K)が非表示の陸上走行時の場合より大きくしている。渡渉走行時の場合、水面Wが水位限界線L(水位参照線K)に対してどの程度上昇したかを主として表示する。そのため、左側表示領域SVLおよび右側表示領域SVRにおけるボディ側面2mの表示面積を増加させている。このように画像内のレイアウトを変更することで、水位限界線L(水位参照線K)と水面Wとの関係の視認性を向上することができる。
このように、走行支援システム100は、例えば、車両1の状態、例えばオフロード(不整地路)への進入状態を、参照値(閾値)と車両1の車幅方向の傾き量や前後方向の傾き量、車両1の車輪3の高低差量(左右輪の高低差量や前後輪の高低差量、前後左右の高低差量等)、車輪3のスリップ状態を示す値等とを比較し、そのうち少なくとも1項目でも参照値(閾値)以上の場合は、自動的に車両1の制御をオフロードの走行に適した第2制御モードに切り替える。また、走行支援システム100は、車両1の状態が陸上走行であるか否か、渡渉走行であるか否かの判定も可能で、第1制御モードと第2制御モードの切り替えが可能である。その結果、車両1がオフロードに進入した場合に、運転者がスイッチ等を手動で操作する必要がなく、煩わしさを感じさせにくくするとともに、車両1を最適な状態で走行(操作)できるようにすることができる。また、上述したように、所定期間内の検出結果が閾値以上となる回数が所定値(回数値、例えば3回)以上の場合に第1制御モードから第2制御モードに切り替えてもよい。この場合、同一の項目、例えば、車両1の車幅方向の傾き量について検出結果が参照値(閾値)以上となる回数が所定期間内に所定回数(例えば3回)以上になった場合に第2制御モードに切り替えるようにしてもよい。また、別の例では、異なる複数の項目、例えば、車両1の車幅方向の傾き量とスリップ状態を示す値について検出結果が閾値以上となる回数の合計が所定期間内に所定回数(例えば3回)以上になった場合に第2制御モードに切り替えるようにしてもよい。この場合、車両1の状態に過敏に反応して第2制御モードに切り替わってしまうことを抑制しつつ、険しいオフロードの場合で車両1の状態が複合的に変化するような場合には、早急に第2制御モードに切り替わるようにすることができる。
なお、上述の説明では、オフロードの走行に適した第2制御モードとして、表示モードについて説明したが、オフロード(不整地路)を走行するとき車速が高い場合、過剰な振動や衝撃が車両1および乗員に加わり、車両1の破損や乗員の不快感の原因になる場合がある。そこで、本実施形態の場合、統合ECU30(切替部42)が第2制御モードに切り替えることを決定した場合、車両1に速度制限値を設定して当該車両1の速度が第1制御モードより低く制限されるようにしてもよい。例えば、切替部42が第2制御モードへの切り替えを決定した場合、エンジンECU34のCPU52は、アクセルセンサ20の検出値に拘わらず、つまり、運転者のアクセルペダルの踏み込み量に拘わらず、燃料噴射量や吸気量を制限したり、電子スロットルの開度調整を行ったりして、車速を一定車速、例えば10km/hに制限する。つまり、車両1の車速は、0km/h〜10km/hの範囲内で制御される。このような車速制限を実施することにより、オフロードにおける車両1の走行をより安全に行わせることができる。この場合も走行支援システム100が車両1の状態、例えばオフロード(不整地路)への進入状態を検出して、自動的に車両1の制御をオフロードの走行に適した第2制御モードに切り替える。その結果、車両1がオフロードに進入した場合に、運転者がスイッチ等を手動で操作する必要がなく、煩わしさを感じさせにくくすることができるとともに、車両1を最適な状態で走行(操作)できるようにすることができる。なお、エンジンECU34による車速制限が実行された場合、表示ECU32のCPU44は、図6に示すように、第2制御モードの表示画面中、例えば前方表示領域FVに、「速度制限中」等のメッセージを重畳表示するようにしてもよい。また、音声出力装置9を用いて、「速度制限中」等の音声メッセージを出力してもよい。ただし、音声メッセージを出力する場合、過剰報知とならないように、3回程度で出力を中止することが望ましい。
同様に、車両1がオフロード(不整地路)を走行する場合、車高がオンロードの走行に適した車高のままの場合、つまり車高が低いままの場合、バンパや車体底部と路面とが接触する可能性が高くなり、車両1の破損を招いたり、車体底部が岩等に乗り上げ走行不能な状態(車輪3が路面から浮き上がった状態)になったりする場合がある。そこで、本実施形態の場合、統合ECU30(切替部42)が第2制御モードに切り替えることを決定した場合、例えば、車両1の左右輪の高低差量が参照値以上になった場合、車高を第1制御モードのときの車高より高くするようにしてもよい。例えば、切替部42が第2制御モードへの切り替えを決定した場合、車高調整ECU36のCPU60は、液圧制御ユニット56から作動流体を吐出してアブソーバユニット58を伸長させて車両1の車高をオフロードの走行に適した高さまで上昇させる。このような車高上昇制御を実施することにより、オフロードにおける車両1の走行をより安全に行わせることができる。この場合も走行支援システム100が車両1の状態、例えばオフロード(不整地路)への進入状態を検出して、自動的に制御モードをオフロードの走行に適した第2制御モードに切り替える。その結果、車両1がオフロードに進入した場合に、運転者がスイッチ等を手動で操作する必要がなく、煩わしさを感じさせにくくすることができるとともに、車両1を最適な状態で走行(操作)できるようにすることができる。なお、車両1の傾き量にしたがって車高の上昇量を決定してもよい。この場合、車両1の重心が必要以上高くなることが回避され、車両1のバランス維持を考慮しつつ、オフロードの走行性を向上することができる。なお、この場合も表示ECU32のCPU44は、表示装置8の第2制御モードの表示画面中に、「車高上昇中」等のメッセージを重畳表示してもよい。また、音声メッセージを出力してもよい。なお、このように速度制御や車高制御に関しても所定期間内に検出結果が閾値以上となる回数が所定回数(回数値)以上の場合に第1制御モードから第2制御モードに切り替えるようにしてもよい。また、第2制御モードに切り替える場合、表示制御、速度制御、車高制御を同時に第2制御モードに切り替えてもよいし、利用者の選択等により切り替え項目を選択できるようにしてもよい。例えば、表示制御と車速制御のみを第2制御モードに切り替えるようにしてもよい。また、利用者の選択等により切り替え項目の切り替えタイミングを変えてもよい。例えば、オフロード走行に移行したと見なされた場合、まず、表示制御を第2制御モードに切り替え、所定期間オフロード走行が継続された場合、速度制御を第2制御モードに切り替える。そして、さらにオフロード走行が継続された場合に、車高制御を第2制御モードに切り替えるようにしてもよい。また、この切り替えの順番は適宜変更可能である。
上述した実施形態では、車両1の状態を検出するセンサとして、加速度センサ26、車高センサ28、車輪速センサ22、測距部16、測距部17等を用いる例を説明したが、これに限定されず、適宜他のセンサも利用可能であり、同様な効果を得ることができる。例えば、撮像部15が撮像した撮像画像データによる画像に画像解析を施し、車両1の傾き量や高低差量、渡渉走行の有無等を検出してもよい。また、統合ECU30は、傾斜計66の表示状態に従い傾き量を取得してもよい。また、統合ECU30は、表示装置8に表示される画像の中から地平線(水平線)を抽出して車両1の傾き量を取得してもよい。
また、表示ECU32は、撮像画像データに視点変換等の処理を施し、第2制御モードの画像として、車両1の周辺状況が把握し易い俯瞰画像を表示装置8に表示するようにしてもよい。また、表示ECU32は、車輪3がスリップ状態(空転状態)になった場合に、撮像画像データに視点変換等の処理を施し、スリップ状態の車輪3をより認識し易い画像として、表示装置8に表示するようにしてもよい。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。