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JP2017210618A - フェノール樹脂発泡板およびその製造方法、フェノール樹脂混合物 - Google Patents

フェノール樹脂発泡板およびその製造方法、フェノール樹脂混合物 Download PDF

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JP2017210618A
JP2017210618A JP2017103038A JP2017103038A JP2017210618A JP 2017210618 A JP2017210618 A JP 2017210618A JP 2017103038 A JP2017103038 A JP 2017103038A JP 2017103038 A JP2017103038 A JP 2017103038A JP 2017210618 A JP2017210618 A JP 2017210618A
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JP2017103038A
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English (en)
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健 寺西
Takeshi Teranishi
健 寺西
勝成 梅崎
Masanari Umezaki
勝成 梅崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、発泡剤としてハロゲン化不飽和炭化水素を使用した場合でも平均気泡径の粗大化を抑制でき、環境負荷の小さいフェノール樹脂発泡板、及びその製造方法を提供する。【解決手段】フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてなるフェノール樹脂発泡層を備えるフェノール樹脂発泡板であって、前記フェノール樹脂発泡層は、熱伝導率が0.019W/m・K以下であり、平均気泡径が20μm以上120μm以下であり、密度が20kg/m3以上80kg/m3以下である、フェノール樹脂発泡板。【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂発泡板およびその製造方法と、それに用いられるフェノール樹脂混合物に関する。
フェノール樹脂発泡板は、断熱性や難燃・防火性等に優れることから、断熱材として、建築、その他の産業分野において、広く使用されている。
フェノール樹脂発泡板は、フェノール樹脂、発泡剤等を含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてなる発泡層を備える。発泡剤としては、地球温暖化係数(GWP)の小さいハロゲン化不飽和炭化水素が好ましく用いられる。しかし、ハロゲン化不飽和炭化水素は、フェノール樹脂と混合するとフェノール樹脂組成物の粘度が低下し、得られるフェノール樹脂発泡板の独立気泡率が低下する。独立気泡率が低下すると、熱伝導率が高まるという問題がある。
特許文献1には、ハロゲン化不飽和炭化水素と、炭素数6以下の炭化水素とを特定の割合で混合してフェノール樹脂組成物の粘度低下を抑制し、フェノール樹脂発泡体を得る方法が提案されている。
国際公開第2015/099086号
しかし、特許文献1の方法では、平均気泡径を十分に微細化できていない。平均気泡径は微細であるほど熱伝導率を向上することができるため、ハロゲン化不飽和炭化水素を用いたフェノール樹脂発泡体においてさらなる熱伝導率の改善が求められる。
本発明の目的は、発泡剤としてハロゲン化不飽和炭化水素を使用した場合でも平均気泡径の粗大化を抑制でき、環境負荷の小さいフェノール樹脂発泡板、及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、粉状のフェノール樹脂硬化物をフェノール樹脂組成物に配合することにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、を含むフェノール樹脂発泡層の上下面に面材を備えるフェノール樹脂発泡板であって、
前記フェノール樹脂発泡層は、
熱伝導率が0.019W/m・K以下であり、
平均気泡径が20μm以上120μm以下であり、
密度が20kg/m以上80kg/m以下である、
フェノール樹脂発泡板。
[2]前記発泡剤がさらに炭化水素、及びハロゲン化飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載のフェノール樹脂発泡板。
[3]前記発泡剤の平均の地球温暖化係数が11未満である、[1]又は[2]に記載のフェノール樹脂発泡板。
[4]前記フェノール樹脂発泡層のICP発光分光分析により定量される硫黄の量が4.0質量%以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡板。
[5]前記フェノール樹脂発泡層の制限酸素指数が30%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡板。
[6]前記粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径が、5μm以上10mm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡板。
[7]前記粉状のフェノール樹脂硬化物の制限酸素指数が30%以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡板。
[8]フェノール樹脂発泡層を備えるフェノール樹脂発泡板の製造方法であって、
フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、酸性硬化剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてフェノール樹脂発泡層を形成する工程を含み、
前記粉状のフェノール樹脂硬化物の含有量は、前記フェノール樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上50質量部以下である、フェノール樹脂発泡板の製造方法。
[9]フェノール樹脂発泡体を粉砕して粉状のフェノール樹脂硬化物を得る工程を含む、[8]に記載のフェノール樹脂発泡板の製造方法。
[10]フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤とを含むフェノール樹脂混合物であって、
10℃における粘度が80000mPa・s以上500000mPa・s以下である、フェノール樹脂混合物。
本発明によれば、発泡剤としてハロゲン化不飽和炭化水素を使用した場合でも平均気泡径の粗大化を抑制でき、環境負荷の小さいフェノール樹脂発泡板、及びその製造方法を提供できる。
<フェノール樹脂発泡板>
本発明のフェノール樹脂発泡板は、フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、酸性硬化剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてなるフェノール樹脂発泡層を備える。
本発明のフェノール樹脂発泡板は、平板状であることが好ましい。
フェノール樹脂発泡板の大きさは特に限定されず、用途等を勘案して適宜決定される。
例えば、フェノール樹脂発泡板の大きさは、幅910mm以上1000mm以下×長さ1820mm以上3300mm以下×厚さ12mm以上200mm以下とされる。
フェノール樹脂発泡板の形状は平板状であってもよく、平面視で矩形状、円形等であってもよい。
フェノール樹脂発泡層は、フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、酸性硬化剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてなる。
<フェノール樹脂組成物>
フェノール樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂、発泡剤、酸性硬化剤および界面活性剤以外の他の成分をさらに含んでもよい。
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂としては、レゾール型のものが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させて得られるフェノール樹脂である。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシノールおよびこれらの変性物等が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等が挙げられる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)等が挙げられる。ただしフェノール化合物、アルデヒド、アルカリ触媒はそれぞれ上記のものに限定されるものではない。フェノール樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合されて用いられてもよい。
フェノール化合物とアルデヒドとの使用割合は特に限定されない。好ましくは、フェノール化合物:アルデヒドのモル比で、1:1〜1:3であり、より好ましくは1:1.3〜1:2.5である。
フェノール樹脂の40℃における粘度は、1000mPa・s以上100000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以上20000mPa・s以下がより好ましい。
上記範囲内であれば、フェノール樹脂に上記各成分をミキサーで混合してフェノール樹脂組成物として連続的に吐出する際に、均一な吐出が可能であり、各成分を均一に分散させて気泡の成長も均一となるため、得られるフェノール樹脂発泡板の平均気泡径の粗大化と独立気泡率の低下を抑制できる。
粘度は、回転粘度計(東機産業(株)製、R−85U型、ローター部は3°×R−14)を用い、40℃で3分間安定させた後の測定値とした。
(粉状のフェノール樹脂硬化物)
本発明における粉状のフェノール樹脂硬化物とは、フェノール樹脂発泡体を粉砕することによって得られる粉末のことである。
粉状のフェノール樹脂硬化物の原料としてのフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂、発泡剤、酸性硬化剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてなる発泡体である。フェノール樹脂組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。
粉状のフェノール樹脂硬化物の嵩密度は、フェノール樹脂発泡体の密度や圧縮率によって任意に選択できるので特に限定しないが、嵩密度は100kg/m以上300kg/m以下が好ましく、より好ましくは130kg/m以上250kg/m以下である。嵩密度が100kg/m未満であると、フェノール樹脂と混合した際の粘度が高くなり取扱い難くなる。300kg/m以上にするには多大なエネルギーが必要となり現実的ではないといえる。
フェノール樹脂発泡体はプレス機等を用いて圧縮したものでも良いし、圧縮しないものでも良い。
粉状のフェノール樹脂硬化物の嵩密度は、JIS K 6911に従い測定することができる。
粉状のフェノール樹脂硬化物の粒径は粉砕の方法により任意の大きさを選択できる。本発明では粉末の粒径を特に限定しないが、10mmを超える粒が混入するとフェノール樹脂発泡層の性能にムラができるため好ましくない。そのため、粉砕後に篩等を使用して大きな粒を除くことが好ましい。また、平均粒径を5μm以下にするためには多大のエネルギーが必要となり好ましくない。そのため、使用する粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径は、5μm以上10mm以下が好ましく、5μm以上1mm以下がより好ましく、5μm以上500μm以下がさらに好ましく、5μm以上100μm以下が特に好ましく、10μm以上50μm以下が最も好ましい。
粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径は、レーザー回析光散乱方式粒径分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラックHRA;9320−X100)を使用し、粉末を水中に一様に分散させるため超音波で1分間処理した後測定することができる。
フェノール樹脂組成物に混合する粉状のフェノール樹脂硬化物の量は、フェノール樹脂100質量部に対して0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましい。粉体の添加量が多すぎるとフェノール樹脂組成物の粘度が高くなり、その流動性が低下する。そのため、フェノール樹脂組成物の通液配管内の流動性を考慮すると、粉体の添加量はフェノール樹脂100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。また、粉体の添加量が50質量部を超えるとフェノール樹脂発泡層の密度が高くなりやすく、フェノール樹脂発泡層の密度を一定にしようとする場合、圧縮強度が低下する傾向、及びフェノール樹脂発泡層の熱伝導率が悪化する傾向となるため、好ましくない。また、添加量が0.01質量部未満では粉体を添加する効果(粉体のリサイクル、フェノール樹脂発泡層の製造コストダウン、フェノール樹脂発泡層の性能向上)が十分に得られないため、好ましくない。そのため、添加量として0.01質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上35質量部以下がより好ましく、3質量部以上25質量部以下がさらに好ましい。
また、粉状のフェノール樹脂硬化物は酸性硬化剤として一般的に用いられているスルホン酸に由来する硫黄元素を含んでおり、粉状のフェノール樹脂硬化物を含むフェノール樹脂組成物の硬化のためにも硬化剤が添加される。そのため、粉状のフェノール樹脂硬化物を加えて製造したフェノール樹脂発泡体を、粉状のフェノール樹脂硬化物の原料として繰り返し使用すると、得られるフェノール樹脂発泡層中の硫黄分が多くなっていく可能性がある。フェノール樹脂発泡体は粉状のフェノール樹脂硬化物としての再利用、即ちマテリアルリサイクルされるだけでなく、燃焼用の固形燃料としての再利用、即ちサーマルリサイクルされる場合もあり、硫黄分を多く含むフェノール樹脂発泡体を固形燃料として使用すると、この硫黄に起因してSOx等の硫黄酸化物がより多く発生することになる。このため、粉状のフェノール樹脂硬化物を含むフェノール樹脂発泡体中の硫黄分は、粉状のフェノール樹脂硬化物を含まないフェノール樹脂発泡体の硫黄分と同等程度とすることが好ましい。
粉状のフェノール樹脂硬化物中の硫黄元素は、硫黄元素を含んでいる酸性硬化剤由来の遊離酸を除去することにより低減することができ、水や弱アルカリ性の水溶液、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸エステル、レゾルシノール、アセトン等の有機溶媒を洗浄液として用いて洗浄することで遊離酸を洗浄液中に溶解して除去することができる。洗浄に使用する洗浄液としては、有機溶媒を使用することで粉状のフェノール樹脂硬化物から溶媒を除去しやすくなるため、極性の有機溶媒を使用するのが好ましい。さらに、粉状のフェノール樹脂硬化物中の遊離酸を除去することでフェノール樹脂発泡体のpHの低下を抑えることができる。
フェノール樹脂発泡層中の硫黄の含有量は実施例に記載のICP発光分光分析により測定することができる。
ICP発光分光分析により定量される硫黄の量は、4.0質量%未満が好ましい。
上記範囲内とすることで、硬化剤に由来する硫黄分を含むフェノール樹脂硬化物を添加しても、硫黄濃度の少ないフェノール樹脂発泡体とすることができ、フェノール樹脂発泡体をサーマルリサイクルする際に発生する硫黄酸化物の量を低減することができる。
粉状のフェノール樹脂硬化物をフェノール樹脂に添加する際に、分散溶媒と粉状のフェノール樹脂硬化物とを混合し、この混合物をフェノール樹脂に添加しても良い。分散溶媒としては、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、レゾルシノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、フタル酸エステル、アセトン等の有機溶媒、さらにはこれらを混合したもの等が挙げられる。粉状のフェノール樹脂硬化物のみをフェノール樹脂に添加するよりも、フェノール樹脂と混合しやすく、粉状のフェノール樹脂硬化物の分散性を向上することができる。この場合、粉状のフェノール樹脂硬化物は粉砕後の粉体を洗浄せずそのまま分散溶媒と混合してもよく、洗浄後に洗浄液を除去した粉体と分散溶媒と混合してもよく、洗浄後に乾燥したものを用いても良い。なお、粉状のフェノール樹脂硬化物中の酸性硬化剤はこれらの分散溶媒に溶け出しやすく、洗浄せずに用いる場合には分散溶媒中に酸性硬化剤が溶け出すため、溶け出した酸性硬化剤を考慮してフェノール樹脂組成物に新たに添加する酸性硬化剤を調整してもよい。この場合、粉状のフェノール樹脂硬化物と分散溶媒との混合物の酸性度を測定しておく。
粉状のフェノール樹脂硬化物とフェノール樹脂との混合方法は特に限定されず、ハンドミキサーやピンミキサー等を利用して混合してもよいし、二軸押し出し機、混練機等を用いても良い。粉状のフェノール樹脂硬化物をフェノール樹脂に混合する段階も特に限定されず、フェノール樹脂を合成する際、原料と共に添加しておいても良いし、合成終了後、各添加剤を加える前後でも良い。粘度調整した後でも良いし、界面活性剤または/および発泡剤と共に混合しても良い。
また、フェノール樹脂、発泡剤、及び酸性硬化剤を含む組成物に混合しても良い。更に、粉状のフェノール樹脂硬化物はフェノール樹脂に必要量混合しておいても良いし、高濃度の粉状のフェノール樹脂硬化物入りフェノール樹脂をマスターバッチとして用意しておき、フェノール樹脂に必要量添加しても良い。
(発泡剤)
本発明の発泡剤は、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む。
ハロゲン化不飽和炭化水素としては、フッ素化不飽和炭化水素、塩素化フッ素化不飽和炭化水素が挙げられる。
フッ素化不飽和炭化水素としては、分子内にフッ素と2重結合を含むものが挙げられ、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)(E及びZ異性体)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO1336mzz)(E及びZ異性体)(SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−3−Z6)等の特表2009−513812号公報等に開示されるものが挙げられる。
塩素化フッ素化不飽和炭化水素としては、分子内に塩素とフッ素と2重結合を含むものが挙げられ、例えば、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエテン(E及びZ異性体)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(E及びZ異性体)(HoneyWell社製、商品名:SOLSTICE LBA)、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd)(E及びZ異性体)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zb)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xe)(E及びZ異性体)、2−クロロ−2,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xc)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)(SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−7−09)、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233ye)(E及びZ異性体)、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yc)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1223xd)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(E及びZ異性体)、及び2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(E及びZ異体)等が挙げられる。
発泡剤は、炭化水素、及びハロゲン化飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいても良い。
炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができ、沸点が−20℃以上100℃以下のものが好適に用いられる。
炭化水素としては、炭素数が4以上6以下の環状分子構造又は炭素数4以上6以下の鎖状分子構造を有するものが好ましく、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。これらの炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの炭化水素は、低温域(例えば、−80℃程度の冷凍庫用断熱材)から高温域(例えば200℃程度の加熱体用断熱材)までの広い温度範囲で優れた断熱性能を確保でき、比較的安価であり経済的にも有利である。
ハロゲン化飽和炭化水素としては、塩素化飽和炭化水素、フッ素化飽和炭化水素が挙げられる。
塩素化飽和炭化水素としては、炭素数が2以上5以下であるものが好ましく、例えばジクロロエタン、プロピルクロライド、イソプロピルクロライド、ブチルクロライド、イソブチルクロライド、ペンチルクロライド、イソペンチルクロライド等が挙げられる。
上記の中でも、オゾン層破壊係数が低く、環境適合性に優れる点で、イソプロピルクロライドが好ましい。
フッ素化飽和炭化水素としては、例えば、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオブタン(HFC365mfc)及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)等のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
本明細書において、発泡剤の平均の地球温暖化係数(以下、GWPともいう)とは、発泡剤のGWPを平均化した値である。発泡剤の平均GWPは11未満が好ましく、10未満がより好ましく、9未満がさらに好ましい。
発泡剤の平均地球温暖化係数は、IPCC第4次評価報告書及びIPCC第5次評価報告書における地球温暖化係数を参照して、混合発泡剤に含まれる各発泡剤の加重平均により求めることができる。発泡剤はGWPが11未満のものと、GWPが11〜20のものを組み合わせて平均GWPを11未満としてもよい。
GWPが11未満の発泡剤としては、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd−E):GWP=5、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze−E):GWP=6、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf):GWP=1、シス−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz−Z):GWP=8.9、イソプロピルクロライド:GWP=9.9、クロロメタン:GWP=4、ジクロロメタン:GWP=3、イソブタン:GWP=4、プロパン:GWP=3、ジメチルエーテル:GWP=1、二酸化炭素:GWP=1、が挙げられる。
また、GWPが11〜20の発泡剤としては、シクロペンタン:GWP=11、ノルマルペンタン:GWP=11、イソペンタン:GWP=11、イソブタン:GWP=15、ジクロロメタン:GWP=12、が挙げられる。
発泡剤は、必要に応じて、その他の発泡剤をさらに含んでもよい。その他の発泡剤としては、特に限定されず、例えば窒素、アルゴン、炭酸ガス、空気等の低沸点ガス;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン等の化学発泡剤;多孔質固体材料等が挙げられる。
フェノール樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1質量部以上25質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましく、5質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。上記下限値以上であると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡の程度が十分となり、フェノール樹脂発泡体の断熱性を高められやすい。上記上限値以下であると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡の程度を抑制でき、フェノール樹脂発泡体の平均気泡径の粗大化を抑制しやすい。
フェノール樹脂組成物中の発泡剤の組成(質量比)は、フェノール樹脂発泡層に含まれる発泡剤の組成と略一致している。
フェノール樹脂発泡層に含まれる発泡剤の組成は、たとえば、以下の溶媒抽出法により確認できる。
<溶媒抽出法>
予め発泡剤の標準ガスを用いて、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC/MS)での以下の測定条件における保持時間を求める。次に、上下の面材を剥がしたフェノール樹脂発泡層のサンプル1.6gを粉砕用ガラス容器に分取し、テトラヒドロフラン(THF)80mLを添加する。サンプルが溶媒に浸る程度に押しつぶした後、ホモジナイザーで1分30秒間粉砕抽出し、この抽出液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液をGC/MSに供する。発泡剤の種類は、事前に求めた保持時間とマススペクトルから同定を行う。また、他の発泡剤の種類は、保持時間とマススペクトルによって同定を行う。発泡剤成分の検出感度を各々標準ガスによって測定し、上記GC/MSで得られた各ガス成分の検出エリア面積と検出感度より、組成(質量比)を算出する。
・GC/MS測定条件
使用カラム:DB−5ms(アジレントテクノロジー社)60m、内径0.25mm、膜厚1μm
カラム温度:40℃(10分)−10℃/分−200℃
注入口温度:200℃
インターフェイス温度:230℃
キャリアガス:He 1.0mL/分
スプリット比:20:1
測定方法:走査法 m/Z=11〜550
(酸性硬化剤)
酸性硬化剤は、フェノール樹脂を硬化させるために使用される。
酸性硬化剤としては、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸;硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらの酸性硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール樹脂組成物中の酸性硬化剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、5質量部以上30質量部以下が好ましく、8質量部以上25質量部以下がより好ましく、10質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。上記上限値超であると、フェノール樹脂の吸水量が悪化する。上記下限値未満であると、フェノール樹脂の重合反応が遅く、製造時間が長くなる。
(界面活性剤)
界面活性剤は、気泡径(セル径)の微細化に寄与する。
界面活性剤としては、特に限定されず、整泡剤等として公知のものを使用できる。例えば、ひまし油アルキレンオキシド付加物、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤は、気泡径の小さい気泡を形成しやすい点で、ひまし油アルキレンオキシド付加物およびシリコーン系界面活性剤から選択される1種以上を含むことが好ましく、熱伝導率をより低く、難燃性をより高くできる点で、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドとしては、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド(以下、「EO」と略記する。)、プロピレンオキシド(以下、「PO」と略記する。)がより好ましい。ひまし油に付加するアルキレンオキシドは1種でもよく2種以上でもよい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物としては、ひまし油EO付加物、ひまし油PO付加物が好ましい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物としては、ひまし油1モルに対し、アルキレンオキシド、中でもEOが、20モル超60モル未満付加したものが好ましく、21モル以上40モル以下付加したものがより好ましい。かかるひまし油アルキレンオキシド付加物においては、ひまし油の長鎖炭化水素基を主体とする疎水性基と、所定付加モルのアルキレンオキシド(EO等)によって形成されたポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基等)を主体とする親水性基とが、分子内でバランス良く配置されて、良好な界面活性能が発揮される。そのため、フェノール樹脂発泡層の気泡径が小さくなる。また気泡壁に柔軟性が付与されて亀裂の発生が防止される。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のオルガノポリシロキサン系化合物が挙げられる。疎水部と親水部それぞれの重合度を変えて表面張力を調整しやすい点で、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体が好ましい。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体は、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとのブロック共重合体である。ブロック共重合体の構造は、特に限定されず、例えばシロキサン鎖の両方の末端にポリエーテル鎖が結合したABA型、複数のシロキサン鎖と複数のポリエーテル鎖が交互に結合した(AB)型、分岐状のシロキサン鎖の末端それぞれにポリエーテル鎖が結合した枝分かれ型、シロキサン鎖に側基(末端以外の部分に結合する基)としてポリエーテル鎖が結合したペンダント型等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体としては、例えば、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体が挙げられる。
ポリオキシアルキレンにおけるオキシアルキレン基の炭素数は2または3が好ましい。
ポリオキシアルキレンを構成するオキシアルキレン基は、1種でもよく2種以上でもよい。
ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体の具体例としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシプロピレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体としては、末端が−OR(式中、Rは、水素原子またはアルキル基である。)であるポリエーテル鎖を有するものが好ましく、熱伝導率をより低く、難燃性をより高くできる点で、Rが水素原子であるものが特に好ましい。
フェノール樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上5質量部以下がより好ましい。界面活性剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、気泡径が均一に小さくなりやすく、上限値以下であれば、フェノール樹脂発泡板の製造コストも抑えられる。
(他の成分)
他の成分としては、フェノール樹脂組成物の添加剤として公知のものを用いることができ、例えば尿素、可塑剤、充填剤(例えば、無機フィラー)、難燃剤(例えばリン系難燃剤等)、架橋剤、有機溶媒、アミノ基含有有機化合物、着色剤等が挙げられる。
尿素は、フェノール樹脂組成物を発泡成形して発泡体を作製する際、ホルムアルデヒドを捕捉するホルムアルデヒドキャッチャー剤として用いられる。
可塑剤としては、例えば、フタル酸とジエチレングリコールの反応生成物であるポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
ここで、親水性であるフェノール樹脂と相溶性の高い可塑剤、例えばポリエステルポリオールを含む可塑剤を、フェノール樹脂の粘度を下げるために添加することが知られている(例えば特許第4761446号)。
フェノール樹脂組成物は、上記の各成分を混合することにより調製できる。
各成分の混合順序は特に限定されない。
フェノール樹脂発泡層における独立気泡率は、70%以上99%以下が好ましく、85%以上99%以下がより好ましい。
上記数値範囲内であれば、低い熱伝導率を長期に亘って保つことができる。
独立気泡率は、JIS K7138−2006に準拠して測定される。
フェノール樹脂発泡層における平均気泡径は、20μm以上120μm以下であり、30μm以上120μm以下が好ましく、50μm以上110μm以下がより好ましく、50μm以上100μm以下がさらに好ましく、50μm以上100μm未満が特に好ましく、50μm以上90μm以下が最も好ましい。平均気泡径が20μm以上120μm以下であれば、気泡内での対流や輻射が抑制され、フェノール樹脂発泡層の熱伝導率が低く、断熱性に優れる。
平均気泡径は以下の方法で測定できる。
<平均気泡径>
フェノール樹脂発泡層の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切出す。試験片の厚さ方向の切断面を50倍拡大で撮影する。撮影された画像に、長さ9cmの直線を4本引く。この際、ボイド(2mm以上の空隙)を避けるように直線を引く。各直線が横切った気泡の数(JIS K6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当りの平均値を求める。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とする。
フェノール樹脂発泡層の平均気泡径は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。特に2種以上の発泡剤を併用した組成とすることにより平均気泡径を小さくすることができ、発泡剤として炭化水素/塩素化炭化水素と、フッ素化不飽和炭化水素/塩素化フッ素化不飽和炭化水素との質量比が9.9:0.1〜0.1:9.9の範囲内であれば、その範囲外の場合に比べて、平均気泡径が小さい傾向がある。
フェノール樹脂発泡層の熱伝導率は、0.019W/m・K以下であり、0.0185W/m・K以下が好ましく、0.018W/m・K以下がより好ましい。熱伝導率が0.019W/m・K以下であれば、断熱性に優れる。
熱伝導率は、JIS A 9511:2009に従い測定することができる。
フェノール樹脂発泡層の熱伝導率は、平均気泡径、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類等により調整できる。例えば、上記のとおり、平均気泡径が小さいほど、フェノール樹脂発泡層の熱伝導率が低い傾向がある。また、界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものである場合、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、熱伝導率が低い傾向がある。
フェノール樹脂発泡層は、制限酸素指数(Limited Oxygen Index;以下「LOI」ともいう。)28%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、32%以上がさらに好ましく、34%以上が特に好ましい。
LOIは、規定の条件下で、試料が有炎燃焼を維持するのに必要な23℃±2℃の酸素と窒素との混合ガスの最小酸素濃度%(体積分率)であり、燃焼性の指標である。LOIが大きいほど燃焼性が低いことを示し、一般に、LOIが26%以上であれば難燃性を有すると判断されている。
LOIはJIS K 7201−2:2007に従い測定することができる。
フェノール樹脂発泡層のLOIは、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、難燃剤の種類および組成とその量等により調整できる。例えば、発泡剤中の可燃性の発泡剤の含有量が少ない(ハロゲン化炭化水素の含有量が多い)ほど、LOIが高い。また、界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものであれば、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、LOIが高い傾向がある。さらに、リン系難燃剤等を添加することでLOIを高くすることができる。
さらに、添加する粉状のフェノール樹脂硬化物のLOIが28%以上であると、フェノール樹脂発泡層のLOIを向上させることができる。添加する粉状のフェノール樹脂硬化物のLOIは、28%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、32%以上がさらに好ましい。
フェノール樹脂発泡層の密度は、20kg/m以上80kg/m以下であり、20kg/m以上60kg/m以下が好ましく、22kg/m以上40kg/m以下がより好ましく、24kg/m以上32kg/m以下がさらに好ましい。密度が上記数値範囲内であることにより、反りや小口ヤセ等の変形の防止や、寸法安定性を向上させることができる。
密度は、JIS A 9511:2009に従い測定することができる。
フェノール樹脂発泡層の脆性は、20%以下が好ましく、10%以上18%以下がより好ましい。フェノール樹脂発泡層の脆性が上記数値範囲内であると、断熱材施工時の擦れや衝突による角欠けや割れ、凹み等の欠陥が発生しにくい。
脆性は、JIS A 9511:2003に従い測定することができる。
本発明のフェノール樹脂発泡板は、フェノール樹脂発泡層の上下面に面材を有する。
面材としては、特に制限されず、織布、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙やクラフト紙等の紙類、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、ナイロン繊維不織布等の合成繊維不織布、アルミニウム箔張不織布、金属板、金属箔、合板、珪酸カルシウム板、石膏ボードおよび木質系セメント板の中から選ばれる少なくとも1種が好適である。
各面材は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
フェノール樹脂発泡板を製造する際に面材を設ける方法としては、後述する連続走行するコンベアベルト上に面材を配置し、該面材上にフェノール樹脂組成物を吐出し、その上に他の面材を積層した後、加熱炉を通過させて発泡成形する方法が挙げられる。これにより、シート状のフェノール樹脂発泡層の両面に面材が積層した面材付きフェノール樹脂発泡板が得られる。
面材は、発泡成形の後、接着剤を用いてフェノール樹脂発泡層に貼り合わせて設けられてもよい。
なお、金属板、金属箔等の通気性の低い面材を使用することで、発泡体の表層において発泡剤ガスと空気が置換して熱伝導率が悪化するのを抑えることができるが、本発明では表層の独立気泡率を向上させたことで、合成繊維不織布や紙類等の通気性の高い面材であっても熱伝導率が悪化するのを抑えることができる。また、面材として酸化チタンが配合されたものを用いることで、面材の熱伝導度を向上させて表面の温度ムラを無くすことができ、表層の独立気泡を向上させることができる。
<フェノール樹脂発泡板の製造方法>
本発明のフェノール樹脂発泡板の製造方法は、前記フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてフェノール樹脂発泡層を形成する工程を含む。粉状のフェノール樹脂硬化物の含有量は、前記フェノール樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上50質量部以下である。
本発明のフェノール樹脂発泡板の製造は、公知の発泡成形法を利用して行うことができる。以下に一例を挙げる。
この例では、吐出装置と、吐出装置の下流側に配置された発泡成形装置と、発泡成形装置の下流側に配置された切断装置とを備える製造システムを用いる。
吐出装置は、フェノール樹脂等の原料を混合する混合部と、混合された原料(フェノール樹脂組成物)を吐出するための、流れ方向と直交する方向に沿って配置された複数のノズルとを備える。
発泡成形装置は、フレーム部および加熱手段を備える。フレーム部は、フェノール樹脂発泡板の断面形状に対応した空間が形成されるように上下左右に配置されたコンベア(下部コンベア、上部コンベア、左側コンベア、右側コンベア)を備える。下部コンベアおよび上部コンベアによって、上下方向の発泡が規制され、左側コンベアおよび右側コンベアによって、左右方向の発泡が規制されるようになっている。加熱手段によって、フレーム部を通過するフェノール樹脂組成物を加熱し、発泡、硬化できるようになっている。かかる発泡成形装置としては、例えば、特開2000−218635号公報に記載のものが挙げられる。
この製造システムにおいて、まず、吐出装置と発泡成形装置との間に第一の面材を連続的に供給する。吐出装置にてフェノール樹脂等を混合してフェノール樹脂組成物を調製し、複数のノズルから第一の面材上に吐出する。その上に第二の面材を積層して発泡成形装置のフレーム部に導入し、30℃以上95℃以下で加熱する。これにより、第一の面材と第二の面材との間でフェノール樹脂組成物が発泡、硬化して、フェノール樹脂発泡層が形成される(以上、フェノール樹脂発泡層を形成する工程)。このフェノール樹脂発泡板を発泡成形装置から導出し、切断装置で任意の長さに切断する。これにより、一方の面に第一の面材が、他方の面に第二の面材が積層したフェノール樹脂発泡板が得られる。
本発明のフェノール樹脂発泡板の製造方法は、さらに、フェノール樹脂発泡体を粉砕して粉状のフェノール樹脂硬化物を得る工程を含んでいてもよい。
フェノール樹脂発泡体の粉砕方法は特に限定しないが、転動ボールミル、転動ロッドミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、パンミル、ローラーミル、高速回転式ミル等の粉砕機を使用する方法が挙げられる。特に、粉状のフェノール樹脂硬化物の嵩密度を高めるために振動ボールミルや振動ロッドミルのように粉状のフェノール樹脂硬化物の圧密化効果が大きい微粉砕機を使用することが望ましい。原料であるフェノール樹脂発泡体は面材を有するフェノール樹脂発泡板でもよい。但し、粉状のフェノール樹脂硬化物中への面材の混入は、製造工程の各機器や配管滞留部に詰まりを起こすことが懸念されるため、面材が粉状のフェノール樹脂硬化物中へ混入することを極力少なくすることが必要である。このため、面材とフェノール樹脂発泡体の分離は、人手で行うか、転動ボールミルのように粉状のフェノール樹脂硬化物中への面材の混入を少なくする装置を用いることが重要となる。
本発明のフェノール樹脂発泡板の製造方法は、フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤とを混合してフェノール樹脂混合物を得る工程を含んでいてもよい。取扱い易さの点から、該混合物を調製してから酸性硬化剤を混合してフェノール樹脂組成物を得ることが好ましい。
該混合物の10℃における粘度は、80000mPa・s以上500000mPa・s以下が好ましく、100000mPa・s以上400000mPa・s以下がより好ましい。
粘度は、回転粘度計(東機産業(株)製、R−100型、ローター部は3°×R−14)を用い、10℃で3分間安定させた後の測定値とした。
混合物の粘度を上記数値範囲内とすることにより、平均気泡径を小さくすることができ、熱伝導率を向上することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<フェノール樹脂の合成>
反応器に52重量%ホルムアルデヒド3500kgと99重量%フェノール2510kgを仕込み、プロペラ回転式の攪拌機により攪拌し、温調機により反応器内部液温度を40℃に調整した。次いで50重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えながら昇温して、反応を行わせた。オストワルド粘度が60センチストークス(=60×10−6/s、25℃における測定値)に到達した段階で、反応液を冷却し、尿素を570kg(ホルムアルデヒド仕込み量の15モル%に相当)添加した。その後、反応液を30℃まで冷却し、パラトルエンスルホン酸一水和物の50重量%水溶液でpHを6.4に中和した。
この反応液を、60℃で脱水処理して粘度及び水分量を調整し、フェノール樹脂とした。
<平均GWP>
発泡剤の平均GWPは、(ハロゲン化不飽和炭化水素の質量%×ハロゲン化不飽和炭化水素のGWP+ハロゲン化飽和炭化水素の質量%×ハロゲン化飽和炭化水素のGWP+炭化水素の質量%×炭化水素のGWP)/100で算出した。
ハロゲン化不飽和炭化水素としてHCFO1233zd−E(GWP:5)、又はHFO1336mzz−Z(GWP:8.9)、ハロゲン化飽和炭化水素として2−クロロプロパン(GWP:9.9)、炭化水素としてイソペンタン(GWP:11)を使用した。
ここで、zdはHCFO1233zd−E、mzzはHFO1336mzz−Z、IPCは2−クロロプロパン、IPはイソペンタンを表す。得られた結果を表1に示す。
Figure 2017210618
(実施例1)
フェノール樹脂発泡体(積水化学工業(株)製、フェノバボード、制限酸素指数:33.4%)端材を、転動ボールミル(乾式、直径900mm×1,500mm)にて面材剥離及び粗粉砕してから、篩(篩目開き:1.2mm)により面材を除去した後、振動ボールミル(乾式、内径150mm、1筒15.5L×2筒)を用いて圧密化微粉砕を行い、篩(篩目開き:0.5mm)により大粒径の粉状のフェノール樹脂硬化物を除去し、粉状のフェノール樹脂硬化物を作製した。この粉状のフェノール樹脂硬化物をレーザー回析光散乱方式粒径分布測定装置で測定したところ、平均粒径は27.9μmであった。
この粉末をプロピレングリコールで洗浄した後、洗浄液を濾過して除去した。
洗浄した粉状のフェノール樹脂硬化物は、洗浄液を乾燥せずにフェノール樹脂100質量部に対して10質量部添加し、二軸押し出し機によって混練し、フェノール樹脂硬化物と含有フェノール樹脂の混合物を作製した。この混合物に、フェノール樹脂100質量部に対して、発泡剤Aを17.6質量部、界面活性剤としてシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング社製「品番SH193」、ポリエーテル鎖の末端:−OH)4質量部、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80重量%とジエチレングリコール20重量%の混合物11質量部からなる組成物を25℃に温調したミキシングヘッドに供給し、マルチポート分配管を通して、移動する下面材上に供給した。使用する混合機(ミキサー)は、特開平10−225993号に開示したものを使用した。即ち、混合機は、上部側面にフェノール樹脂に界面活性剤と粉状のフェノール樹脂硬化物とを添加した樹脂組成物、及び発泡剤の導入口を備え、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に酸性硬化剤の導入口を備えている。攪拌部以降はフォームを吐出するためのノズルに繋がっている。即ち、触媒導入口までを混合部(A)、触媒導入口〜攪拌終了部を混合部(B)、攪拌終了部〜ノズルを分配部(C)とし、これらにより構成されている。分配部(C)は先端に複数のノズルを有し、混合されたフェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。
下面材上に供給したフェノール樹脂組成物は、上面材で被覆されると同時に、上下面材で挟み込むようにして、85℃のスラット型ダブルコンベアへ送り、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアした。この際に利用したスラット型ダブルコンベアは、硬化中に発生する水分を外部に放出できるように設計したものである。上下面材で被覆された該フェノール樹脂組成物は、スラット型ダブルコンベアにより上下方向から面材を介して適度に圧力を加えることで板状に成形してフェノール樹脂発泡板とした。なお、面材としてはポリエステル製不織布(旭化成せんい(株)製「スパンボンドE05030」、秤量30g/m、厚み0.15mm)を使用した。得られたフェノール樹脂発泡体を幅910mm、長さ1820mmに切断し、厚さ45mmのフェノール樹脂発泡板を作製した。
(実施例2〜6)
発泡剤を表2のものに変更した以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例7)
発泡剤を表2のものに変更し、さらに、添加剤として炭酸カルシウムを5質量部加え、酸性硬化剤を15質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例8)
粉状のフェノール樹脂硬化物の量を20質量部とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例9)
粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径を95.2μmとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例10)
粉状のフェノール樹脂硬化物を洗浄しなかったこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例11)
粉状のフェノール樹脂硬化物を洗浄しなかったこと以外は実施例7と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例12)
粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径を5.3μmとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(実施例13)
粉状のフェノール樹脂硬化物として、製造時の不良品(制限酸素指数:29.6%)を実施例1と同様に粉砕して平均粒径を38.7μmの粉体とし、これを5質量部添加した以外は実施例3と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(比較例1)
粉状のフェノール樹脂硬化物を加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(比較例2)
粉状のフェノール樹脂硬化物を60質量部とした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(比較例3)
粉状のフェノール樹脂硬化物を加えなかったこと以外は実施例3と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
(比較例4)
粉状のフェノール樹脂硬化物の平均粒径を550.9μmとした以外は実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板の製造を行った。
<粘度の測定>
フェノール樹脂、粉状のフェノール硬化物、発泡剤、界面活性剤を混合し、フェノール樹脂混合物を得た。この混合物につき、10℃における粘度を測定した。粘度は、回転粘度計(東機産業(株)製、R−85U型、ローター部は3°×R−14)を用い、10℃で3分間安定させた後の測定値とした。
<密度の測定>
JIS A 9511:2009に従い、各フェノール樹脂発泡層の密度を測定した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2017210618
<独立気泡率の測定>
JIS K7138−2006に従い、各フェノール樹脂発泡層の独立気泡率を測定した。得られた結果を表2に示す。
<平均気泡径の測定>
フェノール樹脂発泡層の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切出した。試験片の厚さ方向の切断面を50倍拡大で撮影した。撮影された画像に、長さ9cmの直線を4本引いた。
この際、ボイド(2mm以上の空隙)を避けるように直線を引いた。各直線が横切った気泡の数(JIS K6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当りの平均値を求めた。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とした。得られた結果を表2に示す。
<熱伝導率の測定>
JIS A 9511:2009に従い、各フェノール樹脂発泡層の熱伝導率を測定した。得られた結果を表2に示す。
<硫黄濃度の測定>
・ICP発光分光分析による硫黄の量の測定
フェノール樹脂発泡層から0.1g採取し、質量を精秤した。精秤した試料の全量をPTFE製の容器に入れ、混合酸(硝酸4mL、塩酸0.3mL、フッ化水素酸0.3mL)を加えたのち、マイクロ波分解装置を用いて酸分解した。その後、加熱した試料を純水で50mLに定容した。得られた試料溶液について下記測定条件でICPを測定し、別途作成した検量線から硫黄の量を定量した。下記式からフェノール樹脂発泡層中の硫黄の濃度(質量%)を算出した。
[フェノール樹脂発泡層中の硫黄の濃度(質量%)=(試料溶液の硫黄の濃度(g/mL)×50(mL)/精秤した試料の質量(g))×100]
・ICP測定条件
測定装置:SIIナノテクノロジーSPS5100
測定元素:S(波長:181.972nm)
高周波出力:1.2kw
キャリアガス流量:0.9L/min
プラズマ流量:15L/min
補助流量:1.5L/min
・検量線作成方法
純水のみのブランク(0ppm)と、標準試料として検量線用標準液(製品名:和光純薬工業(株)社製 ICP−MS用 硫黄元素標準液)を希釈し、0.5ppm、2ppm、20ppm、50ppmに調整し、硫黄の波長ピーク強度を得た。ブランク及び標準試料の濃度とピーク強度をプロットして最小二乗法により近似曲線(直線あるいは二次曲線)を求め、これを定量用の検量線とした。
<制限酸素指数の測定>
JIS K 7201−2:2007に従い、各フェノール樹脂発泡層の制限酸素指数を測定した。得られた結果を表2に示す。
表2に示す結果から、実施例1乃至13では平均気泡径が小さく、熱伝導率を小さくすることができた。
比較例1、3は、独立気泡率は十分であったが平均気泡径が粗大になり、熱伝導率も実施例1、3に比べて悪化した。
比較例2は、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて分配部に詰まりが発生した吐出ノズルから均等に吐出できず、フェノール樹脂発泡板が製造できなかった。
比較例4は、フェノール樹脂硬化物の平均粒径が大きかったため、添加した粉状のフェノール樹脂硬化物の質量に対する粒子数が少なく、添加による粘度向上の効果が少なく平均気泡径が粗大になり、熱伝導率も実施例1に比べて悪化した。

Claims (8)

  1. フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、を含むフェノール樹脂発泡層の上下面に面材を備えるフェノール樹脂発泡板であって、
    前記フェノール樹脂発泡層は、
    熱伝導率が0.019W/m・K以下であり、
    平均気泡径が20μm以上120μm以下であり、
    密度が20kg/m以上80kg/m以下である、
    フェノール樹脂発泡板。
  2. 前記発泡剤がさらに炭化水素、及びハロゲン化飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のフェノール樹脂発泡板。
  3. 前記発泡剤の平均の地球温暖化係数が11未満である、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡板。
  4. 前記フェノール樹脂発泡層のICP発光分光分析により定量される硫黄の量が4.0質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡板。
  5. 前記フェノール樹脂発泡層の制限酸素指数が30%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡板。
  6. フェノール樹脂発泡層を備えるフェノール樹脂発泡板の製造方法であって、
    フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤と、酸性硬化剤とを含むフェノール樹脂組成物を発泡、硬化させてフェノール樹脂発泡層を形成する工程を含み、
    前記粉状のフェノール樹脂硬化物の含有量は、前記フェノール樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上50質量部以下である、フェノール樹脂発泡板の製造方法。
  7. フェノール樹脂発泡体を粉砕して粉状のフェノール樹脂硬化物を得る工程を含む、請求項6に記載のフェノール樹脂発泡板の製造方法。
  8. フェノール樹脂と、粉状のフェノール樹脂硬化物と、界面活性剤と、ハロゲン化不飽和炭化水素を含む発泡剤とを含むフェノール樹脂混合物であって、
    10℃における粘度が80000mPa・s以上500000mPa・s以下である、フェノール樹脂混合物。
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