JP2017206996A - 内燃機関の排気再循環制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気再循環装置の状態診断の精度の向上を図る。
【解決手段】排気再循環制御装置23は、エンジン11の吸気経路120と排気経路130とを連通する還流経路21に設けられているEGR弁22と、エンジン11の運転状況に応じてEGR弁22を駆動する駆動手段232とを有しており、各回の診断処理において、EGR弁22を所定の開度に開閉動作させた場合の吸気圧力の差に基づいて吸気経路120に還流する排気の実際の還流量を算出し、排気の実際の還流量と設計値との差に基づいてEGR弁22が異常であるか否かを判定し、ある回の診断処理において、排気の実際の還流量と設計値との差が所定の閾値以上である場合には、次回の診断処理においてEGR弁22の開度を大きくする。
【選択図】図4
【解決手段】排気再循環制御装置23は、エンジン11の吸気経路120と排気経路130とを連通する還流経路21に設けられているEGR弁22と、エンジン11の運転状況に応じてEGR弁22を駆動する駆動手段232とを有しており、各回の診断処理において、EGR弁22を所定の開度に開閉動作させた場合の吸気圧力の差に基づいて吸気経路120に還流する排気の実際の還流量を算出し、排気の実際の還流量と設計値との差に基づいてEGR弁22が異常であるか否かを判定し、ある回の診断処理において、排気の実際の還流量と設計値との差が所定の閾値以上である場合には、次回の診断処理においてEGR弁22の開度を大きくする。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の排気再循環制御装置に関する。
車両用の内燃機関において、排気ガス中の窒素酸化物(NOX)の低減や、部分負荷時の燃費向上などを図るため、排気再循環装置が知られている。排気再循環装置は、内燃機関の吸気経路と排気経路とを排気ガスが流通可能に連通する還流経路と、この還流経路を還流する排気ガスの量を調整するEGR弁とを有している。そして、内燃機関からの排気ガスの一部を、還流経路を通じて吸気経路に導いて再度内燃機関に吸気させる。この際、EGR弁の開度を調整することによって、吸気経路に導く排気ガスの量を制御する。
排気ガスに含まれているパティキュレートや未燃燃料やオイルなどが、還流経路の内周面に付着して堆積していくと、排気が還流経路を流れにくくなっていく。このため、この場合には、EGR弁を所定の開度に開いた場合において、設計において想定した排気ガスの還流量と、実際の排気ガスの還流量とにズレが生じることがある。そこで、排気再循環装置の状態を診断し、診断結果に基づいてEGR弁の開度を補正する構成が用いられる。排気再循環装置の状態の診断方法としては、車両の走行中に内燃機関への燃料の送給が停止されている間にEGR弁を開閉させ、EGR弁が閉鎖した状態と所定の開度に開いた状態とにおける吸気圧力の差を算出する方法が用いられている。この場合、還流経路の閉塞の程度が高くなるにしたがって、EGR弁が閉鎖した状態と所定の開度に開いた状態とにおける吸気圧力の差が小さくなっていく。したがって、この圧力の差から還流経路の閉塞の程度を診断できる。
このような診断方法においては、診断の精度の観点からは、診断時のEGR弁の開度を大きくすることが好ましい。すなわち、EGR弁の閉鎖時と開放時との吸気圧力の差は、開放時の開度が小さくなるにしたがって小さくなることから、開放時の開度が小さいと、診断の精度を確保するために必要な圧力差を得ることが困難となる。一方で、EGR弁の開度を大きくすると、内燃機関の吸気経路に還流する排気ガスの量が多くなる。このため、この状態で運転者要求により燃料カット状態から通常の状態に復帰すると、吸気経路に還流した排気ガスによって、内燃機関の回転状態が不安定となり、加速不良となったりエンストが生じたりするおそれがある。
なお、EGR弁の作動不良の判定の感度の向上を図る構成として、特許文献1には、還流経路を流れる排気ガスの流量に相関する物理量を還流物理量として算出する算出手段と、EGR弁の開度を複数の開度に変更する変更制御を実施する変更手段と、変更手段によって変更された複数の開度のそれぞれについて算出された還流物理量の相違に基づき、EGR弁の状態を判定する演算/判定手段とを有する診断装置が開示されている。しかしながら、このような構成では、複数の開度のそれぞれについてEGR弁の診断を行うことから、診断に時間を要する。
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、排気再循環装置の状態の判断の精度の向上を図りつつ、診断から復帰した際に内燃機関の回転が不安定にならないようにすることである。
前記課題を解決するため、本発明は、内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通する還流経路に設けられているEGR弁を前記内燃機関の運転状態に応じて制御する内燃機関の排気再循環制御装置において、前記EGR弁が閉鎖している状態と閉鎖ではない所定の開度である状態との吸気圧力の差から前記排気経路から前記吸気経路への排気ガスの還流量を計算し、計算した前記還流量と前記所定の開度に対応する還流量の設計値とのズレに基づいて前記還流経路と前記EGR弁の状態を判定する診断処理を実行し、ある回の前記診断処理において前記ズレが第1の閾値以上である場合には、前記ある回の次の回の前記診断処理において、前記所定の開度を大きくすることを特徴とする。
本発明によれば、排気再循環装置の状態の判断の精度の向上を図りつつ、EGRの診断からの復帰の際に内燃機関の回転が不安定になることを防止できる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態では、排気再循環装置が車両の駆動力源であるエンジン(内燃機関)に適用される例を示す。
<排気再循環装置の構成>
まず、本発明の実施形態に係る排気再循環装置2の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排気再循環装置2と、この排気再循環装置2が適用された車両1の要部の構成例を模式的に示す図である。図1に示すように、車両1は、駆動力源としてのエンジン11(内燃機関)と、エンジン11の燃焼用の空気を取り入れる吸気系12と、エンジン11からの排気ガスを外部に排出する排気系13と、エンジン11に燃料を供給する燃料系14とが含まれる。そして、車両1には排気再循環装置2が設けられている。
まず、本発明の実施形態に係る排気再循環装置2の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排気再循環装置2と、この排気再循環装置2が適用された車両1の要部の構成例を模式的に示す図である。図1に示すように、車両1は、駆動力源としてのエンジン11(内燃機関)と、エンジン11の燃焼用の空気を取り入れる吸気系12と、エンジン11からの排気ガスを外部に排出する排気系13と、エンジン11に燃料を供給する燃料系14とが含まれる。そして、車両1には排気再循環装置2が設けられている。
エンジン11は、ピストンが往復動可能に収容されている燃焼室111と、クランクシャフト115が回転可能に収容されているクランク室112と、燃焼用の空気の入口である吸気ポート113と、排気ガスの出口である排気ポート114とを有している。また、エンジン11には、クランクシャフト115の回転角度を検出するクランク角センサ116が設けられている。なお、エンジン11の構成は特に限定されるものではなく、公知の各種エンジン(内燃機関)が適用できる。また、エンジン11は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいずれであってもよい。
吸気系12は、エアクリーナ121と、スロットルボディ122と、吸気マニホールド123とを含む。エアクリーナ121は、エンジン11の負圧により吸入した燃焼用の空気を浄化する。スロットルボディ122は、後述する排気再循環制御装置23により制御され、燃焼用の空気の流量を調整する。エアクリーナ121とスロットルボディ122とは、直接にまたは吸気管などを介して、燃焼用の空気が流通可能に接続されている。吸気マニホールド123は、スロットルボディ122とエンジン11の各々の吸気ポート113とを接続している。スロットルボディ122により流量を調整された燃焼用の空気は、吸気マニホールド123を介して各々の吸気ポート113に流入する。このように、吸気系12におけるエアクリーナ121とスロットルボディ122と吸気マニホールド123は、燃焼用の空気をエンジン11の吸気ポート113に導くための吸気経路120を形成している。吸気経路120のスロットルボディ122から吸気ポート113の間には、吸気圧力を検出する吸気圧センサ124が設けられている。
排気系13は、排気マニホールド131と排気管132と触媒コンバータ133とを含む。触媒コンバータ133は、排気マニホールド131および排気管132を介してエンジン11の排気ポート114に接続されており、エンジン11から排出された排気ガスを浄化する。エンジン11が排出した排気ガスは、排気マニホールド131と排気管132とを通じて触媒コンバータ133に流入し、触媒コンバータ133を通過する際に浄化される。触媒コンバータ133には、例えば、公知の各種三元触媒などが適用できる。そして触媒コンバータ133によって浄化された排気ガスは外部(外気中)に放出される。このように、排気系13における排気マニホールド131と排気管132と触媒コンバータ133とが、エンジン11の排気ガスを外部に放出するための排気経路130を形成する。なお、排気系13の構成は特に限定されない。排気系13は、エンジン11の排気ガスを浄化して外部に放出することができる構成であればよい。例えば、排気系13が、フロント触媒コンバータとリア触媒コンバータとの2つの触媒コンバータを有していてもよい。
燃料系14は、エンジン11に燃料を供給する。燃料系14は、燃料タンク141と、燃料ポンプ142と、フューエルプレッシャーレギュレータ143と、インジェクタ144とを含む。燃料タンク141は、燃料を貯留する。燃料ポンプ142は、燃料タンク141に貯留される燃料をインジェクタ144に供給する。フューエルプレッシャーレギュレータ143は、インジェクタ144に送給する燃料の圧力を制御する。インジェクタ144は、燃料タンク141から送給された燃料を吸気経路120の内部に噴射する。インジェクタ144は、例えば吸気マニホールド123に設けられている。なお、燃料系14は、燃料を吸気経路120の内部に供給できる構成であればよく、具体的な構成は特に限定されない。
このほか、車両1には、エンジン11を制御するエンジンECU101が設けられている。エンジンECU101は、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータを有している。コンピュータのROMには、エンジン11、吸気系12、排気系13および後述する排気再循環装置2のEGR弁22を制御するためのコンピュータプログラムや所定の情報があらかじめ格納されている。そして、CPUは、ROMに格納されているコンピュータプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて実行する。この際、所定の情報を適宜読み出して参照する。これにより、エンジン11、吸気系12、排気系13およびEGR弁22が制御される。
さらに、車両1には、大気圧を検出する大気圧センサ102と、アクセル操作量(運転者要求駆動力)を検出するアクセルセンサ103とが設けられている。エンジンECU101は、大気圧センサ102による大気圧の検出結果と、アクセルセンサ103によるアクセル操作量の検出結果とを取得できる。
次に、排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置の構成例について、図2を参照して説明する。図2は、排気再循環装置2の構成例を模式的に示す図である。図2中の矢印Aは外部から吸引された燃焼用の空気の流れを模式的に示し、矢印Bは排気ガスの流れを模式的に示す。排気再循環装置2は、還流経路21と、EGR弁22と、排気再循環制御装置23とを含む。
還流経路21は、吸気経路120と排気経路130とを排気ガスが通過可能に連通する経路である。なお、還流経路21の吸気経路120の側の端部は、スロットルボディ122と吸気ポート113の間に位置している。EGR弁22は、排気再循環制御装置23により制御され、還流経路21を通じて排気経路130から吸気経路120に還流する排気ガスの量(以下、「還流量」と称する)を調整する。なお、還流経路21およびEGR弁22の構成は特に限定されるものではなく、公知の各種構成が適用できる。
排気再循環制御装置23は、演算/判定手段231と、駆動手段232と、格納手段234と、報知手段235とを含む。なお、本実施形態では、エンジンECU101が排気再循環制御装置23として機能する(排気再循環制御装置23の機能を包含する)構成を例に示す。演算/判定手段231は、後述する所定の演算や判定を行う。駆動手段232は、演算/判定手段231による計算結果や判定結果に基づいてEGR弁22を所定の開度となるように駆動する。格納手段234には、演算/判定手段231が所定の演算や判定を行う際に用いる情報や、駆動手段232がEGR弁22を制御する際に用いる情報などが格納されている。そして、演算/判定手段231と駆動手段232とは、格納手段234から所定の情報を読み出すこと、および、所定の情報を格納することができる。報知手段235は、還流経路21やEGR弁22が異常である旨を車両1の使用者(運転者等)に報知する処理(動作)を行う。報知手段235には、例えば、各種表示装置や各種拡声装置が適用される。
<排気再循環装置の動作>
ここで、排気再循環装置2の動作について説明する。排気再循環制御装置23は、エンジン11の運転状態を取得し、取得したエンジン11の運転状態に適した還流量となるように、EGR弁22の開度を制御する。エンジン11の運転状態として、例えば、エンジン11の回転数と負荷が適用できる。この場合、排気再循環制御装置23の演算/判定手段231は、エンジン11の動作中において、クランク角センサ116によるクランク角の検出結果の取得と、吸気圧センサ124による吸気圧力の検出結果との取得とを継続して実行する。そして、取得した検出結果からエンジン11の回転数と負荷との計算を継続して実行し、計算結果に基づいてEGR弁22の開度を決定する。図3は、EGR弁22の開度の決定に用いられるテーブルの例を模式的に示す図である。図3に示すように、このテーブルには、エンジン11の回転数と負荷の組み合わせに適した還流量(すなわち還流量の設計値)となるような開度が、エンジン11の回転数と負荷の組み合わせごとに規定されている。演算/判定手段231は、計算したエンジン11の回転数と負荷をこのテーブルに当てはめることにより、EGR弁22の開度を決定する。駆動手段232は、演算/判定手段231が決定した開度となるように、EGR弁22を駆動する。
ここで、排気再循環装置2の動作について説明する。排気再循環制御装置23は、エンジン11の運転状態を取得し、取得したエンジン11の運転状態に適した還流量となるように、EGR弁22の開度を制御する。エンジン11の運転状態として、例えば、エンジン11の回転数と負荷が適用できる。この場合、排気再循環制御装置23の演算/判定手段231は、エンジン11の動作中において、クランク角センサ116によるクランク角の検出結果の取得と、吸気圧センサ124による吸気圧力の検出結果との取得とを継続して実行する。そして、取得した検出結果からエンジン11の回転数と負荷との計算を継続して実行し、計算結果に基づいてEGR弁22の開度を決定する。図3は、EGR弁22の開度の決定に用いられるテーブルの例を模式的に示す図である。図3に示すように、このテーブルには、エンジン11の回転数と負荷の組み合わせに適した還流量(すなわち還流量の設計値)となるような開度が、エンジン11の回転数と負荷の組み合わせごとに規定されている。演算/判定手段231は、計算したエンジン11の回転数と負荷をこのテーブルに当てはめることにより、EGR弁22の開度を決定する。駆動手段232は、演算/判定手段231が決定した開度となるように、EGR弁22を駆動する。
なお、このテーブルはあらかじめ格納手段234に格納されている。また、具体的な開度はエンジン11の構成などに応じて適宜設定されるものであり、限定されるものではない。さらに、本実施形態ではエンジン11の回転数と負荷とに基づいてエンジン11の運転状態を判定する構成を例に示したが、エンジン11の運転状態の判定の指標はエンジン11の回転数と負荷に限定されない。排気再循環制御装置23の排気再循環装置2は、エンジン11の回転数と負荷以外のエンジン11の運転状態を示す所定の物理量を取得し、取得した物理量に基づいてEGR弁22の開度を決定する方法であってもよい。要は、最終的に外部に排出される排気ガスの窒素酸化物(NOX)の低減や、エンジン11の部分負荷時において燃費向上を図ることができるように、エンジン11の運転状態に応じてEGR弁22の開度を制御する構成であればよい。
<診断処理の内容>
次に、還流経路21やEGR弁22の状態(排気ガスの流れにくさ、すなわち、閉塞の程度)を診断する診断処理の内容について説明する。還流経路21およびEGR弁22を流れる排気ガスには、パティキュレートや未燃燃料やオイルなどが含まれている。このため、エンジン11の使用を継続すると、還流経路21やEGR弁22の内周面にこれらが付着して堆積していき、排気ガスが流れにくくなっていく。そうすると、駆動手段232が図3に示すテーブルに規定される開度となるようにEGR弁22を駆動しても、実際の還流量は設計値よりも少なくなる。さらに、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高くなるにしたがって、EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値と実際の還流量とのズレが大きくなっていく。そこで、排気再循環制御装置23は、診断処理において、この還流量のズレに基づいて還流経路21やEGR弁22の状態を診断する。なお、本実施形態では、還流経路21やEGR弁22の製造上の公差を考慮し、EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値の中央値と実際の還流量とのズレを計算する。以下、特に断らない限りは、「還流量のズレ」とは、「EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値の中央値と実際の還流量とのズレ」をいうものとする。
次に、還流経路21やEGR弁22の状態(排気ガスの流れにくさ、すなわち、閉塞の程度)を診断する診断処理の内容について説明する。還流経路21およびEGR弁22を流れる排気ガスには、パティキュレートや未燃燃料やオイルなどが含まれている。このため、エンジン11の使用を継続すると、還流経路21やEGR弁22の内周面にこれらが付着して堆積していき、排気ガスが流れにくくなっていく。そうすると、駆動手段232が図3に示すテーブルに規定される開度となるようにEGR弁22を駆動しても、実際の還流量は設計値よりも少なくなる。さらに、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高くなるにしたがって、EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値と実際の還流量とのズレが大きくなっていく。そこで、排気再循環制御装置23は、診断処理において、この還流量のズレに基づいて還流経路21やEGR弁22の状態を診断する。なお、本実施形態では、還流経路21やEGR弁22の製造上の公差を考慮し、EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値の中央値と実際の還流量とのズレを計算する。以下、特に断らない限りは、「還流量のズレ」とは、「EGR弁22の開度に対応した還流量の設計値の中央値と実際の還流量とのズレ」をいうものとする。
排気再循環制御装置23は、還流量のズレについて、還流経路21やEGR弁22が異常であると見做す所定の閾値を有している。この所定の閾値を「異常判定閾値」と称する。異常判定閾値の具体的な値は特に限定されず、適宜設定される。そして、排気再循環制御装置23は、還流量のズレがこの異常判定閾値以上である場合には、還流経路21やEGR弁22が異常である旨を車両1の使用者(運転者等)に報知する処理(動作)を実行する。
このような処理を実行するため、排気再循環制御装置23は、まず、エンジン11が燃料カットであるタイミングで、EGR弁22が閉鎖している場合と閉鎖ではない所定の開度である場合との吸気圧力の差を計算する。この際の所定の開度を「診断用開度」と称する。診断用開度には、閉鎖(全閉)と全開の中間の開度が適用される。また、ここで計算される吸気圧力の差を「開/閉吸気圧力差」と称する。そして、排気再循環制御装置23は、EGR弁22が閉鎖しているタイミングと診断用開度であるタイミングにおいて吸気圧センサ124による吸気圧力の検出結果を取得し、取得した検出結果から開/閉吸気圧力差を計算する。次いで、排気再循環制御装置23は、計算した開/閉吸気圧力差から実際の還流量を計算し、計算した実際の還流量と診断用開度に対応する還流量の設計値の中央値とから、還流量のズレを計算する。
このような構成においては、開/閉吸気圧力差が小さくなるにしたがって、実際の還流量の計算の精度が低くなり、還流量のズレの計算の精度も低くなる。また、診断用開度が一定であれば、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高くなるにしたがって開/閉吸気圧力差が小さくなっていくから、還流量のズレの計算の精度も低くなっていく。特に、診断用開度が低い値に設定されていると、開/閉吸気圧力差も小さくなるから、還流量のズレの計算の精度も低くなりやすい。そして、還流量のズレの計算の精度が低いと、還流経路21やEGR弁22の状態の診断の精度が低下する。例えば、還流経路21やEGR弁22が異常ではないにもかかわらず、異常である旨を報知する処理が実行されるおそれがある。このため、診断の精度の観点からは、診断用開度は高い方が好ましい。
一方、診断用開度を高くすると、EGR弁22の開度を診断用開度に切替えた際に、排気ガスの吸気経路120への還流量が多くなる。排気再循環制御装置23は、エンジン11が燃料カット状態である場合に診断処理を実行するが、診断処理の実行中に運転者のアクセル操作(運転者要求)を検出すると燃料カット状態から燃料が供給される状態に復帰する。この際、吸気経路120に多量の排気ガスが流入している状態であると、エンジン11の回転状態が不安定となる。その結果、加速不良となったり、エンストが生じたりするおそれがある。このため、燃料カット状態からの復帰時にエンジン11の回転状態が不安定にならないようにするためには、診断用開度は、還流量のズレの計算の精度が確保できる限りにおいてできるだけ小さい方が好ましい。
このように、診断用開度は、還流量のズレの計算の精度の観点からは高い方が好ましく、エンジン11の回転状態の観点からは低い方が好ましい。そこで、排気再循環制御装置23は、診断処理を実行するごとに、計算した還流量のズレが所定の閾値以上であるか否かを判定し、所定の閾値以上である場合には、診断用開度を補正するための補正量を設定する。説明の便宜上、この所定の閾値を「補正閾値」と称し、診断用開度を補正するための補正量を「診断用開度補正量」と称する。補正閾値は、前述の異常判定閾値よりも小さい値が適用される。そして、排気再循環制御装置23は、各回の診断処理において、それぞれの直前の回の診断処理で決定した診断用開度補正量を用いて診断用開度を補正する。そして、補正した診断用開度を用いて開/閉吸気圧力差を計算し、開/閉吸気圧力差から実際の還流量を計算し、還流量のズレが異常判定閾値以上であるか否かを判定し、還流量のズレが異常判定閾値である場合には以上である旨を報知する処理を実行する。
ここで、診断処理におけるEGR弁22の動作と吸気圧力の推移について、図4を参照して説明する。図4は、N回目(Nは任意の正の整数)の診断処理とその次のN+1回目の診断処理におけるEGR弁22の動作と吸気圧力の推移の例を示すタイムチャートである。図4に示すように排気再循環制御装置23は、エンジン11の暖機が完了しており、かつ、エンジン11が「燃料カット」状態であるタイミングで、還流量のズレに基づいて還流経路21とEGR弁22の閉塞の程度を診断する診断処理を実行する。なお、図4では、EGR弁22の閉塞の程度が、N+1回目の診断処理の実行時の方がN回目の診断処理の実行時に比較して高くなっている場合を示す。
各回の診断処理において、排気再循環制御装置23は、EGR弁22の閉鎖と診断用開度とに切替える制御を実行する。この場合、還流経路21やEGR弁22が閉塞していなければ、吸気圧力は、EGR弁22が閉鎖されている期間において最も低くなり、診断用開度である期間においては閉鎖されている期間よりも高くなる。そして、還流経路21の閉塞の程度が高くなるにしたがって、その差である開/閉吸気圧力差が小さくなっていく。そして、還流量のズレ(開/閉吸気圧力差から計算される実際の還流量と還流量の設計値の中央値のズレ)が大きくなっていく。そこで、排気再循環制御装置23は、図4に示すように、N回目の診断処理において、還流量のズレが補正閾値以上であり、かつ、異常判定閾値未満である場合には、N+1回目の診断処理において、診断用開度を補正して大きくする。例えば、N回目の診断処理における診断用開度に当該N回目の診断処理で決定した診断用開度補正量を加算した開度を、N+1回目の診断処理における診断用開度に決定する。
したがって、本発明の実施形態によれば、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が低い段階では、診断用開度を小さくすることができ、診断処理時に多量の排気ガスが吸気経路120に還流することを防止できる。このため、診断処理時に運転者要求によって燃料カット状態から通常状態に復帰した場合に、加速不良やエンストの発生を防止できる。そして、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高くなるにしたがって、診断用開度を段階的に高くしていく。この場合には、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が既に高くなっているため、診断用開度を大きくしても、診断処理時における還流量を抑制できる。したがって、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が低い段階と同様に、診断処理時に運転者要求によって燃料カット状態から燃料を供給する状態に復帰した場合において、加速不良やエンストの発生を防止できる。一方、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高くなった段階では、診断用開度を大きくすることにより、還流経路21やEGR弁22の状態の診断の精度を高めることができる。このように、本発明の実施形態によれば、還流経路21やEGR弁22の状態の判断の精度の向上を図りつつ、燃料カット状態から復帰した際にエンジン11の回転が不安定にならないようにできる。
なお、補正閾値は異常判定閾値よりも小さい値に設定されている。このような構成であると、還流量のズレが還流経路21とEGR弁22が異常であると見做すレベルに達するよりも前の段階で、診断用開度が補正される。したがって、還流経路21とEGR弁22の状態の診断の精度の向上を図ることができる。
また、排気再循環制御装置23は、各回の診断処理において、エンジン11の運転時に排気ガスを吸気経路120に還流させるためのEGR弁22の開度の補正係数を決定する。この補正係数を「運転用開度補正係数」と称する。排気再循環制御装置23は、エンジン11の運転中の診断処理以外のタイミングでは、図3に示すテーブルにより決定される開度に運転用開度補正係数を乗じることにより開度を補正し、補正した開度となるようにEGR弁22を駆動する。なお、この運転用開度補正係数は、還流量のズレに応じて設定されるものであり、還流量のズレが大きくなるにしたがって補正後のEGR弁22の開度が大きくなるように設定される。このような構成によれば、実際の還流量を、運転状態に対応した設計値(目標値)に近付けることができる。
このように、排気再循環制御装置23は、各回の診断処理において計算した還流量のズレに応じて次の回の診断処理における診断用開度を補正するとともに、エンジン11の運転時におけるEGR弁22の開度を補正する。
<診断処理のフロー>
次に、排気再循環制御装置23が実行する診断処理のフローの例について、図5を参照して説明する。図5は、診断処理の例を示すフローチャートである。この処理を実行するためのコンピュータプログラムは、排気再循環制御装置23として機能するエンジンECU101のコンピュータのROMに、あらかじめ格納されている。そして、コンピュータのCPUはこのコンピュータプログラムをROMから読み出し、RAMをワークエリアとして用いて実行する。これにより、コンピュータは、排気再循環制御装置23の各手段として機能し、図5に示すフローチャートの処理が実現する。なお、コンピュータは、起動後において、エンジン11が動作している間にこの処理を実行する。
次に、排気再循環制御装置23が実行する診断処理のフローの例について、図5を参照して説明する。図5は、診断処理の例を示すフローチャートである。この処理を実行するためのコンピュータプログラムは、排気再循環制御装置23として機能するエンジンECU101のコンピュータのROMに、あらかじめ格納されている。そして、コンピュータのCPUはこのコンピュータプログラムをROMから読み出し、RAMをワークエリアとして用いて実行する。これにより、コンピュータは、排気再循環制御装置23の各手段として機能し、図5に示すフローチャートの処理が実現する。なお、コンピュータは、起動後において、エンジン11が動作している間にこの処理を実行する。
ステップS101の「診断処理実行フラグが成立?」においては、演算/判定手段231は、診断処理を実行する条件が成立しているか否かを判定する。例えば、演算/判定手段231は、エンジン11の暖気が完了しており、かつ、エンジン11の運転状態が「燃料カット」状態である場合に、診断処理を実行する条件が成立したと判定する。診断処理を実行する条件が成立していない場合には、このステップS101で待機する(このステップS101を繰り返す)。診断処理を実行する条件が成立した場合には、ステップS102に進む。
ステップS102の「診断用開度を計算」では、演算/判定手段231は、次のステップS103において開/閉吸気圧力差を計算する際に用いるEGR弁22の診断用開度を計算する。演算/判定手段231は、前回の診断処理において用いた診断用開度に、前回の診断処理において設定した診断用開度補正量を加算した開度を、今回の診断処理で用いる診断用開度に設定する。前回の診断処理において診断用開度補正量を設定しなかった場合には、前回の診断処理において用いた診断用開度を今回の診断処理における診断用開度にそのまま設定する。なお、前回の診断処理において用いた診断用開度と、前回の診断処理において計算した診断用開度補正量とは、格納手段234に格納されている。また、初回の診断処理においては、格納手段234にあらかじめ格納されている診断用開度の初期値を用いればよい。
さらに、次のような構成であってもよい。格納手段234には、診断用開度の初期設定値があらかじめ格納されているとともに、前回の診断処理において計算した診断用開度補正量が格納されている。そして、演算/判定手段231は、診断用開度の初期設定値を、前回の診断処理において計算した診断用開度補正量で補正することにより、今回の診断処理で用いる診断用開度を決定する。
なお、診断用開度の初期値は、閉鎖(全閉)と全開の中間の開度であり、ある程度の排気ガスが通過可能な開度に設定されている。特に、還流経路21およびEGR弁22にパティキュレータなどが堆積していない状態(新品や清掃直後の状態)において、開/閉吸気圧力差がある程度の大きさとなる開度(開/閉吸気圧力差を所望の精度で計算できる最少の開度)が適用される。要は、診断用開度の初期値は、還流経路21およびEGR弁22の状態を所望の精度で診断できる限りにおいて、できるだけ小さい開度であることが好ましい。ただし、診断用開度の具体的な値(割合)は特に限定されるものではなく、還流経路21やEGR弁22の構成などに応じて適宜設定される。
ステップS103の「開/閉吸気圧力差を計算」では、演算/判定手段231は、開/閉吸気圧力差を計算する。具体的には、駆動手段232は、EGR弁22の開閉制御を実行し、EGR弁22を閉鎖(全閉)とステップS103で決定した診断用開度とに切替える。そして、演算/判定手段231は、EGR弁22を閉鎖した期間と診断用開度にした期間のそれぞれにおいて、吸気圧センサ124による吸気圧力の検出結果を取得し、その差分(圧力差)を計算する。このように計算された差分が、開/閉吸気圧力差である。そして、ステップS104に進む。
ステップS104の「実際の還流量を計算」では、演算/判定手段231は、ステップS103で計算した開/閉吸気圧力差から、排気ガスの実際の還流量を計算する。なお、実際の還流量は、車両1が存在する環境の大気圧に応じて変化する。さらに、実際の還流量はばらつくことがある。そこで、演算/判定手段231は、車両1が存在する環境の大気圧が所定のある大気圧(例えば、標準大気圧)である場合の還流量となるように、実際の還流量を補正する。さらに、演算/判定手段231は、補正した実際の還流量の平均値を計算する。そして、ステップS105に進む。
ステップS105の「運転用開度補正係数を計算」では、演算/判定手段231は、ステップS104で計算した「補正した還流量の平均値」と「診断用開度に対応する還流量の設計値の中央値」とから、還流量のズレを計算する。そして、演算/判定手段231は、計算した還流量のズレに基づいて、運転用開度補正係数を設定する。図6は、運転用開度補正係数の設定方法を模式的に示す図である。図6に示すように、運転用開度補正係数は、還流量のズレの大きさに応じて設定される。具体的には、還流量のズレが大きくなるにしたがって、運転用開度補正係数が大きくなるように設定される。
ステップS106の「還流量のズレが異常判定閾値以上?」では、演算/判定手段231は、還流量のズレが異常判定閾値以上であるか否かを判定する。前述のとおり、還流量のズレが異常判定閾値以上である場合には、還流経路21やEGR弁22の閉塞の程度が高く異常であると見做す。そこで、還流量のズレが異常判定閾値以上である場合には、ステップS107に進む。還流量のズレが異常判定閾値未満である場合には、ステップS107を経ずにステップS108に進む。
ステップS107の「報知」では、報知手段235は、還流経路21とEGR弁22が異常である旨を報知する処理(動作)を実行する。例えば、報知手段235として表示装置が適用される構成であれば、その旨を表示する処理(動作)を実行する。報知手段235として拡声装置が適用される構成であれば、所定の音声を発する処理(動作)を実行する。そして、ステップS108およびS109を経ずに、この一連の診断処理を終了する。
ステップS108の「還流量のズレが補正閾値以上?」では、演算/判定手段231は、還流量のズレが、補正閾値以上であるか否かを判定する。還流量のズレが異常判定閾値未満で補正閾値以上である場合には、還流経路21およびEGR弁22は異常ではないものの閉塞の程度がある程度高くなっている(閉塞気味である)と見做す。そして、還流量のズレが異常判定閾値未満である場合にこのステップS108に進むから、このステップS108において還流量のズレが補正閾値以上であると判定された場合には、還流経路21およびEGR弁22が閉塞気味であると見做す。そこで、還流量のズレが補正閾値以上である場合には、ステップS109に進む。還流量のズレが補正閾値未満である場合には、還流経路21およびEGR弁22が閉塞していないか、または閉塞の程度が低いと見做す。そこで、この場合には、ステップS109を経ずにこの一連の診断処理を終了する。
ステップS109の「診断用開度補正量を設定」では、演算/判定手段231は、次回の診断処理のステップS102で診断用開度の決定に用いる診断用開度補正量を設定する。なお、各回の診断処理における診断用開度を、前回の診断処理において用いた診断用開度を診断用開度補正量により補正することにより決定する構成においては、診断用開度補正量は、固定値と還流量のズレに応じた変化する値のいずれであってもよい。一方、各回の診断処理における診断用開度を、診断用開度の初期設定値を診断用開度補正量により補正することにより決定する構成であれば、診断用開度補正量は還流量のズレに応じた変化する値とすればよい。ここで、診断用開度補正量は還流量のズレに応じた変化する値とする場合には、還流量のズレが大きくなるにしたがって診断用開度補正量を大きくする。なお、診断用開度補正量の具体的な値は特に限定されるものではなく、適宜設定される。そして、演算/判定手段231は、設定した診断用開度補正量を格納手段234に格納する。以上のステップを経て、診断処理が終了する。
各回の診断処理の終了後は、駆動手段232は、運転状態に応じて規定されるEGR弁22の開度に当該各回の診断処理において設定された運転用開度補正係数を乗じた開度となるように、EGR弁22の開度を制御する。そして、駆動手段232は、当該各回の次の回の診断処理において新たに運転用開度補正係数が設定されるまでは、当該各回の診断処理において設定された運転時補正を用いてEGR弁22の開度を制御する。
このような処理のフローによれば、前述した作用効果を奏することができる。
なお、本発明の実施形態では、1回の診断処理において、1つの診断用開度を用いて開/閉吸気圧力差を計算する。このような構成によれば、1回の診断処理において複数の診断用開度を用いる構成と比較して、診断処理に要する時間を短縮できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述の実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、開/閉吸気圧力差から還流量のズレを計算し、計算した還流量に基づいて還流経路21およびEGR弁22の状態を診断する構成を示したが、このような構成に限定されない。例えば、開/閉吸気圧力差に基づいて状態を診断する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、エンジンECU101が排気再循環制御装置23として機能する(排気再循環制御装置23の機能を包含する)構成を示したが、このような構成に限定されない。例えば、車両1に搭載されるエンジンECU101とは別のECUが排気再循環制御装置23として機能する構成であってもよく、複数のECUが協働して排気再循環制御装置23として機能する構成であってもよい。さらに、それらのECUとは別に排気再循環制御装置23が設けられる構成であってもよい。この場合には、排気再循環制御装置23は、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータを含む。そして、ROMにはEGR弁を制御するためのコンピュータプログラムや所定の情報があらかじめ格納されており、CPUはROMに格納されているコンピュータプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて実行する。この際、CPUは、ROMに格納されている所定の情報を適宜読み出して参照する。これにより、コンピュータが前記各手段として機能し、EGR弁の制御と前述の診断処理が実現する。
本発明は、排気再循環装置の状態の診断に有効な技術である。そして、本発明によれば、還流経路やEGR弁の状態の判断の精度の向上を図りつつ、EGRの診断からの復帰の際に内燃機関の回転が不安定になることを防止できる。
1:車両、101:エンジンECU、102:大気圧センサ、103:アクセルセンサ、11:エンジン、111:燃焼室(シリンダ)、112:クランク室、113:吸気ポート、114:排気ポート、115:クランクシャフト、116:クランク角センサ、12:吸気系、120:吸気経路、121:エアクリーナ、122:スロットルボディ、123:吸気マニホールド、124:吸気圧センサ、13:排気系、130:排気経路、131:排気マニホールド、132:排気管、133:触媒コンバータ、14:燃料系、141:燃料タンク、142:燃料ポンプ、143:フューエルプレッシャーレギュレータ、144:インジェクタ、2:排気再循環装置、21:還流経路、22:EGR弁、23:排気再循環制御装置、231:演算/判定手段、232:駆動手段、234:格納手段、235:報知手段
Claims (2)
- 内燃機関の吸気経路と排気経路とを連通する還流経路に設けられているEGR弁を前記内燃機関の運転状態に応じて制御する内燃機関の排気再循環制御装置において、
前記EGR弁が閉鎖している状態と閉鎖ではない所定の開度である状態との吸気圧力の差から前記排気経路から前記吸気経路への排気ガスの還流量を計算し、計算した前記還流量と前記所定の開度に対応する還流量の設計値とのズレに基づいて前記還流経路と前記EGR弁の状態を判定する診断処理を実行し、
ある回の前記診断処理において前記ズレが第1の閾値以上である場合には、前記ある回の次の回の前記診断処理において、前記所定の開度を大きくすることを特徴とする内燃機関の排気再循環制御装置。 - 前記ズレが、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上である場合に、前記還流経路と前記EGR弁が異常であると報知することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気再循環制御装置。
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2016
- 2016-05-18 JP JP2016099481A patent/JP2017206996A/ja active Pending
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