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JP2017193796A - 製紙用フェルト基布及び製紙用フェルト基布の製造方法 - Google Patents

製紙用フェルト基布及び製紙用フェルト基布の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】螺旋状に巻かれて幅方向端部が接合されることにより製紙用フェルトの基布を構成する小幅基布のほつれを防止する。【解決手段】小幅基布(11)は、経糸(13)、緯糸(14)及び絡み糸(15)を備える。小幅基布の幅方向端部には、絡み糸によって2列の絡み織(16)が形成される。緯糸の50%以上を片撚糸とすることにより、絡み糸の緯糸に対する引っ掛かりを強めてほつれを防止する。片撚糸は、3本の前記フィラメントを、10cm当たり19〜32回撚り合わせたものであることが好ましい。【選択図】図1

Description

本開示は、製紙用フェルト基布及び製紙用フェルト基布の製造方法に関する。
製紙用フェルトは、抄紙機のプレスパートで使用され、搾水される湿紙を運搬する。フェルトは、経糸及び緯糸を互いに織り込んだ基布と、基布に短繊維シートをニードリングして形成したバット繊維層とを備える。基布は、製品の丈及び幅に対応する織物を織り上げて形成する方法以外に、図7に示すように、製品幅よりも小さい幅の小幅基布1を作成し(図7(A))、小幅基布1を螺旋状に巻きながら隣接させた幅方向の端部を接合し(図7(B))、螺旋状に巻かれた小幅基布の幅方向の長さが製品幅に達したら(図7(C))、段差が生じている両端部を機械方向に平行に切断して製紙用フェルト基布2とする(図7(D))方法が知られている。例えば、特許文献1には、このような製紙用フェルト基布と、逆方向に螺旋状に巻いた製紙用フェルト基布とを重ね合わせて多層構造の基布を作成することが記載されている。
特表平6−503385号公報
一般に、製紙用フェルトはその目的や適用される抄紙機に応じて個別に製造されるため、基布の寸法も製造されるフェルトごとに異なる。よって、注文を受けてから基布を製造することになるが、小幅基布を利用して基布を製造する場合、所定の幅の小幅基布をあらかじめ製造しておき、その小幅基布を螺旋状に巻きつけて接合することにより所望の寸法の基布を製造できるため、納期を短縮できるという利点がある。一方で、小幅基布には、幅方向の端部がほつれやすいという問題があった。特に、緯糸に太いモノフィラメントを配置した場合に、幅方向の端部のほつれが顕著であった。そのため、小幅基布を螺旋状に巻いた際に互いに隣接する幅方向の端部を接合できなくなったり、接合できたとしても、接合部に十分な強度が得られないため後工程において基布を取り扱う際に接合部分が裂けたり、接合部分にむらが生じたりするおそれがあった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、小幅基布の接合部分が十分な強度を持った製紙用フェルト基布及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る製紙用フェルト(12)は、小幅基布(11)が螺旋状に巻かれて幅方向の端部が互いに接合されていることによって構成される機械方向に無端の製紙用フェルト基布であって、前記小幅基布が、丈方向に延在する経糸(13)と、前記経糸に織り込まれて幅方向に延在する緯糸(14)と、前記幅方向の端部に前記丈方向に延在するように絡み織(16)で織り込まれた絡み糸(15)とを備え、前記緯糸の50%以上は、片撚糸からなることを特徴とする。
この構成によれば、絡み糸が片撚糸の表面の凹凸に引っ掛かるとともに、片撚糸の屈曲性が高いことから経糸に織り込まれた片撚糸からなる緯糸が屈曲し、その屈曲した片撚糸に絡み糸が引っ掛かるため、絡み糸が幅方向に滑りにくくなり、小幅基布のほつれが抑制され、接合部分が十分な強度を持った製紙用フェルト基布を提供することができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記片撚糸は、3本のモノフィラメントを撚り合わせた糸であり、前記片撚糸の撚り数は、10cm当たり19〜32回であることを特徴とする。
この構成によれば、片撚糸の屈曲性と耐圧縮性のバランスがとれ、小幅基布の耐圧縮性を損なわずに、ほつれを抑制できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記経糸は、直径が0.35〜0.45mmの円形の断面形状を有し、前記片撚糸を構成する前記モノフィラメントの各々は、直径が0.18〜0.30mmの円形の断面形状を有し、前記絡み糸は、直径が0.15〜0.25mmの円形の断面形状、又は、長辺が0.20〜0.40mmであり短辺が0.10〜0.25mmである矩形の断面形状を有することを特徴とする。
このような経糸と、緯糸を構成する片撚糸との太さに対して、絡み糸の太さをこの構成のように設定すれば、製織時の糸切れを防止するとともに、絡み糸が紙にマークを付ける原因となることを抑制できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記絡み織は、2本の前記絡み糸を互いに織り込むことにより構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、小幅基布の基本組織を構成する経糸に対して、ほつれ防止のための絡み糸を独立に構成できるため、製織の管理が容易となる。
また、本発明の少なくともいくつかの他の実施形態は、上記構成において、前記絡み織は、1本の前記絡み糸を1本の前記経糸に織り込むことにより構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、幅方向の端部の経糸と絡み糸とを一体に織り込めるため、小幅基布の幅方向端部の強度の低下を防止できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記絡み織は、前記幅方向の両端部の各々に、2列設けられたことを特徴とする。
この構成によれば、より確実に小幅基布の幅方向端部のほつれを防止できる。前記絡み織は、前記幅方向の両端部の各々に、3列以上設けてもよいが、2列設けた場合とでほつれ防止の効果は変わらないため、2列設けた場合が、ほつれ防止と製造上の手間の増大の抑制とのバランスが最もよい。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記絡み糸は、蛍光糸からなることを特徴とする。
この構成によれば、小幅基布の幅方向の端部の視認性が高まるため、小幅基布の幅方向の端部の接合時に接合箇所がずれることを防止できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記絡み糸は、扁平糸からなることを特徴とする。
この構成によれば、緯糸を構成する片撚糸との接触面積が増え、絡み糸が幅方向に滑りにくくなるため、絡み糸の片撚糸に対する引っ掛かりがさらに強くなり、より確実に小幅基布の幅方向端部のほつれを防止できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、機械方向に無端の製紙用フェルト基布(12)を製造する方法であって、前記製紙用フェルト基布よりも幅の狭い小幅基布(11)を製造するステップと、前記小幅基布を螺旋状に巻き、隣接させた幅方向の端部を互いに接合するステップと、機械クロス方向の両端部を前記機械方向に沿って切断するステップとを備え、前記小幅基布を製造するステップは、経糸(13)と50%以上の片撚糸を含む緯糸(14)とを互いに織り込むと同時に、絡み糸(15)を前記緯糸に織り込むステップと、前記経糸、前記緯糸及び前記絡み糸が織り込まれた組織を前記絡み糸の近傍で丈方向に沿って切断するステップと、切断された組織から、前記絡み糸よりも前記幅方向の外側に存在する前記経糸を取り除くステップとを含むことを特徴とする。
この構成によれば、小幅基布の幅方向の端部に絡み織(16)が形成されているため、小幅基布のほつれが抑制され、接合部分が十分な強度を持った製紙用フェルト基布を容易に製造することができる。
本発明によれば、小幅基布の接合部分が十分な強度を持った製紙用フェルト基布及びこの製紙用フェルト基布の製造方法を提供することができる。
実施形態に係る小幅基布の幅方向の端部の例を示す平面図 実施形態に係る小幅基布の幅方向の端部の他の例を示す平面図 実施形態の変形例に係る小幅基布の幅方向の端部を示す平面図 実施形態に係る斜視図 比較例及び実施例に係る小幅基布の写真 比較例及び実施例に係る小幅基布の接合部の写真 小幅基布から製紙用フェルト基布を作成する方法の説明図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1及び2は、本発明の実施形態に係る小幅基布11の幅方向の端部を示し、図3は、その変形例の幅方向の端部を示し、図4は、小幅基布11と、小幅基布11から作られた製紙用フェルト基布12とを示す。機械方向とは、製紙機に取り付けられた製紙用フェルトの進行方向を言い、機械クロス方向とは、機械方向に直交する製紙用フェルトの幅の方向を言う。また、丈方向及び幅方向は、それぞれ、小幅基布11の長辺方向及び短辺方向をいう。製紙用フェルト基布12においては、丈方向は、機械方向に対して、小幅基布11を螺旋状に巻いて製紙用フェルト基布12を形成する際の螺旋を形成するための傾きαだけ傾いている。
小幅基布11の幅に関しては、幅が狭いと製品幅に達するまでの周回数が増えるため製品製作に手間が掛かり、幅が広いと切断した際の屑が増えるため廃棄物及び費用が増加することから、60〜100cmが好ましい。
小幅基布11は、丈方向に延在する経糸13と、経糸13に織り込まれて幅方向に延在する緯糸14と、丈方向に延在し幅方向の端部に配置された絡み糸15とを備える。本実施形態では、経糸13と緯糸14とは、平織組織を構成しているが、他の織り方で組織を構成してもよい。経糸13、緯糸14及び絡み糸15は、それぞれ、ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂等のフィラメントを素材とする。ポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、更には、ナイロンが好ましい。ナイロンとしては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等であってよい。
経糸13は、断面が円形であって、直径が0.35mm〜0.45mmのモノフィラメントであることが好ましい。
緯糸14を構成する糸の50%〜100%は、片撚糸である。片撚糸は、フィラメントを数本引き揃えて撚りをかけたものである。片撚糸の撚り数は、10cm当たり19〜32回であり、さらに好ましくは23〜28回である。また、片撚糸は、3本のモノフィラメントからなる。なお、片撚糸を2本又は4本以上のモノフィラメントから構成してもよいが、3本とした場合が、片撚糸の屈曲性と耐圧縮性とのバランスが最もよい。また、片撚糸を構成するフィラメントの各々は、好ましくは、断面が円形であって、直径が0.18mm〜0.30mmであり、さらに好ましくは直径が0.20mm〜0.28mmである。緯糸14を構成する糸は、全て同一の片撚糸であってもよく、片撚糸以外の糸を組み合わせてもよい。緯糸14が片撚糸以外の糸を含む場合、その糸は、片撚糸と同程度の太さを有するフィラメントとすることができ、例えば、断面が円形であって、直径が0.35mm〜0.50mmのモノフィラメント、モノフィラメントの諸撚り糸又はマルチフィラメントの諸撚り糸とすることができる。片撚糸とそれ以外の糸とは、小幅基布11全体にバランスよく配置されることが好ましい。
絡み糸15は、モノフィラメント又はマルチフィラメントである。本実施形態では、2本の絡み糸15が絡み織16を形成している。絡み織16は、「紗」、すなわち、一方の絡み糸15が緯糸14の表面側を通り、他方の絡み糸15が緯糸14の裏面側を通るとともに、緯糸14を1本通過するごとに互いに隣接する2つの緯糸14の間で一方の絡み糸15の表面側を通るように構成される。なお、絡み織16は、他方の絡み糸15が緯糸14を複数本通過するごとに一方の絡み糸15の表面側を通るように変更してもよく、また、図3に示すように、一方の絡み糸15を経糸13に変更して絡み織16を形成してもよい。絡み糸15は、断面形状が円形の場合は、直径が0.15mm〜0.25mmであることが好ましく、断面形状が矩形の場合は、長辺0.20〜0.40mm×短辺0.10〜0.25mm、長辺/短辺の比が1.6〜4.0であることが好ましい。
絡み糸15を蛍光糸としてもよい。蛍光糸は、経糸13と同色で普段は発光しないが、紫外線等の特定の波長の光を照射することにより発光する糸であることが好ましく、この場合、確認したいときのみに発光させることができ、視認性が良い。
絡み織16は、小幅基布11の幅方向の両端部に、それぞれ、2列ずつ設けられる。各端部の2列の絡み織16の間には2本の経糸13が延在する。各端部の絡み織16は2列設けることが好ましいが、各端部における絡み織16の列数と隣接する2つの列の間の経糸13の本数は適宜変更可能である。なお、図1では、絡み織16を形成する2本の絡み糸15の一方がまっすぐで、他方が屈曲し、図2では、両方の絡み糸が屈曲しているが、製織条件によって、絡み織16はどちらの状態にもなり得る。
次に、小幅基布11の作用効果について説明する。絡み織16は、平織に比べてほつれにくい。さらに、片撚糸を含む緯糸14と交差する絡み糸15が、片撚糸の表面の凹凸に引っ掛かって緯糸14に対して滑り難くなるため、ほつれが抑制される。また、片撚糸は、屈曲性が高いため経糸13に織り込まれた状態において大きく屈曲した状態となり、絡み糸15との引っ掛かりがさらに強くなり、さらにほつれが抑制される。このような片撚糸が緯糸14の50%以上を占める事により、絡み糸15との十分な引っ掛かりが確保できる。また、緯糸14の一部を片撚糸と同等以上の太さを有するモノフィラメントのような片撚糸よりも屈曲性の低い糸とした場合、寸法安定性を向上させることができる。また、片撚糸を構成するためのモノフィラメントを3本とし、かつ片撚糸の撚り数を10cm当たり32回以下にすることにより、高い屈曲性を維持して絡み糸15のほつれ防止に寄与するとともに、製織の際のビリ等の問題を防止でき、また、片撚糸の撚り数を10cm当たり19回以上にすることにより、片撚糸をつぶれ難くして耐圧縮性の低下を抑制できる。また、細い糸は耐圧縮性が低くてつぶれやすいが、片撚糸の太さを0.18mm以上にすることによって耐圧縮性の低下を抑制できる。さらに、太い糸だと打ち込み本数を減らす必要が生じるが、片撚糸の太さを0.30mm以下にすることにより打ち込み本数を確保し、絡み糸15が引っ掛かる緯糸14の本数を確保できる。
絡み糸15は、細すぎると製織時に糸切れが発生しやすいという製造上の問題を起こし、太すぎると基布表面に絡み糸15が突出して製造される紙にマークを付ける原因となる。絡み糸15の断面形状を直径0.15mm〜0.25mmの円形、又は長辺0.20〜0.40mm×短辺0.10〜0.25mmの矩形とすることにより、これらの問題を抑制することができる。また、絡み糸15に扁平糸を用いた場合、緯糸14を構成する片撚糸との接触面積が増えてさらにほつれを抑制できる。絡み糸15に蛍光糸を用いた場合、小幅基布11の端部を視認しやすくなり、小幅基布11を螺旋状に配置して隣接させた幅方向端部を接合する作業が容易になり縫いずれ等を防止できる。
次に、製紙用フェルト基布12の製造方法について説明する。
まず、小幅基布11を織る。経糸13及び緯糸14を互いに織り込むと同時に絡み糸15を織り込み、小幅基布11よりも幅広の組織を作成する。絡み糸15を織り込んだ組織の絡み糸15の近傍の幅方向外側を丈方向に沿って切断する。図1及び図2上図の破線は切断位置の例である。切断した組織の絡み糸15より外側に存在する経糸13を取り除き、小幅基布11とする(図1及び図2の下図)。小幅基布11は、製造すべき製紙用フェルト基布12の寸法に関わらず、共通のものを使用できるため、予め製造しておくことができる。
製造すべき製紙用フェルト基布12の寸法が決定した後、小幅基布11を螺旋状に巻いたときの周回を示す接合目印17をフェルトペン等で小幅基布11の両端部に付してもよく、製織時に目印となるように色のついた糸や蛍光糸等を一定の間隔で織り込んでおいてもよい(図4)。接合目印17を付すことにより、例えば、製造された製紙用フェルト基布12の周回長さが左右で異なる等、螺旋状に巻く位置がずれることを防止できる。
次に、小幅基布11を螺旋状に巻き、1回転させて隣接させた小幅基布11の端部同士を順次接合する。接合させる端部同士は、重ね合わせても、突き合わせてもよい。接合は、ミシンによる縫製のほか、公知の接合手段を用いることができる。縫製ラインは、千鳥縫いのように内側の絡み織16で折り返しながら丈方向対して斜めに形成してもよい。絡み糸15に蛍光糸を用いている場合は、小幅基布11の端部の視認性が高く、接合のずれを防止できる。機械クロス方向の幅が所望の長さになるまで、小幅基布11を螺旋状に巻いて端部を接合する作業は続けられる。
螺旋状に巻かれて接合された小幅基布11は、機械方向に無端となるが、機械クロス方向の両端部には、小幅基布11の幅の分だけ段差が生じている(図7(C)参照)。そこで、ヒートカッター等の公知の手段によって、螺旋状に巻かれて接合された小幅基布11の機械クロス方向の両端部を機械方向に沿って切断することにより、製紙用フェルト基布12が完成する。
製紙用フェルト基布12を、袋織で作成された基布又は小幅基布11を逆方向の螺旋状に巻いて接合された基布に重ね合わせて多層構造の基布とし、この多層構造の基布に短繊維シートをニードリングしてバット繊維層を形成し、製紙用フェルトが作成される。
図5を参照して、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。(a1)〜(a3)は比較例に係る小幅基布21の写真であり、(b1)〜(b3)は本発明の実施例に係る小幅基布11の写真である。いずれも、各糸を織り込んだ後の、幅方向の端部を切断する前の状態を示す。比較例に係る小幅基布21において、符号23,24,25及び26は、それぞれ、経糸、緯糸、絡み糸及び絡み織を示す。
本発明の実施例及び比較例において、経糸13,23の双方は、直径が0.40mmの円形の断面形状のモノフィラメントであり、絡み糸15,25の双方は、直径が0.20mmの円形の断面形状のモノフィラメントであった。本発明の実施例の緯糸14の全ては、3本のナイロン糸を引き揃えて撚りをかけた片撚糸であって、各ナイロン糸は、断面形状が円形であって、その直径が0.20mmであった。比較例の緯糸24の全ては、直径が0.40mmの円形の断面形状のモノフィラメントであった。また、経糸13,23と緯糸14,24とが平織組織を構成すること、及び絡み糸15,25の織り方は、本発明の実施例と比較例とで共通である。
比較例に係る小幅基布21の経糸23及び緯糸24は、図5(a1)〜(a3)に示すように、ともに直径が0.40mmの円形の断面形状のモノフィラメントであり、屈曲性が片撚糸よりも低いため、両者が互いに押し退け合って同等に屈曲した。一方、本発明の実施例に係る小幅基布11は、図3(b1)〜(b3)に示すように、緯糸14が経糸13よりも屈曲性が高い片撚糸からなるため、経糸13の屈曲が小さく、緯糸14の屈曲が大きかった。絡み糸15は、緯糸14の屈曲及び表面の凹凸に引っ掛かり、幅方向へのすべりが防止された。
図6(a)に示す比較例の緯糸24はモノフィラメントから構成され、図6(b)に示す本発明の実施例の緯糸14は片撚糸から構成された。小幅基布11,21の幅方向端部には、絡み織16,26が1列又は2列設けられた。比較例及び実施例のそれぞれについて、ミシンを用いて2つの小幅基布11,21の幅方向の端部を互いに接合し、長さ20cm、幅3cmのサンプルを作成した。サンプルに対して、小幅基布11,21の幅方向、すなわち、図6の左右方向に荷重を負荷し、接合部の引張試験を実施し、破断時の強度(荷重)を測定した。引張試験には、株式会社エー・アンド・デイ社製のテンシロン万能試験機RTG-1310を使用し、試験速度を200mm/分に設定し、各サンプルについて2回試験を行ってその平均値を得た。表1に試験結果を示す。
絡み織16,26が1列の場合及び2列の場合のそれぞれについて、緯糸に片撚糸を使用したものの方がモノフィラメントを使用したものよりも破断時の強度(荷重)が大きく、接合部の強度が高かった。また、緯糸が同じであれば、絡み織16,26が2列の場合の方が1列の場合よりも破断時の強度(荷重)が大きく、接合部の強度が高かった。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、フィラメントを紡績糸に変えてもよい。
11:小幅基布
12:製紙用フェルト基布
13:経糸
14:緯糸
15:絡み糸
16:絡み織
17:接合目印

Claims (9)

  1. 小幅基布が螺旋状に巻かれて幅方向の端部が互いに接合されていることによって構成される機械方向に無端の製紙用フェルト基布であって、
    前記小幅基布が、
    丈方向に延在する経糸と、
    前記経糸に織り込まれて幅方向に延在する緯糸と、
    前記幅方向の端部に前記丈方向に延在するように絡み織で織り込まれた絡み糸とを備え、
    前記緯糸の50%以上は、片撚糸からなることを特徴とする製紙用フェルト基布。
  2. 前記片撚糸は、3本のモノフィラメントを撚り合わせた糸であり、前記片撚糸の撚り数は、10cm当たり19〜32回であることを特徴とする請求項1に記載の製紙用フェルト基布。
  3. 前記経糸は、直径が0.35〜0.45mmの円形の断面形状を有し、
    前記片撚糸を構成する前記モノフィラメントの各々は、直径が0.18〜0.30mmの円形の断面形状を有し、
    前記絡み糸は、直径が0.15〜0.25mmの円形の断面形状、又は、長辺が0.20〜0.40mmであり短辺が0.10〜0.25mmである矩形の断面形状を有することを特徴とする請求項2に記載の製紙用フェルト基布。
  4. 前記絡み織は、2本の前記絡み糸を互いに織り込むことにより構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製紙用フェルト基布。
  5. 前記絡み織は、1本の前記絡み糸を1本の前記経糸に織り込むことにより構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製紙用フェルト基布。
  6. 前記絡み織は、前記幅方向の両端部の各々に、2列設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製紙用フェルト基布。
  7. 前記絡み糸は、蛍光糸からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製紙用フェルト基布。
  8. 前記絡み糸は、扁平糸からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の製紙用フェルト基布。
  9. 機械方向に無端の製紙用フェルト基布を製造する方法であって、
    前記製紙用フェルト基布よりも幅の狭い小幅基布を製造するステップと、
    前記小幅基布を螺旋状に巻き、隣接させた幅方向の端部を互いに接合するステップと、
    機械クロス方向の両端部を前記機械方向に沿って切断するステップとを備え、
    前記小幅基布を製造するステップは、
    経糸と50%以上の片撚糸を含む緯糸とを互いに織り込むと同時に絡み糸を前記緯糸に織り込むステップと、
    前記経糸、前記緯糸及び前記絡み糸が織り込まれた組織を前記絡み糸の近傍で丈方向に沿って切断するステップと、
    切断された組織から、前記絡み糸よりも前記幅方向の外側に存在する前記経糸を取り除くステップとを含むことを特徴とする方法。
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