JP2017182927A - 角型リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池の充放電によるフクレの発生が良好に抑制され、放電容量及びサイクル特性が良好となる角型リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供する。【解決手段】組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備え、正極は、3.0Vからの充電を行う前に全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である角型リチウムイオン電池。電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1(式1)【選択図】なし
Description
本発明は、角型リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法に関する。
現在、リチウムイオン電池として、大きく分けて円筒型と角型とラミネートの3種類の電池が存在する。この内、角型リチウムイオン電池については、携帯電話やスマートフォンなどの機器に付属して搭載される形で事業化され、各機器のサイズに応じて種々の電池が製造、販売されている。
角型リチウムイオン電池に用いられる正極活物質として、とりわけLi2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリを低減することが求められている。この理由としては、角型の場合は残留するLi2CO3等に起因して内圧が上昇し、電池が膨れて外形の著しい変形をきたし、その結果装置の内部において正極と端子との間で接触不良を起こし、電池として機能しなくなるためである。このような理由から、角型電池用の正極活物質を作成する工程においては、その焼成前にLiがやや不足となるように(Li/Li以外の金属(以下、Meとも云う)が0.95〜1.00となるように)仕込み、残留アルカリの少ない活物質を得るようにしている。この場合、焼成時に若干Liが揮発するため、実際には正極活物質中のLi/Meは0.94〜0.99程度となる。
ところが、Liが不足すると、一般的には電池容量などの電池特性が低下してしまう。すなわち、残留アルカリ低減と電池特性向上にはトレードオフの関係があった。理想的には、焼成時に揮発するLi量を考慮しつつ、LiとMeとが焼成時に完全に1:1で反応するようなLi/Meを検討すれば、不純物アルカリがなく、かつLiの不足がない正極活物質が合成できるはずである。
しかしながら、現実的にはどんなに混合を工夫しても、部分的にLiリッチ、Meリッチな部分が存在してしまい、未反応Liや未反応Meが残存する問題があり、Li/Meの検討のみでは上記の問題を解決することは困難であった。
そこで、電池特性を維持したまま、不純物アルカリを低減する方法として、特許文献1又は特許文献2に記載されているように、Liを少し多めに仕込み、一度焼成によって得られた正極活物質前駆体を、水洗して残留アルカリを洗い流し、再び焼成(または乾燥)させて活物質として用いる技術が、角型電池において注目されている。
しかしながら、上記特許文献1又は特許文献2に記載されたような技術を実際に適用した場合、水洗により正極材粒子表面からLiが脱離し、再焼成後に粒子表面の結晶構造が破壊されることで、組成によっては逆に容量が低下する問題や、サイクル特性が悪化する問題等が生じた。
そこで、本発明は、電池の充放電によるフクレの発生が良好に抑制され、放電容量及びサイクル特性が良好となる角型リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、このような問題を解決するため種々の検討を行った結果、正極活物質の洗浄後に、当該正極活物質中のLi/Meを分析して、Liの脱離によって所定のLi/Meに対して不足した分のLiを、リチウム源を加えることで補充した後に、当該正極活物質を焼成することで、残留アルカリが低減され、且つ、所定のLi/Meを有する正極活物質が作製できることを見出した。そして、これによって放電容量及びサイクル特性が良好となる角型リチウムイオン電池が得られることを見出した。
上記知見を基礎にして完成した本発明は一側面において、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備え、前記正極は、3.0Vからの充電を行う前に下記測定条件で測定される全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である角型リチウムイオン電池である。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1 (式1)
<全コバルト溶出量αの測定条件>
(1)正極の作製
前記角型リチウムイオン電池用の正極を正極シートとし、前記正極シートから、直径16mmの円形となるように試験用コイン電池の正極を切り出す。
(2)負極の準備
直径16mmの円形のリチウム金属を負極として準備する。
(3)セパレーターの準備
直径16mmより大きいが2032コイン電池に収まる大きさのセパレーターを準備する。
(4)試験用コイン電池の作製
正極、負極、セパレーターに、非水電解液を含浸させる。非水電解液はエチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものとする。含浸された正極、負極、セパレーターを、外殻やスペーサーとともに2032型コイン電池の形に組み立ててかしめる。
(5)トリクル充電
前記試験用コイン電池に対し、45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAの電流で充電して、その後、45℃で1週間保持するトリクル充電を行う。
(6)金属溶出量の測定
トリクル充電後の前記試験用コイン電池を解体し、負極のリチウム金属を取り出し、コイン電池1つあたりの全コバルト溶出量αとしてICP分析により算出する。このαを別にICP分析によって算出したyで割る。
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備え、前記正極は、3.0Vからの充電を行う前に下記測定条件で測定される全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である角型リチウムイオン電池である。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1 (式1)
<全コバルト溶出量αの測定条件>
(1)正極の作製
前記角型リチウムイオン電池用の正極を正極シートとし、前記正極シートから、直径16mmの円形となるように試験用コイン電池の正極を切り出す。
(2)負極の準備
直径16mmの円形のリチウム金属を負極として準備する。
(3)セパレーターの準備
直径16mmより大きいが2032コイン電池に収まる大きさのセパレーターを準備する。
(4)試験用コイン電池の作製
正極、負極、セパレーターに、非水電解液を含浸させる。非水電解液はエチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものとする。含浸された正極、負極、セパレーターを、外殻やスペーサーとともに2032型コイン電池の形に組み立ててかしめる。
(5)トリクル充電
前記試験用コイン電池に対し、45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAの電流で充電して、その後、45℃で1週間保持するトリクル充電を行う。
(6)金属溶出量の測定
トリクル充電後の前記試験用コイン電池を解体し、負極のリチウム金属を取り出し、コイン電池1つあたりの全コバルト溶出量αとしてICP分析により算出する。このαを別にICP分析によって算出したyで割る。
本発明の角型リチウムイオン電池は一実施形態において、前記正極活物質におけるLi2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリの含有量が0.8質量%以下である。
本発明の角型リチウムイオン電池は別の一実施形態において、前記正極活物質が、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される。
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される。
本発明は更に別の一側面において、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を洗浄する工程と、前記洗浄後の正極活物質を乾燥する工程と、前記乾燥後、ICPによって前記正極活物質中のLi以外の金属元素を定量し、且つ、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量して、Li/(Li以外の金属元素)の比を算出し、Li/(Li以外の金属元素)の比が所定の値となるよう不足分のLi源を前記正極活物質へ添加する工程と、前記Li源添加後の正極活物質を焼成する工程とを備えたリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法である。
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を洗浄する工程と、前記洗浄後の正極活物質を乾燥する工程と、前記乾燥後、ICPによって前記正極活物質中のLi以外の金属元素を定量し、且つ、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量して、Li/(Li以外の金属元素)の比を算出し、Li/(Li以外の金属元素)の比が所定の値となるよう不足分のLi源を前記正極活物質へ添加する工程と、前記Li源添加後の正極活物質を焼成する工程とを備えたリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法である。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は一実施形態において、前記Li源が、硝酸リチウム及び/または水酸化リチウムである。
本発明のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法は別の一実施形態において、前記洗浄を、pH5.5〜7.5、Ca濃度が10ppm以下、且つ、Mg濃度が10ppm以下である洗浄液を使用して行う。
本発明によれば、電池の充放電によるフクレの発生が良好に抑制され、放電容量及びサイクル特性が良好となる角型リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。
(角型リチウムイオン電池の構成)
本発明の角型リチウムイオン電池は、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備える。
角型リチウムイオン電池用正極活物質における全金属に対するリチウムの比率が0.98〜1.02であるが、これは、0.98未満では、安定した結晶構造を保持し難くなるおそれがあり、1.02超では電池の高容量が確保し難くなるおそれがあるためである。また、ニッケルの比率が0.5未満では、放電容量が少なくなる。
本発明の角型リチウムイオン電池は、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備える。
角型リチウムイオン電池用正極活物質における全金属に対するリチウムの比率が0.98〜1.02であるが、これは、0.98未満では、安定した結晶構造を保持し難くなるおそれがあり、1.02超では電池の高容量が確保し難くなるおそれがあるためである。また、ニッケルの比率が0.5未満では、放電容量が少なくなる。
Mg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である金属元素Mは、サイクル特性を向上させるために添加された微量元素である。金属元素Mの組成bが0.05を超えると、電池特性が不良となることがある。そのため、金属元素Mについて、組成b:0≦b≦0.05に制御されている。
また、本発明の角型リチウムイオン電池用正極活物質は、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表されるのが好ましい。
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表されるのが好ましい。
本発明の角型リチウムイオン電池用正極活物質は、Li2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリの含有量が0.8質量%以下であるのが好ましい。Li2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリの含有量が0.8質量%以下に抑制されていると、角型電池等において問題となっていた、正極活物質の残留アルカリにより引き起こされる充放電に伴う電池内での副反応をより良好に抑制することができる。このため、当該角型リチウムイオン電池用正極活物質を使用することで角型リチウムイオン電池の膨れがより抑制される。Li2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリの含有量は、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更により好ましく、0.2質量%以下が更により好ましく、0.1質量%以下が更により好ましい。
正極活物質の残留アルカリの含有量を抑制することで、角型電池等において問題となっていた、正極活物質の残留アルカリが充放電に伴う電池内での副反応を良好に抑制するが、単純に残留アルカリを水洗等により低減するだけでは正極活物質の3aサイトのLiが不足してしまい、そのまま焼成したのでは電池特性に悪影響を及ぼす。これに対し、本発明の角型リチウムイオン電池用正極は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下となるように制御されている。ここで、当該全コバルト溶出量αは、下記測定条件で測定される。
<全コバルト溶出量αの測定条件>
(1)正極の作製
前記角型リチウムイオン電池用の正極を正極シートとし、前記正極シートから、直径16mmの円形となるように試験用コイン電池の正極を切り出す。
(2)負極の準備
直径16mmの円形のリチウム金属を負極として準備する。
(3)セパレーターの準備
直径16mmより大きいが2032コイン電池に収まる大きさのセパレーターを準備する。
(4)試験用コイン電池の作製
正極、負極、セパレーターに、非水電解液を含浸させる。非水電解液はエチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものとする。含浸された正極、負極、セパレーターを、外殻やスペーサーとともに2032型コイン電池の形に組み立ててかしめる。
(5)トリクル充電
前記試験用コイン電池に対し、45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAの電流で充電して、その後、45℃で1週間保持するトリクル充電を行う。
(6)金属溶出量の測定
トリクル充電後の前記試験用コイン電池を解体し、負極のリチウム金属を取り出し、コイン電池1つあたりの全コバルト溶出量αとしてICP分析により算出する。このαを別にICP分析によって算出したyで割る。
<全コバルト溶出量αの測定条件>
(1)正極の作製
前記角型リチウムイオン電池用の正極を正極シートとし、前記正極シートから、直径16mmの円形となるように試験用コイン電池の正極を切り出す。
(2)負極の準備
直径16mmの円形のリチウム金属を負極として準備する。
(3)セパレーターの準備
直径16mmより大きいが2032コイン電池に収まる大きさのセパレーターを準備する。
(4)試験用コイン電池の作製
正極、負極、セパレーターに、非水電解液を含浸させる。非水電解液はエチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものとする。含浸された正極、負極、セパレーターを、外殻やスペーサーとともに2032型コイン電池の形に組み立ててかしめる。
(5)トリクル充電
前記試験用コイン電池に対し、45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAの電流で充電して、その後、45℃で1週間保持するトリクル充電を行う。
(6)金属溶出量の測定
トリクル充電後の前記試験用コイン電池を解体し、負極のリチウム金属を取り出し、コイン電池1つあたりの全コバルト溶出量αとしてICP分析により算出する。このαを別にICP分析によって算出したyで割る。
このように全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下に制御された角型リチウムイオン電池用の正極の正極活物質においては、Co2+などの低価数金属の含有量がきわめて少ない。通常、水洗等でLiが脱離すると、脱離した部分の金属の価数は還元され、Liが3aサイトに存在していた状態よりも低価数となることが知られている。一般的に低価数の金属が含まれている正極シートを取り出してトリクル充電をかけると、当該低価数金属が電解液中に溶け出し、負極に析出する。すなわち、充電後に負極上に析出した金属量を測定すれば、正極活物質中の3aサイトのLi欠損を評価することができる。このような理由から、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)を極めて小さくした正極活物質を用いて電池を構成することで、円筒型なみの良好な放電容量およびサイクル特性を得ることができる。全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)は、より好ましくは3μg以下であり、更により好ましくは2μg以下である。
本発明の角型リチウムイオン電池用正極は、例えば、上述の構成の角型リチウムイオン電池用正極活物質と、導電助剤と、バインダーとを混合して調製した正極合剤をアルミニウム箔等からなる集電体の片面または両面に設けることで作製される。
(角型リチウムイオン電池)
本発明の実施形態に係る角型リチウムイオン電池は、本発明の角型リチウムイオン電池用正極を用いて製造される。また、本発明の角型リチウムイオン電池は、アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1 (式1)
このような構成によれば、充放電による体積膨張率が良好に抑制されるため、放電容量及びサイクル特性が良好となる。
本発明の実施形態に係る角型リチウムイオン電池は、本発明の角型リチウムイオン電池用正極を用いて製造される。また、本発明の角型リチウムイオン電池は、アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1 (式1)
このような構成によれば、充放電による体積膨張率が良好に抑制されるため、放電容量及びサイクル特性が良好となる。
(角型リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法)
本発明の実施形態に係る角型リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法について説明する。
まず、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を準備する。
当該正極活物質は、特に限定されないが、例えば、上記組成の正極活物質前駆体に対して700〜1000℃×3〜48時間の焼成を行うことで作製することができる。
本発明の実施形態に係る角型リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法について説明する。
まず、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を準備する。
当該正極活物質は、特に限定されないが、例えば、上記組成の正極活物質前駆体に対して700〜1000℃×3〜48時間の焼成を行うことで作製することができる。
次に、正極活物質を、洗浄液を用いて洗浄する。当該洗浄によって、残留アルカリを十分に除去することができる。また、このとき、当該洗浄を、pH5.5〜7.5、Ca濃度が10ppm以下、且つ、Mg濃度が10ppm以下である洗浄液を使用して行うことが好ましい。洗浄液のpHが7.5を超える場合、アルカリ性物質である残留アルカリ(Li2CO3やLiOH)を洗浄できないおそれがあり、洗浄液のpHが5.5未満の場合は正極活物質を溶解してしまうおそれがある。また、洗浄液中のCa濃度が10ppmを超える、または、Mg濃度が10ppmを超える場合、当該元素が洗浄後に正極活物質中に残存し、電池特性悪化の要因となるおそれがある。
当該洗浄液は、水または希酸を用いることができる。
当該洗浄液は、水または希酸を用いることができる。
次に、洗浄後の正極活物質を110〜130℃で1〜48時間加熱することで、乾燥させる。
次に、上記乾燥後、ICP(Inductively Coupled Plasma:高周波誘導結合プラズマ)によって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を定量し、且つ、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量して、Li/Meの比を算出し、Li/Meの比が所定の値(例えば、Li/Me=0.98〜1.02)となるよう不足分のLi源を正極活物質へ添加する。当該Li源は、硝酸リチウム及び/または水酸化リチウムであってもよい。
通常、正極活物質前駆体に単にLi源を混合すると、正極活物質の生成および粒成長が同時に起こることとなり、その際に正極活物質前駆体及びLiがそれぞれわずかに偏析し、焼成後に残留アルカリとして生じやすい。これに対し、本発明では、上記のように、洗浄して乾燥させた正極活物質に、適切なLi/Meに対して不足分のLi源を添加した後、後述のように焼成する。このように、正極活物質を洗浄した後に不足分のLi源を加えて焼成すると、固相反応時に既に存在する正極活物質の結晶構造にLiが挿入されるため、固相反応の反応性が良く、表面に残留アルカリが残り難い。従って、生じる正極活物質における残留アルカリの低減と、3aサイトへのLi占有率の向上とを両立することができる。
次に、上記Li源添加後の正極活物質を700〜900℃で2〜24時間加熱することで焼成(上記洗浄前の正極活物質が焼成によって作製されているときは、「再焼成」となる)する。続いて必要であれば解砕・分級を行い、正極活物質を得る。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を提供するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(実施例1)
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Mn)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Mnのモル比が8:1:1である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Mn、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マンガン、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で0.98となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH5.8の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Mn)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Mnのモル比が8:1:1である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Mn、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マンガン、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で0.98となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH5.8の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
(実施例2)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.1としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.1としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例3)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.8としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.8としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例4)
Li/Meを1.00としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
Li/Meを1.00としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例5)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを7.2としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを7.2としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例6)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.3としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.3としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例7)
Li/Meを1.02、洗浄液のpHを5.7としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
Li/Meを1.02、洗浄液のpHを5.7としたこと以外は実施例1と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例8)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを7.4としたこと以外は実施例7と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを7.4としたこと以外は実施例7と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例9)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを5.5としたこと以外は実施例7と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを5.5としたこと以外は実施例7と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例10)
水溶液AにおけるNi:Co:Mnのモル比を90:5:5、焼成温度を740℃、洗浄液のpHを6.7としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
水溶液AにおけるNi:Co:Mnのモル比を90:5:5、焼成温度を740℃、洗浄液のpHを6.7としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例11)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.3としたこと以外は実施例10と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.3としたこと以外は実施例10と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例12)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを5.7としたこと以外は実施例10と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを5.7としたこと以外は実施例10と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例13)
水溶液AにおけるNi:Co:Mnのモル比を5:2:3、焼成温度を880℃、乾燥時間を48時間、洗浄液のpHを6.9としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
水溶液AにおけるNi:Co:Mnのモル比を5:2:3、焼成温度を880℃、乾燥時間を48時間、洗浄液のpHを6.9としたこと以外は実施例4と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例14)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.4としたこと以外は実施例13と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLiNO3、洗浄液のpHを6.4としたこと以外は実施例13と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例15)
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.2としたこと以外は実施例13と同様な方法で正極活物質を得た。
リチウム複合酸化物を水洗した後に添加するLi源をLi2CO3、洗浄液のpHを6.2としたこと以外は実施例13と同様な方法で正極活物質を得た。
(実施例16)
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Mg)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Mgのモル比が80:15:5である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Mg、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マグネシウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Mg)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH7.0の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Mg)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Mgのモル比が80:15:5である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Mg、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マグネシウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Mg)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH7.0の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
(実施例17)
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co)の濃度が1.09mol/kgであり、Ni:Coのモル比が82:15である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Al、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHと硫酸アルミニウムを純水に溶解して、Alを含む1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。このとき、(Ni+Co):Alの比が97:3となるようにAl濃度を調製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マグネシウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Al)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH6.5の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co)の濃度が1.09mol/kgであり、Ni:Coのモル比が82:15である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Al、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHと硫酸アルミニウムを純水に溶解して、Alを含む1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。このとき、(Ni+Co):Alの比が97:3となるようにAl濃度を調製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、マグネシウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Al)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで760℃まで加熱し、760℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH6.5の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度760℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
(実施例18)
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸ジルコニウム、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Zr)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Zrのモル比が80:15:5である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Zr、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、ジルコニウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Zr)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで750℃まで加熱し、750℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH5.9の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度750℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
まず、純水に硫酸ニッケル、硫酸ジルコニウム、硫酸コバルトを40℃で溶解し、(Ni+Co+Zr)の濃度が1.15mol/kgであり、Ni:Co:Zrのモル比が80:15:5である40℃の水溶液Aを用意した。この水溶液Aの中には、Ni、Co、Zr、SO4、H2O以外は実質的に含まない。水溶液Aとは別に、NaOHを純水に溶解して、1.85mol/kgのNaOH水溶液Bを作製した。また、市販の約29wt%のアンモニア水溶液(関東化学)を純水で薄めて、0.1mol%のアンモニア水溶液Cとした。加熱して水溶液B及びCの温度を40℃とし、別途準備した反応槽、水溶液A、B及びCに、それぞれ窒素を流して空気を追い出した。そして、水溶液A及びBをチューブポンプによって毎分1.5Lずつ10分程度反応槽に送液して種晶を形成した後、水溶液A、B及びCをチューブポンプによって毎分0.8Lずつ送液した。生成したスラリーをレーザー回折・散乱型粒度分布計(マイクロトラック)で粒度分布測定を行い、平均粒子径(D50)が15μmを超えたところですべての送液を止めた。これをろ過・水洗した後、400℃で3時間、窒素中で加熱して前駆体を得た。
次に、前駆体中に含まれるニッケル、ジルコニウム、コバルトの含量をICPで分析し、Li/(Ni+Co+Zr)がモル比で1.00となるようにLiOH・H2Oの量を決定した。ICPの分析は常法によった。市販のLiOH・H2Oをジェットミルにて粉砕後当該決定した量を秤量し、ヘンシェルミキサー容器内に前駆体、LiOH・H2Oの順に投入し、蓋を閉じて5分間混合した。混合された粉を取り出した後、10℃/minで500℃まで、5℃/minで750℃まで加熱し、750℃で24時間保持し、5℃/minで400℃まで冷却後、炉扉を徐々に開放して常温まで冷却して解砕することでリチウム複合酸化物を得た。
次に、リチウム複合酸化物を、pH5.9の水で10分洗浄、ろ過後に温度120℃で1時間乾燥した。ICPによって正極活物質中のLi以外の金属元素(Me)を、さらに、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量し、Li/Meを算出し、Li/Meが表1に記載の値となるよう不足分のLi源(LiOH)を添加した。続いて、温度750℃で12時間の焼成(再焼成)を行って正極活物質を得た。
(比較例1〜5)
比較例1〜5は、水洗工程以降は全て実施しなかったこと以外は実施例と同様の手順で作製した。
比較例1〜5は、水洗工程以降は全て実施しなかったこと以外は実施例と同様の手順で作製した。
(比較例6〜10)
比較例6〜10の製法は、水洗後のリチウム源の添加のみ実施しなかったこと以外は実施例と同様の手順で作製した。
比較例6〜10の製法は、水洗後のリチウム源の添加のみ実施しなかったこと以外は実施例と同様の手順で作製した。
(評価)
−組成−
得られた正極活物質の粉末は、ICP及びイオンクロマトグラフ法により、Li、Ni、Mn、Co及びその他の金属元素の含有量を測定した。分析結果から、製品を組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2の組成式で表した場合の、a、x、y、z及びbを求めた。
−組成−
得られた正極活物質の粉末は、ICP及びイオンクロマトグラフ法により、Li、Ni、Mn、Co及びその他の金属元素の含有量を測定した。分析結果から、製品を組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2の組成式で表した場合の、a、x、y、z及びbを求めた。
−残留アルカリ−
得られた正極活物質の粉末を水に添加して10分撹拌した後、水中に存在するリチウム化合物が正極活物質中の残留アルカリであるとみなした上で、そのpHを酸で滴定することにより残留アルカリ(Li2CO3及びLiOH)の質量を求め、正極活物質に対しての質量の割合(質量%)を求めた。
得られた正極活物質の粉末を水に添加して10分撹拌した後、水中に存在するリチウム化合物が正極活物質中の残留アルカリであるとみなした上で、そのpHを酸で滴定することにより残留アルカリ(Li2CO3及びLiOH)の質量を求め、正極活物質に対しての質量の割合(質量%)を求めた。
−電池特性−
<正極の作製>
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池用正極活物質を3kgと、呉羽化学(株)製のPVDF#1320(PVDFを12重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)溶液)1kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成し、総厚が130μmの正極を得た。正極は43mm幅の帯状に裁断した。これを2枚作製し、1枚を下記の角型リチウムイオン電池作製用、もう1枚を下記の試験用コイン電池作製用とした。
<正極の作製>
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池用正極活物質を3kgと、呉羽化学(株)製のPVDF#1320(PVDFを12重量%含むN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記)溶液)1kgと、アセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機で攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極芯材の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極活物質層を形成し、総厚が130μmの正極を得た。正極は43mm幅の帯状に裁断した。これを2枚作製し、1枚を下記の角型リチウムイオン電池作製用、もう1枚を下記の試験用コイン電池作製用とした。
<負極の作製>
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40重量%含む水性分散液)75gと、CMC30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極芯材の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極活物質層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。
人造黒鉛3kgと、日本ゼオン(株)製のBM−400B(変性スチレンブタジエンゴムを40重量%含む水性分散液)75gと、CMC30gと、適量の水とを、双腕式練合機で攪拌し、負極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極芯材の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、負極活物質層を形成し、総厚が140μmの負極を得た。負極は45mm幅の帯状に裁断した。
<角型リチウムイオン電池の作製>
正極と負極とを、これらの間に厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムからなるセパレーター(セルガード(株)製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の電極群を構成した。電極群をアルミニウム製の角型の電池缶に収容した。電池缶は、底部と、側壁とを有する。電池缶の上部は開口しており、その形状は略矩形である。側壁の主要平坦部の厚みは80μmとした。その後、電池缶と正極リードまたは負極リードとの短絡を防ぐための絶縁体を電極群の上部に配置した。次に、絶縁ガスケットで囲まれた負極端子を中央に有する矩形の封口板を、電池缶の開口に配置した。負極リードは、負極端子と接続した。正極リードは、封口板の下面と接続した。開口の端部と封口板とをレーザーで溶接し、電池缶の開口を封口した。その後、封口板の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶に注入した。最後に、注液孔を封栓で溶接により塞いだ。こうして、高さ50mm、幅34mm、内空間の厚み約5.2mm、設計容量850mAhの角型リチウム二次電池を完成させた。なお、上記非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものを使用した。この開回路電圧を測定したところ、いずれも3.0Vとなった。
正極と負極とを、これらの間に厚さ20μmのポリエチレン製の微多孔質フィルムからなるセパレーター(セルガード(株)製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の電極群を構成した。電極群をアルミニウム製の角型の電池缶に収容した。電池缶は、底部と、側壁とを有する。電池缶の上部は開口しており、その形状は略矩形である。側壁の主要平坦部の厚みは80μmとした。その後、電池缶と正極リードまたは負極リードとの短絡を防ぐための絶縁体を電極群の上部に配置した。次に、絶縁ガスケットで囲まれた負極端子を中央に有する矩形の封口板を、電池缶の開口に配置した。負極リードは、負極端子と接続した。正極リードは、封口板の下面と接続した。開口の端部と封口板とをレーザーで溶接し、電池缶の開口を封口した。その後、封口板の注液孔から2.5gの非水電解質を電池缶に注入した。最後に、注液孔を封栓で溶接により塞いだ。こうして、高さ50mm、幅34mm、内空間の厚み約5.2mm、設計容量850mAhの角型リチウム二次電池を完成させた。なお、上記非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものを使用した。この開回路電圧を測定したところ、いずれも3.0Vとなった。
<角型リチウムイオン電池の充放電条件>
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池について、充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この条件を20サイクル繰り返し、初回充電容量(mAh/g)に対する初回放電容量(mAh/g)の百分率(%)を充放電効率、初回放電容量(mAh/g)に対する20サイクル後の放電容量(mAh/g)の百分率(%)を20サイクル後容量維持率とした。また、電池膨れを調査するため、90℃にて充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この条件を100サイクル繰り返し、初期の内空間の厚み5.2mmからの変化をX線CTスキャンにより測定し、この変化分のうち最も大きい値を厚さ増分(mm)とした。X線CTスキャン測定は常法によった。
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池について、充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この条件を20サイクル繰り返し、初回充電容量(mAh/g)に対する初回放電容量(mAh/g)の百分率(%)を充放電効率、初回放電容量(mAh/g)に対する20サイクル後の放電容量(mAh/g)の百分率(%)を20サイクル後容量維持率とした。また、電池膨れを調査するため、90℃にて充電電流850mAで充電終止電位4.2Vまで充電した後、放電電流850mAで放電終止電位3.0Vまで放電した。この条件を100サイクル繰り返し、初期の内空間の厚み5.2mmからの変化をX線CTスキャンにより測定し、この変化分のうち最も大きい値を厚さ増分(mm)とした。X線CTスキャン測定は常法によった。
<角型リチウムイオン電池の体積膨張率>
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池について、内空間の厚みが5.2mmであり開回路電圧が3.0Vとなっている電池を開回路のまま1Lの水の中に入れ、アルキメデス法により体積V1を測定した。次に、上記90℃で充放電を行い電池膨れを調査した電池も同様に開回路電圧を3.0Vとしたままで1Lの水の中に入れ、アルキメデス法により体積V2を測定した。これらの値から、次の式により電池体積膨張率(%)を求めた。当該電池体積膨張率が37%以下であるとき、膨れが良好に制御されているものと判定した。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1
実施例および比較例にて作製した各角型リチウムイオン電池について、内空間の厚みが5.2mmであり開回路電圧が3.0Vとなっている電池を開回路のまま1Lの水の中に入れ、アルキメデス法により体積V1を測定した。次に、上記90℃で充放電を行い電池膨れを調査した電池も同様に開回路電圧を3.0Vとしたままで1Lの水の中に入れ、アルキメデス法により体積V2を測定した。これらの値から、次の式により電池体積膨張率(%)を求めた。当該電池体積膨張率が37%以下であるとき、膨れが良好に制御されているものと判定した。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1
<試験用コイン電池評価条件>
実施例および比較例にて作製した各試験用コイン電池作製用正極について、直径16mmとなるように当該正極を円形に切り出した。さらに、負極として用いる金属リチウムおよびセパレーター(セルガード(株)製のA089(商品名))を正極と同じ形になるように円形に切り出した。ただし、セパレーターは2032コイン電池に収まる程度にやや大きめに切り出した。切り出した正極、負極、セパレーターを上記と同様な非水電解質に含浸し、2032型コイン電池の形に外殻やスペーサーなどの部材とともにかしめた。こうしてできた2032コイン電池を45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAで充電して、その後、45℃で1週間4.5Vに保持するトリクル充電を行った。トリクル充電後のセルを解体し、負極リチウム金属上に析出したコバルトの量をICPによって分析し、コイン電池あたりの量α(μg)として算出した。この値αを組成式中のyで割った。
実施例1〜18及び比較例1〜10の各試験条件及び評価結果を、表1、表2に示す。
実施例および比較例にて作製した各試験用コイン電池作製用正極について、直径16mmとなるように当該正極を円形に切り出した。さらに、負極として用いる金属リチウムおよびセパレーター(セルガード(株)製のA089(商品名))を正極と同じ形になるように円形に切り出した。ただし、セパレーターは2032コイン電池に収まる程度にやや大きめに切り出した。切り出した正極、負極、セパレーターを上記と同様な非水電解質に含浸し、2032型コイン電池の形に外殻やスペーサーなどの部材とともにかしめた。こうしてできた2032コイン電池を45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAで充電して、その後、45℃で1週間4.5Vに保持するトリクル充電を行った。トリクル充電後のセルを解体し、負極リチウム金属上に析出したコバルトの量をICPによって分析し、コイン電池あたりの量α(μg)として算出した。この値αを組成式中のyで割った。
実施例1〜18及び比較例1〜10の各試験条件及び評価結果を、表1、表2に示す。
(評価結果)
実施例1〜18の電池は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、充放電前後での体積膨張率が37%以下であったため、電池の充放電によるフクレの発生が良好に抑制され、且つ、放電容量及びサイクル特性が良好であった。
比較例1〜5は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μgを超え、充放電前後での体積膨張率が37%を超えており、電池の充放電によるフクレの発生が大きかった。
比較例6〜10は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μgを超えており、Ni組成が同程度の実施例とそれぞれ比較すると、放電容量またはサイクル特性の悪い角型リチウムイオン電池となった。
実施例1〜18の電池は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、充放電前後での体積膨張率が37%以下であったため、電池の充放電によるフクレの発生が良好に抑制され、且つ、放電容量及びサイクル特性が良好であった。
比較例1〜5は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μgを超え、充放電前後での体積膨張率が37%を超えており、電池の充放電によるフクレの発生が大きかった。
比較例6〜10は、全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μgを超えており、Ni組成が同程度の実施例とそれぞれ比較すると、放電容量またはサイクル特性の悪い角型リチウムイオン電池となった。
Claims (6)
- 組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を有する正極を備え、
前記正極は、3.0Vからの充電を行う前に下記測定条件で測定される全コバルト溶出量αをyで割った値(α/y)が4μg以下であり、
アルキメデス法により測定した体積V1と、90℃で100サイクル充放電を行った後のアルキメデス法により測定した体積V2とを用いて算出した下記式1で示される体積膨張率が37%以下である角型リチウムイオン電池。
電池体積膨張率(%)=100×(V2−V1)÷V1 (式1)
<全コバルト溶出量αの測定条件>
(1)正極の作製
前記角型リチウムイオン電池用の正極を正極シートとし、前記正極シートから、直径16mmの円形となるように試験用コイン電池の正極を切り出す。
(2)負極の準備
直径16mmの円形のリチウム金属を負極として準備する。
(3)セパレーターの準備
直径16mmより大きいが2032コイン電池に収まる大きさのセパレーターを準備する。
(4)試験用コイン電池の作製
正極、負極、セパレーターに、非水電解液を含浸させる。非水電解液はエチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M(モル/リットル)の割合で溶解されたものとする。含浸された正極、負極、セパレーターを、外殻やスペーサーとともに2032型コイン電池の形に組み立ててかしめる。
(5)トリクル充電
前記試験用コイン電池に対し、45℃の環境下で、4.5Vまで、0.66mAの電流で充電して、その後、45℃で1週間保持するトリクル充電を行う。
(6)金属溶出量の測定
トリクル充電後の前記試験用コイン電池を解体し、負極のリチウム金属を取り出し、コイン電池1つあたりの全コバルト溶出量αとしてICP分析により算出する。このαを別にICP分析によって算出したyで割る。 - 前記正極活物質におけるLi2CO3及びLiOHの合計である残留アルカリの含有量が0.8質量%以下である請求項1に記載の角型リチウムイオン電池。
- 前記正極活物質が、組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.8≦x≦0.9、0.05≦y≦0.15、0≦z≦0.1、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される請求項1又は2に記載の角型リチウムイオン電池。 - 組成式:Lia(NixCoyMnzMb)O2
(式中、0.98≦a≦1.02、x+y+z+b=1、0.5≦x≦0.9、0.05≦y≦0.3、0≦z≦0.3、0≦b≦0.05、MはMg、Al、Zrから選択された少なくとも1種類の元素である)で表される正極活物質を洗浄する工程と、
前記洗浄後の正極活物質を乾燥する工程と、
前記乾燥後、ICPによって前記正極活物質中のLi以外の金属元素を定量し、且つ、イオンクロマトグラフによって正極活物質中のLiを定量して、Li/(Li以外の金属元素)の比を算出し、Li/(Li以外の金属元素)の比が所定の値となるよう不足分のLi源を前記正極活物質へ添加する工程と、
前記Li源添加後の正極活物質を焼成する工程と、
を備えたリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。 - 前記Li源が、硝酸リチウム及び/または水酸化リチウムである請求項4に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
- 前記洗浄を、pH5.5〜7.5、Ca濃度が10ppm以下、且つ、Mg濃度が10ppm以下である洗浄液を使用して行う請求項4又は5に記載のリチウムイオン電池用正極活物質の製造方法。
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KR20200086995A (ko) | 2019-01-10 | 2020-07-20 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차전지용 양극 활물질의 제조 방법, 상기 제조방법에 의해 제조된 양극 활물질 |
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- 2016-03-28 JP JP2016064494A patent/JP2017182927A/ja active Pending
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