[go: up one dir, main page]

JP2017180737A - 転がり軸受用保持器及び転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受用保持器及び転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2017180737A
JP2017180737A JP2016070936A JP2016070936A JP2017180737A JP 2017180737 A JP2017180737 A JP 2017180737A JP 2016070936 A JP2016070936 A JP 2016070936A JP 2016070936 A JP2016070936 A JP 2016070936A JP 2017180737 A JP2017180737 A JP 2017180737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
rolling bearing
cage
rolling
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016070936A
Other languages
English (en)
Inventor
展希 大江
Hiroki Oe
展希 大江
洋輔 中野
Yosuke Nakano
洋輔 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2016070936A priority Critical patent/JP2017180737A/ja
Publication of JP2017180737A publication Critical patent/JP2017180737A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/3837Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages
    • F16C33/3843Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages
    • F16C33/3856Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the balls, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages made from plastic, e.g. injection moulded window cages
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/16Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls
    • F16C19/163Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with a single row of balls with angular contact

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】高い固体潤滑性能を有しつつ、案内面の耐摩耗性が高い転がり軸受用保持器及び転がり軸受を提供する。【解決手段】一対の軌道輪の間に配され、複数の転動体を所定位置に保持する転がり軸受用保持器である。転動体を収容する複数のポケット穴を有する円環状の本体と、本体をインサート部品として固体潤滑剤を含む樹脂で射出成形された樹脂部とを備える。樹脂部が、本体のポケット穴の内周面に設けられ、各転動体と摺接する複数のポケット面を形成する第1部分と、本体の内周面又は外周面に設けられ、一方の軌道輪と摺接する案内面を形成する第2部分とを有する。第2部分は、第1部分を構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受用保持器(以下、単に「保持器」と言う。)及びこれを有する転がり軸受に関する。
ロケットエンジンのターボポンプに用いられる転がり軸受は、液体推進剤中の高速回転環境下で使用される。特に、液体水素や液体酸素中で使用される場合は、極低温になるため、通常の転がり軸受で使用される油やグリース等の流動性潤滑剤が適用できない。そこで、固体潤滑性能が付加された保持器として、例えば、特許文献1に示すものが提案されている。
特許文献1には、母材表面に固体潤滑剤を射出成形した保持器が示されている。この保持器は、複数のポケット穴を有する円環状の本体と、本体をインサート部品として固体潤滑剤を含む樹脂で射出成形された樹脂部とを備えている。樹脂部は、本体のポケット穴の内周面に設けられてポケット面を形成するとともに、本体の外周面及び内周面のいずれかで、軌道輪(外輪又は内輪)と摺接する側に設けられて案内面を形成する。
前記保持器を備えた転がり軸受が回転すると、保持器のポケット面を構成する樹脂部と転動体とが摺接する。これにより、樹脂部の固体潤滑剤が転動体の表面に移着し、転動体と軌道輪の軌道面との間の潤滑が行われる。
特開2014−234846号公報
前記のように、保持器に形成される樹脂部は、ポケット面において転動体による移着作用(潤滑剤供給作用)により軌道面との潤滑を確保している。このため、樹脂部は、移着性(潤滑剤供給性能)の高い樹脂を使用することが望ましい。
その一方、保持器の案内面は軌道輪の案内面と摺接するが、特許文献1に記載された保持器の案内面は、樹脂部にて形成されているため摩耗しやすい。樹脂部の摩耗が進展し、母材が露出し摩耗すると、摩耗粉が異物となって軸受機能に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、保持器の案内面は、高い耐摩耗性が必要となり、ポケット面とは相反する性能が要求される。特に、特許文献1の保持器のようにインサート成形する場合は、ポケット面と案内面とで同一の樹脂部が形成されるため、ポケット面の移着性と案内面の耐摩耗性とを同時に高めることが困難となる。
本発明が解決すべき課題は、高い固体潤滑性能を有しつつ、案内面の耐摩耗性が高い転がり軸受用保持器及びこれを備えた転がり軸受を提供することにある。
本発明の転がり軸受用保持器は、一対の軌道輪の間に配され、複数の転動体を所定位置に保持する転がり軸受用保持器であって、前記転動体を収容する複数のポケット穴を有する円環状の本体と、前記本体をインサート部品として固体潤滑剤を含む樹脂で射出成形された樹脂部とを備え、前記樹脂部が、前記本体のポケット穴の内周面に設けられ、各転動体と摺接する複数のポケット面を形成する第1部分と、前記本体の内周面又は外周面に設けられ、一方の軌道輪と摺接する案内面を形成する第2部分とを有し、前記第2部分は、前記第1部分を構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成したものである。
本発明の転がり軸受用保持器は、転動体と摺接するポケット面が、固体潤滑剤を含む樹脂(第1部分)で形成され、軌道輪と摺接する案内面が、樹脂(第2部分)で形成されるため、樹脂に含まれる固体潤滑剤を転動体に移着することで潤滑を行うことができる。この場合、案内面を形成する第2部分は、第1部分を構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成しているため、第2部分は第1部分よりも耐摩耗性が優れる。すなわち、固体潤滑剤により固体潤滑性能(潤滑性)を確保しつつ、案内面は、ポケット面よりも耐摩耗性が優れたものとなって、保持器の本体の摩耗を抑制することができる。
前記構成において、前記第1部分は、主成分樹脂が熱可塑性樹脂で45〜80vol%、固体潤滑剤が20〜40vol%、強化材が0〜15vol%の割合で配合してもよい。これにより、ポケット面は、移着性が高く、固体潤滑性能が優れたものとなる。また、前記第2部分は、強化材を15vol%より多く配合してもよい。これにより、案内面は、耐摩耗性に優れたものとなる。
本発明の転がり軸受は、前記本発明の転がり軸受用保持器と、一対の軌道輪と、複数の転動体とを備えたものである。この転がり軸受は、極低温環境による高い固体潤滑性能、高速運転による高強度性能、及び高い信頼性が要求されるロケットエンジンターボポンプに使用される場合に特に有効なものとなる。
以上のように、本発明の転がり軸受用保持器及びこれを備えた転がり軸受は、高い固体潤滑性能を有しつつ、案内面の耐摩耗性を高めることができる。
本発明の実施形態を示す転がり軸受の断面図である。 前記図1の転がり軸受を構成する保持器の斜視図である。 前記図1の転がり軸受を構成する保持器であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB‐B断面図、(c)は(b)のC部拡大図である。 本発明の保持器の射出成形時を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 本発明の転がり軸受が組み込まれたロケットエンジン用ターボポンプの断面図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る転がり軸受として、アンギュラ玉軸受を示す。アンギュラ玉軸受は、一対の軌道輪(内輪1及び外輪2)と、複数の転動体(ボール3)と、保持器4とを備える。アンギュラ玉軸受は、無潤滑環境、すなわち、油やグリース等の流動性潤滑剤を使用しない環境で用いられる。アンギュラ玉軸受は、図示するように接触角を有する。接触角とは、軸受中心軸に垂直な平面(ラジアル平面)と、軌道輪によって転動体へ伝えられる力の合力の作用線(図1に一点鎖線で示す)とがなす角度と定義されている。本実施形態のアンギュラ玉軸受は、保持器4の外周面と外輪2の内周面とを摺接させて保持器4を半径方向で案内する、いわゆる外輪案内の軸受である。
内輪1の外周面には、軌道面5が設けられる。外輪2の内周面には、軌道面6が設けられる。内輪1及び外輪2は金属で形成され、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)で形成される。複数のボール3は、内輪1の軌道面5と外輪2の軌道面6との間に配される。ボール3は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)等の金属や、セラミックス材料で形成される。尚、内輪1の軌道面5、外輪2の軌道面6、及びボール3の表面には、初期摩擦の低減を目的としたPTFEスパッタリング被膜を施してもよい。
保持器4は、外輪2と内輪1との間に配され、図2及び図3に示すように、本体7と樹脂部8とから構成される。本体7は、図2に示すように環状を成し、図示例では円筒状を成している。本体7には、複数のポケット穴9が円周方向等間隔に設けられ、各ポケット穴9にボール3が1つずつ収容される。本体7は、樹脂部8よりも高強度の材料で形成され、例えば樹脂複合材や金属で形成される。樹脂複合材としては、CFRPやGFRP等の繊維強化プラスチック材を使用できる。また、金属としては、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金等の溶製材や、焼結金属を使用できる。特に、高速回転環境下で使用される軸受の場合、比強度の高い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばCFRP、GFRP、アルミニウム合金、チタン合金、マグネシウム合金が挙げられる。また、液体水素ターボポンプ用に使用される軸受の場合、水素反応性の低い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばCFRP、GFRP、アルミニウム合金が挙げられる。さらに、液体酸素ターボポンプに使用される軸受の場合、酸化反応性の低い材料を使用することが好ましい。このような材料として、例えばGFRPが挙げられる。
樹脂部8は、本体7をインサート部品とした射出成形で形成され、図3(b)(c)に示すように、第1部分8aと第2部分8bとを有する。第1部分8aは、本体7の各ポケット穴9の内周面に設けられ、図示例では第1部分8aがポケット穴9の円筒面状内周面の全面を覆っている。各ポケット穴9に設けられた第1部分8aの表面(内周面)は、各転動体3と摺接するポケット面10として機能する。第2部分8bは、図3(a)に示すように、本体7の外周面に設けられ、図示例では第2部分8bが本体7の円筒面状外周面のほぼ全面を覆っている。第2部分8bの表面(外周面)は、外輪2の内周面と摺接する案内面11として機能する。第1部分8aの厚さ及び第2部分8bの厚さは均一になっており、射出成形時の流動性を考慮すると0.1mm以上が好ましく、さらに、摩耗に対する信頼性を考慮すると0.2mm以上がより好ましい。第1部分8aと第2部分8bとは、これらの境界部(つまり、本体7の外周面のポケット穴9との縁部)において縁切りされており、僅かに本体7が露出している。
第1部分8a及び第2部分8bは、固体潤滑剤を含む樹脂で形成される。主成分樹脂としては、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂が使用できる。特に、極低温環境下で使用される場合、耐衝撃性、耐薬品性、本体7との密着性の観点から、線膨張係数が小さいPEEKを使用することが望ましい。固体潤滑剤としては、フッ素樹脂(例えばPTFE、ETFE、PFA)、二硫化モリブデン、黒鉛などが使用できる。
上記の樹脂において、第1部分8aは、主成分樹脂(熱可塑性樹脂)が、射出成形可能な45〜80vol%以上とすることが好ましい。また、固体潤滑剤は、潤滑性を考慮すると5vol%以上配合する必要があり、特に、液体窒素や液体酸素中等の極低温環境下で使用する場合は、固体潤滑剤を20vol%以上とすることが好ましい。また、固体潤滑剤が40vol%を超えると、主成分樹脂との混練時に混ざりにくくなり、射出成形時の分散性が低下する。以上より、固体潤滑剤の配合割合は20〜40vol%とすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1部分8aは、潤滑性と移着性とが優れたものとなる。
第1部分8aを形成する樹脂には、強化材を配合してもよい。強化材としては、保持器の耐摩耗性を高め、線膨張係数を抑える効果のあるものを使用することが望ましく、例えばガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)、酸化マグネシウム等が使用できる。この中でも、GFはドライ潤滑で使用できる強化材であり、一時的(特に運転初期)にドライ状態が発生する環境下では、不燃性のGFが適している。なお、第1部分8aでは強化材は省略することもできる。
第2部分8bは、第1部分8aを構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成している。比摩耗量とは、例えばJISK7218「プラスチックの滑り摩耗試験方法」に規定される試験方法及び試験条件により摩耗体積と摩擦距離とを測定し、摩耗体積を、試験荷重と摩擦距離との積で除した値である。比摩耗量の値が小さいほど耐摩耗性に優れることを意味する。第2部分8bを構成する樹脂が、第1部分8aを構成する樹脂よりも比摩耗量の小さいものとするためには、第2部分8bの樹脂組成を、第1部分8aの樹脂組成と相違させる。ここで「樹脂組成が相違する」とは、樹脂を構成する成分が相違する場合と、樹脂を構成する成分は同一であるが、成分量の割合が相違する場合との両方を含む。後述するように、第1部分8aと第2部分8bとを同時成形する場合は、第1部分8aと第2部分2bとで成形条件(温度等)が共通のものとなるため、樹脂を構成する成分を同一として、成分量の割合を相違させるのが好ましい。
このため、本実施形態では、第2部分8bは、第1部分8aと樹脂を構成する成分が同一であり、成分量の割合が相違するものとしている。具体的には、第2部分8bを構成する樹脂には、強化材を15vol%より多く配合するのに対し、第1部分8aを構成する樹脂には、強化材を0〜15vol%の割合で配合する。これにより、第2部分8bは第1部分8aよりも耐摩耗性が優れる。
上記のアンギュラ玉軸受が回転すると、保持器4のポケット面10とボール3とが摺接する。これにより、樹脂部8の固体潤滑剤がボール3の表面に移着し、ボール3に移着した固体潤滑剤により、ボール3と内輪1の軌道面5及び外輪2の軌道面6との間の潤滑が行われる。
上記のように、本実施形態では、第1部分8aを構成する樹脂と第2部分8bを構成する樹脂とは組成が異なり、しかも、第2部分8bは、第1部分8aを構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成しているため、ポケット面10において高い固体潤滑性能(潤滑性及び移着性)を確保しつつ、案内面11は、耐摩耗性が優れたものとなって、保持器本体7の摩耗を抑制することができる。
次に、上記の保持器4の製造方法について説明する。
まず、本体7を形成する。例えば、炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維を含む樹脂からなる樹脂複合材で、本体7が形成される。あるいは、金属を機械加工(切削等)又は塑性加工(プレス加工や鍛造加工)することにより、金属(溶製材)からなる本体7が形成される。あるいは、混合金属粉末を圧縮成形してなる圧粉体を所定の焼結温度で焼結することで、焼結金属からなる本体7が形成される。
その後、本体7と樹脂部8との密着性を向上させる目的で、本体7の表面に微小な凹部が形成される。この微小凹部は、エッチング処理(ナトリウムエッチング、プラズマエッチング等)、ショットブラスト、溶射などの粗面化処理により形成される。粗面化処理後の本体7の表面粗さは、本体7と樹脂部8との線膨張係数差による保持器半径方向での寸法変化量よりも大きくすることが好ましい。尚、粗面化処理は省略してもよく、例えば本体7が焼結金属からなる場合は、本体7の表面に無数の微細な開孔が形成されるため、粗面化処理は不要である。
その後、図4(a)に示すように、本体7をインサート部品として樹脂部8を射出成形する。図4(b)に示すように、キャビティ26は、樹脂部8の第1部分8aを成形する第1キャビティ27と、樹脂部8の第2部分8bを成形する第2キャビティ28とからなる。第1キャビティ27内に樹脂材料を充填する第1ゲート31は、周方向に沿って所定間隔で複数設けられる多点ピンゲートである。第2キャビティ28内に樹脂材料を充填する第2ゲート32は、周方向に沿って所定間隔で複数設けられる多点ピンゲートである。なお、図4(b)は、キャビティ27、28、及びゲート31、32に樹脂(散点で示す)が満たされた状態を示す。
第1ゲート31から第1キャビティ27に、第1部分8aを形成する樹脂を射出するとともに、第2ゲート32から第2キャビティ28に、第2部分8bを形成する樹脂を射出する。このように、第1部分8aと第2部分8bとを同時成形すると、製造リードタイムの短縮化を図ることができる。また、溶融樹脂が本体7の表面の微小凹部に入り込んで固化することで、本体7と樹脂部8とが強固に固着される。樹脂が硬化したら、型開きして保持器4を金型から取り出す。
上記の各実施形態では、保持器を外輪の内周面と摺接させて案内する外輪案内の転がり軸受を示したが、これに限らず、保持器を内輪の外周面と摺接させて案内する内輪案内の転がり軸受に本発明を適用してもよい。この場合、第2部分は、保持器の本体の内周面に設けられ、この第2部分の内周面が案内面として機能する(図示省略)。
図5に、上記のアンギュラ玉軸受を組み込んだロケットエンジン用ターボポンプを示す。このターボポンプは液体水素/液体酸素2段燃焼式ロケットエンジンのうち、液体酸素ガスを圧縮するものである。尚、図示は省略するが、この2段燃焼式ロケットエンジンには、液体水素ガスを圧縮する同様のターボポンプも備えている。ターボポンプのタービン軸71は、プリバーナポンプ入口からプリバーナポンプ出口へと流れる液体燃料の燃焼ガスで初期駆動された後、タービンガス入口からタービンガス出口へと流れる液体燃料の燃焼ガスで本格駆動される。そして、主ポンプ入口から流入した液体酸素ガスを圧縮して主ポンプ出口から排出し、燃焼室に供給する。タービン軸71は、極低温における疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル材で形成される。タービン軸71は、アンギュラ玉軸受を2つ組み合わせてなる複列アンギュラ玉軸受72で支持される。複列アンギュラ玉軸受72を構成する一対のアンギュラ玉軸受は、接触角が軸直交平面に関して対称となっている。
上記のアンギュラ玉軸受は、ロケットエンジン用ターボポンプだけでなく、他の用途に適用することも可能である。例えば、人工衛星などの宇宙用機器のように、真空環境下で使用される機器に組み込むことができる。また、上記のアンギュラ玉軸受は、極低温環境下で使用する用途に限らず、例えば常温以上の環境下で使用することもできる。
また、上記の各実施形態では、本発明に係る固体潤滑転がり軸受としてアンギュラ玉軸受を説明したが、これに限らず、本発明は、他の種類の玉軸受や、円筒ころ軸受や円すいころ軸受などのころ軸受に適用することも可能である。
1 内輪
2 外輪
3 ボール
4 保持器
7 本体
8 樹脂部
8a 第1部分
8b 第2部分
9 ポケット穴
11 案内面

Claims (5)

  1. 一対の軌道輪の間に配され、複数の転動体を所定位置に保持する転がり軸受用保持器であって、
    前記転動体を収容する複数のポケット穴を有する円環状の本体と、固体潤滑剤を含む樹脂で成形された樹脂部とを備え、
    前記樹脂部が、前記本体のポケット穴の内周面に設けられ、各転動体と摺接する複数のポケット面を形成する第1部分と、前記本体の内周面又は外周面に設けられ、一方の軌道輪と摺接する案内面を形成する第2部分とを有し、
    前記第2部分は、前記第1部分を構成する樹脂よりも比摩耗量が小さい樹脂にて構成したことを特徴とする転がり軸受用保持器。
  2. 前記第1部分は、主成分樹脂が熱可塑性樹脂で45〜80vol%、固体潤滑剤が20〜40vol%、強化材が0〜15vol%の割合で配合されたことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受用保持器。
  3. 前記第2部分は、強化材を15vol%より多く配合されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受用保持器。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の転がり軸受用保持器と、一対の軌道輪と、複数の転動体とを備えた転がり軸受。
  5. ロケットエンジンターボポンプに使用されることを特徴とする請求項4に記載の転がり軸受。
JP2016070936A 2016-03-31 2016-03-31 転がり軸受用保持器及び転がり軸受 Pending JP2017180737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070936A JP2017180737A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 転がり軸受用保持器及び転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070936A JP2017180737A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 転がり軸受用保持器及び転がり軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017180737A true JP2017180737A (ja) 2017-10-05

Family

ID=60005396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016070936A Pending JP2017180737A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 転がり軸受用保持器及び転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017180737A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023027130A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 転がり軸受用保持器および転がり軸受

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023027130A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 転がり軸受用保持器および転がり軸受
EP4394198A4 (en) * 2021-08-27 2024-12-11 Japan Aerospace Exploration Agency CAGE FOR ROLLING BEARING AND ROLLING BEARING
JP7646153B2 (ja) 2021-08-27 2025-03-17 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 転がり軸受用保持器および転がり軸受

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6178117B2 (ja) 転がり軸受用保持器、転がり軸受、及び転がり軸受用保持器の製造方法
US8690438B2 (en) Sliding bearing having self-lubricating liner
JP5195958B2 (ja) 合成樹脂製の軸受用保持器、その製造方法および転がり軸受
US9284982B2 (en) Cage and rolling bearing
WO2007058351A1 (ja) 樹脂製保持器及び転がり軸受
JP2015096768A (ja) 保持器及び転がり軸受、並びに液化ガス用ポンプ
JP2002295479A (ja) 軸受用保持器
JP2017180737A (ja) 転がり軸受用保持器及び転がり軸受
JP2013072439A (ja) 転がり軸受
EP2985463B1 (en) Hemispherical shoe for swash plate compressor, and swash plate compressor
JP2004332899A (ja) 固体潤滑転がり軸受
US11773899B2 (en) Rolling bearing
KR20240095370A (ko) 미끄럼 이동 부재 및 베어링
JP2017172663A (ja) 転がり軸受用保持器及び転がり軸受
JP7646153B2 (ja) 転がり軸受用保持器および転がり軸受
JP2017166627A (ja) アンギュラ玉軸受
WO2016027876A1 (ja) 斜板式コンプレッサ用半球シューの製造方法および射出成形金型
JP2006046373A (ja) 転がり軸受
JP3811599B2 (ja) 軸受用保持器
JPH03129120A (ja) ころがり軸受用保持器
JP2017172664A (ja) 固体潤滑転がり軸受
CN110159658A (zh) 一种用于脂润滑全陶瓷球轴承的保持架
WO2017098886A1 (ja) 転がり軸受
KR20230048869A (ko) 극저온 회전 베어링
Elsaadani Adopting Green ICT at Egyptian HEI: A Step towards Sustainable Future