JP2017180225A - オイルフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン停止時にハウジング内に多量のオイルを保持できるとともに、簡易且つ小型な構造で組付性に優れたオイルフィルを提供する。【解決手段】本オイルフィルタ1は、ハウジング3と、ろ過エレメント4と、支持筒5と、を備え、ハウジングの底面側3aには、ろ過エレメントの外側の上流側空間S1に連なるオイル流入口11、及びろ過エレメントの内側の下流側空間S2に連なるオイル流出口12が形成されている。そして、支持筒の立ち上げ側5aの内側には、上流側空間と下流側空間とを隔離するとともに、上流側空間と下流側空間との差圧が設定値以上となったときに両空間とを連通させる逃し弁7と、エンジン稼働時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を規制する規制弁8と、が備えられている。【選択図】図1
Description
本発明は、オイルフィルタに関し、さらに詳しくは、エンジンオイルをろ過してエンジンの潤滑経路に流入させるオイルフィルタに関する。
従来のオイルフィルタとして、エンジンオイルをろ過してエンジンの潤滑経路に流入させるものが一般に知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この特許文献1に記載されたオイルフィルタ101は、例えば、図9に示されるように、底面側103aがエンジンに取り付けられる筒状のハウジング103と、ハウジング103内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメント104と、ハウジング103の底面側103aから立ち上げられてろ過エレメント104の内周側を支持する支持筒105と、を備えている。そして、ハウジング103の底面側103aには、ろ過エレメント104の外側の上流側空間S1に連なるオイル流入口111、及びろ過エレメント104の内側の下流側空間S2に連なるオイル流出口112が形成されている。
上記ハウジング103の天井側103bの内側には、上流側空間S1と下流側空間S2とを隔離するとともに、ろ過エレメント104の目詰まりにより上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値以上となったときに両空間S1、S2を連通させる逃し弁107が備えられている。さらに、ハウジング103の底面側103aの内側には、上流側空間S1からオイル流入口111に向かうオイルの流通(すなわち、オイルの逆流)を規制するインレット側の逆止弁109が備えられている。この逆止弁109を備えることで、エンジン停止時にハウジング103内にオイルOL(図9中に砂状ハッチング領域で示す。)が保持され、エンジン始動時にハウジング103内のオイルが循環経路に流れることでオイル切れ(「ドライスタート」とも称される。)が抑制される。なお、上記特許文献2に記載されたオイルフィルタでは、ハウジングの底面側の内側に、ゴム等の弾性材からなるインレット側の逆止弁及び逃し弁が備えられている。
ここで、上記オイルフィルタ101のエンジン102に対する搭載形態としては、上向き搭載(図10(a)参照)、横向き搭載(図10(b)参照)、下向き搭載(図10(c)参照)等が挙げられる。これらのうち、オイルフィルタ101の下向き搭載では、エンジン停止時にハウジング103内に多量のオイルが保持される。一方、オイルフィルタ101の上向き搭載や横向き搭載では、エンジン停止時にハウジング103内の下流側空間S2や上流側空間S1内のオイルがオイル流出口112に流れてしまうため、ハウジング103内に保持されるオイルOLの保持量が少なくなる。そのため、オイルフィルタの上向き搭載や横向き搭載であっても、エンジン停止時に多量のオイルを保持できるオイルフィルタの出現が望まれている。
そこで、支持筒105の立ち上げ側105aの内側に、エンジン停止時に下流側空間S2からオイル流出口112に向かうオイルの流通を規制するアウトレット側の規制弁108(図9中に仮想線で示す。)を設けることが考えられる。しかし、上記従来のオイルフィルタ101では、ハウジング103の天井側103bの内側に逃し弁107が設けられているため、逃し弁107と規制弁108とがハウジング103の軸方向に離れて配置されることとなる。そのため、部品点数が増えて複雑で大型な構造となり、また逃し弁及び規制弁の組付作業が煩雑となる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、エンジン停止時にハウジング内に多量のオイルを保持できるとともに、簡易且つ小型な構造で組付性に優れたオイルフィルを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、底面側がエンジンに取り付けられる筒状のハウジングと、前記ハウジング内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメントと、前記ハウジングの底面側から立ち上げられて前記ろ過エレメントの内周側を支持する支持筒と、を備え、前記ハウジングの底面側には、前記ろ過エレメントの外側の上流側空間に連なるオイル流入口、及び前記ろ過エレメントの内側の下流側空間に連なるオイル流出口が形成されているオイルフィルタであって、前記支持筒の立ち上げ側の内側には、前記上流側空間と前記下流側空間とを隔離するとともに、前記上流側空間と前記下流側空間との差圧が設定値以上となったときに前記上流側空間と前記下流側空間とを連通させる逃し弁と、前記エンジン稼働時に前記下流側空間から前記オイル流出口に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記下流側空間から前記オイル流出口に向かうオイルの流通を規制する規制弁と、が備えられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記逃し弁は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に配設され且つ前記上流側空間と前記下流側空間とを連通する連通穴が形成された逃し用弁座と、前記逃し用弁座に当接して前記連通穴を閉塞し且つ前記逃し用弁座から離間して前記連通穴を開放する逃し用弁体と、前記逃し用弁体を前記逃し用弁座に向かって付勢する逃し用スプリングと、を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記逃し用弁座は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に形成された縮径部に設けられており、前記逃し用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記逃し用スプリングは、前記支持筒内に設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記縮径部は、前記ハウジングの底面側に向かって縮径するテーパ状に形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記支持筒の立ち上げ側の内側には、前記縮径部よりも前記ハウジングの底面側から軸方向に離れた位置に上蓋プレートが設けられており、前記規制弁は、前記上蓋プレートに配設され且つ前記下流側空間から前記オイル流出口に向かってオイルを流通させる流通穴が形成された規制用弁座と、前記規制用弁座に当接して前記流通穴を閉塞し且つ前記規制用弁座から離間して前記流通穴を開放する規制用弁体と、前記規制用弁体を前記規制用弁座に向かって付勢する規制用スプリングと、を備え、前記規制用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記規制用スプリングは、前記支持筒内に設けられていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記逃し用スプリングは、前記逃し用弁体と前記上蓋プレートとの間に介装さており、前記規制用スプリングは、前記規制用弁体と前記逃し用弁体との間に介装されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記ハウジングの底面側の内側には、前記エンジン稼働時に前記オイル流入口から前記上流側空間に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記上流側空間から前記オイル流入口に向かうオイルの流通を規制する逆止弁が備えられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記逃し弁は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に配設され且つ前記上流側空間と前記下流側空間とを連通する連通穴が形成された逃し用弁座と、前記逃し用弁座に当接して前記連通穴を閉塞し且つ前記逃し用弁座から離間して前記連通穴を開放する逃し用弁体と、前記逃し用弁体を前記逃し用弁座に向かって付勢する逃し用スプリングと、を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記逃し用弁座は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に形成された縮径部に設けられており、前記逃し用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記逃し用スプリングは、前記支持筒内に設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記縮径部は、前記ハウジングの底面側に向かって縮径するテーパ状に形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記支持筒の立ち上げ側の内側には、前記縮径部よりも前記ハウジングの底面側から軸方向に離れた位置に上蓋プレートが設けられており、前記規制弁は、前記上蓋プレートに配設され且つ前記下流側空間から前記オイル流出口に向かってオイルを流通させる流通穴が形成された規制用弁座と、前記規制用弁座に当接して前記流通穴を閉塞し且つ前記規制用弁座から離間して前記流通穴を開放する規制用弁体と、前記規制用弁体を前記規制用弁座に向かって付勢する規制用スプリングと、を備え、前記規制用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記規制用スプリングは、前記支持筒内に設けられていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記逃し用スプリングは、前記逃し用弁体と前記上蓋プレートとの間に介装さており、前記規制用スプリングは、前記規制用弁体と前記逃し用弁体との間に介装されていることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記ハウジングの底面側の内側には、前記エンジン稼働時に前記オイル流入口から前記上流側空間に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記上流側空間から前記オイル流入口に向かうオイルの流通を規制する逆止弁が備えられていることを要旨とする。
本発明のオイルフィルタによると、支持筒の立ち上げ側の内側には、上流側空間と下流側空間とを隔離するとともに、上流側空間と下流側空間との差圧が設定値以上となったときに上流側空間と下流側空間とを連通させる逃し弁と、エンジン稼働時に下流側空間からオイル流出口に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間からオイル流出口に向かうオイルの流通を規制する規制弁と、が備えられている。これにより、ろ過エレメントの目詰まり時に逃し弁により上流側空間と下流側空間とが連通されるため、エンジン稼働時のオイル切れが防止される。さらに、エンジン停止時に規制弁により下流側空間からオイル流出口に向かうオイルの流通が規制されるため、ハウジング内に多量のオイルを保持でき、エンジン始動時のオイル切れが抑制される。さらに、支持筒の立ち上げ側の内側で逃し弁及び規制弁を近接して配置できるため、部品点数を低減して簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁を容易に組み付けることがきる。
また、前記逃し弁が、逃し用弁座と、逃し用弁体と、逃し用スプリングと、を備える場合は、逃し用スプリングの付勢力により逃し用弁体が逃し用弁座に当接することで連通穴が閉塞される一方、逃し用スプリングの付勢力に抗して逃し用弁体が逃し用弁座から離間することで連通穴が開放される。
また、前記逃し用弁座が、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に形成された縮径部に設けられており、前記逃し用弁体が、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記逃し用スプリングが、前記支持筒内に設けられている場合は、逃し弁ひいてはオイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁の組付性が更に高められる。
また、前記縮径部が、前記ハウジングの底面側に向かって縮径するテーパ状に形成されている場合は、ろ過エレメントの目詰まり時に逃し用弁体が逃し用弁座から円滑且つ瞬時に離れる。
また、前記支持筒の立ち上げ側の内側に、上蓋プレートが設けられており、前記規制弁が、規制用弁座と、規制用弁体と、規制用スプリングと、を備え、前記規制用弁体が、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記規制用スプリングが、前記支持筒内に設けられている場合は、規制用スプリングの付勢力により規制用弁体が規制用弁座に当接することで流通穴が閉塞される一方、規制用スプリングの付勢力に抗して規制用弁体が規制用弁座から離間することで流通穴が開放される。さらに、支持筒の立ち上げ側の内側で逃し弁と規制弁とを一体的に構成できる。よって、オイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁の組付性が更に高められる。
また、前記逃し用スプリングが、前記逃し用弁体と前記上蓋プレートとの間に介装さており、前記規制用スプリングが、前記規制用弁体と前記逃し用弁体との間に介装されている場合は、オイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁の組付性が更に高められる。
さらに、前記ハウジングの底面側の内側に、前記エンジン稼働時に前記オイル流入口から前記上流側空間に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記上流側空間から前記オイル流入口に向かうオイルの流通を規制する逆止弁が備えられている場合は、エンジン停止時に、ハウジング内においてインレット側の逆止弁とアウトレット側の規制弁との間で多量のオイルを保持できる。
また、前記逃し弁が、逃し用弁座と、逃し用弁体と、逃し用スプリングと、を備える場合は、逃し用スプリングの付勢力により逃し用弁体が逃し用弁座に当接することで連通穴が閉塞される一方、逃し用スプリングの付勢力に抗して逃し用弁体が逃し用弁座から離間することで連通穴が開放される。
また、前記逃し用弁座が、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に形成された縮径部に設けられており、前記逃し用弁体が、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記逃し用スプリングが、前記支持筒内に設けられている場合は、逃し弁ひいてはオイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁の組付性が更に高められる。
また、前記縮径部が、前記ハウジングの底面側に向かって縮径するテーパ状に形成されている場合は、ろ過エレメントの目詰まり時に逃し用弁体が逃し用弁座から円滑且つ瞬時に離れる。
また、前記支持筒の立ち上げ側の内側に、上蓋プレートが設けられており、前記規制弁が、規制用弁座と、規制用弁体と、規制用スプリングと、を備え、前記規制用弁体が、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、前記規制用スプリングが、前記支持筒内に設けられている場合は、規制用スプリングの付勢力により規制用弁体が規制用弁座に当接することで流通穴が閉塞される一方、規制用スプリングの付勢力に抗して規制用弁体が規制用弁座から離間することで流通穴が開放される。さらに、支持筒の立ち上げ側の内側で逃し弁と規制弁とを一体的に構成できる。よって、オイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁の組付性が更に高められる。
また、前記逃し用スプリングが、前記逃し用弁体と前記上蓋プレートとの間に介装さており、前記規制用スプリングが、前記規制用弁体と前記逃し用弁体との間に介装されている場合は、オイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁の組付性が更に高められる。
さらに、前記ハウジングの底面側の内側に、前記エンジン稼働時に前記オイル流入口から前記上流側空間に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記上流側空間から前記オイル流入口に向かうオイルの流通を規制する逆止弁が備えられている場合は、エンジン停止時に、ハウジング内においてインレット側の逆止弁とアウトレット側の規制弁との間で多量のオイルを保持できる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るオイルフィルタの縦断面図である。
図1の要部拡大図である。
実施例に係る逃し弁及び規制弁の分解斜視図である。
上記オイルフィルタの作用説明図であり、(a)はエンジン稼働時の通常ろ過状態を示し、(b)はエンジン稼働時のろ過エレメントの目詰まり状態を示す。
上記オイルフィルタの作用説明図であり、エンジン停止時のオイル保持状態を示す。
他の形態に係るオイルフィルタの要部縦断面図である。
更なる他の形態に係るオイルフィルタの要部縦断面図である。
更なる他の形態に係るオイルフィルタの要部縦断面図である。
従来のオイルフィルタの縦断面図である。
オイルフィルタの搭載形態の説明図であり、(a)上向き搭載を示し、(b)は横向き搭載を示し、(c)は下向き搭載を示す。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
<オイルフィルタ>
本実施形態に係るオイルフィルタは、底面側(3a)がエンジン(2)に取り付けられる筒状のハウジング(3)と、ハウジング内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメント(4)と、ハウジングの底面側から立ち上げられてろ過エレメントの内周側を支持する支持筒(5)と、を備え、ハウジングの底面側(3a)には、ろ過エレメントの外側の上流側空間(S1)に連なるオイル流入口(11)、及びろ過エレメントの内側の下流側空間(S2)に連なるオイル流出口(12)が形成されているオイルフィルタ(1)である(例えば、図1等参照)。そして、支持筒(5)の立ち上げ側(5a)の内側には、上流側空間(S1)と下流側空間(S2)とを隔離するとともに、上流側空間と下流側空間との差圧が設定値以上となったときに上流側空間と下流側空間とを連通させる逃し弁(7)と、エンジン稼働時に下流側空間(S2)からオイル流出口(12)に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間(S2)からオイル流出口(12)に向かうオイルの流通を規制する規制弁(8)と、が備えられている(例えば、図2等参照)。
本実施形態に係るオイルフィルタは、底面側(3a)がエンジン(2)に取り付けられる筒状のハウジング(3)と、ハウジング内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメント(4)と、ハウジングの底面側から立ち上げられてろ過エレメントの内周側を支持する支持筒(5)と、を備え、ハウジングの底面側(3a)には、ろ過エレメントの外側の上流側空間(S1)に連なるオイル流入口(11)、及びろ過エレメントの内側の下流側空間(S2)に連なるオイル流出口(12)が形成されているオイルフィルタ(1)である(例えば、図1等参照)。そして、支持筒(5)の立ち上げ側(5a)の内側には、上流側空間(S1)と下流側空間(S2)とを隔離するとともに、上流側空間と下流側空間との差圧が設定値以上となったときに上流側空間と下流側空間とを連通させる逃し弁(7)と、エンジン稼働時に下流側空間(S2)からオイル流出口(12)に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間(S2)からオイル流出口(12)に向かうオイルの流通を規制する規制弁(8)と、が備えられている(例えば、図2等参照)。
本実施形態に係るオイルフィルタとしては、例えば、上記逃し弁(7)は、支持筒(5)の立ち上げ側(5a)の周壁に配設され且つ上流側空間(S1)と下流側空間(S2)とを連通する連通穴(31a)が形成された逃し用弁座(31)と、逃し用弁座に当接して連通穴を閉塞し且つ逃し用弁座から離間して連通穴を開放する逃し用弁体(32)と、逃し用弁体を逃し用弁座に向かって付勢する逃し用スプリング(33)と、を備える形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。
上述の形態の場合、例えば、上記逃し用弁座(31)は、支持筒(5)の立ち上げ側(5a)の周壁に形成された縮径部(25)に設けられており、逃し用弁体(32)は、支持筒(5)内で軸方向に移動可能に設けられており、逃し用スプリング(33)は、支持筒(5)内に設けられていることができる(例えば、図2等参照)。この場合、上記縮径部(25)は、ハウジング(3)の底面側(3a)に向かって縮径するテーパ状に形成されていることが好ましい。
上述の形態の場合、例えば、上記支持筒(5)の立ち上げ側(5a)の内側には、縮径部(25)よりもハウジングの底面側(3a)から軸方向に離れた位置に上蓋プレート(26)が設けられており、規制弁(8)は、上蓋プレートに配設され且つ下流側空間(S2)からオイル流出口(12)に向かってオイルを流通させる流通穴(35a)が形成された規制用弁座(35)と、規制用弁座に当接して流通穴を閉塞し且つ規制用弁座から離間して流通穴を開放する規制用弁体(36)と、規制用弁体を規制用弁座に向かって付勢する規制用スプリング(37)と、を備え、規制用弁体(36)は、支持筒(5)内で軸方向に移動可能に設けられており、規制用スプリング(37)は、支持筒(5)内に設けられていることができる(例えば、図2等参照)。
上述の形態の場合、例えば、上記逃し用スプリング(33)は、逃し用弁体(32)と上蓋プレート(26)との間に介装さており、規制用スプリング(37)は、規制用弁体(36)と逃し用弁体(32)との間に介装されている形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。
上述の形態の場合、例えば、上記逃し用スプリング(33)は、コイルスプリングであり、規制用スプリング(37)は、逃し用スプリングより小径なコイルスプリングであるとともに、逃し用スプリング(33)の内側に配置されていることができる。これにより、オイルフィルタを更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁及び規制弁の組付性が更に高められる。
本実施形態に係るオイルフィルタとしては、例えば、上記ハウジング(3)の底面側(3a)の内側には、エンジン稼働時にオイル流入口(11)から上流側空間(S1)に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に上流側空間(S1)からオイル流入口(11)に向かうオイルの流通を規制する逆止弁(9)が備えられている形態(例えば、図2等参照)を挙げることができる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「オイルフィルタ」として、ろ過エレメントの交換時にハウジングを含め全体が交換されるスピンオン型のオイルフィルタを例示する。さらに、エンジンに対して上向き搭載されるオイルフィルタを例示する。
(1)オイルフィルタの構成
本実施例に係るオイルフィルタ1は、図1に示すように、底面側3aがエンジン2に取り付けられる筒状のハウジング3と、ハウジング3内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメント4と、ハウジング3の底面側3aから立ち上げられてろ過エレメント4の内周側を支持する支持筒5(「プロテクタ」とも称される。)と、を備えている。この支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、後述する逃し弁7及び規制弁8が備えられている。さらに、ハウジング3の底面側3aの内側には、後述する逆止弁9が備えられている。
本実施例に係るオイルフィルタ1は、図1に示すように、底面側3aがエンジン2に取り付けられる筒状のハウジング3と、ハウジング3内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメント4と、ハウジング3の底面側3aから立ち上げられてろ過エレメント4の内周側を支持する支持筒5(「プロテクタ」とも称される。)と、を備えている。この支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、後述する逃し弁7及び規制弁8が備えられている。さらに、ハウジング3の底面側3aの内側には、後述する逆止弁9が備えられている。
上記ハウジング3の底面側3aには、ろ過エレメント4の外側の上流側空間S1に連なるオイル流入口11、及びろ過エレメント4の内側の下流側空間S2に連なるオイル流出口12が形成されている。具体的に、ハウジング3は、有底筒状のケース14と、ケース14の軸端開口を塞ぐボトムプレート15と、を備えている。このボトムプレート15には、その中心側にオイル流入口12が形成されている。また、ボトムプレート15のオイル流入口12の外周側には、円周方向に沿って所定間隔で複数のオイル流入口11が形成されている。また、オイル流出口12の内周側には、エンジン2に設けられた筒状のオイル流入口2aの外周側に形成された雄ネジが螺合する雌ネジ12aが形成されている。また、ボトムプレート15の底面には、環状の支持プレート16が接合されている。この支持プレート16の外周端側は、ケース14の開口端側にカシメ固定されている。また、支持プレート16には、エンジン2との間をシールするガスケット17が装着されている。さらに、ハウジング3の底面側3aのオイル流出口12の外周側には、後述する逆止用弁体42を取り付けるための筒状の突起部18が立ち上げられている。
上記ろ過エレメント4は、ろ紙等からなり、ひだ折り筒状(「菊花状」とも称される。)に形成されている。このろ過エレメント4の軸端面側には、ハウジング3の天井側3bの軸端部の内側に配置される蓋体21に圧接する環状のシール部材22が設けられている。なお、上記ろ過エレメント4としては、例えば、不織布成形体等からなる円筒状のものを採用してもよい。
上記支持筒5は、その立ち上げ側5aの周壁で上流側空間S1と下流側空間S2とを隔離するようにハウジング3の底面側3aから立ち上げられている。この支持筒5には、ろ過エレメント4を支持する部分に多数の貫通穴24が形成されている。また、支持筒5の立ち上げ側5aの軸端部には、後述する逆止用弁体42が装着されている。そして、ろ過エレメント4は、ハウジング3内において、シール部材22と蓋体21とが圧接するとともに逆止用弁体42とハウジング3の底面側3aとが圧接することで、その内外が液密に保持された状態で位置決めされている。
上記支持筒5の立ち上げ側5aの周壁には、図2に示すように、縮径部25が形成されている。この縮径部25は、ハウジング3の底面側3aに向かって縮径するテーパ状に形成されている。また、支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、縮径部25よりもハウジング3の底面側3aから軸方向に離れた位置に上蓋プレート26が設けられている。この上蓋プレート26は、支持筒5の内径と略一致する外径を有する皿状に形成されている。また、上蓋プレート26は、支持筒5内を軸方向に仕切るように配置されている。さらに、支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、上蓋プレート26の配置高さに応じた位置に環状の突起27が形成されている。そして、上蓋プレート26は、突起27により支持筒5の軸方向で縮径部25から離れる方向(すなわち、ハウジング3の底面側3aから離れる方向)への移動が規制されている。
上記逃し弁7は、図2及び図3に示すように、上流側空間S1と下流側空間S2とを隔離するとともに、上流側空間S1と下流側空間S1との差圧が設定値(例えば、100kPa)以上となったときに上流側空間S1と下流側空間S2とを連通させるものである(図4参照)。この逃し弁7は、支持筒5の立ち上げ側5aの周壁に配設され且つ上流側空間S1と下流側空間S2とを連通する連通穴31aが形成された逃し用弁座31と、逃し用弁座31に当接して連通穴31aを閉塞し且つ逃し用弁座31から離間して連通穴31aを開放する逃し用弁体32と、逃し用弁体32を逃し用弁座31に当接する方向に付勢する逃し用スプリング33と、を備えている。
上記逃し用弁座31は、支持筒5の縮径部25に設けられている。この逃し用弁座31には、縮径部25の円周方向に沿って所定間隔で複数の連通穴31aが形成されている。また、逃し用弁体32は、支持筒5内の縮径部25の上面側(すなわち、支持筒5内において縮径部25よりもハウジング3の底面側3aから離れた側)で軸方向に移動可能に設けられている。この逃し用弁体32は、支持筒5の内径より僅かに小さな外径を有する皿状に形成されている。また、逃し用弁体32の中心側には、支持筒5内で下流側空間S2からオイル流出口12に向かってオイルを流通させる流通穴32aが形成されている。また、逃し用弁体32の外周側は、縮径部25上に当接可能なテーパ状に形成されている。また、逃し用スプリング33は、支持筒5内の縮径部25の上面側に設けられている。この逃し用スプリング33は、コイルスプリングであり、逃し用弁体32と上蓋プレート26との間に介装さている。
上記規制弁8は、図2及び図3に示すように、エンジン稼働時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を規制するものである(図5参照)。この規制弁8は、上蓋プレート26に配設され且つ下流側空間S2からオイル流出口12に向かってオイルを流通させる流通穴35aが形成された規制用弁座35と、規制用弁座35に当接して流通穴35aを閉塞し且つ規制用弁座35から離間して流通穴35aを開放する規制用弁体36と、規制用弁体36を規制用弁座35に当接する方向に付勢する規制用スプリング37と、を備えている。
上記規制用弁座35には、その中心側に流通穴35aが形成されている。また、規制用弁体36は、支持筒5内の上蓋プレート26の底面側(すなわち、支持筒5内において上蓋プレート26よりもハウジング3の底面側3aに近い側)で軸方向に移動可能に設けられている。この規制用弁体36は、逃し用弁体32の外径より小さな外径を有する逆皿状に形成されている。また、規制用スプリング37は、支持筒5内の上蓋プレート26の底面側に設けられている。この規制用スプリング37は、逃し用スプリング33より小径なコイルスプリングであり、逃し用スプリング33の内側で規制用弁体36と逃し用弁体32との間に介装されている。
上記逆止弁9は、図2に示すように、エンジン稼働時にオイル流入口11から上流側空間S1に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に上流側空間S1からオイル流入口11に向かうオイルの流通を規制するものである(図5参照)。この逆止弁9は、ハウジング3の底面側3aにおいてオイル流入口11の外周部に配設された逆止用弁座41と、逆止用弁座41に当接してオイル流入口11を閉塞し且つ逆止用弁座41から離間してオイル流入口11を開放する逆止用弁体42と、を備えている。
上記逆止用弁体42は、ゴム等の弾性材からなり、ハウジング3の底面側3aの突起部18の外周側に圧入される環状の取付部42aと、オイル流入口11を覆うように取付部42aから外周側に延びる弁部42bと、を備えている。この弁部42bは、エンジン稼働時にオイル圧により弾性変形して逆止用弁座41から離間してオイル流入口11を開放する一方、エンジン停止時に元の形状に復元して逆止用弁座41に当接してオイル流入口11を閉塞する。なお、上記取付部42aは、支持筒5の立ち上げ側5aの軸端部に装着されている。
ここで、上記オイルフィルタ1は、以下のように組み付けられる。図3に示すように、支持筒5の軸端開口5bから逃し用弁体32を挿入して支持筒5の縮径部25上に載置する。次に、支持筒5の軸端開口5bから、逃し用スプリング33、規制用スプリング37及び規制用弁体36を適当な順序で又は2以上を同時に挿入して、逃し用弁体32上に逃し用スプリング33及び規制用スプリング37を載置するとともに、規制用スプリング37上に規制用弁体36を載置する。次いで、支持筒5の軸端開口5bから上蓋プレート26を挿入して、上蓋プレート26を各スプリング33、37の付勢力に抗して支持筒5の軸方向で縮径部25に近づく方向に押圧する。その後、その押圧状態で、支持筒5の外周面を適宜工具等で押圧して内側に突出した突起27を形成し、突起27で上蓋プレート26の支持筒5の軸方向で縮径部25から離れる方向への移動を規制する。その後、ろ過エレメント4を支持した支持筒5をハウジング3内に取り付けることでオイルフィルタ1が得られる。
(2)オイルフィルタの作用
次に、上記構成のオイルフィルタ1の作用について説明する。エンジン稼働時の通常ろ過状態(すなわち、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値未満の状態)では、図4(a)に示すように、エンジンオイルOL(図中破線矢印で示す。)は、オイル流入口11を通ってハウジング3内の上流側空間S1に流入し、ろ過エレメント4を通過して塵埃などの異物がろ過されてから、支持筒5の貫通穴24を通って下流側空間S2に至り、流通穴35a、32a及びオイル流出口12を通ってエンジン2の潤滑経路に流入される。このとき、逆止弁9では、オイル圧により逆止用弁体42が弾性変形してオイル流入口11が開放されている。また、逃し弁7では、逃し用スプリング33の付勢力により逃し用弁体32が逃し用弁座31(縮径部25)に当接して連通穴31aが閉塞されている。さらに、規制弁8では、オイル圧により規制用スプリング37の付勢力に抗して規制用弁体36が規制用弁座35(上蓋プレート26)から離間して流通穴35aが開放されている。
次に、上記構成のオイルフィルタ1の作用について説明する。エンジン稼働時の通常ろ過状態(すなわち、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値未満の状態)では、図4(a)に示すように、エンジンオイルOL(図中破線矢印で示す。)は、オイル流入口11を通ってハウジング3内の上流側空間S1に流入し、ろ過エレメント4を通過して塵埃などの異物がろ過されてから、支持筒5の貫通穴24を通って下流側空間S2に至り、流通穴35a、32a及びオイル流出口12を通ってエンジン2の潤滑経路に流入される。このとき、逆止弁9では、オイル圧により逆止用弁体42が弾性変形してオイル流入口11が開放されている。また、逃し弁7では、逃し用スプリング33の付勢力により逃し用弁体32が逃し用弁座31(縮径部25)に当接して連通穴31aが閉塞されている。さらに、規制弁8では、オイル圧により規制用スプリング37の付勢力に抗して規制用弁体36が規制用弁座35(上蓋プレート26)から離間して流通穴35aが開放されている。
一方、エンジン稼働時のろ過エレメント4の目詰まり状態(すなわち、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値以上となった状態)では、図4(b)に示すように、逃し弁7は、オイル圧により逃し用スプリング33の付勢力に抗して逃し用弁体32が逃し用弁座31から離間して連通穴31aが開放される。そのため、エンジンオイルOLは、オイル流入口11を通ってハウジング3内の上流側空間S1に流入すると、ろ過エレメント4を通過せずに、連通穴31aを通って下流側空間S2(逃し用弁体32の底面側)に至り、オイル流出口12を通ってエンジン2の潤滑経路に流入される。なお、規制弁8では、規制用スプリング37の付勢力により規制用弁体36が規制用弁座35に当接して流通穴35aが閉塞されている。
さらに、エンジン停止時には、図5に示すように、逆止弁9では、逆止用弁体42が元の形状に復元してオイル流入口11が閉塞されている。さらに、規制弁8では、規制用スプリング37の付勢力により規制用弁体36が規制用弁座35に当接して流通穴35aが閉塞されている(図2参照)。これにより、ハウジング3内においてインレット側の逆止弁9とアウトレット側の規制弁8との間で多量のオイルOL(図5中に砂状ハッチング領域で示す。)が保持されている。
(3)実施例の効果
本実施例のオイルフィルタ1によると、支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、上流側空間S1と下流側空間S2とを隔離するとともに、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値以上となったときに上流側空間S1と下流側空間S2とを連通させる逃し弁7と、エンジン稼働時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を規制する規制弁8と、が備えられている。これにより、ろ過エレメント4の目詰まり時に逃し弁7により上流側空間S1と下流側空間S2とが連通されるため、エンジン稼働時のオイル切れが防止される。さらに、エンジン停止時に規制弁8により下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通が規制されるため、ハウジング3内に多量のオイルを保持でき、エンジン始動時のオイル切れが抑制される。さらに、支持筒5の立ち上げ側5aの内側で逃し弁7及び規制弁8を近接して配置できるため、部品点数を低減して簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7及び規制弁8を容易に組み付けることがきる。
本実施例のオイルフィルタ1によると、支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、上流側空間S1と下流側空間S2とを隔離するとともに、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値以上となったときに上流側空間S1と下流側空間S2とを連通させる逃し弁7と、エンジン稼働時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通を規制する規制弁8と、が備えられている。これにより、ろ過エレメント4の目詰まり時に逃し弁7により上流側空間S1と下流側空間S2とが連通されるため、エンジン稼働時のオイル切れが防止される。さらに、エンジン停止時に規制弁8により下流側空間S2からオイル流出口12に向かうオイルの流通が規制されるため、ハウジング3内に多量のオイルを保持でき、エンジン始動時のオイル切れが抑制される。さらに、支持筒5の立ち上げ側5aの内側で逃し弁7及び規制弁8を近接して配置できるため、部品点数を低減して簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7及び規制弁8を容易に組み付けることがきる。
また、本実施例では、逃し弁7は、逃し用弁座31と、逃し用弁体32と、逃し用スプリング33と、を備える。これにより、逃し用スプリング33の付勢力により逃し用弁体32が逃し用弁座31に当接することで連通穴31aが閉塞される一方、逃し用スプリング33の付勢力に抗して逃し用弁体32が逃し用弁座31から離間することで連通穴31aが開放される。
また、本実施例では、逃し用弁座31は、支持筒5の立ち上げ側5aの周壁に形成された縮径部25に設けられており、逃し用弁体32は、支持筒5内で軸方向に移動可能に設けられており、逃し用スプリング33は、支持筒5内に設けられている。これにより、逃し弁7ひいてはオイルフィルタ1を更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7の組付性が更に高められる。
また、本実施例では、縮径部25は、ハウジング3の底面側3aに向かって縮径するテーパ状に形成されている。これにより、ろ過エレメント4の目詰まり時に逃し用弁体32が逃し用弁座31から円滑且つ瞬時に離れる。
また、本実施例では、支持筒5の立ち上げ側5aの内側には、上蓋プレート26が設けられており、規制弁8は、規制用弁座35と、規制用弁体36と、規制用スプリング37と、を備え、規制用弁体36は、支持筒5内で軸方向に移動可能に設けられており、規制用スプリング37は、支持筒5内に設けられている。これにより、規制用スプリング37の付勢力により規制用弁体36が規制用弁座35に当接することで流通穴35aが閉塞される一方、規制用スプリング37の付勢力に抗して規制用弁体36が規制用弁座35から離間することで流通穴35aが開放される。さらに、支持筒5の立ち上げ側5aの内側で逃し弁7と規制弁8とを一体的に構成できる。よって、オイルフィルタ1を更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7及び規制弁8の組付性が更に高められる。
また、本実施例では、逃し用スプリング33は、逃し用弁体32と上蓋プレート26との間に介装さており、規制用スプリング37は、規制用弁体36と逃し用弁体32との間に介装されている。これにより、オイルフィルタ1を更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7及び規制弁8の組付性が更に高められる。
また、本実施例では、逃し用スプリング33は、コイルスプリングであり、規制用スプリング37は、逃し用スプリング33より小径なコイルスプリングであるとともに、逃し用スプリング33の内側に配置されている。これにより、オイルフィルタ1を更に簡易且つ小型な構造にできるとともに、逃し弁7及び規制弁8の組付性が更に高められる。
さらに、本実施例では、ハウジング3の底面側3aの内側には、エンジン稼働時にオイル流入口11から上流側空間S1に向かうオイルの流通を許容するとともに、エンジン停止時に上流側空間S1からオイル流入口11に向かうオイルの流通を規制する逆止弁9が備えられている。これにより、エンジン停止時に、ハウジング3内においてインレット側の逆止弁9とアウトレット側の規制弁8との間で多量のオイルを保持できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、支持筒5と別体である上蓋プレート26を例示したが、これに限定されず、例えば、支持筒5に一体的に形成される上蓋プレート26としてもよい。例えば、図6に示すように、支持筒5は、ハウジング3の底面側3aから立ち上がる第1筒50aと、第1筒50aと接合される第2筒50bと、を備え、第1筒50aに、逃し用弁座31を構成する縮径部25を形成し、第2筒50bの軸端面側を、規制用弁座35を構成する上蓋プレート26としてもよい。この場合であっても、上記実施例1のオイルフィルタ1と略同様の作用及び効果を奏する。
また、上記実施例では、支持筒5の軸方向に移動可能な逃し用弁体32を例示したが、これに限定されず、例えば、支持筒5の軸方向に交差する方向に移動可能な逃し用弁体としてもよい。さらに、上記実施例では、支持筒5の軸方向に移動可能な規制用弁体36を例示したが、これに限定されず、例えば、支持筒5の軸方向に交差する方向に移動可能な規制用弁体としてもよい。
また、上記実施例では、逃し用スプリング33で付勢される逃し用弁体32を例示したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、ゴム等の弾性材からなる逃し用弁体49としてもよい。この逃し用弁体49は、上流側空間S1と下流側空間S2との差圧が設定値以上となったときにオイル圧により弾性変形して逃し用弁座31から離間して連通穴31aを開放する一方、差圧が設定値未満のときに元の形状に復元して逃し用弁座31に当接して連通穴31aを閉塞する。
また、上記実施例では、規制用スプリング37で付勢される規制用弁体36を例示したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、ゴム等の弾性材からなる規制用弁体52としてもよい。この規制用弁体52は、エンジン稼働時にオイル圧により弾性変形して規制用弁座35から離間して流通穴35aを開放する一方、エンジン停止時に元の形状に復元して規制用弁座35に当接して流通穴35aを閉塞する。
また、上記実施例では、支持筒5の軸端側に向かって縮径するテーパ状の縮径部25を例示したが、これに限定されず、例えば、支持筒5の軸方向と直交する方向に延びる縮径部としてもよい。また、上記実施例では、支持筒5の縮径部25に配設される逃し用弁座31を例示したが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、支持筒5の拡径部54に配設される逃し用弁座31としてもよい。
さらに、上記実施例では、スピンオン型のオイルフィルタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、ろ過エレメント4の交換時にハウジング3を交換しないタイプのオイルフィルタとしてもよい。さらに、上記実施例では、エンジン2に対して上向き搭載されるオイルフィルタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、エンジンに対して横向き搭載や下向き搭載されるオイルフィルタとしてもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明は、エンジンオイルを濾過するオイルフィルタとして広く利用される。
1;オイルフィルタ、2;エンジン、3;ハウジング、3a;底面側、4;ろ過エレメント、5;支持筒、5a;立ち上げ側、7;逃し弁、8;規制弁、9;逆止弁、11;オイル流入口、12;オイル流出口、25;縮径部、26;上蓋プレート、31;逃し用弁座、31a;連通穴、32;逃し用弁体、33;逃し用スプリング、35;規制用弁座、35a;流通穴、36;規制用弁体、37;規制用スプリング、S1;上流側空間、S2;下流側空間。
Claims (7)
- 底面側がエンジンに取り付けられる筒状のハウジングと、前記ハウジング内に軸心を一致して収容される筒状のろ過エレメントと、前記ハウジングの底面側から立ち上げられて前記ろ過エレメントの内周側を支持する支持筒と、を備え、前記ハウジングの底面側には、前記ろ過エレメントの外側の上流側空間に連なるオイル流入口、及び前記ろ過エレメントの内側の下流側空間に連なるオイル流出口が形成されているオイルフィルタであって、
前記支持筒の立ち上げ側の内側には、
前記上流側空間と前記下流側空間とを隔離するとともに、前記上流側空間と前記下流側空間との差圧が設定値以上となったときに前記上流側空間と前記下流側空間とを連通させる逃し弁と、
前記エンジン稼働時に前記下流側空間から前記オイル流出口に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記下流側空間から前記オイル流出口に向かうオイルの流通を規制する規制弁と、が備えられていることを特徴とするオイルフィルタ。 - 前記逃し弁は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に配設され且つ前記上流側空間と前記下流側空間とを連通する連通穴が形成された逃し用弁座と、前記逃し用弁座に当接して前記連通穴を閉塞し且つ前記逃し用弁座から離間して前記連通穴を開放する逃し用弁体と、前記逃し用弁体を前記逃し用弁座に向かって付勢する逃し用スプリングと、を備える請求項1記載のオイルフィルタ。
- 前記逃し用弁座は、前記支持筒の立ち上げ側の周壁に形成された縮径部に設けられており、
前記逃し用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、
前記逃し用スプリングは、前記支持筒内に設けられている請求項2記載のオイルフィルタ。 - 前記縮径部は、前記ハウジングの底面側に向かって縮径するテーパ状に形成されている請求項3記載のオイルフィルタ。
- 前記支持筒の立ち上げ側の内側には、前記縮径部よりも前記ハウジングの底面側から軸方向に離れた位置に上蓋プレートが設けられており、
前記規制弁は、前記上蓋プレートに配設され且つ前記下流側空間から前記オイル流出口に向かってオイルを流通させる流通穴が形成された規制用弁座と、前記規制用弁座に当接して前記流通穴を閉塞し且つ前記規制用弁座から離間して前記流通穴を開放する規制用弁体と、前記規制用弁体を前記規制用弁座に向かって付勢する規制用スプリングと、を備え、
前記規制用弁体は、前記支持筒内で軸方向に移動可能に設けられており、
前記規制用スプリングは、前記支持筒内に設けられている請求項3又は4に記載のオイルフィルタ。 - 前記逃し用スプリングは、前記逃し用弁体と前記上蓋プレートとの間に介装さており、
前記規制用スプリングは、前記規制用弁体と前記逃し用弁体との間に介装されている請求項5記載のオイルフィルタ。 - 前記ハウジングの底面側の内側には、前記エンジン稼働時に前記オイル流入口から前記上流側空間に向かうオイルの流通を許容するとともに、前記エンジン停止時に前記上流側空間から前記オイル流入口に向かうオイルの流通を規制する逆止弁が備えられている請求項1乃至6のいずれか一項に記載のオイルフィルタ。
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CN116396857A (zh) * | 2023-05-20 | 2023-07-07 | 广东圣蜜生物科技有限公司 | 一种用于多肽护肤品提取的酶解装置及使用方法 |
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