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JP2017156390A - 電子写真機器用導電性ロール - Google Patents

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JP2017156390A
JP2017156390A JP2016036813A JP2016036813A JP2017156390A JP 2017156390 A JP2017156390 A JP 2017156390A JP 2016036813 A JP2016036813 A JP 2016036813A JP 2016036813 A JP2016036813 A JP 2016036813A JP 2017156390 A JP2017156390 A JP 2017156390A
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JP2016036813A
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伊東 邦夫
Kunio Ito
邦夫 伊東
祐馬 吉田
Yuma Yoshida
祐馬 吉田
洋介 林
Yosuke Hayashi
洋介 林
井上 大輔
Daisuke Inoue
大輔 井上
堀内 健
Takeshi Horiuchi
健 堀内
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

【課題】弾性体層への含浸量制御が容易で含浸によって柔軟性を維持しつつ耐久性が向上した電子写真機器用導電性ロールを提供する。【解決手段】軸体12と、軸体12の外周に形成された弾性体層14と、を備え、弾性体層14は、その外周面から内部にかけて1.0μm以上80μm以下の厚みで表面処理剤によって含浸されており、表面処理剤が、下記の(a)および(b)の硬化体からなる。(a)酸価0.001KOHmg/g以上、分子量1000以下のポリオール化合物(b)2官能または3官能のイソシアネート化合物【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる電子写真機器用導電性ロールに関するものである。
電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器では、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの導電性ロールが用いられている。電子写真機器の導電性ロールは、軸体の外周に弾性体層を有する。弾性体層は、導電性ゴム組成物などから形成されている。
電子写真機器の導電性ロールでは、表面性能の向上などを目的に、弾性体層の外周表面に表層が別途設けられることがある。例えば特許文献1では、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とカーボンナノチューブを含む表面処理液でコーティング層を形成することが記載されている。
特開2009−108265号公報
ロール表面に表層を設ける手法は、通常、塗布により行われ、工数が煩雑な上、膜厚の制御が困難である。また、弾性体層の外周上に弾性体層とは別の層を有する構成となり、導電性に影響する。これに対し、弾性体層の外周表面に表面処理液を含浸させる手法は、形状がロールであるゆえに、ロールの上下左右などの各部位による均一含浸量の制御が難しい。
本発明が解決しようとする課題は、弾性体層への含浸量制御が容易で含浸によって柔軟性を維持しつつ耐久性が向上した電子写真機器用導電性ロールを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用導電性ロールは、軸体と、前記軸体の外周に形成された弾性体層と、を備え、前記弾性体層は、その外周面から内部にかけて1.0μm以上80μm以下の厚みで表面処理剤によって含浸されており、前記表面処理剤が、下記の(a)および(b)の硬化体からなることを要旨とするものである。
(a)酸価0.001KOHmg/g以上、分子量1000以下のポリオール化合物
(b)2官能または3官能のイソシアネート化合物
前記弾性体層の含浸されている部分の厚みのばらつきは30%以内であることが好ましい。前記ポリオール化合物の官能基数は3〜8の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロールによれば、(a)および(b)を含む硬化前の組成物の弾性体層への含浸量制御が容易で含浸によって柔軟性を維持しつつ耐久性を向上させることができる。弾性体層の含浸されている部分の厚みがその外周面から内部にかけて1.0μm以上であるので、耐久性に優れる。また、弾性体層に含浸されている表面処理剤がポリウレタンであるため、耐久性に優れる。弾性体層の含浸されている部分の厚みがその外周面から内部にかけて80μm以下であるので、柔軟性が維持される。
上記含浸量制御により、弾性体層の含浸されている部分の厚みのばらつきを30%以内とすることができる。そして、弾性体層の含浸されている部分の厚みのばらつきが30%以内であることで、表面特性を均一にすることができる。ポリオール化合物の官能基数が3〜8の範囲内であることで、耐久性と柔軟性のバランスを確保することができる。
本発明の第一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールの外観模式図(a)と、そのA−A線断面図(b)である。 図1に示す導電性ロールの表面付近(B範囲)を拡大して示した図である。
本発明に係る電子写真機器用導電性ロール(以下、単に導電性ロールということがある。)について詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールの外観模式図(a)と、そのA−A線断面図(b)である。図2は、図1に示す導電性ロールの表面付近(B範囲)を拡大して示した図である。
導電性ロール10は、軸体12と、軸体12の外周に形成された弾性体層14と、を備える。弾性体層14は、導電性ロール10の表面に現れる層となっている。弾性体層14は、導電性ゴム組成物から形成されている。弾性体層14は、その外周面から内部にかけて所定の厚みで表面処理剤によって含浸されている。表面処理剤は、下記の(a)および(b)の硬化体からなる。すなわち、ウレタン硬化体からなる。
(a)酸価0.001KOHmg/g以上、分子量1000以下のポリオール化合物
(b)2官能または3官能のイソシアネート化合物
導電性ロール10は、軸体12の外周に形成された弾性体層14の外周面から上記の(a)および(b)を含む組成物を弾性体層14の内部に所定の厚みで浸み込ませ(含浸させ)、その後、弾性体層14に含浸された当該組成物をウレタン硬化することにより形成することができる。弾性体層14に含浸させるときには、上記の(a)はポリオール化合物として組成物中に含まれており、上記の(b)はイソシアネート化合物として組成物中に含まれている。
上記の(a)は、分子量1000以下と低分子量であるので、弾性体層14に含浸しやすく、硬化前の短時間で所望の厚みまで弾性体層14に含浸させることができる。ポリオールの分子量が1000超であると、弾性体層14に含浸しにくく、硬化前の短時間で所望の厚みまで弾性体層14に含浸させることができない。また、上記の(a)は、酸価0.001KOHmg/g以上であり、適度な速度で硬化反応を進行させることができる。含浸時(初期)には低粘度であり、含浸後に硬化による増粘により均一に弾性体層14に含浸させることができる。
上記の(a)の分子量は、弾性体層14への含浸量制御がより容易であるなどの観点から、好ましくは100〜1000の範囲内、より好ましくは100〜750の範囲内、さらに好ましくは100〜500の範囲内である。
上記の(a)の官能基数は、3〜8の範囲内であることが好ましい。より好ましくは3〜5の範囲内である。ポリオール化合物の官能基数が3〜8、3〜5の範囲内であることで、耐久性と柔軟性のバランスを確保することができる。
上記の(a)としては、エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,プロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ブチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1,6−ヘキシレングリコール等のジオール、トリメチロールエタン,トリメチロールプロパン,ヘキサントリオール,グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール等が挙げられる。これらは、上記の(a)として1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、含浸後の反応性やロールの表面硬度などの観点から、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
上記の(b)は、2官能または3官能であるので、弾性体層14の含浸された部分14aが硬くなりすぎるのを抑えられる。また、官能基数が比較的少ないため、イソシアネート化合物の分子量が低く抑えられ、弾性体層14に含浸しやすく、硬化前の短時間で所望の厚みまで弾性体層14に含浸させることができる。上記の(b)は、イソシアネート化合物であるが、弾性体層14への浸透性の観点から、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーではないことが好ましい。上記の(b)は、弾性体層14への浸透性の観点から、分子量1000以下と低分子量であることが好ましい。上記(b)の分子量は、弾性体層への含浸量制御がより容易であるなどの観点から、好ましくは100〜1000の範囲内、より好ましくは100〜750の範囲内、さらに好ましくは100〜500の範囲内である。
上記の(b)としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルイソシアネート(PAPI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート(DDI)などが挙げられる。これらは、上記の(b)として1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、耐摩耗性、硬化性などの観点から、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が特に好ましい。
上記の(a)と上記の(b)の配合割合は、強度を確保しやすいなどの観点から、NCOインデックス(イソシアネートインデックス)が100以上となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは110以上、さらに好ましくは115以上である。一方、硬くなりすぎない、成形しやすいなどの観点から、NCOインデックスが160以下となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは155以下、さらに好ましくは150以下である。NCOインデックスは、イソシアネート基と反応する活性水素基(水酸基、アミノ基など)の合計当量100に対するイソシアネート基の当量として算出する。
弾性体層14の内部に浸み込ませるための上記の(a)および(b)を含む組成物は、上記の(a)および(b)とともに、溶媒を含んでいてもよい。溶媒を含むことで、固形分濃度を調整し、硬さを維持した形で含浸の厚みを調整することができる。また、より均一に含浸させやすくする。上記組成物における固形分濃度は、浸透性、厚みなどの観点から、1質量%以上40質量%以下の範囲内が好ましい。より好ましくは3質量%以上35質量%以下である。
溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ヘキサン、石油エーテル、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルエーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ガソリン、石油エーテル、ベンジン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらは、溶媒として1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、材料の溶解性、揮発性などの観点から、メチルエチルケトン(MEK)が特に好ましい。
弾性体層14の含浸されている部分14aの厚みは、その外周面14bから内部にかけて1.0μm以上である。また、その外周面14bから内部にかけて80μm以下である。弾性体層14の含浸されている部分14aの厚みがその外周面14bから内部にかけて1.0μm以上であるので、耐久性に優れる。弾性体層14の含浸されている部分14aの厚みがその外周面14bから内部にかけて80μm以下であるので、柔軟性が維持される。耐久性の観点から、上記厚みは、より好ましくは3.0μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、柔軟性の観点から、上記厚みは、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
上記含浸量制御により、弾性体層14の含浸されている部分14aの厚みのばらつきを30%以内とすることができる。そして、弾性体層14の含浸されている部分14aの厚みのばらつきが30%以内であることで、表面特性を均一にすることができる。
弾性体層14は、架橋ゴムを含有する。弾性体層14は、未架橋ゴムを含有する導電性ゴム組成物により形成される。架橋ゴムは、未架橋ゴムを架橋することにより得られる。未架橋ゴムは、極性ゴムであってもよいし、非極性ゴムであってもよい。導電性に優れるなどの観点から、未架橋ゴムは極性ゴムが好ましい。
極性ゴムは、極性基を有するゴムであり、極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。極性ゴムとしては、具体的には、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。極性ゴムのうちでは、体積抵抗率が特に低くなりやすいなどの観点から、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
ウレタンゴムとしては、分子内にエーテル結合を有するポリエーテル型のウレタンゴムを挙げることができる。ポリエーテル型のウレタンゴムは、両末端にヒドロキシル基を有するポリエーテルとジイソシアネートとの反応により製造できる。ポリエーテルとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
架橋剤としては、硫黄架橋剤、過酸化物架橋剤、脱塩素架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、チウラム系加硫促進剤、高分子多硫化物などの従来より公知の硫黄架橋剤を挙げることができる。
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。
脱塩素架橋剤としては、ジチオカーボネート化合物を挙げることができる。より具体的には、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネートなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1〜2質量部の範囲内、より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
架橋剤として脱塩素架橋剤を用いる場合には、脱塩素架橋促進剤を併用しても良い。脱塩素架橋促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUと略称する。)もしくはその弱酸塩を挙げることができる。脱塩素架橋促進剤は、DBUの形態として用いても良いが、その取り扱い面から、その弱酸塩の形態として用いることが好ましい。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2−エチルヘキシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2−メルカプトベンゾチアゾール塩、2−メルカプトベンズイミダゾール塩などを挙げることができる。
脱塩素架橋促進剤の含有量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、0.1〜2質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.3〜1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部の範囲内である。
弾性体層14には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。また、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
弾性体層14は、架橋ゴムの種類、イオン導電剤の配合量、電子導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。弾性体層14の体積抵抗率は、用途などに応じて10〜1010Ω・cm、10〜10Ω・cm、10〜10Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
弾性体層14の厚みは、特に限定されるものではなく、用途などに応じて0.1〜10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。
弾性体層14は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋の導電性ゴム組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するか、あるいは、軸体12の表面に未架橋の導電性ゴム組成物を押出成形するなどにより、軸体12の外周に弾性体層14を形成する。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。つまり、弾性体層14は、接着剤層(プライマー層)を介して軸体12に接着されていてもよい。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
以上の構成の導電性ロール10によれば、弾性体層14への含浸量制御が容易で含浸によって柔軟性を維持しつつ耐久性を向上させることができる。本願構成は、弾性体層14の外周上に層を別途形成するものではないため、弾性体層14の導電性を妨げるものでもない。なお、本願発明は、含浸の結果、弾性体層14の外周上に当該材料からなる非常に薄い層が形成されることまでを否定するものではない。結果として非常に薄い層が形成されるものについては、導電性や表面特性を損なわない範囲で許容される。
本発明に係る導電性ロールの構成としては、図1に示す構成に限定されるものではない。例えば、図1に示す導電性ロール10において、軸体12と弾性体層14との間に他の弾性体層を備えた構成であってもよい。この場合、他の弾性体層は、導電性ロールのベースとなる層であり、弾性体層14が導電性ロールの抵抗調整を行う抵抗調整層などとして機能する。他の弾性体層は、例えば、弾性体層14を構成する材料として挙げられた材料のいずれかにより構成することができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1〜6)
<導電性ゴム組成物(1)の調製>
ニトリルゴム(NBR、日本ゼオン製「ニポールDN202」)100質量部に対し、イオン導電剤(テトラn−ブチルアンモニウムパークロレート、n−BuN・ClO)を1.0質量部、架橋剤としてパーオキサイド(日油製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンを1.0質量部、カーボンブラック(東海カーボン製「シースト116」)を1.0質量部添加し、これらを攪拌機により撹拌、混合して導電性ゴム組成物(1)を調製した。
<弾性体層の作製>
成形金型に芯金(軸体、直径6mm)をセットし、上記の導電性ゴム組成物(1)を注入し、170℃で30分加熱した後、冷却、脱型して、芯金の外周に厚み5mmの弾性体層を形成した。これにより、ロール体を作製した。
<含浸用組成物の調製>
表1に記載の配合となるように、ポリオール化合物とイソシアネート化合物と溶媒(MEK)とを所定の固形分濃度となるように調整した。
<含浸処理方法>
ロール体が入るステンレス容器に含浸用組成物(表面処理液)を溜め、芯金が液面に触れないようにロール体の弾性体層を液面から3mm沈めて浸漬させた。その状態でロール体を100rpmで30秒回転させて弾性体層の外周全面に表面処理を行った。ロール体を取り出した後、10分程度風乾させ、120℃×1hrで熱処理して、溶媒の除去およびイソシアネートの反応を行った。以上により、含浸処理を行い、表面処理ロールを作製した。
(実施例7)
<導電性ゴム組成物(2)の調製>
ヒドリンゴム(ECO、ダイソー製「エピクロマーCG102」)100質量部に対し、イオン導電剤(テトラn−ブチルアンモニウムパークロレート、n−BuN・ClO)を1.0質量部、架橋剤としてパーオキサイド(日油製、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンを1.0質量部、カーボンブラック(東海カーボン製「シースト116」)を1.0質量部添加し、これらを攪拌機により撹拌、混合して導電性ゴム組成物(2)を調製した。
<弾性体層の作製>
導電性ゴム組成物(1)に代えて導電性ゴム組成物(2)を用いた以外は実施例2と同様にして、芯金の外周に厚み5mmの弾性体層を形成した。
<含浸処理方法>
実施例1〜6と同様に行った。含浸用組成物は、実施例2と同じものを用いた。
(比較例1)
含浸用組成物の調製において、ポリオール化合物を用いなかった以外は実施例2と同様に行った。
(比較例2)
<プレポリマーの調製>
イソシアネート(日本ポリウレタン製「ミリオネートMT」、Mn=250、f=2)88質量部を希釈溶媒(MEK)に溶かし、溶液を40℃に温調した。また、ポリオール(三菱ガス化学製、トリメチロールプロパン)12質量部も同様に希釈溶媒に溶かした後、イソシアネート溶液に投入し、40℃で6時間反応させた。合成後、NCO%と固形分濃度の測定から反応が完結していることを確認し、最後に溶媒を追加して固形分濃度の調整を行った。
含浸用組成物として上記プレポリマーを用いた以外は実施例2と同様に行った。
(比較例3)
含浸用組成物の調製において、ポリオール化合物に代えてエタノールアミンを用い、導電性ゴム組成物(1)に代えて導電性ゴム組成物(2)を用いた以外は実施例2と同様に行った。
(比較例4〜5)
含浸用組成物の調製において、高分子量のポリオール化合物を用いた以外は実施例2と同様に行った。
使用した各成分は、以下の通りである。
(ポリオール化合物)
・エクセノール430:旭硝子製、Mn430、f=3、酸価0.004、OHV400
・トリメチロールプロパン:三菱ガス化学製、Mn134、f=3、酸価0.002、OHV1256
・G1500:アデカ製、Mn1500、f=3、酸価0.004、OHV112
・サンニックスEP−900:三洋化成工業製、Mn900、f=4、酸価0.08、OHV250
・SC−P1200:坂本薬品工業製、Mn1200、f=4、酸価0.004、OHV187
(イソシアネート化合物)
・ミリオネートMT:日本ポリウレタン製、Mn250、f=2、NCO33.6%
・タケネートD165N:三井化学製、Mn540、f=3、NCO26.3%
・プレポリマー:上記調製品
(その他)
・エタノールアミン:試薬、Mn61、f=2、酸価N.D.、OHV1839
作製した各導電性ロールについて、弾性体層の含浸されている部分の厚み、厚みのばらつきを測定し、耐久性、柔軟性を評価した。測定結果、評価結果および含浸用組成物の配合組成(質量部)を表に示す。
(含浸厚)
導電性ロールから断面サンプルをエポキシにて包埋し、ミクロトームにて面だしを行った。次いで、表面近傍を含めてAFM(原子間力顕微鏡)にて30μm角の測定範囲にて弾性マッピングを行った。次いで、表面から内部方向に向けてライン分析し、弾性体層のベースゴムと同じ硬度になるまでの距離を含浸厚(含浸深さ)とした。含浸厚が厚い場合には、AFMの測定範囲を適宜広げて測定を行った。含浸厚は、表面からの含浸距離を5点測定した平均値とした。
(含浸厚のばらつき)
AFM画像を2箇所測定し、最大厚と最小厚をピックアップし、(最大厚−最小厚)/最大厚=含浸厚のばらつきとして計算した。
(耐久性)
作製した導電性ロールをカートリッジに組み込み、10000枚のハーフトーンの画出しを行った後、ベタ画出しの評価にて目視評価を行った。濃淡にばらつきがあった場合を耐久性不良「×」とし、濃淡にばらつきがなかった場合を耐久性良好「○」とした。
(柔軟性)
ロール表面からMD−1硬度を測定し、含浸前後で3ポイントより大きい硬度上昇があった場合は柔軟性に劣る「×」とし、硬度上昇が3ポイント以下であった場合を柔軟性に優れる「○」とした。
Figure 2017156390
比較例1は、含浸用組成物の固形分がイソシアネートのみからなり、弾性体層にイソシアネートを含浸させる構成となっている。イソシアネート硬化物はウレタン硬化物よりも硬くもろいため、耐久性および柔軟性のいずれも満足しない。比較例2は、含浸用組成物の固形分がプレポリマーのみからなり、弾性体層にプレポリマーを含浸させる構成となっている。プレポリマーは分子量が大きく、粘度が高いため、弾性体層に浸透しにくく、含浸厚が十分に確保できていない。また、イソシアネート基が減少する為、反応性が悪くなる。このため、削れやハガレが生じやすく、耐久性を満足しない。比較例3は、含浸用組成物にポリオール化合物が含まれず、酸価を持たないエタノールアミンが含まれる。このため、含浸処理前に組成物中で反応がかなり進み、含浸厚のバラツキが大きくなる。このため、耐久性を満足しない。また、画質も悪化する。比較例4、5は、ポリオール化合物が高分子量である。弾性体層にポリオール化合物が浸透しにくく、含浸厚が十分に確保できていない。架橋が少ないために物性が低下する。このため、初期画像と耐久性を満足しない。
これに対し、実施例は、含浸用組成物にポリオール化合物およびイソシアネート化合物が含まれ、ポリオール化合物が分子量1000以下と低分子量であり、酸価0.001KOHmg/g以上であり、イソシアネート化合物が2官能または3官能であることから、弾性体層にポリオール化合物およびイソシアネート化合物が浸透しやすく、含浸厚が十分に確保されている。そして、このようにポリオール化合物やイソシアネート化合物が浸透しやすいことから、例えば溶媒量(固形分濃度)や含浸時間などを調整することで、容易に含浸量の制御が可能となっている。また、含浸厚のばらつきも小さくなっている。そして、弾性体層がこのようなポリオール化合物とイソシアネート化合物の硬化物によって含浸されており、所定の厚み範囲に含浸厚が調整されているので、耐久性および柔軟性の両方を満足している。
そして、実施例2,5,6から、含浸用組成物の固形分濃度が薄いと、含浸厚のばらつきを小さくし、含浸厚を大きくすることができる。そして、実施例1,2,3から、ポリオール化合物の分子量が100〜500であると、含浸厚のばらつきを小さくし、含浸厚を大きくする効果が顕著に向上することがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 導電性ロール
12 軸体
14 弾性体層
14a 含浸されている部分
14b 弾性体層の外周面

Claims (3)

  1. 軸体と、前記軸体の外周に形成された弾性体層と、を備え、
    前記弾性体層は、その外周面から内部にかけて1.0μm以上80μm以下の厚みで表面処理剤によって含浸されており、
    前記表面処理剤が、下記の(a)および(b)の硬化体からなることを特徴とする電子写真機器用導電性ロール。
    (a)酸価0.001KOHmg/g以上、分子量1000以下のポリオール化合物
    (b)2官能または3官能のイソシアネート化合物
  2. 前記弾性体層の含浸されている部分の厚みのばらつきが30%以内であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用導電性ロール。
  3. 前記ポリオール化合物の官能基数が3〜8の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用導電性ロール。
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