JP2017156160A - 電流センサー用磁性コア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流センサー用の磁性コアにおいて、前記磁束を計測するための磁気センサーを配置する第一のギャップの長さLsと第二のギャップの長さLgとが、式Lg≦Ls≦1.35Lgを満足する構成とする。
【選択図】図3
Description
磁性コアの磁気飽和が発生する電流を大きくするには、該コアに設けたギャップ部の磁気抵抗を大きくすればよい。そのためには、該ギャップ部の長さを大きくすれば良いことが知られている。例えば、特許文献2には、コアに設けるギャップの個数を増やしてギャップ部の全長(総計)を大きくすることによって、磁気飽和に達する電流値を大きくできることが開示されている。特許文献2の図8の磁界−磁束密度の関係で示されるように、ギャップ部の全長が大きくなれば、磁界が大きくなっても磁束密度を小さくすることができる。磁界の大きさは電流に比例するから、計測対象の電流が大きくなっても、磁気飽和することなく電流測定が可能になる。
例えば、磁束密度検出用センサーとしてホール素子を使用する場合、ホール素子の出力電圧は実用上必ず増幅装置を必要とするほど微弱であって、ノイズの影響を受けやすい。検出するコアの磁束密度は小さいとホール素子の出力電圧も小さくなるため、場合によってはノイズに埋もれてしまって検出できなくなる。このようにホール素子などの磁束密度検出用センサーの検出感度を考えると、SN比(信号とノイズとの比)の観点からも、検出すべき信号の値、上記の例で言えばコアの磁束密度はセンサーの測定可能範囲において極力高くしなければならない。
電流センサーの測定精度として、定格電流以下の電流範囲に対しては高い精度が求められる。一方、電気機器に定格電流以上の過電流が流れることは頻度としては低いので、電流センサーの測定精度として定格電流以下の場合ほどの高精度が必要とされることは少なく、定格電流以上の電流が流れたことがわかるだけで良い場合が多かった。
しかし、上記のように電気機器がノイズ環境に晒される場合が増えてきているなか、電気機器の耐過電流対策が求められるようになってきており、電流センサーに対しては過電流時の精度もある程度有していることが求められてきている。
上記のように、従来技術(特許文献3)は、定格電流を被計測電流の最大値として被計測電流の最大値付近の測定精度を高めるとともに、被計測電流が小さいときのSN比を良くするように最適化することまでは可能である。しかしながら、さらに定格電流よりも大きな過電流に対して測定精度を高くすることは想定されていないし、当然、そのための方策も提示されていない。
上記した従来の、定格電流値付近の測定精度を高くしかつ被計測電流が小さいときの測定精度も良くする手法は、結局技術的に、コアの全ギャップ長をある特定の値にすることによって実現されている。しかしながら、さらに定格電流よりも大きな過電流に対する測定精度をも良くするためには、コアのギャップ数を複数にして全ギャップ長は一定値に保ったまま各ギャップ長の配分比を変えることが有効であることを見出すに至った。特に、各ギャップ長の配分比を特定の値とすることによって高い過電流測定精度が得られること、を新たに知見するに至った。
本発明は、上記の知見に由来するものである。
1.電流センサー用の磁性コアであって、
磁束を計測する磁気センサーを配置する第一のギャップおよび第二のギャップを有し、
前記第一のギャップの長さLsと第二のギャップの長さLgとが下記式(1)を満足する電流センサー用磁性コア。
記
Lg≦Ls≦1.35Lg …(1)
記
1.11Lg≦Ls≦1.22Lg …(2)
コア11は、略環状であり、これを分断するギャップ2および3が設けられている。コア11の内径側に、電流を測定する被計測電流線10が配置される。被計測電流線10に電流が流れると、その電流の大きさに見合った磁束がコア11に発生する。この磁束は、アンペールの法則に従って、前記電流線10を一周するように形成される。
この電流が大きくなれば、コア11内の磁束も大きくなる。しかし、電流が大きくなればやがて磁気飽和に至る。
一方で、電流センサーは小さな電流値も計測できなければならない。コアの磁束密度検出用の磁気センサーの検出感度、磁気センサー出力を増幅する装置の入力感度、磁気センサーや増幅装置の設置環境によるノイズレベルなどを考慮して、被計測電流が最小であるときにもコアの磁束密度が必要な値以上となるように、ギャップ2および3の合計長さ(ギャップ全長)は必要な範囲で最も小さな値とする。
上記のように、電流を感度よく検出でき、定格電流測定誤差の要求仕様とSN比の要求仕様とを同時に満たすギャップ全長の最小値をギャップ2および3の合計長さとする。
要求されるSN比および被測定電流の最小値は、要求される仕様やセンサーが使用される環境によって異なるが、小さなSN比および被測定電流が小さくても所望の磁束密度が得られるように、前記設定範囲内でギャップ全長2L0を設定する。2L0はギャップ2および3の大きさの割合によらず一定である。
例えば、上記した特許文献3に記載のコアでは、同文献の図3に示されるように、磁気センサーを設置していないギャップに磁性板を挿入して調整を行っている。この手法によれば、被計測電流がある値、例えば測定範囲の最大値付近であるときの電流センサーの精度を高くすることができるが、同時に最大値付近よりも高い被計測電流の測定精度は高い場合もあったが低くなる場合もあって、その精度は不安定であった。
すなわち、Lg≦Ls≦1.35Lg、より好ましくは1.11Lg≦Ls≦1.22Lg とすることによって、被計測電流が最大電流よりも大きな電流範囲においても測定電流―磁束密度曲線を理想曲線に近づけることが出来る。
コアの作製方法も特に限定されないが、電磁鋼板を積層する方法が最も適している。たとえば、電磁鋼板の薄板を芯金に巻きつけて作製する巻きコアと呼ばれるコアがある。しかし巻きコアは、鋼板を芯金に巻きつけた後に歪取り焼鈍を行う必要があり、作製に余計な手間をかける必要がある。一方で、積層体であれば、所定の形状に鋼板を打ち抜き、それらを積み重ねればよいので、余計な手間がかからず、大量生産により適している。
ここで、形状は、U字形のほか略半円形であってもよく、環状の形態が形作られるものであればよい。
本発明によるコアの大きさは、特に限定されない。コアは、使用される環境や条件により、その直径または内径が0.5cm程度から、最大で30cm程度の大きさになる。また厚さも数mmから数cm程度である。本発明の効果は、磁性コアの大きさによる影響はないため、使用される環境や条件に応じて、適当な大きさを適宜選択すればよい。
前記電流センサーによる電流測定を行って、次のとおり測定誤差を評価した。
(電流1000Aのときの誤差)=(B1000―B0)/B0×100 (%)
(電流1300Aのときの誤差)=(B1300―B0)/B0×100 (%)
として評価する。
このときのギャップの長さを、図6(a)に示すように、Ls=Lg=L0とする。
2 第一のギャップ
3 第二のギャップ
4 磁気センサー
10 被計測電流線
11 コア
Claims (3)
- 電流センサー用の磁性コアであって、
磁束を計測する磁気センサーを配置する第一のギャップおよび第二のギャップを有し、
前記第一のギャップの長さLsと第二のギャップの長さLgとが下記式(1)を満足する電流センサー用磁性コア。
記
Lg≦Ls≦1.35Lg …(1)
- 前記第一のギャップの長さLsと第二のギャップの長さLgとが下記式(2)を満足する請求項1に記載の電流センサー用磁性コア。
記
1.11Lg≦Ls≦1.22Lg …(2)
- U字形の複数枚の電磁鋼板を積層した積層体の対を、前記ギャップLsおよびLgの長さを隔てて相対配置した環状組立体である請求項1または2に記載の電流センサー用磁性コア。
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