JP2017156152A - 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 - Google Patents
証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017156152A JP2017156152A JP2016037763A JP2016037763A JP2017156152A JP 2017156152 A JP2017156152 A JP 2017156152A JP 2016037763 A JP2016037763 A JP 2016037763A JP 2016037763 A JP2016037763 A JP 2016037763A JP 2017156152 A JP2017156152 A JP 2017156152A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- evidence
- adhesive layer
- pressure
- sensitive adhesive
- energy ray
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【解決手段】基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。本方法は、犯罪鑑識等における証拠の採取に好適である。
【選択図】図3
Description
特許文献1では、特定の成分からなるアクリル系粘着剤組成物からなる層を光照射して架橋した粘着剤層を有する鑑識用粘着シートについて製造されている。特許文献1の鑑識用粘着シートによれば、製造工程で有機溶剤を用いずに製造でき、採取対象物の表面の破損が抑えられるとされる。
また本発明は、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供することを目的とする。
また本発明は、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートの製造方法を提供することを目的とする。
(1)基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、
前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、
エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。
(2)前記粘着剤層の側から、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射する前記(1)に記載の証拠採取方法。
(3)基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シート。
(4)エネルギー線照射により、前記粘着剤層のJIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力の値が低下する、前記(3)に記載の証拠採取用シート。
(5)エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である、前記(4)に記載の証拠採取用シート。
(6)前記粘着剤層が、エネルギー線重合性基を有するアクリル系重合体、又は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系単量体を含有する、前記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の証拠採取用シート。
(7)前記粘着剤層の前記基材が設けられた側とは反対側に、前記粘着剤層に剥離可能に貼付された台紙を有する、前記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の証拠採取用シート。
(8)基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、証拠採取用シートの製造方法。
(9)前記エネルギー線硬化性の粘着剤組成物が、熱硬化性を有し、
前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、前記(8)に記載の証拠採取用シートの製造方法。
また本発明によれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供できる。
また本発明によれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートの製造方法を提供できる。
本発明の証拠採取方法は、基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離するものである。
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る証拠採取方法を説明する。
図1は、本実施形態の証拠採取方法で用いられる証拠採取用シートの一例を示す断面図である。本実施形態に係る証拠採取用シート1は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられたものである。
本実施形態の証拠採取方法では、まず、証拠採取用シート1のエネルギー線硬化性の粘着剤層20に証拠物品50を貼付する(図3(a)〜図3(b))。次いで証拠物品50が貼付された粘着剤層20に対してエネルギー線Lを照射する(図3(c))。粘着剤層20はエネルギー線Lが照射されることにより硬化され、エネルギー線硬化後の粘着剤層21となる(図3(d))。エネルギー線照射を受けた粘着剤層21は、粘着剤層20と比べて粘着力が低下する。これにより、粘着剤層21から証拠物品50が容易に剥離可能となる。その後、証拠物品50が貼付された粘着剤層21から証拠物品50を剥離する(図3(d))。剥離には、ピンセット60等の器具を用いてもよい。
他の証拠採取方法では、まず、従来の証拠採取用シート5の、エネルギー線硬化性でない粘着剤層40に、証拠物品50を貼付する(図5(a)〜図5(b))。従来、証拠物品50を貼付した後の粘着剤層40に対してエネルギー線Lを照射することは行われていないが、仮に証拠物品50を貼付した後の粘着剤層40に対してエネルギー線Lを照射したとする(図5(c))。しかし、粘着剤層40は、エネルギー線Lの照射によって粘着力が低下しない。
従来の、証拠採取方法に係るエネルギー線照射後の粘着剤層40は、図5(d)に示すように、エネルギー線照射を受けても粘着剤層の粘着力が低下しない。そのため粘着力が強すぎ、粘着剤層40に貼付された証拠物品50を粘着剤層40から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうおそれがある。
一方、本実施形態の証拠採取方法に係る、エネルギー線硬化後の粘着剤層21は、図3(d)に示すように、エネルギー線照射を受けて粘着剤層の粘着力が低下しているので、証拠物品50を粘着剤層21から容易に剥離可能である。また、証拠物品50を粘着剤層21から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうことが防止される。
図2は、本実施形態の証拠採取方法で用いられる証拠採取用シートの一例を示す断面図である。本実施形態に係る証拠採取用シート2は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられ、粘着剤層20の基材10が設けられた側とは反対側に、粘着剤層20に剥離可能に貼付された台紙30を有する。
まず、証拠採取用シート2の粘着剤層20から台紙30を剥離し、エネルギー線硬化性の粘着剤層20に証拠物品50を貼付する(図4(a)〜図4(b))。次いで、台紙30を粘着剤層20に貼付し、台紙30と粘着剤層20とで証拠物品50を挟む(図4(c))。その後、証拠物品50を証拠採取用シートから取り外す場合に、粘着剤層20から台紙30を剥離し、証拠物品50が貼付された粘着剤層20に対してエネルギー線Lを照射する(図4(d))。エネルギー線Lが照射されることにより、粘着剤層20は硬化され、粘着剤層21となる。エネルギー線照射を受けた粘着剤層21は、粘着剤層20と比べて粘着力が低下する。これにより、粘着剤層21から証拠物品50が容易に剥離可能となる。その後、証拠物品50が貼付された粘着剤層21から証拠物品50を剥離する(図4(e))。剥離には、ピンセット60等の器具を用いてもよい。
証拠採取用シート2が台紙30を備えることにより、証拠物品50をより確実に粘着剤層20上に保持可能である。
エネルギー線硬化後の粘着剤層21は、エネルギー線照射を受けて粘着剤層が硬化しているので、エネルギー線照射を受けて粘着剤層の粘着力が低下し、証拠物品50を粘着剤層21から容易に剥離可能である。また、証拠物品50を粘着剤層21から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうことが防止される。
なお、エネルギー線を粘着剤層に照射可能であれば、エネルギー線の照射方法については特に限定されるものではない。例えば、基材がエネルギー線を透過する場合、粘着剤層の基材が設けられた側から粘着剤層に対して、エネルギー線を照射してもよい。また例えば、粘着剤層の基材が設けられた側とは反対側に台紙が貼り付けられている場合でも、台紙がエネルギー線を透過する場合は、台紙の側からエネルギー線を照射して台紙を通過させ、粘着剤層にエネルギー線を照射してもよい。
本発明の証拠採取用シートは、基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられたものである。
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る証拠採取用シートを説明する。
図1は、本実施形態の証拠採取用シートを示す断面図である。本実施形態の証拠採取用シート1は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられたものである。
本実施形態の証拠採取用シートの粘着剤層は、エネルギー線硬化性である。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線が照射されると硬化する性質を有するものである。上記の特許文献1には、光照射して架橋した粘着剤層との記載があるが、係る粘着剤層はエネルギー線照射により既に硬化している。本明細書において、エネルギー線が照射されても、硬化しない粘着剤層については、エネルギー線硬化性としては扱わないものとする。
上記紫外線は、LEDランプ、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどで得られ、そのピーク照度は1〜1000mWcm2のものが挙げられる。紫外線の積算光量は、通常50〜1000mJ/cm2が挙げられ、50〜300mJ/cm2が好ましい。一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、そのエネルギーは、通常50〜350keVである。このエネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。
粘着力の変化については、エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下であることが好ましく、1/50以上1/3以下であることがより好ましく、1/30以上1/5以下であることがさらに好ましく、1/20以上1/7以下であることがさらに好ましい。エネルギー線照射前後での粘着剤層の前記粘着力の比が上記値であることで、エネルギー線照射前の粘着力の発現と、エネルギー線照射後の証拠物品の剥離性とのバランスを、さらに良好なものにできる。
エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である範囲において、エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力は、500以上2000mN/25mm以下が好ましく、700以上1800mN/25mm以下がより好ましく、1000以上1500mN/25mm以下がさらに好ましい。エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力は、10以上300mN/25mm以下が好ましく、20以上200mN/25mm以下がより好ましく、30以上100mN/25mm以下がさらに好ましい。エネルギー線照射前後での粘着剤層の前記粘着力が上記値であることで、エネルギー線照射前の粘着力の発現と、エネルギー線照射後の証拠物品の剥離性とのバランスを、さらに良好なものにできる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、接着性を高めるための易接着処理がされていないものを使用する。
粘着剤層の粘着力の値は、実施例に記載の方法により求めることができる。
エネルギー線硬化型単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ( メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化型重合体としては、ウレタンアクリレート系オリゴマーであってもよい。
アクリル系重合体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体(以下において、「官能基含有モノマー」と記載することがある。)と、これと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とからなる共重合体であることが好ましい。
なお、アクリル系重合体のMwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。また、アクリル系重合体のTgは、FOXの式から求めた値である。
重合性基含有化合物は、その官能基が上記アクリル系重合体の官能基含有モノマーの官能基100当量当たり、通常10〜95当量、好ましくは30〜90当量、より好ましくは35〜80当量、特に好ましくは35〜70当量となる割合で用いられる。重合性基含有化合物の官能基の、上記アクリル系重合体の官能基含有モノマーの官能基当たりの割合がこのような範囲にあることで、エネルギー線照射後の粘着剤層の粘着力を上述した範囲に調整することが容易となる。アクリル系重合体と重合性基含有化合物との反応は、通常は、室温程度の温度で、常圧にて、24時間程度行なわれる。この反応は、例えば酢酸エチル等の溶液中で、ジブチル錫ラウレート等の触媒を用いて行なうことが好ましい。その結果、アクリル系重合体中の主鎖または側鎖に存在する官能基と、重合性基含有化合物中の置換基とが反応し、エネルギー線重合性基がアクリル系重合体中の主鎖または側鎖に導入され、エネルギー線硬化型重合体が得られる。
架橋剤は、エネルギー線重合性基を有する化合物内の第2官能基と反応する、第1反応性官能基を有することが好ましい。また例えば、エネルギー線硬化型重合体又はエネルギー線硬化型単量体は、架橋剤の第1反応性官能基と反応する第2反応性官能基を、分子内に有していてもよい。第2反応性官能基と第1反応性官能基は、互いに反応して結合を形成し得るものであれば特に限定されず、熱反応性のものが好ましい。熱反応性の官能基を有することで、エネルギー線照射を受けずに粘着剤層を硬化させることができ、エネルギー線硬化性を維持しつつ、エネルギー線照射前の粘着剤層の粘着力を好ましい範囲に調整することが容易となる。
第1反応性官能基又は第2反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられる。これらの反応性官能基は、粘着性高分子中に2種以上混在していてもよい。これらの反応性官能基の中でも、水酸基とイソシアネート基の組み合わせが好ましく、第1反応性官能基がイソシアネート基であり、第2反応性官能基が水酸基である組み合わせがより好ましい。
基材としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、セルロースジアセテート,セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。基材は、黒色や、その他の色等に、顔料や染料によって着色されたものであることが好ましく、不透明であることがより好ましい。
図2は、本実施形態の証拠採取用シートを示す断面図である。本実施形態の証拠採取用シート2は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられ、粘着剤層20の基材10が設けられた側とは反対側に、粘着剤層20に剥離可能に貼付された台紙30を有する。
第2の実施形態の証拠採取用シート2は、上記第1の証拠採取用シート1が、さらに台紙30を有するものである。上記第1の証拠採取用シートと同様の構成を有する部分については詳細な説明を省略する。
台紙用の台紙基材としては、上質紙,グラシン紙,グロス紙,ポリラミネート紙,コート紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム等のフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。台紙は、前述のような台紙基材の片面にシリコーン樹脂やアルキル樹脂等による剥離剤層が形成されたものであってもよい。
証拠採取用シートの粘着剤層に採取された指紋痕跡等を鮮明に判別することができるように、剥離シート用の基材として、黒色や、その他の色等に、顔料や染料によって着色されたものであることが好ましい。台紙用の台紙基材が透明のものである場合は、剥離剤層が設けられた台紙基材の反対面に黒色のシート等を貼り合わせたものを使用することが好ましい。
また、台紙の厚みは、取り扱い性を考慮して、例えば50〜250μm程度とすることが好ましい。ここで、台紙の厚みとしては、無作為に選出された10箇所について測定された厚みの平均値とする。
本発明の証拠採取用シートは、本発明の証拠採取方法に用いられるものとして好適である。証拠方法としては、上記に説明したものが挙げられる。例えば、本発明の証拠採取用シートは、基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法に用いられる、証拠採取用シートであってもよい。
また、証拠採取用シートが台紙を備えることにより、証拠物品をより確実に粘着剤層上に保持可能である。
本発明の証拠採取用シートの製造方法は、基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設けるものである。
エネルギー線硬化性の粘着剤組成物は、熱硬化性を有することが好ましく、前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設けてもよい。
一実施形態として、証拠採取用シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
或いは、上記剥離シートの代わりとして、上記の台紙を用いてもよい。この場合、台紙上に粘着剤組成物を塗布して台紙上に粘着剤層を形成させ、当該粘着剤層を上記基材上に転写してもよい。このようにして製造された採取用シートには、粘着剤層に台紙が貼着されている。
塗工装置としては、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ファウンテンダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーター等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の粘着剤組成物は、上記の粘着剤層の各成分を適宜の割合で混合して得られる。混合に際しては、各成分を予め分散媒や溶媒を用いて希釈しておいてもよく、また混合時に分散媒や溶媒を加えてもよい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔粘着剤組成物の作製〕
2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレート(モル比80:20)を重合して得られたアクリル系重合体(重量平均分子量80万)に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−ヒドロキシエチルアクリレート100モルに対して80モル)を付加することにより、エネルギー線硬化型重合体のトルエン溶液(固形分35質量%)を得た。
当該溶液100質量部に対して、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(固形分100質量%)3質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネート(固形分37.5質量%)4.5質量部を添加して混合することにより、粘着剤組成物を得た。
〔証拠採取用シートの作製〕
当該粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが36μmになるように、剥離シートの表面に塗工し、90℃で1分間加熱し、乾燥・硬化させた。こうして形成された粘着剤層に、基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼りあわせ、23℃50%RH環境下で粘着剤をイソシアネート架橋させることにより、実施例1の証拠採取用シートを得た。
実施例1において、以下の粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の証拠採取用シートを得た。
〔粘着剤組成物の作製〕
2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレート(質量比93:7)を重合することにより、アクリル系重合体(重量平均分子量168万)のトルエン溶液(固形分40質量%)を得た。
当該溶液100質量部に対して、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(固形分100質量%)1.6質量部を添加して混合することにより、粘着剤組成物を得た。
(1)粘着力の測定
実施例1及び比較例1で得られた証拠採取用シートから台紙を剥離し、粘着剤層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅25mm、長さ250mm、厚さ50μm)を、質量2000gのゴムローラで一往復圧着することにより、貼り合せた。
高圧水銀ランプ(ピーク照度200mW/cm2)を用いて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射した。
JISZ0237:2009に記載された、剥離ライナーをシートの粘着面に対して90°に引きはがす試験方法、に基づいて、ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がし、粘着力を測定した。
測定結果を表1に示す。
Claims (9)
- 基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、
前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、
エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。 - 前記粘着剤層の側から、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射する請求項1に記載の証拠採取方法。
- 基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シート。
- エネルギー線照射により、前記粘着剤層のJIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力の値が低下する、請求項3に記載の証拠採取用シート。
- エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である、請求項4に記載の証拠採取用シート。
- 前記粘着剤層が、エネルギー線重合性基を有するアクリル系重合体、又は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系単量体を含有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の証拠採取用シート。
- 前記粘着剤層の前記基材が設けられた側とは反対側に、前記粘着剤層に剥離可能に貼付された台紙を有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の証拠採取用シート。
- 基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、証拠採取用シートの製造方法。
- 前記エネルギー線硬化性の粘着剤組成物が、熱硬化性を有し、
前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、請求項8に記載の証拠採取用シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016037763A JP6723764B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016037763A JP6723764B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017156152A true JP2017156152A (ja) | 2017-09-07 |
JP6723764B2 JP6723764B2 (ja) | 2020-07-15 |
Family
ID=59809509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016037763A Active JP6723764B2 (ja) | 2016-02-29 | 2016-02-29 | 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6723764B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017153927A (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-07 | リンテック株式会社 | 証拠採取保存方法、証拠採取保存用シート、証拠採取保存用シートの製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01138285A (ja) * | 1987-11-25 | 1989-05-31 | Fsk Corp | 微細物採取用粘着テープおよび微細物採取方法 |
JPH05281109A (ja) * | 1992-04-02 | 1993-10-29 | Pola Chem Ind Inc | 標本の作製方法 |
US5356751A (en) * | 1992-07-31 | 1994-10-18 | E. I. Du Pont De Nemours & Company | Method and product for particle mounting |
JP2007003413A (ja) * | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Shiseido Co Ltd | 粘着性材料及び角層採取方法 |
CN101324486A (zh) * | 2007-06-12 | 2008-12-17 | 日东电工株式会社 | 鉴定用粘合片及其制造方法 |
JP2010090249A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Showa Highpolymer Co Ltd | 紫外線硬化型再剥離性粘着剤組成物及びこれを用いた粘着シート |
JP2014234422A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 昭和電工株式会社 | ガラスエッチング向け再剥離保護テープ用活性線硬化型粘着剤組成物、ガラスエッチング向け再剥離保護テープ |
-
2016
- 2016-02-29 JP JP2016037763A patent/JP6723764B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01138285A (ja) * | 1987-11-25 | 1989-05-31 | Fsk Corp | 微細物採取用粘着テープおよび微細物採取方法 |
JPH05281109A (ja) * | 1992-04-02 | 1993-10-29 | Pola Chem Ind Inc | 標本の作製方法 |
US5356751A (en) * | 1992-07-31 | 1994-10-18 | E. I. Du Pont De Nemours & Company | Method and product for particle mounting |
JPH07509779A (ja) * | 1992-07-31 | 1995-10-26 | イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 粒子装着のための方法及び生成物 |
JP2007003413A (ja) * | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Shiseido Co Ltd | 粘着性材料及び角層採取方法 |
CN101324486A (zh) * | 2007-06-12 | 2008-12-17 | 日东电工株式会社 | 鉴定用粘合片及其制造方法 |
JP2008308522A (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-25 | Nitto Denko Corp | 鑑識用粘着シートおよびその製造方法 |
JP2010090249A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Showa Highpolymer Co Ltd | 紫外線硬化型再剥離性粘着剤組成物及びこれを用いた粘着シート |
JP2014234422A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 昭和電工株式会社 | ガラスエッチング向け再剥離保護テープ用活性線硬化型粘着剤組成物、ガラスエッチング向け再剥離保護テープ |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017153927A (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-07 | リンテック株式会社 | 証拠採取保存方法、証拠採取保存用シート、証拠採取保存用シートの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6723764B2 (ja) | 2020-07-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7253903B2 (ja) | 粘着シートおよびその製造方法、ならびに画像表示装置の製造方法 | |
JP3921017B2 (ja) | 感圧接着剤シート | |
JP5738795B2 (ja) | 光硬化型粘着剤組成物およびこれを用いた粘着シート | |
JP6180161B2 (ja) | 粘着シート、粘着剤層付き積層体の製造方法、およびその用途 | |
JP2018109102A (ja) | 粘着剤組成物、粘着剤、粘着シート、粘着剤層付き積層体の製造方法、画像表示装置、およびタッチパネル | |
WO2011136141A1 (ja) | アクリル系樹脂溶液、アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、光学部材用アクリル系粘着剤、粘着剤層付き光学部材 | |
JP7251073B2 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 | |
JP2009084367A (ja) | 両面粘着テープ | |
JP4458515B2 (ja) | アクリル系粘着剤組成物およびアクリル系粘着シート | |
JP2008101168A (ja) | 粘着剤組成物および光学機能性フィルム | |
JP6124614B2 (ja) | アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤および粘着シートならびに基材レス粘着シート | |
JP4566525B2 (ja) | ポリカーボネート用表面保護フィルム | |
JP5721537B2 (ja) | 光学部材用アクリル系粘着剤及び粘着剤層付き光学部剤 | |
US20210095167A1 (en) | Laminate sheet | |
TW202113009A (zh) | 黏著片、帶剝離片的黏著片、積層體及積層體的製造方法 | |
TW202035606A (zh) | 黏著片材 | |
JP5030055B2 (ja) | 耐熱性粘着剤組成物 | |
JP2018172450A (ja) | 光硬化型粘着剤組成物 | |
JP7555710B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP6723764B2 (ja) | 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 | |
JP2001106998A (ja) | 粘着シート及びこれを用いた印刷用フィルムの補強材料 | |
JP7278967B2 (ja) | 光学透明粘着シート | |
JP2017153927A (ja) | 証拠採取保存方法、証拠採取保存用シート、証拠採取保存用シートの製造方法 | |
CN113518808B (zh) | 粘合片及其制造方法以及图像显示装置 | |
JP6699786B1 (ja) | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート及び積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181012 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191023 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200526 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200624 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6723764 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |