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JP2017156152A - 証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 - Google Patents

証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法 Download PDF

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JP2017156152A
JP2017156152A JP2016037763A JP2016037763A JP2017156152A JP 2017156152 A JP2017156152 A JP 2017156152A JP 2016037763 A JP2016037763 A JP 2016037763A JP 2016037763 A JP2016037763 A JP 2016037763A JP 2017156152 A JP2017156152 A JP 2017156152A
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Abstract

【課題】証拠採取時の証拠採取性に優れ、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離可能な、証拠採取方法を提供する。
【解決手段】基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。本方法は、犯罪鑑識等における証拠の採取に好適である。
【選択図】図3

Description

本発明は、証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法に関する。
従来、犯罪鑑識等における髪の毛や皮膚片等の微細な証拠品の採取には、ピンセットや掃除機等が用いられている。また、基材等に粘着剤層が設けられた証拠採取用の粘着シートが用いられる場合もある。
特許文献1では、特定の成分からなるアクリル系粘着剤組成物からなる層を光照射して架橋した粘着剤層を有する鑑識用粘着シートについて製造されている。特許文献1の鑑識用粘着シートによれば、製造工程で有機溶剤を用いずに製造でき、採取対象物の表面の破損が抑えられるとされる。
特開2008−308522号公報
しかしながら、従来の証拠採取方法においてピンセットを用いる場合、証拠品を現場から探し出して一個ずつ拾い上げなければならず、多大な手間と労力を要する。掃除機を用いる場合にも、掃除機内に収集された物の中から、証拠品をより分ける作業が必要となる。粘着シートを使用した場合、証拠品の採取は容易となるが、粘着シートに貼付された証拠品を粘着シートから剥離する際に、証拠品を破損させてしまうおそれがある。
そこで本発明は、上記事情に鑑み、証拠採取時の証拠採取性に優れ、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離可能な、証拠採取方法を提供することを目的とする。
また本発明は、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供することを目的とする。
また本発明は、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートの製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、透明基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートを用いることにより、証拠採取時の証拠採取性を優れたものとでき、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離可能とできることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、下記の特徴を有する証拠採取方法、証拠採取用シート、証拠採取用シートの製造方法を提供するものである。
(1)基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、
前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、
エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。
(2)前記粘着剤層の側から、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射する前記(1)に記載の証拠採取方法。
(3)基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シート。
(4)エネルギー線照射により、前記粘着剤層のJIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力の値が低下する、前記(3)に記載の証拠採取用シート。
(5)エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である、前記(4)に記載の証拠採取用シート。
(6)前記粘着剤層が、エネルギー線重合性基を有するアクリル系重合体、又は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系単量体を含有する、前記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の証拠採取用シート。
(7)前記粘着剤層の前記基材が設けられた側とは反対側に、前記粘着剤層に剥離可能に貼付された台紙を有する、前記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の証拠採取用シート。
(8)基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、証拠採取用シートの製造方法。
(9)前記エネルギー線硬化性の粘着剤組成物が、熱硬化性を有し、
前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、前記(8)に記載の証拠採取用シートの製造方法。
本発明によれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離可能な、証拠採取方法を提供できる。
また本発明によれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供できる。
また本発明によれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートの製造方法を提供できる。
実施形態の証拠採取用シートの構成を示す断面図である。 実施形態の証拠採取用シートの構成を示す断面図である。 実施形態の証拠採取方法を説明する模式図である。 実施形態の証拠採取方法を説明する模式図である。 他の証拠採取方法を説明する模式図である。
≪証拠採取方法≫
本発明の証拠採取方法は、基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離するものである。
<証拠採取方法の第1の実施形態>
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る証拠採取方法を説明する。
図1は、本実施形態の証拠採取方法で用いられる証拠採取用シートの一例を示す断面図である。本実施形態に係る証拠採取用シート1は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられたものである。
図3は、第1の実施形態の証拠採取方法を説明する模式図である。図5は、他の証拠採取方法を説明する模式図である。
本実施形態の証拠採取方法では、まず、証拠採取用シート1のエネルギー線硬化性の粘着剤層20に証拠物品50を貼付する(図3(a)〜図3(b))。次いで証拠物品50が貼付された粘着剤層20に対してエネルギー線Lを照射する(図3(c))。粘着剤層20はエネルギー線Lが照射されることにより硬化され、エネルギー線硬化後の粘着剤層21となる(図3(d))。エネルギー線照射を受けた粘着剤層21は、粘着剤層20と比べて粘着力が低下する。これにより、粘着剤層21から証拠物品50が容易に剥離可能となる。その後、証拠物品50が貼付された粘着剤層21から証拠物品50を剥離する(図3(d))。剥離には、ピンセット60等の器具を用いてもよい。
他の証拠採取方法では、まず、従来の証拠採取用シート5の、エネルギー線硬化性でない粘着剤層40に、証拠物品50を貼付する(図5(a)〜図5(b))。従来、証拠物品50を貼付した後の粘着剤層40に対してエネルギー線Lを照射することは行われていないが、仮に証拠物品50を貼付した後の粘着剤層40に対してエネルギー線Lを照射したとする(図5(c))。しかし、粘着剤層40は、エネルギー線Lの照射によって粘着力が低下しない。
従来の、証拠採取方法に係るエネルギー線照射後の粘着剤層40は、図5(d)に示すように、エネルギー線照射を受けても粘着剤層の粘着力が低下しない。そのため粘着力が強すぎ、粘着剤層40に貼付された証拠物品50を粘着剤層40から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうおそれがある。
一方、本実施形態の証拠採取方法に係る、エネルギー線硬化後の粘着剤層21は、図3(d)に示すように、エネルギー線照射を受けて粘着剤層の粘着力が低下しているので、証拠物品50を粘着剤層21から容易に剥離可能である。また、証拠物品50を粘着剤層21から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうことが防止される。
<証拠採取方法の第2の実施形態>
図2は、本実施形態の証拠採取方法で用いられる証拠採取用シートの一例を示す断面図である。本実施形態に係る証拠採取用シート2は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられ、粘着剤層20の基材10が設けられた側とは反対側に、粘着剤層20に剥離可能に貼付された台紙30を有する。
図4は、第2の実施形態の証拠採取方法を説明する模式図である。
まず、証拠採取用シート2の粘着剤層20から台紙30を剥離し、エネルギー線硬化性の粘着剤層20に証拠物品50を貼付する(図4(a)〜図4(b))。次いで、台紙30を粘着剤層20に貼付し、台紙30と粘着剤層20とで証拠物品50を挟む(図4(c))。その後、証拠物品50を証拠採取用シートから取り外す場合に、粘着剤層20から台紙30を剥離し、証拠物品50が貼付された粘着剤層20に対してエネルギー線Lを照射する(図4(d))。エネルギー線Lが照射されることにより、粘着剤層20は硬化され、粘着剤層21となる。エネルギー線照射を受けた粘着剤層21は、粘着剤層20と比べて粘着力が低下する。これにより、粘着剤層21から証拠物品50が容易に剥離可能となる。その後、証拠物品50が貼付された粘着剤層21から証拠物品50を剥離する(図4(e))。剥離には、ピンセット60等の器具を用いてもよい。
証拠採取用シート2が台紙30を備えることにより、証拠物品50をより確実に粘着剤層20上に保持可能である。
エネルギー線硬化後の粘着剤層21は、エネルギー線照射を受けて粘着剤層が硬化しているので、エネルギー線照射を受けて粘着剤層の粘着力が低下し、証拠物品50を粘着剤層21から容易に剥離可能である。また、証拠物品50を粘着剤層21から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうことが防止される。
上記の各実施形態の証拠採取方法では、粘着剤層の基材が設けられた側とは反対側の粘着剤層の側から、粘着剤層に対してエネルギー線を照射していた。これにより、基材がエネルギー線を透過しない場合であっても、粘着剤層に対してエネルギー線を照射できる。
なお、エネルギー線を粘着剤層に照射可能であれば、エネルギー線の照射方法については特に限定されるものではない。例えば、基材がエネルギー線を透過する場合、粘着剤層の基材が設けられた側から粘着剤層に対して、エネルギー線を照射してもよい。また例えば、粘着剤層の基材が設けられた側とは反対側に台紙が貼り付けられている場合でも、台紙がエネルギー線を透過する場合は、台紙の側からエネルギー線を照射して台紙を通過させ、粘着剤層にエネルギー線を照射してもよい。
本発明に用いられる証拠採取用シートとしては、後述の本発明の証拠採取用シートが挙げられる。
証拠物品としては、事件に関して押収される物が挙げられ、髪の毛、皮膚片、その他の微物が挙げられる。また、証拠物品としては、指紋等の証拠物品を検出するための粉末や試薬類等も含まれる。
上記実施形態の証拠採取方法によれば、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離可能である。また、証拠物品50を粘着剤層21から剥離する際に、証拠物品50を破損させてしまうことが防止される。
≪証拠採取用シート≫
本発明の証拠採取用シートは、基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられたものである。
以下、図を参照しながら、本発明の一実施形態に係る証拠採取用シートを説明する。
<証拠採取用シートの第1の実施形態>
図1は、本実施形態の証拠採取用シートを示す断面図である。本実施形態の証拠採取用シート1は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられたものである。
(粘着剤層)
本実施形態の証拠採取用シートの粘着剤層は、エネルギー線硬化性である。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線が照射されると硬化する性質を有するものである。上記の特許文献1には、光照射して架橋した粘着剤層との記載があるが、係る粘着剤層はエネルギー線照射により既に硬化している。本明細書において、エネルギー線が照射されても、硬化しない粘着剤層については、エネルギー線硬化性としては扱わないものとする。
エネルギー線硬化性の粘着剤層20は、エネルギー線照射により硬化する。エネルギー線としては、具体的には紫外線、電子線等が用いられる。
上記紫外線は、LEDランプ、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどで得られ、そのピーク照度は1〜1000mWcm2のものが挙げられる。紫外線の積算光量は、通常50〜1000mJ/cm2が挙げられ、50〜300mJ/cm2が好ましい。一方電子線は、電子線加速器などによって得られ、そのエネルギーは、通常50〜350keVである。このエネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。
エネルギー線硬化した粘着剤層は、エネルギー線硬化する前の粘着剤層と比べて、粘着力が低下する。この性質を示すことの指標の一例として、エネルギー線の照射を受けた前後での粘着剤層の粘着力の変化を採用できる。例えば、エネルギー線硬化性の粘着剤層の一例として、エネルギー線照射により、粘着剤層のJIS Z0237:2009に準拠して測定された粘着力の値が低下するものが挙げられる。粘着剤層の粘着力の値が、エネルギー線照射により低下することで、証拠物品を粘着剤層から容易に剥離でき、証拠物品を粘着剤層から剥離する際に、証拠物品を破損させてしまうことが防止され、証拠の採取性能を優れたものとすることができる。
粘着力の変化については、エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下であることが好ましく、1/50以上1/3以下であることがより好ましく、1/30以上1/5以下であることがさらに好ましく、1/20以上1/7以下であることがさらに好ましい。エネルギー線照射前後での粘着剤層の前記粘着力の比が上記値であることで、エネルギー線照射前の粘着力の発現と、エネルギー線照射後の証拠物品の剥離性とのバランスを、さらに良好なものにできる。
エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である範囲において、エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力は、500以上2000mN/25mm以下が好ましく、700以上1800mN/25mm以下がより好ましく、1000以上1500mN/25mm以下がさらに好ましい。エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力は、10以上300mN/25mm以下が好ましく、20以上200mN/25mm以下がより好ましく、30以上100mN/25mm以下がさらに好ましい。エネルギー線照射前後での粘着剤層の前記粘着力が上記値であることで、エネルギー線照射前の粘着力の発現と、エネルギー線照射後の証拠物品の剥離性とのバランスを、さらに良好なものにできる。
上記粘着剤層の粘着力の値は、JIS Z0237:2009に準拠して、粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルムをローラー圧着して貼付し、貼付から30分以内に、剥離速度300mm/minの条件で、ポリエチレンテレフタレートフィルムを粘着剤層に対して90°に引きはがす試験方法により測定されたものとする。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、接着性を高めるための易接着処理がされていないものを使用する。
粘着剤層の粘着力の値は、実施例に記載の方法により求めることができる。
粘着剤層は、エネルギー線重合性基を有する化合物を含有していてもよい。エネルギー線重合性基を有する化合物は、重合体の主鎖または側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型重合体及び/又はエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型単量体であってもよい。粘着剤層に含有されるエネルギー線重合性基を有する化合物は、重合体の主鎖または側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型重合体のみであってもよい。
エネルギー線硬化型単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ( メタ) アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エネルギー線硬化型重合体としては、ウレタンアクリレート系オリゴマーであってもよい。
エネルギー線照射前後の粘着剤層の粘着力は、後述する官能基含有モノマーの種類や量、アクリル系重合体のガラス転移温度、重合性基含有化合物の種類や量、架橋剤の種類や量などにより調整できる。
粘着剤層は、エネルギー線硬化型重合体及び/又はエネルギー線硬化型単量体と、必要に応じ光重合開始剤とを配合した粘着剤組成物を用いて形成されてもよい。さらに、上記粘着剤組成物には、各種物性を改良するため、必要に応じその他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては架橋剤が好ましい。
エネルギー線硬化型重合体の主骨格は特に限定されず、粘着剤として汎用されているアクリル系重合体であってもよく、またエステル型、エーテル型の何れであってもよいが、合成および粘着物性の制御が容易であることから、アクリル系重合体を主骨格とすることが好ましい。これは、エネルギー線硬化型単量体の重合物においても同様である。よって、粘着剤層は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系重合体、又は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系単量体を含有することが好ましい。
エネルギー線重合性基は、たとえばエネルギー線硬化性の炭素−炭素二重結合を含む基であり、具体的には(メタ)アクリロイル基等を例示することができる。エネルギー線重合性基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基等を介してエネルギー線硬化型重合体又はエネルギー線硬化型単量体に結合していてもよい。
エネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型重合体の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。エネルギー線硬化型重合体のMwを上記範囲とすることで、エネルギー線照射前後の粘着剤層の粘着力を上述した範囲に調整することが容易となる。
エネルギー線硬化型重合体は、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、該官能基と反応する置換基とエネルギー線重合性炭素−炭素二重結合を1分子毎に1〜5個を有する重合性基含有化合物とを反応させて得られる。
アクリル系重合体は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体(以下において、「官能基含有モノマー」と記載することがある。)と、これと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とからなる共重合体であることが好ましい。
アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10万〜150万、より好ましくは30万〜100万である。また、アクリル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−70〜−10℃、より好ましくは−50〜−30℃である。アクリル系重合体のMwやTgを上記範囲とすることで、本発明の証拠採取用シートの粘着力を調整することが容易になる。
なお、アクリル系重合体のMwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。また、アクリル系重合体のTgは、FOXの式から求めた値である。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記モノマーと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、粘着力を発揮する観点から、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。
重合性基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
アクリル系重合体は、上記の官能基含有モノマーから導かれる構成単位を通常1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%の割合で含有し、これと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体から導かれる構成単位を通常70〜99質量%、好ましくは80〜95質量%、特に好ましくは85〜95質量%の割合で含有してなる。
アクリル系重合体は、上記のような官能基含有モノマーと、これと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその誘導体とを常法にて共重合することにより得られるが、これらモノマーの他にも少量(たとえば10質量%以下、好ましくは5質量%以下)の割合で、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等が共重合されていてもよい。
アクリル系重合体の製造方法については、特に限定されるものではなく、例えば溶剤、連鎖移動剤、重合開始剤等の存在下で溶液重合する方法や、乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、分散剤等の存在下の水系でエマルション重合する方法にて製造される。なお、重合時のモノマーの濃度は、通常30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%程度が適当である。また、重合の際に使用される重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ソーダ、酸性亜硫酸ソーダ等との組み合わせからなる、所謂レドックス系の重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤の使用量は、通常重合に供するモノマー全量に対して、0.2〜2質量%、好ましくは0.3〜1質量%の範囲で調節される。さらに、共重合に際して添加する連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸ノニル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のチオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセン等を挙げることができる。特に、チオグリコール酸エステル類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、1−メチル−4−イソプロピリデン−1−シクロヘキセンを使用した場合には、得られる共重合体が低臭気となり好ましい。なお、連鎖移動剤の使用量は、重合させる全モノマーの0.001〜3質量%程度の範囲で調節される。なお、重合反応は、通常60〜100℃の温度条件下、2〜8時間かけて行われる。さらに、増粘剤、濡れ剤、レベリング剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
上記官能基含有モノマー単位を有するアクリル系重合体を、上記の重合性基含有化合物と反応させることによりエネルギー線硬化型重合体が得られる。
重合性基含有化合物は、その官能基が上記アクリル系重合体の官能基含有モノマーの官能基100当量当たり、通常10〜95当量、好ましくは30〜90当量、より好ましくは35〜80当量、特に好ましくは35〜70当量となる割合で用いられる。重合性基含有化合物の官能基の、上記アクリル系重合体の官能基含有モノマーの官能基当たりの割合がこのような範囲にあることで、エネルギー線照射後の粘着剤層の粘着力を上述した範囲に調整することが容易となる。アクリル系重合体と重合性基含有化合物との反応は、通常は、室温程度の温度で、常圧にて、24時間程度行なわれる。この反応は、例えば酢酸エチル等の溶液中で、ジブチル錫ラウレート等の触媒を用いて行なうことが好ましい。その結果、アクリル系重合体中の主鎖または側鎖に存在する官能基と、重合性基含有化合物中の置換基とが反応し、エネルギー線重合性基がアクリル系重合体中の主鎖または側鎖に導入され、エネルギー線硬化型重合体が得られる。
光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアルキルフェノン系、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系等が挙げられる。エネルギー線として紫外線を用いる場合に、光重合開始剤を配合することにより照射時間、照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤の含有量は、エネルギー線硬化型重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。光重合開始剤の含有量が前記範囲を下回ると光重合の不足で証拠物品を剥離することができないことがあり、前記範囲を上回ると光重合に寄与しない残留物が生成し、粘着剤層の硬化性が不充分となることがある。
上記粘着剤組成物には、架橋剤が含まれることが好ましい。
架橋剤は、エネルギー線重合性基を有する化合物内の第2官能基と反応する、第1反応性官能基を有することが好ましい。また例えば、エネルギー線硬化型重合体又はエネルギー線硬化型単量体は、架橋剤の第1反応性官能基と反応する第2反応性官能基を、分子内に有していてもよい。第2反応性官能基と第1反応性官能基は、互いに反応して結合を形成し得るものであれば特に限定されず、熱反応性のものが好ましい。熱反応性の官能基を有することで、エネルギー線照射を受けずに粘着剤層を硬化させることができ、エネルギー線硬化性を維持しつつ、エネルギー線照射前の粘着剤層の粘着力を好ましい範囲に調整することが容易となる。
第1反応性官能基又は第2反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ビニル基、アクリロイル基等が挙げられる。これらの反応性官能基は、粘着性高分子中に2種以上混在していてもよい。これらの反応性官能基の中でも、水酸基とイソシアネート基の組み合わせが好ましく、第1反応性官能基がイソシアネート基であり、第2反応性官能基が水酸基である組み合わせがより好ましい。
具体的な架橋剤としては、有機多価イソシアネート化合物、有機多価エポキシ化合物、有機多価イミン化合物等が挙げられ、有機多価イソシアネート化合物が好ましい。
有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
有機多価イソシアネート化合物のさらに具体的な例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネートおよびリジンイソシアネートが挙げられる。
有機多価エポキシ化合物の具体的な例としては、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミンなどが挙げられる。
有機多価イミン化合物の具体的な例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
架橋剤はエネルギー線硬化型重合体100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは8〜35質量部、特に好ましくは12〜30質量部の比率で用いられる。架橋剤の配合量を上記範囲とすることで、粘着剤層の23℃における引張弾性率E’を好ましい範囲に調整することが容易となる。
また、他の成分として、架橋剤のほかに染料、顔料、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シリコーン化合物、連鎖移動剤等を添加してもよい。
粘着剤層の厚みは、例えば5〜200μmであり、例えば10〜100μmであり、例えば30〜70μmである。ここで、粘着剤層の厚みとしては、無作為に選出された10箇所について測定された厚みの平均値とする。
(基材)
基材としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、セルロースジアセテート,セルローストリアセテート等のセルロース系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。基材は、黒色や、その他の色等に、顔料や染料によって着色されたものであることが好ましく、不透明であることがより好ましい。
基材の厚みは、例えば5〜200μmであり、例えば10〜100μmである。ここで、基材の厚みとしては、無作為に選出された10箇所について測定された厚みの平均値とする。
上記実施形態の証拠採取用シートによれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供できる。
<証拠採取用シートの第2の実施形態>
図2は、本実施形態の証拠採取用シートを示す断面図である。本実施形態の証拠採取用シート2は、基材10上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層20が設けられ、粘着剤層20の基材10が設けられた側とは反対側に、粘着剤層20に剥離可能に貼付された台紙30を有する。
第2の実施形態の証拠採取用シート2は、上記第1の証拠採取用シート1が、さらに台紙30を有するものである。上記第1の証拠採取用シートと同様の構成を有する部分については詳細な説明を省略する。
(台紙)
台紙用の台紙基材としては、上質紙,グラシン紙,グロス紙,ポリラミネート紙,コート紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム等のフィルム又はこれらの積層フィルムが挙げられる。台紙は、前述のような台紙基材の片面にシリコーン樹脂やアルキル樹脂等による剥離剤層が形成されたものであってもよい。
証拠採取用シートの粘着剤層に採取された指紋痕跡等を鮮明に判別することができるように、剥離シート用の基材として、黒色や、その他の色等に、顔料や染料によって着色されたものであることが好ましい。台紙用の台紙基材が透明のものである場合は、剥離剤層が設けられた台紙基材の反対面に黒色のシート等を貼り合わせたものを使用することが好ましい。
また、台紙の厚みは、取り扱い性を考慮して、例えば50〜250μm程度とすることが好ましい。ここで、台紙の厚みとしては、無作為に選出された10箇所について測定された厚みの平均値とする。
本発明の証拠採取用シートは、鑑識用の証拠採取用シートとして、好適である。
本発明の証拠採取用シートは、本発明の証拠採取方法に用いられるものとして好適である。証拠方法としては、上記に説明したものが挙げられる。例えば、本発明の証拠採取用シートは、基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法に用いられる、証拠採取用シートであってもよい。
上記実施形態の証拠採取用シートによれば、証拠採取時の証拠採取性に優れ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易な、証拠採取用シートを提供できる。
また、証拠採取用シートが台紙を備えることにより、証拠物品をより確実に粘着剤層上に保持可能である。
≪証拠採取用シートの製造方法≫
本発明の証拠採取用シートの製造方法は、基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設けるものである。
エネルギー線硬化性の粘着剤組成物は、熱硬化性を有することが好ましく、前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設けてもよい。
一実施形態として、証拠採取用シートは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、上述した基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を公知の塗工装置により適宜の厚さに塗布する。続いて、基材上の粘着剤組成物を加熱することにより、粘着剤組成物中の溶媒を除去し、粘着剤組成物中の各成分の熱反応性の官能基を反応させて硬化させ、基材上に粘着剤層を設ける。粘着剤層に上記の台紙を貼着してもよい。
又は、まず、適当な剥離シート上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を公知の塗工装置により適宜の厚さに塗布する。続いて、剥離シート上の粘着剤組成物を加熱することにより、粘着剤組成物中の溶媒を除去し、粘着剤組成物中の各成分の熱反応性の官能基を反応させて硬化させ、剥離シート上に粘着剤層を形成させる。その後、硬化後の当該粘着剤層を上記基材上に転写し、基材上に粘着剤層を設ける。粘着剤層に上記の台紙を貼着してもよい。
或いは、上記剥離シートの代わりとして、上記の台紙を用いてもよい。この場合、台紙上に粘着剤組成物を塗布して台紙上に粘着剤層を形成させ、当該粘着剤層を上記基材上に転写してもよい。このようにして製造された採取用シートには、粘着剤層に台紙が貼着されている。
上記加熱の温度は、80〜150℃程度とすることが挙げられる。
塗工装置としては、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ファウンテンダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーター等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の粘着剤組成物は、上記の粘着剤層の各成分を適宜の割合で混合して得られる。混合に際しては、各成分を予め分散媒や溶媒を用いて希釈しておいてもよく、また混合時に分散媒や溶媒を加えてもよい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、n−ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
〔粘着剤組成物の作製〕
2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレート(モル比80:20)を重合して得られたアクリル系重合体(重量平均分子量80万)に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−ヒドロキシエチルアクリレート100モルに対して80モル)を付加することにより、エネルギー線硬化型重合体のトルエン溶液(固形分35質量%)を得た。
当該溶液100質量部に対して、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(固形分100質量%)3質量部、架橋剤としてトリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネート(固形分37.5質量%)4.5質量部を添加して混合することにより、粘着剤組成物を得た。
〔証拠採取用シートの作製〕
当該粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが36μmになるように、剥離シートの表面に塗工し、90℃で1分間加熱し、乾燥・硬化させた。こうして形成された粘着剤層に、基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼りあわせ、23℃50%RH環境下で粘着剤をイソシアネート架橋させることにより、実施例1の証拠採取用シートを得た。
《比較例1》
実施例1において、以下の粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の証拠採取用シートを得た。
〔粘着剤組成物の作製〕
2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレート(質量比93:7)を重合することにより、アクリル系重合体(重量平均分子量168万)のトルエン溶液(固形分40質量%)を得た。
当該溶液100質量部に対して、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(固形分100質量%)1.6質量部を添加して混合することにより、粘着剤組成物を得た。
[物性評価]
(1)粘着力の測定
実施例1及び比較例1で得られた証拠採取用シートから台紙を剥離し、粘着剤層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム(幅25mm、長さ250mm、厚さ50μm)を、質量2000gのゴムローラで一往復圧着することにより、貼り合せた。
高圧水銀ランプ(ピーク照度200mW/cm)を用いて、積算光量200mJ/cmの紫外線を照射した。
JISZ0237:2009に記載された、剥離ライナーをシートの粘着面に対して90°に引きはがす試験方法、に基づいて、ポリエチレンテレフタレートフィルムを引き剥がし、粘着力を測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 2017156152
実施例1の証拠採取用シートは、比較例1の証拠採取用シートと比べて、紫外線照射後の粘着力の値が低下していた。実施例1の証拠採取用シートは、従来品と同等又はそれ以上の証拠採取性を備えつつ、粘着剤層からの証拠物品の剥離が容易なものであり、従来品と比べ証拠の採取性能に優れたものであった。
1,2…証拠採取用シート、10…基材、20…エネルギー線硬化性の粘着剤層、21…エネルギー線硬化後の粘着剤層、30…台紙、40…エネルギー線硬化性でない粘着剤層、50…証拠物品、60…ピンセット、L…エネルギー線

Claims (9)

  1. 基材上にエネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シートの前記粘着剤層に証拠物品を貼付し、
    前記証拠物品を貼付した後の前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射し、
    エネルギー線が照射された後の前記粘着剤層から前記証拠物品を剥離する証拠採取方法。
  2. 前記粘着剤層の側から、前記粘着剤層に対してエネルギー線を照射する請求項1に記載の証拠採取方法。
  3. 基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた証拠採取用シート。
  4. エネルギー線照射により、前記粘着剤層のJIS Z0237:2009に準拠して測定された、ポリエチレンテレフタレートフィルムに対する粘着力の値が低下する、請求項3に記載の証拠採取用シート。
  5. エネルギー線照射後の前記粘着剤層の前記粘着力/エネルギー線照射前の前記粘着剤層の前記粘着力の比が1/2以下である、請求項4に記載の証拠採取用シート。
  6. 前記粘着剤層が、エネルギー線重合性基を有するアクリル系重合体、又は、エネルギー線重合性基を有するアクリル系単量体を含有する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の証拠採取用シート。
  7. 前記粘着剤層の前記基材が設けられた側とは反対側に、前記粘着剤層に剥離可能に貼付された台紙を有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の証拠採取用シート。
  8. 基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物を用いてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、証拠採取用シートの製造方法。
  9. 前記エネルギー線硬化性の粘着剤組成物が、熱硬化性を有し、
    前記粘着剤組成物を熱硬化させてエネルギー線硬化性の粘着剤層を設ける、請求項8に記載の証拠採取用シートの製造方法。
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