JP2017152561A - 電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光部の発光効率を向上させ、動作精度を高めることができる電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る電子デバイスの製造方法は、発光部を作製する工程と、前記発光部で発光した光を用いる処理部を作製する工程と、を有し、前記発光部を作製する工程は、p型ドーパントが添加された半導体にn型ドーパントを添加してpn接合面を形成する工程と、前記pn接合面に対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する工程と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体のエネルギー遷移を利用した発光素子を備えた電子デバイスは、種々の目的で使用されている。例えば、発光素子の発光に応じてスイッチング動作を行うフォトカプラ、発光素子が発光した光の位相変化を利用したマッハツェンダ干渉計、発光素子の発光を利用したディスプレイ等、多くの分野で使用されている。
半導体のエネルギー遷移として直接遷移と間接遷移が知られている。
直接遷移は、価電子帯の上端と伝導帯の下端の波数位置が同じである。そのため、伝導体の下端に存在する電子は、運動量のやり取りなしに再結合することができる。直接遷移において、再結合時のエネルギーは光子として放出されるため、高い発光強度を得ることができる。代表的な直接遷移の半導体としてはヒ化ガリウム等が知られている。
直接遷移は、価電子帯の上端と伝導帯の下端の波数位置が同じである。そのため、伝導体の下端に存在する電子は、運動量のやり取りなしに再結合することができる。直接遷移において、再結合時のエネルギーは光子として放出されるため、高い発光強度を得ることができる。代表的な直接遷移の半導体としてはヒ化ガリウム等が知られている。
間接遷移は、価電子帯の上端と伝導帯の下端の波数位置が異なる。そのため、フォノンの振動等を介した運動量のやり取りなしに再結合することができない。間接遷移において、再結合時のエネルギーの多くがフォノンの振動等に奪われるため、非常に弱い発光となる。代表的な間接遷移の半導体としては、シリコン等が知られている。
一方で、間接遷移の半導体の中には、シリコンに代表されるように、すでに量産技術が確立され、入手が容易なものがある。そこで、間接遷移型の半導体の発光強度を高める試みが進められている。
例えば、特許文献1には、pn接合部に空間分布パターンを形成した後に、アニール処理することで、ドーパントを規則的に配置することで、間接遷移の半導体の発光強度を高めることができることが記載されている。
しかしながら、ドーパントを規則的に配置するために、事前に空間分布パターンを形成する必要があり、簡便に電子デバイスを作製できるとは言えなかった。また空間分布パターンは、作製精度の関係上、数十nm幅以上であり、よりミクロな原子レベルのフォノンの振動を充分に制御することができない。
本発明は、上述の課題を解決する電子デバイスの作製方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電子デバイスの作製方法は、発光部を作製する工程と、前記発光部で発光した光を用いる処理部を作製する工程と、を有し、前記発光部を作製する工程は、p型ドーパントが添加された半導体にn型ドーパントを添加してpn接合面を形成する工程と、前記pn接合面に対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する工程と、を有する。
上記の態様によれば、ドーパント周囲に発生する近接場及び発生するジュール熱により、添加したn型ドーパントが局在フォノンを生成しやすい位置に拡散する。そのため、事前に構造体として所定の構造を設けなくても、所定のドーパント分布を形成できる。添加したn型ドーパントは、局在フォノンの振動の腹となる位置で振動し、間接遷移の波数位置方向へ遷移するエネルギーを与える。そのため、発光部の発光が擬似的に直接遷移となり、発光効率が高まる。
また上記の態様によれば、p型ドーパントと、n型ドーパントと、半導体を構成する原子がpn接合界面に存在することになる。局在フォノンの振動は、節に位置する原子と腹に位置する原子の質量差が大きい程大きくなることが想定される。半導体を構成する原子は特定のものに固定されるが、添加するp型ドーパント及びn型ドーパント種の選択は比較的自由であり、振動の節に位置する原子と腹に位置する原子の質量差を大きくすることができる。
上記の電子デバイスの製造方法における前記ドーパント工程において添加する前記n型ドーパントが、半導体を構成する原子及びp型ドーパントよりも重い原子であってもよい。
このような態様によれば、n型ドーパントが節となり、半導体を構成する原子又はp型ドーパントが腹となる局在フォノンの振動モードを生成することができる。また質量差も大きくなるため、フォノンの振動により大きなエネルギーを生み出すことができる。その結果、発光部の発光を、擬似的な直接遷移に移行しやすくなる。
上記の電子デバイスの製造方法において、前記n型ドーパントが2種以上の原子であってもよい。
このような態様によれば、重いn型ドーパントが節となり、軽いn型ドーパントが腹となる局在フォノンの振動モードを生成することができる。種々の振動モードが生成されることで、伝導帯の下端の電子に運動量を与えやすくなる。
上記の電子デバイスの製造方法において、前記光照射する波長が前記半導体の吸収波長であってもよい。
このような態様によれば、理由は明確ではないが、n型ドーパントが、所定のドーパント分布を形成しやすくなる。
上記の電子デバイスの製造方法において、前記順バイアス電圧を印加するための電極を、透明電極または開口部を有するメッシュ状の金属電極としてもよい。
このような態様によれば、発光部内で発光した光を取り出しやすくなる。また特に、開口部を有するメッシュ状の金属電極とすることで、順バイアス電圧を印加する際に、電極抵抗による損失を避けることができる。
上記の電子デバイスの製造方法において、前記処理部を作製する工程が、前記発光部と対向する位置にフォトトランジスタを設ける工程と、前記フォトトランジスタに通電する通電部を設ける工程とを有してもよい。
このような態様によれば、フォトトランジスタと対向する発光部を間接遷移のシリコン等の基板上に直接作製することができるため、電子デバイス素子を一体化することができる。また上述のように、発光部は、局在フォノンの振動により擬似的な直接遷移を行うため、発光部と処理部が一体化しつつ高い発光効率を有する電子デバイスを得ることができる。
上記の電子デバイスの製造方法において、前記処理部を作製する工程が、前記発光部に隣接する箇所に分岐する光導波路を形成する工程と、分岐した光導波路のいずれかに光変調部を設ける工程と、を有してもよい。
このような態様によれば、光導波路に接続される発光部を間接遷移のシリコン等の基板上に直接作製することができるため、電子デバイス素子を一体化することができる。また上述のように、発光部は、局在フォノンの振動により擬似的な直接遷移を行うため、発光部と処理部が一体化しつつ高い発光効率を有する電子デバイスを得ることができる。
本発明によれば、発光部の発光効率を向上させ、動作精度を高めることができる電子デバイスを簡便に製造することができる。
以下、本発明の実施形態である電子デバイスの製造方法について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
「第一実施形態」
図1は、本発明の第一実施形態に係る電子デバイス100を模式的に示した図である。図1に示す電子デバイス100は、発光部10と、フォトトランジスタ20とを備えるフォトカプラである。フォトカプラでは、発光部10で発光した光をフォトトランジスタ20が受光する。光りを受光したフォトトランジスタ20は、コレクタからエミッタに電流を流す。すなわち、フォトカプラは、電気信号を、光に置き換え、再度電気信号として取り出すことができるスイッチング素子である。
図1は、本発明の第一実施形態に係る電子デバイス100を模式的に示した図である。図1に示す電子デバイス100は、発光部10と、フォトトランジスタ20とを備えるフォトカプラである。フォトカプラでは、発光部10で発光した光をフォトトランジスタ20が受光する。光りを受光したフォトトランジスタ20は、コレクタからエミッタに電流を流す。すなわち、フォトカプラは、電気信号を、光に置き換え、再度電気信号として取り出すことができるスイッチング素子である。
(発光部)
発光部10は、電圧を印加することで発光する部分である。
図2は、本発明の第一実施形態にかかる電子デバイスの発光部の製造方法を模式的に示した図である。発光部10は、p型ドーパントが添加された半導体にn型ドーパントを添加してpn接合面を形成する工程と、pn接合面に対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する工程と、を有する。
発光部10は、電圧を印加することで発光する部分である。
図2は、本発明の第一実施形態にかかる電子デバイスの発光部の製造方法を模式的に示した図である。発光部10は、p型ドーパントが添加された半導体にn型ドーパントを添加してpn接合面を形成する工程と、pn接合面に対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する工程と、を有する。
まず、p型ドーパントが添加された半導体1(以下、p型半導体という)を準備する。
半導体としては、間接遷移型の半導体を用いることができ、Si、GaP、AlGaAs(混晶比に依存)、AlP、AlAs、Ge、SiC、PbS、PbTe、TiO2、GaS、AlSb、C(ダイヤモンド)、BN等を用いることができる。
p型ドーパントとしては、例えば半導体としてSiを選択した場合は、ボロン、アルミニウム、ガリウム、インジウム等を用いることができる。
半導体としては、間接遷移型の半導体を用いることができ、Si、GaP、AlGaAs(混晶比に依存)、AlP、AlAs、Ge、SiC、PbS、PbTe、TiO2、GaS、AlSb、C(ダイヤモンド)、BN等を用いることができる。
p型ドーパントとしては、例えば半導体としてSiを選択した場合は、ボロン、アルミニウム、ガリウム、インジウム等を用いることができる。
次いで、p型半導体1に対して、n型ドーパントを添加する。添加されるn型ドーパントは1種類に限られず、2種以上でもよい。n型ドーパントとしては、例えば半導体としてSiを選択した場合は、窒素、リン、ヒ素、アンチモン等を用いることができる。
n型ドーパントの添加方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、イオン注入等の方法を用いることができる。
n型ドーパントが添加されるとn型のドーピング層2が形成され、p型半導体1とドーピング層2の界面にpn接合面2Aが形成される。
次いで、形成されたpn接合面2Aに対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する。pn接合面2Aに対して光照射しながら順バイアス電圧を印加すると、pn界面においてドーパント分布が所定の分布となる。pn界面においてドーパント分布が所定の分布となる理由は、明確ではないが以下と推測される。
まず、光が照射されることにより、半導体のpn接合面2Aでは、正孔と電子が生成される。一方で、pn接合面2Aには順バイアス電圧が印加されており、生成された正孔と電子は、再度結合する。すなわち、光照射にともなう正孔及び電子の生成と、順バイアス電圧印加に伴う正孔及び電子の再結合が交互に繰り返される。
その結果、太陽電池等においては電圧として外部に出力しているエネルギー及びLED等の発光素子においては光放射として外部に出力しているエネルギーが、pn接合面2Aに加わり、ジュール熱が発生する。発生したジュール熱は、ドーパントを拡散する。
ところで、pn接合面2Aに照射された光は、界面伝播中に近接場光を生み出す。近接場光は、光の波長以下の領域に侵入した光が滲み出したものである。pn接合面2Aにおける近接場光は、pn接合面2Aに存在する微細角部によって発生する。
微細角部は、光吸収に伴う発熱に起因して偶発的に生じるものや、ドーパントの分布に起因したもの等がある。
例えば、図3に示すように、半導体としてシリコン5、n型ドーパントとしてアンチモン6、p型ドーパントとしてボロン7を用いた場合、シリコン5に対してボロン7は小さく、シリコン5に対してアンチモン6は大きい。すなわち、pn接合面2Aは微細な凹凸が存在し、その凹凸の角部分は微細角部pとなる。外部から照射された光は、照射された光の波長以下のサイズの微細角部pに侵入し、閉じ込められ、滲み出し光として近接場光を発生する。
例えば、図3に示すように、半導体としてシリコン5、n型ドーパントとしてアンチモン6、p型ドーパントとしてボロン7を用いた場合、シリコン5に対してボロン7は小さく、シリコン5に対してアンチモン6は大きい。すなわち、pn接合面2Aは微細な凹凸が存在し、その凹凸の角部分は微細角部pとなる。外部から照射された光は、照射された光の波長以下のサイズの微細角部pに侵入し、閉じ込められ、滲み出し光として近接場光を発生する。
一般に、可視光の波長は350nm〜780nmであり、これらの波長は原子サイズに対して大きすぎるため、原子振動を生み出すことができない。これに対し、微細角部pから滲み出した近接場光は、原子に振動を起こすことができる。すなわち、光のエネルギーを原子振動に変換することができ、微細角部pが存在する部分と存在しない部分とで、エネルギー分布を生み出す。
上述の発生したジュール熱に伴うドーパントの拡散は、このエネルギー分布を均一化するように拡散することが考えられる。微細角部pが存在する部分は、ドーパントの分布と一部対応する。そのため、光照射しながら順バイアス電圧を印加すると、pn界面においてドーパント分布が所定の分布となると考えられる。
pn接合面2Aへの順バイアス電圧は、ドーピング層2上に設けられた電極3Aと、p型半導体1に接続された電極3Bとの間に電圧を印加することで行う。また電極3A、3Bは、発光部10を発光させる際に電圧印加を行う電極としても用いることができる。
順バイアス電圧を印加するための電極3A、3Bのうち少なくとも後述する光照射において光照射側となる電極は、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明電極又は開口部を有するメッシュ状の金属電極であることが好ましい。これらの電極を用いることで、pn接合面2Aへの光照射が容易になる。
また電極3A及び電極3Bのうち少なくとも後述する光照射において光照射側となる電極は、開口部を有するメッシュ状の金属電極であることがより好ましい。金属電極は、ITO等の透明電極より抵抗値が数桁小さく、伝導性が高い。一般の太陽電池等では、電極は発光を促すために用いられるものであるが、本実施形態にかかる電極3A、3Bは発光部10を作製するための電圧印加にも用いられるため、より高い伝導性が求められる。
pn接合面2Aへの光照射は、外部に設けられた光源から発光部10に光を照射することで行う。
光源は、レーザー光等の公知の光源を用いることができる。発光部10から発光する光として、単波長の光が必要な場合は狭帯域光を照射することが好ましい。反対に、発光部10から発光する光として、ブロードな光が必要な場合は広帯域光を照射することが好ましい。狭帯域光は、レーザー光や、波長フィルタ等を用いて得ることができる。
上述のような工程で得られた発光部10は、間接遷移型の半導体を用いても高い発光強度を実現することができる。
発光部10が高い発光強度を示すことができる原理は明確ではないが、想定される原理について説明する。
発光部10が高い発光強度を示すことができる原理は明確ではないが、想定される原理について説明する。
図4は、直接遷移型の半導体のバンド構造と間接遷移型の半導体のバンド構造を模式的に示した図である。図4(a)は、直接遷移型の半導体のバンド構造であり、価電子帯Kの上端と伝導帯Dの下端の波数位置が同じである。これに対し、図4(b)に示す間接遷移型の半導体のバンド構造では、価電子帯Kの上端と伝導帯Dの下端の波数位置が異なる。
発光は、伝導帯Dから価電子帯Kへの電子が遷移する際に生じる。直接遷移型の場合、伝導体Dの下端から価電子帯Kの上端に向けて電子が遷移するだけで発光が生じるが、間接遷移型の場合、波数のずれを整えるだけ余分にエネルギーが必要である。換言すると、間接遷移型の場合、充分な発光強度を得るためには、波数のずれを整えるエネルギーを別途与える必要がある。
上述の工程に沿って作製された発光部10は、pn接合面2Aにおけるドーパント分布が所定の分布であり、規則的である。ドーパント分布が規則的に配置していることで、特定の振動モードが形成される。
例えば、ボロン7をドープしたシリコン5に、n型ドーパントとしてアンチモン6を注入した場合、アンチモン6はシリコン5より重く、ボロン7はシリコン5及びアンチモン6より軽い。そのため、図5に示すように、アンチモン6が節となり、その間に存在するシリコン5またはボロン7が腹となる振動モードが形成される。このような振動モードは、アンチモン6が一定の周期で存在していないと発生しない。
この局在フォノンの振動モードに沿ってフォノンが振動することで、波数のずれを整えるエネルギーが与えられ、間接遷移型の半導体が擬似的に直接遷移型の発光を示し、高い発光強度を示すことができる。
この際、振動モードの腹となる部分に位置する原子と、振動モードの節となる部分に位置する原子の質量差は大きい方が好ましい。質量差が大きければ、振動の幅が大きくなり、フォノンの振動により生じるエネルギー量を大きくすることができる。
質量差を大きくするためには、p型ドーパントとn型ドーパントを共に用いることが好ましい。例えばシリコン5からなる真性半導体中にアンチモン6を注入した場合でも、図5(a)に示すような振動モードは形成される。一方で、半導体の主の構成要素であるシリコン5等は選択自由度が低く、充分な質量差を得られない場合もある。
これに対し、図5(b)に示すように、n型ドーパントであるアンチモン6とp型ドーパントであるボロン7によって振動モードを形成する場合は、いずれのドーパントも自由に選択でき、質量差が大きくなる選択を行うことができる。具体的には、n型ドーパント(図5においてはアンチモン6)を、半導体を構成する原子(図5においてはシリコン5)より重い原子とし、p型ドーパント(図5においてはボロン7)を、半導体を構成する原子(図5においてはシリコン5)より軽い原子とすることが好ましい。
また振動モードは、図5に示すものに限られない。例えば、図6に示す振動モードも考えられる。図6では、ボロンドープしたシリコン5基板にn型ドーパントしてアンチモン6とリン8を注入した際の振動モードを示している。n型ドーパントの内、アンチモン6はリン8に対して重い。そのため、アンチモン6が節となり、リン8が腹となる振動モードが形成される。図6(a)に示すように、シリコン5も振動モードの振動の担い手となることも考えられる。
また、アンチモンとリンの組合せに限られず、n型ドーパントとして2種以上のドーパントを適宜選択して用いてもよい。またリン8の一部が、p型ドーパントであるボロン7となっていてもよい。そのため、腹となる軽元素のn型ドーパントの濃度は、節となる重元素のn型ドーパントの濃度より少なくすることが好ましい。
なお、振動モードに沿った局在フォノンの振動は、近接場光によって励起される。
発光部10の発光時には外部から光照射は行わないため、近接場光はpn接合面2Aにおける電子と正孔の結合によって生じた発光によって生じる。pn接合面2A近傍で、発光した光の一部は、pn接合面2Aの微細角部pに侵入し、近接場光を発生し、周囲の原子を振動させ、局在フォノンの振動を生み出す。
発光部10の発光時には外部から光照射は行わないため、近接場光はpn接合面2Aにおける電子と正孔の結合によって生じた発光によって生じる。pn接合面2A近傍で、発光した光の一部は、pn接合面2Aの微細角部pに侵入し、近接場光を発生し、周囲の原子を振動させ、局在フォノンの振動を生み出す。
上述のような原理に従い、局在フォノンの振動モードに沿ってフォノンが振動することで、波数のずれを整えるエネルギーが与えられ、間接遷移型の半導体が擬似的に直接遷移型の発光を示し、高い発光強度を示すことができる。
上述の手順で得られた発光部10は、単独で発光素子として用いることもできる。例えば、LED素子、レーザー素子として利用することができ、これらの発光素子はディスプレイ、各種照明、光通信技術等に応用することができる。
(フォトトランジスタ)
次いで、発光部10で発光した光を用いる処理部を作製する。処理部は、発光部10と対向する位置にフォトトランジスタ20を設ける工程と、フォトトランジスタ20に通電する通電部21を設ける。
次いで、発光部10で発光した光を用いる処理部を作製する。処理部は、発光部10と対向する位置にフォトトランジスタ20を設ける工程と、フォトトランジスタ20に通電する通電部21を設ける。
フォトトランジスタ20は、バイポーラ型トランジスタでも、MOS型トランジスタのいずれでもよい。フォトトランジスタ20は、公知の方法で製造することができ、半導体上にp型半導体領域とn型半導体領域を作製する。
通電部21は、p型半導体領域とn型半導体領域のそれぞれに繋がる導体を、フォトリソグラフィー等の技術を用いて作製することができる。
上記では、発光部10を形成した後にフォトトランジスタ20を作製したが、作成順は特に問わない。
上述のように、本発明の一態様に係る電子デバイスの製造方法によれば、一つの半導体基板上に発光部10と処理部を形成することができる。例えば、一つのシリコン基板上に、発光部10と処理部を同時に形成する場合でも、発光部10の発光強度を強くすることができ、電子デバイス全体としての動作精度を高めることができる。
「第二実施形態」
図7は、本発明の第二実施形態に係る電子デバイス101を模式的に示した図である。図7に示す電子デバイス101は、発光部10と、処理部30(光導波路31及び光変調部32)を有するマッハツェンダ干渉計である。
図7は、本発明の第二実施形態に係る電子デバイス101を模式的に示した図である。図7に示す電子デバイス101は、発光部10と、処理部30(光導波路31及び光変調部32)を有するマッハツェンダ干渉計である。
光導波路31は、発光部10で発光した光を伝播する導波路である。光導波路31は途中で第1光導波路31Aと第2光導波路31Bに分岐し、再度合流する。第1光導波路31Aと第2光導波路31Bの長さは同じである。
光変調部32は、熱や電圧等を印加することにより屈折率を変更することができる部材である。分岐した光導波路のいずれかに設けられている。
光変調部32の屈折率を変更することで、第1光導波路31Aと第2光導波路31Bのそれぞれを通過した後に合流する光の位相を変えることができる。位相差の違いを利用して、光通信におけるスイッチング素子として用いたり、種々の測定装置として用いることができる。
光変調部32の屈折率を変更することで、第1光導波路31Aと第2光導波路31Bのそれぞれを通過した後に合流する光の位相を変えることができる。位相差の違いを利用して、光通信におけるスイッチング素子として用いたり、種々の測定装置として用いることができる。
第二実施形態にかかる電子デバイス101における発光部10は、第一実施形態と同様の方法で作製することができる。
第二実施形態にかかる処理部は、発光部10に隣接する箇所に分岐する光導波路31を形成する工程と、分岐した光導波路31のいずれかに光変調部32を設ける工程と、を経て作製することができる。
まず作製した発光部10から発光した光が届く部分に、光導波路31の一端がくるように、半導体基板に溝を形成する。溝は、切削等の機械的な加工や、フォトリソグラフィー等の化学的な加工手段によって形成することができる。
次いで、形成された溝のうち分岐後の一方の溝の内部に、外力の印加により屈折率が変化する樹脂等を充填する。樹脂の周囲に、図示略の電圧印加部又は加熱部等を設けて光変調部32を作製する。
そして、形成された溝を覆うように基板を積層し、加熱により溝が設けられた基板と積層した基板を接着し、光導波路31を作製する。
上述のように、本発明の一態様に係る電子デバイスの製造方法によれば、一つの半導体基板上に発光部10と処理部を形成することができる。例えば、一つのシリコン基板上に、発光部10と処理部を同時に形成する場合でも、発光部10の発光強度を強くすることができ、電子デバイス全体としての動作精度を高めることができる。
なお、電子デバイスとしては発光部を有すれば、第一実施形態及び第二実施形態のデバイスに限られない。この他、公知の種々の電子デバイスに応用することができる。
1…p型半導体(p型ドーパントが添加された半導体)、2…ドーピング層、3A,3B…電極、5…シリコン、6…アンチモン、7…ボロン、8…リン、10…発光部、20…フォトトランジスタ、21…通電部、30…処理部、31…光導波路、31A…第1光導波路、31B…第2光導波路、32…光変調部、100,101…電子デバイス
Claims (7)
- 発光部を作製する工程と、前記発光部で発光した光を用いる処理部を作製する工程と、を有し、
前記発光部を作製する工程は、p型ドーパントが添加された半導体にn型ドーパントを添加してpn接合面を形成する工程と、前記pn接合面に対して光照射しながら順バイアス電圧を印加する工程と、を有する電子デバイスの製造方法。 - 前記ドーパントする前記n型ドーパントが、半導体を構成する原子及びp型ドーパントよりも重い原子である請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記n型ドーパントが2種以上の原子である請求項1又は2のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記光照射する波長が前記半導体の吸収波長である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記順バイアス電圧を印加するための電極を、透明電極または開口部を有するメッシュ状の金属電極とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記処理部を作製する工程が、前記発光部と対向する位置にフォトトランジスタを設ける工程と、前記フォトトランジスタに通電する通電部を設ける工程とを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記処理部を作製する工程が、前記発光部に隣接する箇所に分岐する光導波路を形成する工程と、分岐した光導波路のいずれかに光変調部を設ける工程と、を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
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- 2016-02-25 JP JP2016034218A patent/JP2017152561A/ja active Pending
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