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JP2017139435A - 電極、電極を用いたキャパシタ、および電極の製造方法 - Google Patents

電極、電極を用いたキャパシタ、および電極の製造方法 Download PDF

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JP2017139435A
JP2017139435A JP2016122941A JP2016122941A JP2017139435A JP 2017139435 A JP2017139435 A JP 2017139435A JP 2016122941 A JP2016122941 A JP 2016122941A JP 2016122941 A JP2016122941 A JP 2016122941A JP 2017139435 A JP2017139435 A JP 2017139435A
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大輔 堀井
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大輔 堀井
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Abstract

【課題】電極の内部抵抗を低減し、容量密度を増加させるキャパシタ及び電極の製造方法を提供する。【解決手段】ケース1、6、電解質2、セパレータ4及びガスケット7を有する電気二重層キャパシタの電極3、5は、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素と、を含み、炭素粉末は、繊維状セルロースと繊維状炭素の繊維間に担持され、前記繊維状セルロースと繊維状炭素の合計重量に対する前記繊維状セルロースの割合が5重量%以上75重量%以下であり、前記炭素粉末と前記繊維状セルロースと前記繊維状炭素の合計重量に対する前記繊維状セルロースの割合が2重量%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電極、電極を用いたキャパシタ、および電極の製造方法に関する。
従来、キャパシタは、一対の電極と、この間に存在するセパレータと、それぞれの電極の集電層とから構成される。キャパシタに使用される代表的な電極には、炭素粉末などの炭素材料が用いられている。
キャパシタに使用される電極の製造方法としては、以下の方法が知られている。すなわち、代表的な電極の材料である活性炭粉末に、アセチレンブラック等の導電性物質及びポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂等の樹脂をバインダーとして添加して混合した後、加圧成型してシート状の分極性電極を形成する。またこの他には、この混合物を溶媒に含ませ集電体に塗布する方法(コーティング法)が挙げられる。
特開2001−237149号公報
上記の通り、キャパシタの電極では樹脂系のバインダーを用いているが、樹脂によって電極の内部抵抗が高くなってしまう問題がある。樹脂系のバインダーの代わりに導電性を有する繊維状炭素をバインダーとして用いることで内部抵抗を低減することもできるが、より内部抵抗を低減し、さらに容量密度を増加させることが求められている。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものである。その目的は、内部抵抗を低減して容量密度を増加させた電極、電極を用いたキャパシタ、及び電極の製造方法を提供することにある。
上記の目標を達成するため、本発明の電極は、炭素粉末とセルロースと繊維状炭素とを含み、前記炭素粉末が前記繊維状セルロースと前記繊維状炭素の繊維間に担持されている。
前記セルロースと繊維状炭素の合計重量に対する前記セルロースの割合を5重量%以上75重量%以下としても良い。
前記炭素粉末と前記繊維状セルロースと前記繊維状炭素の合計重量に対する前記繊維状セルロースの割合が2重量%以上であるようにしてもよい。
前記繊維状炭素を、外径が1〜100nmで長さが50〜1000μmとし、前記繊維状セルロースを、外径が4〜100nmであり長さが50〜1000μmとしても良い。
前記炭素粉末を多孔質化されたカーボンブラックとしても良い。
上記に記載の電極を、集電体の上に形成したキャパシタも、本発明の一態様である。キャパシタにおいて、前記集電体は予めエッチング等の粗面化処理されて成り、前記電極はシート状に成型されて成り、前記電極と前記集電体とはプレス接合されてもよい。
また、上記の電極を製造する方法も、本発明の一態様であり、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを溶媒中に分散させる分散工程と、前記分散工程で得られた溶液の溶媒を除去し、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含む電極を得る電極形成工程と、を有する。
前記電極形成工程において、前記分散工程で得られた溶液を濾過部材を用いて濾過することにより前記溶媒を除去して、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含むシート状の電極を形成しても良い。
前記電極形成工程において、前記分散工程で得られた溶液を集電体上に塗布し、前記溶媒を蒸発させることにより除去して、前記集電体上に炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含む電極を形成しても良い。
本発明によれば、内部抵抗を小さくした電極、電極を用いたキャパシタ、及び電極の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態のコイン形電気二重層キャパシタの構成の一例を示す断面図である。 (a)は炭素粉末、繊維状セルロース及びカーボンナノチューブを分散させた溶液中から作製したシート電極のSEM(×1.00k)像であり、(b)は炭素粉末及びカーボンナノチューブを分散させた溶液中から作製したシート電極のSEM(×1.00k)像である。 実施例の電気二重層キャパシタにおける、容量密度と繊維状セルロースの比率の関係を表したグラフである。 実施例の電気二重層キャパシタにおける、直流内部抵抗と繊維状セルロースの比率の関係を表したグラフである。
[1.構成]
以下、本発明に係る電極および電極の製造方法の実施形態について詳細に説明する。まず、本実施形態の電極が適用されるキャパシタについて、コイン形の電気二重層キャパシタを例に説明する。なお、本発明に係る電極及び電極の製造方法は、電気二重層キャパシタに限らず適用可能である。例えば、リチウムイオンキャパシタを含む電気化学キャパシタなど、各種キャパシタや二次電池などの蓄電デバイスに適用することができる。
また、本発明に係る電極及び電極の製造方法は、コイン型の電気二重層キャパシタに限らず、ラミネートフィルムを用いて熱封止したラミネート型に適用してもよい。また、正極電極及び負極電極の間にセパレータを介して巻回した円筒型素子に適用してもよい。さらに、正極電極及び負極電極の間にセパレータを介して積層した積層型素子を使用した各種キャパシタや二次電池などの蓄電デバイスにも適用することができる。
(1)電気二重層キャパシタ
図1は、電気二重層キャパシタの一例として、シート電極をコイン形セルに適用したコイン形電気二重層キャパシタの断面図である。コイン形の電気二重層キャパシタは、負極ケース1、電解液2、電極3、セパレータ4、電極5、正極ケース6、ガスケット7からなる。
負極ケース1と正極ケース6は、重なり合って内部に空間を形成するセルの筐体である。負極ケース1は、負極集電体と負極端子を兼ねる。正極ケース6は、正極集電体と正極端子を兼ねる。ガスケット7は、負極ケース1と正極ケース6との間のカシメに介在する。ガスケット7は、負極と正極との間の電気的絶縁性を保ち、またセル内容物を密封及び封止する。
電解液2、電極3、電極5、およびセパレータ4はセル内容物であり、負極ケース1と正極ケース6で形成された空間の内部に収容される。電極3および電極5は不図示の集電体と一体化されている。
電極3は、導電性樹脂接着剤やプレス圧着等により正極ケース6に固定されるとともに電気的に接続される。電極5は、導電性樹脂接着剤やプレス圧着等により負極ケース1に固定されるとともに電気的に接続される。セパレータ4は、対向する電極3及び電極5の接触による短絡を防止すべく、電極3と電極5との間に介在するように配設される。電解液2は、電極3、電極5及びセパレータ7に含浸される。以下、電気二重層キャパシタの各構成要素について、詳細に説明する。
(2)電極
以上のような電気二重層キャパシタにおいて、電極3および電極5は、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を含むシート状の電極である。製造方法は詳しくは後述するが、シート状電極は、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を溶媒中で混合して分散させた後に、溶媒を除去することで得られる。
(炭素粉末)
炭素粉末は、電極の主たる容量を発現するものである。炭素粉末の種類としては、やしがら等の天然植物組織、フェノール等の合成樹脂、石炭、コークス、ピッチ等の化石燃料由来のものを原料とする活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック、カーボンナノホーン、無定形炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、活性炭、メソポーラス炭素などを挙げることができる。
炭素粉末には、賦活処理や開口処理などの多孔質化処理を施して使用するのが好ましい。炭素粉末の賦活方法としては、用いる原料により異なるが、通常、ガス賦活法、薬剤賦活法などの従来公知の賦活処理を用いることができる。ガス賦活法に用いるガスとしては、水蒸気、空気、一酸化炭素、二酸化炭素、塩化水素、酸素またはこれらを混合したものからなるガスが挙げられる。また、薬剤賦活法に用いる薬剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸類、または塩化亜鉛などの無機塩類などが挙げられる。この賦活処理の際には必要に応じて炭素粉末に加熱処理が施される。なお、これらの賦活処理以外にも炭素粉末に孔を形成する開口処理を用いても良い。
また、炭素粉末は比表面積が、600〜2000m/gの範囲にあるものが望ましい。炭素粉末はその一次粒子の平均粒子径としては100nm未満が望ましく、その中でも特に50nm未満が望ましい。炭素粉末の平均粒子径が100nm未満であると、極めて小さい粒子径であるため拡散抵抗が低くその導電率は高い。また、多孔質化処理による比表面積が大きいため高容量発現効果を期待することができる。炭素粉末の平均粒子径が100nmより大きいと、炭素粉末の粒子内のイオン拡散抵抗が大きくなり、結果として得られるキャパシタの内部抵抗が高くなってしまう。さらに、炭素粉末の平均粒子径が100nmより大きいと、繊維状炭素や繊維状セルロースの繊維間に担持されにくくなる可能性がある。一方、炭素粉末が細かすぎると、繊維間に炭素粉末が凝集して担持される場合があるため、平均粒子径は5nm以上が好ましい。なお、平均粒子径が100nm未満とした極めて小さな炭素粉末を数珠つなぎ状に個々に連結した形態をとることで導電率の向上が得られる。
炭素粉末の材料は特定のものに限定されないが、カーボンブラックが特に好ましい。また、炭素粉末の平均粒子径としては10μm未満の場合にでも、分散方法として後述する超遠心処理及びジェットミキシングによる処理により、本発明の効果を奏することが可能である。
(繊維状炭素)
本実施形態で使用する繊維状炭素は、抄紙成型の際のバインダーの役割を担う。すなわち、炭素粉末は、繊維状炭素の繊維間に分散して担持される。また、繊維状炭素は導電性を有することから、樹脂系のバインダーのように電極の内部抵抗を増加させる悪影響を及ぼさない。繊維状炭素の種類としては、カーボンナノチューブ(以下、CNT)、カーボンナノファイバ(以下、CNF)などの繊維状炭素を挙げることができる。なお、この繊維状炭素に対しても、繊維状炭素の先端や壁面に穴をあける開口処理や賦活処理を用いても良い。
繊維状炭素として使用するCNTは、グラフェンシートが1層である単層カーボンナノチューブ(SWCNT)でも、2層以上のグラフェンシートが同軸状に丸まり、チューブ壁が多層をなす多層カーボンナノチューブ(MWCNT)でもよく、それらが混合されていてもよい。また、CNTのグラフェンシートの層数が少ないほど、CNT自身の容量密度が高いため、層数が50層以下、好ましくは10層以下の範囲のCNTが容量密度の点から好ましい。
繊維状炭素の外径は1〜100nm、好ましくは2〜70nm、さらには3〜40nmの範囲にあることが望ましい。また、繊維状炭素の長さは50〜1000μm、好ましくは70〜500μm、さらには100〜200μmの範囲にあるものが好ましい。
また、繊維状炭素の比表面積は100〜2600m/g、好ましくは200〜2000m/gの範囲にあるものが望ましい。比表面積が2600m/gより大きいと形成されたシート電極が膨張しやすくなり、100m/gより小さいと電極密度が上がりにくくなる。
(繊維状セルロース)
繊維状セルロースは、例えば、竹、広葉樹、針葉樹等の樹木、稲わら、さとうきびの搾りかす、さとう大根の搾りかす、キャッサバの搾りかす又はジャガイモの搾りかすから得ることができる。繊維状セルロースはセルロースを解繊処理等して得られる。繊維状セルロースは繊維状炭素と共に、シート状電極を形成する際のバインダーの役割を果たす。繊維状セルロースとしては、セルロースナノファイバー等を挙げることができる。セルロースナノファイバーは、外径が4〜100nmであり、長さが50〜1000μmの繊維状セルロースが好ましい。繊維状セルロースの外径及び長さを、繊維状炭素に近い範囲とすることで、溶媒中で混合した際に、繊維状セルロースと繊維状炭素が均一に分散する。また炭素粉末は凝集が抑制され、分散した繊維の間に均一に絡めとられると考えられる。
なお、炭素粉末や繊維状炭素の粒子径や外径は、ASTMD3849−04(ASTM粒子径とも言う)によって測定した。
(含有量)
本実施形態の電極は、以上のような炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素の混合物を含む。混合物の全体量に対して、炭素粉末を70重量%以上95重量%以下とし、残りを繊維状セルロース及び繊維状炭素とすると良い。炭素粉末が70重量%を下回ると、電極として十分な電気特性が得られない。95重量%を上回ると、結果としてバインダーの量が減り、シート状に形成できない可能性がある。繊維状セルロース及び繊維状炭素の合計量に対して、繊維状セルロースを5重量%以上75重量%以下とすると良い。繊維状セルロースが5重量%を下回ると、炭素端末及び繊維状炭素が凝集しやすくなり、キャパシタの内部抵抗が上昇するとともに、容量密度が減少する傾向がある。少なくとも75重量%までは、繊維状セルロースの絶縁性への影響は特に見られず、キャパシタの内部抵抗の上昇や容量密度の減少も確認されなかった。
電極をプレス接合により集電体と一体化させる場合には、電極を構成する混合物の全体量に対して、繊維状セルロースの割合が2重量%以上であると良い。例えば、炭素粉末を混合物の全体量に対して90重量%とする場合には、繊維状セルロース及び繊維状炭素の合計量に対して、繊維状セルロースは20重量%以上であると良い。
電極を構成する混合物の全体量に対して、繊維状セルロースの割合が少なくとも1重量%以下であると、エッチング処理した集電体に対してシート状に成型した混合物をプレス接合しても、アンカー効果が良好に働かず、シート状に成型した混合物が集電体から剥離してしまい、内部抵抗を上昇させてしまう。一方、電極を構成する混合物の全体量に対して、繊維状セルロースの割合が2重量%以上であれば、良好にアンカー効果が働き、プレス接合で電極と集電体を一体化できるので、導電性接着剤を不要となる。導電性接着剤が不要となれば、導電性接着剤に含有の接着成分である樹脂バインダーによって、内部抵抗が上昇することはない。
(分散溶液)
炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を混合して分散させる溶媒としては、メタノール、エタノールや2−プロパノールなどのアルコール、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド系溶媒、水、これらの溶媒を単独で使用するものや2種類以上を混合するものなどの各種溶媒を使用することができる。またこの溶媒中には分散剤などの添加剤を加えてもよい。
(集電体)
シート状電極3および電極5と一体化される集電体としては、アルミニウム箔、白金、金、ニッケル、チタン、鋼、およびカーボンなどの導電材料を使用することができる。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状などの任意の形状を採用することができる。また集電体の表面はエッチング処理などによる凹凸面(粗面化)を形成してもよく、またプレーン面であってもよい。
(3)負極ケース、正極ケース
負極ケース1は外側片面をNiメッキしたステンレス鋼製の板を絞り加工したものからなる。また、正極ケース6はセルケース本体となる外側片面をNiメッキしたステンレス鋼もしくはAl、Ti等の弁作用金属等からなる。
負極ケース1および正極ケース6としては、SUS316、316Lや二層ステンレス等のMo含有ステンレス鋼やAl、Ti等の弁作用金属が、耐食性が高く好適に用いることができる。また、ステンレス鋼とAiやTi等の弁作用金属を冷間圧延等で圧着接合して貼り合せたクラッド材を、弁作用金属側をセルの内側面にして用いることが特に好ましい。高電圧印加に対する耐食性が高く、且つ封口時の機械的強度が高く、封口の信頼性の高いセルが得られるからである。なお、負極ケース1および正極ケース6は、前述の集電体として記載した材料を用いてもよく、またその形態を適用しても良い。
(4)セパレータ
セパレータ4はセルロース系セパレータ、合成繊維不織布系セパレータやセルロースと合成繊維を混抄した混抄セパレータなどが使用できる。ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、セラミクスやガラス等々の繊維からなる不織布や混抄紙あるいは多孔質フィルム等を好適に用いることができる。リフローハンダ付けを行なう場合には、熱変形温度が230℃以上の樹脂を用いる。例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、フッ素樹脂やセラミクス、ガラス等を用いることができる。キャパシタにおいては、耐酸性の材料(合成繊維不織布やガラス材料)を用いるのが好ましい。
(5)電解液
電解液2の溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルn−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルn−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、ジn−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジn−ブチルカーボネート、フルオロエチルメチルカーボネート、ジフルオロエチルメチルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、エチルイソプロピルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソブチルスルホンなどの鎖状スルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、水又はこれらの混合物を使用することができる。特に、溶媒として、スルホランと、スルホラン骨格に側鎖を有するスルホラン化合物又は鎖状スルホンとの混合物を用いた場合には、電気二重層キャパシタの電極容量の時間経過による影響を低減することができる。スルホラン化合物は、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの環状スルホン構造を有し、例えば、スルホラン、3−メチルスルホラン等のスルホラン骨格にアルキル基の側鎖を有する化合物、又はこれらの混合物である。鎖状スルホンは、2つのアルキル基がスルホニル基に結合して鎖状構造を有し、例えば、エチルイソプロピルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルイソブチルスルホン等を挙げることができる
電解液2には、第4級アンモニウム塩またはリチウム塩からなる群から選ばれる1種以上の電解質が含有されている。第4級アンモニウムイオンやリチウムイオンを生成し得る電解質であれば、あらゆる第4級アンモニウム塩またはリチウム塩を用いることができる。第4級アンモニウム塩およびリチウム塩からなる群より選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。特に、エチルトリメチルアンモニウムBF4、ジエチルジメチルアンモニウムBF4、トリエチルメチルアンモニウムBF4、テトラエチルアンモニウムBF4、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムBF4、メチルエチルピロリジニウムBF、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムBF、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムBF、エチルトリメチルアンモニウムPF6、ジエチルジメチルアンモニウムPF6、トリエチルメチルアンモニウムPF6、テトラエチルアンモニウムPF6、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムPF6、テトラメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、エチルトリメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、ジエチルジメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、トリエチルメチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラエチルアンモニウムビス(オキサラト)ボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムビス(オキサラト)ボレート、テトラメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、エチルトリメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、ジエチルジメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、トリエチルメチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、テトラエチルアンモニウムジフルオロオキサラトボレート、スピロ−(N,N’)−ビピロリジニウムジフルオロオキサラトボレート、LiBF4、LiPF6、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等が好ましい。
また、電解液2には、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類、ホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)、ニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン、芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。添加剤量は、導電性の観点から好ましくは電解質全体の10重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下である。また、電解液2には、ガス吸収剤を含有してもよい。電極から発生するガスの吸収剤として、電解質の各成分(溶媒、電解質塩、各種添加剤等)と反応せず、かつ、除去(吸着など)しないものであれば、特に制限されない。具体例としては、例えば、ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。
(6)ガスケット
ガスケット7は、電解液2に不溶性耐食性且つ電気絶縁性のある樹脂を主体とする。例えば、ガスケット7は、通常ポリプロピレンやナイロン等の樹脂が用いられる。リフローハンダ付けを行なう場合には、熱変形温度が230℃以上の樹脂を用いる。例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、液晶ポリマー(LCP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリエーテルニトリル樹脂(PEN)、また、ポリエーテルケトン樹脂(PEK)、ポリアリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素樹脂等々が使用できる。また、これらの材料に30重量%程度以下の添加量でガラス繊維、マイカウイスカー、セラミック微粉末等を添加したものを好適に用いることができる。
[2.電極の製造方法]
上述した電極3及び電極5の製造方法は、以下の工程を含む。
(1)炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を溶媒中に分散させる分散工程
(2)分散工程で得られた溶液の溶媒を除去し、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素の電極を得る電極形成工程
(1)分散工程
分散工程では、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を溶媒中に分散させる。すなわち、分散工程では、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を溶媒中に混合した混合溶液に対して、分散処理を行う。分散処理前の混合溶液中の炭素粉末は凝集し、繊維状セルロースと繊維状炭素は繊維同士が絡みあったバンドル状になっている。分散処理を行うことで、混合溶液中の材料を細分化及び均一化し、溶液中に分散させる。
最終的に三種類の材料が溶媒中で混合した混合溶液が得られれば良いため、炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を混合する順序や、分散処理を行うタイミングは、特定の順序に限られない。三種類の材料を同時に溶媒に混合して、分散処理を行っても良い。あるいは、三種類を別々に溶媒に投入してそれぞれの溶液に分散処理を行ってから、3つの溶液を混合しても良い。二種類の材料を先に混合して分散処理を行ってから、後から残りの一種類の材料を二種類の混合溶液に混合し、さらに分散処理を行っても良い。分散処理の態様としては、例えば、以下のいずれかのパターンを選択することができる。
・炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素を同時に混合して分散処理を行う。
・炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素をそれぞれ別々の溶媒に投入し、それぞれの溶液に対して分散処理を行い、最終的に溶液を混合する。
・繊維状セルロース及び繊維状炭素を溶媒に投入して分散処理を行い、混合溶液に炭素粉末を投入して分散処理を行う。
・炭素粉末及び繊維状セルロースを溶媒に投入して分散処理を行い、混合溶液に繊維状炭素を投入して分散処理を行う。
・繊維状炭素及び炭素粉末を溶媒に投入して分散処理を行い、混合溶液に繊維状セルロースを投入して分散処理を行う。
分散方法としては、ミキサー、ジェットミキシング(噴流衝合)、または、超遠心処理、その他超音波処理などを使用できる。溶媒中における材料の分散度合いの向上と、得られたシート電極の電極密度の向上を考慮すると、分散方法としては、ジェットミキシング又は超遠心処理が好ましい。特に、このようなジェットミキシング又は超遠心処理を用いることで、極めて小さい粒子径である炭素粉末の凝集や、繊維状セルロース及び繊維状炭素のバンドルが抑制される。
ミキサーによる分散方法では、ボールミル、ホモジナイザー、ホモミキサーなどにより、溶媒中の材料に物理的な力を加え、撹拌することにより細分化する。材料に対して外力を加えることで、凝集した材料を細分化及び均一化するとともに、絡み合った材料を解すことができる。
ジェットミキシングによる分散方法では、筒状のチャンバの内壁の互いに対向する位置に一対のノズルを設ける。材料を含む混合溶液を、高圧ポンプにより加圧し、一対のノズルより噴射してチャンバ内で正面衝突させる。これにより、繊維状セルロース及び繊維状炭素のバンドルが粉砕され、分散及び均質化することができる。ジェットミキシングの条件としては、圧力は100MPa以上、濃度は5g/l未満が好ましい。
超遠心処理による分散方法では、材料を含む混合溶液に対して超遠心処理を行う。超遠心処理は、旋回する容器内で混合溶液にずり応力と遠心力を加える。例えば、超遠心処理では、容器の内筒内部に混合溶液を投入し、内筒を旋回することによってその遠心力で内筒内部の材料が内筒の貫通孔を通って外筒の内壁に衝突し、薄膜状となって内壁の上部へずり上がる。この状態では材料には内壁との間のずり応力と内筒からの遠心力の双方が同時に加わり、混合溶液中の材料に大きな機械的エネルギーが加わることになる。
この超遠心処理は、混合溶液中の材料に加えられるずり応力と遠心力の機械的エネルギーによって実現できるものと考えられるが、このずり応力と遠心力は内筒内の混合溶液中の材料に加えられる遠心力によって生じる。したがって、本発明に必要な内筒内の材料に加えられる遠心力は1500N(kgms−2)以上、好ましくは60000N(kgms−2)以上、さらに好ましくは270000N(kgms−2)以上である。
この超遠心処理においては、混合溶液中の炭素粉末と繊維状セルロースにずり応力と遠心力の双方の機械的エネルギーが同時に加えられることによって、この機械的なエネルギーが、混合溶液中の材料を均一化及び細分化させる。
(2)シート電極形成工程
シート電極形成工程では、抄紙成型で炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素からなるシート状の電極3及び電極5を得る。抄紙成型では、分散工程を経た混合溶液を濾過することで、分散工程を経た混合溶液の溶媒を除去する。抄紙成型では、ガラス繊維の不織布、有機系不織布(ポリテトラフルオロエチレンやポリエチレンなど)、または、金属製繊維の不織布、貫通箔などの濾過部材を用いることが出来る。濾過部材を用いて混合溶液を減圧濾過および乾燥することで、混合溶液中の溶媒が除去される。よって、この濾過部材上に炭素粉末、繊維状セルロース及び繊維状炭素が堆積し、シート電極3および電極5が得られる。繊維状セルロースと繊維状炭素の繊維はほぐされて均一に分散し、炭素粉末は分散した繊維の間に絡められて担持されている。シート状の電極3及び電極5は、濾過部材から剥離して使用することが好ましい。なお、濾過部材として貫通箔を用いた場合には、貫通箔は集電体として使用することができるため、剥離しなくても良い。
このシート電極形成工程で作製したシート状の電極3および電極5は、集電体と同じサイズに切り取られる。切り取られたシート状の電極3および電極5は、集電体となるエッチング処理したアルミニウム箔の上に載せられ、箔およびシート電極の上下方向からプレスされることで、アルミニウム箔の凹凸面に食い込み一体化される。一体化については、前述のプレスでもよく、また導電性接着剤を用いても良い。なお、電極3及び電極5は、必要に応じて、集電体と一体化する前にプレスなどによる平坦化処理を施しても良い。
シート電極形成工程としては、濾過部材を使用する方法の他に、コーティングによっても形成することができる。コーティングは、集電体となる導電材料に混合溶液を塗布する方法である。混合溶液を蒸発させることにより溶媒が取り除かれ、集電体上にシート状の電極が形成される。
[3.作用効果]
本実施形態の電極が奏する作用効果は以下の通りである。
(1)本実施形態の電極は、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素を含むものである。炭素粉末が繊維状セルロースと繊維状炭素の繊維間に担持されている。樹脂系のバインダーに代わって導電性の繊維状炭素がバインダーとしての役割を担うため、電極の内部抵抗を低減することができる。また、発明者の鋭意研究の結果、セルロース自体は絶縁材料ではあるが、炭素粉末及び繊維状炭素と共に電極材料として用いることで、電極の内部抵抗をさらに低減し、容量密度も増加させることがわかった。これは、セルロースの界面活性作用により、溶媒中で混合した炭素粉末及び繊維状炭素の分散性が向上して凝集やバンドルが防止されたことによるものと考えられる。さらに、繊維状のセルロースは、繊維状炭素と共にバインダーの役割も果たすことができる。界面活性作用によって分散された炭素粉末が、繊維状セルロースの繊維間で絡め取られて担持されるため、内部抵抗を低減し、容量密度が増加させることができる。
(2)繊維状セルロースと繊維状炭素の合計重量に対する繊維状セルロースの割合を5重量%以上75重量%以下とすると良い。繊維状セルロースが5重量%を下回ると、炭素端末及び繊維状炭素が凝集しやすくなり、電極の内部抵抗が上昇するとともに、容量密度が減少する傾向がある。少なくとも75重量%までは、繊維状セルロースの絶縁性への影響は見られず、内部抵抗の上昇や容量密度の減少も見られない。
炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素の合計重量に対する繊維状セルロースの割合が2重量%以上であると良い。この範囲では、エッチング処理した集電体に対してシート状に成型した混合物をプレス接合すると、良好にアンカー効果が働き、シート状に成型した混合物が集電体から剥離せず、導電性接着剤を不要となる。
(3)繊維状炭素は、外径が1〜100nmであり長さが50〜1000μmであり、繊維状セルロースは外径が4〜100nmであり長さが50〜1000μmであっても良い。繊維状炭素と繊維状セルロースを共にナノサイズのものを用いることによって、溶媒中で混合した際に、繊維状セルロースと繊維状炭素が均一に分散し、また炭素粉末の凝集が抑制され、繊維間に均一に絡めとられるため、容量密度を増加させ、内部抵抗を低減することができる。
(4)炭素粉末は、多孔質化されたカーボンブラックとしても良い。賦活処理等により多孔質化されたカーボンブラックは、比表面積が大きいため高容量発現効果を期待することができる。また、カーボンブラックは、小さな凝集体として網目状の繊維状セルロースに分散して担持される。よって、繊維状セルロースにおけるカーボンブラックの分散度合いを向上させることができる。そのため、内部抵抗の上昇を抑制することができる。
また、本実施形態の電極の製造方法が奏する作用効果は以下の通りである。
(5)本実施形態の電極の製造方法は、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素を溶媒中に分散させる分散工程と、前記分散工程で得られた溶液の溶媒を除去し、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素のシート電極を得るシート電極形成工程と、を有する。
内部抵抗を増大させる樹脂系のバインダーの代わりに、導電性を有する繊維状炭素と、炭素粉末と繊維状炭素の分散性を高める繊維状セルロースをバインダーとして用いる。これによって、電極の内部抵抗を低減し、容量密度を向上させることができる。また、ジェットミキシングや超遠心処理などの分散手法を用いて、混合溶液中の材料の分散度合いを向上させることで、シート電極が緻密かつ均質な形態とされ電極密度が高まる。よって、従来のミクロンサイズの炭素粉末を用いた電極と同等レベルの容量を得ることができる優れたシート電極が実現される。
(6)電極形成工程において、分散工程で得られた溶液を濾過部材を用いて濾過することにより溶媒を除去して、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含むシート状電極としても良い。樹脂系のバインダーを使用せずに、濾過部材上にシート状の電極を形成することで、内部抵抗を低減することができる。
(7)また、電極形成工程において、分散工程で得られた溶液を集電体上に塗布し、溶媒を蒸発させることにより除去して、集電体上に炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含む電極を形成しても良い。集電体に直接電極を形成することにより、キャパシタを製造する際には、集電体と電極を一体化させる工程を省略することができ、利便性が高い。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜6の電気二重層キャパシタの作成>
炭素粉末として、平均粒子径12nmのカーボンブラックを用いた。繊維状セルロースとして、外径20nm、長さ150μmのセルロースナノファイバー(以下、「CeNF」と表記する。)を用いた。繊維状炭素として外径20nm、長さ150μmのカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と表記する)を用いた。各実施例及び比較例において、電極に含まれるカーボンブラック、CeNF及びCNTの合計量が50mgとなるようにし、そのうちカーボンブラックが80重量%となるように40mg量り取った。CeNF及びCNTは、実施例1〜6において、それぞれを以下の量で量り取った。なお、カッコ書きで示した重量%は、CeNF及びCNTの合計量10mgに対する割合である。
実施例1:CeNF:0.5mg(5重量%) CNT:9.5mg(95重量%)
実施例2:CeNF:1.0mg(10重量%) CNT:9.0mg(90重量%)
実施例3:CeNF:2.5mg(25重量%) CNT:7.5mg(75重量%)
実施例4:CeNF:4.0mg(40重量%) CNT:6.0mg(60重量%)
実施例5:CeNF:5.0mg(50重量%) CNT:5.0mg(50重量%)
実施例6:CeNF:7.5mg(75重量%) CNT:2.5mg(25重量%)
量り取ったカーボンブラック、CeNF及びCNTを50mlのイソプロピルアルコールと混合させて混合溶液を作製した。上記の混合溶液に対して、超遠心分散処理において、周速40m/sで300秒間分散処理を行い、カーボンブラック/CeNF/CNT分散液を作製した。この分散液をPTFE濾紙(直径:80mm、平均細孔0.2μm)を用いて減圧濾過して抄紙成型した。これをアルミニウム板の上に載せ、別のアルミニウム板で挟み、板の上下方向から4t/cmの圧力で1分間プレスすることで、カーボンブラック、CeNF及びCNTを含むシート電極を得た。シート電極の厚みは約130μmであった。
このシート電極をアルミニウム板から剥離し、集電体と同じサイズに切り分けた。切り分けたシート電極を、集電体となるアルミニウム箔の上に導電性接着剤により貼り付け、常圧下120℃にて1時間乾燥し、2枚の電極体を得た。得られた2枚の電極体を、セルロース系セパレータを介して配置し、電気二重層キャパシタ素子を作製した(電極面積:2.1cm)。そして、プロピレンカーボネート(PC)溶媒1Lに、電解質としてTEMABFを1.4モル添加した(1.4M TEMABF/PC)電解液を素子に含浸した後、ラミネートフィルムを用いて熱封止し、評価用セル(電気二重層キャパシタ)を作製した。
<比較例1及び2の電気二重層キャパシタの作成>
比較例1では、CeNFを用いず、40mgのカーボンブラックと10mgのCNTを混合して混合溶液を作製した。その他は、実施例と同様の方法で評価用セルを作製した。比較例2では、CNTを用いず、40mgのカーボンブラックと10mgのCeNFを混合して、混合溶液を作製した。その他は、実施例と同様の方法で評価用セルを作製した。ただし、抄紙成型後のプレス圧力は、4t/cmでは電極形成が困難だったため、1t/cmとした。
(a)シート電極のSEM像
図2(a)に実施例5において得られたシート電極のSEM(×1.00k)像を示し、図2(b)に、比較例1において得られたシート電極のSEM(×1.00k)像を示す。図2(b)に示した比較例1のシート電極では白い筋や点が多く確認され、CNTのバンドルやカーボンブラックの凝集が残っていることがわかる。一方、図2(a)に示した実施例5のシート電極は、白い筋や点は少なく、CNTのバンドルやカーボンブラックの凝集がほぐされて、シート電極の表面が均一で緻密になっている。
評価用セルについて、初期特性評価として、静電容量の算出と初期の直流内部抵抗の測定を行った結果を以下に示す。
(b)静電容量の算出
図3は、実施例1〜6及び比較例1及び2における、CeNFの割合と容量密度の関係を表したグラフである。充電電圧は3.0Vとした。図3を見ると、CeNFを用いなかった比較例1に対して、CeNFを用いた実施例1〜5は容量密度が上昇している。実施例1〜6を見ると、CeNFの割合が増加すると容量密度が増加する傾向にあることがわかる。一方、10mgの全量をCeNFとし、CNTを用いない比較例2においては、容量密度が減少している。
(c)初期直流内部抵抗の測定
図4は、実施例1〜6及び比較例1及び2における、CeNFの割合と直流内部抵抗(DCIR)の関係を表したグラフである。充電電圧3.0Vとし、30分間電圧印加後に測定した結果を示している。図4を見ると、CeNFを用いなかった比較例1に対して、CeNFを用いた実施例1〜6は直流内部抵抗が減少する傾向がある。実施例1〜6において、CeNFが増加しても減少した直流内部抵抗が維持されている。一方、10mgの全量をCeNFとし、CNTを用いない比較例2においては、直流内部抵抗が大きく上昇している。
<実施例7〜10の電気二重層キャパシタの作成>
実施例1〜6に比し、実施例7〜10の電気二重層キャパシタは、カーボンブラック、セルロースナノファイバー及びカーボンナノチューブの混合比が異なる。また、実施例7〜10の電気二重層キャパシタでは、シート電極と集電体とをプレス接合により一体化させている。実施例7〜10において、カーボンブラック、CeNF及びCNTの合計量が50mgになるようにし、そのうちカーボンブラックが90重量%となるよう45mg量り取り、CeNF及びCNTの合計量が10重量%となるように合計5mg量り取った。CeNF及びCNTの重量比率は、実施例7〜10において以下の通りである。括弧内はカーボンブラック、CeNF及びCNTの合計重量に対する百分率である。
実施例7:CeNF:0.5mg(1重量%) CNT:4.5mg(9重量%)
実施例8:CeNF:1.0mg(2重量%) CNT:4.0mg(8重量%)
実施例9:CeNF:2.5mg(5重量%) CNT:2.5mg(5重量%)
実施例10:CeNF:4.5mg(9重量%) CNT:0.5mg(1重量%)
量り取ったカーボンブラック、CeNF及びCNTから実施例1〜6と同一条件及び同一方法により集電体と同じサイズのシート電極を得て、プレス接合により該集電体と該シート電極を一体化した。プレス接合では、集電体となる交流エッチング処理したアルミニウム箔(箔厚30μm、エッチング厚み片側10μm)の上にシート電極を載置し、別のアルミニウム板で挟み、箔の上下方向から4t/cmの圧力で1分間プレスした。そして、プレス治具を離してアルミニウム板を外した際に、シート電極と集電体との剥離が発生したか否かを確認した。
<比較例3の電気二重層キャパシタの作成>
比較例3では、CeNFを用いず、45mgのカーボンブラックと5.0mgのCNTを混合し、実施例7〜10と同一条件及び同一方法によりシート電極を得て、プレス接合にて集電体とシート電極を得た。そして、プレス治具を離してアルミニウム板を外した際に、シート電極と集電体との剥離が発生したか否かを確認した。
実施例7〜10及び比較例3の確認結果を以下表1に示す。表中、カーボンブラック、CeNF及びCNTに対する各重量百分率は、カーボンブラック、CeNF及びCNTを合わせたシート電極の全重量に対する。
(表1)
表1では、剥離が見られた場合を「×」印で表し、剥離がなかった場合を「○」印で表している。表1に示すように、シート電極全重量に対してCeNFが2重量%以上含有している場合には、シート電極と集電体とに剥離はなかった。一方、シート電極全重量に対してCeNFの含有量が1重量%以下である場合には、シート電極と集電体とに剥離が見られた。従って、シート電極全重量に対してCeNFが2重量%以上含有させていれば、プレス接合が可能となるため、内部抵抗の低減に有利であることが確認された。
1 負極ケース
2 電解質
3,5 電極
4 セパレータ
6 正極ケース
7 ガスケット

Claims (10)

  1. 炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含み、前記炭素粉末が前記繊維状セルロースと前記繊維状炭素の繊維間に担持されていることを特徴とする電極。
  2. 前記繊維状セルロースと繊維状炭素の合計重量に対する前記繊維状セルロースの割合が5重量%以上75重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の電極。
  3. 前記炭素粉末と前記繊維状セルロースと前記繊維状炭素の合計重量に対する前記繊維状セルロースの割合が2重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の電極。
  4. 前記繊維状炭素は、外径が1〜100nmであり長さが50〜1000μmであり、
    前記繊維状セルロースは外径が4〜100nmであり長さが50〜1000μmであ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の電極。
  5. 前記炭素粉末は、多孔質化されたカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電極。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極を、集電体の上に形成したことを特徴とするキャパシタ。
  7. 前記集電体は予め粗面化処理されて成り、
    前記電極はシート状に成型されて成り、
    前記電極と前記集電体とはプレス接合されていること、
    を特徴とする請求項6記載のキャパシタ。
  8. 炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを溶媒中に分散させる分散工程と、
    前記分散工程で得られた溶液の溶媒を除去し、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含む電極を得る電極形成工程と、
    を有することを特徴とする電極の製造方法。
  9. 前記電極形成工程において、前記分散工程で得られた溶液を濾過部材を用いて濾過することにより前記溶媒を除去して、炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含むシート状の電極を形成することを特徴とする請求項8記載の電極の製造方法。
  10. 前記電極形成工程において、前記分散工程で得られた溶液を集電体上に塗布し、前記溶媒を蒸発させることにより除去して、前記集電体上に炭素粉末と繊維状セルロースと繊維状炭素とを含む電極を形成することを特徴とする請求項8記載の電極の製造方法。

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