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JP2017123828A - もち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子 - Google Patents

もち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子 Download PDF

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JP2017123828A JP2016005954A JP2016005954A JP2017123828A JP 2017123828 A JP2017123828 A JP 2017123828A JP 2016005954 A JP2016005954 A JP 2016005954A JP 2016005954 A JP2016005954 A JP 2016005954A JP 2017123828 A JP2017123828 A JP 2017123828A
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壮 佐藤
Takeshi Sato
壮 佐藤
英樹 森田
Hideki Morita
英樹 森田
睦美 小川
Mutsumi Ogawa
睦美 小川
博繁 河野
Hiroshige Kono
博繁 河野
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Abstract

【課題】老化や離水を防止して、低温になっても固くならずに伸びる物性と餅らしい食感を有するもち様食品及びもち様食品を含有するパン並びに焼成菓子の提供。
【解決手段】もち米粉20〜35重量%、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉2〜10重量%、グルコマンナン粉0.2〜1.8重量%、及び、水60重量%以上を含有するもち様食品。もち米粉と、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉と、グルコマンナン粉と、水と、を含む混合物を攪拌装置で加熱攪拌するステップと、前記加熱攪拌を行った後に前記混合物を容器に充填及び密封するステップと、前記容器に密封された前記混合物を低温レトルト処理するステップと、を有するもち様食品の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、パン生地や焼成菓子生地に含有又はトッピング等して焼成することで、パンや焼成菓子にもちもち感を持たせるためのもち様食品、並びにこれを含有するパン及び焼成菓子に関する。
近年、パンや焼成菓子等において、噛んだ際にもちの様な適度な粘弾力感が得られる、いわゆる「もちもち感」が重視されている。特許文献1には、大豆蛋白、多糖類、及び無機塩の混合物をエクストルーダーで加熱溶融混錬することにより得られる食品改質剤をパン生地に混入する方法が開示されている。特許文献2には、パンの食感を向上させるため、グルコマンナンを含有する製パン改良材をパン生地に添加する方法が開示されている。
特開2014−117206号公報 特開2004−147629号公報
近年、パン生地への加水量をベーカリーパーセント(パン生地における成分含有量を、粉重量を100%としたときの重量パーセンテージで表現した数値)にして70〜100%にしたいわゆる多加水パンが提供されている。多加水パンは加水量が多いため、焼成後にパサパサとした食感になりやすい。そこで保水力を向上させるため、グルコマンナンを生地に混入させる試みもなされている。
しかし、グルコマンナンは粉の状態で生地に混入させても、その吸水は小麦粉や他の粉体と比べて遅いため、膨潤することなく、予め含水させて膨潤させておく必要がある。しかし、膨潤状態のグルコマンナンを生地へ均一に混入させることは困難である。また、仮に膨潤状態のグルコマンナンを生地へ均一に混入させることができたとしても、単に水分の多いパンとなるだけで、もちもち感に近い食感は得られない。
ところで、もち米粉とグルコマンナンとを蒸練装置で蒸練して高品質なもち様食品を製造する方法が考えられる。しかし、蒸練装置を用いる場合、もち様食品を大量生産することができず、低コスト化が困難である。
そこで本発明は、老化や離水を防止して、低温になっても固くならずに伸びる物性と餅らしい食感を有するもち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子を提供する。また本発明は、低コストで高品質なもち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子を提供する。
本発明の一側面としてのもち様食品は、もち米粉20〜35重量%、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉2〜10重量%、グルコマンナン粉0.2〜1.8重量%、及び、水60重量%以上を含有する。
本発明の他の側面としてのパンは、前記もち様食品を含む。
本発明の他の側面としの焼成菓子は、前記もち様食品を含む。
本発明の他の側面としてのもち様食品の製造方法は、もち米粉と、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉と、グルコマンナン粉と、水とを含む混合物を攪拌装置で加熱攪拌するステップと、前記加熱攪拌を行った後に前記混合物を容器に充填及び密封するステップと、前記容器に密封された前記混合物を低温レトルト処理するステップとを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、老化や離水を防止して、低温になっても固くならずに伸びる物性と餅らしい食感を有するもち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子を提供することができる。
また本発明によれば、低コストで高品質なもち様食品及びその製造方法、並びにもち様食品を含有するパン及び焼成菓子を提供することができる。
本実施形態におけるもち様食品の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態におけるグルコマンナン粉の粒度分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1を参照して、本実施形態におけるもち様食品の製造方法について説明する。図1は、もち様食品の製造方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、膨潤を行う。具体的には、グルコマンナン粉のうち所定の粒度よりも細かい第1粒度を中心とする第1粒度分布を有する第1グルコマンナン粉(例えば80メッシュよりも粗いグルコマンナン粉)、食塩、及び、水(もち様食品に含有される水の一部)を膨潤して攪拌することにより中間生成物を生成する。ただし本実施形態において、食塩を加えることは必須ではない。続いてステップS102において、混合を行う。具体的には、グルコマンナン粉のうち所定の粒度よりも粗い第2粒度を中心とする第2粒度分布を有する第2グルコマンナン粉(例えば80メッシュよりも細かいグルコマンナン粉)、もち米粉、加工澱粉(ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉)、及び、水(もち様食品に含有される水のうち、ステップS101の一部の水の残り)を、ステップS101にて生成された中間生成物と混合することにより、混合物を生成する。
続いてステップS103において、もち米粉と、加工澱粉と、グルコマンナン粉と、水とを含む混合物を攪拌装置で加熱攪拌する。このように本実施形態におけるもち様食品は、好ましくは、通常の加熱攪拌装置や煮炊き攪拌機などの大量仕込み(大量生産)が可能な攪拌装置を用いて製造される。すなわち、本実施形態のもち様食品は、もち類の専用機であって仕込み量に制限のある蒸練機を用いずに製造される。その結果、蒸練機では困難である大量仕込み及び大量生産を可能し、低コスト化を図ることができる。より好ましくは、もち様食品の製造中において、もち様食品が攪拌装置のタンク内の壁に付着して焦げの原因にならないように、製造初期にタンク内の壁をグルコマンナンの分散液で予めコーティングを行う工程を含む。
もち類を製造する際に、一般の加熱用のジャケット付き加熱攪拌装置や煮炊き攪拌装置等の攪拌装置を使用すると、加熱中にもち米粉がアルファー化して粘調性が増し、もち米粉が攪拌装置の器壁にこびりつきそのまま焦げてしまう。このため一般的に、攪拌装置は、焦げの混入を嫌うもち類の製造には適さない。一方、蒸練機と呼ばれるもち類製造の専用機は、原材料を攪拌している装置の中に直接蒸気を吹き込みながら混練りする。このため、装置の壁面の熱は原材料より低く、もち米粉が焦げ付く心配がない。
蒸練機は、直接蒸気を内容物に吹き込みながら対流伝熱を行うものであり、蒸気の凝固熱放出をもって短時間に効果的に加熱する、いわば直接的な加熱方式で生産する。また蒸練機は、直接蒸気を吹き込みながら加熱混練りするため、もち類の内容量、つまり仕込み量が多いと、加熱に時間がかかり、次第に、吹き込む蒸気からくる水分が増えていく。このため、一般的に300キロ容量(実質的に210キロ仕込み)よりも大きな装置が存在しない。また蒸練機では、加熱源が蒸気の直接注入になるため、水分過多にならないように、ロードセルと呼ばれる重量測定装置を蒸練機の足元に設置する必要がある。そして全体の重量を測定しながら、内容物の加熱状態と、増加する水分の調製を制御する必要がある。このため、蒸練機のオペレーションには相当の熟練性が要求される。
このように、もち類の大量生産化及び仕込み量の増大化には、蒸練機に代わる装置の開発が求められる。そこで本発明者らは、一般の加熱用のジャケット付き熱攪拌装置又は煮炊き攪拌装置等の攪拌装置を用いて、もち様食品の製造を可能にした。蒸練機に代えて、加熱用のジャケット付き加熱攪拌装置又は煮炊き攪拌装置等の攪拌装置を用いてもち様食品を製造する際に、加熱混練り中に発生する器壁への焦げの発生を抑制(好ましくは防止)することが重要である。コンニャクマンナン(グルコマンナン)は、このような焦げの発生を抑制する効果を有する。
焦げの発生を効果的に抑制するには、グルコマンナン粉の粒度分布の制御が重要である。コンニャク芋を裁断して、乾燥粉砕してなるグルコマンナン清粉は、通常、粒度が20メッシュ(粒子のサイズ:864μm)程度の粗さを有する。この粒度では、溶解前の膨潤に2時間前後の時間がかかり、もち様食品の製造中に焦げを効果的に抑制するという機能を期待することができない。このため、例えば40メッシュに対応する粒度よりも細かいグルコマンナン粉を用いることが好ましい。
一方、グルコマンナン清粉を機械的に微粉砕して、グルコマンナン粉の粒度を100メッシュ(粒子のサイズ:140μm)よりも細かくなるように微粉化すると、膨潤の時間は短くなる。しかし、製造中のもち米粉や加工澱粉がアルファー化し始める前、つまり品温が50℃以下の段階で急激に粘性が増加する。その結果、混練りが不均一になり好ましくない。また、水にグルコマンナンの超微粉(100メッシュよりも細かい粒度を有する粉)を溶解するのはダマを発生しやすく、組成の不均一を招く原因となる。このため本実施形態では、40〜100メッシュに対応する粒度を有するグルコマンナン粉を用いることが好ましい。
より好ましくは、もち様食品に含有されるグルコマンナン粉として、所定の粒度よりも細かい第1粒度を中心とする第1粒度分布を有する第1グルコマンナン粉と、所定の粒度よりも粗い第2粒度を中心とする第2粒度分布を有する第2グルコマンナン粉を含む。更に好ましくは、所定の粒度は、80メッシュに対応する粒度(粒子のサイズ:173μm)である。図2は、グルコマンナン粉の粒度分布を示す図である。図2において、201は第1グルコマンナン粉の第1粒度分布、202は第2グルコマンナン粉の第2粒度分布をそれぞれ示している。図2に示されるように、第1グルコマンナン粉の第1粒度分布201は、80メッシュよりも細かい第1粒度PS1を中心とする分布である。一方、第2グルコマンナン粉の第2粒度分布202は、80メッシュよりも粗い第2粒度PS2を中心とする分布である。本実施形態において、80メッシュを通過する細かいグルコマンナン粉(例えば、80〜100メッシュ程度)と、80メッシュ篩を通過しない粗いグルコマンナン粉(例えば40〜80メッシュ程度)とをそれぞれ50%ずつ含むことが有効である。
80メッシュ篩を通過するグルコマンナン粉は、仕込み直後から緩やかに膨潤し、攪拌により攪拌装置の器壁がグルコマンナン分散液でヌレてくる。このヌレが焦げ抑制作用を発揮し、もち粉や加工澱粉がアルファー化しても器壁に焦げをできにくくする。80メッシュよりも粗いグルコマンナン粉は、後述する容器に充填後のボイル殺菌段階(低温レトルト)で完全溶解し、保水性及び老化防止効果を発揮する。このように本実施形態において、80メッシュ篩を通過する細かい第1グルコマンナン粉、及び、80メッシュ篩を通過しない粗い第2グルコマンナン粉(40〜80メッシュの粒度分布を有するグルコマンナン粉)の2種類の粒度分布を有するグルコマンナン粉を使用することが好ましい。
グルコマンナン清粉は極めて固い。このため、通常のハンマーミルや石臼を用いて、グルコマンナン粉の粒度分布が細かくなるように(グルコマンナン粉の50%程度が80メッシュを通過する粒度分布が得られる程度に)粉砕することは困難であった。そこで本発明者らは、ハンマーミルに窒素ガスを注入しながら、グルコマンナン清粉を凍結して粉砕することにより、グルコマンナン粉の生成(グルコマンナン清粉の微粉化)に成功した。
ハンマーミルに100メッシュのスリットをセットし、窒素ガスを注入しながらグルコマンナン清粉を粉砕する。1回の粉砕で、80メッシュを通過するグルコマンナン粉が約10〜20%程度生成される。更に、残りの80〜90%(80メッシュを通過しなかったグルコマンナン粉を再度繰り返し粉砕すると、80メッシュを通過するグルコマンナン粉が40〜50%程度生成される。1回粉砕品及び2回粉砕品から、80メッシュを通過するグルコマンナン粉を約50%、及び、80メッシュを通過しないグルコマンナン粉が約50%生成される。これらのグルコマンナン粉を、本実施形態のもち様食品用のグルコマンナン粉として用いる。
グルコマンナン清粉の粉砕は、ハンマーミルを用いる場合に限定されるものではなく、ジェットミルを用いることも有効である。ジェットミルは、高速気流下で、グルコマンナン清粉(粒子)同士を衝突させてグルコマンナン清粉を粉砕することにより、グルコマンナン粉を生成する装置である。高速気流を発生させるコンプレッサの圧力や、グルコマンナン清粉の投入速度を制御することにより、生成されるグルコマンナン粉の粒度を調整することが可能である。
続いてステップS104において、攪拌装置に仕込んだもち米粉、加工澱粉、及び、グルコマンナン粉等を加熱混練りする過程で、澱粉のアルファー化の初期段階に到達する。そしてステップS105において、粘性が出始めた頃、すなわち、もち様食品(混合物)の温度が上昇して50〜60℃程度に到達した時点で、もち様食品をポリカップやポリ袋等の容器に充填・密封する。このように本実施形態では、もち様食品の温度が50〜60℃程度に上昇して、もち様食品に含まれる澱粉類のアルファー化が始まりかけた段階(アルファー化の初期段階)、すなわち粘性が出始めた段階で、もち様食品をポリカップ又はポリ袋等の容器に充填することが好ましい。また本実施形態では、アルファー化の初期段階において、粘性の発現がやや遅い、ワキシーコーンの加工澱粉、米粉の加工澱粉、又は、もち米粉の加工澱粉(ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉)を使用することが好ましい。
攪拌装置は、本来、もちのような高粘性の食品を製造することを想定していないため、攪拌機のシャフトの強度や攪拌効率の点で蒸練機よりも劣る。完全にアルファー化を完成したもち類は、その粘着性は強固であり、攪拌機のシャフトなどを破損して攪拌を行うことができなくなる可能性がある。このため本実施形態では、もち米粉や加工澱粉がアルファー化の程度が上がる手前で、もち様食品を容器に充填することが好ましい。
もち様食品(混合物)を充填及び密封後、ステップS106において、95℃以上に保たれているボイル槽(低温レトルト槽)に、アルファー化の途中で充填したもち様食品を浸漬して、容器内でアルファー化を完成させる(低温レトルト処理)。このステップは、もち様食品の殺菌(ボイル殺菌)も兼ねており、通常30〜60分程度の間、ボイルを続ける。その後、ステップS107において、容器に充填及び密封したもち様食品を槽から取り出して冷却する。そしてステップS108において、もち様食品が検品され、出荷される。
このように本実施形態において、もち様食品の澱粉が経日的に老化して離水するのを抑制するため、加工澱粉を用いる。加工澱粉としてのリン酸架橋澱粉は、もち米粉の老化や離水を抑制するように機能する。これは、もち米澱粉、米粉澱粉、ワキシーコーン澱粉などを化学的加工したアセチル化リン酸架橋澱粉や、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉の品名で市販されている。本実施形態では、加熱中のアルファー化の発現がやや遅い、すぐには粘性が上がりにくい、ワキシーコーン澱粉、米粉澱粉、又はもち米粉澱粉をリン酸架橋した加工澱粉(ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来のリン酸架橋澱粉)を用いることが好ましい。
また本実施形態のもち様食品は、もち米粉、グルコマンナン粉(少なくとも2種類の粒度分布を有するグルコマンナン粉)、及び、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉(リン酸架橋澱粉)の3主力成分と調味料とから構成される。好ましくは、また本実施形態のもち様食品は、もち米粉20〜35重量%、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉2〜10重量%、グルコマンナン粉0.2〜1.8重量%、及び、水60重量%以上を含有する(ただし、これらの各成分を合わせて100重量%以下となるように構成される)。また好ましくは、グルコマンナン粉は、40メッシュ〜100メッシュに対応する粒度を有する。より好ましくは、グルコマンナン粉は、少なくとも2種類の粒度分布(第1粒度分布及び第2粒度分布)を有する。
もち米粉は、もち様食品におけるもちもち感を発揮させるための主要成分である。ここで、もち米粉の含有量が20重量%未満の場合、十分なもち風味が発揮されない。一方、もち米粉の含有量が35重量%を上回ると、もち様食品の粘性が上がり、パンや洋菓子(焼成菓子)への練り込みに際して混合しにくい。このため、もち米粉の含有量は、上述のとおり20重量%以上、かつ35重量%が至適範囲である。より好ましくは、もち米粉の含有量は25〜30重量%である。
また、加工澱粉の含有量が2重量%未満の場合、老化や離水を十分に抑制(防止)することができない。一方、加工澱粉の含有量が10重量%を上回ると、もち米粉に対する相対的な含有量が大きすぎるため、もちもち感を十分に得ることができない。このため、加工澱粉の含有量は、上述のとおり2重量%以上、かつ、10重量%以下が至適範囲である。より好ましくは、加工澱粉の含有量は3〜6重量%である。
また、化学変成のエーテル化、エステル化については、エーテル化のほうが低温での粘りが強くもちもち感が大きい。このため、エーテル化のほうがエステル化よりも好ましい。
グルコマンナン粉は、その保水力によって製造中のタンク器壁の焦げ付き防止と、もち米粉によるもちもち感が損なわれることがないようにする目的と、さらにパン又は洋菓子の焼成時に溶けてなくならないようにする、焼き残り耐性を強化するために添加される。ここで、グルコマンナン粉の含有量が0.2重量%未満の場合、保水力が不十分になりもちもち感を保持することができない。一方、グルコマンナン粉の含有量が1.8重量%を上回ると、もち米粉との均一な混練が困難となる。このため、グルコマンナン粉の含有量は、上述のとおり0.2重量%以上、かつ、1.8重量%以下が至適範囲である。より好ましくは、グルコマンナン粉の含有量は0.6〜1.2重量%である。
上述のとおり、本実施形態では、グルコマンナン粉の粒度分布の制御が重要である。本実施形態において、グルコマンナン粉の粒度分布は、80メッシュ篩を通過するやや細かいグルコマンナン粉を約50%、80メッシュを通過しないやや粗いグルコマンナン粉を約50%にそれぞれ調整される。グルコマンナン粉は、粒度が細かくなるほど溶解時にダマになりやすく、グルコマンナンの粉は一旦ダマになると、そのまま最後までダマとして残るため好ましくない。また、粒度の細かい微粉砕されたグルコマンナン粉は、本来の粘調性が低下するため、微粉しすぎないことが重要である。
水(水分量)は、原則として上記各成分の残部である。ただし本実施形態は、上記各成分以外の付加的な成分(例えば、味噌、醤油、酒粕などの調味料、油脂、香料、保存料、色素等)の添加を排除するものではない。したがって、そのような付加成分が添加される場合、水の含有量は上記各成分及び付加成分の残部となる(すなわち付加成分がある場合、上記各成分の含有量は、付加成分を含めて100重量%となるように調整される)。
(もち様食品の応用)
近年、パンや洋菓子にもちもち感を付与する試みは多数なされおり、米粉・餅米粉や、加工澱粉、又は、ゼラチンやキサンタンガム、グルコマンナンなどの増粘多糖類などがパンや洋菓子の生地に添加されている。しかし、単純にこのような成分を添加すると、焼成後にもちもち感が得られにくいこと、添加量を上げると火通りが悪くなって焼成時間が長くなること、及び、パンや洋菓子がネチャつく食感になるなど、好ましくない。
また、蒸練機を用いて、もち米粉と水を練りながらもち米粉をアルファーして得られるもち類は、時間が経過するともち粉の澱粉が老化して、保水していた水分を放出する現象(離水)も生ずるため、パンや洋菓子への添加物として適用するには好ましくない。
また、もち米粉に砂糖と水を加えて作られる「求肥」をパンや洋菓子の生地に入れて焼くことも試みたが、冷えると求肥はぷつぷつ切れるような食感となり、とても粘りのある「もちもち感」とは程遠いものであった。また、求肥には砂糖が添加されているため、焼成中の火力が強いと溶けて生地にしみ込んでしまうため、パンや洋菓子にフィリングやトッピングに使用した場合に餅入りをアピールできない。
本実施形態によれば、もち米粉にグルコマンナンを混入して得られたもち様食品において、老化や離水を防止して、低温になっても固くならずに伸びる物性と餅らしい食感のもち様食品の製造方法とそれを生地に練り込むことや、フィリングやトッピングをしたパンや洋菓子を提供することができる。また、本実施形態のもち様食品は、常温や冷蔵状態でもそのもちもち感のテクスチュアが変わらない。このため、焼成後に冷えても固くならず、もち様の曳糸性を兼備しているため、容易にパンや洋菓子の生地と混合することが可能である。
(実施例)
(1)もち様食品
表1は、本実施例におけるもち様食品の組成(成分、及び成分の含有量)の一例である。
まず、煮炊き攪拌機に凍結粉砕グルコマンナン(80メッシュよりも細いグルコマンナン)と食塩とを一部の水に分散し、攪拌機の器壁が濡れるように攪拌する。続いて、この中間生成物に、もち米粉、もち米加工澱粉、凍結粉砕グルコマンナン(80メッシュより粗いグルコマンナン)を添加して混合物を生成し、加熱攪拌を開始する。
混合物の温度が50℃を超えて粘性が出てきた段階で、用意したポリ袋に充填して、密封シールする。続いて、これを95℃以上に沸騰しているボイル槽に、ポリ袋が密着しすぎないように重ねて、内容物のアルファー化を促進する。充填物の芯温が80℃以上になってから約30〜60分間保持して、殺菌を完結させる。その後、もち様食品を冷却する。
(2)食パンへの応用
本実施例のもち様食品を用いて、パン(食パン)を製造することができる。表2は、本実施例のもち様食品を含む食パンの組成(配合)の一例である。
本実施例では、ミキシングを低速から中高速を入れて、捏ね上げ温度を27度として仕上げ、27℃かつ75%湿度で90分間発酵させ、パンチ30分で分割する。ベンチタイムを約25分とり、U字型に成型して焼成容器に詰め、ホイロ(38℃、湿度85%)で45分間2次発酵し、220℃で35分感焼成する。
「内層のもちもち感」は、もち用食品を添加してない従来のパンに比べて、口に含むと粘りのある噛みごたえのもちもち感を有する。また、「内層のシトリ」についても、しっかりとしたシトリを有する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。本発明は、パン以外にも、焼成菓子等、もち様食品を含む他の食品に適用可能である。
本発明のもち様食品は、パン、焼成菓子、和菓子、アイスクリーム等の食品に含有させる(混合する、添加する、包む、サンドする、又は、トッピングする等)ことにより利用可能である。

Claims (13)

  1. もち米粉20〜35重量%、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉2〜10重量%、グルコマンナン粉0.2〜1.8重量%、及び、水60重量%以上を含有することを特徴とするもち様食品。
  2. もち米粉25〜30重量%、前記加工澱粉3〜6重量%、グルコマンナン粉0.6〜1.2重量%、及び、水60重量%以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のもち様食品。
  3. 請求項1又は2に記載のもち様食品を含むことを特徴とするパン。
  4. 請求項1又は2に記載のもち様食品を含むことを特徴とする焼成菓子。
  5. もち米粉と、ワキシーコーン、米粉、又はもち米粉由来の加工澱粉と、グルコマンナン粉と、水と、を含む混合物を攪拌装置で加熱攪拌するステップと、
    前記加熱攪拌を行った後に前記混合物を容器に充填及び密封するステップと、
    前記容器に密封された前記混合物を低温レトルト処理するステップと、を有することを特徴とするもち様食品の製造方法。
  6. 前記グルコマンナン粉は、40〜100メッシュに対応する粒度を有することを特徴とする請求項5に記載のもち様食品の製造方法。
  7. 前記グルコマンナン粉のうち所定の粒度よりも細かい第1粒度を中心とする第1粒度分布を有する第1グルコマンナン粉、及び、前記水の一部を膨潤して攪拌することにより中間生成物を生成するステップと、
    前記グルコマンナン粉のうち前記所定の粒度よりも粗い第2粒度を中心とする第2粒度分布を有する第2グルコマンナン粉、もち米粉、前記加工澱粉、及び、前記水のうち残りの水を、前記中間生成物と混合することにより、前記混合物を生成するステップと、を更に有することを特徴とする請求項5又は6に記載のもち様食品の製造方法。
  8. 前記所定の粒度は、80メッシュに対応する粒度であることを特徴とする請求項7に記載のもち様食品の製造方法。
  9. 前記低温レトルト処理は、前記容器に密封された前記混合物をボイル槽に浸漬してボイル殺菌を行う処理であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のもち様食品の製造方法。
  10. 前記加熱攪拌するステップにおいて、前記攪拌装置として、加熱用のジャケット付き加熱攪拌装置又は煮炊き攪拌装置を用いることを特徴とする請求項5に記載のもち様食品の製造方法。
  11. 前記混合物を前記容器に充填及び密封するステップにおいて、該混合物のアルファー化の初期段階で該混合物を該容器に充填することを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載のもち様食品の製造方法。
  12. ハンマーミルに窒素ガスを注入しながら、グルコマンナン清粉を凍結して粉砕することにより前記グルコマンナン粉を生成するステップを更に有することを特徴とする請求項5乃至11のいずれか1項に記載のもち様食品の製造方法。
  13. ジェットミルを用いてグルコマンナン清粉を衝突させて前記グルコマンナン粉を生成するステップを更に有することを特徴とする請求項5乃至11のいずれか1項に記載のもち様食品の製造方法。
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