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JP2017116692A - 一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法。 - Google Patents

一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法。 Download PDF

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JP2017116692A
JP2017116692A JP2015251129A JP2015251129A JP2017116692A JP 2017116692 A JP2017116692 A JP 2017116692A JP 2015251129 A JP2015251129 A JP 2015251129A JP 2015251129 A JP2015251129 A JP 2015251129A JP 2017116692 A JP2017116692 A JP 2017116692A
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智 村松
Satoshi Muramatsu
智 村松
敬博 團野
Takahiro Danno
敬博 團野
貴則 加本
Takanori Kamoto
貴則 加本
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S Printing Solution Co Ltd
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Abstract

【課題】長期使用によっても、安定的に画像を形成するのに有用な一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法を提供する。【解決手段】トナーを担持する螺旋状の溝部が設けられた金属製の現像ローラ102と、前記トナーを前記現像ローラの溝部に供給するトナー規制部材とを備え、前記螺旋状の溝部の方向軸と現像ローラの回転方向軸がなす鈍角(θ1)が、125°<θ1<160°であることを特徴とする、一成分現像装置、及びこれに用いられるトナー。【選択図】図1

Description

本発明は、一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法に関する。
画像形成装置における現像方法には、トナーを担持した現像ローラを感光体ドラムと接触させることによってトナーを感光体ドラムに付着させる接触型の現像方法と、両者に一定の間隙を設けて、トナーを現像ローラから飛翔させて感光体ドラムに付着させる非接触型の現像方法がある。
しかしながら、接触型の現像方法は、現像ローラと感光体ドラムとの摩擦により、現像ローラ及びトナーの劣化が顕著であることや、感光体膜が削れて、感光体の寿命を短縮してしまう等の問題がある。
そこで、近年では、これらの劣化に有利とされる非接触型の現像方法が広く採用されている。
非接触型の現像方法では、現像ローラと感光体ドラムとの間隙を精密に保持する必要がある。よって、現像ローラの材質は金属等の剛体が用いられることが多い。
しかしながら、長期にわたって印刷を実施した場合、現像ローラの摩耗により表面粗さが低減し、トナーに対する現像ローラの摩擦帯電能力が低下してしまうことや、トナーの力学的搬送力が低下することにより、当初の装置の性能が継続して得られない問題があった。
そこで、特許文献1には、規則的な溝からなる凹凸パターンが外周面に形成された現像ローラを備える現像装置が開示されている。また、この凹凸パターンを設けることにより、現像ローラの耐久性が向上するとされている。
しかしながら、そのような溝部を有する現像ローラは、以下の問題点を有していた。
十分な帯電量を得たトナーが、適切に画像形成に用いられる前に、現像ローラの溝部からトナー規制部材によって規制、除去されていた。
現像ローラ表面の溝部の深さを、トナーの粒径の3倍以上にすると、中間層に位置するトナーは、現像ローラの表面での接触機会が減少し、十分な帯電量を得ることができなかった。よって、従来、その溝部の深さは、トナーの粒径の2倍より小さくなるように設計されていた。しかしながら、これでは、十分な濃度で画像形成を行うために必要な量のトナーを現像ローラに担持させることができなかった。そこで、十分な量のトナーを供給するために、現像ローラを高速で回転させていた。
十分な量のトナーを供給するために、現像ローラを高速で回転することは、現像ローラとトナー規制部材との接触領域において、摩擦と過剰な熱を生じた。その結果、トナーは、変形及び溶融し、現像ローラの表面へ固着しやすくなり、画像形成不良を引き起こしていた。また、画像形成に用いられるトナーは、既に固着が発生した領域において、帯電することができず、帯電量が低下し、トナー落ち、画像濃度の低下等の画像形成不良を引き起こしていた。
また、現像ローラ表面の螺旋状の溝部に形成されるエッジ部では、さらに局所的な押圧により、摩擦と過剰な熱を生じた。その結果、トナーは、外添剤の埋没により現像ローラとの付着力が増大し、また変形及び溶融しやすくなり、現像ローラの表面に固着を生じた。
また、現像ローラの構造に起因するトナーの帯電不良は、長期使用によるトナー自体の化学的又は物理的な劣化による帯電能の低下と相俟って、カブリとトナー落ちを促進していた。
さらに、現像ローラの表面に溝部を形成することにより、縦筋むら画像が発生しやすかった。
すなわち、従来、溝部を有する現像ローラを備えた現像装置は、上記の問題点を有していたため、長期使用において、安定的に良好な画像を形成できるものではなかった。
また、現像ローラだけでなく、現像装置の他の部材の材質を変更することが提案されている。
従来、トナーの搬送量を調整するトナー規制部材であるトナー規制ブレードは、ゴム製が使用されていた。しかしながら、長期使用によって、ゴム製部材の摩耗による劣化や低分子量のオリゴマーのブリード等の化学的な変質による劣化により、カブリやカスレを生じる結果、現像装置の寿命を著しく短くしているという問題があった。
そこで、特許文献2では、トナー規制ブレードの材質を、劣化が少ない金属製に変更することにより、この問題を改善することが、提案されている。
しかしながら、現像ローラとトナー規制ブレードとが金属製(すなわち、剛体)であることにより、従来に比べて、それらの当接領域(すなわち、接触面積)が小さくなった。
その結果、上記の螺旋状の溝部のエッジ部におけるのと同様に、トナーに対して、局所的な押圧を発生した。これにより、トナーの劣化が促進された。
特許文献2では、このような現像装置の長寿命化に起因するトナーの性能低下に対応するために、有機微粒子とシリカ微粒子を用いることによる、耐久性を向上させたトナーが、提案されている。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、特許文献2に開示された現像装置自体の耐久性は向上するが、これに同文献に開示されたトナーを組み合わせても、トナーが長時間撹拌される低印字率の画像を連続印字した場合に、カブリや濃度ムラが改善されるものではなかった。
また、トナーの耐久性を向上させることが、他にも提案されている。
特許文献3では、長軸径50nm以上、300nm以下、短軸径15nm以上、200nm以下で、長軸径/短軸径の比が1.2以上、5.0以下である非球形状の大粒径無機微粒子を添加することによる、劣化に強く流動性の悪化が起こらないトナーが、提案されている。
また、特許文献4では、一次粒子同士が合着した非球形の合着粒子を外添剤として用いることによる、耐久性が高められたトナーが、提案されている。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、現像ローラとトナー規制ブレードとの押圧が局所的に大きくなる現像装置を備えた画像形成装置において、特許文献3又は特許文献4において提案されているトナーを用いても、トナーが長時間撹拌される低印字率の画像を連続印字した場合、カブリや濃度ムラを改善することはできなかった。
一方、トナーの核をなすコア粒子(着色粒子)に対する外添剤の埋没を防ぐことは、長期使用だけでなく、短期使用においても重要な課題である。
そこで、特許文献3では、外添剤として用いられる小粒径の無機微粒子の埋没を防ぐために、スペーサー効果を有する大粒径の無機微粒子を併用したトナーが開示されている。
しかしながら、このようなトナーもまた、局所的な押圧を生じる現像装置において、トナーが長時間撹拌される低印字率の画像を連続印字した結果、安定的に良好な画像形成を行うには、十分ではなかった。
また、特許文献5では、機械的な衝撃手段によって、コア粒子の表面にシリカ粒子を固定化し、さらにシリカを外添して得られる劣化の少ないトナーの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献5に開示されている、固定化に用いられるシリカの粒径の範囲は広い。また、電子顕微鏡で固定化の終点を判断する基準が不明確であり、一定の特性を有する所望のトナーが製造できるかどうかは不明であった。
すなわち、耐久性を向上させた従来のトナーは、局所的な押圧を生じる特定の現像装置において、長期使用においても、安定的に良好な画像形成を行うには、十分ではなかった。
特開2007−140080号公報 特開平6−194684号公報 特開2005−107066号公報 特開2013−190646号公報 特公平8−12478号公報
発明が解決しようとする課題は、長期使用によっても、安定的に画像を形成する一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、現像装置の長寿命化を目的として、上記課題の原因の特定及びその改善方法について、鋭意検討した。その結果、現像装置における問題点において以下の知見を得た。
画像形成不良の原因の1つは、トナーの帯電量不足による。トナーにおいて帯電量が十分でない場合、画像形成に必要な十分量のトナーを所望の現像領域へ搬送することができない。その結果、画像を形成すべき領域における画像濃度が低下すると同時に、カブリ、トナーの飛散若しくは散逸という問題を生じる。
帯電量不足の原因の1つは、溝部を有する現像ローラ表面において、十分な帯電量を得たトナーが、適切に画像形成に用いられる前に、その溝部からトナー規制部材によって規制、除去されてしまうことによる。溝部を有する現像ローラにおいては、トナーがその溝部の凹部から駆け上がった後に、規制、除去されてしまうことによる。その結果、溝部に担持されたトナー全体の帯電量は、低下する。
画像形成不良の原因の1つは、トナーの帯電量だけでなく、十分な量のトナーが現像ローラに十分に担持されないことによる。画像形成に必要十分な量のトナーが現像ローラに担持されないことは、トナーが十分な帯電量を有しても、所望の画像を形成すべき領域における画像濃度の低下を生じる。
十分な量のトナーを画像形成領域に供給するために、現像ローラの表面に溝部を設けても、溝部の凹部におけるトナーが3層以上になると、中間層に位置するトナーは、現像ローラ表面との接触による帯電機会が得られないため、帯電量不足となる結果、カブリやトナー落ちを発生させる。
画像形成不良の原因の1つは、十分な量のトナーを画像形成領域に供給するために、現像ローラを高速回転することによる。画像形成に必要十分な量のトナーを供給するために、現像ローラを高速回転することは、現像ローラとトナー規制部材との摩擦と過剰な熱を生じる。その結果、現像ローラの表面おけるトナーの固着を促進する。
現像ローラとトナー規制部材による、摩擦と過剰な熱の発生は、現像ローラとトナー規制部材との当接領域に局所的な押圧がかかる場所では、さらに大きくなる。また、金属製の現像ローラと金属製のトナー規制部材を用いる場合、いずれもが剛性であるため、接触面積が小さくなる結果、局所的な押圧が生じる。
画像形成不良の原因の1つは、現像装置内の構造に起因するトナーの帯電不良と、トナー自体の変質等の化学的な、又は変形等の物理的な劣化との相乗作用による。トナーの帯電量を減少させるように働く相乗作用は、特に、カブリとトナー落ちを顕著にする。
螺旋状の溝部を設けた現像ローラにおいて、よく観察される、縦筋むら画像が発生する原因の1つは、溝部構造のうち凹部の底面の形状による。
そして、本発明者らは、自らによる上記の知見に基づき、さらなる検討を重ねた結果、これらの問題点は、現像ローラの溝部を従来になかった構成とすることにより、改善されることを見出した。
本発明者らは、現像装置の場合と同様に、トナーの長寿命化を目的として、上記問題点の原因の特定及びその改善方法について、鋭意検討した。その結果、耐久性に優れたトナーによる画像形成不良の原因について、以下の知見を得た。
トナーによる画像形成不良の原因の1つは、特許文献3が開示するように、外添剤がトナーのコア粒子に埋没することにある。また、特許文献3は、この問題点に対応するために、スペーサー効果を有する大粒径の無機微粒子を併用したトナーを開示している。
しかしながら、このトナーを用いたとしても、上記のような局所的な押圧がかかる現像装置においては、その効果が十分ではなかった。
このような現像装置では、トナーの外周面に付着して存在する外添剤は、局所的な圧力により強制的にトナーに埋没、又はトナーから離脱し、さらには、それらを繰り返すことにより、トナーの凝集が促進され、さらに押圧力が増大し、トナーの劣化を加速度的に進行させていた。
また、螺旋状の溝部を有する現像ローラ上には、溝部で接触機会を失った弱帯電トナーが一定量存在し、これらはトナーの凝集を促進する。トナーの凝集は、カブリ等の画像形成不良を発生する。
そこで、本発明者らは、自らによる上記の知見に基づき、トナーの劣化が、その表面における外添剤の存在状態の変化によるものであることに着目して、さらなる検討を重ねた。
その結果、トナーにおける問題点は、コア粒子の表面に、一定の条件を満たすように無機微粒子の表面の一部をあらかじめ埋没させて固定化した複合コア粒子に、さらに外添剤を添加処理することにより、解決できることを見出した。
また、本発明者らは、特定の条件を満たす2種類のシリカを外添剤として含むトナーを用いることによっても、解決できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、以下の構成を有する。
(構成1)
トナーを担持する螺旋状の溝部が設けられた金属製の現像ローラと、
前記トナーを前記現像ローラの溝部に供給するトナー規制部材とを備え、
前記螺旋状の溝部の方向軸と現像ローラの回転方向軸がなす鈍角(θ1)が、125°<θ1<160°であることを特徴とする、一成分現像装置。
(構成2)
前記溝部の凹部の幅が、90μm以上、150μm以下、前記溝部の凸部の幅は、30μm以上、100μm以下である、構成1に記載の一成分現像装置。
(構成3)
前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の1.5倍以上、3倍以下である、構成1又は2に記載の一成分現像装置。
(構成4)
前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の1.5倍以上、2.5倍以下であることを特徴とする、構成3に記載の一成分現像装置。
(構成5)
前記鈍角θ1が、140°≦θ1<160°であることを特徴とする、構成1から4のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成6)
前記鈍角θ1と、前記回転方向軸線上における前記溝部の凹部の底辺と斜辺とがなす角度(θ2)とが、
125°<θ2<θ1<160°の関係を満たすことを特徴とする、構成1又は2に記載の一成分現像装置。
(構成7)
前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の2倍以上であることを特徴とする、構成6に記載の一成分現像装置。
(構成8)
二方向の前記螺旋状の溝部を備え、前記二方向の溝部の方向軸が交差してなす劣角が、40°以上、110°以下であることを特徴とする、構成1から7のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成9)
前記溝部の底面の高さのばらつきが、1μm以下であることを特徴とする、構成1から8のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成10)
前記溝部が、螺旋状の凸部及び凹部を有する型で押圧成形されていることを特徴とする、構成1から9のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成11)
前記押圧成形が、精密転造加工であることを特徴とする、構成10に記載の一成分現像装置。
(構成12)
前記現像ローラの表面の摩擦係数が、0.2以下であることを特徴とする、構成1から11のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成13)
前記現像ローラの最表層が無電解めっき層であり、前記無電解めっき層は、ニッケル及びボロンを含むことを特徴とする、構成1から12のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成14)
前記金属製の現像ローラが、炭素鋼製、快削鋼製、又はアルミニウム製であることを特徴とする、構成1から13のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成15)
前記トナー規制部材が、金属製のトナー規制ブレードであることを特徴とする、構成1から14のいずれかに記載の一成分現像装置。
(構成16)
前記金属製のトナー規制ブレードが、ステンレス製であることを特徴とする、構成15に記載の一成分現像装置。
(構成17)
前記金属製のトナー規制ブレードの厚みが、0.08mmであることを特徴とする、構成15又は16に記載の一成分現像装置。
(構成18)
構成1から17のいずれかに記載の一成分現像装置を備える、プロセスカートリッジ。
(構成19)
構成1から17のいずれかに記載の一成分現像装置を備える、画像形成装置。
(構成20)
構成15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーであって、
前記トナーは、無機微粒子及びコア粒子を含む複合コア粒子と、外添剤とを含み、
前記無機微粒子の平均粒径は7nm以上、40nm以下、かつ前記コア粒子に対する前記無機微粒子の被覆率が90%以上、120%以下であり、
前記無機微粒子の表面の一部は、前記コア粒子の表面に埋没して固定され、
前記複合コア粒子の比表面積は、前記無機微粒子と前記コア粒子の混合粉体の比表面積よりも0.200m/g以上、0.245m/g以下の範囲で小さく、
前記コア粒子に対する前記無機微粒子の付着強度が70パーセント以上、95パーセント以下であることを特徴とする、トナー。
(構成21)
構成15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーであって、
結着樹脂と着色剤と離型剤とを含む着色粒子と、
前記着色粒子の表面に付着したシリカ微粒子とを備え、
前記シリカ微粒子は、平均粒径が20nm以上、60nm以下の中粒径シリカ(A)と、平均粒径が5nm以上、15nm以下の小粒径シリカ(B)を含有し、
前記中粒径シリカ(A)の平均粒径(Da)と比表面積(Sa)が以下の式(1)の関係を満たし、
前記中粒径シリカ(A)の仕事関数が、小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さいことを特徴とする、トナー。
5000≦Da(nm)×Sa(m/g)≦10000・・・(1)
(構成22)
前記中粒径シリカ(A)の前記着色粒子に対する被覆率Pa(%)と前記小粒径シリカ(B)の前記着色粒子に対する被覆率Pb(%)とが以下の式(2)及び(3)の関係を満たすことを特徴とする構成21に記載のトナー。
120%≦Pa+Pb≦140%・・・(2)
1.5≦Pb/Pa≦3・・・(3)
(構成23)
前記被覆率の算出に用いられる真比重はガス置換法により測定され、かつ比表面積は気体吸着法により測定されることを特徴とする、構成20又は22に記載のトナー。
(構成24)
構成15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーの製造方法であって、
コア粒子に対して被覆率が90%以上、120%以下となるように平均粒径が7nm以上、40nm以下の無機微粒子を準備する工程、
前記コア粒子と前記無機微粒子を混合して、混合粉体を得る工程、
無機微粒子の表面の一部を、前記コア粒子の表面に埋没させることにより、複合コア粒子を得る表面固定化処理工程、
前記複合コア粒子に外添剤を処理する工程、を包含し、
前記表面固定化処理工程は、前記混合粉体の比表面積を基準として、比表面積が0.2m/g以上減少した時点で終了する工程である、
トナーの製造方法。
(構成25)
構成24に記載の製造方法により得られる、トナー。
本発明の一成分現像装置を用いることにより、安定的に画像を形成することができる。
本発明の一成分現像装置を備えたプロセスカートリッジを用いることにより、安定的に画像を形成することができる。
本発明の一成分現像装置を備えた画像形成装置を用いることにより、安定的に画像を形成することができる。
本発明のトナーを本発明の一成分現像装置に用いることにより、さらに、安定的に画像を形成することができる。
また、本発明のトナーの製造方法により、本発明の一成分現像装置に用いるのに有用なトナーを製造することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。 本実施形態に係る螺旋状の溝部を有する現像ローラの概略構成を示す図である。 図3aにおける、現像ローラの外周面の拡大図である。 図3bにおける、A−A´線の断面図である。 本実施形態に係る二方向の螺旋状の溝部を有する現像ローラの概略構成を示す図である。 図4aにおける、現像ローラの外周面の拡大図である。 図4bのA2−A2´線断面図である。 図4bのB2−B2´線断面図である。 本実施形態に係る現像ローラの製造方法の一例を示す概略図である。 図4aの現像ローラの表面におけるトナーの流動性を示す概略図である。 本実施形態に係る現像ローラとトナー規制部材等を示す概略図である。 現像ローラの表面の粗さの測定結果を示す図である。 表面固定化処理工程における比表面積の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しながら、例示的に説明する。当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内において、本発明を変形や改良することが可能である。また、本発明の単純な変形又は変更は、いずれも本発明の範囲に属するものである。よって、本発明の範囲を、以下に記載する実施形態に限定する趣旨のものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能若しくは構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態における、一成分現像装置(以下、単に現像装置ということがある)、プロセスカートリッジ、画像形成装置は、電子写真方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、ワードプロセッサー及びこれらを複数備える複合機等に用いられるものである。
また、本発明の現像装置は、現像ローラを備えている。また、プロセスカートリッジは、その現像装置を備えている。画像形成装置は、現像装置を直接的に、又はプロセスカートリッジとして備えることができる。
まず、画像形成装置及びこの画像形成装置を用いた画像形成方法について説明する。
1. 一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置について
画像形成装置は、帯電手段、静電潜像担持体、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段、及びクリーニング手段を備える。
また、本実施形態における、この画像形成装置を使用する画像形成方法は、少なくとも、帯電手段により外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に対して、露光手段により、静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像手段により静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、転写手段により静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、定着手段により転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有するものである。また、これらの工程以外に、例えば、クリーニング手段により静電潜像担持体表面に残存したトナー等の残存物を除去するクリーニング工程等を更に備えることができる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例として、一成分現像方式を用いた画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置において、静電潜像担持体としての電子写真感光体の周囲には、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段である帯電部と、帯電された電子写真感光体を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する露光手段である露光部と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー画像を被転写体の表面に転写する転写手段である転写部と、転写後の電子写真感光体の表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部とが、この順で配置されている。
図1に示すように、画像形成装置200(例えば、レーザビームプリンタ)は、筐体210内に設けられた、帯電部202、感光体204、現像部としての現像装置100、転写手段としての転写部(図示せず)、定着手段としての定着部(図示せず)とを備えている。また、被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部が、転写部の被転写体の進行方向側に配置されている。
画像形成装置は、上記手段の一部をプロセスカートリッジとして、着脱可能に備えることができる。プロセスカートリッジは、感光体204と一体的にカートリッジ化される現像装置100とを備えている。
また、現像装置100は、現像ローラ102と、トナーを現像ローラに供給する供給手段として、トナー規制部材104の一例であるトナー規制ブレードとを有する。なお、図1では、トナーを収容するハウジング110とトナー供給部材106の一例であるトナー供給ローラとを併せて示している。
現像装置100は、トナーを収容するハウジング110と、トナー供給部材106と、現像ローラ102と、トナー規制部材104とを有する。ハウジング110は、側方に開口部110aが形成されており、開口部110aの近傍にトナー供給部材106が配置されている。トナー供給部材106は、ハウジング110内に収容されているトナーを現像ローラ102に供給する。トナー供給部材106は、例えば、ポリウレタンフォームで円柱状に形成されており、弾性変形が可能となっている。トナー供給部材106は、その中心軸周りに回転可能となるようハウジング110に取り付けられている。なお、トナー供給部材106は、現像後に現像ローラ102に残存しているトナーを現像ローラ102から除去する機能も有している。
感光体204は、円筒状の導電性基材と、その外周面に形成された感光層とを有する。感光体204は、その中心軸周りに回転可能となるよう筐体210に取り付けられている。帯電部202は、コロナ帯電などにより感光体204の表面を一様に帯電するための装置である。帯電部202によって表面が一様に帯電された感光体204は、画像形成装置200に入力された画像情報に基づいて露光ユニット(図示せず)からレーザ照射を受けると、その画像情報に対応する静電的な潜像を担持する。
本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。
まず、帯電部202により電子写真感光体の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部により電子写真感光体(感光体204の一例)の表面に光が照射され、光の照射された部分の帯電電荷が除去されて、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像装置100により現像され、電子写真感光体の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。
例えば、電子写真感光体として有機感光体を用い、露光部としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機(画像形成装置200の一例)を考える。この場合、電子写真感光体の表面は、帯電部202により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像装置100によりトナーが付与され可視像化される。
続いて、転写部で、用紙等の被転写体がこのトナー画像に重ねられ、被転写体の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部において定着部材により熱及び圧力が加えられ、被転写体に融着されて定着される(定着工程)。
他方、転写されずに電子写真感光体の表面に残存したトナーは、クリーニング部で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで、一回のサイクルが終了する。
なお、トナー画像は、中間転写体等の転写体を介して、被転写体に転写されても良い。
以下、画像形成装置における帯電手段、静電潜像担持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
[帯電手段]
帯電手段である帯電部202としては、例えば、コロナ放電を利用した帯電器や導電性又は半導電性の帯電ローラ等を用いることができる。導電性又は半導電性の帯電ローラを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体に対して、直流電流を印加してもよく、交流電流を重畳させて印加してもよい。このような帯電部202により、電子写真感光体との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることで、電子写真感光体の表面を帯電させる。なお、導電性又は半導電性の帯電ローラは、単層構造であってもよく、多重構造であってもよい。また、帯電ローラの表面をクリーニングする機構を更に設けてもよい。
[静電潜像担持体]
静電潜像担持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。静電潜像担持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体は、円筒状の導電性の基体外周面に、有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層と、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層とが、この順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層との積層順序は、逆であってもよい。
これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを個別の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよいが、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等の他の種類の感光層を使用してもよい。
[露光手段]
露光手段である露光部としては、特に制限はなく、例えば、静電潜像担持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
[現像手段]
現像手段である現像部は、少なくとも、現像ローラ102と、トナー及びトナー規制部材104(トナー規制ブレード)を有し、必要に応じて、現像ローラ102にトナーを供給するためのトナー供給部材106(トナー供給ローラ)、撹拌部材(トナー撹拌搬送部材108)とを有する。現像ローラ102は、電子写真感光体の周面上に形成された静電潜像に対してトナーを供給するものであり、本発明では、例えば、非磁性の金属からなる円柱状又は筒状部材である。現像ローラ102は、電子写真感光体と対向して回転可能に設置され、現像バイアスを印加する現像バイアス印加部が設けられている。
また、現像ローラ102と電子写真感光体とが対向する位置を基準として現像ローラ102の上流側には、トナー規制部材104が設けられている。トナー規制部材104は、現像ローラ102の周面上に担持したトナーの層厚をならす部材であり、例えば、金属製のブレードにより構成することができる。
トナーが非磁性一成分トナーである場合には、トナー撹拌搬送部材108等により搬送されたトナーは、直接的に、又はトナー供給部材106によって現像ローラ102の表面(トナー担持面102a)に供給される。現像ローラ102と電子写真感光体との間には、所定の現像バイアスが印加され、トナー担持面102aのトナーは、静電潜像に応じて電子写真感光体上に飛翔し、トナー像(可視像)となる。
なお、本発明の特徴の1つである現像装置の詳細については後述する。
[転写手段]
転写手段である転写部としては、例えば、被転写体の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体に転写するもの、又は被転写体の表面に被転写体を介して直接接触して転写する導電性又は半導電性のローラ等を用いた転写ローラ及び転写ローラ押圧装置を用いることができる。
転写ローラには、静電潜像担持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ローラは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ローラとして単層の発泡ローラ等が好適に用いることができる。
転写方式としては、紙等の被転写体に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いることができる。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
[定着手段]
定着手段(画像定着装置)である定着部としては、被転写体に転写されたトナー像を加熱、加圧又は加熱加圧により定着するものであり、ローラ状やベルト状の定着部材を備えることができる。
[クリーニング手段]
クリーニング手段であるクリーニング部については、静電潜像担持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ローラクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定することができる。これらの中でも弾性を有するクリーニングブレードを用いることが好ましい。
本実施形態の画像形成装置200では、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、等)に画像を形成することが可能である。画像情報は、画像形成装置に接続された画像読み取り装置、又は画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から入力される。
続いて、本発明の特徴である現像装置100について、より詳細に説明する。
[現像装置の説明]
図2は、本実施形態に係る現像装置100の概略構成を示す断面図である。現像装置100は、本発明の画像形成装置に、直接的に、又はプロセスカートリッジとして着脱可能に備えることができる。なお、図2に示される現像装置は、図1に示した現像装置の一形態である。よって、図1と同じ符号で示す構成は、上記と同様の機能を有する。
例えば、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応する複数の現像装置100を備えた画像形成装置200は、現像装置100による現像により、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色を用いてカラー画像を形成する。画像形成装置は、トナー像を形成する現像ローラ102を備えた現像装置100のほかに、用紙を搬送する記録媒体搬送ユニットと、トナー像を用紙に二次転写する転写ユニットと、周面に画像が形成される静電潜像担持体である感光体ドラム204aと、トナー像を用紙に付着させる定着ユニットとを備えている。
本発明の画像形成装置に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置の制御部は、受信した画像信号に基づいて、帯電ローラにより感光体ドラム204aの表面を所定の電位に均一に帯電させる。その後、露光ユニットにより感光体ドラム204aの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。一方、各現像装置100では、現像室150内にあるトナーTをトナー供給ローラ106aにより現像ローラ102に担持させる。
そして、現像ローラ102の回転によりトナーが感光体ドラム204aと対向する領域まで搬送されると、現像ローラ102に担持されたトナーが感光体ドラム204aの周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。このような現像をマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対して行う。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム204aと転写ベルトとが対向する領域で、感光体ドラム204aから転写ベルトへ一次転写される。そして、トナー像は、記録媒体搬送ユニットによって搬送された用紙に二次転写される。その後、トナー像が二次転写された用紙は、定着ユニットへ搬送されて定着され、画像形成装置200の外部へ排出される。
ここで、現像装置100は、前述した現像ローラ102のほかに、トナー供給ローラ106a、トナー収容室130、弾性当接体105を有するトナー規制ブレード104a、現像室150、トナー貯留部160、区画壁140、搬送部材135、及び撹拌部材165とを備えている。なお、画像形成装置には、現像装置100が、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して設けられるが、トナーの種類が異なることを除いて基本的な構成は同じであるため、以下、個別の説明は省略する。モノクロレーザープリンタにおけるように、トナーがブラックのみである場合には、現像装置は1つで足りる。
トナー収容室130は、トナーTを収容する室である。現像室150は、現像ローラ102によって現像を行う室であり、トナー収容室130の上方に隣接して配置されている。トナー収容室130と現像室150との間には区画壁140が設けられている。区画壁140にはその一部に開口部110aが設けられており、この開口部110aを介してトナー収容室130と現像室150とが繋がるようになっている。トナー収容室130、現像室150、及び区画壁140は、一体に形成されている。
トナー収容室130には、トナーTを現像室150に搬送する搬送部材135が設けられている。搬送部材135は、回転可能な搬送部材であり、回転動作を行うことにより、区画壁140の開口部110aを通じて、トナー収容室130内に収容されているトナーTの所定量を、現像室150内に搬送する。
トナー供給ローラ106aは、トナー収容室130から搬送部材135によって供給されたトナーTと、トナー規制ブレード104aによって現像ローラ102から掻き落とされたトナーTとが撹拌部材165で撹拌混合されたトナーTを、現像ローラ102に供給するための供給部材である。トナー供給ローラ106aは、現像ローラ102の周面上に当接するように現像ローラ102に対向して現像室150内に配置されている。トナー供給ローラ106aは、例えば、ポリウレタンフォーム等の弾性部材からなり、弾性変形可能なように形成されており、弾性変形された状態で現像ローラ102に当接するようになっている。
図2では、現像ローラ102とトナー供給ローラ106aは、いずれも反時計回りに回転するため、当接領域において、異なる2つのローラが逆方向に移動するように構成されている。なお、前述の図1でも、この当接領域において、これらの異なる2つのローラが、逆方向に移動するように構成されている。
このような構成とすることにより、供給ローラは、現像ローラにトナーを供給するだけではなく、現像に一度使われたトナー層に残存したトナーを掻き取り、回収することができる。つまり、新たな画像形成に際しては、現像ローラに、新たなトナーを供給することにより、現像に使用されるトナーの帯電量を常に安定させることができる。
このような構成のトナー供給ローラ106aの表面には、撹拌混合されたトナーTが付着されており、トナー供給ローラ106aの表面が現像ローラ102の表面に当接することにより、トナーTが現像ローラ102に供給、担持される。
現像ローラ102は、トナー供給ローラ106aから供給されたトナーTをその表面102aに担持して感光体ドラム204aと対向する領域までトナーTを搬送し、感光体ドラム204aの周面上に形成された静電潜像にそのトナーTを移動させて、静電潜像を現像させるための部材である。また、現像ローラ102は、トナー供給ローラ106aの周面上に当接し、トナー供給ローラ106a及び感光体ドラム204aに対向するように現像室150内に配置されている。
[現像ローラの構成]
本実施形態において、本発明の現像装置は、現像ローラ102を備えている。また、本発明の現像ローラの表面には、現像ローラの周方向に沿って規則的な螺旋状の溝部が設けられ、画像形成に十分な量のトナーを担持可能な構成としている。
螺旋状の溝部は、その方向軸が、現像ローラの回転方向軸に対して特定の角度を有する。現像ローラの回転方向軸とは、現像ローラが回転する方向に沿った軸であり、現像ローラの回転中心軸に対して直角に交わる軸である。
また、螺旋状の溝部は、溝部が周方向に沿って延長されることにより、凹部と凸部を形成する。すなわち、凹部は、現像ローラの回転中心軸に向かって窪んだ領域であり、凸部は、それ以外の領域である。本発明に用いる現像ローラでは、この凹部が特定の傾斜を有している。
現像ローラは、トナー担持面として、螺旋状に連続して、凹部と凸部が規則的に配置された溝部を有する。螺旋状の溝部が一方向の場合、溝部どうしが交差しないように配置されている。一方、螺旋状の溝部が二方向の場合、互いに交差する。
なお、螺旋状の溝部が一方向である場合には、1本の螺旋状の溝部が一方向に規則的に渦を巻いて延長されて配置される場合、同じ方向の溝部が平行に複数存在する場合、を含む。
また、螺旋状の溝部が二方向である場合には、異なる方向の1本の螺旋状の溝部が互いに規則的に交差する場合、同じ方向の溝部が平行に複数存在する一方向の溝部のセットと、これとは異なる方向の溝部が平行に複数存在する一方向の溝部のセットとが互いに規則的に交差する場合、及び一方向の1本の螺旋状の溝部と、異なる方向の溝が平行に複数存在する一方向の溝部のセットとが交差する場合、を含む。
本発明に用いる現像ローラについて、図を用いて、以下に詳細に説明する。
図3aは、本発明に係る、一方向の螺旋状の溝部を有する現像ローラ102の例を示している。図3aを参照すると、螺旋状の溝部の方向軸と、現像ローラの回転方向軸とがなす角度(θ1)は、125°<θ1<160°を満たし、図3aでは150°である。
また、図3bは、図3aの現像ローラの外周面の拡大図である。さらに図3cは、図3bにおけるA−A´線の断面図である。
図3b及び3cを参照すると、本発明に用いられる現像ローラの溝部は、凹部502と凸部504で構成されている。凹部は、台形を逆さまにした窪みである。また、本発明における、凹部の底辺510は、現像ローラの回転方向軸線上における、もとの台形の上底に相当する辺である。一方、凹部の斜辺512は、現像ローラの回転方向軸線上における、もとの台形の2本の脚に相当する辺である。よって、現像ローラの回転方向軸線上において、螺旋状の溝部の凹部の底辺と凹部の斜辺とがなす角度(θ2)は、2つあり、図3c中の角度θ21及びθ22(図3cでは、いずれも135°)である。
よって、図3aと図3cに示す現像ローラにおける、θ1とθ2とは、125°<θ2(135°)<θ1(150°)<160°を満たす関係にある。
また、溝部の溝深さ520は、もとの台形の高さに相当する長さである。
本発明において、凹部の幅522は、図3bに示す通り、螺旋状の溝部方向における、もとの台形の下底の長さである。一方、凸部の幅524は、もとの台形どうしの間隔の長さである。
また、本発明において、凹部の底面とは、凹部の底辺の集合により形成される面のことをいう。特に、底面の高さのばらつきというときは、表面粗さ計により測定される底面の高さのばらつきをいう。この底面の粗さのばらつきは、表面粗さ計のプローブを現像ローラの回転中心軸から垂直上方の頂点部に当て、そのプローブを回転中心軸と平行に移動させることにより、測定される。
図4aは、本発明に係る、二方向の螺旋状の溝部(A、B)有する現像ローラ102の一例を示している。図4aを参照すると、螺旋状の溝部Aの方向軸(A1−A1´)と現像ローラの回転方向軸とがなす鈍角(θ1)は、125°<θ1A<160°を満たし、図4aでは135°である。また、螺旋状の溝部Bは、現像ローラの一端を基準として、溝部Aに対して逆回転方向に延びる螺旋状であり、溝部Aと交差している。また、螺旋状の溝部Bの方向軸(B1−B1´)と現像ローラの回転方向軸とがなす鈍角(θ1)は、125°<θ1B<160°を満たし、図4aでは135°である。よって、二方向の螺旋状の溝部A及びBの方向軸が交差してなす劣角は、90°である。
図4bは、図4aの現像ローラの外周面の拡大図である。また、図4c及び図4dは、それぞれ図4bにおける、A2−A2´及びB2−B2´線方向の断面図である。
図4bから図4dを参照すると、図3cの場合と同様にして規定される凹部の底辺は、図4c及び図4dのそれぞれにおいて、螺旋状の溝部A方向の凹部の底辺510a、及び螺旋状の溝部B方向の凹部の底辺510bで示されている。
また、図3cと同様にして規定される凹部の斜辺は、図4c及び図4dのそれぞれにおいて、螺旋状の溝部の凹部の斜辺512a及び512bで示されている。
よって、図3cの場合と同様にして規定されるθ2に相当する角度は、図4c及び図4dにおいて、θ2A´、θ2A、θ2B´、θ2Bの4つであり、ここでは全て130°である。すなわち、この現像ローラにおける、θ1とθ2は、125°<θ2(130°)<θ1(135°)<160°を満たす。
また、図3cの場合と同様にして規定される溝部の深さは、図4c及び図4dのそれぞれにおいて、螺旋状の溝部の溝深さ520a及び520bで示されている。
また、図3bと同様にして規定される凹部502の幅は、図4bにおいて、螺旋状の溝部A方向の凹部の幅522a、及び螺旋状の溝部B方向の凹部の幅522bで示されている。
さらに、図3bと同様にして規定される凸部504の幅は、図4bおいて、螺旋状の溝部A方向の凸部の幅524a、及び螺旋状の溝部B方向の凸部の幅524bで示されている。
また、図4bの例では、二方向の螺旋状の溝部が交差してなす劣角は、90°である。
二方向の螺旋状の溝部が、125°<θ2<θ1<160°を満たし、交差してなす劣角が40°以上、110°以下である場合、溝部の凸部504は、格子形状の1つである平行四辺形をなし、2組の対角のうち、現像ローラの回転方向の頂角が40°以上、110°以下である。
本発明に用いる現像ローラは、例えば、円柱状や円筒状の炭素鋼、快削鋼、銅、アルミニウム、ステンレス、若しくはそれらの合金等の金属製のローラ基材を用いて製造することができる。
具体的には、ローラ基材の外周面(以下、「円筒面」と称す)をセンターレス研磨機により研磨した後、転造法等の押圧成形やエッチング法等の公知の方法により、凹部と凸部が規則的に配向する螺旋状の溝部をトナー担持面に設ける。また、転造やエッチング加工によって生じた微小な凹凸に対して、必要に応じて、さらに研磨やめっき等の加工を施すことができる。
また、必要に応じて、螺旋状の溝部加工の前後でサンドブラスト処理等の公知の方法によって凹凸処理を施し、円筒面に均一で微細な凹凸を形成することができる。
ローラ基材は、炭素鋼製、快削鋼製、又はアルミニウム製であることが好ましく、炭素鋼であることがより好ましい。転造加工における加工性に優れているためである。
現像ローラの耐久性を向上させたい場合には、硬度が高い基材を用いることもできる。
しかしながら、ローラ基材の硬度よりも、現像ローラの表面に施されためっき層の硬度の方が大幅に高い。また、硬度が高いステンレス等は、その硬度の高さのために、現像ローラの製造に用いる加工機や金型の耐久性を低下させる点で劣る。
よって、現像ローラの耐久性を向上させたい場合には、転造加工の加工性に優れたローラ基材を用いて加工した後に、めっきを施すことが好ましい。
好ましい実施形態において、本発明に用いられる現像ローラは、精密転造加工方法等の押圧成形により製造することができる。本発明の現像ローラの表面が有する溝部の角度、幅、深さを精密に制御するためには、押圧成形が適している。ローラ基材が金属製であり、一定以上の硬度を有しているため、押圧成形による加工が可能となる。
300mm程度の長さの現像ローラを転造加工する場合、精密転造加工方法の中でも、歩き転造加工を用いることが好ましい。歩き転造加工は、加工中に発生する「歩き」と呼ばれる現象を利用して、現像ローラを軸方向に移動させながら転造加工する方法である。「歩き」を発生させるため、ダイス(表面溝形成用金型)を取り付ける主軸は傾斜しており、この傾斜角度を調整することにより、加工速度を上げ、生産効率を上げることができる。
また、ダイスの傾きがなく、「歩き」を利用しない転造加工の場合、ダイスの全長よりも短いねじ長の現像ローラしか加工することができない。これに対して、上記歩きを利用した転造加工では、ダイス幅よりも長い長尺のねじや頭のないねじを連続的に加工することが可能となる利点がある。
以下に、本発明において、好ましい現像ローラの製造方法の一例として、歩きを利用した精密転造法を説明する。
図5は、二方向の螺旋状の溝部を有する現像ローラの製造方法の概要を示す図である。
現像ローラのトナー担持面は、円筒形状を呈するローラ基材803の外周面に、互いに交わる2種類の溝を形成することによって設けられる。より具体的には、互いに同一方向に回転する1対のダイス801とダイス802をローラ基材803の表面に押し当てながら、所定方向に送る通し転造法によって、螺旋状に連続する第1の螺旋状の溝部Aと第2の螺旋状の溝部Bを形成する。
ダイス801の回転軸とローラ基材803の中心軸とは平行ではなく僅かに(例えば1度)傾けられる。また、ダイス802の回転軸とローラ基材803の中心軸との間も、上記とは反対方向かつ同じ大きさ(例えば−1度)に傾けられる。このように調整することにより、ローラ基材803には、ダイス801とダイス802の回転に起因するスラスト力が作用することとなり、ダイス801とダイス802を回転させることにより、ローラ基材803が軸方向に沿って送られる。図5に示す例では、ダイス801とダイス802の回転によってローラ基材803は回転しながら図の右方向に送られる。
ダイス801とダイス802のそれぞれは、円筒の外周面に螺旋状の突起を有する形状となっている。
ダイス801は、現像ローラの回転方向軸に対してダイス801の螺旋状の突起の方向軸がなす角がα1、ダイス801の凹部の底辺と斜辺がなす2つの角度がそれぞれα2、α2´、螺旋状の突起の断面の台形の高さがδ1、下底の幅がω1、螺旋状の突起のピッチがPαである(符号の一部は図示せず)。この場合、ダイス801をローラ基材803に押し当てることにより、ローラ基材803の表面が塑性変形して、ローラ基材には、螺旋状の溝部A(810)が形成される。また、螺旋状の溝部は、上記α1等の角度及びδ1等の長さ、並びにダイス801の回転軸の傾きの大きさに依存して形成され、溝部の方向軸と現像ローラの回転方向軸がなす鈍角がθ1α、前記回転方向軸線上における溝部の凹部の底辺と斜辺がなす角度が、それぞれθ2α、θ2α´、溝部の深さがD1、螺旋状の溝部方向における凹部の幅がW1、凸部の幅がPAとなる(符号は図示せず)。
ダイス802は、現像ローラの回転方向軸に対してダイス802の螺旋状の突起の方向軸がなす角がβ1、ダイス802の凹部の底辺と斜辺がなす2つの角度がそれぞれβ2、β2´、螺旋状の突起の断面の台形の高さがδ2、下底の幅がω2、螺旋状の突起のピッチがPβである(符号の一部は図示せず)。この場合、ダイス802をローラ基材803に押し当てることにより、ローラ基材803の表面が塑性変形して、ローラ基材には、螺旋状の溝部B(820)が形成される。また、螺旋状の溝部は、上記β1等の角度及びδ2等の長さ、並びにダイス802の回転軸の傾きの大きさに依存して形成され、溝部の方向軸と現像ローラの回転方向軸がなす鈍角がθ1β、前記回転方向軸線上における溝部の凹部の底辺と斜辺がなす角度が、それぞれθ2β、θ2β´、溝部の深さがD2、螺旋状の溝部方向における凹部の幅がW2、凸部の幅がPBとなる(符号は図示せず)。
ここで、第1の螺旋状の溝部Aを形成するためのダイス801と、第2の螺旋状の溝部Bを形成するためのダイス802との間で、その突起のピッチをわずかに異ならせたり(Pα≠Pβ)、ダイスのピッチ比を非整数比としたり、更には螺旋角をわずかに異なる値に設定することで(θ1≠θ2)、凸部の配列状態を変化させることができる。
また、現像ローラに形成される4つのθ2を異なる角度で形成するには、上記の2つのダイスの突起における角度α2及びα2´、並びにβ2及びβ2´をそれぞれ異なる角度に適宜設計すればよい。
なお、ローラ基材に対して、2つのダイスの螺旋状の突起が重複して押し当てられる領域では、現像ローラに形成される螺旋状の溝部における、溝深さ、凹部の溝幅は、それらの長さがより長い螺旋状の溝部を形成するように設計されたダイスの形状に支配される。
上記のように、ローラ基材803の外周面には、2種類の螺旋状の溝部が刻まれることにより、凸部830が同時に形成され、トナー担持面102aとして機能する。
なお、螺旋状の溝部が一方向の現像ローラは、上記2つのダイスの溝を同じ方向にして、同じ溝が重なるようにダイスを設定することにより、製造することができる。
本発明の現像装置が備える現像ローラでは、現像ローラの回転方向軸と、現像ローラが有する螺旋状の溝部の方向軸がなす鈍角θ1が特定の範囲にある。そのようなθ1は、好ましくは、125°<θ1<160°であり、より好ましくは、140°≦θ1<160°である。
螺旋状の溝部を有する従来の現像装置では、十分な帯電量を有するトナーが規制ブレードにより、溝部から除去されていた。
また、金属製の現像ローラと金属製のトナー規制ブレードを組み合わせた従来の現像装置では、それらの金属製部材どうしの当接領域において、局所的な押圧を生じるため、外添剤埋没とトナーの変形、いわゆるトナーの劣化を促進していた。トナーが劣化すると、現像ローラに対する付着力が増大するため、トナーの固着を生じ易くしていた。さらに、この組み合わせにおいて、現像ローラの表面が溝部を設けると、溝部内において、トナーの固着がさらに顕著になっていた。
これに対して、本発明に用いる現像ローラは、125°<θ1<160°を満たす。
溝部の方向軸の角度を、回転軸方向に対して、125°より大きい角度とすることにより、溝部内で現像ローラの回転方向に沿ってトナーの流動性を改善し易くなる。一方、その角度を160°より小さくすることにより、その流れの中に乱流を発生させ、その溝部におけるトナーの撹拌性を改善し易くなる。よって、溝部に担持されたトナーは、現像ローラの表面との接触による帯電機会を増やし易くなる。
また、溝部において、トナーの流動性を改善すれば、トナーの固着を抑制することができる。さらに、トナーの撹拌性を改善すれば、当接領域によって付与された熱を放熱し、溝部において、トナーが過剰に熱を保持することを抑制することができる。その結果、トナーの溶融による固着を低減することができる。
好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラの螺旋状の溝部における凹部の幅は、90μm以上、150μm以下である。より好ましい実施態様において、凹部の幅は、100μm以上、140μm以下である。
供給ローラに必要な機能には、上記の現像ローラへのトナーの供給の他に、現像に一度使われたトナー層を全て掻き取り、回収する機能がある。この回収が不完全であると、現像ローラに残存したトナーは、帯電量が徐々に増加する結果、現像ローラへの拘束力が増加する。現像ローラに拘束されたトナーは、規制ニップと供給ニップでのストレスを受け続ける結果、トナーが溶融して現像ローラ上へ固着する、いわゆるフィルミングを発生させる。特に供給ローラの表面部材が溝内のコーナー部分において完全に追従し難い。つまり、コーナー部分において回収しきれないトナーが残りやすく、フィルミングが発生しやすい。フィルミング発生部分は、新たなトナーが付着しやすくなるので、フィルミングが次第に増大して、やがては溝の全域に及ぶ場合もある。
本発明では、θ1と凹部の幅を上記の特定の範囲で設計することにより、供給ローラが追従しやすくなり、供給ローラの回収機能を向上させることができる。具体的には、画像形成を行うために現像ローラに形成されたトナー層は、画像形成に使用された後に、高い回収率で掻き落とされる。また、現像ローラがこの特定の範囲で設計されることにより、特に、回収しにくい溝部のコーナーに担持されたトナーが、供給ローラにより、掻き落とされ易くなる。また、これと同時に、新たな画像形成を行うために、現像室の撹拌部材により撹拌されて、適切な帯電量に調整されたトナーが、供給ローラにより、現像ローラに供給され、新たなトナー層を形成する。なお、掻き落とされたトナーは、現像室等において撹拌されることにより、適切な帯電量に調整された後、再度、新たなトナー層として用いられる。よって、供給ローラの回収機能を向上させることにより、現像ローラ上で、トナーが過剰に帯電し、拘束されて固着し、フィルミングが発生することを低減することができる。
よって、好ましい実施形態では、θ1を特定の範囲で設計することにより、トナーの流動性を向上させて、トナーの帯電量が低下することを防いでいる。さらに、凹部の幅を特定の範囲で設計することにより、一度使用されたトナー層のトナーのほとんど全てを回収して、新しいトナー層に置換し、トナーの帯電量が過剰に上昇することを防いでいる。これらの2つの構成によって、現像ローラ上のトナーの流動性と帯電量を適切な範囲に維持することにより、トナーが現像ローラに固着することを、さらに低減している。よって、本発明の現像装置を用いることにより、現像ローラの性能を維持する観点において、トナーの固着を低減し、安定的に画像を形成することができる。
また、トナーを撹拌しながら、その帯電量を低下させず、かつ過剰に上昇させないことは、トナーの帯電量を、均一かつ適切な範囲に良好に維持する。よって、本発明の現像装置を用いることにより、トナーの帯電量の観点において、安定的に画像を形成することができる。
したがって、本発明の現像装置において、θ1と凹部の幅が特定の範囲であると、供給ローラの回収性が向上するという大きな利点があり、上記のフィルミングの問題点を解決することができる。さらに、残存トナーの帯電量上昇も防止でき、トナーの帯電量も均一かつ適正に管理することができる。
また、好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラの螺旋状の溝部における凸部の幅は、30μm以上、100μm以下である。より好ましい実施態様において、凸部の幅は、70μm以上、100μm以下である。このような範囲で設計することにより、螺旋溝を形成した現像ローラにおいて特に観察される、ピッチムラ画像の発生を低減することができる。また、凸部の幅が30μm以上であると、転造成形による製造条件を制御しやすい利点もある。
より好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラの螺旋状の溝部における、凹部の幅は90μm以上、150μm以下、かつ凸部の幅が30μm以上、100μm以下である。
さらにより好ましい実施態様において、本発明に用いる現像ローラの螺旋状の溝部における、凹部の幅は100μm以上、140μm以下、かつ凸部の幅が70μm以上、100μm以下である。
本発明に用いる現像ローラでは、溝部内でトナーの流動性を改善するように構成しているため、一部のトナーが中間層として滞留し、弱帯電量のトナーとして存在すること、及び現像ローラに担持されるトナー全体の帯電量が低下することを防ぐことができる。よって、さらに十分な画像濃度を得るために、十分な量のトナーを担持させることを目的として、溝部を深くすることができる。
溝部を深くすることにより、従来に比べて、現像ローラの回転速度を遅くすることが可能となる。その結果、当接領域での摩擦熱の発生も低減され、トナーの溶融から始まる固着の発生をさらに抑えることができる。
別の好ましい実施形態において、本発明に用いられる現像ローラの螺旋状の溝部の深さは、使用するトナーの性能も考慮するが、体積平均粒径に対して1.5倍以上、3倍以下である。このように設計することにより、溝部におけるトナーの流動性をさらに良好に維持し、トナーに十分な帯電量を付与することができる。また、現像ローラを高速で回転しなくとも、画像形成に十分な量のトナーを供給することができる。
なお、高解像度の画像を形成するための手段として、トナーの粒径を小さくすることが挙げられる。これには、取り扱い性等も考慮して、体積平均粒径が4μm以上、7μm以下のトナーが好ましく用いられる。
よって、本発明に用いる現像ローラでは、体積平均粒径が4μmのトナーを用いる場合には、現像ローラの螺旋状の溝部の溝深さが、その粒径の1.5倍以上、3倍以下である、6μm以上、12μm以下とすることが好ましい。
また、体積平均粒径が7μmのトナーを用いる場合には、現像ローラの螺旋状の溝部の溝深さが、その粒径の1.5倍以上、3倍以下である、10.5μm以上、21μm以下とすることが好ましい。
よって、体積平均粒径が4μm以上、7μm以下のトナーを使用する場合には、本発明の現像ローラの溝深さは、6μm以上、21μm以下の範囲内で設計することが好ましい。
また、別の好ましい実施形態において、本発明に用いられる現像ローラの螺旋状の溝部の深さは、使用するトナーの性能も考慮するが、トナーの体積平均粒径に対して1.5倍以上、2.5倍以下とすることができる。よって、体積平均粒径が4μm以上、7μm以下のトナーを使用する場合には、本発明の現像ローラの溝深さを、6μm以上、17.5μm以下の範囲内で設計する。
さらに好ましい実施形態において、本発明の現像装置に用いる現像ローラの螺旋状の溝部における、凹部の幅が90μm以上、150μm以下、凸部の幅が30μm以上、100μm以下、溝部の深さが使用するトナーの体積平均粒径の1.5倍以上、2.5倍以下であり、かつθ1が140°≦θ1<160°を満たす。この構成により、本発明の効果がさらに増強される。
好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラに設けられた溝部では、θ1を125°<θ1<160°とし、現像ローラの回転方向軸線上において、現像ローラが有する螺旋状の溝部の凹部の底辺と斜辺とがなす角度θ2を、125°<θ2<160°に設計することができる。
凹部の傾きを表すθ2を125°より大きくすることにより、上記トナーの流動をさらにスムーズにすることができる。また、θ2を160°より小さくすることにより、十分に帯電したトナーが、現像ローラの回転軸方向の動きによっても、凸部まで駆け上がって、トナー規制ブレードにより除去されることを低減することができる。
特に、現像ローラの回転方向とは反対側(すなわち、トナーの流動方向側)に位置するθ2が、それらの角度であることが好ましい。そのようなθ2は、図3cに示されるθ21、図4cに示されるθ2A、図4dに示されるθ2Bである。
さらに、θ2<θ1に設計することにより、さらにトナーの流動性を良好にし、特に、弱帯電量のトナーの割合を減らすことができる。
このような構成により、θ1及びθ2は、125°<θ2<θ1<160°を満たし、本発明の効果がさらに増強される。すなわち、本発明に用いる現像ローラは、長期使用においても、十分な帯電量を有する、画像形成に十分な量のトナーを担持することができる。
また、θ1が上記のより好ましい範囲(すなわち、140°≦θ1<160°)である場合、θ1とθ2は、125°<θ2<140°≦θ1<160°を満たす。
別の好ましい実施形態において、θ1とθ2が、125°<θ2<θ1<160°を満たすとき、本発明に用いられる現像ローラの螺旋状の溝部の深さは、使用するトナーの体積平均粒径に対して2倍以上とすることができる。トナーの流動性が、より高められているためである。この場合、体積平均粒径が4μmのトナーを使用する場合には、本発明の現像ローラの溝深さを、8μm以上で設計することができる。
別の好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラは、二方向の螺旋状の溝部を有し、それらの溝部の方向軸が交差してなす劣角が、40°以上、110°以下である。
螺旋状の溝部を特定の角度で交差させることにより、螺旋状の溝の容積を増やし、トナーの担持量を増やすことができる。また、螺旋状の溝部におけるトナーの流動性がさらに向上する。図6に示す通り、この構成では、トナーが螺旋状の溝部の凹部が交わる領域から矢印で示される2方向に流動し得、その後、間もなく合流することも可能になる。
一方では、凹凸形状がより複雑となるために、供給ローラが完全に追従し難くなり、回収性は一方向のらせん溝に比べて低下することがある。
また、トナーが凸部へ駆け上がる力を、複数の方向に流動させることにより吸収して、低下させている。その結果、十分に帯電したトナーの除去も起こり難い構成である。
別の好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラは、凹部の底面の高さのばらつきを1μm以下になるように成形されている。
この底面の高さのばらつきを抑えることにより、現像ローラに担持されるトナー層の微小ムラを抑えることができる。その結果、画像形成不良の中でも特に縦筋ムラの発生を顕著に抑制することができる。
本発明に用いる現像ローラは、螺旋状の溝部が、螺旋状の凸部及び凹部を有する型で押圧成形されていることが好ましい。
現像ローラの螺旋状の溝部が、上記のダイスのような螺旋状の凹部と凸部を有する型で押圧成形することにより、溝部の角度、幅、深さを所望の寸法範囲で均一に成形することができる。
押圧成形は、精密転造加工であることが、より好ましい。精密転造加工を用いることにより、本発明の現像ローラの表面が有する溝部の角度、幅、深さを、より精密に加工しやすくなるためである。溝部の寸法を狭い範囲で管理したい場合は有効な加工法である。例えば、底面の高さのばらつきを1μm以下に成形することができる。
別の好ましい実施形態において、本発明に用いる現像ローラの表面は、摩擦係数が、0.2以下となるように加工されている。摩擦係数を低下させることにより、上記当接領域の摩擦による、トナーの固着を低減することができる。また、溝部の凹部における、トナーの流動性を増すことができる。流動性を増すことは、溝部において、トナーが押圧され、さらに電気的にも拘束されて滞留した状態で、溶融により固着することを防ぐことでもある。これにより、トナー搬送量が安定し、画像濃度を維持することができる。
現像ローラ表面の摩擦係数を0.2以下に成形する方法としては、上記にも例示したように、金属製の現像ローラ基材を転造した後に、金属めっきを施す方法がある。
金属めっきは、当業者に公知の電解めっき又は無電解めっきのいずれの方法も用いられるが、無電解めっきを採用することが好ましい。無電解めっきは、電解めっきに比べて、めっき膜厚を均一に仕上げることができるためである。一方、電解めっきを採用した場合には、膜厚のばらつきが2倍以上になる。
例えば、当業者に公知の無電解ニッケルリンめっきを採用する場合、90℃程度に加熱しためっき液層に現像ローラを10分程度、浸漬することにより、膜厚が4μmのめっき層を現像ローラの表層にコーティングすることができる。
また、好ましい実施態様において、ニッケルにリンを含有させてめっきすることにより、トナーに対する現像ローラの帯電付与能力を増大させることができる。
より好ましい実施形態において、現像ローラの最表層は、無電解めっきによるめっき層であり、このめっき層は、ニッケル及びボロンを含有する。例えば、上記の無電解ニッケルリンめっきのめっき液層に1%のボロンを含有させることにより、現像ローラの最表層であるめっき層の硬度を約HV500からHV750以上に向上させ、摩擦係数も、例えば、0.25から0.17に低下させることができる。これにより、現像ローラの耐摩耗性が向上する。その結果、現像装置を長期使用した場合にも、溝部の摩耗による溝深さの変動が抑制され、摩擦係数の低下により、現像ローラの溝部内におけるトナーの流動性をさらに良好にすることができる。
上記の通り、現像ローラの表面にめっきを施して、摩擦係数を小さくすることは、転造による押圧成形により、成形された金属表面に生じた小さな傷を埋めて滑らかにすることでもある。また、表面の硬度を上昇させ、摩擦に対する耐久性をさらに向上させることができる。また、めっきの条件を適切に設定することにより、本発明に用いる現像ローラ表面の溝部の角度、幅、深さを調整することもできる。
なお、上記のようなトナー担持面の形状測定には、従来公知の方法を用いることが可能である。これには、例えば、非接触式の表面形状測定装置や形状測定レーザマイクロスコープ等が挙げられ、得られた表面形状情報を、上記のような装置に付属する解析ツールで解析したり、CAD(コンピュータ支援設計)等を用いることによって、図面上で幾何学的に決定することができる。
[トナー供給手段の構成]
トナーを現像ローラの溝部に供給する供給手段の一例を図7に示す。図7は、現像ローラにトナーを適応させる際に好ましいトナー規制部材の実施形態の一例を示している。トナー規制部材104としてのトナー規制ブレード104aは、基体と弾性当接体105を有している。弾性当接体105の材料としては、金属材料(例えば、SUSやリン青銅)、シリコーンゴム、ウレタンゴムを用いることができる。
好ましい実施形態において、本発明に用いるトナー規制部材は、金属製のトナー規制ブレードである。現像装置の長期寿命化の観点からは、摩耗や化学的変質が少なく耐久性に優れる金属製の弾性当接体の方が好ましいからである。なお、本発明において、金属製のトナー規制ブレードというときは、少なくとも弾性当接体が金属製であることを意味する。
より好ましい実施形態において、金属製のトナー規制ブレードは、ステンレス製である。トナー規制ブレードは、本発明の現像ローラの表面ほどの精密な加工性を要求されるものではなく、特に耐久性に優れているためである。
端部を有する弾性当接体105は、現像ローラ102に平行に延び、現像ローラ102の表面に設けられたトナー担持面102aに対して、面(当接領域)で圧接している。
また、弾性当接体105とトナー担持面102aの圧接状態で定められる突出し量E(mm)及び侵入量I(mm)を調整することにより、トナー担持面102a上に所望量のトナーの薄層を形成することができる。
なお、図7に示される通り、突出し量Eは、弾性当接体105とトナー担持面102aとの接触面における始点Sから端部までの長さである。
また、侵入量Iは、現像ローラの回転中心Oを通る水平な面において、弾性当接体105がトナー担持面102aに接触せずに平行に延びた面との接点から、現像ローラ表面の円の頂点Vまでの距離である。
さらに好ましい実施形態において、金属製のトナー規制ブレードの厚みは、0.08mmである。このような厚みとすることにより、侵入量を適度に調整することができるためである。
本発明に用いる現像装置において、金属製の現像ローラと金属製のトナー規制ブレードとを有すると、両者が金属製であることにより、上記の通り、長期使用においても劣化し難く、装置の長寿命化が達成される。さらに、本発明に用いる現像ローラは、規則的な溝部を有するため、多少摩耗したとしても、トナーの担持量をほとんど変化させることなく、維持することができる。
以上、本発明の現像装置、並びにこれを備えるプロセスカートリッジ及び画像形成装置について説明した。ここで、本発明に用いられる現像ローラの表面(トナー担持面)の形状と、使用するトナーの物性とを関連付けることにより、本発明の現像装置の現像特性を飛躍的に改善することが可能である。
以下に、本発明の現像装置に、特に好ましく用いられる、本発明に係るトナーについて具体的に説明する。なお、本発明に係るトナーは、本発明の現像装置においてのみに用いられることを意図したものではなく、他の現像装置にも好ましく用いられ得る。
本発明のトナーは、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含むコア粒子(着色粒子ということがある)と、外添剤とを含む。
好ましい実施形態において、本発明の第1のトナーは、無機微粒子及びコア粒子を含む、複合コア粒子を含む。
別の好ましい実施形態において、本発明の第2のトナーは、外添剤として中粒径シリカ(A)と小粒径シリカ(B)とを備えている。
2. コア粒子及び複合コア粒子
2.1 コア粒子(着色粒子)の原材料
コア粒子は、結着樹脂中に着色剤及び離型剤を均一に分散させた粒子であって、トナーの核となる粒子である。最終製品としてのトナーの粒径は、コア粒子の粒径が大きく寄与するため、長期にわたり解像度が高い画像を形成するためには、コア粒子の体積平均粒径は、7μm以下であることが好ましい。一方、粒径が小さすぎると、飛散性が増して取り扱い性が悪くなると同時に、現像機内でも画像よごれを引き起こしてしまう。よって、体積平均粒径が4μm以上、7μm以下のコア粒子が好ましく用いられる。なお、本明細書において、トナー、コア粒子(着色粒子)、複合コア粒子についての、平均粒径は、特に記載しない場合、体積平均粒径である。また、無機微粒子についての平均粒径は、特に記載しない場合、個数平均粒径である。
体積平均粒径は、例えば、精密粒度分布測定装置「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて測定することができる。
具体的な測定方法としては、懸濁液作成用ビーカーに電解液「アイソトンII−pc」(ベックマン・コールター社製)100mlを用意し、ここに分散剤としての界面活性剤(好ましくはLAS;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.1gを加えた後、測定試料(トナー粒子又はトナー)5mgを加え、トナー懸濁液とする。次いで、このトナー懸濁液中の測定試料の分散性を高めるために、超音波バス等を用いて外部からの超音波照射処理を2分間行い、測定サンプルを調製する。アパーチャーチューブには50μmの開口径を有するものを用い、測定試料の体積数を、チャンネル毎に測定して、測定試料の体積分布と個数分布を算出する。算出された分布から測定試料の体積平均粒径を求めることができる。
また、個数平均粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡により得られた画像から任意に選択した100個の粒子を測定し、個数平均粒径として求めることができる。
2.1.1 結着樹脂
コア粒子に含有される結着樹脂としては、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
また、乳化凝集法や懸濁重合法といったケミカル法によりトナー粒子を得る方法においては、結着樹脂を形成するために単量体が用いられる。
そのような単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸アルキルエステル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アルキルエステル等のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、マレイン酸、マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニル単量体等が用いられる。
トナー粒子の機械的強度を高めるために結着樹脂の合成時に、さらに架橋剤を用いてもよい。
乾式トナーに用いられる架橋剤のうち2官能の架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの等が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート等が挙げられる。
これらの架橋剤の添加量は、通常、結着樹脂を構成する重合性単量体100重量部に対して0.01重量部以上、10重量部以下である。
結着樹脂として、耐湿性に優れるスチレンアクリル樹脂を用いることにより、帯電安定性に優れる結着樹脂を製造することができる。
また、結着樹脂として、透明性に優れるポリエステル樹脂を用いることにより、画像の透明性に優れ、カラー画像に適した結着樹脂を製造することができる。
2.1.2 着色剤
コア粒子に含有される着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料及び顔料が挙げられる。これらを、単独又は混合して使用することができる。
これらの着色剤は、可視像を形成するために十分な割合で含有されることが必要である。着色剤の含有量は、通常、結着樹脂100重量部に対して1重量部以上、20重量部以下である。
2.1.3 離型剤
コア粒子に含まれる離型剤としては、ワックス類や、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、硬化ひまし油等を挙げることができる。
ワックスとしては、酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリエチレンのようなポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、低分子量ポリプロピレンのようなポリプロピレンワックス等のポリオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス等が挙げられる。これらを単独又は混合して使用することができる。
離型剤の含有量は、通常、結着樹脂100重量部に対して3重量部以上、10重量部以下である。
2.2 コア粒子(着色粒子)の製造
コア粒子は、粉砕法、重合法といった当業者に公知の方法により製造することができる。
粉砕法は、結着樹脂、着色剤、離型剤等を加熱しながら溶融、混練し、これを冷却後に機械的に粉砕して製造するものであるが、粉砕トナーの形状は一般的には不定形である。このため、トナー自体の流動性や帯電性などのトナーの基本的特性を損なうという品質上の問題がある。
これに対して、重合法は、液体中で液滴としてトナーを製造するため、球状の粒子を得やすい。
本発明に用いるトナーは、いずれの製法によるコア粒子を用いることができるが、表面固定化処理を行う複合コア粒子に用いるコア粒子は、重合法によることが好ましい。コア粒子の表面が不定形であると、無機微粒子の表面固定化処理を均一に行うことが困難となるためである。
重合法としては、乳化凝集法、ポリエステルを用いた凝集法、転相乳化法が挙げられる。その中でも、乳化凝集法が好ましく用いられる。乳化凝集法は、粒子形状をコントロールしやすいためである。
乳化凝集法による場合、コア粒子は、結着樹脂の原料となる単量体、重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)等を水中に分散して、重合することにより得られる樹脂粒子分散液と、着色剤分散液、離型剤分散液を混合し、撹拌しながら均一に分散させた状態で、さらに凝集剤を添加して、加熱融着することにより得られる。
凝集剤としては、当業者に公知の電解質が用いられるが、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄等の多価金属塩を用いることが好ましい。塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等を用いる場合と比較すると、凝集速度が速く、工程時間を短く作製することができるためである。
2.3 複合コア粒子の製造
1つの好ましい実施形態において、本発明の第1のトナーは、特に本発明の複合コア粒子を用いて製造することにより得られる。本発明の複合コア粒子は、簡潔には、以下の工程を包含する方法により製造することができる。
すなわち、コア粒子に対して被覆率が90%以上、120%以下となるように平均粒径が7nm以上、40nm以下の無機微粒子を準備する工程、前記コア粒子と前記無機微粒子を混合して、混合粉体を得る工程、無機微粒子の表面の一部を、前記コア粒子の表面に埋没させて複合コア粒子を得る表面固定化処理工程を包含し、前記表面固定化処理工程は、混合粉体の比表面積を基準として、前記複合コア粒子の比表面積が0.2m/g以上減少した時点で終了する工程、である。
この製造方法により得られた、本発明の複合コア粒子の比表面積は、前記無機微粒子と前記コア粒子のほぼ均一な混合物(混合粉体)の比表面積よりも0.200m/g以上、0.245m/g以下の範囲で小さく、前記コア粒子に対する前記無機微粒子の付着強度が70パーセント以上、95パーセント以下であることを特徴とする。
なお、本発明において、単に比表面積というときは、BET比表面積のことをいう。
本発明の複合コア粒子は、具体的には、以下のようにして、製造することができる。
2.3.1 コア粒子と無機微粒子を準備する工程
本発明の複合コア粒子は、上記2.2に記載のようにして得られたコア粒子と無機微粒子の好ましい組み合せを達成することにより、初めて製造することができる。
コア粒子の粒径は、特に限定しないが、平均粒径が4μm以上、7μm以下であることが好ましい。高解像度の画像形成を行うためである。
コア粒子の真比重は、特に限定しないが、1.0g/cm以上、1.2g/cm以下であることが好ましい。樹脂の比重が主となるためである。
本発明の複合コア粒子に用いる無機微粒子の種類としては、コア粒子(着色粒子)に対して外添剤として処理され得る無機微粒子であれば、特に限定されない。外添剤として処理される無機微粒子については、以下に詳述する。
無機微粒子の粒径は、好ましくは平均粒径で7nm以上、40nm以下、より好ましくは、7nm以上、30nm以下である。
固定化に用いる無機微粒子の粒径がこの範囲であることにより、コア粒子の表面全体に比較的均一に固定化処理を行うことができると同時に、固定化の程度を制御しやすくなる。
平均粒径が7nmより小さいと、所望の固定化状態を得るのが難しく、固定化する無機微粒子どうしの接触点が多くなり、所望の強度が得られない。
平均粒径が40nmより大きいと、所望の固定化状態を得るのが難しく、無機微粒子の固定化のばらつきが大きくなり、所望の強度が得られない。
無機微粒子の真比重は、特に限定しないが、2.0g/cm以上、2.2g/cm以下であることが好ましい。
コア粒子に対する無機微粒子の添加量は、コア粒子に対する無機微粒子の被覆率が90%以上、120%以下となるように準備する。
なお、本発明における被覆率は、(被覆率の計算式)被覆率(%)=(DcρcWm/4Dmρm)×100、により算出されたものである。また、各符号は、以下を意味する。Dc:コア粒子の平均粒径、ρc:コア粒子の真比重、Dm:無機微粒子の平均粒径、ρm:無機微粒子の真比重、Wm:コア粒子の重量に対する無機微粒子の添加重量の比率、である。
また、被覆率の計算に用いられる、コア粒子及び無機微粒子の真比重は、ガス置換式のアキュピックII(島津製作所社製)等を用いて、当業者に公知の方法により測定することができる。
本発明では、コア粒子に対する無機微粒子の被覆率を指標として、コア粒子と無機微粒子を好ましい組み合せで準備することができる。
2.3.2 混合粉体を得る工程
本工程は、後の表面固定化処理工程の終了時間の基準となる、比表面積を測定するために行う。よって、本工程により得られる混合粉体は、無機微粒子の表面の一部が、コア粒子の表面の一部に未だ埋没していない状態である。
混合方法としては、無機微粒子がコア粒子に埋没しない範囲で、ヘンシェルミキサー、ハイブリタイザー等を当業者に公知の混合方法を用いることができる。例えば、固定化処理にヘンシェルミキサーを使用する場合、固定化処理よりも回転数を低下させることにより、又は短い時間で混合することにより、混合粉体を得ることができる。
2.3.3 表面固定化処理工程
本工程は、上記2.3.2に記載の混合粉体を得る工程により得られた混合粉体に、さらに比較的強いエネルギーを加えることにより、無機微粒子の表面の一部を、物理的に、前記コア粒子の表面に埋没させることにより固定化する工程である。
従来、コア粒子表面に対する無機微粒子の固定化は、加熱手段、化学的手段、機械的手段等によって行われ得るが、機械的手段によることが好ましい。加熱手段、化学的手段によれば、化学反応により形成されたコア粒子の物性を変化させてしまうためである。よって、本発明では、コア粒子が破壊されない程度の比較的強い衝撃エネルギーを加えて、物理的に無機微粒子をコア粒子に埋没させる。機械的手段としては、ミキサー等を用いる方法が挙げられる。
例えば、ヘンシェルミキサーを用いる場合、回転数を上げて、加えるエネルギー量を上昇させることにより、無機微粒子を固定化することができる。
表面固定化処理工程は、上記の混合粉体の比表面積を基準として、0.2m/g以上減少した時点で終了する。
なお、比表面積は、BET比表面積として、Macsorb HM model−1201(マウンテック社製)等を用いて、当業者に公知の方法により測定することができる
この表面固定化処理工程において、例えば、結着樹脂としてポリエステルのみを用いて作製した平均粒径が5.8μmのコア粒子と無機微粒子としての平均粒径が12nmのシリカを用いた場合、混合粉体の比表面積は、約1.6m/gである。これを、ヘンシェルミキサー(FM75L、日本コークス社製)を用いて、1000rpmで、表面固定化処理を開始した後、5分毎に複合コア粒子(未だ無機微粒子が埋没していないものを含む)をサンプリングし、比表面積を測定する。その結果、比表面積が1.6m/gから減少して、1.4m/g以下になった時点で、本発明における表面固定化処理工程を終了することができる。
なお、単に比表面積のみに着目して、高エネルギーの衝撃を与えることにより、短時間でも、比表面積を一定量減少させることができる。しかしながら、これでは、個々の無機微粒子の付着強度は不均一になる。その結果、コア粒子に固定化された無機微粒子全体としての付着強度は低下し、所望の複合コア粒子は得られ難い。
すなわち、表面固定化処理の時間が短く、かつ比表面積が一定以上減少している場合、無機微粒子がコア粒子の表面全体に均一に埋没せず、固定化が行われない領域が発生しやすくなるためである。また、部分的に重複する領域に複数の無機微粒子が埋没することにより、固定化が不安定になり、離脱しやすくなるためでもある。
よって、表面固定化処理の時間は、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上、さらにより好ましくは30分以上である。
サンプリングの間隔は、適宜決定することができるが、好ましくは1分以上、20分以下の間隔、より好ましくは2分以上、10分以下の間隔、さらにより好ましくは3分以上、5分以下の間隔である。
サンプリング間隔が、短すぎると、複合コア粒子の製造工程が煩雑になる。しかしながら、適度に短くすることにより、固定化処理の終了時点を正確に判断することができる。
また、サンプリング間隔が長すぎると無機微粒子の埋没が過剰になり、本発明の複合コア粒子の所望の性能が得られないことがある。ただし、当初から、製造コストを考慮せず、固定化処理時間をより長時間に設定した上で、複合コア粒子を製造する場合には、その長時間にあわせて適宜サンプリング間隔を長くすることができる。
本発明の複合コア粒子において、コア粒子に対する無機微粒子の被覆率は、トナーのコア粒子に対して、90%以上、120%以下であることが好ましい。
被覆率が90%より小さいと、コア粒子の全面を無機微粒子で覆うには十分ではない。これでは、後に添加処理される外添剤がコア粒子の表面に直接的に接する領域が増大し、その外添剤がコア粒子に埋没してしまうためである。また、外添剤の埋没を発端として、固定化した無機微粒子を掘り起こしてしまう可能性がある。その結果、本発明のトナーの効果が得られなくなる。
また、被覆率が120%より大きいと、無機微粒子の供給が過剰になる。これでは、部分的に重複する領域に複数の無機微粒子が埋没することにより、固定化が不安定になると同時に離脱しやすくなる。また、そのような無機微粒子の1つがコア粒子から離脱することにより、連鎖的に複数の無機微粒子の離脱を誘発してしまう。その結果、本発明のトナーの効果が得られなくなる。
固定化に用いる無機微粒子の比表面積は、特に限定されるものではないが、50m/g以上、300m/g以下である。比表面積が大きすぎると、無機微粒子の表面の粗さが不均一になり、コア粒子の表面に均一に固定化処理を行うことができないためである。
なお、平均粒径の異なる無機微粒子を複数種類使用して、表面固定化処理を行う場合には、それぞれの無機微粒子について、被覆率を計算した後、それぞれの被覆率の合計が、上記範囲内となるように設計する。
本発明の複合コア粒子は、無機微粒子を固定する前の混合粉体の比表面積に比べて0.200m/g以上、0.245m/g以下の範囲で減少していることが好ましい。
比表面積の減少量が、0.200m/gより小さいと、本発明のトナーの効果を得るために十分な強度の固定化状態が得られないためである。
また、比表面積の減量が、0.245m/gより大きいと、以下の理由から本発明のトナーの効果が損なわれるため、好ましくない。
無機微粒子の埋没が過剰になり、コア粒子の表面全体を均一に無機微粒子で被覆することができなくなる。また、コア粒子の球形状が変形し、コア粒子自身の形状がトナーの流動性を低下させる。コア粒子とこれに埋没した無機微粒子の境界線の近傍に多数の微小な溝を生じ、ここに局所的な押圧がかかると、無機微粒子はさらに埋没するか、逆に離脱しやすくなる。
また、本発明のトナーの効果を得るのに十分な固定化状態には、一定の比表面積が減少していることに加えて、コア粒子への無機微粒子の付着強度が高いことを含む。付着強度は、外的な刺激に対して残存する、複合コア粒子の表面の無機微粒子の割合を示すものである。よって、この数値が高いほど、無機微粒子がコア粒子の表面に強固に固定されていることを示す。また、付着強度は、以下の測定方法により算出される。
製造された複合コア粒子に、蛍光X線を照射することにより、その表面に存在する無機微粒子の全量(強度)を定量する。次に、複合コア粒子をトリトン溶液(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.2重量%水溶液)に分散させる。得られた分散液に、超音波振動(出力20W、周波数20kHz)を1分間作用させる。その後、複合コア粒子をろ過により収集し、再び蛍光X線を照射することにより、複合コア粒子の表面に残存する無機微粒子量を定量する。そして分散前の無機微粒子の全量(強度)に対して、分散後に残存した無機微粒子の割合を付着強度(%)として算出する。
なお、単に付着強度を高めるために、過度の高エネルギー処理を行ったのでは、無機微粒子は過度に埋没し、複合コア粒子の球形状を変形させてしまう。その結果、複合コア粒子を含むトナーは、その形状の変化により流動性が悪化してしまう。また、本発明における特定の被覆率で処理した場合にも、コア粒子表面の露出面積が増えてしまうため、本発明のトナーの効果が得られない。
3. 複合コア粒子と外添剤を含むトナー
本発明の第1のトナーは、上記のようにして得られた複合コア粒子に、外添剤を添加し、混合して処理することにより、得られる。
なお、外添剤を添加して処理する工程は、当業者に公知の技術の方法を採用することができる。また、下記4(中粒径シリカ(A)と小粒径シリカ(B)を備えたトナーの項)に記載の技術を用いることができる。
外添剤の添加量は、特に限定しないが、100重量部の複合コア粒子に対して、1.5重量部以上、10重量部以下、好ましくは、1.6重量部以上、9重量部以下である。
本発明の複合コア粒子は、その表面に無機微粒子が特定の固定化状態にあり、さらに一定以上の付着強度を有する。よって、この複合コア粒子は、トナーの原材料として有用である。
本発明の第1のトナーでは、上記の複合コア粒子の表面全体を覆うように、比較的均一に無機微粒子が埋没している。そのため、後に添加された外添剤が、コア粒子の表面に直接的に接触する面積が小さい。
また、本発明の第1のトナーの核をなすコア粒子に、特定の状態で固定された無機微粒子の付着強度が70%以上、95%以下であるため、無機微粒子がコア粒子表面から離脱し難い。なお、付着強度が、95%を超えるものは、生産することが困難である。
よって、この複合コア粒子に外添剤を添加して得られる第1のトナーは、現像装置内において、局所的な押圧を受けても、無機微粒子は離脱し難く、後に添加された外添剤が、コア粒子に埋没し難い。なお、この効果は、複合コア粒子における無機微粒子の付着強度が50%以下になると、顕著に悪化する。
また、無機微粒子が、コア粒子の表面全体にほぼ均一に固定されているため、コア粒子に熱が伝わるのを遅らせることにより、トナーが溶融し難くする利点もある。
以上のことから、本発明の複合コア粒子を含む第1のトナーは、後に添加された外添剤が、コア粒子に直接的に接して埋没することがない。その結果、第1のトナーは、長期使用においても、外添剤が流動化剤としての機能を維持する。このため、第1のトナーは当初設計した表面の状態を維持し、帯電量の変動も少ない。よって、第1のトナーを用いることにより、長期使用においても、安定的に画像を形成することができる。
本発明の第1のトナーは、上記のような構成であるため、局所的な押圧が発生し得る現像装置において、その効果を発揮することができる。
局所的な押圧が発生し得る場所としては、上記の通り、現像ローラの溝部のエッジ部分、又は金属製の現像ローラと金属製のトナー規制ブレードとの当接領域が挙げられる。
よって、本発明の現像装置においても、上記エッジ部分及び当接領域において外添剤の埋没を防ぐことができる。
すなわち、本発明の現像装置に、本発明の第1のトナーを用いることにより、長期使用において、さらに安定的に良好な画像を形成することができる。
4. 中粒径シリカ(A)と小粒径シリカ(B)を備えたトナー
本発明の第2のトナーは、着色粒子(コア粒子)に、外添剤として中粒径シリカ(A)と小粒径シリカ(B)を処理することによって製造される。
着色粒子については、上記2のコア粒子について記載したのと同様である。
また、着色粒子として、本発明の複合コア粒子を用いることもできる。
本発明に用いられる外添剤としては、無機微粒子若しくは有機微粒子、又はそれらの組合せが挙げられる。いずれかを複数種類用いることもできる。
無機微粒子の種類としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化銅、酸化テルル、酸化マンガン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化炭素等の窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等が挙げられる。
また、有機微粒子としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及びステアリン酸リチウムなどの金属石鹸、メタクリル酸メチル、スチレンやその他重合性モノマーを構成成分として重合されたアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及びポリフッ化ビニリデンやポリテトラフロロエチレンなどのフッ素系樹脂を構成成分とした樹脂微粒子等が挙げられる。
現像装置内において、局所的な押圧が加えられる場合には、少なくとも1つの無機微粒子を用いることが望ましい。コア粒子と外添剤の両方が、有機化合物であると、押圧により、融着してしまうためである。
着色粒子(コア粒子)に対して、外添剤を処理する方法としては、所定量の着色粒子に、外添剤を添加して、緩やかに混合する方法が挙げられる。
混合方法としては、ミキサー等を用いた当業者に公知の方法が用いられる。混合することにより、コア粒子若しくは複合コア粒子と、外添剤とは、コア粒子等を外添剤が覆うように、静電的に付着する。その結果、コア粒子は、外添剤と一体となって、トナーを形成し、外添剤により流動性が付与される。
本発明の第2のトナーは、着色粒子の表面に中粒径シリカ(A)と小粒径シリカ(B)とを特定の条件で備えている。
より詳細には、本発明の第2のトナーは、着色粒子の表面に付着したシリカ微粒子が、平均粒径が20nm以上、60nm以下の中粒径シリカ(A)と、平均粒径が5nm以上、15nm以下の小粒径シリカ(B)を含有する。また、中粒径シリカ(A)の平均粒径(Da)と比表面積(Sa)が(式1)5000≦Da(nm)×Sa(m/g)≦10000を満たす。さらに、中粒径シリカ(A)の仕事関数が、小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さいことを特徴とする。
本発明の第2のトナーでは、外添剤として無機微粒子を用いるが、その中でも特定の条件でシリカ微粒子を必須の構成要素として用いる。他の無機微粒子では、本発明の効果が得られ難かったためである。これには、詳細は不明であるが、シリカが有する電気的特性が関与しているためと考えられる。
中粒径シリカ(A)の平均粒径は、好ましくは20nm以上、60nm以下であり、より好ましくは30nm以上、50nm以下である。
小粒径シリカ(B)の平均粒径は、好ましくは5nm以上、15nm以下であり、より好ましくは、7nm以上、12nm以下である。
異なる粒径のシリカをこのような範囲で選択することにより、中粒径シリカ(A)の周囲を複数の小粒径シリカ(B)が覆う大小関係を維持することができる。
また、中粒径シリカ(A)の平均粒径が大きすぎると、トナー母体からの離脱やトナー表層で転動しやすく、付着状態が不均一となり、外添剤としての効果が低減してしまう。
一方、小粒径シリカ(B)の平均粒径が小さすぎると、着色粒子表面への埋没が起きやすくなると同時に、比表面積も大きくなり、中粒径シリカ(A)との相対的な電気的特性を得ることが困難となる。
本発明に用いる、中粒径シリカ(A)の比表面積は、好ましくは100m/g以上、300m/g以下であり、より好ましくは150m/g以上、250m/g以下である。
一方、小粒径シリカ(B)の比表面積は、100m/g以上、300m/g以下である。
中粒径シリカ(A)の比表面積を、同じ平均粒径を有する通常のシリカに比べて大きくすることにより、中粒径シリカ(A)の表面の電気的特性を変化させることができる。また、中粒径シリカ(A)の比表面積を小粒径シリカ(B)よりも大きくすることにより、これらの粒径が異なるシリカにおける相対的な電気的特性を変化させることができる。
本発明において、中粒径シリカ(A)の体積平均粒径(Da)と比表面積(Sa)の積が、好ましくは(式1)5000≦Da(nm)×Sa(m/g)≦10000を満たす。より好ましくは、Ra×Saは、6000以上、9000以下である。
この(式1)を満たすことにより、特に画像形成時のカブリ、濃度ムラの改善効果が顕著になる。
本発明において、中粒径シリカ(A)の仕事関数は、小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さいことが好ましい。
中粒径シリカ(A)の仕事関数は、好ましくは4.90eV以上、5.10eV以下であり、より好ましくは4.95eV以上、5.05eV以下である。
小粒径シリカ(B)の仕事関数は、好ましくは5.05eV以上、5.25eV以下であり、より好ましくは5.10eV以上、5.20eV以下である。
さらに好ましくは、これらのシリカの仕事関数の差が、0.05eV以上である。
上記のように、中粒径シリカ(A)及び小粒径シリカ(B)の粒径及び比表面積を特定の範囲とすることにより、中粒径シリカ(A)の仕事関数を小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さくしやすくなる。
なお、無機微粒子の仕事関数は光電子分光装置AC−2(理研計器社製)等を用いて、当業者に公知の方法により測定することができる。
粒径に対する比表面積が極めて大きく接触点が多い中粒径シリカ(A)の仕事関数を小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さくすることにより、これらの異なるシリカは、相対的に、中粒径シリカ(A)が正に、小粒径シリカ(B)は負に帯電する。その結果、他の特定の物性と相俟って、小粒径シリカ(B)は、着色粒子よりも、中粒径シリカ(A)の外表面に静電気的に付着してシリカの複合体を形成する。さらに、この複合体は、現像装置内で局所的な押圧を受けた場合にも、小粒径シリカ(B)が着色粒子へ埋没するのを抑制する。一方で、中粒径シリカ(A)への付着量よりは少ないが、トナーに流動性を与えるために十分な量の小粒径シリカ(B)は、直接的に着色粒子に付着する。
よって、小粒径シリカ(B)が、局所的な押圧を直接的に受ける割合は少ない。
また、小粒径シリカ(B)の多くが、着色粒子に比べると大きさの近い中粒径シリカ(A)に静電気的に付着しているため、局所的な押圧を受けた部分においても、物理的に離脱することにより、その圧力を吸収すると共に、自身の埋没を防ぐことができる。物理的に離脱した小粒径シリカ(B)は、電気的な特性により中粒径シリカ(A)に再度付着することにより、シリカの複合体を再構成することができる。
さらに、中粒径シリカ(A)は、小粒径シリカ(B)を保持する役割だけでなく、スペーサーとしての役割を担うことができる。その結果、中粒径シリカ(A)は、複合体には付着せずに流動化剤として機能している小粒径シリカ(B)が、着色粒子に埋没するのを防ぐことができる。
また、従来のトナーにおけるのとは異なり、小粒径シリカ(B)が着色粒子に埋没した場合にも、これを補うように、複合体に付着していた小粒径シリカ(B)が、複合体から離脱して、新たな流動化剤として供給され得る。小粒径シリカ(B)は、複合体に付着している割合が圧倒的に多いため、長期にわたり、この補給を続けることができる。
よって、流動化剤として小粒径シリカ(B)の埋没を防ぐ機構と小粒径シリカ(B)を絶えず供給する機構が相乗的に作用することにより、本発明の第2のトナーは、長期使用した場合にも、流動性を保持することができる。その結果、良好な帯電状態を維持することができ、長期使用においても、安定的な画像を形成することができる。
本発明のより好ましい実施形態において、本発明のトナーに用いられる前記中粒径シリカ(A)の前記着色粒子に対する被覆率Pa(%)と前記小粒径シリカ(B)の前記着色粒子に対する被覆率Pb(%)とが、その被覆率の和及び比において、(式2)120%≦Pa+Pb≦140%及び(式3)1.5≦Pb/Pa≦3の関係を満たす。
なお、Pa及びPbは、着色粒子に対して、粒径の異なるシリカのそれぞれについて前述の「被覆率の計算式」に代入して算出される。これらの式を満たすことにより、さらに本発明の効果を良好に得ることができる。
より好ましい実施態様において、上記(式2)により算出される被覆率の和(Pa+Pb)は、125%以上、135%以下である。
また、より好ましい実施態様において、上記(式3)により算出される被覆率の比(Pb/Pa)は、2以上、2.5以下である。
本発明の第2のトナーは、上記のような構成であるため、局所的な押圧が発生し得る現像装置において、その効果を発揮することができる。
局所的な押圧が発生し得る場所としては、上記の通り、現像ローラの溝部のエッジ部分、又は金属製の現像ローラと金属製のトナー規制ブレードの当接領域が挙げられる。
また、本発明の現像装置においても、上記エッジ部分及び当接領域において外添剤の埋没を防ぐことができる。
よって、本発明の現像装置に、本発明の第2のトナーを用いることにより、長期使用において、さらに安定的に良好な画像を形成することができる。
また、本発明に用いられる現像ローラ表面における螺旋状の溝部では、トナーだけでなく、トナーから離脱した外添剤も流動する。特に、本発明の現像装置における現像ローラは、溝部におけるトナーの流動性を高めるように設計されている。よって、溝部の凹部では、外添剤が付着したトナー、シリカの複合体、離脱した小粒径シリカ(B)が流動することにより、それぞれの粒子は、当初設計した帯電状態に容易に回復することができる。すなわち、小粒径シリカ(B)は、中粒径シリカ(A)に対して相対的に負に帯電することにより、もとのシリカの複合体を再構成し、その効果を持続する。
5. 本発明のトナーにおける変形例
本発明の第1のトナー及び第2のトナーに用いる、複合コア粒子に固定する無機微粒子、中粒径シリカ(A)、小粒径シリカ(B)、及びさらなる外添剤には、表面処理されたものを用いることができる。
表面処理には、当業者に公知の疎水化処理、シリコーンオイル処理等がある。
疎水化処理は、無機微粒子を、シランカップリング剤等のシラン化合物、その他の高分子化合物等にて表面処理する方法が挙げられる。また、あらかじめ疎水化処理された市販の無機微粒子を使用することもできる。
シランカップリング剤としては、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ヘキサメチレンジシラザン等が挙げられる。
また、疎水化処理剤として、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルシロキサン、シリコーンオイル等を好適に用いることができる。
疎水化処理する方法には、例えば、反応容器に無機微粒子を入れた後、シランカップリング剤等の疎水化剤を入れて湿式にて攪拌する。次いで、得られた混合物を、乾燥機等により乾燥する方法がある。
表面処理に用いるシリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)やフェニル基含有ポリシロキサン等を挙げることができる。また、帯電性に応じて、メチルスチレン又はオレフィン変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルを用いることができる。
シリコーンオイルによる処理の方法としては、当業者に公知の方法を用いることができる。例えば、無機微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合する、又は、無機微粒子にシリコーンオイルを噴霧する、シリコーンオイルを分散若しくは溶解した液に無機微粒子を懸濁した後、溶媒を除去する方法等がある。
また、本発明の第2のトナーには、上記の必須の構成要素として挙げられた中粒径シリカ(A)及び小粒径シリカ(B)の他に、さらなる外添剤を含んでも良い。また、本発明の第1のトナーにも、複数の外添剤を組み合わせて、添加して処理することができる。
さらなる外添剤は、所望の効果により、上記に例示された無機微粒子において、任意の粒径等を有するものが用いられる。
例えば、本発明のトナーに、さらに、特許文献3に記載のように、スペーサーとして無機微粒子を添加することができる。スペーサーとして用いられる、無機微粒子は、その平均粒径が比較的大きいことから、コア粒子表面への埋没は起こりにくく、本発明のトナーの性能のさらなる向上に、長期にわたって寄与し得る。
本発明のトナーには、必要に応じて、荷電制御剤を添加することができる。
荷電制御剤としては、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などのカルボン酸の金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物、カリークスアレーン等のネガ系荷電制御剤、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等のポジ系荷電制御剤が挙げられ、これらをトナーに添加することにより、さらに帯電量及び帯電速度を調整することができる。
荷電制御剤は、通常、100重量部の結着樹脂に対して、0.1重量部以上、3重量部以下添加する。
なお、乳化凝集法によりコア粒子を作成する場合、所望のコア粒子の構造を形成する障害になることがあるが、最終製品のトナーの性能に影響を与えない範囲で、必要に応じて使用することができる。
本発明のトナーの特徴の1つは、十分な帯電量を維持できることである。よって、荷電制御剤によって、トナーの帯電量を調整する必要性は、減じられている。
一方、本発明の現像装置の特徴の1つは、トナーに十分な帯電量を付与できる現像ローラにある。
よって、本発明のトナーを本発明の現像装置に用いる場合には、荷電制御剤によって、トナーの帯電量を調整する必要性は、さらに減じられているといえる。
本発明のトナーは、磁性トナー、非磁性トナーのいずれにも用いることができる。
また、本発明の現像装置は、上記の構成を有していることから、現像ローラ上での帯電付与性や搬送性の面で不利である非磁性トナーに対して、特に有用である。
さらに、長期寿命を有する一成分現像装置において、局所的な押圧を生じる場合に、本発明のトナーは、特に有効である。
よって、本発明の一成分現像装置に、本発明のトナーを組み合わせることにより、本発明の現像装置及び本発明のトナーの現像特性を飛躍的に高めることができる。
〈実施例1〉
1.1 現像装置の製造
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本実施例は、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明をこれらに限定するものではない。
[現像ローラの製造例1]
直径16mmの炭素鋼丸棒からなる円柱状のローラ基材の外周面(以下「円筒面」と称す)をセンターレス研磨機により研磨した。次いで、あらかじめ設計した溝部が交差しない一方向の溝部(図3aの螺旋状の溝部に相当)を形成するために、ローラ基材の円筒面に形成される、同一方向の同じ螺旋状の溝部に対応する螺旋状の突起(凸部)を有する第1のダイス及び第2のダイスを具備した転造装置にローラ基材を設置した。そして、それぞれのダイスとローラ基材とを一定速度で回転させながら、ローラ基材を送り出しつつ、ダイスを押圧し、一方向の螺旋溝をローラ基材に転造した。
その結果、円筒面には、規則的に形成された凸部及び凸部を取り囲む凹部をその表面に有し、凸部の表面が互いに同一の円筒面の一部を成した転造ローラを得た。
得られた転造ローラを加温した脱脂液に浸漬して脱脂処理を行った後、90℃に加熱したNi−Pめっき液層に10分間浸漬し、円筒面に無電解めっきを施した。これを洗浄、乾燥して、一方向の螺旋状の溝部を有するトナー担持面を備えた現像ローラ1を製造した。
現像ローラの表面構造をレーザーマイクロスコープ(VK−X100、キーエンス社製)により評価した結果、あらかじめ設計した表面構造が得られていた。得られた現像ローラのトナー担持面の形状の測定結果を表1に示す。なお、表1中の角度及び長さは、図3aから図3cに示される角度及び長さに相当するものである。また、表中、角度、溝深さ、凹部の幅、凸部の幅の長さの数値が1つであるのは、2つのダイスにより現像ローラの表面に形成されるそれらの角度、長さが同一になるように設計し、成形したためである。
Figure 2017116692
[現像ローラの製造例2から6、11から18、21から25]
現像ローラの製造例1において、転造装置に用いる第1のダイス及び第2のダイスの形状を変更することにより、表1、3及び4に記載の種々の角度、長さを有する、現像ローラ2から6、11から18、21から25を製造した。
[現像ローラの製造例31から45]
直径18mmの炭素鋼丸棒からなる円柱状のローラ基材に、あらかじめ設計した二方向の溝部(図4aの螺旋状の溝部A及びBに相当)を形成するために、それぞれの溝に対応する螺旋状の突起(凸部)を有する第1のダイス及び第2のダイスを具備した転造装置にローラ基材を設置することにより、二方向の螺旋溝をローラ基材に転造したこと以外は、製造例1と同様にして、現像ローラ31から45を製造した。
得られた現像ローラのトナー担持面の形状の測定結果を表5に示す。なお、表5中の角度及び長さは、図4aから図4dに示される角度及び長さに相当するものである。
1.2 画像形成装置の製造
現像ローラ1から6、11から18、21から25を用いて、表2に記載の条件1の構成を有する、画像形成装置を製造した。また、現像ローラ31から45を用いて、表2に記載の条件2の構成を有する画像形成装置を製造した。なお、トナー規制ブレードの先端形状は、図7に示されているのと同様であり、曲げ加工を施していないものを用いた。
Figure 2017116692
1.3 現像装置の評価
上記のようにして製造された種々の現像ローラを備えた画像形成装置を用いて、本発明の現像装置の画像形成における性能を評価した。以下に評価方法を示す。
1.3.1 評価方法
(フィルミング発生の評価)
表2中、条件1の画像形成装置を用いて、画像消費なしにアイドリング運転を続けた。その間、1時間おき(1時間で約3000枚の印刷に相当)に、現像ローラの表面を光学顕微鏡(300倍程度)により観察し、現像ローラ表面におけるトナーの固着の有無を確認した。
また、固着の有無の確認と並行し、同じ画像形成装置を用いて、画像確認を行った。画像確認は、1時間おきに全面100%ベタとハーフトーン画像を交互に連続印刷し、通紙方向の先端、中央、後端の画像濃度を、反射分光光度計(スペクトロアイ、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて測定し、最大値と最小値の差が0.2以上となった場合を異常画像として判定した。
以上の結果から、現像ローラの表面へのトナーの固着が確認され、かつ異常画像発生した時間を、フィルミング発生時間とした。
(トナー落ちの評価)
表2中、条件1の画像形成装置を用いて、一般的なトナー飛散の測定と同様にして行った。すなわち、現像装置の現像ローラ下部に受け皿を設け、フィルミング発生の評価を行う最初の3時間に、現像ローラから落下して、受け皿に堆積したトナーの重量(g)を測定した。
(OD偏差の評価)
表2中、条件1の画像形成装置を用いて、全面が100%ベタ及び100%ハーフトーン画像を印字し、初期と1000枚目において、目視で濃淡のピッチむらの有無を確認した。ピッチむらが確認できなかったものを「○」、ピッチむらがわずかに確認できたものを「△」、明確に確認できたものを「×」と判定した。
(縦筋むらの評価)
表2中、条件1の画像形成装置を用いて、ハーフトーン画像を印刷し、縦筋ムラの発生の有無を目視で確認した。
(カブリの評価)
表2中、条件2の画像形成装置を用いて、2枚連続の2枚目を測定する全面白べたをプリントし、画像先端から150mmの位置で強制停止し、感光体を取り出した。次いで、透明粘着テープで感光体表面の付着トナーを写し取り、反射分光光度計(スペクトロアイ、サカタインクスエンジニアリング社製)を用いて、濃度を長手方向で3点測定し、それらの平均値をカブリの評価値とした。初期及び30分アイドリング後のそれぞれについて行い、このときの濃度が両方とも0.03以下であれば「○」、一方でも0.03より大きい場合は「×」と判定した。
(固着の評価)
表2中、条件2の画像形成装置を用いて、60分アイドリング運転(感光体への現像は行わずに現像装置の駆動のみを行う)した後、現像ローラの表面の全面を光学顕微鏡(300倍程度)で観察した。観察した結果、トナーの固着の発生がない場合を「○」、トナーの固着が発生した場合を「△」と判定した。
1.3.2 評価結果
(1)製造例1から6により製造された現像ローラ1から6を備えた画像形成装置を用いて、フィルミングの発生及びトナー落ちの評価を行った。結果を、現像ローラ1から6の表面構造と併せて表1に示す。なお、表1中、※1は、大量のトナー落ちを発生したために、現像機内トナーが不足し、フィルミングの評価が不可能であったことを示す。
これらの結果は、一方向の螺旋状の溝部を有する現像ローラについて、以下のことを示している。
製造例5を参照すると、θ1が165°(すなわち、160°<θ1)である場合、フィルミングが発生するまでの時間は長く、良好であるが、トナー落ちがわずかに発生しやすくなった。これは現像ローラの回転による遠心力により、トナーが現像ローラの溝表面からすぐに離脱し、現像ローラの溝内にトナーを保持することができなかった結果、トナーと現像ローラとの接触機会(すなわち、接触時間)が減少し、トナーの帯電量が十分に得られなかったためと考えられた。なお、このわずかトナー落ちは、θ1を160°よりも小さくすることにより、改善できると考えられた。
製造例1を参照すると、θ1が105°(すなわち、θ1<125°)である場合、フィルミングが発生するまでの時間が短かった。これは、トナーの流動性及び撹拌性が低下することにより、トナーの帯電量の低下及び滞留が発生しやすくなったためであると考えられた。
製造例2から4を参照すると、θ1が130°以上、150°以下である場合、フィルミングが発生するまでの時間が長く、トナー落ちも観察されなかった。
表1の結果は、一方向の螺旋状の溝を有する現像ローラにおいて、125°<θ1<160°の範囲でも、特に140≦θ1<160を満たすことにより、フィルミングの発生、及びトナー落ちを抑制できることを示している。
すなわち、θ1が特定の条件を満たす現像ローラを備える本発明の現像装置を用いることにより、長期使用する場合にも、安定的に画像を形成することができる。
(2)製造例11から18による現像ローラ11から18を備えた画像形成装置を用いて、フィルミングの発生及びトナー落ちの評価を行った。結果を、現像ローラ11から18の表面構造と併せて表3に示す。
Figure 2017116692
これらの結果は、以下のことを示している。
製造例14から16を参照すると、125°<θ1<160°を満たす現像ローラにおいて、凹部の幅を90μm以上、150μm以下にすることにより、特にフィルミングが発生するまでの時間が長かった。これは、トナーの流動性及び撹拌性が良好であり、供給ローラによる回収機能も向上したためであると考えられた。
製造例11から13を参照すると、凹部の幅を80μm以下にすると、その幅が小さくなるにしたがって、フィルミングが発生しやすくなった。これは、トナーの流動性が低下することによるものと考えられた。また、供給ローラの回収機能が十分に発揮されなかったことも影響していると考えられた。
製造例17から18を参照すると、凹部の幅を160μm以上にすると、トナー落ちが発生しやすくなった。これは、トナーの撹拌性の低下、及び現像ローラ表面の接触機会の減少による、帯電不良によるものと考えられた。
すなわち、長期使用において、安定的な画像形成を行うために、現像ローラの溝部が125°<θ1<160°を満たし、さらに凹部の幅が、90μm以上、150μm以下であることが、より効果的であることが明らかとなった。
(3)製造例21から25による現像ローラ21から25を備えた画像形成装置を用いて、OD偏差の評価を行った。結果を、現像ローラ21から25の表面構造と併せて表4に示す。
Figure 2017116692
これらの結果は、以下のことを示している。
製造例21から25を参照すると、125°<θ1<160°を満たす現像ローラにおいて、凸部の幅が100μm以下の場合、ピッチむら画像の発生(すなわち、OD偏差)が抑えられていた。一方、凸部の幅が115μmの場合、ピッチむらがわずかに確認できた。また、凸部の幅が、200μmの場合、OD偏差が生じやすくなり、ピッチむらを明確に確認できた。
ここでのピッチむら画像は、凸部のトナー量が少ないことによる現像量不足が画像に表れてしまう現象である。現像ローラの線速を感光体よりも早くして濃度むらを抑制している(発熱の問題があるため過度に早くすることはできない)が、それでも凸部の幅が大きい場合は発生してしまう。
すなわち、長期使用において、安定的な画像形成を行うために、現像ローラの溝部が125°<θ1<160°を満たし、凹部の幅が、90μm以上、150μm以下である場合にも、凸部の幅を一定の長さ以下にすることが、より効果的であることが明らかとなった。
なお、凸部の幅を5μmにすることにより、ピッチむら画像は、確認されなかった。しかしながら、このように凸幅の小さい表面形状を成形することは、ダイスの加工に高度の精密性を要求する。よって、凸部の幅の成形を制御する観点から、凸部の幅は、30μm以上、100μm以下に設計することが、より好ましいと考えられた。
(4)製造例31から45による現像ローラ31から45を備えた画像形成装置を用いて、カブリ、固着の評価を行った。結果を、現像ローラの表面構造と併せて表5に示す。
Figure 2017116692
これらの結果は、以下のことを示している。
160°<θ1である場合、カブリが生じやすくなった。これは現像ローラの回転による遠心力により、トナーが現像ローラの溝表面からすぐに離脱し、現像ローラの溝内にトナーを保持することができなかった結果、トナーと現像ローラとの接触機会(すなわち、接触時間)が減少し、トナーの帯電量が十分に得られなかったためと考えられた。
一方、θ1が120°以下(すなわち、θ1<125°)である場合、カブリ又は固着を生じていた。
θ2が120°以下(すなわち、θ2<125°)である場合、カブリ又は固着を生じていた。
特に、θ2が小さいと、θ1の値にかかわらず、カブリ又は固着を発生する傾向が観察された。これは、トナーの流動性に加えて撹拌性も低下し、トナーが凹部で滞留しやすくなっためであると考えられた。
また、製造例34及び44を参照すると、θ1が120°以上、140°以下である場合、θ1<θ2の関係にあると、カブリを生じやすかった。これは、現像ローラの溝部におけるトナーの流動性が低下する結果、弱帯電量のトナーが発生しやすくなったためであると考えられた。
一方、本評価において固着とカブリが観察されなかった現像ローラは、θ2<θ1を満たしていた。
表5の結果は、螺旋状の溝部を備えた現像ローラにおいて、長期使用により、安定的な画像形成を行うには、螺旋状の溝部の角度θ1、及び溝部の凹部の底辺と斜辺とがなす角度θ2のそれぞれが、一定範囲内にあり、かつθ1とθ2が一定の関係を満たすことが、より効果的であることを示している。
すなわち、125°<θ2<θ1<160°を満たす現像ローラを備える本発明の現像装置を用いることにより、長期使用する場合にも、安定的な画像形成を行うことができる。
(5)無電解めっきを施さないこと以外は、製造例1による現像ローラ1と同様にして、現像ローラ51を製造した。これらの異なる2つの現像ローラの溝部の凹部の底面の高さのばらつきを、表面粗さ計(SV3000、ミツトヨ社製)により測定した。その結果、図8(a)にも示される通り、現像ローラ1(製造例1)の凹部の底面の高さのばらつきは、0.6μmであった。一方、図8(b)にも示される通り、現像ローラ51(製造例51)の底面の高さのばらつきは、1.5μmであった。なお、図8中、縦軸は、凹部の底面から表面に向かう高さ方向位置、横軸は現像ローラの中心軸方向の位置を示し、単位はともにmmである。次いで、これらの現像ローラを備えた画像形成装置を用いて、縦筋むらの評価を行った。
その結果、凹部の底面の高さのばらつきが、1.5μmである現像ローラ51を備えた画像形成装置では、明らかな縦筋ムラを生じていた。一方、凹部の底面の高さのばらつきが、0.6μmの現像ローラ1を備えた画像形成装置では、縦筋ムラが発生しなかった。
以上のことから、凹部の底面の高さのばらつきを一定以下に成形した現像ローラを有する現像装置により、即時的に、縦筋ムラの発生を抑えることができることが分かった。
すなわち、長期的及び短期的に、安定的な画像形成を行うために、現像ローラの溝部が125°<θ1<160°を満たし、さらに溝部の凹部の底面の高さのばらつきが1μm以下であることが、より効果的であることが明らかとなった。
(6)一方向の螺旋状の溝部を有し、表2の条件1のめっき層について、めっき条件の変更又は製造後に連続印刷することにより、異なる摩擦係数を有する、現像ローラ61から64を準備した。めっき層Aは無電解ニッケルめっきを施したもの、Bは、めっき層Aを有する現像ローラを10000枚プリントで使用したものを表面のトナー等の付着物を取り除くためにアセトンで洗浄したもの、Cはボロンを1%含有する無電解ニッケルめっきを施したもの、DはPTFEを20%含有する無電解ニッケルめっきを施したものである。なお、摩擦係数は、HEIDON−14D(HEIDON社製)を用いて、アルミナボールを使用し、垂直荷重200Gの条件下で測定した。これらの現像ローラを備えた表2中、条件1の画像形成装置を用いて、フィルミングの評価を行った。結果を、現像ローラ61から64の表面構造と併せて表6に示す。
Figure 2017116692
これらの結果は、特定の螺旋溝を有する現像ローラ表面の摩擦係数を低くすることにより、フィルミングが発生するまでの時間を長くなることを示す。また、摩擦係数を低くするには、ニッケルめっきに、ボロン又はPTFEを含有させることが効果的である。さらにフィルミング発生時間が長いことから、これらのめっき層は、一定以上の硬度を有し、長期使用においても、ほとんど摩耗しなかったことが分かる。
一方、現像ローラ61と62を参照すると、ニッケルのみのめっきでは、事前の10000枚の印刷により摩擦係数が低下していたことが分かる。これは、本評価において、ニッケルのみのめっきでは硬度が十分ではなく、めっき層が摩耗して摩擦係数が低下していたことを示す。
また、現像ローラ63は、現像ローラ64を比較すると摩擦係数が高いにもかかわらず、フィルミング発生までの時間は同じであった。これは、ボロン含有ニッケルめっき層の方が、PTFEを含有ニッケルめっき層と比べると、製造直後の摩擦係数は高いが、硬度も高く、連続印刷によっても、良好な摩擦係数を維持していたことによると考えられた。良好な摩擦係数が、連続印刷によっても維持されることは、トナーに対する現像ローラの帯電付与性を良好に維持することでもある。よって、本発明に用いられる現像ローラにボロン含有ニッケルめっき層を施すことにより、トナーに対する現像ローラ表面の帯電付与性を良好に維持することができることが分かる。
すなわち、長期使用において、安定的な画像形成を行うために、現像ローラの溝部が125°<θ1<160°を満たし、現像ローラの表面の摩擦係数が、0.2以下であることが、より効果的であることが明らかとなった。また、ボロンとニッケルを含むめっき層を、無電解めっきにより形成することが、特に有用である。
〈実施例2〉
2.1 コア粒子の製造
2.1.1 非晶性ポリエステルの合成と分散液の調製
97重量部のテレフタル酸ジメチルエステル、87重量部のイソフタル酸ジメチルエステル、221重量部のビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物、80重量部のエチレングリコール、及び0.07重量部のテトラブトキシチタネートを混合し、200℃で180分間、反応させた。次いで、220℃において、系の圧力1mmHg以上、10mmHg以下の減圧下で、60分間の脱水反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂1において、Q2000(ティーエーインスツルメント社製)により測定したガラス転移温度は55℃、GPCにより測定した平均分子量は、20000であった。
雰囲気下、140重量部の非晶性ポリエステル樹脂1を、55重量部の酢酸エチル、55重量部のイソプロピルアルコール(IPA)の混合溶媒に、攪拌しながら、ゆっくりと添加して溶解させた。次いで、得られた溶解液に、8重量部の10%アンモニア水を添加した後、攪拌しながらイオン交換水1000重量部を添加して、非晶性ポリエステル樹脂1の分散液(樹脂分散液1)を調製した。
2.1.2 結晶性ポリエステルの合成とその分散液の調製
120.0重量部の1,10−デカンジオール、75.0重量部のセバシン酸ジメチル、5.0重量部の5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル、4重量部のジメチルスルホキシド、触媒として0.02重量部のジブチル錫オキサイドを混合して、雰囲気を窒素ガスにより置換し、180℃で3時間、反応を行った。次いで、減圧下、ジメチルスルホキシドを留去し、窒素気流下、23.0重量部のドデカンジオイック酸ジメチルを添加し、180℃で1時間、攪拌しながら反応させた。続いて、減圧下にて、攪拌しながら、30分間かけて、220℃まで徐々に昇温させることにより、反応を停止させて、結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。
雰囲気下、50重量部の結晶性ポリエステル樹脂2を、25重量部の酢酸エチル、25重量部のIPAの混合溶液に、攪拌しながら、ゆっくりと添加し、溶解させた。次いで、得られた溶解液に、4重量部の10%アンモニア水を添加した後、攪拌しながら、400重量部のイオン交換水を投入して、結晶性ポリエステル樹脂2の分散液(樹脂分散液2)を調製した。
2.1.3 シアン顔料分散液の調製
50重量部のシアン顔料(C.I.PigmentBlue15:3:クラリアント社製)、5重量部のアニオン性イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)、195重量部のイオン交換水を混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックス、IKA社製)により10分間分散し、中心径が150nm、固形分量20重量%のシアン着色剤分散液3を得た。なお、中心径は、マイクロトラック(マイクロトラックベル社製)により測定した。
2.1.4 ワックス分散液の調製
50重量部のパラフィンワックスFNP92(融点91℃、日本精蝋社製)、5重量部のカチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)、195重量部のイオン交換水を混合し、60℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて十分に分散させた後、さらに圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(15MR−8TA、APV社製)で分散処理し、中心径170nm、固形分量20重量%のワックス分散液4を得た。
2.1.5 コア粒子の作製
800重量部の樹脂分散液1、200重量部の樹脂分散液2、50重量部のシアン着色剤分散液3、50重量部のワックス分散液4を丸型ステンレス製フラスコ中、ホモジナイザーで十分に混合、分散した。次いで、この混合分散液に、0.41重量部のポリ塩化アルミニウムを加え、ホモジナイザーによる、混合、分散操作を継続した。続いて、加熱用オイルバスを用いて、混合分散液を、攪拌しながら47℃まで加熱し、60分間、保持した後、350重量部の樹脂分散液1を緩やかに追加した。
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、混合分散液のpHを8.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固形分を分離した。得られた固形分をさらに、40℃のイオン交換水(3L)に再分散し、300rpmで15分攪拌、洗浄する操作を5回繰り返した。濾液のpHが7.0、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過により、ろ紙(No.5A)を用いて固液分離を行った。次いで、40℃で12時間、真空乾燥を行い、コア粒子を得た。
得られたコア粒子の体積平均粒径は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した結果、6.5μmであった。また、アキュピックII(島津製作所社製)により測定した、真比重は、1.2g/cmであった。
また、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した粒度分布係数GSDvは1.2であった。また、画像処理解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は、131であった。
なお、凝集条件を変更することにより、体積平均粒径及び真比重が異なるコア粒子を製造することができる。
2.2 複合コア粒子の製造
2.2.1 無機微粒子の固定化処理
表7に記載の種々の体積平均粒径であるコア粒子に対して、種々の平均粒径及び重量で無機微粒子を準備した。また、コア粒子に対する無機微粒子の被覆率を、併せて表7に示す。
Figure 2017116692
次いで、表7に記載のコア粒子と無機機微粒子を、ヘンシェルミキサー(FM75L、日本コークス社製)用いて、3000rpmで1分間混合することにより、混合粉体を得た。また、得られた混合粉体のBET比表面積を、Macsorb HM model−1201(マウンテック社製)を用いて測定した。なお、この混合粉体を電子顕微鏡で観察したところ、コア粒子と無機微粒子の均一な混合物であり、未だ無機微粒子の表面の一部がコア粒子の表面に埋没していなかった。
比表面積を測定した後、上記の混合に用いたのと同じヘンシェルミキサーを用いて、3000rpmで、表8に記載の種々の時間処理することにより、無機微粒子の表面の一部をコア粒子の表面に埋没させて複合コア粒子を得る、表面固定化処理工程を行った。
表面固定化処理工程は、固定化処理を開始した後、5分毎にサンプリングを行い、固定化処理物前の混合粉体の比表面積を基準とした比表面積の変化量を観察しながら、種々の時間で終了した。
Figure 2017116692
表8中、複合コア粒子2aから2f、2jから2lは、混合粉体の比表面積を基準として、比表面積が0.2m/g以上減少したときに固定化処理工程を終了して得られたものである。
また、得られた複合コア粒子の付着強度を以下のようにして測定した。
複合コア粒子に、蛍光X線を照射することにより、無機微粒子の全量(強度)を定量した。次いで、複合コア粒子を、トリトン溶液(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業株式会社製)0.2重量%水溶液)に分散させ、超音波振動(出力20W、周波数20kHz)を1分間作用させた。その後、複合コア粒子をろ過により収集し、再び蛍光X線を照射することにより、複合コア粒子の表面に残存する無機微粒子量を定量した。最後に、分散させる前の無機微粒子の全量(強度)に対する、分散後に残存した無機微粒子の割合を付着強度(%)として算出した。付着強度の算出結果を、表8に併せて示す。
表7から8中、複合コア粒子2fと2gを参照すると、製造に使用するコア粒子と無機微粒子の物性が同程度であっても、比表面積が0.2以上減少しない時点で、固定化処理を終了した場合、十分な付着強度が得られなかったことが分かる。
また、複合コア粒子2hと2fを参照すると、製造に使用するコア粒子と無機微粒子の物性が同程度であっても、無機微粒子の平均粒径が比較的小さく、被覆率が大きい場合、比表面積が減少し難くなり、十分な付着強度が得られなかったことが分かる。これには、コア粒子に対して、無機微粒子の供給が過剰となり、コア粒子の表面に直接的に埋没できずに遊離している、また埋没すべき領域を奪いあうように干渉することにより十分埋没ができない無機微粒子が存在することによると考えられた。
複合コア粒子2iを参照すると、無機微粒子の粒径が大きい場合、固定化処理時間を長くしても、比表面積が低下しなかったこと、また得られる複合粒子の付着強度が低かったことが分かる。
複合コア粒子2jを参照すると、無機微粒子の粒径が小さい場合、比表面積が減少する速度が他に比べて早く、十分な付着強度が得られたことが分かる。
複合コア粒子2kを参照すると、被覆率が小さい場合、固定化処理にかかる時間は、やや長くなるが、比表面積を0.2以上減少させることができ、十分な付着強度が得られたことが分かる。
複合コア粒子2dと2lを参照すると、製造に使用するコア粒子と無機微粒子の物性が同程度であっても、無機微粒子の平均粒径が20nm程度であり、被覆率が大きい場合、複合コア粒子の製造の指標となる比表面積を一定以上減少させることはできたが、十分な付着強度が得られなかったことが分かる。
これには、コア粒子に対して、無機微粒子の供給が過剰となり、埋没すべき領域を奪いあうように干渉することにより十分埋没ができない無機微粒子が存在することによると考えられた。
以上のことから、付着強度が70%以上である複合コア粒子を製造するには、コア粒子に対する無機微粒子の被覆率が大きすぎないこと、及び混合粉体の比表面積を基準として、無機微粒子の埋没の程度が一定範囲内あることが必要であることが分かる。なお、比表面積の減少量が0.2以上、かつ付着強度が70%以上である複合コア粒子は、複合コア粒子2aから2f、並びに複合コア粒子2j及び2kである。
また、結着樹脂としてポリエステルのみを用いて作製した平均粒径が5.8μmのコア粒子に対して、平均粒径が12nmのシリカの被覆率が90%以上、120%以下となるように準備し、ヘンシェルミキサー(型式FM75L、日本コークス社製)を用いて1000rpmで1分間混合して混合粉体を得た後に、同じ回転数で50分間、固定化を施した場合の比表面積の変化量を測定したグラフを図9に示す。なお、グラフは、表面固定化処理工程を開始した後、5分毎に複合コア粒子(未だ無機微粒子が埋没していないものを含む)をサンプリングし、比表面積を測定した結果であり、横軸で示される処理時間(分)は、1分の混合時間と表面固定化処理時間の合計である。なお、グラフ中、●は混合粉体の比表面積、□は混合粉体の比表面積の変化量を示している。
図9を参照すると複合コア粒子の比表面積は、固定化処理開始後15分以降に下がり始め、変化量が0.2を超えた後は、緩やかに下がったことが分かる。
2.3 複合コア粒子を用いたトナーの製造
100重量部の複合コア粒子2aから2lに対して、外添剤として、0.1重量部のシリカ(R8200、日本エアロジル社製、比表面積160、振動法によるかさ比重140)、1.0重量部のシリカ(RY50、日本エアロジル社製、比表面積30、振動法によるかさ比重130)、1.0重量部のシリカ(X−24、信越化学社製)を添加し、固定化処理に用いたのと同じヘンシェルミキサーを用いて、1600rpmで3分間混合して、トナー2Aから2Lを製造した。トナーの体積平均粒径は、用いた複合コア粒子の粒径と同じであった。
2.4 トナー(2Aから2L)の性能の評価
トナー2Aから2Lの性能について、TMA量、カブリ、画像濃度、帯電量の評価を行った。
2.4.1 画像形成装置
トナーの評価は、市販されている画像形成装置(SumsungPrinterSCX8650ND)が有する、現像ローラが表面に有する螺旋状の溝部を、表9に記載の種々の溝深さに改造したものを用いて行った。
本評価に用いた現像装置は、螺旋状の溝部のエッジ部及び現像ローラとトナー規制ブレードが金属製であることにより、局所的な押圧がかかるものである。
すなわち、本評価に用いた画像形成装置は、トナーに付着した外添剤の埋没が起きやすいものである。
Figure 2017116692
2.4.2 評価方法
上記の通り改造した画像形成装置に、トナー2Aから2Lを、表9に記載する試験例1から17の種々の組み合わせにより充填して、印字率5%のチャートを5枚間欠で50000枚印刷し、印刷初期と50000枚印刷後の現像ローラ上の単位面積当たりのトナー量(TMA)、カブリ、画像濃度、及びトナーの帯電量を以下の方法により測定し、それぞれの基準に従って、各評価及び総合評価を行った。
(TMA量の評価)
TMAは、現像電位差(Vcontrast)を450Vとしたとき、ソリッドパターンを印刷し、感光体上のトナーを吸引ポンプで回収して、回収した断面積を用いて、単位断面積のTMA量とした。また、TMA量における、目標基準値を0.6±0.1mg/cm以下とした。
(カブリの評価)
クリーニングフィールドVclnが140Vの時に、感光体上のテープサンプルを採取して、白い紙の台紙に張り付けその濃度を測定した。なお、ゼロ基準は、テープだけを白い紙の台紙に張り付けその濃度をゼロとした。また、カブリにおける目標基準値を0.03以下とした。
(画像濃度の評価)
ODは、Vcontを450Vとし、紙上に印刷定着した後の濃度を測色計(X−rite eXact、X−rite社製)を用いて測定した。また、画像濃度における目標基準値を1.2以上とした。
(トナー帯電量の評価)
帯電量は、吸引式帯電量測定器(Model 212HS、トレック社製)を用いて測定した。また、トナーの帯電量における目標基準値を20μC/g以上とした。
(総合評価)
全ての項目の基準目標値を達成している場合は「○」、目標値を達成していない項目が1つでもある場合には「×」として判定した。
2.4.3 評価結果
上記のようにして、トナー2Aから2Lの性能について、種々の現像ローラを備えた画像形成装置を用いて評価した結果を、表10に示す。
Figure 2017116692
表8及び表10を参照すると、総合評価で「○」と判定されたトナー2Aから2Fは、以下の特徴を全て満たす複合コア粒子を用いて製造されていた。コア粒子に対して、粒径が7nm以上、40nm以下の無機微粒子の被覆率が90%以上、120%以下となるように準備されている。無機微粒子とコア粒子を均一に混合して得られた混合粉体の比表面積を基準として、0.2m/cm以上減少した時点で固定化処理を終了している。また、付着強度が70%以上である。
これに対して、無機微粒子とコア粒子を均一に混合して得られた混合粉体の比表面積を基準として、0.2m/cm以上減少した時点で固定化処理を終了し、かつ付着強度が70%以上の複合コア粒子2j及び2kを用いて製造されたトナー2J及び2Kは、TMA、カブリ、帯電量において目標基準値を満たすことができなかった。
これには、トナー2Jは、複合コア粒子2jに固定した無機微粒子の粒径が7nmより小さいため、これよりも平均粒径の大きい外添剤が無機微粒子の上からトナー表面に埋没することを抑制することができなくなったためであると考えられた。
また、トナー2Kは、無機微粒子の被覆率が90%を下回る80%である複合コア粒子に添加した外添剤が、無機微粒子が存在しない領域において、埋没したため、外添剤の機能が低下したことが考えられた。
一方、比表面積が、0.2m/cm以上減少しない時点で固定化処理を終了して得られた複合コア粒子2gを用いて製造されたトナー2Gは、OD及び帯電量は良好であったが、TMAやカブリにおいて、目標基準値を満たさなかった。これには、上記のような製造条件により、十分な付着強度が得られなかったため、連続印刷中に、固定化処理された無機微粒子がコア粒子から離脱した。その結果、離脱領域がコア粒子の表面に露出し、外添剤が埋没しやすくなったためであると考えられた。
また、被覆率が大きく、十分な付着強度を有さない複合コア粒子2hを用いて製造された、トナー2Hは、全ての評価項目において、目標基準値を満たさなかった。これには、上記のような製造条件により、十分な付着強度が得られなかったため、連続印刷中に、固定化処理された無機微粒子がコア粒子から離脱した。その結果、離脱領域がコア粒子の表面に露出し、外添剤が埋没しやすくなったためであると考えられた。
さらに、粒径が大きな無機微粒子を用いて得られた複合コア粒子2iを用いて製造されたトナー2Iもまた、TMA、カブリ、帯電量において、目標基準値を満たさなかった。これには、複合コア粒子が、十分な付着強度を有していないために、連続印刷中に、固定化処理された無機微粒子がコア粒子から離脱した。その結果、離脱領域がコア粒子の表面に露出し、外添剤が埋没しやすくなったためであると考えられた。
また、無機微粒子による被覆率が高く、十分な付着強度を有さない複合コア粒子2lを用いて製造されたトナー2Lは、トナー2Hに比べると、ODが改善されていたが、他の項目において同様に目標基準値を満たさなかった。これは、トナー2Hと同様の理由によると考えられた。
一方、トナー2Aから2Lと現像ローラの溝深さの関係から、以下のことが明らかとなった。
トナー2Bを用いた試験例2及び10を参照すると、トナーの粒径に対して溝深さが小さい試験例10においてTMAとカブリが増大していた。よって、溝部を有する現像ローラにおいて、トナー粒径に対する溝深さを適切に設定することが必要であることが分かる。
すなわち、他の結果を併せて参照すると、本評価においては、現像ローラの溝部の深さをその溝深さをトナーの平均粒径の1.5倍以上、2.5倍以下とすることが好ましい。
よって、高解像度の画像形成を行うために、平均粒径が4μm以上、7μm以下のトナーを用いる場合には、その溝深さを6μm以上、17.5μm以下とすることが好ましいことが分かる。
以上のことから、コア粒子の表面に対して、粒径、被覆率が特定の範囲にある無機微粒子の表面の一部を、特定の状態に埋没させて得られる、一定以上の付着強度を有する複合コア粒子と、外添剤とを含む本発明のトナーは、局所的押圧が発生する現像装置内において、長期使用においても、劣化することなく、安定的な画像を形成することできることが分かる。
また、トナーの粒径に対して溝部の深さを適切に設計しておくことにより、その効果の低減を防ぐことができる。
〈実施例3〉
3.1 着色粒子(コア粒子)の製造
3.1.1 低分子量非晶質ラテックスの調製
二重ジャケット反応器に、400gの低分子量非晶質ポリエステル(重量平均分子量11400、Tg59℃)、600gのメチルエチルケトン、及び100gのイソプロピルアルコールを投入し、約30℃で半月型(semi−moontype)インペラを用いて撹拌しつつ、アンモニア5%水溶液30gを徐々に添加した。次いで、撹拌を続けながら、1,500gの水を20g/分の速度で添加し、乳化液を製造した。製造した乳化液から、減圧蒸留方法により溶剤を除去し、固形分濃度が20%である低分子量非晶質ラテックスを得た。
3.1.2 高分子量非晶質ラテックスの調製
二重ジャケット反応器に、400gの高分子量非晶質ポリエステル(重量平均分子量40300、Tg58℃)、500gのメチルエチルケトン、及び200gのイソプロピルアルコールを投入し、約30℃で半月型インペラを用いて撹拌しつつ、アンモニア5%水溶液30gを徐々に添加した。次いで、撹拌を続けながら、1500gの水を20g/分の速度で添加し、乳化液を製造した。製造した乳化液から、減圧蒸留方法により溶剤を除去し、固形分濃度が20%の高分子量非晶質ラテックスを得た。
3.1.3 結晶性ラテックスの調製
二重ジャケット反応器に、400gの結晶性ポリエステル(重量平均分子量10000、Tm62℃)、300gのメチルエチルケトン、及び100gのイソプロピルアルコールを投入し、約30℃で半月型インペラを用いて撹拌しつつ、アンモニア5%水溶液30gを徐々に添加した。次いで、撹拌を続けながら、2500gの水を20g/分の速度で添加し、乳化液を製造した。製造した乳化液から、減圧蒸留方法により溶剤を除去し、固形分濃度が20%の結晶性ラテックスを得た。
3.1.4 着色分散液の調製
10gの陰イオン性反応性乳化剤(HS−10:第一工業製薬社製)を60gのカーボンブラック(三菱カーボンブラックMA100S:三菱化学社製)と共にミリングバスに入れた。これに、さらに0.8mm以上、1mm以下の径のガラスビードを400g投入し、常温でミリングして着色剤分散液を得た。
3.1.5 着色粒子の作製
反応器に、脱イオン水(764g)、及び上記操作により得られた低分子量非晶質ラテックス(351g)、高分子量非晶質ラテックス(351g)、結晶性ラテックス(112g)を入れ、350rpmで撹拌した。次いで、反応器に、77gの着色分散液及び80gのワックス分散液(SELOSOL P−212:中京油脂社製)を添加した。
続いて、30gの0.3規定の硝酸(0.3mol)及び凝集剤として25gのポリシリカ鉄(PSI−100、水道機工(株))を添加し、均質化器(ホモジナイザ)を利用して撹拌し、1℃/分の速度で50℃まで加熱した。続けて、0.03℃/分の速度で、凝集反応液の温度を上昇させ、凝集反応を継続させ、4μm以上、5μm以下の体積平均粒径を有する一次凝集粒子を得た。
さらに、反応器に、シェル層用として製造した低分子量非晶質ラテックス及び高分子量非晶質ラテックス(1:1重量比)を総量300gで添加し、0.5時間凝集させた。次いで、1規定のNaOH水溶液を添加し、系のpHを7.5以上、9以下に調整した20分後に、系の温度を80℃以上、90℃以下に昇温し、3時間以上、5時間以下で融合(fusing)することにより、5μm以上、7μm以下の体積平均粒径を有する二次凝集粒子を得た。この凝集反応液を、28℃以下に冷やした後、濾過工程を経て、粒子を分離して乾燥し、着色粒子を得た。
3.2 中粒径シリカ(A)の製造
燃焼法で製造した20重量部の平均粒径15nmのシリカ微粉末と、燃焼法で製造した9重量部の平均粒径7nmのシリカ微粉末と、200重量部のメタノールと、100重量部のN,N−ジメチルアセトアミドとを反応容器に添加した。この溶液を撹拌しながら、2規定の塩酸をpHが1.5になるように滴下した。滴下終了後、5重量部のヘキサメチルジシラザンを添加し、100℃1時間加熱撹拌した後、冷却して、シリカ(A1)を得た。
得られたシリカ(A1)は、平均粒径が55nm、真比重が1.8g/cm、BET比表面積が92m/g、仕事関数Φが5.13eVであった。製造条件及び中粒径シリカ(A1)のそれらの物性を表11に示す。
また、シリカ(A1)の製造に用いた、9重量部の平均粒径7nmのシリカ微粉末の添加量を表11に記載の重量部に変更すること以外は、シリカ(A1)の製造方法と同様にして、中粒径シリカ(A2)から(A6)を製造した。得られた中粒径シリカ(A2)から(A6)の物性を併せて表11に示す。
なお、中粒径シリカ(A)の物性について、平均粒径は、走査型電子顕微鏡により得られた画像から任意に選択した100個の粒子を測定し、個数平均粒径として求めた。
また、真比重は、ガス置換法密度測定装置AccupicIII1340(島津製作所社製)を用いて測定した。
BET比表面積は、気体吸着法測定装置(Macsorb HM−model 1201、マウンテック社製)を用いて測定した。
仕事関数は、光電子分光装置AC−2(理研計器社製)を用いて、照射光量500nWで測定した。
Figure 2017116692
3.3 トナーの製造
上記3.1により得られた100重量部の着色粒子に対して、中粒径シリカ(A)として、上記3.2により得られた中粒径シリカ(A1)から(A6)、又は市販のシリカRX50(体積平均粒径40nm、BET比表面積50m/g、真比重2.2g/cm、仕事関数(Φ)5.20eV、日本アエロジル社製)と、小粒径シリカ(B)として、R8200(平均粒径12nm、BET比表面積200m/g、真比重2.2g/cm、仕事関数(Φ)5.15eV、日本アエロジル社製)とを、表12に記載の重量部にて添加した。
また、スペーサーとして1.0重量部のシリカ(X24−9600A−80、体積平均粒径80nm、信越化学社製)を、帯電調整剤として0.5重量部の酸化チタン(JMT150IB、テイカ社製)を添加し、Powder mixer(Model No.KM−LS−2K、KM TECH社製)を用いて、6000rpmで3分間混合し、トナー3Aから3Lを製造した。なお、トナー3Cと、3Iから3L、及び3Qから3Rは、同じ製造方法によるトナーである。
Figure 2017116692
3.4 トナー3Aから3Uの評価
上記のようにして得られたトナーについて、カブリ、濃度ムラの評価を行った。
3.4.1 画像形成装置
トナーの評価は、市販の画像形成装置(Dell5330dn(DELL社製))の現像ローラ、トナー規制ブレード、トナー供給ローラを以下の部材に交換したものを用いて行った。また、螺旋状の溝部の深さ及び凹部の幅を表13に記載のように加工した。
現像ローラは、炭素鋼丸棒からなる円柱状ローラ基材をダイスによる転造で得られた転造ローラをNi−P無電解めっきしたもの(材質:アルミニウム、表面形状:らせん溝、Roll径:φ16mm)を用いた。
トナー規制ブレードは、先端形状の曲げ加工を施していないもの(材質:SUS304HTA、板厚:0.08mm、突出量:2mm、当接圧2.4gf/mm)を用いた。
トナー供給ローラは、発泡体からなる円柱形状のもの(材質:ウレタンフォーム、外径:φ13、硬度:50Ask−F)を用いた。
3.4.2 評価方法
トナー3Aから3Uの性能について、表13に記載の種々の組合せで上記3.4.1に記載の画像形成装置を用いて、1%印字画像面積チャートを2000枚ランニング出力し、得られた画像について、以下に示す基準により、カブリ及び画像濃度ムラ、並びに総合評価を行った。
(カブリの評価)
0%印字画像面積チャートを印刷中に停止させ、現像後の感光体ドラムのトナーをスコッチテープ(住友スリーエム社製)で転写し、白紙に貼り付けたものの濃度を反射濃度計(x−rite eXact、エックスライト社製)で測定し、スコッチテープを白紙に貼り付けたものとの濃度差をカブリとした。評価基準は次の通りとした。
「G」(Good:良好):0.02以下
「NB」(Not Bad:可):0.03
「B」(Bad:不良):0.04以上
(画像濃度ムラの評価)
画像の上部、中部、下部からそれぞれ3ヵ所、計9ヵ所の位置の画像濃度を反射濃度計で測定し、その最大値と最小値の差を画像濃度ムラとした。評価基準は次の通りとした。
「G」(Good:良好):0.10以下
「NB」(Not Bad:可):0.11以上、0.15以下
「B」(Bad:不良):0.16以上
(総合評価)
総合評価の評価基準は次の通りとした。
「G」(Good:良好):カブリ及び画像濃度ムラの評価がいずれもG
「NB」(Not Bad:可):カブリ若しくは画像濃度ムラの評価のうち少なくとも一方がNB
「B」(Bad:不良):カブリ若しくは画像濃度ムラの評価の少なくとも一方がB
3.4.3 評価結果
トナー3Aから3Uの評価結果を表13に示す。
Figure 2017116692
試験例3S及び3Tを参照すると、中粒径シリカ(A)の粒径が40nm又は41nm、小粒径シリカ(B)の粒径が12nm、中粒径シリカ(A)の仕事関数が小粒径シリカ(B)の仕事関数よりもやや高く、Da×Saが5000を下回るほど小さい場合、画像形成が不良であった。
また、試験例3Uを参照すると、中粒径シリカの粒径が56nm、小粒径シリカ(B)の粒径が12nmであり、中粒径シリカ(A)の仕事関数が小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さい場合であっても、Da×Sa10000を超える程度に大きいと、画像形成が不良であった。
一方、試験例3Sから3Uに対して試験例3Aから3Dを参照すると、中粒径シリカの個数平均粒径Daと比表面積Saが(式1)5000≦Da(nm)×Sa(m/g)≦10000を満たすことで、カブリ及び画像濃度ムラが改善された。
中粒径シリカA3を用いて製造されたトナーを用いた試験例3C、3Eから3H、及び3Mから3Pを参照すると、着色粒子に対する中粒径シリカ(A)の表面被覆率Paと、着色粒子に対する小粒径シリカ(B)の表面被覆率Paとが、(式2)120%≦Pa+Pb≦140%、及び(式3)1.5≦P(B)/P(A)≦3の両方を満たすことで、カブリ及び画像濃度ムラの発生がなく、画像形成が良好であった。なお、(式1)を満たさない場合と比べると、(式2)又は(式3)のいずれかを満たさない試験例3Mから3Pにおける画像形成は、使用に耐えるものであった。
試験例3Cに対して、3Kから3L、3Qから3Rを参照すると、螺旋状の溝部の深さが、トナーの粒径に対して、1.6倍以上、3倍(すなわち、約1.5倍以上、3倍以下)であると、画像濃度ムラの発生がなく、画像形成が良好であることが分かる。また、螺旋状の溝部の深さが、トナーの粒径に対して1.1倍程度まで小さいか、又は3.6倍程度まで大きいと、使用に耐えるものではあったが、それらの画像形成における評価が下がるものであった。
また、試験例3Cに対して、3Iから3J、3Qから3Rを参照すると、螺旋状の溝部の凹部の幅が70μm以上、190μm以下程度であると、画像濃度ムラの発生がなく、画像形成が良好であることが分かる。また螺旋状の溝部の凹部の幅が、50μm程度まで小さいか、又は220μmまで大きい場合、使用に耐えるものではあるが、それらの画像形成における評価が下がるものであったことが分かる。
以上のことから、着色粒子と、平均粒径が20nm以上、60nm以下の中粒径シリカ(A)と、平均粒径が5nm以上、15nm以下の小粒径シリカ(B)とを含有し、中粒径シリカ(A)の平均粒径(Ra)と比表面積(Sa)が以下の(式1)5000≦Da×Sa≦10000の関係を満たし、かつ中粒径シリカ(A)の仕事関数が、小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さいトナーを用いることにより、長期使用においても、カブリ、濃度ムラを抑制し、安定的な画像形成を行うことができることが明らかとなった。
特に、中粒径シリカと小粒径シリカの被覆率が、(式2)120%≦Pa+Pb≦140%及び(式3)1.5≦Pb/Pa≦3を満たすことにより、安定的に良好な画像形成を行うことができる。具体的には、1%印字画像面積チャートを2000枚印刷後のカブリを0.02以下に、画像濃度ムラを0.10以下に抑えることができた。
また、本評価においては、トナー粒径に対する溝深さを適切に設定することにより、本発明の効果の低減を回避することができることが分かった。すなわち、本評価においては、現像ローラの溝部の深さをその溝深さをトナーの平均粒径の1.5倍以上、3倍以下とすることが好ましい。よって、高解像度の画像形成を行うために、平均粒径が4μm以上、7μm以下のトナーを用いる場合には、その溝深さを6μm以上、21μm以下とすることが好ましい。
100…現像装置、
102…現像ローラ、102a…トナー担持面、
104…トナー規制部材、104a…トナー規制ブレード、105…弾性当接体、
106…トナー供給部材、106a…トナー供給ローラ、
108…トナー撹拌搬送部材、
110…ハウジング、110a…開口部、
130…トナー収容室、
135…搬送部材、
140…区画壁、
150…現像室、
160…トナー貯留部、
165…撹拌部材、
200…画像形成装置、
202…帯電部、
204…感光体、204a…感光体ドラム、
210…筐体、
502…凹部、
504…凸部、
510、510a、510b…凹部の底辺、
512、512a、512b…凹部の斜辺、
520、520a、520b…溝深さ、
522、522a、522b…凹部の幅、
524、524a、524b、凸部の幅、
801、802…ダイス、803…ローラ基材、
810…溝部Aの凹部、820…溝部Bの凹部、830…凸部、
T…トナー、
E…突出し量、I…侵入量、S…始点、V…頂点。

Claims (25)

  1. トナーを担持する螺旋状の溝部が設けられた金属製の現像ローラと、
    前記トナーを前記現像ローラの溝部に供給するトナー規制部材とを備え、
    前記螺旋状の溝部の方向軸と現像ローラの回転方向軸がなす鈍角(θ1)が、125°<θ1<160°であることを特徴とする、一成分現像装置。
  2. 前記溝部の凹部の幅が、90μm以上、150μm以下、前記溝部の凸部の幅は、30μm以上、100μm以下である、請求項1に記載の一成分現像装置。
  3. 前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の1.5倍以上、3倍以下である、請求項1又は2に記載の一成分現像装置。
  4. 前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の1.5倍以上、2.5倍以下であることを特徴とする、請求項3に記載の一成分現像装置。
  5. 前記鈍角θ1が、140°≦θ1<160°であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の一成分現像装置。
  6. 前記鈍角θ1と、前記回転方向軸線上における前記溝部の凹部の底辺と斜辺とがなす角度(θ2)とが、
    125°<θ2<θ1<160°の関係を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の一成分現像装置。
  7. 前記溝部の深さが、前記トナーの平均粒径の2倍以上であることを特徴とする、請求項6に記載の一成分現像装置。
  8. 二方向の前記螺旋状の溝部を備え、前記二方向の溝部の方向軸が交差してなす劣角が、40°以上、110°以下であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の一成分現像装置。
  9. 前記溝部の底面の高さのばらつきが、1μm以下であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の一成分現像装置。
  10. 前記溝部が、螺旋状の凸部及び凹部を有する型で押圧成形されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の一成分現像装置。
  11. 前記押圧成形が、精密転造加工であることを特徴とする、請求項10に記載の一成分現像装置。
  12. 前記現像ローラの表面の摩擦係数が、0.2以下であることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の一成分現像装置。
  13. 前記現像ローラの最表層が無電解めっき層であり、前記無電解めっき層は、ニッケル及びボロンを含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の一成分現像装置。
  14. 前記金属製の現像ローラが、炭素鋼製、快削鋼製、又はアルミニウム製であることを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の一成分現像装置。
  15. 前記トナー規制部材が、金属製のトナー規制ブレードであることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の一成分現像装置。
  16. 前記金属製のトナー規制ブレードが、ステンレス製であることを特徴とする、請求項15に記載の一成分現像装置。
  17. 前記金属製のトナー規制ブレードの厚みが、0.08mmであることを特徴とする、請求項15又は16に記載の一成分現像装置。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の一成分現像装置を備える、プロセスカートリッジ。
  19. 請求項1から17のいずれかに記載の一成分現像装置を備える、画像形成装置。
  20. 請求項15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーであって、
    前記トナーは、無機微粒子及びコア粒子を含む複合コア粒子と、外添剤とを含み、
    前記無機微粒子の平均粒径は7nm以上、40nm以下、かつ前記コア粒子に対する前記無機微粒子の被覆率が90%以上、120%以下であり、
    前記無機微粒子の表面の一部は、前記コア粒子の表面に埋没して固定され、
    前記複合コア粒子の比表面積は、前記無機微粒子と前記コア粒子の混合粉体の比表面積よりも0.200m/g以上、0.245m/g以下の範囲で小さく、
    前記コア粒子に対する前記無機微粒子の付着強度が70パーセント以上、95パーセント以下であることを特徴とする、トナー。
  21. 請求項15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーであって、
    結着樹脂と着色剤と離型剤とを含む着色粒子と、
    前記着色粒子の表面に付着したシリカ微粒子とを備え、
    前記シリカ微粒子は、平均粒径が20nm以上、60nm以下の中粒径シリカ(A)と、平均粒径が5nm以上、15nm以下の小粒径シリカ(B)を含有し、
    前記中粒径シリカ(A)の平均粒径(Da)と比表面積(Sa)が以下の式(1)の関係を満たし、
    前記中粒径シリカ(A)の仕事関数が、前記小粒径シリカ(B)の仕事関数よりも小さいことを特徴とする、トナー。
    5000≦Da(nm)×Sa(m/g)≦10000・・・(1)
  22. 前記中粒径シリカ(A)の前記着色粒子に対する被覆率Pa(%)と前記小粒径シリカ(B)の前記着色粒子に対する被覆率Pb(%)とが以下の式(2)及び(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項21に記載のトナー。
    120%≦Pa+Pb≦140%・・・(2)
    1.5≦Pb/Pa≦3・・・(3)
  23. 前記被覆率の算出に用いられる真比重はガス置換法により測定され、かつ比表面積は気体吸着法により測定されることを特徴とする、請求項20又は22に記載のトナー。
  24. 請求項15から17のいずれかに記載の一成分現像装置に使用されるトナーの製造方法であって、
    コア粒子に対して被覆率が90%以上、120%以下となるように平均粒径が7nm以上、40nm以下の無機微粒子を準備する工程、
    前記コア粒子と前記無機微粒子を混合して、混合粉体を得る工程、
    前記無機微粒子の表面の一部を、前記コア粒子の表面に埋没させることにより、複合コア粒子を得る表面固定化処理工程、
    前記複合コア粒子に外添剤を処理する工程、を包含し、
    前記表面固定化処理工程は、前記混合粉体の比表面積を基準として、比表面積が0.2m/g以上減少した時点で終了する工程である、
    トナーの製造方法。
  25. 請求項24に記載の製造方法により得られる、トナー。
JP2015251129A 2015-12-24 2015-12-24 一成分現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置、並びにトナー及びその製造方法。 Pending JP2017116692A (ja)

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