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JP2017111954A - 金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、正極複合体の製造方法、電池、および電池の製造方法 - Google Patents

金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、正極複合体の製造方法、電池、および電池の製造方法 Download PDF

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JP2017111954A JP2015244925A JP2015244925A JP2017111954A JP 2017111954 A JP2017111954 A JP 2017111954A JP 2015244925 A JP2015244925 A JP 2015244925A JP 2015244925 A JP2015244925 A JP 2015244925A JP 2017111954 A JP2017111954 A JP 2017111954A
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Abstract

【課題】正極活物質層と固体電解質層との密着性を確保するとともに、双方の材料の選択範囲を拡大する金属酸化物成膜用組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の金属酸化物成膜用組成物は、正極活物質2bの表面に金属酸化物膜5を形成するための、金属酸化物成膜用組成物であって、金属アルコキシド化合物と、アルカノールアミン化合物と、ホルムアミド化合物と、溶剤とを含むことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、正極複合体の製造方法、電池、および電池の製造方法に関する。
従来、正極活物質層を有する正極と、負極と、正極活物質層および負極の間に固体電解質層と、を有する全固体二次電池が知られていた。
例えば、特許文献1には、特定の粒子径を有する固体電解質粒子を用いることにより、固体電解質層を薄層化して内部抵抗を低減した全固体二次電池が提案されている。
WO2011/105574号公報
しかしながら、特許文献1に記載の全固体二次電池では、正極活物質層と固体電解質層との接触面積を拡大させると、十分な層間の密着性を確保しにくいという課題があった。詳しくは、正極活物質層上に、固体電解質粒子および結着剤などを含む固体電解質用スラリー組成物物質層と固体電解質層とが強固に密着するとは限らなかった。これにより、正極活物質層と固体電解質層との導通が阻害される場合があり、電池容量が低下するおそれがあった。
また、正極活物質を構成する正極活物質の結晶表面に、固体電解質の結晶を成長させて固体電解質層を形成する場合、正極活物質および固体電解質の結晶の格子不整合が起こりやすく、双方の材料の選択が制限されるという課題もあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る金属酸化物成膜用組成物は、活物質の表面に金属酸化物を形成するための、金属酸化物成膜用組成物であって、金属アルコキシド化合物と、アルカノールアミン化合物と、ホルムアミド化合物と、溶剤と、を含むことを特徴とする。
本適用例に係る金属酸化物成膜用組成物を用いれば、活物質の表面に均一な金属酸化物の膜が形成されるため、活物質層と固体電解質層との密着性を向上させることができる。詳しくは、アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物を併用することにより、活物質に対する金属酸化物成膜用組成物の濡れ性が向上して、活物質の表面がむらなく被覆される。そのため、金属酸化物成膜用組成物を高温下で焼成しても亀裂や破裂の発生が抑えられ、均質な金属酸化物の膜が活物質の表面に形成される。この金属酸化物の膜が、活物質層と固体電解質層との間の緩衝層として機能することで、双方の間に隙間が発生することを抑え、密着性が向上する。これにより、例えば、正極活物質層と固体電解質層との密着性を確保した上で、双方の接触面積を拡大することができる。
また、正極活物質層と固体電解質層との間に、金属酸化物の膜を緩衝層として形成することにより、双方を構成する結晶において、格子不整合の発生を抑制することができる。そのため、正極活物質および固体電解質の材料選択の範囲を広げることができる。
上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物においては、金属アルコキシド化合物を1としたときのmol比が、アルカノールアミン化合物は0.5以上、3.0以下、ホルムアミド化合物は0.5以上、3.0以下であることが好ましい。
これによれば、活物質の表面を被覆する金属酸化物の膜の均一性がより向上し、高温下での焼成による亀裂や破裂の発生をより抑制することができる。
上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物においては、金属酸化物の膜として、ZrO2、LiNbO3、Al23、Li2ZrO3、Li3PO4、Li3BO3、Li3SbO3から選ばれる、少なくとも1種を形成するための金属アルコキシド化合物を含むことが好ましい。
これによれば、金属酸化物の膜と固体電解質層との化学的な結合力がより向上するため、活物質層と固体電解質層との密着性をより向上させることができる。
上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物においては、金属アルコキシド化合物が、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、メトキシリチウム、エトキシリチウム、i−プロポキシリチウム、n−プロポキシリチウム、i−ブトキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリチウム、2−ブトキシエトキシリチウム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−i−ブトキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−t−ブトキシアルミニウム、ペンタメトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタ−i−プロポキシニオブ、ペンタ−n−プロポキシニオブ、ペンタ−i−ブトキシニオブ、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタ−sec−ブトキシニオブ、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−i−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリメトキシアンチモン、トリエトキシアンチモン、トリ−i−プロポキシアンチモン、トリ−n−プロポキシアンチモン、トリ−i−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブトキシアンチモンから選ばれる、少なくとも1種を含むことが好ましい。
これによれば、金属酸化物の膜と固体電解質層との化学的な結合力がより一層向上するため、活物質層と固体電解質層との密着性をより一層向上させることができる。
上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物においては、アルカノールアミン化合物が、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノノルマルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノノルマルブタノールアミン、モノ−2−ヒドロキシブチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−2−ヒドロキシブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン、メチルジメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンから選ばれる、少なくとも1種を含むことが好ましい。
これによれば、活物質表面への金属酸化物成膜用組成物の濡れ性がより向上し、高温下での焼成による亀裂や破裂の発生をより抑制することができる。
上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物においては、ホルムアミド化合物が、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる、少なくとも1種を含むことが好ましい。
これによれば、活物質表面への金属酸化物成膜用組成物の濡れ性がより一層向上し、高温下での焼成による亀裂や破裂の発生をより一層抑制することができる。
[適用例]本適用例に係る正極複合体は、正極活物質層と固体電解質層とが複合化された正極複合体であって、以上に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、正極活物質層と固体電解質層との間に形成された、金属酸化物の膜を有することを特徴とする。
本適用例によれば、金属酸化物の膜が緩衝層として作用するため、正極活物質層と固体電解質層との密着性が向上する。したがって、正極活物質層と固体電解質層との間の隙間の発生を抑制して、双方の接触面積を拡大することができる。
[適用例]本適用例に係る正極複合体の製造方法は、正極活物質層と固体電解質層とが複合化された正極複合体の製造方法であって、上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、正極活物質層に金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、塗布された金属酸化物成膜用組成物を固化して、正極活物質層の表面に金属酸化物の膜を形成する工程と、金属酸化物の膜が形成された正極活物質層と、固体電解質層とを複合化して正極複合体を形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、正極活物質層と固体電解質層との密着性が確保され、双方の接触面積を拡大可能な正極複合体を製造することができる。
上記適用例に記載の正極複合体の製造方法は、500℃以上の温度で、金属酸化物成膜用組成物を固化することが好ましい。
これによれば、金属酸化物成膜用組成物に含まれる有機物を、熱分解させるため、より純度の高く均質な金属酸化物の膜が形成される。これにより、正極活物質層と固体電解質層との密着性をさらに向上させることができる。
[適用例]本適用例に係る電池は、以上に記載の正極複合体と負極と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、正極活物質層と固体電解質層との密着性を確保した上で、双方の接触面積を拡大可能であるため、電池の高容量化と電池特性を安定化できる。
[適用例]本適用例に係る電池の製造方法は、正極活物質層および固体電解質層が複合化された正極複合体と、負極活物質層を含む負極とを有する電池の製造方法であって、上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、正極活物質層の表面に金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、塗布された金属酸化物成膜用組成物を固化して、正極活物質層の表面に金属酸化物の膜を形成する工程と、金属酸化物の膜が形成された正極活物質層と、固体電解質層とを複合化して正極複合体を形成する工程と、正極複合体と負極とを接合する工程と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、正極活物質層と固体電解質層との密着性を確保した上で、双方の接触面積を拡大可能であることから、高容量で電池特性が安定した電池を製造することができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法は、正極活物質層と、固体電解質層と、固体電解質層から露出する正極活物質層に接する集電体と、を有する電池の製造方法であって、正極活物質とバインダーとを含む混合物を、850℃以上、正極活物質の融点未満の温度条件で熱処理し、多孔質の正極活物質層を得る工程と、多孔質の正極活物質層に、上記適用例に記載の金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、塗布された金属酸化物成膜用組成物を固化して、多孔質の正極活物質層の細孔の内部を含む表面に金属酸化物の膜を形成する工程と、正極活物質層の表面に、固体電解質層の形成材料を含む液状体を塗布して熱処理し、固体電解質層を形成する工程と、を備えていることを特徴とする。
これによれば、形成される正極活物質層が良好な導電性を有すると共に、正極活物質層を覆う金属酸化物の膜の表面に、固体電解質層を容易に形成することができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法は、500℃以上の温度で、金属酸化物成膜用組成物を固化することが好ましい。
これによれば、金属酸化物成膜用組成物に含まれる有機物が熱分解されるため、より純度が高く均質な金属酸化物の膜が形成される。これにより、正極活物質層と固体電解質層との密着性をさらに向上させることができる。
実施形態1に係るリチウム電池の構成を示す概略斜視図。 実施形態2に係る正極複合体の構成を示す概略断面図。 実施形態4に係る正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の製造方法を示す概略断面図。 正極複合体の細部構造を示す模式図。 各実施例および各比較例における金属酸化物成膜用組成物の組成を示す図表。 各実施例および各比較例の評価結果を示す図表。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<全固体二次電池の構成>
本実施形態に係る電池としての全固体二次電池について、図1を参照して説明する。本実施形態では、正極複合体と負極活物質層を含む負極とを有する全固体二次電池として、リチウム電池を例に挙げて説明する。図1は実施形態1に係るリチウム電池の構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウム電池100は、正極複合体10、負極30、正極複合体10と負極30との間に設けられた耐リチウム還元性を有する固体電解質層20を備えている。また、正極複合体10が耐リチウム還元性を有する固体電解質層20に接する面と反対側の面に設けられた集電体41、負極30が耐リチウム還元性を有する固体電解質層20に接する面と反対側の面に設けられた集電体42を備えている。つまり、リチウム電池100は、正極複合体10、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20、負極30からなる積層体に集電体41,42を設けたものである。
リチウム電池100は、例えば円盤状であって、外形の大きさは例えばφ10mm、厚さは例えば0.08mmである。小型、薄型であることに加え、充放電可能であって大きな出力エネルギーが得られることから、携帯情報端末などの電源として好適に用いることができる。なお、リチウム電池100の形状は円盤状であることに限定されず、例えば多角形の盤状であってもよい。
正極複合体10は、本発明の正極複合体の一例であって、活物質としての正極活物質層と、正極活物質層に接し、イオン伝導性固体を含む固体電解質層とを備えている。正極複合体10の詳しい構成および製造方法については後述するが、正極活物質層において、固体電解質層との密着性を確保するために、正極活物質の表面には金属酸化物の膜が形成されている。
耐リチウム還元性を有する固体電解質層20は、正極複合体10と負極30との間に設けられ、これらの電極間の電気的な絶縁を保ちつつ、リチウムイオンの伝導を媒介する固体電解質層である。固体電解質層を形成する固体電解質としては、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、Li3.40.6Si0.44、Li14ZnGe416、Li3.60.4Ge0.64、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li2.88PO3.730.14、LiNbO3、Li0.35La0.55TiO3、Li7La3Zr212、Li6.75La3Zr1.75Nb0.2512、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−P25、LiPON、Li3N、LiI、LiI−CaI2、LiI−CaO、LiAlCl4、LiAlF4、LiI−Al23、LiF−Al23、LiBr−Al23、Li2O−TiO2、La23−Li2O−TiO2、Li3N、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li3N−LiCl、Li6NBr3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、LiSiO4−Li4ZrO4、LiB4、Li7-xPS6-xClx、Li10GeP212、Li3BO3、Li2-x1-xx3などの酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物あるいはそれらの部分置換体の結晶質、非晶質および部分結晶化ガラスのいずれも好適に用いられる。また、これらの化合物の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体も、固体電解質として用いてもよい。さらには、上記のような固体電解質を2種以上含むこともできる。
耐リチウム還元性を有する固体電解質層20の厚さは、およそ50nmから100μm程度が好ましいが、材料特性や設計により所望の値とすることができる。また、形成した耐リチウム還元性を有する固体電解質層20の負極30側の面に、必要に応じて各種成形法、加工法を組み合わせて、トレンチ、グレーチング、ピラーなどの凹凸構造を設けることもできる。さらに、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20は、1層だけではなく、結晶質で形成された層の表面に、例えば短絡を防ぐ目的でガラス電解質層を形成するなど、多層化された構造としてもよい。
負極30としては、例えば、シリコン−マンガン合金(Si−Mn)、シリコン−コバルト合金(Si−Co)、シリコン−ニッケル合金(Si−Ni)、五酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタン(TiO2)、酸化インジウム(In23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化ニッケル(NiO)、錫(Sn)が添加された酸化インジウム(ITO)、アルミニウム(Al)が添加された酸化亜鉛(AZO)、ガリウム(Ga)が添加された酸化亜鉛(GZO)、アンチモン(Sb)が添加された酸化錫(ATO)、フッ素(F)が添加された酸化錫(FTO)、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオン挿入された物質、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512,Li2Ti37などのリチウム複合酸化物、Li金属などが挙げられる。
負極30の厚さは、およそ50nmから100μm程度が好ましいが、所望の電池容量や材料特性に応じて任意に設計することができる。
集電体41,42は、正極複合体10または負極30と電気化学反応を生じず、且つ電子伝導性を有している材料であれば、いずれも好適に用いることができる。一例としては、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、上記群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む合金、ITO、ATO、およびFTOなどの導電性金属酸化物、TiN(窒化チタン)、ZrN(窒化ジルコニウム)、TaN(窒化タンタル)などの金属窒化物などが挙げられる。
また、集電体41,42の形態は、電子伝導性を有する上記材料の薄膜の他、金属箔、板状、導電体微粉末を粘結剤とともに混練したペーストなど、目的に応じて適当なものが選択可能である。集電体41,42は必要に応じて形成されるが、例えば導電性の基板上に電極層を複合化する場合などでは、必ずしも正極複合体10および負極30の双方の側に形成する必要はない。集電体41,42の形成は、正極複合体10、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20、負極30の積層体を形成した後であっても、あるいは上記積層体を形成する前であってもよい。
(実施形態2)
<正極複合体10>
本実施形態のリチウム電池の正極複合体について、図2を参照して説明する。図2は、実施形態2に係る正極の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図2は、図1のリチウム電池100における厚み方向に沿った正極複合体10の断面図である。
図2に示すように、本実施形態の正極複合体10は、正極活物質層2、固体電解質層3、金属酸化物の膜としての金属酸化物膜5(図4参照)を備えている。金属酸化物膜5は、正極活物質層2と固体電解質層3との間に形成されている。そのため、正極活物質層2と固体電解質層3とは、金属酸化物膜5を介して接している。なお、ここでは正極複合体10に加えて、集電体41についても説明する。
正極活物質層2は、複数の正極活物質2b(図4参照)の粒子の集合体で構成されている。正極活物質2b同士の間には空隙があるため、正極活物質層2は上記空隙(細孔)を有する多孔質を形成している。正極活物質層2の細孔(正極活物質2bの粒子間の空隙)を埋めるように充填された固体電解質によって、固体電解質層3が構成されている。正極活物質2bの材料、すなわち正極活物質層2の形成材料としては、例えば、リチウム複合酸化物を採用できる。リチウム複合酸化物とは、リチウムを含み、且つ全体として2種以上の金属元素を含む酸化物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものを指している。
リチウム複合酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、LiFeF3、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、本発明においては、これらのリチウム複合酸化物の結晶内の一部原子が他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体もリチウム複合酸化物に含むものとし、これらの固溶体も正極活物質2bとして用いることができる。
正極活物質層2は、空隙率が10%以上、50%以下であることが好ましい。正極活物質層2がこのような空隙率を有することによって、正極活物質層2の細孔内の表面積を広げることが可能になり、正極複合体10を用いたリチウム電池100を従来よりも高容量化しやすくなる。
上記の空隙率をa(%)、正極活物質層2の細孔も含めた見かけ体積をv、正極活物質層2の質量をw、正極活物質2bの密度をρとすると、以下の式(1)が成り立つ。
式(1) a={1−w/(v・ρ)}×100
これにより空隙率を求めることができる。
固体電解質層3は、イオン伝導性固体(固体電解質)を用いて形成されている。固体電解質としては、上述した耐リチウム還元性を有する固体電解質層20と同様な材料を用いることができる。
図4に示すように、正極活物質層2(正極活物質2b)の表面には、金属酸化物膜5が形成されている。このため、上述したように、正極活物質層2と固体電解質層3との間には金属酸化物膜5が介在している。つまり、正極活物質層2と固体電解質層3とは、緩衝層としての金属酸化物膜5を挟んで接触している。正極活物質2b表面における金属酸化物膜5の厚さは、20nm以上、120nm以下であることが好ましい。金属酸化物膜5の厚さを20nm以上とすることにより、正極活物質2bの成分、例えばCoなどが、膜を透過しにくくなり、副生成物の形成が抑えられる。また、上記の厚さを120nm以下とすることにより、金属酸化物膜5を形成することに伴う導電抵抗の上昇が抑制される。
上述したように、正極活物質層2の周囲および細孔内には、固体電解質層3が存在している。そのため、正極活物質層2は、金属酸化物膜5を介して固体電解質層3との間で電荷移動が可能となっている。これによって、正極活物質層2が多孔質でない場合に比べ、電荷移動が可能な面積が増大して界面インピーダンスが低減され、電荷移動が容易となる。
金属酸化物膜5としては、例えば、ZrO2、LiNbO3、Al23、Li2ZrO3、Li3PO4、Li3BO3、Li3SbO3などが挙げられる。これらのうち、膜の均質さや成膜性から、ZrO2、Li3ZrO3を用いることがより好ましい。
図2に示すように、集電体41は、正極複合体10の一面4a側において、固体電解質層3から露出する正極活物質層2に接して設けられている。これに対し、固体電解質層3は、正極活物質層2の細孔内まで到達して、正極活物質層2の周囲および細孔内において、金属酸化物膜5を介して正極活物質層2と接している。ここで、正極活物質層2と固体電解質層3との間における、金属酸化物膜5を介した接触も、以降、単に接触という。
このような構造の正極複合体10については、集電体41と正極活物質層2とが接触する面積(第1の接触面積)より、正極活物質層2と固体電解質層3とが接触する面積(第2の接触面積)の方が大きくなる。第2の接触面積が第1の接触面積より大きいことから、正極活物質層2と固体電解質層3との接触面積が電荷移動のボトルネックとなりにくい。そのため、正極複合体10として良好な電荷移動を確保しやすく、リチウム電池100の容量の向上や高出力化が可能になる。
ここで、正極複合体10において、集電体41の一面4aから正極活物質層2を経て法線方向に遠ざかる方向を上方向とする。このとき、固体電解質層3の上側の表面3aは、正極活物質層2の上端位置2aよりも上方に位置する。すなわち、固体電解質層3は、正極活物質層2の上端位置2aよりも上方まで形成されている。そのため、表面3aに電極(負極)を設けてリチウム電池100を作製する場合、集電体41と表面3aに設けた電極とが正極活物質層2によって接続されることがなく、短絡を防ぐことができる。
(実施形態3)
<金属酸化物成膜用組成物>
次に、正極活物質層2の表面に、金属酸化物膜5を形成するための金属酸化物成膜用組成物について説明する。
本実施形態の金属酸化物成膜用組成物は、金属アルコキシド化合物、アルカノールアミン化合物、ホルムアミド化合物、溶剤を含んでいる。これらの成分のうち、金属アルコキシドは、ゾル・ゲル法によって金属酸化物膜5を形成する原材料である。アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物は、併用することによって、正極活物質2bに対する金属酸化物成膜用組成物の濡れ性を向上させる機能を有している。これにより、金属酸化物膜5を製造する焼成工程において亀裂や破裂の発生を抑制するとともに、金属酸化物膜5の連続した膜を形成することができる。また、溶剤は、金属酸化物成膜用組成物の他の成分を溶解または均一に分散し、均質な金属酸化物膜5の形成に寄与する。
金属酸化物成膜用組成物における上記成分の組成比は、金属アルコキシド化合物1としたときのmol比が、アルカノールアミン化合物が0.5以上、3.0以下、ホルムアミド化合物が0.5以上、3.0以下であることが好ましい。組成比を上記の範囲とすることにより、亀裂や破裂の発生を抑え、均質で連続した金属酸化物膜5の薄膜を形成することができる。また、溶剤は、形成する金属酸化物膜5の厚さに応じて配合量(組成比)を調整することが可能である。
金属アルコキシド化合物としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、メトキシリチウム、エトキシリチウム、i−プロポキシリチウム、n−プロポキシリチウム、i−ブトキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリチウム、2−ブトキシエトキシリチウム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−i−ブトキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−t−ブトキシアルミニウム、ペンタメトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタ−i−プロポキシニオブ、ペンタ−n−プロポキシニオブ、ペンタ−i−ブトキシニオブ、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタ−sec−ブトキシニオブ、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−i−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリメトキシアンチモン、トリエトキシアンチモン、トリ−i−プロポキシアンチモン、トリ−n−プロポキシアンチモン、トリ−i−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブトキシアンチモンなどが挙げられ、この群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
アルカノールアミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノノルマルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノノルマルブタノールアミン、モノ−2−ヒドロキシブチルアミンなどの1級アルカノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−2−ヒドロキシブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミンなどの2級アルカノールアミン化合物、メチルジメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどの3級アルカノールアミン化合物などが挙げられ、この群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
ホルムアミド化合物としては、ホルムアミド、N,N,−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、これらの少なくとも1種を用いることができる。
溶剤としては、上述した、アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物以外の非ハロゲン系有機溶剤を用いることができる。溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、2−ブトキシエタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、長鎖アルキル基を置換基として有するベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素類、ピリジン、ピラジンなどの芳香族複素環類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類などが挙げられ、この群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの溶剤は、金属酸化物成膜用組成物に使用する前に、脱水処理を施すことが好ましい。また、吸湿性の低い溶剤を選択することが好ましい。
また、金属酸化物成膜用組成物には、上述した成分に加えて、界面活性剤や消泡剤などの各種添加剤を必要に応じて加えて使用してもよい。
(実施形態4)
<正極複合体の製造方法>
次に、本実施形態の正極複合体の製造方法について、図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図3Fおよび図4を参照して説明する。図3A、図3B、図3C、図3D、図3E、図3Fは、実施形態4に係る正極複合体の製造方法を示す概略断面図である。図4は、正極複合体の細部構造を示す模式図である。
本実施形態の、正極活物質層2と固体電解質層3とが複合化された正極複合体10の製造方法は、上述した金属酸化物成膜用組成物を用いて、正極活物質層2の表面に金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、正極活物質層2の表面に金属酸化物膜5を形成する工程と、金属酸化物膜5が形成された正極活物質層2と、固体電解質層3とを複合化して正極複合体10を形成する工程と、を備えている。
図3Aに示すように、成形型Fを用いて、正極活物質2bを圧縮成形する。このとき、成形性を高めたり、成形物の形状を保持したりするために、正極活物質2bにバインダーを添加してもよい。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリプロピレンカーボネートなどの樹脂を含むものを用いることができる。また、導電性を高めるための導電助剤などを添加してもよい。
次に、図3Bに示すように、成形された正極活物質2bに熱処理を施す。熱処理によって、正極活物質2bの粒界の成長や、焼結が進行するため、正極活物質2bの成形体の形状が保持されやすくなる。そのため、成形時に添加するバインダーの量を低減することができる。また、焼結によって、正極活物質2b同士が接触して結合し、電子の移動経路が形成される。そのため、導電性が向上して導電助剤を削減することができる。
熱処理の温度は、例えば850℃以上であって、正極活物質2bの融点未満の温度が好ましい。これにより、正極活物質2b同士を焼結させて一体化した、多孔質の成形体が得られる。熱処理の温度が850℃未満であると、焼結が十分に進行しないことに加えて、正極活物質2bの結晶内の電子伝導性が低下するため、電池に使用した場合に所望の出力が得られないことがある。
熱処理の温度が正極活物質2bの融点以上であると、正極活物質2bの結晶内のリチウムイオンが過剰に揮発する傾向があり、リチウムイオンの伝導性の低下を招いて正極複合体10の容量を低下させるおそれがある。熱処理の時間は、例えば5分以上、36時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、4時間以上、14時間以下である。
次に、図3Cに示すように、多孔質の正極活物質2bの成形体に、金属酸化物成膜用組成物5Xを塗布する。金属酸化物成膜用組成物5Xは、上述した成分を例えばビーカーなどで混合し均一になるまで撹拌して、別途調製しておく。
金属酸化物成膜用組成物5Xの塗布方法としては、例えば、浸漬、滴下、吹き付け、毛細管現象による浸透、スピンコートなどの手段を用いることが可能であり、これらを組み合わせて実施してもよい。このとき、正極活物質2bの成形体は無数の細孔を有しているため、その細孔の内表面まで、金属酸化物成膜用組成物5Xがむらなく濡れ広がるまで十分に塗布する。本実施形態では、ディスペンサーCを用い、滴下による塗布方法を採用している。
本実施形態においては、金属酸化物成膜用組成物5X中のアルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物の作用により、上記細孔の内表面に対しても、金属酸化物成膜用組成物5Xをむらなく濡れ広がらせることが容易である。
ここで、液相法によって金属酸化物膜5を成膜するため、金属酸化物成膜用組成物5Xの濃度を調整することで、形成する膜の厚さの制御が容易となる。また、液相法によれば、金属酸化物成膜用組成物5Xの塗布を大気中で実施可能であり、その後、単純な加熱によって金属酸化物膜5が形成できる。そのため、気相法と比べて簡便、安価に実施することができる。
次に、金属酸化物成膜用組成物5Xを塗布した正極活物質2bの成形体に、焼成処理を施す。焼成温度は350℃以上、950℃以下とすることが好ましい。焼成温度をこの範囲とすることによって、有機物の熱分解および排除を促進するとともに、正極活物質2b中の成分、例えばCoなどの拡散を抑えることができる。より好ましくは、500℃以上、900℃以下である。これにより、正極活物質2b中の成分の拡散を一層抑えた上で、残存する有機物をより低減し、純度が高く均質な金属酸化物膜5を固化、形成することができる。焼成処理の時間は、例えば5分以上、5時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、10分以上、3時間以下である。
焼成処理によって、金属酸化物成膜用組成物5X中の金属アルコキシド化合物は、大気中の水分を取り込んで加水分解され、ゾル・ゲル反応が進行する。この反応によって、金属アルコキシド化合物から金属酸化物膜5が生成する。金属酸化物成膜用組成物5Xは、正極活物質2bの表面をむらなく被覆しているため、亀裂や破裂が少なく、均質な金属酸化物膜5が正極活物質2bの表面に形成される(図4参照)。
以上により、正極活物質2bの粒子表面や粒子同士が形成する空隙(細孔)の内表面に、金属酸化物膜5が形成された正極活物質2bの成形体(正極活物質層2)が得られる。なお、本実施形態では、正極活物質2bの成形体を作製した後に、金属酸化物膜5を成膜するが、この手順に限定されない。例えば、先に正極活物質2bの表面に金属酸化物膜5を成膜した後、圧縮成形を施して正極活物質層2を作製してもよい。
次に、図3Dに示すように、細孔内部も含めた正極活物質層2の表面に、固体電解質層3の形成材料を含む液状体3Xを塗布する。液状体3Xは、固体電解質層3を形成するための固体電解質や固体電解質の前駆体の他に、それらを可溶な溶剤を含んでいてもよい。液状体3Xが溶剤を含む場合には、液状体3Xを塗布した後、焼成前に適宜上記溶剤を除去すればよい。溶剤の除去には、加熱、減圧、送風など、通常知られた方法の少なくとも1つを採用することができる。
液状体3Xの塗布方法は、上述した金属酸化物成膜用組成物5Xの塗布と同様な方法を採用できる。液状体3Xは流動性を有するため、正極活物質層2の細孔の内部へも到達しやすくなっている。このとき、液状体3Xが、正極活物質層2の細孔内部まで隙間なく充填されるよう塗布する。本実施形態では、ディスペンサーDを用い、滴下による塗布方法を採用している。
固体電解質の前駆体としては、以下の(A),(B),(C),(D)の少なくとも1種を用いることができる。この中で(B)はゾル・ゲル法を用いて固体電解質を形成する場合の前駆体である。
(A)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により固体電解質となる塩を有する組成物。
(B)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含む金属アルコキシド化合物を有する組成物。
(C)固体電解質の微粒子、または固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含む微粒子ゾルを溶剤に分散させた分散液。
(D)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により固体電解質となる塩と金属アルコキシド化合物を有する組成物。
塗布した液状体3Xの焼成は、大気雰囲気下で、上述した正極活物質2bの熱処理温度よりも低い温度で行う。具体的には、300℃以上、700℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。液状体3Xを焼成することによって、固体電解質が生成され、図3Eに示すような、固体電解質層3が得られる。正極複合体10は、図4に示すように、固体電解質層3が正極活物質層2の周囲から細孔内にまで及んで、正極活物質層2と複合化して形成されている。
なお、上記焼成は、1度の処理で実施してもよく、複数回に分割して実施してもよい。分割して処理する場合は、液状体3Xを正極活物質2bの表面に被着させる第1の処理と、第1の処理の温度以上、900℃以下の温度条件で処理する第2の処理とに分割することができる。このように段階的な焼成処理を施すことにより、固体電解質層3を所望の位置に容易に形成することが可能となる。
ここで、正極活物質2bの表面には、金属酸化物膜5が設けられているため、固体電解質層3の形成(結晶成長)において格子不整合が抑制される。詳しくは、正極活物質層2(正極活物質2b)と固体電解質層3との間には、ガラス質状の薄膜として金属酸化物膜5が介在している。そのため、金属酸化物膜5が緩衝層となって、正極活物質2bと固体電解質との格子定数が一致しなくても、格子不整合が起きにくくなる。格子不整合が抑制されるため、固体電解質のエピタキシャル成長(結晶成長)が促進される。これにより、正極活物質2bおよび固体電解質の材料選択において、格子定数に係る制約が低減され、選択肢を増やすことができる。
次に、図3Fに示すように、正極複合体10の一面4aを研磨する。ここで、一面4aは、上述した工程において液状体3Xを滴下した面(表面3a)に対する、反対側の面である。このとき、研磨によって、正極活物質層2を一面4aに確実に露出させる。なお、上述した工程において、一面4aに正極活物質層2が十分に露出している場合は、上記研磨を省略することも可能である。以上の工程を経て正極複合体10(図2参照)が形成される。
(実施形態5)
<全固体二次電池の製造方法>
次に、本実施形態の電池の製造方法について説明する。本実施形態の電池としてのリチウム電池100の製造方法は、上述した正極複合体10の製造工程に加えて、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20を形成する工程、正極複合体10と負極活物質層を含む負極30とを接合する工程(負極形成工程)、集電体を形成する工程を含んでいる。なお、リチウム電池100の製造方法には、上述した正極複合体10の製造工程が含まれるため、重複する工程については説明を省略することとする。
上述した正極複合体10の製造工程に続いて、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20の形成工程へ進む。
耐リチウム還元性を有する固体電解質層20の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う、所謂ゾル・ゲル法や、有機金属熱分解法などの溶液プロセスの他、適切な金属化合物とガス雰囲気を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、融液や溶液を用いたフラックス法など、を用いることができる。また、耐リチウム還元性を有する固体電解質層20の材料としては、上述した固体電解質を採用できる。
次に、負極形成工程へ進む。負極30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う、所謂ゾル・ゲル法や、有機金属熱分解法などの溶液プロセスの他、適切な金属化合物とガス雰囲気を用いたCVD法、ALD法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき、溶射など、を用いることができる。また、負極30の材料としては、上述した負極材料を採用できる。
次に、集電体形成工程へ進む。集電体41,42の形成方法としては、適当な接着層を別途設けて接着する方法、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD法、PLD法、ALD法およびエアロゾルデポジション法などの気相堆積法、ゾル・ゲル法、有機金属熱分解法およびめっきなどの湿式法など、集電体形成面との反応性や電気回路に望まれる電気伝導性、電気回路設計に応じて、適当な方法を用いることができる。また、集電体41,42の材料としては、上述した材料を採用できる。以上の工程を経てリチウム電池100(図1参照)が形成される。
以上に述べたように、上記実施形態に係る金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、正極複合体の製造方法、電池、および電池の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
上記実施形態によれば、正極活物質2bの表面に均一な金属酸化物膜5が形成されるため、正極活物質層2と固体電解質層3との密着性を向上させることができる。詳しくは、アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物を併用することにより、活物質に対する金属酸化物成膜用組成物の濡れ性が向上して、正極活物質2bの表面がむらなく被覆される。そのため、高温下で焼成しても亀裂や破裂の発生が抑えられ、均質な金属酸化物膜5が正極活物質2bの表面に形成される。この金属酸化物膜5が、正極活物質層2と固体電解質層3との間の緩衝層として機能することで、双方の間に隙間が発生することを抑え、密着性が向上する。これにより、正極活物質層2と固体電解質層3との密着性を確保して信頼性を向上させた上で、双方の接触面積を拡大することができる。
また、正極活物質層2と固体電解質層3との間に、金属酸化物膜5を緩衝層として形成することにより、双方を構成する結晶における、格子不整合の発生を抑制することができる。そのため、正極活物質2bおよび固体電解質の材料選択の範囲を広げることができる。
さらに、以上によって信頼性が向上し、電池の高容量化および電池特性の安定化が可能な金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、電池、およびそれらの製造方法を提供することができる。
以下に、上記実施形態の金属酸化物成膜用組成物、正極複合体、正極複合体の製造方法、電池、および電池の製造方法について、実施例と比較例とを示し、図5および図6を参照して、本実施形態の効果をより具体的に説明する。図5は、各実施例および各比較例における金属酸化物成膜用組成物の組成を示す図表である。図5において、表中の数値の単位はgである。図6は、各実施例および各比較例の評価結果を示す図表である。
(実施例1)
<金属酸化物成膜用組成物の調製>
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、金属アルコキシド化合物としてテトラ−n−ブトキシジルコニウム0.3836g、アルカノールアミン化合物としてモノエタノールアミン0.0611g、ホルムアミド化合物としてホルムアミド0.0469g、溶剤として2−ブトキシエタノール9.5084gを、それぞれ秤量して投入した。次に、マグネチックスターラーを用いて、室温下で上記試薬瓶に投入した成分を10分間撹拌して、実施例1の金属酸化物成膜用組成物Aを調製した。実施例1の金属酸化物成膜用組成物においては、金属アルコキシド化合物(テトラ−n−ブトキシジルコニウム)を1としたときのmol比が、アルカノールアミン化合物(モノエタノールアミン)では1.0、ホルムアミド化合物(ホルムアミド)では1.0とした。
<正極活物質層の作製>
LiCoO2(シグマアルドリッチ社製)の粒子に、湿式遠心分離機LC−1000型(Krettek社製)を用いてn−ブタノール中で分級操作を行い、平均粒径を1μmとした。分級したLiCoO2の粉末を、624MPaの圧力にて圧縮成形し、LiCoO2(正極活物質)の成形体(直径10mm、厚さ1mm)を作製した。その後、大気下、上記成形体に900℃で8時間の熱処理を施した。次に、スピンコーターおよびディスペンサーを用いて、上記成形体に、実施例1の金属酸化物成膜用組成物を滴下してスピンコートを実施した。スピンコートの条件としては、0rpmから1500rpmまで5秒間で回転速度を上げ、1500rpmにて30秒間保持した後、1500rpmから0rpmまで10秒間で回転速度を下げて停止させた。次いで、ホットプレートを用いて、200℃にて5分間溶剤を揮発、乾燥させた後、昇温して400℃にて30分間焼成処理を実施した。その後、さらに540℃まで昇温して5分間保持し、有機物を燃焼、熱分解させてから室温まで放冷した。
<液状体の調製>
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、硝酸リチウム1.379g、および2−ブトキシエタノール8.621gを秤量して投入した。次に、ホットプレート付きのマグネチックスターラーを用いて、180℃にて30分間加熱しながら撹拌して溶解させた。その後、室温まで冷却して、2mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液10gを得た。
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、硝酸ランタン・六水和物4.330g、および2−ブトキシエタノール5.670gを秤量して投入した。次に、ホットプレート付きのマグネチックスターラーを用いて、140℃にて30分間加熱しながら撹拌して溶解させた。その後、室温まで冷却して、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液10gを得た。
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、テトラ−n−ブトキシジルコニウム3.837g、および2−ブトキシエタノール6.163gを秤量して投入した。次に、マグネチックスターラーを用いて、室温にて30分間撹拌して溶解させ、1mol/kg濃度のテトラ−n−ブトキシジルコニウムの2−ブトキシエタノール溶液10gを得た。
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、ニオブペンタエトキシド3.182g、および2−ブトキシエタノール6.818gを秤量して投入した。次に、マグネチックスターラーを用いて、室温にて30分間撹拌して溶解させ、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液10gを得た。
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、2mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液4.219g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液3.000g、1mol/kg濃度のテトラ−n−ブトキシジルコニウムの2−ブトキシエタノール溶液1.750g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液0.250gを、それぞれ秤量して投入した。次に、マグネチックスターラーを用いて、室温下で30分間均一になるまで撹拌し、固体電解質層3の形成材料を含む液状体3Xを調製した。
<正極複合体の作製>
上記の正極活物質層(LiCoO2成形体)に、スピンコーターおよびディスペンサーを用いて、液状体3Xの0.036gを滴下し、スピンコートを実施した。スピンコートの条件は、上述した正極活物質層の作製時と同一とした。次いで、ホットプレートを用いて、180℃にて5分間溶剤を揮発、乾燥させた後、昇温して360℃にて5分間焼成処理を実施した。その後、さらに540℃まで昇温して15分間保持し、有機物を燃焼、熱分解させてから室温まで放冷した。上記スピンコートから焼成処理までの操作を5回繰り返し実施した。
その後、上記処理を実施した正極活物質層の、液状体3Xを滴下した面を、マグネシア製ルツボに敷いたLi6.75La3Zr1.75Nb0.2512(以降、LLZNbと呼ぶ)紛体ベッドに押し当てて、上記ルツボに上から蓋をした。これを、電気マッフル炉に入れて900℃にて8時間焼成を行い、実施例1の正極複合体を得た。
<電池の作製>
実施例1の正極複合体に対して、LLZNb塗布面に、厚さ約70nmのリチウム電極を真空蒸着により形成した。次いで、上記リチウム電極形成面とは反対側の面(LiCoO2面)側に、厚さ約100nmの金電極を真空蒸着により形成した。これによって、リチウム電極側を負極、金電極側を正極とする実施例1のリチウム電池を作製した。
(実施例2から実施例6)
実施例2から実施例6については、実施例1に対して、金属酸化物成膜用組成物を図5に示した組成に変更した他は、実施例1と同様にして調製した。
なお、金属アルコキシド化合物を1とした場合の、アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物のmol比は、実施例1では1.0/1.0(アルカノールアミン化合物/ホルムアミド化合物)とした。これに対して、実施例2が0.5/0.5、実施例3が0.5/3.0、実施例4が3.0/0.5、実施例5が3.0/3.0、実施例6が1.0/1.0とした。
(実施例7)
実施例7については、正極活物質層の作製工程において、LiCoO2の粒子にバインダーとしてポリアクリル酸(平均分子量20000)を3.5質量%配合し、混合物とした。この他は実施例1と同様にして、実施例7の正極複合体およびリチウム電池を順次作製した。
(比較例1)
磁石式撹拌子を入れた内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、金属アルコキシド化合物としてテトラ−n−ブトキシジルコニウム0.3836g、アルカノールアミン化合物としてモノエタノールアミン0.0611g、溶剤として2−ブトキシエタノール9.5084gを、それぞれ秤量して投入した。次に、マグネチックスターラーを用いて、室温下で上記試薬瓶に投入した成分を10分間撹拌して、比較例1の金属酸化物成膜用組成物を調製した。上述したように、比較例1の金属酸化物成膜用組成物は、実施例1の金属酸化物成膜用組成物の材料からホルムアミドを抜いた他は、実施例1と同様に調製した。
次に、比較例1の金属酸化物成膜用組成物を用いた他は実施例1と同様にして、比較例1の正極活物質層、正極複合体、リチウム電池を順次作製した。
(比較例2および比較例3)
比較例2および比較例3については、実施例1に対して、金属酸化物成膜用組成物を図5に示した組成に変更した他は、実施例1と同様にして調製した。
なお、金属アルコキシド化合物を1とした場合の、アルカノールアミン化合物およびホルムアミド化合物のmol比は、比較例2が0.3/0.3(アルカノールアミン化合物/ホルムアミド化合物)、比較例3が0.5/0.3(アルカノールアミン化合物/ホルムアミド化合物)とした。
<金属酸化物成膜用組成物の評価>
各実施例および各比較例の金属酸化物成膜用組成物を用い、金属酸化物(ZrO2)膜を形成して評価を行った。
内容量20mlの耐熱ガラス製試薬瓶に、金属酸化物成膜用組成物を約10g、および正極活物質2bとしてLiCoO2を2.0000g秤量して投入した。次に、超音波洗浄装置UT−106H(シャープ社製)を用いて、50℃に加温しながら超音波を60分間印加した。その後、上記試薬瓶の内容物を求引ろ過し、ろ過残渣(LiCoO2)をイソプロピルアルコールにて洗浄した。洗浄したLiCoO2をアルミナ製ルツボに入れ、ホットプレートを用いて、先ず400℃にて60分間、次いで500℃にて10分間加熱して焼成処理を実施した。その後、室温まで徐冷した。上記操作を、実施例1から実施例7および比較例1から比較例3の、金属酸化物成膜用組成物について実施した。
処理を実施したLiCoO2粒子について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて金属酸化物(ZrO2)膜の外観観察、および測長機能を用いたZrO2膜の厚さ測定を実施した。外観観察においては、亀裂や破裂がなく、緻密な膜が形成されたものを『○(良)』、亀裂や破裂が発生したものを『△(やや不良)』、膜が不連続な島状に形成されたものを『×(不良)』として評価した。実施例1から実施例7および比較例1から比較例3について上記評価を実施し、その結果を図6に記載した。
<正極活物質層の評価>
実施例1、実施例7および比較例1において作製した正極活物質層(LiCoO2成形体)について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、形成された金属酸化物(ZrO2)膜の外観観察を実施した。外観観察においては、亀裂や破裂がなく、緻密な膜が形成されたものを『○(良)』、亀裂や破裂などが発生したものを『△(やや不良)』、膜が不連続で欠陥が多く発生したものを『×(不良)』として評価した。その結果を図6に記載した。なお、実施例2から実施例6については、LiCoO2粒子上に形成されたZrO2膜の外観観察のみを実施し、以降の評価は割愛した。
<正極複合体の評価>
実施例1、実施例7および比較例1において作製した正極複合体について、X線回折装置(XRD)を用いて、所望の固体電解質が形成されているか確認した。その結果、実施例1および実施例7では、LiCoO2、ZrO2およびLLZNbの回折ピークのみが検出され、不要な副生成物はXRDの検出下限未満(未検出とする)であることが確認された。比較例1では、LiCoO2、ZrO2、LLZNbの他に、La2Li0.5Co0.54およびLa2Zr27の回折ピークが検出され、不要な副生成物が検出下限より多いことが確認された。この結果について、不要な副生成物が未検出であったものを『○(良)』、不要な副生成物が検出されたものを『×(不良)』として、図6に記載した。
また、実施例1、実施例7および比較例1において作製した正極複合体について、SEMを用いて固体電解質層(LLZNb)の膜の厚さを測定した。その結果を図6に記載した。
<電池特性評価>
実施例1、実施例7および比較例1において作製したリチウム電池について、25℃環境下、充放電レート0.1Cにて充放電を行った。その結果、実施例1、実施例7および比較例1のいずれのリチウム電池においても、充電曲線のプラトーが3.9Vに観察された。この電位は、HT(高温相)−LiCoO2のリチウムの脱離反応の電位と同等であった。
また、実施例1、実施例7および比較例1のリチウム電池について、充放電を繰り返した場合の充放電容量を測定した。理論容量(LiCoO2の組成中のリチウム原子の引き抜き量)は137mAh/gである。これらの結果から、初期の充放電容量、充放電100サイクル後の充放電容量、および算出した100サイクル後の放電容量維持率を、図6に記載した。
以上の評価結果から、図6に示したように、実施例1から実施例7の金属酸化物成膜用組成物によれば、亀裂や破裂のない、緻密な金属酸化物膜が形成できることが確認された。また、実施例1および実施例7の正極複合体においては、固体電解質層の形成時に不要な副生成物の発生が抑制され、所望の結晶が得られることがわかった。さらには、実施例1および実施例7のリチウム電池によれば、初期の充放電容量は、理論容量値(LiCoO2の組成中のリチウム原子の引き抜き量)137mAh/gの約80%が確保可能なこと、放電容量維持率が100サイクル後に97%を維持可能なことが確認された。これにより、実施例1および実施例7のリチウム電池は、安定したサイクル特性を持つことが示された。
一方、図6に示したように、比較例1から比較例3の金属酸化物成膜用組成物では、亀裂や破裂などの欠陥が多く、不連続な金属酸化物膜が形成されることが確認された。また、比較例1の金属酸化物成膜用組成物を用いた正極複合体においては、固体電解質層の形成時に不要な副生成物の発生が多くなることがわかった。さらには、比較例1のリチウム電池では、初期の充放電容量は、理論容量値137mAh/gの65%を下回ること、放電容量維持率が100サイクル後に80%まで低下することが確認された。これにより、比較例1のリチウム電池では、サイクル特性が実施例1および実施例7と比べて不安定であることが示された。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。
2…正極活物質層、2a…上端位置、2b…正極活物質、3,232…固体電解質層、3a…表面、3X…液状体、4a…一面、5…金属酸化物膜、5X…金属酸化物成膜用組成物、10…正極複合体、20…耐リチウム還元性を有する固体電解質層、30…負極、41,42…集電体、100…リチウム電池、F…成形型。

Claims (13)

  1. 活物質の表面に金属酸化物を形成するための、金属酸化物成膜用組成物であって、
    金属アルコキシド化合物と、
    アルカノールアミン化合物と、
    ホルムアミド化合物と、
    溶剤と、を含むことを特徴とする金属酸化物成膜用組成物。
  2. 前記金属アルコキシド化合物を1としたときのmol比が、前記アルカノールアミン化合物は0.5以上、3.0以下、前記ホルムアミド化合物は0.5以上、3.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の金属酸化物成膜用組成物。
  3. 前記金属酸化物として、ZrO2、LiNbO3、Al23、Li2ZrO3、Li3PO4、Li3BO3、Li3SbO3から選ばれる、少なくとも1種を形成するための前記金属アルコキシド化合物を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の金属酸化物成膜用組成物。
  4. 前記金属アルコキシド化合物が、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−i−ブトキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジルコニウム、メトキシリチウム、エトキシリチウム、i−プロポキシリチウム、n−プロポキシリチウム、i−ブトキシリチウム、n−ブトキシリチウム、sec−ブトキシリチウム、t−ブトキシリチウム、2−ブトキシエトキシリチウム、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−i−ブトキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−t−ブトキシアルミニウム、ペンタメトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタ−i−プロポキシニオブ、ペンタ−n−プロポキシニオブ、ペンタ−i−ブトキシニオブ、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタ−sec−ブトキシニオブ、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−i−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロン、トリメトキシアンチモン、トリエトキシアンチモン、トリ−i−プロポキシアンチモン、トリ−n−プロポキシアンチモン、トリ−i−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブトキシアンチモンから選ばれる、少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物。
  5. 前記アルカノールアミン化合物が、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノノルマルプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノノルマルブタノールアミン、モノ−2−ヒドロキシブチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−2−ヒドロキシブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ベンジルエタノールアミン、メチルジメタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンから選ばれる、少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物。
  6. 前記ホルムアミド化合物が、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる、少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物。
  7. 正極活物質層と固体電解質層とが複合化された正極複合体であって、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、前記正極活物質層と前記固体電解質層との間に形成された、金属酸化物の膜を有することを特徴とする正極複合体。
  8. 正極活物質層と固体電解質層とが複合化された正極複合体の製造方法であって、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、前記正極活物質層に前記金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、
    塗布された前記金属酸化物成膜用組成物を固化して、前記正極活物質層の表面に金属酸化物の膜を形成する工程と、
    前記金属酸化物の膜が形成された前記正極活物質層と、前記固体電解質層とを複合化して前記正極複合体を形成する工程と、を備えていることを特徴とする、正極複合体の製造方法。
  9. 500℃以上の温度で、前記金属酸化物成膜用組成物を固化することを特徴とする請求項8に記載の正極複合体の製造方法。
  10. 請求項7に記載された正極複合体と、
    負極と、を有することを特徴とする電池。
  11. 正極活物質層および固体電解質層が複合化された正極複合体と、負極活物質層を含む負極とを有する電池の製造方法であって、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物を用いて、前記正極活物質層の表面に前記金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、
    塗布された前記金属酸化物成膜用組成物を固化して、前記正極活物質層の表面に前記金属酸化物の膜を形成する工程と、
    前記金属酸化物の膜が形成された前記正極活物質層と、前記固体電解質層とを複合化して前記正極複合体を形成する工程と、
    前記正極複合体と前記負極とを接合する工程と、を備えていることを特徴とする電池の製造方法。
  12. 正極活物質層と、固体電解質層と、前記固体電解質層から露出する前記正極活物質層に接する集電体と、を有する電池の製造方法であって、
    正極活物質とバインダーとを含む混合物を、850℃以上、前記正極活物質の融点未満の温度条件で熱処理し、多孔質の前記正極活物質層を得る工程と、
    多孔質の前記正極活物質層に、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の金属酸化物成膜用組成物を塗布する工程と、
    塗布された前記金属酸化物成膜用組成物を固化して、多孔質の前記正極活物質層の細孔の内部を含む表面に金属酸化物の膜を形成する工程と、
    前記正極活物質層の表面に、前記固体電解質層の形成材料を含む液状体を塗布して熱処理し、前記固体電解質層を形成する工程と、を備えていることを特徴とする電池の製造方法。
  13. 500℃以上の温度で、前記金属酸化物成膜用組成物を固化することを特徴とする請求項12に記載の電池の製造方法。
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