JP2017095564A - ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体、粉体粒子、及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本発明が解決しようとする課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂濃度が高くても、分散安定性が高く、プラスチック、金属、ガラス等のあらゆる基材に接着性、密着性に優れ、かつ塗膜形成時の焼付け温度の低温化を可能とした粉体粒子および該粒子からなる分散体を提供することにある。
『(1)ポリマー粒子、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基、水性媒体からなる分散体であって、
前記ポリマー粒子が、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーを含有し、かつ、アニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されている、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子であることを特徴とする、
ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体。
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)[晶析工程]と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて、当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)[酸析工程]と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)[ウェットケーキ作製工程]と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキと塩基とを反応させてアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を得る工程(E)[分散体作製工程]と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体の製造方法。
(10)前記工程(A)に用いる有機溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選択される少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とする前記(9)に記載の分散体の製造方法。
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)[晶析工程]と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)[酸析工程]と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)[ウェットケーキ作製工程]と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを乾燥してアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子を得る工程(F1)[粉体作製工程]と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子の製造方法。
(12)ポリアリーレンスルフィド及び全芳香族リニアポリマーを有機溶媒中で加熱して、溶解液とする工程(A)[加熱溶解工程]と、
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)[晶析工程]と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)[酸析工程]と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)[ウェットケーキ作製工程]と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキと塩基とを反応させてアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を得る工程(E)[分散体作製工程]と、
工程(E)で得られたアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を乾燥してアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子を得る工程(F2)[粉体作製工程]と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子の製造方法。
(13)前記工程(A)[加熱溶解工程]に用いる有機溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とする前記(11)又は(12)に記載の粉体粒子の製造方法。
(14)前記工程(B)[晶析工程]の後に、工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子の分散液に対し、機械的粉砕を行うこと[分散工程]を特徴とする前記(9)に記載の分散体の製造方法。
(15)前記工程(B)[晶析工程]の後に、工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子の分散液に対し、機械的粉砕を行うこと[分散工程]を特徴とする前記(11)又は(12)に記載の粉体粒子の製造方法。
(16)前記(9)又は(14)に記載の製造方法により得られた分散体。
(17)前記(11)、(12)又は(15)に記載の製造方法により得られた粉体粒子。』に関する。
本発明の複合粒子分散体は、ポリマー粒子、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基、水性媒体からなる分散体であって、前記ポリマー粒子が、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーを含有し、かつ、アニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されている、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子の分散体である。ここで、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子(以下、複合粒子と略記する場合がある)は、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーが同一粒子内に存在するものであり、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーが分子レベルで部分的に相溶する性質から、晶析工程にてポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーは相分離によってそれぞれが独立して粒子を形成せず、同一粒子内に該2種のポリマーが存在する形態をとると考えられる。
本発明に使用するポリアリーレンスルフィド樹脂は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂は、300℃で測定した溶融粘度(V6)が0.1〜1000〔Pa・s〕の範囲であることが好ましく、さらに流動性および機械的強度のバランスが良好となることから0.1〜100〔Pa・s〕の範囲がより好ましく、特に0.1〜50〔Pa・s〕の範囲であることが特に好ましい。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数は、本発明の効果を損ねない限り特に限定されないが、0.90〜2.00の範囲であることが好ましい。リニア型ポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる場合には、非ニュートン指数が0.90〜1.50の範囲であることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲であることがより好ましい。このようなポリアリーレンスルフィド樹脂は機械的物性、流動性、耐磨耗性に優れる。ただし、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
本発明に使用する全芳香族リニアポリマーは、ガラス転移温度が100℃以上で、くりかえし単位中に芳香族環を含み、かつポリアリーレンスルフィド樹脂と部分相溶する樹脂であれば特に限定されるものではないが、ガラス転移温度が100℃以上であり、かつ、ハンセン溶解度パラメータ(以下、SP値ということがある)が15.0〜30.0(cal/cm−3)1/2の範囲の樹脂が、ポリアリーレンスルフィド樹脂と部分的に相溶することができるため、好ましい樹脂として挙げられる。
ここで、本発明で用いるハンセン溶解度パラメータは、樹脂とポリアリーレンスルフィド樹脂の親和性を評価するために用いられるパラメータであり、樹脂の溶解パラメータを定義する方法として当業者には良く知られており、例えば「INDUSTRIAL SOLVENTSHANDBOOK」(pp.35−68、Marcel Dekker, Inc.、1996年発行)や、「HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS:A USER’S HANDBOOK」(pp.1−41,CRC Press,1999)「DIRECTORYOF SOLVENTS」(pp.22−29、Blackie Academic & Professional、1996年発行)などに記載されている。本発明においてハンセン溶解度パラメータは、樹脂の化学構造に基づいてハンセン溶解度パラメータを算出してもよいし、また前記参考文献中に記載された値のものを用いてもよい。溶媒の化学構造に基づいてハンセン溶解度パラメータを算出する場合には、HSPソフトに樹脂の構造式を入力して計算することができる。具体的には、チャールズハンセンらによって開発されたソフトフェア(ソフト名:Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)Version 3.0.38)で求めることができる。算出は、樹脂温度を25℃として行うものとする。
このような樹脂として、たとえば、ポリスルフォン(SP値22.4)、ポリエーテルエーテルケトン(SP値23.5)、ポリエーテルスルホン(SP値26.5)、ポリカーボネート(SP値20.3)、ポリフェニレンエーテル(SP値20.1)、ポリフェニルスルホン(SP値24.2)などが挙げられる。
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂と前記全芳香族リニアポリマーとの配合割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と全芳香族リニアポリマーの合計100質量部に対して、ポリアリーレンスルフィド樹脂が98〜2質量部の範囲であり、かつ全芳香族リニアポリマーが、2〜98質量部の範囲であることが好ましく、さらにポリアリーレンスルフィド樹脂が90〜10質量部の範囲であり、かつ全芳香族リニアポリマーが、10〜90質量部の範囲であることがより好ましい。ポリアリーレンスルフィド樹脂が2質量部未満の場合ポリアリーレンスルフィド樹脂に由来する耐薬品性や難燃性が低下し、98質量部を超えて用いる場合、塗膜形成時の焼付け温度が低温化しない傾向にあるため好ましくない。
本発明を詳述するために、本発明で用いる全芳香族リニアポリマーの具体例をいくつか以下に説明するが、これらの説明は、本発明を限定する目的で記載されるものではない。
次に、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子の分散体について詳細に説明する。本発明におけるポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体とは、上記PASと全芳香族リニアポリマーを溶媒と共に加熱溶解して、溶解液を得る工程(A)(加熱溶解工程)と、予め調整したアニオン性基含有有機高分子化合物水溶液と前記溶解液を添加してポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)(晶析工程)と、酸によりアニオン性基含有有機高分子化合物をポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子表面に析出させ被覆させる工程(C)(酸析工程)と、アニオン性基含有有機高分子化合物被覆ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別し、水洗して含水アニオン性基含有有機高分子化合物被覆ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(ウェットケーキ作製工程)と、得られたウェットケーキを塩基により中和して再分散、調整して得られるポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体(分散体作製工程)のことである。
本発明の分散体を得るためには、まず、PAS樹脂と全芳香族リニアポリマーを溶媒で溶解させる。本工程に無機塩を加える場合もあるが、特に加えなくても良い。本発明に用いることのできるPAS樹脂と全芳香族リニアポリマーの形態は特に問わないが、具体的に例示するならば粉体、顆粒、ペレット、繊維、フィルム、成形品等が挙げられ、操作性及び溶解に要する時間を短縮させる観点から、粉末、顆粒、ペレットが望ましい。これらの中でも特に粉体のPAS樹脂と全芳香族リニアポリマーが好ましく用いられる。通常、PAS樹脂と全芳香族リニアポリマー、溶媒を容器中に投入した後、溶解を行うが、容器へ投入する順序は問わない。
無機塩を加える場合のPAS樹脂および全芳香族リニアポリマーに対する無機塩の重量比率は、PAS樹脂と全芳香族リニアポリマーとの合計 1質量部に対して0.1〜10質量部の範囲、好ましくは、0.5〜5質量部の範囲である。
まず、予めアニオン性基含有有機高分子化合物水溶液を調整する。ここで使用されるアニオン性基含有有機高分子化合物中のアニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基などを使用することができ、なかでも、前記カルボキシル基やスルホン酸基の一部または全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが、良好な水分散安定性を付与するうえで好ましい。
また、アニオン性基含有有機高分子化合物の酸価が10〜300mgKOH/gのものを使用することが好ましい。この範囲よりも低い酸価を有するアニオン性基含有有機高分子化合物を使用すると分散安定性が不十分となってしまうために好ましくない。中でも50〜240mgKOH/gとなるアニオン性基含有有機高分子化合物を使用することが、最も分散安定性が高くなるためにより好ましい。
また、溶解液を注ぎ終えた後に得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散液(晶析液)に対して機械的粉砕を行うことにより分散させる工程[分散工程]を経ることもできる。これにより、より良好な分散安定性を保持することができる。ここで、機械的粉砕としては、後述する機械的粉砕装置の項目で述べた装置を用いる方法などが挙げられる。
上記工程で得られた水溶性樹脂が表層に存在するポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を、酸によって酸析出させ、アニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させたスラリーを作製する工程である。
上記酸析工程で得られたアニオン性基含有高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させたスラリーから、アニオン性基含有高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別し、ウェットケーキにする工程である。ろ別する方法としては、ろ過や遠心分離等、粒子と液体が分離可能であれば如何なる方法でも構わない。ろ別されたウェットケーキ中の水分量は、15〜55%の範囲が好ましく、水分量が低すぎると後工程での再分散でほぐれにくくなり、再分散性が悪くなるため、好ましい水分量は、20〜45%である。ウェットケーキは、残存する有機溶媒や、未析出の樹脂を洗浄するため、イオン交換水、蒸留水、純水、水道水等で洗浄を行う。洗浄方法は、ウェットケーキ上から、洗浄溶媒をかけてろ過洗浄してもよいし、ウェットケーキを洗浄溶媒に再解膠して洗浄してもよい。
上記ウェットケーキ作製工程で得られたウェットケーキを水にビーズミルや超音波分散機等で、再解膠し、前述した、無機塩基、有機塩基でpHを6〜10に調整して、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体を得た。ここで得られた分散体中の不揮発分は、15〜40%であり、従来のPAS等の樹脂分散体が5〜10%程度であることから、本発明により顕著に高濃度の複合粒子分散体が得られることがわかる。
さらに、本発明におけるポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子とは、上記工程Dで得られたウェットケーキあるいは、工程Eで得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体から水分を除去し、その後乾燥して得られるアニオン性基含有有機高分子化合物被覆ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子のことである。乾燥した後、各種粉砕装置で粉砕して、所望の粒子サイズに調整して使用することが可能である。
[機械的粉砕装置]
機械的粉砕装置として、市販の機械的粉砕装置を挙げることができる。特にポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粗粒子を効率よく分散、粉砕し、粒径の小さなポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子の分散液を作製するために好適な機械的粉砕装置として、ボールミル装置、ビーズミル装置、サンドミル装置、コロイドミル装置、ディスパー分散攪拌装置、湿式微粒化装置(例えば、スギノマシン製のアルティマイザー、Hielscher社製の超音波分散機等)が挙げられるが、なかでもボールミル装置、ビーズミル装置、サンドミル装置、湿式微粒化装置、から選択される装置が好ましい。機械的粉砕の際の粉砕の力は一般に大きくなるほど、また粉砕時間が長くなるほど得られる微粒子の体積平均粒径は、小さくなる方向にあるが、これらが過度になると凝集が生じやすくなるので、適切な範囲に制御される。例えばビーズミルではビーズ径やビーズ量の選択、周速の調整で、その制御が可能である。
[ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造]
本明細書で用いたポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法を製造例として下記に記載する。
圧力計、温度計、コンデンサを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55重量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.8重量%NaOH)9.541kgと、N−メチル−2−ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水12.150kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン17.874kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。昇温して260℃になった時点でオートクレーブ上部を散水することで冷却しながら、260℃で2時間反応した。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。反応中の最高圧力は、0.87MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過した。得られたケーキに70℃温水50kgを加え撹拌したのち、濾過し、さらに温水25kgを加え濾過した。次に温水25kgを加え1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加えろ過する操作を2回繰り返した。得られたケーキを、熱風循環乾燥機を用いて120℃で15時間乾燥し、PAS−1を得た。得られたポリマーの溶融粘度10Pa・sであった。
圧力計、温度計、コンデンサを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55重量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.8重量%NaOH)9.541kgと、N−メチル−2−ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水12.150kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン18.366kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。昇温して260℃になった時点でオートクレーブ上部を散水することで冷却しながら、260℃で2時間反応した。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。反応中の最高圧力は、0.87MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過した。得られたケーキに70℃温水50kgを加え撹拌したのち、濾過し、さらに温水25kgを加え濾過した。次に温水25kgを加え1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加えろ過する操作を2回繰り返した。得られたケーキを、熱風循環乾燥機を用いて120℃で15時間乾燥し、PAS−2を得た。得られたポリマーの溶融粘度2.5Pa・sであった。
圧力計、温度計、コンデンサを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55重量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.8重量%NaOH)9.541kgと、N−メチル−2−ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水12.150kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン17.464kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。昇温して260℃になった時点でオートクレーブ上部を散水することで冷却しながら、260℃で2時間反応した。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。反応中の最高圧力は、0.87MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過した。得られたケーキに70℃温水50kgを加え撹拌したのち、濾過し、さらに温水25kgを加え濾過した。次に温水25kgを加え1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加えろ過する操作を2回繰り返した。得られたケーキを、熱風循環乾燥機を用いて120℃で15時間乾燥し、PAS−3を得た。得られたポリマーの溶融粘度は52Pa・sであった。
得られた分散体を24時間静置させた際の上澄みを確認した。上澄みが透明である場合は「沈降あり」、上澄みが確認されない場合は「沈降なし」と判断した。
得られた分散体のアプリケーター(6ミル)を用いSPCC板に塗膜した。その後室温にて30分間静置し、260℃のオーブンにて30分間焼付けた。焼付け後の塗膜を目視観察し、ピンホールや剥がれの有無を確認した。
・工程(A)[溶解工程]
下部に開閉可能なバルブを有するオートクレーブ[1]に上記製造例1で製造したPAS−1 5gとポリエーテルスルホン5gとN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)490gを入れた。系内に窒素を通気させ、攪拌しながら加圧下で内温250℃まで上昇させた後、30分間攪拌した。
前記工程(A)に用いるオートクレーブの開閉可能なバルブとパイプで連結させたオートクレーブ[2]に、予め、DIC(株)製アクリル樹脂:アクリディックWML−542(酸価157mgKOH/g、イソプロピルアルコール 55%含有) 2.22gと25%KOH水溶液 0.66gと水2400gを混合させたアニオン性基含有有機高分子化合物水溶液を入れた。このオートクレーブ[2]に前記工程(A)にて溶解させたポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンのNMP溶液をオートクレーブ[1]のバルブを開くことで流し込み、オートクレーブ[2]内に晶析液を得た。ポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンとが溶解したNMP溶解液をアニオン性基含有有機高分子化合物水溶液に流し込む操作を12回繰り返して得られた晶析液34.8kgから目開き45μmの金属メッシュを用いて溶け残りを除去した(得られた晶析液のpHは8.0であった)。
前記工程(B)で得られた晶析液に2%塩酸を230.9g滴下することで表面にアニオン性基含有有機高分子化合物が被覆したポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合微粒子を凝集させた酸析スラリーを得た(得られた液のpHは2.7であった)。
前記工程(C)で得られた酸析スラリーより水性媒体を吸引ろ過し、ろ集した残渣の洗液の電気伝導度が0.5 mS/cm以下になるまでイオン交換水で洗浄して、不揮発分29.8%の含水アニオン性基含有有機高分子化合物被覆ポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子ウェットケーキを391.5g得た。
前記工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子化合物被覆ポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子ウェットケーキ 150gと50%ジメチルアミノエタノール水溶液 1.88gを300ccのステンレスカップに入れて、Hielscher社製超音波分散機 UP200ST(出力200W、周波数24kHz)にて30分間超音波を照射し、イオン交換水にて不揮発分25%になるように調整してポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合微粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
工程(A)に用いるポリアリーレンスルフィドを製造例1で得たPAS−1に代えて、製造例2で得たPAS−2を使用し、その使用量を2gとし、ポリエーテルスルホンの使用量を8gとした以外は、実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
工程(A)に用いるポリアリーレンスルフィドを製造例1で得たPAS−1に代えて 製造例3で得たPAS−3を使用し、その使用量を7gとし、ポリエーテルスルホンの使用量を3gとした以外は、実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
工程(A)に用いるNMPを1−クロロナフタレンに代えて使用し、温度を230℃にて加熱溶解する操作以外は、実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
工程(B)に用いるアニオン性基含有有機高分子化合物として、アクリディックWML−542を、DIC(株)製ポリアミドイミド樹脂:ユニディックEMG−1015 2.27g(酸価64.8mgKOH/g、プロピレングリコール56%含有)に代え、また25%KOHの量を0.69gに代えてアニオン性基含有有機高分子化合物水溶液を作製した以外は実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
実施例1の工程(D)より得られた不揮発分29.8%の含水ポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粒子ウェットケーキ100gを真空乾燥器にて減圧下 40℃で12時間乾燥させた後、ジューサーミキサーで粉砕することでポリアリーレンスルフィドとポリエーテルスルホンからなる複合粉体粒子25.3gを得た。
工程(A)に用いるポリエーテルスルホンをポリフェニルスルホンに代えて使用する以外は実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィドとポリフェニルスルホンからなる複合粒子分散体を得た。
24時間静置による沈降の目視確認では「沈降なし」であった。
また、このポリアリーレンスルフィドとポリフェニルスルホンからなる複合粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールや剥がれは見られなかった。
工程(A)におけるPAS−1を10g、ポリエーテルスルホンを無添加とする以外は、実施例1と同様にして不揮発分25%のポリアリーレンスルフィド微粒子分散体を得た。このポリアリーレンスルフィド微粒子分散体の焼き付け塗膜外観は、ピンホールが見られた。
Claims (14)
- ポリマー粒子、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基、水性媒体からなる分散体であって、前記ポリマー粒子が、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーを含有し、かつ、アニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されている、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子であることを特徴とする、
ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体。 - 前記アニオン性基含有有機高分子化合物のアニオン性基が、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基及びリン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種のアニオン性基であることを特徴とする請求項1記載の分散体。
- 前記アニオン性基含有有機高分子化合物の主骨格が、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
- 前記アニオン性基含有有機高分子化合物の酸価が10〜300mgKOH/gであることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
- 前記アニオン性基含有有機高分子化合物において、アニオン性基の中和に用いられる塩基が金属水酸化物及び有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩基であることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
- 前記全芳香族リニアポリマーが、ハンセン溶解度パラメータが15.0〜30.0(cal/cm−3)1/2であり、かつガラス転移温度が100℃以上である全芳香族リニアポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の分散体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体を、乾燥させて得られる粉体粒子。
- ポリアリーレンスルフィド及び全芳香族リニアポリマーを有機溶媒中で加熱して、溶解液とする工程(A)と、
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて、当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキと塩基とを反応させてアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を得る工程(E)と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子分散体の製造方法。 - 前記工程(A)に用いる有機溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選択される少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とする請求項8に記載の分散体の製造方法。
- ポリアリーレンスルフィド及び全芳香族リニアポリマーを有機溶媒中で加熱して、溶解液とする工程(A)と、
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを乾燥してアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子を得る工程(F1)と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子の製造方法。 - ポリアリーレンスルフィド及び全芳香族リニアポリマーを有機溶媒中で加熱して、溶解液とする工程(A)と、
水にアニオン性基含有有機高分子化合物を添加し溶解させた樹脂水溶液に、工程(A)で得られた溶解液を加えて、ポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子を形成させる工程(B)と、
工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子と酸とを反応させて当該微粒子表面にアニオン性基含有有機高分子化合物を析出させてアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子を沈殿させる工程(C)と、
工程(C)で得られたアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子をろ別、洗浄し、含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキを得る工程(D)と、
工程(D)で得られた含水アニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子ウェットケーキと塩基とを反応させてアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を得る工程(E)と、
工程(E)で得られたアニオン性基含有有機高分子化合物により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粒子からなる分散体を乾燥してアニオン性基含有有機高分子により被覆されたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子を得る工程(F2)と、を含むポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合粉体粒子の製造方法。 - 前記工程(A)に用いる有機溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、1−クロロナフタレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選ばれる少なくとも一種の有機溶媒であることを特徴とする請求項10又は11に記載の粉体粒子の製造方法。
- 前記工程(B)の後に、工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子の分散液に対し、機械的粉砕を行うことを特徴とする請求項8に記載の分散体の製造方法。
- 前記工程(B)の後に、工程(B)で得られたポリアリーレンスルフィドと全芳香族リニアポリマーからなる複合微粒子の分散液に対し、機械的粉砕を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の粉体粒子の製造方法。
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JPS63265954A (ja) * | 1987-04-07 | 1988-11-02 | バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト | ポリアリーレンスルフイドを基剤とした粉末組成物 |
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JP2007177155A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Toray Ind Inc | ポリアリーレンサルフォン微粒子、その製造法および分散液 |
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-
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