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JP2017065665A - 車両用シートスライド装置及び車両用シートスライド装置の製造方法 - Google Patents

車両用シートスライド装置及び車両用シートスライド装置の製造方法 Download PDF

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JP2017065665A
JP2017065665A JP2016057799A JP2016057799A JP2017065665A JP 2017065665 A JP2017065665 A JP 2017065665A JP 2016057799 A JP2016057799 A JP 2016057799A JP 2016057799 A JP2016057799 A JP 2016057799A JP 2017065665 A JP2017065665 A JP 2017065665A
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大輔 井口
Daisuke Iguchi
大輔 井口
黒田 博嗣
Hirotsugu Kuroda
博嗣 黒田
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JTEKT Column Systems Corp
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Fuji Kiko Co Ltd
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Abstract

【課題】アッパーレール側でのストッパー部の強度の向上を図りながら、部品点数および組立工数の少ない車両用シートスライド装置を提供する。
【解決手段】ロアレール6と、このロアレール6にスライド移動可能に係合保持されたアッパーレール7と、を備える。ロアレール6の下向きフランジ部6dの少なくとも一端部には段差部11dが形成されている。アッパーレール7の長手方向中央部には、その側壁部7bと上向きフランジ部7cとにまたがるように両者間に掛け渡されたストッパー片14が両持ち支持状態で一体に折り曲げ形成されている。段差部11dとストッパー片14の側面同士の当接により、ロアレール6に対するアッパーレール7のスライドストロークの少なくとも一方のストローク端位置を規制する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用シートスライド装置及びその製造方法に関し、特にシート(座席)の位置調整に際してロアレールに対するアッパーレールのスライドストローク端での位置を規制するストッパーの構造及びその製造方法に関するものである。
この種の車両用シートスライド装置においては、固定側となるロアレールに対する可動側のアッパーレールのスライドストローク端での位置を規制するにあたり、ロアレールおよびアッパーレールのうちいずれか一方の長手方向中央部にストッパー部を形成するとともに、他方の長手方向の前後二箇所に同じくストッパー部を形成し、双方のレールのストッパー部同士の当接により、ロアレールに対するアッパーレールの前後のスライドストローク端での位置を規制するようになっている。
そして、このようなストッパー構造を前提に、例えば可動側となるアッパーレールでのストッパー部の強度の向上を目的として、アッパーレールの側壁部とそれと一体の折り返し壁部との間にストッパー部材(係止部材)をいわゆる両持ち状態で挿入支持させたものが特許文献1にて提案されている。
特開2013−1328号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、金属製の板材をU字状に折り曲げてなるストッパー部材をアッパーレールの側壁部と折り返し壁部との間に橋渡しするようにいわゆる両持ち支持形態で圧入する構造となっているため、部品点数の増加により構造が複雑になるとともに、部品点数だけでなく穴明け加工工数および組立工数の増加によりコストアップを招くという問題がある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけアッパーレール側でのストッパー部の強度の向上を図りながら、部品点数および組立工数の増加を招かないで済むようにした車両用シートスライド装置を提供しようとするものである。
本発明は、車体のフロア部に固定されるロアレールと、このロアレールにスライド移動可能に係合保持されたアッパーレールと、を備え、上記アッパーレールに固定されたシートの位置をロアレールの長手方向で調整可能とした車両用シートスライド装置である。
その上で、上記ロアレールは、底壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の上端部を内側に折り返すことで形成された下向きフランジ部と、で上面が開放されたものとして形成されている一方、上記アッパーレールは、頂壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の下端部を外側に折り返すことで形成されて上記ロアレールの側壁部と下向きフランジ部との間に入り込む上向きフランジ部と、で下面が開放されたものとして形成されている。
さらに、上記ロアレールの下向きフランジ部のうち長手方向の少なくとも一端部にはストッパー当接部が形成されているとともに、上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部には、当該アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがるように両者間に掛け渡されたストッパー片が一体に折り曲げ形成されていて、上記ストッパー当接部とストッパー片の側面同士の当接により、ロアレールに対するアッパーレールのスライドストロークの少なくとも一方のストローク端位置を規制するようになっているものである。
この場合において、上記ストッパー片はアッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分を部分的に上方側に向けて切り起こして形成したものとする。
より具体的には、上記ストッパー片は側壁部から連続するように当該側壁部から上向きフランジ部側に向かって横向きに折り曲げられているとともに、先端部は上向きフランジ部から切り離されていて、この切り離された先端部が上向きフランジ部側の係合溝に係合していることにより、ストッパー片が側壁部と上向きフランジ部とで両持ち支持されているものとする。
または、上記ストッパー片は上向きフランジ部から連続するように当該上向きフランジ部から側壁部側に向かって横向きに折り曲げられているとともに、先端部は側壁部から切り離されていて、この切り離された先端部が側壁部側の係合溝に係合していることにより、ストッパー片が上向きフランジ部と側壁部とで両持ち支持されているものとする。
また、上記ストッパー片は、上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分を部分的に上方側に凹ませて形成してもよい。
より具体的には、上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部で、かつ上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分に、長穴状の貫通穴部が複数形成され、隣接する2つの上記貫通穴部の間の部分を上方側に凹ませることで上記ストッパー片が形成してもよい。
さらに、上記アッパーレールにはロアレールに対するアッパーレールのロック,アンロックを司るロック機構が付帯していて、上記アッパーレールの側壁部の長手方向中央部にはロック機構のロック爪部材が係合可能な係合穴が形成されているとともに、この係合穴に隣接して上記アッパーレールの長手方向の少なくともいずれか一方側にストッパー片が形成されていると、係合穴とストッパー片とを同時加工する上で好ましいものとなる。
また、車体のフロア部に固定されるロアレールと、このロアレールにスライド移動可能に係合保持されたアッパーレールと、を備えた車両用シートスライド装置の製造方法において、上記アッパーレールは、頂壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の下端部を外側に折り返すことで形成された上向きフランジ部と、上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部に位置して、上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分に形成された長穴状の複数の貫通穴部と、を有し、一連の工程で最終形状まで成形されるものであって、上記アッパーレールは、上記上向きフランジ部が途中まで折り返された状態で、隣接する2つの上記貫通穴部の間の部分を上方側に凹ませ、上記ロアレールに係合保持された際に上記ロアレールに設けられたストッパー当接部に当接して当該ロアレールに対する上記アッパーレールのスライドストロークの少なくとも一方のストローク端位置を規制するストッパー片を形成し、上記ストッパー片の形成後に上記上向きフランジ部を最終形状となるまで折り返すことを特徴としている。
本発明によれば、アッパーレール側のストッパー片は当該アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがるように両者間に掛け渡されるかたちで一体に折り曲げ形成されていて、実質的にストッパー片はアッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにいわゆる両持ち支持の形態で支えられているので、ストッパー片の強度の向上が図れることはもちろんのこと、ストッパー片として別部材を組み付ける必要がなく、部品点数および組立工数の削減によりコストダウンを図ることができる。
また、ロック機構に関連するアッパーレール側の係合穴とストッパー片とが隣接配置されていることにより、それらを加工する際の例えばスリット加工等を実質的に同時に行うことが可能で、これによってもまた加工工数の削減により一段とコストダウンを図ることができる。
そして、アッパーレールを最終形状まで成形する一連の工程でストッパー片を併せて成形することができるため、生産性を向上させることができる。
本発明に係る車両用シートスライド装置が適用されるシートの一例を示す斜視図。 本発明に係る車両用シートスライド装置の第1の実施の形態を示す図で、図1のシートに採用されているシートスライド装置の概略構造を示す分解斜視図。 図2に示したシートスライド装置の組立時の側面図。 図3に示したシートスライド装置の組立時の平面図。 図3のA−A線に沿った拡大断面図。 図3のB−B線に沿った拡大断面図。 図3,4に示したロアレール単独での長手方向に沿った断面図。 図3,4に示したアッパーレール単独での平面図。 図8に示したアッパーレールの側面図。 図9に示したアッパーレールを斜め下方から見た拡大斜視図。 本発明に係る車両用シートスライド装置の第2の実施の形態を示す図で、図5と同等部位の拡大断面図。 図11に示す車両用シートスライド装置の組立時の断面図。 本発明に係る車両用シートスライド装置の第3の実施の形態を示す図で、図5と同等部位の拡大断面図。 本発明に係る車両用シートスライド装置の第4の実施の形態を示す図で、図7と同等部位の断面図。 本発明に係る車両用シートスライド装置の第5の実施の形態を示す図で、図5のC−Cに沿った位置と同等部位の拡大断面図。 図15に示したアッパーレール単独での平面図。 図15に示したアッパーレールの側面図。 図17に示したアッパーレールを斜め下方から見た拡大斜視図。 ストッパー片をプレス成形する前後におけるアッパーレールのプレス成形工程の流れを示した説明図。
図1〜10は本発明に係る車両用シートスライド装置を実施するためのより具体的な第1の形態を示していて、特に図1は車両用のシート1の一例を示す斜視図を、図2は図1のシート1に採用されているシートスライド装置5の概略構造を示す分解斜視図をそれぞれ示している。また、図3,4は上記シートスライド装置5の組立状態での平面図および側面図をそれぞれ示している。さらに、図5,6は図3のA−A線およびB−B線に沿った拡大断面図をそれぞれ示している。
図1に示すように、車両用のシート1は、周知のように座面となるシートクッション2と背もたれ部となるシートバック3とで構成され、シートバック3はリクライニング機構4を介してシートクッション2に対して前後傾調整が可能となっている。そして、シートクッション2は図示を省略した下面のシートフレームに支えられ、そのシートフレームがシートスライド装置5のアッパーレールに固定される。
図1に示すシートスライド装置5は、図2〜4に示すレール組立体5aを左右一対で一組としてそれぞれの長手方向が車両前後方向に沿うように平行に配置されるもので、各レール組立体5aは、同図に示すように、車両(車体)のフロア面(フロア部)に固定される金属製のロアレール6と、図1に示したシートクッション2の下面のシートフレームに固定される同じく金属製のアッパーレール7と、シート1の前後方向での位置調整にあたり、アッパーレール7がロアレール6に対してスライド移動する際の摩擦抵抗を低減するガイド部材8と、ロアレール6に対してアッパーレール7をその長手方向で任意の位置に固定するべくそのロック,アンロックを司るロック機構9と、を有している。アッパーレール7は、ロアレール6にスライド可能に係合保持されている。つまり、アッパーレール7に固定されたシート1の位置は、ロアレール6の長手方向に沿って調整可能となっている。これら一対のレール組立体5aは後述するロック機構9の操作レバー10によって連係され、結果として操作レバー10は双方のレール組立体5aが共有していることになる。なお、図3,4では操作レバー10を図示省略している。
図7は図2〜4におけるロアレール6単独での長手方向に沿った断面図を示している。図5,6のほか図7に示すように、ロアレール6は、車両のフロア面に固定される底壁部6aと、底壁部6aの両側にある一対の上向きの側壁部6bと、各側壁部6bの先端(上端)から内側に折り返された中間壁部6cを介してさらに内側且つ下向きに折り返された下向きフランジ部6dと、を有していて、全体として上面が開放(開口)されていて且つ断面形状が略変形U字状のもとして形成されている。そして、一対の下向きフランジ部6d,6d同士の対向間隙のほか、側壁部6bと下向きフランジ部6dとの対向間隙が後述するアッパーレール7の収容空間となっている。
ロアレール6の一対の下向きフランジ部6dは、図7に示すように、長手方向の前後両端部に残された一般部11a,11bと、この一般部11a,11b以外の中央部分に山部と谷部とを長手方向に沿って交互に形成したいわゆる鋸歯状または櫛歯状のロックツース部11cと、を有している。ロックツース部11cに対しては後述するロック機構9のロック爪16cが係合離脱可能であり、これによりロックツース部11cはロック機構9とともにロアレール6に対するアッパーレール7のロック,アンロックを司っている。
また、ロアレール6の下向きフランジ部6dにおける前後の一般部11a,11bは、ロックツース部11cとの境界部においてそのロックツース部11cよりも下方に突出していて、前後の一般部11a,11bとロックツース部11cとの境界部にはストッパー当接部としての段差部11dが形成されている。なお、ロアレール6は長手方向に直交する断面において左右対称形状であり、互いに対向する一対の下向きフランジ部6dに形成されたロックツース部11cおよび前後の段差部11dの位置は長手方向で互いに一致している。
図8,9は図2〜4におけるアッパーレール7単独での平面図および側面図をそれぞれ示し、また図10は図9に示すアッパーレール7を反転させた上で斜め方向から見た要部拡大斜視図を示している。
図5,6および図8,9に示すように、アッパーレール7は、先に説明したシートクッション2のシートフレームに固定される頂壁部7aと、頂壁部7aの両側にある一対の下向きの側壁部7bと、各側壁部7bの先端(下端)から外側且つ上向きに折り返された上向きフランジ部7cと、を有していて、全体として下面が開放(開口)されていて且つ断面形状が略変形U字状のもとして形成されている。
また、アッパーレール7の一対の上向きフランジ部7cについては、図8,9に示すように、長手方向で連続したものでありながら、長手方向の中間部とそれ以外の部分とでは形状が異なっていて、長手方向の中間部(中央部)では、上向きフランジ部7cの上半部が側壁部7bと平行な直立壁部17aとなっているのに対して、中間部以外の部分では、図6に示すように、下側傾斜面27aと上側傾斜面27bとにより断面略くの字状に屈曲した屈曲フランジ部17bとなっている。
より詳しくは、アッパーレール7の一対の上向きフランジ部7cについては、図5,6に示すように、側壁部7bに近い根元部側の下側傾斜面27aが共通のものとして長手方向の全長にわたって形成されていて、長手方向の中間部では、図5に示すように、下側傾斜面27aの上端から上方に向かって上側傾斜面27bに代わって側壁部7bと平行な直立壁部17aが起立形成されている。これに対して、アッパーレール7の一対の上向きフランジ部7cのうち長手方向の中間部以外の屈曲フランジ部17bでは、図6に示すように、下側傾斜面27aと上側傾斜面27bとにより上向きフランジ部7c自体のフランジ高さ中央部が外側に膨出した断面略くの字状のものとして形成されているとともに、上側傾斜面27bの先端には側壁部7bと平行な先端フランジ部27cが形成されている。これにより、直立壁部17aの上端と屈曲フランジ部17bの上端とは、図8に示すように、長手方向で段差を有するかたちとなるので、これらの直立壁部17aと屈曲フランジ部17bの上側傾斜面27b(先端フランジ部27cを含む)とは、両者の間に介在する傾斜接続面17cを介して長手方向で連続して形成されている。なお、図6から明らかなように、下側傾斜面27aは内側にわずかに窪んだ形状となっている。
また、図2および図6に示すように、ロアレール6の上下の円弧部とアッパーレール7側の屈曲フランジ部17bとの間には後述するガイド部材8が介装されることになるので、屈曲フランジ部17bにおける下側傾斜面27aの外側面のほか、上側傾斜面27bと先端フランジ部27cとにまたがる外側面は、後述するガイド部材8の転動体であるボール15aまたは15bの軌道面としても機能することになる。
そして、図5,6に示すように、アッパーレール7をロアレール6に組み付けた際には、アッパーレール7側の双方の上向きフランジ部7cは、直立壁部17aであるか屈曲フランジ部17bであるかにかかかわらず、ロアレール6側の各側壁部6bと下向きフランジ部6dとの間に入り込むかたちとなる。
図2および図8,9に示すように、アッパーレール7の長手方向の中間部分(中央部)には、上下方向に長い長穴状またはスロット状の三つの係合穴13と、それらの三つの係合穴13の両側の一対のストッパー片14と、が並んで形成されている。これら二つのストッパー片14は、図5に示すように、アッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cの一部である直立壁部17aとの双方にまたがるかたちで形成されているとともに、上方側に向かって切り起こされることで、側壁部7bと直立壁部17aとを橋渡しする(掛け渡す)かたちで、それらの側壁部7bと直立壁部17aとに両持ち支持されている。
より詳しくは、図10に示すように、三つ並んだ係合穴13の両端にあるブリッジ部の一端を切り離すように、このブリッジ部の両側に一対の補助穴13aを設けるようにしてストッパー片14が、一対のブリッジ部13bとともに切り残されるかたちでプレス加工により打ち抜き形成されている。なお、両端の係合穴13は補助穴13aを兼ねている。この打ち抜き加工時には、一対のストッパー片14は図10に示す状態よりも起き上がった姿勢で切り残されていて、しかも、図5から明らかなように、一対のストッパー片14は側壁部7bからは一体的に連続しつつ切り起こされて上向きフランジ部7c側に向かって横向きに折り曲げられてはいても、上向きフランジ部7c側では切り離されている。これは、隣接するブリッジ部13bに比べてストッパー片14の方が必要とする周長が短いためである。
そして、後加工により、図5,10に示すように、ストッパー片14が平坦なもので且つ側壁部7bに対して直角となるように折り曲げることで同図に示す正規形状のストッパー片14としてある。この正規形状のストッパー片14の先端部14aは、二つの補助穴13aを連結する切り離し溝の一部を切り欠いた係合溝14bに係合している。二つの補助穴13aのなかにそれぞれにストッパー片14が切り起こされて残されていることで、ブリッジ部13b,13b同士の間の係合穴13とともに、ストッパー片14とそれに隣接するブリッジ部13bとの間にも係合穴13が形成されることになり、結果として一対のブリッジ部13bと一対のストッパー片14とをもって合計で三つの係合穴13が所定のピッチで並んで形成されていることになる。
同時に、各ストッパー片14の先端部14aは、上向きフランジ部7cの下側傾斜面27aの上端部に設けられた係合溝14bに係合していることで、アッパーレール7の長手方向から作用する外力に対しては、側壁部7bと上向きフランジ部7cの双方にて両持ち支持された状態で対抗することが可能となっている。なお、一対のブリッジ部13bは、三つのロック爪16cの各爪間に係合するように、ロックツース部11cの各歯のピッチと同じピッチを有しており、この一対のブリッジ部13bの両側に配置される両端側の係合穴13は、ストッパー片14側の面を広げるようにして、中央の係合穴13に対して幅広に形成され、通常状態では両端側の係合穴13のストッパー片14側の面は、ロック爪16cとの間にわずかに隙間を有するように設定されている。これにより、ストッパー片14の曲げによる寸法変化がロック爪16cの噛み合いに影響しないようになっている。
このストッパー片14は、アッパーレール7をロアレール6に組み付ける際にはロアレール6側の段差部11dとは係合せず(図5において、ロアレール6にアッパーレール7を挿入して組み付けるにあたり、ロアレール6の底壁部6aにアッパーレール7を着座させるか、あるいは着座させないまでもアッパーレール7をロアレール6の底壁部6a側に寄せた状態で挿入すれば、ストッパー片14はロアレール6側の段差部11dと干渉しない)、アッパーレール7を所定の位置に組み付けた後にアッパーレール7とロアレール6の間にガイド部材8のボールを挿入することで初めてロアレール6側のいずれか一方の段差部11dと係合するような寸法設定となっている。
また、アッパーレール7は、ロアレール6と同様に長手方向に直交する断面において左右対称形状であり、図5,10から明かなように、アッパーレール7の双方の側壁部7bと上向きフランジ部7cとにまたがるようにして、一対のストッパー片14と三つの係合穴13が左右対称位置に互いに対向するように形成されている。
図7に示すように、アッパーレール7のロアレール6に対する前方側(図7の左側方向)へのスライド移動は、ロアレール6の車両前方側の段差部11dにアッパーレール7の車両前方側のストッパー片14が突き当たることによってそのスライドストローク端(スライドストロークエンド)での位置が規制される。同様にアッパーレール7のロアレール6に対する後方側(図7の右側方向)へのスライド移動は、ロアレール6の車両後方側の段差部11dにアッパーレール7の車両後方側のストッパー片14が突き当たることによってそのスライドストローク端(スライドストロークエンド)での位置が規制される。
図2に示したガイド部材8はいわゆる直動軸受としての機能を有するもので、図6にも示すように、金属製の四つのボール(鋼球)15a,15bと、これら四つのボール15a,15bを回転可能に支持する金属製のリテーナ15cと、から構成されている。本実施の形態では、図6に示す下方側の二つのボール15aとして上方側の二つのボール15bよりも大径のものが使用されていて、下側のボール15aは、ロアレール6の下側円弧部(底壁部6aと側壁部6bとのなす円弧部)とアッパーレール7側の屈曲フランジ部17bの下側傾斜面27aとの間に介装されているとともに、上側のボール15bは、ロアレール6側の上側円弧部(側壁部6bと中間壁部6cとのなす円弧部)とアッパーレール7側の屈曲フランジ部17bの上側傾斜面27bとの間に介装されている。
なお、ガイド部材8は、図2,3に示すように、各レール6,7の幅方向で互いに対向する位置に配置され、且つ各レール6,7の長手方向の前後二箇所に合計四つ配置されている。また、図3に示すように、ロアレール6側においては、前方側のガイド部材8のスライド移動可能な範囲がロアレール6の内側への前後の切り起こし部20a,20bによって制限され、同様に、後方側のガイド部材8のスライド移動可能な範囲がロアレール6の内側への前後の切り起こし部21a,21bによって制限されるようになっている。さらに、図9,10に示すように、アッパーレール7の上向きフランジ部7cにおける下側傾斜面27aには複数の突起部22a,22bおよび23a,23bが形成されている。これにより、図3にも示すように、アッパーレール7側においては、前方側のガイド部材8のスライド移動可能な範囲が前後の突起部22a,22bによって制限され、同様に、後方側のガイド部材8のスライド移動可能な範囲が前後の突起部23a,23bによって制限されるようなっている。
図2に示したロック機構9は、図2,3に示すように、ロアレール6の一対の下向きフランジ部6dに形成されたロックツース部11c(図7参照)を利用するものであって、一端がアッパーレール7の頂壁部7aに固定され、他端がアッパーレール7における双方の側壁部7b,7b同士の対向間隙を上下方向に揺動可能な細長いロック部材16と、ロック部材16の揺動操作を行うための金属製の操作レバー10と、操作レバー10を付勢保持するレバーばね18と、を有している。
ロック部材16は、例えばばね材からなる細長い金属板を階段状に折り曲げることで形成されていて、その一端に形成された貫通穴16aのほか、アッパーレール7の頂壁部7aに形成された取付穴に挿入されるピン部材19を介して、アッパーレール7の頂壁部7aに固定される。また、図2に示すように、ロック部材16のうち貫通穴16aに近い部分には段差部16bが屈曲形成されていて、後述するようにロック,アンロック操作に際しては、ロック部材16は段差部16b近傍を支点としてその自己弾性力により弾性変形して揺動動作することになる。
さらに、ロック部材16の他端には、ロアレール6側のロックツース部11cに係合(噛み合い)離脱可能な複数のロック爪16cが形成されている。これらのロック爪16cは、アッパーレール7側の一対の側壁部7bに形成された係合穴13に対しても係合可能となっている。すなわち、複数のロック爪16cは、ロック部材16の他端が揺動することで、ロックツース部11cおよび一対のブリッジ部13bとの係合と離脱(係合解除)が共に同時に可能となっている。
図2に示した操作レバー10は、シート1の幅方向に沿って延びる把手部10aと、この把手部10aの両端部において各レール6,7の長手方向に延びるレール挿入部10bと、を段差をもって接続するべく把手部10aとレール挿入部10bとの間に中間接続部10cを屈曲形成したもので、全体として平面視にて略U字形状に形成されている。この操作レバー10としては、例えばパイプ状の棒材を加工したものが使用される。
操作レバー10の一対のレール挿入部10bは、左右で独立しているレール組立体5aのそれぞれのアッパーレール7内に挿入されて長手方向での位置決めがなされている。また、レール挿入部10bの先端部は、ロック部材16の下側を通り、そのロック部材16に形成された挿入穴16dの下方から上方に向かって挿入されて、実質的にロック部材16を表裏貫通した上で複数のロック爪16cが形成された部位の上面側に及んでいる。それ故に、操作レバー10はロック部材16に連結接続されているとともに、図2に示したレール組立体5aが左右で独立して配置されていることは先に述べた通りであるから、操作レバー10は左右一対のレール組立体5aが互いに共有していることになる。
図2に示したレバーばね18は、金属製のばね線材を左右対称となるように折り曲げたいわゆる線細工ばねであって、一端に連接部18aが形成されているとともに、他端に突起部18bが屈曲形成されている。そして、突起部18bをアッパーレール7の側壁部7bに形成したばね取付穴18dに係止させることで(図4参照)、レバーばね18がアッパーレール7に固定保持され、同時に、図3に示すように、そのレバーばね18の中を跨ぐようにして挿入されるレール挿入部10bの下面側にレバーばね18の連接部18aが係止される。これにより、図2において、操作レバー10には、把手部10aを上側に押し上げるような付勢力が常時作用していることになる。なお、このレバーばね18のばね力は、ロック部材16のばね力よりも小さいため、レバーばね18のばね力でロック部材16がロック解除することはない。
このロック機構9では、例えば図3に示すロアレール6に対してアッパーレール7がそのスライドストロークの任意の位置に位置していると仮定した場合(実際には、図3では、操作レバー10は図示されておらず、ロアレール6に対してアッパーレール7がそのスライドストロークの後退限のストロークエンドに位置している状態で示している)、図2に示す操作レバー10には、レバーばね18によりロック部材16のピン部材19の頭部下面を揺動中心として上向きの付勢力が作用していて、操作レバー10は操作力が作用しない無負荷の状態にある(この状態を、ここでは初期位置とする)。
操作レバー10が初期位置にある時には、逆にロック部材16の段差部16b近傍を揺動中心としてロック部材16が上方に押し上げられてロック機構9がロック状態にあることを意味する。このロック状態では、ロック部材16の複数のロック爪16cがロアレール6のロックツース部11cとアッパーレール7の複数の係合穴13に同時に噛み合うようにして係合している。これにより、ロアレール6に対するアッパーレール7ひいてはそのアッパーレール7に固定されたシート1のスライド移動が阻止されていて、そのロック状態を自己保持している。
その一方、操作レバー10の把手部10aを握って初期位置から上方へ引き上げると、操作レバー10がピン部材19の頭部下面を揺動中心として揺動し、レール挿入部10bの先端がロック部材16の後端部を押し下げることで、実質的に操作レバー10とロック部材16とが一体的に揺動動作する。これにより、複数のロック爪16cがロアレール6のロックツース部11cとアッパーレール7の複数の係合穴13から同時に離脱する。つまり、操作レバー10の把手部10aを初期位置から上方へ引き上げることで、アッパーレール7ひいてはそのアッパーレール7に固定されたシート1がロアレール6に沿ってスライド移動可能なアンロック状態(ロック解除状態)となる。
そして、このようなアンロック状態を維持したままで、シート1の前後方向位置を調整した上で、操作レバー10の操作力を解除すると、再び先のロック状態に復帰することになる。
このようなロック機構9を有する本実施の形態のシートスライド装置5では、上記のアンロック状態を維持したままで、アッパーレール7を例えばロアレール6に対するスライドストロークの後退限位置(車両後方側へのスライド限位置)まで後退させると、図3,4の状態となる。この状態では、図3,4のほか図7に示すように、ロアレール6の後端部側の段差部11dに対してアッパーレール7の後方側のストッパー片14が突き当たることになる。これにより、ロアレール6に対するアッパーレール7のスライドストロークのうち後退側のスライドストロークエンド位置(スライドストローク端位置)が規制されて、その以上のロアレール6に対するアッパーレール7の後方側へのスライド移動が阻止される。つまり、ロアレール6の後端部側の段差部11dとアッパーレール7の後方側のストッパー片14の側面同士の当接によりロアレール6に対するアッパーレール7のスライドストロークのうち後退側のスライドストロークエンド位置が規制される。
また、逆にアッパーレール7をロアレール6に対するスライドストロークの前進限位置(車両前方側へのスライド限位置)まで後退させると、図3,7に示すロアレール6の前端部側の段差部11dに対してアッパーレール7の前方側のストッパー片14が突き当たることになる。これにより、ロアレール6に対するアッパーレール7のスライドストロークのうち前進側のスライドストロークエンド位置が規制されて、その以上のロアレール6に対するアッパーレール7の前方側へのスライド移動が阻止される。つまり、ロアレール6の前端部側の段差部11dとアッパーレール7の前方側のストッパー片14の側面同士の当接によりロアレール6に対するアッパーレール7のスライドストロークのうち前進側のスライドストロークエンド位置が規制される。
このように、ロアレール6に対してアッパーレール7を前方側または後方側のスライドストローク限位置までスライド移動させた時には、いずれの場合においても、図3,5,7に示すように、ロアレール6側の前後いずれか一方の段差部11dの端面に対して、アッパーレール7側の前後いずれか一方のストッパー片14の端面が十字状をなすかたちで当接または突き当たることになる。この場合において、ストッパー片14は、図5,10に示すように、アッパーレール7側の側壁部7bと上向きフランジ部7cとに両持ち支持されていてその強度の向上が図られており、段差部11dへの突き当て時の剛性感にも優れたものとなる。
しかも、ストッパー片14はアッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとにまたがる部分を切り起こすかたちで一体的に形成してあるので、ストッパー片14として別部材を組み付ける必要がなく、部品点数および組立工数の削減によりコストダウンを図ることができる。その上、ロック機構9に関連するアッパーレール7側の複数の係合穴13とストッパー片14とが隣接配置されていることにより、それらを加工する際の例えばスリット加工等を実質的に同時に行うことができるから、これによってもまた加工工数の削減により一段とコストダウンを図ることが可能となる。
さらに、ロアレール6に対するアッパーレール7のスライド移動を規制するストッパー片14と段差部11dはロアレール6にアッパーレール7を組み付ける前に予め形成されているとは先に述べた通りである。そのため、ロアレール6にアッパーレール7を組み付ける際には、図5において、アッパーレール7をロアレール6の底壁部6aに着座させた状態、または着座しないまでも底壁部6a側に寄せた状態(ストッパー片14と段差部11dとの干渉を回避できる状態)で、ロアレール6の前端側もしくは後端側から所定位置までアッパーレール7挿入し、その後にアッパーレール7を上方に平行移動して組み付けることができる。つまり、ロアレール6にアッパーレール7を組み付けた状態で、ストッパー片14や段差部11dを形成するような加工を行う必要はないので、ロアレール6に対するアッパーレール7の組付性を向上させることができるとともに、後加工のための外力を加える必要がないので、組み付けられた状態でのロアレール6およびアッパーレール7のそれぞれの断面形状の安定化を図ることができる。
なお、シートスライド装置5の仕様の相違等によっては、ロアレール6にアッパーレール7を組み付ける際に、アッパーレール7を図5に示すロアレール6の底壁部6aに着座させたとしても、ストッパー片14と段差部11dとの干渉を回避できない可能性がある。そのような場合には、ストッパー片14と段差部11dとの干渉を回避できる程度にストッパー片14の曲げ状態を不完全曲げ状態としておき、ロアレール6にアッパーレール7を組み付けた後に、図10の正規位置になるまでストッパー片14に曲げ加工を施すものとする。
図11,12は本発明に係るシートスライド装置5の第2の実施の形態を示す図で、先に説明した図5と共通する部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態では、図11と図5とを比較すると明かなように、ストッパー片24は図5と同じ切り起こしタイプのものとする一方で、アッパーレール7の上向きフランジ部7c(直立壁部17a)側から側壁部7b側に向けて横向きにストッパー片24を折り曲げ形成するとともに、ストッパー片24の先端部24a側については側壁部7bから一旦切り離した上で、図5,10と同様に、ストッパー片24の周囲に付帯している補助穴13aの一部である溝に係合させたものである。
この第2の実施の形態においても、ストッパー片24がアッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとに両持ち支持されていることに変わりはなく、よって先の第1の実施の形態のものと同様の効果が得られることになる。
この場合において、ロアレール6にアッパーレール7を組み付ける際には、図11において、アッパーレール7をロアレール6の底壁部6aに着座させた状態、または着座しないまでも底壁部6a側に寄せた状態(ストッパー片24と段差部11dとの干渉を回避できる状態)で、ロアレール6の前端側もしくは後端側から所定位置までアッパーレール7挿入し、その後にアッパーレール7を上方に平行移動して組み付けるものとする。
ただし、先にも述べたように、シートスライド装置5の仕様の相違等によっては、ロアレール6にアッパーレール7を組み付ける際に、アッパーレール7を図11に示すロアレール6の底壁部6aに着座させたとしても、ストッパー片24とロアレール6側の段差部11dとの干渉を回避できない可能性がある。そのような場合には、図12に示すように、ストッパー片24と段差部11dとの干渉を回避できる程度にストッパー片24の曲げ状態を不完全曲げ状態としておき、ロアレール6にアッパーレール7を組み付けた後に、図11に示す正規位置になるまでストッパー片24に曲げ加工を施すものとする。
図13は本発明に係るシートスライド装置5の第3の実施の形態を示す図で、先に説明した図5と共通する部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態では、図7に示したロアレール6側の前後一対の段差部11dおよびアッパーレール7側の前後一対のストッパー片14について、前後いずれかの一方の段差部11dとストッパー片14はそれらを一セットとしてそのまま残し、他方側についてはこれらを一セットで廃止し、代わって、図13に示すように、ロアレール6の底壁部6aにストッパー当接部として切り起こし部25aを形成するとともに、アッパーレール7の側壁部7bから下方に向けて切り起こし部25aに対応するストッパー片25bを突出形成したものである。
これにより、段差部11dを廃止した側からロアレール6にアッパーレール7を挿入することで、段差部11dとストッパー片14が衝突するのを避けるように組み付ける必要がなく、組み付け性が向上することになる。
この第3の実施の形態においても、一方のストッパー片14についてはアッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとに両持ち支持されていることに変わりはなく、この一方のストッパー片14については先の第1の実施の形態と同様の強度向上効果等を奏することができる。
なお、本発明は、上述した第1の実施の形態でのロック機構9とは異なるメカニズムでアッパーレール7をロアレール6の任意の位置に固定するロック機構を採用するシートスライド装置にも適用可能である。
例えば、シートスライド装置5が、操作レバー10の把手部10aを操作するとロアレール6およびアッパーレール7に対して係合しているロック部材のロック爪がアッパーレール7の長手方向の軸回りに回動するようなロック機構を有する場合には、ロアレール6の下向きフランジ部6dに形成される図7のロックツース部11c及び下方が開放するアッパーレール7の係合穴13に代えて、第4の実施の形態として図14に示すように、個々に独立したロック穴28,28‥を長手方向に並設しても良く、この場合にも上記実施の形態と同様に所期の目的を達成することができる。
図15〜19は、本発明に係るシートスライド装置5の第5の実施の形態を示す図で、先に説明した図5,図6,図8,図9,図10と共通する部分には同一符号を付してある。
この第5の実施の形態では、図15に示すように、ストッパー片31が切り起こしタイプのものではなく、アッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとにまたがる部分を部分的に上方側(アッパーレール7の頂壁部7a側)に凹ませて形成したものとなっている。なお、図15は、直立壁部17aと上側傾斜面27bとの間に介在する傾斜接続面17cのうち車両前方側のものの位置における断面図であり、例えば図3のC−C線に沿った位置に相当する断面図である。
アッパーレール7には、図16〜18に示すように、アッパーレール7の長手方向の中間部分(中央部)に三つの係合穴13と三つの補助穴13aとが並んで形成されている。三つの係合穴13の両側には、補助穴13aが形成されている。すなわち、三つの係合穴13の車両前方側には一つの補助穴13aが形成され、三つの係合穴13の車両後方側には二つの補助穴13aが形成されている。この第5の実施の形態における係合穴13及び補助穴13aは、アッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとにまたがるように形成されている。
そして、車両前方側の貫通穴部としての補助穴13aと、車両前方側の補助穴13aに隣接する貫通穴部としての係合穴13と、に挟まれた短冊状の部分は、上方側(アッパーレール7の頂壁部7a側)に凹ませることでストッパー片31となっている。
つまり、ストッパー片31は、図15に示すように、アッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとを橋渡しする(掛け渡す)かたちで、それらの側壁部7bと上向きフランジ部7cとに両持ち支持されている。
また、ストッパー片31は、アッパーレール7の頂壁部7aと略平行で、かつ側壁部7bに対して略直角となるように形成されている。ストッパー片31は、上向きフランジ部7c側の端部位置が、上下方向で屈曲フランジ部17bにおける下側傾斜面27aの上端位置付近となっている。つまり、ストッパー片31の両側に隣接する係合穴13と補助穴13aは、その一端が屈曲フランジ部17bにおける上側傾斜面27bの下端位置付近に位置するよう形成されている。
このようなストッパー片31は、ロアレール6の車両前方側の段差部11dに突き当たることによって、アッパーレール7のロアレール6に対する車両前方側へのスライド移動のスライドストローク端(スライドストロークエンド)位置を規制する。
また、ストッパー片31は、アッパーレール7をロアレール6に組み付ける際にはロアレール6側の段差部11dとは係合せず(図15において、ロアレール6にアッパーレール7を挿入して組み付けるにあたり、ロアレール6の底壁部6aにアッパーレール7を着座させるか、あるいは着座させないまでもアッパーレール7をロアレール6の底壁部6a側に寄せた状態で挿入すれば、ストッパー片14はロアレール6側の段差部11dと干渉しない)、アッパーレール7を所定の位置に組み付けた後にアッパーレール7とロアレール6の間にガイド部材8のボールを挿入することで初めてロアレール6側の段差部11dと係合するような寸法設定となっている。
車両後方側の2つの補助穴13aに挟まれた短冊状の部分は、上向きフランジ部7c側の端部が切り離されており、アッパーレール7の側壁部7bから直線状に連続する直立ストッパー片32となっている。この直立ストッパー片32は、上述した第3の実施の形態におけるストッパー片25bに相当するものである。
直立ストッパー片32は、ロアレール6に形成された第3の実施形態における切り起こし部25aに相当する構成に突き当たることによって、アッパーレール7のロアレール6に対する車両後方側へのスライド移動のスライドストローク端(スライドストロークエンド)位置を規制する。
このような第5の実施の形態においても、ストッパー片31がアッパーレール7の側壁部7bと上向きフランジ部7cとに両持ち支持されていることに変わりなく、よって先の第1の実施の形態のものと同様の作用効果を得ることができる。
さらに、ストッパー片31は、その一端がアッパーレール7の側壁部7bと連続し、その他端がアッパーレール7の上向きフランジ部7cと連続したものとなる。つまり、ストッパー片31の両端がアッパーレール7と一体で形成されているため、ストッパー片31の強度を相対的に向上させることができる。
また、この第5の実施の形態においては、ストッパー片31がアッパーレール7のプレス成形工程中に形成されている。すなわち、アッパーレール7を板状の部材(ブランク材)から最終形状に至るまでトランスファープレス等における一連の工程で加工する際に、ストッパー片31が所望の正規形状(最終的な形状)となるように併せてプレス成形されている。換言すると、ストッパー片31は、アッパーレール7に後加工されるものではなく、アッパーレール7の各部を加工する際に、併せて加工されている。
具体的には、アッパーレール7の上向きフランジ部7cが正規形状(最終的な形状)となる位置まで折り返される手前の段階で、車両前方側の補助穴13aと車両前方側の補助穴13aに隣接する係合穴13とに挟まれた部分にプレス加工を施して、正規形状のストッパー片31が得られるようにしている。
図19は、ストッパー片31をプレス成形する前後におけるアッパーレール7のプレス成形工程の流れを示した説明図である。
図19の工程Aの状態のアッパーレール7は、いわゆるブランク材の状態から順次プレスによる曲げ加工が行われた状態のものであって、上向きフランジ部7cが折り曲げられてはいるものの正規形状までは折り曲げられていない状態である。
そして、このような状態のアッパーレール7をストッパー片成形用の上下の金型33、34を用いてプレス成形し、ストッパー片31を形成する(図19の工程B)。
ストッパー片31が形成されたアッパーレール7は、上向きフランジ部7cを正規形状まで折り曲げる上向きフランジ部最終成形用の上下の金型35、36にセットされる(図19の工程C)。
ストッパー片31が形成されたアッパーレール7においては、金型35の下降に伴い、金型35のテーパ面35aが上向きフランジ部7cに押し付けられる。金型35は、上向きフランジ部7cが正規形状となるように、プレス成形後のスプリングバックを考慮した位置まで下降し、上向きフランジ部7cを折り曲げる(図19の工程D)。これにより、アッパーレール7の一連のプレス成形工程が終了する。
このように、アッパーレール7を最終形状まで成形する一連のプレス成形工程内で、ストッパー片31を併せてプレス成形することで、後加工によりストッパー片31が正規形状となるよう加工する必要がなくなる。そのため、アッパーレール7の生産性を向上させることができる。
なお、上述した第5の実施の形態のシートスライド装置においては、直立ストッパー片32を廃止し、三つ並んだ係合穴13の両側にストッパー片31を形成するようにしてもよい。この場合には、車両後方側の二つの補助穴13aのうち係合穴13に隣接する相対的に車両前方側の補助穴13aが廃止される。
また、本明細書における「上下方向」とは、シートスライド装置5が床面に固定された状態での上下方向であり、床面に直交する方向、すなわち車両の高さ方向であって、例えば図5の上下方向と一致するものとする。また、本明細書における「前後方向」とは、シートスライド装置5が固定される車両の前後方向であり、例えば図5の紙面垂直方向、または図7の左右方向と一致するものとする。
1…車両用シート
5…シートスライド装置
6…ロアレール
6a…底壁部
6b…側壁部
6d…下向きフランジ部
7…アッパーレール
7a…頂壁部
7b…側壁部
7c…上向きフランジ部
8…ガイド部材
11d…段差部(ストッパー当接部)
13…係合穴
14…ストッパー片
24…ストッパー片
31…ストッパー片

Claims (8)

  1. 車体のフロア部に固定されるロアレールと、このロアレールにスライド移動可能に係合保持されたアッパーレールと、を備え、
    上記アッパーレールに固定されたシートの位置をロアレールの長手方向で調整可能とした車両用シートスライド装置であって、
    上記ロアレールは、底壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の上端部を内側に折り返すことで形成された下向きフランジ部と、で上面が開放されたものとして形成されている一方、
    上記アッパーレールは、頂壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の下端部を外側に折り返すことで形成されて上記ロアレールの側壁部と下向きフランジ部との間に入り込む上向きフランジ部と、で下面が開放されたものとして形成されていて、
    上記ロアレールの下向きフランジ部のうち長手方向の少なくとも一端部にはストッパー当接部が形成されているとともに、
    上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部には、当該アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがるように両者間に掛け渡されたストッパー片が一体に折り曲げ形成されていて、
    上記ストッパー当接部とストッパー片の側面同士の当接により、ロアレールに対するアッパーレールのスライドストロークの少なくとも一方のストローク端位置を規制するようになっていることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シートスライド装置において、
    上記ストッパー片はアッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分を部分的に上方側に向けて切り起こして形成したものであることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  3. 請求項2に記載の車両用シートスライド装置において、
    上記ストッパー片は側壁部から連続するように当該側壁部から上向きフランジ部側に向かって横向きに折り曲げられているとともに、先端部は上向きフランジ部から切り離されていて、この切り離された先端部が上向きフランジ部側の係合溝に係合していることにより、ストッパー片が側壁部と上向きフランジ部とで両持ち支持されていることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  4. 請求項2に記載の車両用シートスライド装置において、
    上記ストッパー片は上向きフランジ部から連続するように当該上向きフランジ部から側壁部側に向かって横向きに折り曲げられているとともに、先端部は側壁部から切り離されていて、この切り離された先端部が側壁部側の係合溝に係合していることにより、ストッパー片が上向きフランジ部と側壁部とで両持ち支持されていることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  5. 請求項1に記載の車両用シートスライド装置において、
    上記ストッパー片は、上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分を部分的に上方側に凹ませて形成したものであることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  6. 請求項5に記載の車両用シートスライド装置において、
    上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部には、上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分に、長穴状の貫通穴部が複数形成され、
    隣接する2つの上記貫通穴部の間の部分を上方側に凹ませることで上記ストッパー片が形成されることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  7. 請求項1〜6に記載のいずれか一つの車両用シートスライド装置において、
    上記アッパーレールにはロアレールに対するアッパーレールのロック,アンロックを司るロック機構が付帯していて、
    上記アッパーレールの側壁部の長手方向中央部にはロック機構のロック爪部材が係合可能な係合穴が形成されているとともに、
    この係合穴に隣接して上記アッパーレールの長手方向の少なくともいずれか一方側にストッパー片が形成されていることを特徴とする車両用シートスライド装置。
  8. 車体のフロア部に固定されるロアレールと、このロアレールにスライド移動可能に係合保持されたアッパーレールと、を備えた車両用シートスライド装置の製造方法において、
    上記アッパーレールは、頂壁部と、その両側の側壁部と、各側壁部の下端部を外側に折り返すことで形成された上向きフランジ部と、上記アッパーレールの長手方向中央部の下端部に位置して、上記アッパーレールの側壁部と上向きフランジ部とにまたがる部分に形成された長穴状の複数の貫通穴部と、を有し、一連の工程で最終形状まで成形されるものであって、
    上記アッパーレールは、上記上向きフランジ部が途中まで折り返された状態で、隣接する2つの上記貫通穴部の間の部分を上方側に凹ませ、上記ロアレールに係合保持された際に上記ロアレールに設けられたストッパー当接部に当接して当該ロアレールに対する上記アッパーレールのスライドストロークの少なくとも一方のストローク端位置を規制するストッパー片を形成し、上記ストッパー片の形成後に上記上向きフランジ部を最終形状となるまで折り返すことを特徴とする車両用シートスライド装置の製造方法。
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