JP2017061898A - 蒸気タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】動翼に適したシュラウドの構造を維持しつつ、チップリーク流の流れを制御し、ディフューザ性能を向上させることができる蒸気タービンを提供する。【解決手段】実施形態の蒸気タービン10は、最終段のタービン段落において、ダイアフラム外輪26aが、タービンロータ軸方向に延設され、ダイアフラム外輪26aによって支持される静翼28aの直下流の動翼24aを半径方向外側から包囲する延設部81を備える。また、最終段のタービン段落において、シールフィン111が、半径方向外側に向かって傾斜する上流側の側面111aを有し、側面111aのタービンロータ軸方向に対する角度θ1が、環状ディフューザ60の入口における、スチームガイド40の内面41のタービンロータ軸方向に対する拡大傾斜角度θ2の±10度の範囲に設定されている。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、排気室を備える蒸気タービンに関する。
火力発電所などで用いられる蒸気タービンの熱効率の向上は、エネルギ資源の有効利用や、二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながる重要な課題となっている。蒸気タービンの熱効率の向上は、与えられたエネルギを有効に機械仕事に変換することで達成することができる。そのためには、様々な内部損失を低減することが必要である。
蒸気タービンの内部損失には、翼の形状に起因するプロファイル損失、蒸気の二次流れ損失、蒸気の漏洩損失、蒸気の湿り損失などに基づくタービン翼列損失、蒸気弁やクロスオーバー管に代表される翼列以外の通路における通路部損失、タービン排気室によるタービン排気損失などがある。
これら損失の中で、タービン排気損失は、全内部損失の10〜20%を占める大きな損失である。タービン排気損失は、最終段のタービン段落の出口から復水器入口までの間で発生する損失である。タービン排気損失は、リービング損失、フード損失、環状面積制限損失、ターンナップ損失などにさらに分類される。このうち、フード損失は、排気室から復水器までの圧力損失である。このフード損失は、ディフューザを含めた排気室の形式、形状、サイズに依存する。
一般に、圧力損失は、蒸気の流速の二乗に比例して大きくなる。そのため、許容される範囲で排気室のサイズを大きくして蒸気の流速を低減することが効果的である。しかしながら、排気室のサイズを大きくする際、製造コストや建屋の配置スペースなどからの制約を受ける。フード損失を低減させるために排気室のサイズを大きくする際にも、このような制約を受ける。
フード損失は、タービンロータ軸方向の速度である軸流速度、換言すると排気室を通過する体積流量に依存する。また、フード損失は、ディフューザを含めた排気室の設計に依存する。低圧タービンの排気室は、蒸気タービン全体の中でも大きな容量を占める。そのため、フード損失を低減させるために排気室のサイズを拡大することは、蒸気タービン全体のサイズや製造コストに大きな影響を与える。そこで、限られた排気室のサイズで、圧力損失の小さい形状とすることが重要となる。
例えば、従来の下方排気型の排気室を備えた複流排気型(ダブルフロー型)の低圧タービンにおいて排気室内での損失(静圧損失)を低減するためには、スチームガイドとベアリングコーンで構成される環状のディフューザにおいて流れを減速させ、十分に静圧を回復させることが最も重要である。従来の低圧タービンでは、ベアリングコーンのタービン軸方向の長さを増加して、ディフューザのタービン軸方向の長さを増加させ、静圧を十分に回復させることが検討されてきた。
しかしながら、近年では、蒸気タービンのコンパクト化などの観点から、ベアリングコーンのタービン軸方向の長さを減少させつつ、静圧を十分に回復させることが検討されている。
ここで、図6および図7は、従来の下方排気型の排気室を備えた複流排気型(ダブルフロー型)の低圧タービン300の最終段のタービン段落の動翼310およびその近傍の鉛直方向の子午断面の一部を示した図である。
図6に示した従来の低圧タービン300では、動翼310の先端であるシュラウド311は、水平に構成されている。この動翼310を外周から包囲するダイアフラム外輪360の内面360aも水平に構成されている。そして、シュラウド311と内面360aとの間に所定の間隙365が形成されている。そして、例えば、シュラウド311の外面311aにシールフィン370を備え、間隙365をシールしている。
図6に示すように、最終段のタービン段落の動翼310の下流側には、スチームガイド320とベアリングコーン330とが備えられている。スチームガイド320とベアリングコーン330との間には、環状ディフューザ340が形成される。この環状ディフューザ340は、最終段のタービン段落の動翼310を通過した蒸気が導かれる拡大流路を構成する。また、環状ディフューザ340は、排気室の一部を構成する。環状ディフューザ340に導かれた蒸気は、半径方向外側に向かって、放射状に流出される。
ここで、コンパクトな排気室において性能向上を図るためには、例えば、環状ディフューザ340の入口、すなわち最終段のタービン段落の動翼310の出口において、流れ350が最適な広がり角度に広がり、スチームガイド320の内面320aに沿って流れ、ディフューザ効果を発揮できることが重要である。また、環状ディフューザ340に流入した流れ350がスチームガイド320の内面320a上で剥離しないことが重要である。そのためには、タービンロータ軸方向に対する流れ350の半径方向外側への広がり角度は、所定の範囲の広がり角度αであることが条件となる。
スチームガイド320は、ダイアフラム外輪360の下流端から、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴って半径方向外側に、タービンロータ軸方向に対して所定の拡大傾斜角で傾斜している。
このような構成の従来の低圧タービン300において、間隙365を下流側に流れる漏れ流れであるチップリーク流351が生じる。このチップリーク流351は、間隙365から環状ディフューザ340に向かってタービンロータ軸方向に高速で流れる。
このチップリーク流351によって、環状ディフューザ340の入口付近の外周側を流れる蒸気は、半径方向外側に広がることが阻害され、広がり角度αよりも小さな角度で流れる。すなわち、動翼310を通過した蒸気のうちの、外周側を流れる蒸気は、スチームガイド320の内面320aに沿って流れることができない。これによって、スチームガイド320の内面320a上で、流れの剥離が生じる。
なお、高速で回転するシールフィン370が、ダイアフラム外輪360の内面360aと接触することを防止するため、シールフィン370の先端と内面360aとの間に所定の隙間を設けることは必要である。そのため、チップリーク流351を無くすことはできない。
そこで、図7に示すように、シュラウド311の後縁にガイド312を設けて、チップリーク流351をスチームガイド320の内面320aに沿う方向に誘導する技術が検討されている。
ここで、近年、最終段の動翼310は、タービン効率の向上を図る観点から、長翼化されている。さらに、このような動翼310は、翼高さ方向の流れを最適化するために、翼の根元から先端に向かって3次元的にねじれた翼で構成される。このねじれ翼の場合、先端では、例えば、翼弦方向が周方向となり、シュラウド311のタービンロータ軸方向の長さは、短くなる。
そのため、例えば、ねじれ翼に、上記した流れを誘導するガイド312を設ける場合、シュラウド311をタービンロータ軸方向に延設する必要がある。これによって、シュラウド311が大きくなり、翼の強度を低下せる結果となる。
上記したように、従来の蒸気タービンにおいては、動翼310に適したシュラウド311の構造を維持しつつ、チップリーク流351を、スチームガイド320の内面320aに沿う方向に誘導することができない。
本発明が解決しようとする課題は、動翼に適したシュラウドの構造を維持しつつ、チップリーク流の流れを制御し、ディフューザ性能を向上させることができる蒸気タービンを提供することである。
実施形態の蒸気タービンは、ケーシングと、前記ケーシング内に貫設されたタービンロータの周方向に植設された動翼と、前記動翼の先端に周方向に設けられたシュラウドと、前記シュラウドの外周に周方向に設けられたシールフィンと、前記ケーシングの内側に設けられたダイアフラム外輪と、前記ダイアフラム外輪の内側に設けられたダイアフラム内輪と、前記ダイアフラム外輪と前記ダイアフラム内輪との間に周方向に設けられ、前記動翼とタービンロータ軸方向に交互に配置された静翼と、前記静翼および前記動翼を備えるタービン段落の最終段を通過した蒸気が流入する環状ディフューザとを備える。
この蒸気タービンにおける最終段の前記タービン段落において、前記ダイアフラム外輪が、タービンロータ軸方向に延設され、前記ダイアフラム外輪によって支持される前記静翼の直下流の前記動翼を半径方向外側から包囲する延設部を備える。また、最終段の前記タービン段落において、前記シールフィンが、半径方向外側に向かって傾斜する上流側傾斜面を有し、前記上流側傾斜面のタービンロータ軸方向に対する角度θ1が、前記環状ディフューザの入口における、前記環状ディフューザを構成する外壁のタービンロータ軸方向に対する角度θ2の±10度の範囲に設定されている。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の鉛直方向の子午断面を示す図である。ここでは、蒸気タービン10として、下方排気型の排気室を備えた複流排気型の低圧タービンを例示して説明する。
図1は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の鉛直方向の子午断面を示す図である。ここでは、蒸気タービン10として、下方排気型の排気室を備えた複流排気型の低圧タービンを例示して説明する。
図1に示すように、蒸気タービン10において、外部ケーシング20内には、内部ケーシング21が備えられている。内部ケーシング21内には、タービンロータ22が貫設されている。このタービンロータ22には、周方向に亘って半径方向外側に突出するロータディスク23が形成されている。このロータディスク23は、タービンロータ軸方向に複数段形成されている。
タービンロータ22のロータディスク23には、周方向に複数の動翼24が植設され、動翼翼列170を構成している。この動翼翼列170は、タービンロータ軸方向に複数段備えられている。タービンロータ22は、ロータ軸受25によって回転可能に支持されている。
内部ケーシング21の内側には、ダイアフラム外輪26とダイアフラム内輪27とが設けられている。ダイアフラム外輪26とダイアフラム内輪27との間には、周方向に複数の静翼28が配設され、静翼翼列180を構成している。この静翼翼列180は、タービンロータ軸方向に動翼翼列170と交互になるように配置されている。静翼翼列180と、この静翼翼列180の直下流の動翼翼列170とで一つのタービン段落を構成する。また、ダイアフラム外輪26は、下流側に延設され、静翼28の直下流の動翼24を包囲している。
蒸気タービン10の中央には、クロスオーバー管29からの蒸気が導入される吸気室30を備えている。この吸気室30から左右のタービン段落に蒸気を分配して導入する。
最終段のタービン段落の下流側には、外周側のスチームガイド40と、その内周側のベアリングコーン50とによって、環状ディフューザ60が形成される。この環状ディフューザ60は、例えば、蒸気を半径方向外側に向かって排出する。なお、ベアリングコーン50の内径側には、例えば、ロータ軸受25などが備えられている。
環状ディフューザ60を備えた下方排気型の排気室の下方には、例えば、復水器(図示しない)が備えられる。
なお、上記した、外部ケーシング20、内部ケーシング21、スチームガイド40、ベアリングコーン50などは、上下に2つ割り構造で構成されている。例えば、上半側および下半側のスチームガイド40によって筒状のスチームガイド40が構成される。上半側および下半側のベアリングコーン50よって筒状のベアリングコーン50が構成される。そして、筒状のスチームガイド40と、その内側に設けられた筒状のベアリングコーン50とによって、環状ディフューザ60が構成される。なお、スチームガイド40およびベアリングコーン50における上半側および下半側の構成は同じである。
次に、最終段のタービン段落の構成について詳しく説明する。
図2は、第1の実施の形態の蒸気タービン10における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。なお、図2において、説明の便宜上、最終段のタービン段落の構成部には、図1で示した構成部の符号に「a」を加えて示している(以下の実施の形態において同じ。)。また、図2に示す構成は、タービンロータ軸方向に沿う鉛直断面に限らず、タービンロータ軸方向に沿う垂直断面において同様である。
図2に示すように、最終段のタービン段落におけるダイアフラム外輪26aは、拡開部80と、延設部81とを備える。
拡開部80は、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴って半径方向外側に内径が広がる。拡開部80の内面82は、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い半径方向外側に、例えば、直線的に拡大する。この内面82は、タービンロータ軸方向に対して拡大傾斜角度β(度)で傾斜している。
この拡大傾斜角度βは、例えば、環状ディフューザ60の入口のスチームガイド40の内面41側において、タービンロータ軸方向に対する蒸気の流れ185の半径方向外側への広がり角度が所定の広がり角度α(度)となるように設定される。ここで、所定の広がり角度は、例えば、スチームガイド40の内面41上で流れの剥離が生じない範囲の角度である。
なお、図2に示すように、最終段のタービン段落の静翼28aは、ダイアフラム外輪26aの拡開部80とダイアフラム内輪27aとの間に取り付けられている。
延設部81は、拡開部80の下流側の端部からタービンロータ軸方向(水平方向)に延設され、動翼24aの先端に半径方向外側から対向する。すなわち、延設部81は、動翼24aを外周から包囲している。
タービンロータ軸方向に延びる延設部81の水平な内面83と、動翼24aの先端に設けられたシールフィン111との間には、所定の間隙が形成されている。シールフィン111は、例えば、図2に示すように、動翼24aの先端に周方向に設けられたシュラウド130の外周に周方向に設けられる。そのため、シールフィン111は、環状に形成されている。
図2には、シールフィン111を周方向に一周備えた一例を示している。換言すれば、シールフィン111をタービンロータ軸方向に一段に備えた一例を示している。一段のシールフィン111を備える場合、回転時の重量バランスを考慮して、シールフィン111は、例えば、タービンロータ軸方向において、シュラウド130の中央に設けられることが好ましい。なお、シールフィン111は、タービンロータ軸方向に複数段備えてもよい。
シールフィン111は、図2に示すように、周方向に垂直な断面において、例えば、三角形状を有している。シールフィン111の上流側の側面111aは、半径方向外側に向かって傾斜している。すなわち、側面111aは、下流に行くに伴って半径方向外側に突出している。そして、側面111aの内周端は、例えば、シュラウド130の外周面に接している。
ここで、シールフィン111の形状は、三角形状に限られない。シールフィン111は、上流側に側面111aを備えていればよい。そのため、図2に示す断面において、例えば、上流側の側面111aを備える台形などであってもよい。なお、側面111aは、上流側傾斜面として機能する。
図2に示す断面において、側面111aが、タービンロータ軸方向(水平方向)に対する角度はθ1(度)である。すなわち、側面111aと、タービンロータ軸方向とのなす角度がθ1である。
延設部81の下流端面84には、スチームガイド40が隣接されている。このスチームガイド40は、環状ディフューザ60の外壁を構成する。スチームガイド40の上流端面42は、例えば、図2に示すように、延設部81の下流端面84のうちの半径方向内側部分に接している。具体的には、図2に示す断面において、例えば、スチームガイド40の上流端面42の半径方向内側の端部と、延設部81の下流端面84の半径方向内側の端部とが接触している。
スチームガイド40は、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い、半径方向外側に拡開する拡大筒状に構成されている。スチームガイド40の上流部は、例えば、図2に示すように、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い半径方向外側に直線的に拡大している。スチームガイド40の下流部は、例えば、図1に示すように、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い半径方向外側に湾曲しながら拡大する。
なお、スチームガイド40の形状は、これに限られない。スチームガイド40は、例えば、上流端から下流端において、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い半径方向外側に湾曲しながら拡大するラッパ状に構成されてもよい。
スチームガイド40の入口における内面41は、図2に示すように、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴って半径方向外側に、タービンロータ軸方向に対して拡大傾斜角度θ2で傾斜している。
なお、スチームガイド40が、上流端から下流端において、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い半径方向外側に湾曲しながら拡大する場合には、拡大傾斜角度θ2(度)は、図2に示した断面において、スチームガイド40の内面41の上流端における接線とタービンロータ軸方向とのなす角で定義される。
ここで、拡大傾斜角度θ2は、最終段のタービン段落を通過した蒸気が、スチームガイド40の内面41上で剥離しない程度の角度に設定される。また、拡大傾斜角度θ2と、前述した角度θ1とは、次の式(1)の関係を満たしている。
角度θ1 = 拡大傾斜角度θ2±10度 …式(1)
角度θ1 = 拡大傾斜角度θ2±10度 …式(1)
すなわち、角度θ1は、拡大傾斜角度θ2の±10度の範囲に設定されている。
式(1)の関係を満たすことで、シールフィン111と延設部81の内面83との間を通過したチップリーク流115は、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。そのため、環状ディフューザ60の入口のスチームガイド40の内面41側において、タービンロータ軸方向に対する蒸気の流れ185の半径方向外側への広がり角度が広がり角度αとなる。これによって、スチームガイド40の内面41上における流れの剥離を防止できる。
ベアリングコーン50は、タービンロータ軸方向の下流側に行くに伴い、湾曲しながら半径方向外側に拡開する拡大筒状に構成されている。ベアリングコーン50の上流端は、図2に示すように、回動するロータディスク23aに接しない程度に、ロータディスク23aの下流側端面のうちの半径方向外側部分に隣接している。ベアリングコーン50の下流端は、図1に示すように、外部ケーシング20の、タービンロータ軸方向の下流側の側壁140の内壁面141に接している。
ここで、本実施の形態における構成は、例えば、ベアリングコーン50のタービン軸方向の長さを減少させてコンパクト化を図るとともに、環状ディフューザ60において静圧を十分に回復させることを実現する蒸気タービンに好適である。
具体的には、最終段のタービン段落における動翼24aの外径Dに対するベアリングコーン50のタービンロータ軸方向の長さLの比(L/D)が、例えば、2/5以下となる蒸気タービンに、本実施の形態における構成は好適である(図1参照)。
ここで、図1に示すように、長さLは、ベアリングコーン50の動翼24a側の端部からベアリングコーン50の下流端が接する側壁140の内壁面141までの距離である。外径Dは、動翼24aが回転する際、動翼24aの翼先端が描く円の直径に等しい。なお、動翼24aは、シュラウド130を備えるため、外径Dは、シュラウド130を含んだ外径である。
L/Dが2/5以下の蒸気タービンにおいては、排気室が十分に小型化されたものとなり、製造や設置などの費用が削減される。なお、L/Dは、環状ディフューザ60における曲がり損失などを考慮すると、1/5程度まで設定することができる。
次に、蒸気タービン10の作用について、図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、クロスオーバー管29を経て蒸気タービン10内の吸気室30に流入した蒸気は、左右のタービン段落に分岐して流れる。そして、各タービン段落の静翼28、動翼24を備える蒸気流路を膨張しながら通過し、タービンロータ22を回転させる。
図2に示すように、最終段のタービン段落において、静翼28aを通過した蒸気は、半径方向外側に広がりながら動翼24aに流入する。動翼24aに流入した蒸気は、膨張仕事をして動翼24aを通過する。なお、動翼24aを通過した蒸気の流れは、広がり角度αを有する。
一方、静翼28aを通過した蒸気の一部は、シュラウド130と延設部81の内面83との間に、チップリーク流115として流入する。チップリーク流115は、シールフィン111の側面111aに沿って流れる。
シールフィン111と内面83との間を通過したチップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有して、内面83に沿って下流側へ流れる。なお、シールフィン111を備えることで、チップリーク流115の流量は、抑制されている。
環状ディフューザ60の入口において、チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するため、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。そのため、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広がる。そして、スチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、スチームガイド40の内面41上において剥離することなく、下流に流れる。
環状ディフューザ60内に流入した蒸気は、スチームガイド40とベアリングコーンとの間を流れる。そして、その流れは、環状ディフューザ60によって減速され、静圧を十分に回復する。
環状ディフューザ60の出口において、図1に示すように、蒸気は、半径方向外側に流出する。半径方向外側に流出した蒸気は、流れが下方に転向される。そして、転向された蒸気は、例えば、タービンロータ22の下方に設置された復水器(図示しない)に導かれる。
上記したように、第1の実施の形態の蒸気タービン10によれば、上記したシールフィン111を備えることで、チップリーク流115をスチームガイド40の内面41に沿って流すことができる。これによって、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広げることができる。
そのため、スチームガイド40の内面41に沿う蒸気の流れの剥離が抑制され、環状ディフューザ60における圧力損失を低減することができる。そして、ディフューザ性能が向上することによってタービン効率が向上する。
また、蒸気タービン10によれば、動翼24aの先端のシュラウド130の形状を変更することなく、チップリーク流115の流れを制御し、ディフューザ性能を向上させることができる。すなわち、動翼24aに適したシュラウド130の構造を維持しつつ、ディフューザ性能を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態の蒸気タービン11における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。また、図3において、第1の実施の形態の蒸気タービン10と同一の構成部には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する(以下の実施の形態において同じ。)。
図3は、第2の実施の形態の蒸気タービン11における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。また、図3において、第1の実施の形態の蒸気タービン10と同一の構成部には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する(以下の実施の形態において同じ。)。
第2の実施の形態では、ダイアフラム外輪26aにおける延設部81の内面83の構造が、第1の実施の形態における延設部81の内面83の構造と異なる。ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図3に示すように、ダイアフラム外輪26aの延設部81の下流側の内面83から、環状ディフューザ60の入口側におけるスチームガイド40の内面41に亘って、半径方向外側に凹んだ段部90を備える。この段部90は、周方向に亘って環状に形成されている。
段部90は、図3に示すように、例えば、上流側の端面90aと、底部を構成する底面90bとを備える。端面90aは、例えば、タービンロータ軸方向に垂直な環状の面である。底面90bは、例えば、タービンロータ軸方向に平行な環状の面である。段部90の下流側の端部は開口されている。段部90は、例えば、段部90内に渦流を形成できる程度の深さを有する。
段部90は、例えば、図3に示す断面において、シールフィン111の側面111aに沿う延長線Xが延設部81の内面83と交わる点Pから下流側に形成される。すなわち、段部90の上流側の始点が点Pとなる。
段部90を点Pから下流側に形成することで、シールフィン111のシール効果を損なうことなく、段部90を形成することができる。なお、シールフィン111の構成は、第1の実施の形態と同じである。
このような延設部81の内面83を備える蒸気タービン11において、シュラウド130と延設部81の内面83との間に流入したチップリーク流115は、シールフィン111の側面111aに沿って流れる。
シールフィン111と内面83との間を通過したチップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有して、内面83に沿って下流側へ流れる。そして、内面83に沿う流れの一部が、段部90で剥離し、図3に示すように、段部90内に渦流91を形成する。
この渦流91は、内面83に沿う流れを内面41側に引き寄せる。すなわち、チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するとともに、この渦流91によって内面41側に引き寄せられる。そのため、環状ディフューザ60の入口において、チップリーク流115は、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。
そして、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広がる。すなわち、スチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、スチームガイド40の内面41上において剥離することなく、下流に流れる。なお、その後の蒸気の流れは、第1の実施の形態における蒸気の流れと同様である。
上記したように、第2の実施の形態の蒸気タービン11によれば、シールフィン111および段部90を備えることで、チップリーク流115を確実にスチームガイド40の内面41に沿って流すことができる。これによって、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広げることができる。
そのため、スチームガイド40の内面41に沿う蒸気の流れの剥離が抑制され、環状ディフューザ60における圧力損失を低減することができる。そして、ディフューザ性能が向上することによってタービン効率が向上する。
また、蒸気タービン11によれば、第1の実施の形態と同様に、動翼24aに適したシュラウド130の構造を維持しつつ、ディフューザ性能を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。
図4は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。
第3の実施の形態では、スチームガイド40の内面41の構造が、第1の実施の形態におけるスチームガイド40の内面41の構造と異なる。ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図4に示す断面において、スチームガイド40の内面41には、タービンロータ軸方向に階段状の段部100が形成されている。この段部100は、半径方向外側に凹んだ段差101をタービンロータ軸方向に複数備える。
段差101は、図4に示すように、例えば、上流側の端面101aと、底部を構成する底面101bとを備える。端面101aは、例えば、タービンロータ軸方向に垂直な環状の面である。底面101bは、例えば、タービンロータ軸方向に平行な環状の面である。段差101の下流側の端部は開口されている。
また、図4に示す断面において、各段差101を構成する端面101aの内周端を結んだ線は、例えば、スチームガイド40の内面41に重なる。
各段差101は、周方向に環状に形成されている。すなわち、段部100は、周方向に環状に形成されている。段差101の深さおよび底面101bの軸方向の長さは、段差101内に渦流を形成できる程度に設定される。
段部100は、スチームガイド40の上流端から下流側に形成される。スチームガイド40の上流端から最終段の段差101の下流側の端部までのタービンロータ軸方向の距離Mは、スチームガイド40のタービンロータ軸方向の長さの0.05〜0.15倍に設定されることが好ましい。
距離Mを上記の範囲とすることで、段差101を設けることで生じる圧力損失を最小限に抑えつつ、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを半径方向外側へ広げることができる。
なお、シールフィン111の構成は、第1の実施の形態と同じである。
このような段部100を備える蒸気タービン12において、シュラウド130と延設部81の内面83との間に流入したチップリーク流115は、シールフィン111の側面111aに沿って流れる。
環状ディフューザ60の入口において、チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するため、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。そして、内面41に沿う流れの一部が、段差101で剥離し、図4に示すように、段差101内に渦流102を形成する。
この渦流102は、内面41に沿う流れを内面41側に引き寄せる。チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するとともに、この渦流102によって内面41側に引き寄せられるため、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。
そのため、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広がる。すなわち、スチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、スチームガイド40の内面41上において剥離することなく、下流に流れる。なお、その後の蒸気の流れは、第1の実施の形態における蒸気の流れと同様である。
上記したように、第3の実施の形態の蒸気タービン12によれば、シールフィン111および段部100を備えることで、チップリーク流115を確実にスチームガイド40の内面41に沿って流すことができる。これによって、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広げることができる。
そのため、スチームガイド40の内面41に沿う蒸気の流れの剥離が抑制され、環状ディフューザ60における圧力損失を低減することができる。そして、ディフューザ性能が向上することによってタービン効率が向上する。
また、蒸気タービン12によれば、第1の実施の形態と同様に、動翼24aに適したシュラウド130の構造を維持しつつ、ディフューザ性能を向上させることができる。
なお、ここでは、段部100がスチームガイド40の内面41に形成される一例を示したが、この構成に限られない。例えば、段部100は、延設部81の下流側の内面83から形成されてもよい。この場合、段部100が形成される延設部81の内面83は、半径方向外側に凹んだ段差101をタービンロータ軸方向に複数備える。そして、延設部81の段部100と、スチームガイド40の段部100は連続して形成される。
ここで、内面83に形成される段部100は、例えば、図4に示す断面において、シールフィン111の側面111aに沿う延長線が延設部81の内面83と交わる点から下流側に形成してもよい。
このように段部100を延設部81の内面83から形成する場合、段部100の形成開始位置が、図4に示した段部100の形成開始よりも上流側となる。さらに、スチームガイド40に形成された各段差101を構成する端面101aの内周端を結んだ線は、タービンロータ軸方向に対して拡大傾斜角度θ2と同じ角度で半径方向外側に傾斜する。
そして、スチームガイド40に形成される段部100は、図4に示した段部100よりもスチームガイド40の外周面側に形成される。これによって、スチームガイド40に形成された各段差101を構成する端面101aの内周端を結んだ線は、例えば、スチームガイド40の内面41よりもスチームガイド40の外周面側となる。
なお、スチームガイド40の上流端から最終段の段差101の下流側の端部までのタービンロータ軸方向の距離Mは、上記した範囲と同じである。また、段部100を延設部81の内面83から形成する場合においても、図4に示した段部100を備える場合の作用効果と同様の作用効果が得られる。
(第4の実施の形態)
図5は、第4の実施の形態の蒸気タービン13における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。
図5は、第4の実施の形態の蒸気タービン13における最終段のタービン段落および環状ディフューザ60の一部の鉛直方向の子午断面を拡大した図である。
第4の実施の形態では、延設部81の内面83およびスチームガイド40の内面41の構造が、第1の実施の形態における延設部81の内面83およびスチームガイド40の内面41の構造と異なる。ここでは、この異なる構成について主に説明する。
図5に示す断面において、スチームガイド40の内面41およびスチームガイド40の内面41には、タービンロータ軸方向に複数の円弧状の窪み105が形成されている。この窪み105は、例えば、周方向に環状に形成されている。換言すれば、窪み105は、周方向に亘って形成された、周方向に垂直な断面が半円状の溝である。
この窪み105は、内面41および内面41に、タービンロータ軸方向に複数段形成される。タービンロータ軸方向における窪み105間の間隔Rは、例えば、窪み105のタービンロータ軸方向の開口長さW程度である。
なお、窪み105の構成は、これに限られない。窪み105は、例えば、半球状の窪みで構成されてもよい。換言すれば、窪み105は、例えば、ディンプル状に形成されもよい。この場合、ディンプル状の窪み105が、内面41および内面41の周方向およびタービンロータ軸方向に複数形成される。この場合においても、各窪み105間の間隔Rは、例えば、窪み105のタービンロータ軸方向の開口長さW程度である。
窪み105がディンプル形状の場合、窪み105は、周方向およびタービンロータ軸方向に、所定の間隔Rで列状に配置されてもよい。また、窪み105は、周方向およびタービンロータ軸方向に、千鳥格子状に配置されてもよい。
ここで、図5に示す断面において、窪み105の形状は、例えば、円を2等分した半円形状であってもよい。また、図5に示す断面において、窪み105の形状は、例えば、楕円を長軸または短軸で2等分した半楕円形状であってもよい。窪み105の深さおよび開口長さWは、窪み105内に渦流を形成できる程度に設定される。
最も上流側の窪み105は、例えば、図5に示す断面において、シールフィン111の側面111aに沿う延長線Xが延設部81の内面83と交わる点Pから下流側に形成される。すなわち、最も上流側の窪み105の始点が点Pとなる。
窪み105を点Pから下流側に形成することで、シールフィン111のシール効果を損なうことなく、窪み105を形成することができる。なお、シールフィン111の構成は、第1の実施の形態と同じである。
スチームガイド40において、窪み105は、スチームガイド40の上流端からタービンロータ軸方向に距離Nの範囲内に形成される。距離Nは、スチームガイド40のタービンロータ軸方向の長さの0.05〜0.15倍に設定されることが好ましい。
距離Nを上記の範囲とすることで、スチームガイド40に窪み105を設けることで生じる圧力損失を最小限に抑えつつ、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを半径方向外側へ広げることができる。
このような窪み105を備える蒸気タービン12において、シュラウド130と延設部81の内面83との間に流入したチップリーク流115は、シールフィン111の側面111aに沿って流れる。
シールフィン111を通過したチップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有して、延設部81の内面83に沿って下流へ流れる。内面83に沿う流れの一部が、窪み105で剥離し、図5に示すように、窪み105内に渦流106aを形成する。
この渦流102は、内面83に沿う流れを内面83側に引き寄せる。すなわち、チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するとともに、この渦流106aによって内面83側に引き寄せられる。
環状ディフューザ60の入口において、チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有し、渦流106aによって内面83側に引き寄せられているため、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。そして、内面41に沿う流れの一部が、窪み105で剥離し、図5に示すように、窪み105内に渦流106bを形成する。
この渦流106bは、内面41に沿う流れを内面41側に引き寄せる。チップリーク流115は、角度θ1の速度成分を有するとともに、この渦流106bによって内面41側に引き寄せられるため、スチームガイド40の内面41に沿って流れる。
そのため、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広がる。すなわち、スチームガイド40の内面41側の蒸気の流れは、スチームガイド40の内面41上において剥離することなく、下流に流れる。なお、その後の蒸気の流れは、第1の実施の形態における蒸気の流れと同様である。
上記したように、第4の実施の形態の蒸気タービン12によれば、窪み105を備えることで、チップリーク流115を確実にスチームガイド40の内面41に沿って流すことができる。これによって、環状ディフューザ60の入口におけるスチームガイド40の内面41側の蒸気の流れを、チップリーク流115に阻害されることなく、広がり角度αで半径方向外側へ広げることができる。
そのため、スチームガイド40の内面41に沿う蒸気の流れの剥離が抑制され、環状ディフューザ60における圧力損失を低減することができる。そして、ディフューザ性能が向上することによってタービン効率が向上する。
また、蒸気タービン13によれば、第1の実施の形態と同様に、動翼24aに適したシュラウド130の構造を維持しつつ、ディフューザ性能を向上させることができる。
以上説明した実施形態によれば、動翼に適したシュラウドの構造を維持しつつ、チップリーク流の流れを制御し、ディフューザ性能を向上させることが可能となる。
なお、上記した実施の形態では、最終段のタービン段落におけるダイアフラム外輪26aにおいて、拡開部80と延設部81とを備える構成を示したが、他のタービン段落におけるダイアフラム外輪26の構成は、この構成に限られない。
また、上記実施の形態では、下方排気型の排気室を備えた複流排気型の低圧タービンを例示して説明したが、本実施の形態の構成は、例えば、環状の排気室を備える軸流排気型の低圧タービンにも適用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,11,12,13…蒸気タービン、20…外部ケーシング、22…タービンロータ、23,23a…ロータディスク、24,24a…動翼、25…ロータ軸受、26,26a…ダイアフラム外輪、27,27a…ダイアフラム内輪、28,28a…静翼、29…クロスオーバー管、30…吸気室、40…スチームガイド、41,82,83…内面、42…上流端面、50…ベアリングコーン、60…環状ディフューザ、80…拡開部、81…延設部、84…下流端面、90,100…段部、90a,101a…端面、90b,101b…底面、91,102,106a,106b…渦流、101…段差、111…シールフィン、111a…側面、115…チップリーク流、130…シュラウド、140…側壁、141…内壁面、170…動翼翼列、180…静翼翼列。
Claims (9)
- ケーシングと、
前記ケーシング内に貫設されたタービンロータの周方向に植設された動翼と、
前記動翼の先端に周方向に設けられたシュラウドと、
前記シュラウドの外周に周方向に設けられたシールフィンと、
前記ケーシングの内側に設けられたダイアフラム外輪と、
前記ダイアフラム外輪の内側に設けられたダイアフラム内輪と、
前記ダイアフラム外輪と前記ダイアフラム内輪との間に周方向に設けられ、前記動翼とタービンロータ軸方向に交互に配置された静翼と、
前記静翼および前記動翼を備えるタービン段落の最終段を通過した蒸気が流入する環状ディフューザと
を備え、
最終段の前記タービン段落において、
前記ダイアフラム外輪が、
タービンロータ軸方向に延設され、前記ダイアフラム外輪によって支持される前記静翼の直下流の前記動翼を半径方向外側から包囲する延設部を備え、
前記シールフィンが、
半径方向外側に向かって傾斜する上流側傾斜面を有し、
前記上流側傾斜面のタービンロータ軸方向に対する角度θ1が、前記環状ディフューザの入口における、前記環状ディフューザを構成する外壁のタービンロータ軸方向に対する角度θ2の±10度の範囲に設定されていることを特徴とする蒸気タービン。 - タービンロータ軸方向に沿う垂直断面において、前記延設部の下流側の内面から、前記環状ディフューザの入口側における、前記環状ディフューザの前記外壁の内面に亘って、半径方向外側に凹んだ段部を備え、
前記段部が周方向に環状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。 - 前記垂直断面において、前記段部の上流側の始点が、前記上流側傾斜面に沿う延長線が前記延設部の内面と交わる点であることを特徴とする請求項2記載の蒸気タービン。
- タービンロータ軸方向に沿う垂直断面において、前記環状ディフューザの前記外壁の内面に、半径方向外側に凹んだ段差をタービンロータ軸方向に複数有する階段状の段部を備え、
各前記段差が周方向に環状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。 - 前記垂直断面において、前記延設部の下流側の内面に、半径方向外側に凹んだ段差をタービンロータ軸方向に複数有する階段状の段部を備え、
前記延設部の段部は、前記外壁の段部と連続して形成され、
前記垂直断面において、前記延設部の段部の上流側の始点が、前記上流側傾斜面に沿う延長線が前記延設部の内面と交わる点であることを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン。 - タービンロータ軸方向に沿う垂直断面において、前記延設部の下流側の内面、および前記環状ディフューザの入口側における、前記環状ディフューザの前記外壁の内面に、複数の円弧状の窪みを備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
- 各前記窪みが周方向に環状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の蒸気タービン。
- 各前記窪みが半球状の窪みであることを特徴とする請求項6記載の蒸気タービン。
- 前記垂直断面において、最も上流側の前記窪みの始点が、前記上流側傾斜面に沿う延長線が前記延設部の内面と交わる点であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の蒸気タービン。
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