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JP2017043673A - 樹脂組成物及びそのシート - Google Patents

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JP2017043673A JP2015165713A JP2015165713A JP2017043673A JP 2017043673 A JP2017043673 A JP 2017043673A JP 2015165713 A JP2015165713 A JP 2015165713A JP 2015165713 A JP2015165713 A JP 2015165713A JP 2017043673 A JP2017043673 A JP 2017043673A
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Kenji Naganuma
健二 長沼
中村 秀樹
Hideki Nakamura
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Abstract

【課題】熱伝導性と難燃性を有し、柔軟で厚み精度が高く、かつ振動を吸収できる樹脂組成物及びそのシートを提供することを目的とする。【解決手段】(A)共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及び/又はその水素添加物2〜20質量%、(B)ゴム用軟化剤2〜20質量%、及び(C)熱伝導性充填材70〜95質量%、を含む樹脂組成物であって、前記(C)熱伝導性充填材は、その粒度分布において2つ以上の異なる極大値を有し、かつそれぞれの極大値を示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びそのシートに関する。
車両分野、家電分野、電気・電子分野、通信分野等を始めとするあらゆる分野において、熱源の冷却又は放熱を行うために、伝熱効率の良い伝熱材、接着剤、シール材等が必要とされている。特に近年、車両分野において、エネルギー密度が高いことからリチウムイオン電池が使用されるようになってきており、リチウムイオン電池等の大型化により、セル内の温度上昇がさらに激しくなってきているため、さらなる放熱・冷却効果が求められている。
放熱用部材としては、従来、樹脂材料に熱伝導性充填材を添加、分散させた樹脂組成物等が用いられており、例えば、シリコーン樹脂に熱伝導性充填材を配合させた樹脂組成物が用いられている。
また、熱可塑性エラストマーを用いた熱伝導性樹脂組成物も用いられている。特許文献1には、基材となるスチレン系エラストマーを主体とするエラストマー組成物に、水酸化アルミニウムからなる熱伝導性充填材等を配合した熱伝導性エラストマー組成物が開示されている。また、同文献には、2つの異なる平均粒子径を有する水酸化アルミニウムを配合した樹脂組成物が開示されている。
特許第5722284号公報
放熱用部材には、その用途に応じて、種々の物性に優れることが求められているが、従来の材料ではそのような要望に十分に応えられていないのが実情である。車両分野の部品に関しては、放熱・冷却効果に加えて、安全性確保のための高い信頼性が要求され、とりわけ、電気自動車内部には高電圧で作動する部品が多くあるため、異常時に発火しにくいこと、発火しても延焼しにくいことが重要である。従って、電気車両用部品には、優れた難燃性も求められている。
特に、リチウムイオン電池の用途では、電池の各セルの形状や大きさが異なる場合が多く、各セルの寸法の違いを埋めるために、より柔軟な熱伝導シートが必要となる。更に、各セル等の発熱体及びヒートシンクの間に熱伝導シートを密着させるために、より厚み精度の高いシート材料が求められている。セルとの密着性が低い場合、熱伝導性能が低くなることに加えて、振動を吸収することができないため、セルの破損、発火につながる可能性がある。
上述したシリコーン樹脂に充填材を配合した樹脂組成物の場合、シリコーン樹脂に由来する低分子量のシロキサンが発生し、このシロキサンが半導体素子等の発熱体に付着して、接点不良の原因となり得る。また、シリコーン樹脂は架橋ゴムであるため、硬化する際に厚みムラを生じやすいという欠点がある。更には、リサイクルも困難である。
また、上述した熱可塑性エラストマーからなるシートについても、未だ改良の余地がある。例えば、特許文献1は、熱可塑性エラストマーの特長を活かしてシート加工を行うことを開示しており、低硬度を達成するために、特定の構造を有するエラストマーにプロセスオイル等の軟化剤を配合することが検討されている。しかし、特許文献1に開示された技術では、車両分野で要求される高度な厚み精度を有するシートを得ることは困難である。特に、熱伝導性充填材を高濃度で配合する場合、Tダイ押出しで溶融加工すると、トルク変動を生じやすく、厚みムラが発生する。また、トルク変動を伴う不安定な押出し加工は、生産性の低下を招き、経済的に不利となる。
上記事情に鑑み、本発明は、熱伝導性と難燃性を有し、柔軟で厚み精度が高く、かつ振動を吸収できる樹脂組成物及びそのシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位を含む特定の共重合体及び/又はその水素添加物と、ゴム用軟化剤と、ある特定の粒度分布を有する熱伝導性充填材と、を特定の比率で含有する樹脂組成物及びそのシートが、上記課題を解決できることを見出し、発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
(A)共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及び/又はその水素添加物2〜20質量%、
(B)ゴム用軟化剤2〜20質量%、及び
(C)熱伝導性充填材70〜95質量%、
を含む樹脂組成物であって、
前記(C)熱伝導性充填材は、その粒度分布において2つ以上の異なる極大値を有し、かつそれぞれの極大値を示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である、樹脂組成物。
[2]
前記(A)成分中における前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が20質量%未満であり、
前記(B)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(B))が35/65〜60/40である、上記[1]記載の樹脂組成物
[3]
(D)可塑剤0.01〜2質量%をさらに含む、上記[1]又は[2]記載の樹脂組成物。
[4]
前記(C)成分が水酸化アルミニウム又はアルミナである、上記[1]〜[3]のいずれか記載の樹脂組成物。
[5]
前記(C)成分中のNa2O濃度が0.20質量%超1.00質量%以下である、上記[1]〜[4]のいずれか記載の樹脂組成物。
[6]
前記(C)成分の平均粒子径が10〜150μmである、上記[1]〜[5]のいずれか記載の樹脂組成物。
[7]
前記(C)成分として、(C−I)平均粒子径が60μm以上150μm以下である第一の熱伝導性充填材と、(C−II)平均粒子径が10μm以上50μm以下である第二の熱伝導性充填材を含有する、上記[1]〜[6]のいずれか記載の樹脂組成物。
[8]
前記(C−II)成分に対する前記(C−I)成分の質量比((C−I)/(C−II))が100/1〜100/80である、上記[1]〜[7]のいずれか記載の樹脂組成物。
[9]
JIS K6253−3に準拠してデュロメータタイプAを用いて測定された硬度が、60未満である、上記[1]〜[8]のいずれか記載の樹脂組成物。
[10]
上記[1]〜[9]のいずれか記載の樹脂組成物を含み、かつ、厚さが0.1〜10mmである、シート。
[11]
含有水分率が200ppm以下である、上記[10]記載のシート。
本発明によれば、熱伝導性と難燃性を有し、より柔軟で厚み精度が高く、かつ振動を吸収できる樹脂組成物及びそれを用いて得られるシートを提供することができる。
実施例において作製した電池モジュールの模式図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
本実施形態における樹脂組成物は、
(A)共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及び/又はその水素添加物2〜20質量%、
(B)ゴム用軟化剤2〜20質量%、及び
(C)熱伝導性充填材70〜95質量%、
を含み、
前記(C)熱伝導性充填材は、その粒度分布において2つ以上の異なる極大値を有し、かつそれぞれの極大値を示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である、樹脂組成物である。
ここで(A)成分における「及び/又は」とは、共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及びその水素添加物からなる群から選ばれる1種以上を、2〜20質量%含むことを意味する。
また、樹脂組成物中に含まれる各成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態における樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分を特定の割合で配合することにより、熱伝導性と難燃性を両立することができ、かつ上記(C)成分として、その粒度分布において50μm以上離れた2つ以上の異なる粒子径の極大値を有する熱伝導性充填材を用いることにより、柔軟性に優れ、かつ厚み精度の高いシートを提供することができる。
(A)成分は、共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及び/又はその水素添加物である。(A)成分としては、特に限定されず、共役ジエンとビニル芳香族化合物とを共重合して得られる共重合体等を使用することができる。
(A)成分としては、硬度及び引張破断伸び等の柔軟性の観点から、特に、スチレン系熱可塑性エラストマー及びその水素添加物が好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマー及びその水素添加物としては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びこれらの水素添加物が挙げられる。これらの中でも、柔軟性の観点から、スチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物がより好ましく、水添スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体がさらに好ましい。
共役ジエンとしては、一対の共役二重結合(共役するように結合した2つの二重結合)を有するジオレフィンが挙げられる。共役ジエンとしては、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、汎用性等の観点から、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ビニル芳香族化合物としては、ビニル基と芳香環とを有する化合物が挙げられる。ビニル芳香族化合物としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中のビニル芳香族化合物単位の含有量は、20質量%未満であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。(A)成分の共重合体(或いはその水素添加物)においては、通常、ビニル芳香族化合物単位の重合体ブロックはハードセグメントとして、共役ジエン単位の重合体ブロックはソフトセグメントとして、それぞれ存在する。(A)成分の共重合体は、そのガラス転移温度以下ではハードセグメントが物理的架橋点として作用することでゴム的性質を示す。一方、ソフトセグメントはフィラーの取り込みに重要な役割を果たし、共重合体中におけるソフトセグメントの占有率が高い、すなわちビニル芳香族化合物単位の含有量が少ない場合は、フィラー含有量の増加に対して共重合体の硬度が上昇しにくい傾向にある。よって、(A)成分中のビニル芳香族化合物単位の含有量が上記範囲であれば、熱伝導性充填材の含有量が多くても低硬度の熱伝導性樹脂組成物を得ることができる傾向にある(但し、本実施形態の作用機序は上記に限定されるものではない。以下の作用機序に関する記載についても同様である。)。なお、(A)成分中のビニル芳香族化合物単位の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。
(A)成分の重量平均分子量は、特に限定されず、好ましくは5×104〜100×104であり、より好ましくは8×104〜80×104であり、さらに好ましくは9×104〜30×104である。重量平均分子量が5×104以上である場合、樹脂組成物の靭性が向上し、より小さい低圧縮永久歪を示す傾向にある。また、重量平均分子量が100×104以下である場合、樹脂組成物の柔軟性が向上する傾向にある。
(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。具体的には、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を用いて、クロマトグラムのピークの分子量から求めることができる。
(A)成分として共重合体の水素添加物(以下、「水添共重合体」ともいう。)を含む場合、水添前の共重合体中の共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。水素添加率が上記範囲にある場合、熱劣化による柔軟性、強度及び伸び等の低下を抑制でき、より良好な耐熱性を示す傾向にある。
共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率とは、水添前共重合体に含まれていた共役ジエンの二重結合に対する、水素添加された二重結合の割合をいう。なお、水添共重合体の水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定することができる。
(B)成分は、ゴム用軟化剤である。(B)成分としては、特に限定されず、例えば、ゴムの軟化、増容、加工性向上に用いられる鉱物油系ゴム用軟化剤や合成系ゴム用軟化剤等が挙げられる。
鉱物油系ゴム用軟化剤としては、特に限定されず、例えば、プロセスオイル、エクステンダーオイルが挙げられる。その具体例としては、芳香環を有する化合物、ナフテン環を有する化合物及びパラフィン鎖を有する化合物からなる群より選ばれるいずれか2種以上を含む混合物等が挙げられる。
合成系ゴム用軟化剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系オイル、フッ素系オイル等が挙げられる。
(B)成分としては、ゴムの軟化性及び加工性向上の観点から、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルが好ましく、中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルがより好ましく、パラフィン系オイルがさらに好ましい。パラフィン系オイルの中でも、耐寒性及び耐久性の観点から、芳香族成分の少ないオイルが特に好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
パラフィン系オイルの40℃における動粘度は、好ましくは100mm2/sec以上であり、より好ましくは100〜10000mm2/secであり、さらに好ましくは200〜5000mm2/secである。パラフィン系オイルの動粘度が上記範囲であると、ゴムとの親和性が良好であり、ブリードしにくい傾向にある。動粘度は、一定容量のオイルが、一定温度条件下で粘度計(例えば、キャノン社製「フェンスケ型粘度計」)の毛細管を自然流下するのに要した時間(sec:絶対粘度)を測定し、その絶対粘度を試料密度で除することによって算出することができる。
パラフィン系オイルとしては、市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されず、例えば、日本油脂社製「NAソルベント」、出光興産社製「ダイアナ プロセスオイルPW−90」、「ダイアナ プロセスオイルPW−380」、出光石油化学社製「IP−ソルベント2835」、三光化学工業社製「ネオチオゾール」等が挙げられる。
(B)成分の引火点は、好ましくは170〜300℃である。引火点は、クリーブランド開放法引火点試験器を用い、その試料カップに規定量の試料を満たして昇温させ、規定の温度間隔で試験炎を試料カップの上に通過させることにより試料の蒸気に引火させ、その炎が液面上を伝播する際の試料の最低温度を測定することにより求められる。(B)成分の引火点が上記範囲にある場合、樹脂組成物の難燃性が向上する傾向にある。
(B)成分の重量平均分子量は、好ましくは100〜5000である。重量平均分子量は、GPCによって測定することができる。(B)成分の重量平均分子量が上記範囲である場合、低揮発性であり、かつ十分な軟化効果を樹脂組成物に付与することができる傾向にある。
(C)成分は、熱伝導性充填材である。熱伝導性充填材とは、高熱伝導率を有する無機又は金属を主成分とする、粒子状、粉末状物質のことであり、樹脂組成物の内部に熱の通り道となる熱伝導路を形成することによって熱伝導率を高めるために配合される物質である。(C)成分としては、特に限定されず、例えば、金属窒化物、金属酸化物、金属水酸化物等の金属化合物が挙げられる。本発明の目的を損なわない範囲内であれば、金属化合物中に、それらの原料等に由来する不純物成分を微量含んでいてもよい。
金属窒化物としては、特に限定されず、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素が挙げられる。金属酸化物としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化カルシウムが挙げられる。金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化スズが挙げられる。
(C)成分としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナが好ましく、水酸化アルミニウム、アルミナがより好ましい。(C)成分として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いることで、熱伝導性だけでなく、難燃性も一層向上させることができる傾向にある。また、(C)成分としてアルミナを用いることで、フィラー含有量が少ない場合であっても、効率よく低硬度化を達成できる傾向にある。アルミナは、熱伝導性が高く、その含有量が比較的少量であっても、樹脂組成物に高い熱伝導性を付与できる傾向にある。
(C)成分は、適宜、前処理を行ってもよい。例えば、上述した金属化合物を、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等によって前処理して、表面改質を施したものを用いてもよい。
(C)成分の熱伝導性充填材は、その粒度分布において2つ以上の異なる極大値を有し、かつそれぞれの極大値が示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である。極大値が示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である場合、より柔軟性に優れたシートを得ることができ、シート状に加工する際の押出安定性が高くなるため、厚み精度に優れたシートを得ることができる。
(C)成分としては、異なる平均分子量を持つ熱伝導性充填材を用いることが好ましく、(C−I)平均粒子径が60μm以上150μm以下である第一の熱伝導性充填材と、(C−II)平均粒子径が10μm以上50μm以下である第二の熱伝導性充填材を用いることがより好ましい。このとき、(C−I)と(C−II)の平均粒子径の差は、少なくとも50μm以上である。ここで(C−II)成分に対する(C−I)成分の質量比((C−I)/(C−II))は、好ましくは100/1〜100/80であり、より好ましくは100/10〜100/80であり、さらに好ましくは100/20〜100/80である。(C−II)成分に対する(C−I)成分の質量比((C−I)/(C−II))が上記範囲であると、熱伝導性及び難燃性がバランス良く向上する傾向にある。
(C)成分は、熱伝導性等の観点から、その平均粒子径は、好ましくは10μm〜150μmであり、より好ましくは20μm〜100μmである。また、(C)成分は、粒子形状であることが好ましい。ここでいう粒子形状とは、例えば、球形、球が凝集した形状、球が偏平したような形状、不定形破砕形状、不定形破砕物を造粒した形状、孔を有する発泡した形状等のことをいう。特に、(C)成分が粒子形状であり、かつその平均粒子径が上記範囲にある場合、熱伝導性をより効果的に発現させることができる傾向にある。
平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積基準の粒子径の平均値である。粒子径は、通常、水又はエタノールに熱伝導性充填材を分散させて測定する。このとき、分散できない場合は、適宜、界面活性剤を使用してもよいし、ホモジナイザーや超音波によって分散させてもよい。分散させる熱伝導性充填材の濃度は通常1%以下である。
(C)成分中のNa2O濃度は、好ましくは0.20質量%超1.00質量%以下である。(C)成分中のNa2O濃度は、より好ましくは0.50質量%以下であり、さらに好ましくは0.35質量%以下である。樹脂組成物の絶縁破壊強度の観点から、(C)成分中のNa2O濃度は、1.0質量%以下であることが好ましい。また、(C)成分中のNa2O濃度の下限としては特に限定されないが、0.2質量%以下にするには、(C)成分を精製するなどの処理が必要であり、経済的な面から不利となる傾向にある。なお、(C)成分中のNa2O濃度は、蛍光X線分光法により求めることができる。
本実施形態における樹脂組成物は、より良好な柔軟性を付与する観点から、(D)可塑剤をさらに含有することが好ましい。
可塑剤としては、樹脂組成物に可塑性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、フタル酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、ポリエステル系高分子可塑剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸の金属塩等が挙げられる。これらの中でも、高級脂肪酸が好ましく、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸がより好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸がさらに好ましい。
本実施形態における樹脂組成物は、(E)フッ素樹脂及び/又はフッ素樹脂変性物をさらに含有してもよい。樹脂組成物中に(E)フッ素樹脂及び/又はフッ素樹脂変性物が含まれている場合、これらの成分が繊維状(フィブリル)に効率良く分散することにより、フィブリルによる物理的なネットワークが形成され、樹脂組成物の溶融張力が向上する傾向にある。その結果、樹脂の加工性が向上し、かつアンチドリッピング性(例えば、燃焼時の火炎滴の滴下抑制が挙げられ、これにより延焼抑制に効果がある。)が付与される傾向にある。
(E)成分としては、フィブリル形成能の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリマーが好ましく、ポリテトラフルオロエチレンがより好ましい。
(E)成分の形態としては特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜好適なものを採用でき、例えば、ファインパウダー状のフッ素樹脂、フッ素樹脂の水性ディスパージョン、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等の他の樹脂との粉体状混合物(フッ素樹脂のアクリル変性物、以下「フッ素樹脂変性物」ともいう。)等の形態が挙げられる。
フッ素樹脂の水性ディスパージョンとしては市販品を使用することもでき、例えば、三井デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン工業社製「ポリフロンD−1」、「ポリフロンD−2」、「ポリフロンD−2C」、「ポリフロンD−2CE」等が挙げられる。
フッ素樹脂変性物としては、例えば、特開平09−095583号公報、特開平11−049912号公報、特開2000−143966号公報、特開2000−297189号公報等に開示されたものを用いることもできる。なお、フッ素樹脂変性物には、変性剤を用いて樹脂を変性させたものだけでなく、他の樹脂との混合物も包含される。
フッ素樹脂変性物としては、アンチドリッピング性能及び、シート加工時のロール剥離性の観点から、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)のアクリル変性物が好ましい。アクリル変性物は、ポリテトラフルオロエチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを主成分として含んでなるものである。上記アクリル変性物は、例えば、平均粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子を分散させた分散液中で、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを70質量%以上含む単量体を重合することにより(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーを形成した後、分散液中の固形分を凝固もしくは噴霧乾燥することにより得られる。また、例えば、平均粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子を分散させた分散液と、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる構成単位を70質量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマー粒子を分散させた分散液とを混合した後、混合分散液中の固形分を凝固もしくは噴霧乾燥することにより得られる。フッ素樹脂変性物としては市販品を使用することもでき、例えば、三菱レイヨン社製「メタブレン(商標) A−3800」、「メタブレン A−3750」等が挙げられる。
本実施形態における樹脂組成物中の(A)成分の含有量は2〜20質量%であり、好ましくは2〜15質量%であり、より好ましくは4〜10質量%である。(A)成分の含有量が20質量%を超えると、熱伝導性及び難燃性が不十分となる。また、(A)成分の含有量が2質量%未満であると、成形性が不十分となる。
本実施形態における樹脂組成物中の(B)成分の含有量は2〜20質量%であり、好ましくは4〜20質量%であり、より好ましくは6〜14質量%である。(B)成分の含有量が20質量%を超えると、(B)成分のブリードアウトが生じやすくなり、かつ難燃性も不十分となる。また、(B)成分の含有量が2質量%未満であると、樹脂組成物が十分な低硬度にならない。
(B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))は、好ましくは35/65〜60/40であり、より好ましくは35/65〜50/50であり、さらに好ましくは35/65〜45/55である。(B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))が35/65よりも小さくなると((A)成分の割合が少なくなる)と、(B)成分のブリードアウトが生じやすくなり、難燃性も低下しやすくなる。また、(B)成分に対する(A)成分の質量比((A)/(B))が60/40よりも大きくなる((A)成分の割合が多くなる)と、樹脂組成物が十分な低硬度にならない傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物中の(C)成分の含有量は70〜95質量%であり、より好ましくは75〜90質量%であり、さらに好ましくは75〜85質量%である。(C)成分の含有量が70質量%未満であると、熱伝導性及び難燃性が不十分となる。また、(C)成分の含有量が95質量%を超えると、樹脂組成物が十分な低硬度にならない。
本実施形態における樹脂組成物中の(D)成分の含有量は、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1.5質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1質量%である。(D)成分の含有量が上記範囲にある場合、樹脂組成物が低硬度になり、シート成形性(粘性及びロール付着性)が改善される傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物中の(E)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。(E)成分の含有量が上記範囲にある場合、難燃性、機械的特性及びシート成形性(粘性及びロール付着性)が改善される傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物について、JIS K6253−3に準拠してデュロメータタイプAを用いて測定された硬度は、好ましくは60未満であり、より好ましくは40未満であり、さらに好ましくは30未満である。樹脂組成物の硬度が上記範囲にある場合、当該樹脂組成物から得られるシートを熱伝導シートとして使用した際に、発熱素子等に対する応力を効果的に低減できるとともに、部品の寸法公差を吸収し、放熱機能を効率よく発現させることができる傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、粘着性付与剤をさらに含有してもよい。粘着性付与剤は、例えば、本実施形態の樹脂組成物をシート状にして使用する場合、電子部品、半導体装置又は表示装置と、放熱装置を固定するために添加する。粘着性付与剤としては、特に限定されず、従来公知のものを使用でき、例えば、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、石油系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの粘着性付与材は、樹脂組成物中全体に含まれていてもよいし、シートの表面層にのみ存在してもよい。
本実施形態における樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、架橋剤、上記以外の熱可塑性樹脂、ゴム等といった他の添加剤をさらに含有してもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン等が挙げられる。
架橋剤としては、特に限定されず、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。
上記以外の熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン等が挙げられる。
ゴムとしては、特に限定されず、例えば、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。
本実施形態における樹脂組成物は、ガラス繊維クロス、有機繊維クロス等の織物と複合化することも、好ましい実施態様の1つである。特に、ガラス繊維クロスとの複合化は、本実施形態の樹脂組成物をシート状にした場合、薄肉での強度、寸法安定性、難燃性を一層向上できるだけでなく、薄肉のシートとしての提供も可能になるため、シートの熱抵抗値を低減させることができる傾向にある。
本実施形態における樹脂組成物は、上述した各成分を混練することで製造することができる。混練方法としては、特に限定されず、例えば、ブレード型混練機(ニーダ、バンバリーミキサ等)、ロール型混練機(2本ロール、3本ロール、ロールミル、テーパーロール等)、スクリュ型混練機(エクストルーダ等)等を使用することができる。これらの中でも、加圧ニーダ、バンバリーミキサ、エクストルーダ等を使用することが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、様々な用途に用いることができる。その際、樹脂組成物の形状は、その用途に合わせて適宜変更することができる。中でも、本実施形態の樹脂組成物は、放熱シート等のシートとして用いることが好ましく、リチウム電池用放熱シートとして特に好適である。
本実施形態における樹脂組成物から得られるシートの厚さは特に限定されないが、電池用の放熱シートとして用いる場合、通常、0.1〜10mmであり、好ましくは0.2〜5mmであり、より好ましくは0.3〜3mmである。シートの厚さが0.1mm以上である場合、基板上の各発熱素子の寸法の違いを効率よく埋め、効率的な放熱が可能となる傾向にある。また、シートの厚さが10mm以下である場合、熱抵抗値を低く抑えられ、十分な放熱性を発揮することが可能となる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物をシートにする場合、シートの含有水分率は200ppm以下であることが好ましい。シートの含有水分率が200ppm以下である場合、押出し加工性が安定し、厚み精度の高いシートを得ることができる傾向にある。水分率を200ppm以下にするためには、樹脂組成物に含まれる水分率を予め制御して成形機に投入する方法や、樹脂組成物を溶融加工する際に真空脱揮する方法等が挙げられ、中でも、樹脂組成物に含まれる水分率を予め1000ppm以下に制御して成形機に投入することが好ましい。
ここで、シートや樹脂組成物に含まれる水分率は、カールフィッシャー式水分計によって測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物から得られるシートは、単層であっても、多層であってもよい。多層である場合、各層は同一組成であっても、異なっていてもよい。多層シート全体の厚さは、上記の厚さの範囲内であることが好ましい。多層シートの製造方法としては、多層押出機を用い成形してもよいし、単層シートを作製した後に積層してもよい。単層シートを積層する際は粘着層を用いて貼り付けてもよいし、粘着層を用いずに重ね合わせた後に、加熱、加圧等を行うことにより密着させてもよい。
樹脂組成物をシートとする場合、その一方あるいは両方の表面に粘着層を設けてもよい。粘着層の形成は、貼付又は塗布(コーティング)等の方法を用いることができる。粘着層の成分としては特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤を含む粘着層とすることができる。粘着層は、難燃剤等のその他の成分をさらに含有してもよい。
本実施形態の樹脂組成物から得られるシートは、離型フィルム又は転写式粘着フィルムを挟んで、ロールにして巻き取ってもよい。シートの大きさについては特に限定されず、用途に応じて、所望の大きさに加工できる。
樹脂組成物をシートに加工する方法としては、特に限定されず、例えば、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形等が挙げられる。これらの中でも、連続的に成形でき、かつ巻き取りが容易であるという観点から、押出成形やカレンダー成形が好ましい。
より好ましいシートの製造方法としては、エクストルーダにより各成分を混練しながらTダイに押し出しすることでシートを成形し、離型フィルム又は転写式粘着フィルムと共にシート引取装置によって巻き取る方法が挙げられる。押出条件としては、使用する原材料や成形するシートの幅によって異なるが、押出機の設定温度は80〜190℃、スクリュ回転数は5〜80rpm、L/D比(スクリューの直径(D)に対するスクリューの長さ(L)の比)は20以上に調整することが好ましい。
また、樹脂組成物を溶媒に溶解・分散させ、フィルムや離型紙上に流延し、その後溶媒を揮散させてシートを得る方法や、ガラス繊維クロスや有機繊維クロスに含浸させて、その後溶媒を除去することによりシートを得ることも可能である。
本実施形態における樹脂組成物及びそのシートは、例えば、各種電気・電子部品や半導体装置、表示装置、通信装置、動力装置等に使用することができる。より具体的には、例えば、コンピュータのCPU、液晶バックライト、プラズマディスプレイパネル、LED素子、有機EL素子、二次電池或いはその周辺機器、電動機の放熱器、ペルチェ素子、熱電変換素子、温度センサー、コンバータ、トランス、インバータ、(ハイ)パワートランジスタ等が挙げられる。ここで二次電池とは、ニッケル・カドミウム電池であってもよいし、リチウムイオン電池であってもよい。なお、リチウムイオン電池の形状は、角形扁平であってもよく、円筒型、ラミネート型であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物から得られるシートをリチウムイオン電池用放熱シートとして用いる場合、セルから発生する熱を伝熱することができれば、どこに使用してもよい。リチウムイオン電池の寸法吸収を目的とするのであれば、セルとヒートシンクとの間に使用してもよい。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
各成分は以下のものを使用した。
[原料]
<(A)共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位を含む共重合体及び/又はその水素添加物>
(A−1)(水添スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)) 「タフテック(商標) H1221」、旭化成ケミカルズ社製(ビニル芳香族化合物単位の含有量:12質量%、水添率:99%)
(A−2)(水添スチレン−エチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEEPS))
「ハイブラー(商標) 7311」、クラレ社製(ビニル芳香族化合物単位の含有量:12質量%、水添率:99%)
(A−3)(水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体)
「S.O.E.(商標) L606」、旭化成ケミカルズ社製(ビニル芳香族化合物単位の含有量:52質量%、水添率:99%)
<(B)ゴム用軟化剤>
(B−1)パラフィン系プロセスオイル
「ダイアナ プロセスオイル(商標) PW−380」、出光興産社製
<(C)熱伝導性充填材>
(水酸化アルミニウム)
(C−1)「SB73」、日本軽金属社製(平均粒子径85μm、Na2O含有量0.25質量%)
(C−2)「SB303」、日本軽金属社製(平均粒子径25μm、Na2O含有量0.25質量%)
(C−3)「BW53」、日本軽金属社製(平均粒子径50μm、Na2O含有量0.03質量%)
(C−4)「BW103」、日本軽金属社製(平均粒子径10μm、Na2O含有量0.03質量%)
<(D)可塑剤>
(高級脂肪酸)
(D−1)ステアリン酸
「ステアリン酸300」、新日本理化社製
<(E)アクリル変性PTFE>
(E−1)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
「メタブレン(商標) A−3800」、三菱レイヨン社製
シートは以下の方法に従って製造した。
[シートの製造方法]
<混練>
48mm二軸押出機を用いて、原料の溶融混練を行った。各フィーダーより原料を定量フィードしながら、シリンダー温度160℃、スクリュー回転数170rpm、吐出量=150kg/hrの条件で、樹脂組成物のペレットを得た。
<シート加工>
600mm幅のTダイを設置した65mm単軸押出機を用いて、上記混練工程で得られた樹脂組成物ペレットのシート加工を行った。シリンダー温度及びダイス温度110℃、ロール温度50℃に設定し、樹脂組成物ペレットを押出機で溶融しながら、Tダイによりシート状に押出し、ロールで圧延しながら冷却加工することにより所定の厚み(約1.5mm)を有するシートを得た。
[測定方法]
<ビニル芳香族化合物単位の含有量>
(A)成分中のビニル芳香族化合物単位の含有量は、NMRにより測定した。具体的には、核磁気共鳴装置(NMR、ECA−500:日本電子社製)を使用して、Y.Tanaka,et al.,Rubber Chemistry and Technology 54.685(1981)に記載の方法に準じて行った。試料としては、共重合体30mgを1gの重クロロホルムに溶解したものを用いた。
<水添率>
(A)成分の水添率は、核磁気共鳴装置NMR(「ADVANCE 600MHz」)により測定した。
<粒度分布・粒子径・平均粒子径>
レーザー回折/散乱式粒子径粒度分布測定装置(「マイクロトラックMT3300EX−II」(日機装社製)を用いて、(C)成分の粒子径、粒度分布及び平均粒径を測定した。測定サンプルは、対象粒子を分散液(分散溶媒:水、分散剤:ヘキサメタリン酸ナトリウム(0.2重量%))に添加し、超音波分散(80W、5分)することにより調製した。溶媒屈折率は1.333、粒子屈折率は1.57とした。上記レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を平均粒子径とした。
<含有水分率>
試料約1gを計量し、加熱温度150℃、キャリアガス乾燥窒素パージの条件で、カールフィッシャー式水分計を用いて測定を行った。試料がシートの場合は、約1gになるように切断した。
<Na2O含有量>
(C)成分中のNa2O含有量は蛍光X線分光法により測定した。
<熱伝導率>
ASTM(American Society for Testing and Materials)D5470に準拠して、定常法により測定した。具体的には、樹脂材料熱抵抗測定装置(日立製作所社製)を用いて、測定温度80℃、試験片の厚み1.0mmの条件で測定した。
<硬度>
JIS K6253−3に準拠し、デュロメータタイプA(JIS A硬度計、高分子計器社製)を用いて15秒後の測定値を記録した。試験片は6mmの厚みになるように複数枚重ねて測定した。
<引張り破断伸び>
JIS K7127に準拠し、シートのMD方向及びTD方向幅10mmの短冊状試験片を作製し、チャック間距離115mm、引張速度50mm/minの条件で測定した。
<難燃性>
UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)垂直燃焼試験に準拠して測定した。試験片は、長さ130mm、幅13mm、厚みは1.0mmとした。具体的には、10秒接炎後、炎を放してから消炎までの燃焼時間を測定し、消炎したら、再度10秒接炎し、炎を放してから消炎までの燃焼時間を測定し、これを5本1組で評価(計10回燃焼時間を測定)した。10回中の最大燃焼時間、10回の合計燃焼時間、及び燃焼時のドリップ有無を評価した。この結果を以下の基準に基づき、判定した。
・V−0:最大燃焼時間10秒以下、合計燃焼時間50秒以下、ドリップなし
・V−1:最大燃焼時間30秒以下、合計燃焼時間250秒以下、ドリップなし
・V−2:最大燃焼時間30秒以下、合計燃焼時間250秒以下、ドリップあり
・NG:上記条件を満たさないもの
<シート加工性評価>
上記設備及び条件にて、押出トルクが平均的に30アンペアになるようにスクリュー回転数を調整しながら、下記評価を行った。
吐出量:一定時間におけるシート押出質量を計測した。
トルク変動:押出30分間のトルク変動値の上下限を計測した。
<厚み精度>
上記設備及び条件にて得られたシートの中央部の、MD方向3m分を、50mmピッチでマイクロメーターを用いて測定し、最大値と最小値を比較した。
<振動吸収性>
図1のように、リチウムイオン電池セル(66本)とヒートシンクの間に放熱シートを上下2枚貼りつけ、電池モジュールを作製した。試験片の厚みは1.5mmとした。電池モジュールに加速度センサーを取り付け、さらに振動試験機(INDEX Co.,LTD社製)に固定し、周波数40Hz、加速度1.25G、振動時間60分の条件で振動試験を行った。加速度センサーによるZ軸方向の加速度及び試験後のシートの形状変化を測定した。
○:放熱シートなしの状態と比べて加速度が20%以上抑制され、シートの破れが無かった。
△:放熱シートなしの状態と比べて加速度が20%未満しか抑制されなかったが、シートの破れは無かった。
×:放熱シートなしの状態と比べて加速度が20%未満しか抑制されず、シートの破れが有った。
[実施例1〜7、比較例1〜9]
実施例1〜7及び比較例1〜9について、表1及び表2に示す配合で樹脂組成物及びシートを作製し、硬度、引張り破断伸び、熱伝導率、難燃性、シート加工性及び厚み精度を評価し、さらに電池モジュールにシートを挟み込んだ際の振動吸収性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜7の樹脂組成物及びシートは、熱伝導性難燃性、柔軟性及び厚み精度に優れ、さらに振動吸収性を有することが確認された。
本発明に係る樹脂組成物は、各種電気・電子部品や半導体装置、表示装置、通信装置、動力装置等の熱伝導材料として好適に利用することができる。

Claims (11)

  1. (A)共役ジエン単位とビニル芳香族化合物単位とを含む共重合体及び/又はその水素添加物2〜20質量%、
    (B)ゴム用軟化剤2〜20質量%、及び
    (C)熱伝導性充填材70〜95質量%、
    を含む樹脂組成物であって、
    前記(C)熱伝導性充填材は、その粒度分布において2つ以上の異なる極大値を有し、かつそれぞれの極大値を示す粒子径の差が少なくとも50μm以上である、樹脂組成物。
  2. 前記(A)成分中における前記ビニル芳香族化合物単位の含有量が20質量%未満であり、
    前記(B)成分に対する前記(A)成分の質量比((A)/(B))が35/65〜60/40である、請求項1記載の樹脂組成物
  3. (D)可塑剤0.01〜2質量%をさらに含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分が水酸化アルミニウム又はアルミナである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(C)成分中のNa2O濃度が0.20質量%超1.00質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(C)成分の平均粒子径が10〜150μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(C)成分として、(C−I)平均粒子径が60μm以上150μm以下である第一の熱伝導性充填材と、(C−II)平均粒子径が10μm以上50μm以下である第二の熱伝導性充填材を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記(C−II)成分に対する前記(C−I)成分の質量比((C−I)/(C−II))が100/1〜100/80である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  9. JIS K6253−3に準拠してデュロメータタイプAを用いて測定された硬度が、60未満である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含み、かつ、厚さが0.1〜10mmである、シート。
  11. 含有水分率が200ppm以下である、請求項10記載のシート。
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