JP2017015234A - 転がり軸受け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受け装置の軌道輪に外部部材を取り付けたことを原因とする騒音の発生を抑制する。
【解決手段】転がり軸受け装置10は、第1の軌道輪14と、第2の軌道輪12と、これらの間に配置された複数の転動体16とを有する。第1の軌道輪14は、第1の分割軌道輪32と、第2の分割軌道輪30と、これらを軸方向に締結する複数の締結ボルト34とを備える。第1の軌道輪14は、第1の分割軌道輪32側に軸方向の一方側に存在する第1の外部部材42を取り付けるための第1の取り付けボルト48用である第1の取り付けボルト穴50を備える。第1の取り付けボルト穴50のめねじ部30dが、第2の分割軌道輪30に形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】転がり軸受け装置10は、第1の軌道輪14と、第2の軌道輪12と、これらの間に配置された複数の転動体16とを有する。第1の軌道輪14は、第1の分割軌道輪32と、第2の分割軌道輪30と、これらを軸方向に締結する複数の締結ボルト34とを備える。第1の軌道輪14は、第1の分割軌道輪32側に軸方向の一方側に存在する第1の外部部材42を取り付けるための第1の取り付けボルト48用である第1の取り付けボルト穴50を備える。第1の取り付けボルト穴50のめねじ部30dが、第2の分割軌道輪30に形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、転がり軸受け装置に関する。
転がり軸受け装置の使用の一例として、回転対象を自由側の軌道輪の軸方向の端に取り付けることがある。
例えば、特許文献1に記載されるCTスキャン装置においては、転がり軸受け装置の外側軌道輪がCTスキャン装置の本体に取り付けられている。内側軌道輪の軸方向の一方の端には、X線照射装置とX線検出器とを保持する回転体が取り付けられている。また、内側軌道輪の他方の端には、モータによって回転駆動されるプーリーが取り付けられている。モータがプーリーを回転させることによって内側軌道輪が回転し、その結果として回転体が回転する。
ところで、転がり軸受け装置が与圧仕様である場合、内側軌道輪または外側軌道輪のいずれか一方は、複数のパーツを締結することによって構成される。複数のパーツを締結ボルトによって締結することにより、内側軌道輪と外側軌道輪との間に配置されている複数の転動体それぞれに対して複数のパーツから所定の与圧が付与される。
ところが、与圧仕様の転がり軸受け装置において、例えば特許文献1に記載されたCTスキャン装置の転がり軸受け装置のように、複数のパーツを締結することによって構成されている軌道輪の軸方向の端に対して外部部材を取り付けると、転がり軸受け装置から騒音が発生することがある。
発明者は、この騒音の発生の原因が転動体に対する与圧の変化であることを突き止めた。すなわち、複数のパーツを締結することによって構成されている軌道輪の軸方向の端に対して外部部材を取り付けると、転動体に対する与圧が取り付ける前の所定の与圧から大きく変化しうること(具体的には、与圧のムラや部分的な与圧抜け)を、発明者は突き止めた。
そこで、本発明は、転動体に対する与圧の変化を抑制しつつ、複数のパーツを締結することによって構成されている軌道輪の軸方向の端に対して外部部材を取り付け、それにより転がり軸受け装置からの騒音発生を抑制することを課題とする。
上記技術課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、第1の軌道輪と、第2の軌道輪と、前記第1の軌道輪と前記第2の軌道輪との間の環状空間内に周方向に並んだ状態で配置された複数の転動体と、を有し、前記第1の軌道輪が、軸方向の一方側に配置される第1の分割軌道輪と、軸方向の他方側に配置される第2の分割軌道輪と、前記第1の分割軌道輪と前記第2の分割軌道輪とを軸方向に締結する複数の締結ボルトとを備え、前記第1の軌道輪が、前記第1の分割軌道輪の側に軸方向の一方側に存在する第1の外部部材を軸方向に取り付けるための複数の第1の取り付けボルト用である複数の第1の取り付けボルト穴を備え、前記第1の取り付けボルトと係合する前記第1の取り付けボルト穴のめねじ部が前記第2の分割軌道輪に形成されている、転がり軸受け装置が提供される。
このような第1の態様によれば、転動体に対する与圧の変化を抑制しつつ、複数のパーツを締結することによって構成されている軌道輪の軸方向の端に対して外部部材を取り付けることができ、それにより転がり軸受け装置からの騒音発生を抑制することができる。
また、本発明の第2の態様によれば、前記第1の軌道輪が、前記第2の分割軌道輪の側に軸方向の他方側に存在する第2の外部部材を軸方向に取り付けるための複数の第2の取り付けボルト用である複数の第2の取り付けボルト穴を備え、前記第2の取り付けボルトと係合する前記第2の取り付けボルト穴のめねじ部が前記第1の分割軌道輪に形成されている、第1の態様の転がり軸受け装置が提供される。
このような第2の態様によれば、転動体に対する与圧の変化が、さらに抑制される。
さらに、本発明の第3の態様によれば、周方向に並べられた前記複数の締結ボルトによって前記第1の分割軌道輪と前記第2の分割軌道輪とが軸方向に締結され、前記第1の軌道輪の軸方向の一方の端に前記複数の第1の取り付けボルト穴が周方向に並んだ状態で形成され、前記第1の軌道輪の軸方向の他方の端に前記複数の第2の取り付けボルト穴が周方向に並んだ状態で形成され、前記第1および第2の取り付けボルト穴が、径方向における位置について、前記締結ボルトの径方向における位置に対して異なる、第1または第2の態様の転がり軸受け装置が提供される。
このような第3の態様によれば、第1の取り付けボルトの締め付けトルクが、締結ボルトによる第1および第2の分割軌道輪の締結に影響することが抑制される。その結果、転動体に対する与圧の変化が、よりさらに抑制される。
さらにまた、本発明の第4の態様によれば、前記第1および第2の取り付けボルト穴と前記締結ボルトとが径方向に並んでいる、第3の態様の転がり軸受け装置が提供される。
このような第4の態様によれば、第1および第2の取り付けボルトの締め付けトルクが、締結ボルトによる第1および第2の分割軌道輪の締結に影響することが、さらに抑制される。その結果、転動体に対する与圧の変化が、よりさらに抑制される。
本発明によれば、転動体に対する与圧の変化を抑制しつつ、複数のパーツを締結することによって構成されている軌道輪の軸方向の端に対して外部部材を取り付けることができ、それにより転がり軸受け装置からの騒音発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受け装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受け装置の断面を示している。図2は、図1に示す転がり軸受け装置の部分拡大断面図である。そして、図3は、軸方向に見た、転がり軸受け装置の一部を示す図である。なお、図中において、X軸方向は軸方向、すなわち転がり軸受け装置の回転中心線Cの延在方向を示している。また、Y軸方向は回転中心線Cと直交する方向、すなわち転がり軸受け装置の径方向を示している。
図1および図2に示すように、転がり軸受け装置10は、回転中心線Cを中心とする円環形状の外側軌道輪12(第2の分割軌道輪)と、外側軌道輪12内に配置されて回転中心線Cを中心とする円環形状の内側軌道輪14(第1の分割軌道輪)と、外側軌道輪12と内側軌道輪14との間の環状空間内に周方向(回転中心線Cに対する周方向)に間隔をあけて並んだ状態で配置された球状の複数の転動体16とを有する。なお、本実施の形態の場合、複数の転動体16は、二列(複列)で周方向に並んでいる。また、一方の列の転動体16と他方の列の転動体16は、軸方向(X軸方向)に対向している。
さらに、複数の転動体16それぞれを外側軌道輪12と内側軌道輪14との間の環状空間内で保持する保持器18が、その環状空間内に設けられている。さらにまた、その環状空間内への異物侵入を抑制するために、シールド部材20が、外側軌道輪12と内側軌道輪14との間に設けられている。
このような構成の転がり軸受け装置10によれば、外側軌道輪12と内側軌道輪14は、いずれか一方が他方に対して、回転中心線Cを中心として相対的に回転する。
図1に示すように、本実施の形態の転がり軸受け装置10の場合、内側軌道輪14は、複数のパーツ、具体的には、回転中心線Cを中心とする円環形状の分割軌道輪30、32を軸方向(X軸方向)に締結することによって構成されている。一方の分割軌道輪30(第2の分割軌道輪)はその外周側で一方の列の複数の転動体16に接触し、他方の分割軌道輪32(第1の分割軌道輪)はその外周側で他方の列の転動体16に接触する。分割軌道輪30、32は、複数の締結ボルト34によって軸方向に締結されている。複数の締結ボルト34は、図3に示すように、周方向に間隔をあけた状態で配置されている。
図2に示すように、内側軌道輪14には、締結ボルト34がそれぞれ挿通される複数の締結ボルト穴36が形成されている。締結ボルト穴36は、分割軌道輪30側から軸方向(X軸方向)に延在している。
具体的には、締結ボルト穴36は、図2に示すように、締結ボルト34の頭部34aを収容する座ぐり部30aと、締結ボルト34のシャンク部34bが通過可能な径を備える通し穴部30bと、締結ボルト34のシャンク部34bの先端側に形成されたおねじ部34cと係合するめねじ部32aとから構成される。締結ボルト穴36の座ぐり部30aおよび通し穴部30bは、分割軌道輪30に形成されている。締結ボルト穴36のめねじ部32aは、分割軌道輪32のみに形成されている。なお、締結ボルト穴36の通し穴部の一部が分割軌道輪32に形成されていてもよい。
また、複数の締結ボルト穴36、すなわちそれに挿通される複数の締結ボルト34は、図3に示すように、回転中心線Cを中心とする同一円周上に間隔をあけて配置されている。また、複数の締結ボルト穴36は、可能な限り転動体16に接近するように内側軌道輪14に形成されている。なお、図1〜2は、図3におけるA−A線に沿った断面を示している。
このような複数の締結ボルト34および締結ボルト穴36によれば、分割軌道輪30、32が軸方向(X軸方向)に接触した状態で維持される。また、分割軌道輪30が、その外周側で一方の列の転動体16を外側軌道輪12に向かって所定の与圧で押し付けた状態で維持される。同様に、分割軌道輪32が、その外周側で他方の列の転動体16を外側軌道輪12に向かって所定の与圧で押し付けた状態で維持される。
また、転がり軸受け装置10は、図1に示すように、外部部材に対して取り付け可能に構成されている。すなわち、転がり軸受け装置10に対して外部部材が取り付けられる、または、外部部材に対して転がり軸受け装置10が取り付けられる。
具体的には、転がり軸受け装置10の外側軌道輪12は、転がり軸受け装置10を外部部材、例えばCTスキャン装置の本体(図示せず)に対して複数の固定ボルト(図示せず)を介して軸方向(X軸方向)に固定するための複数の通し穴12aを備える。
図4は図3におけるB−B線に沿った断面図であり、図5は図3におけるD−D線に沿った断面図である。図6はボルトを省略した状態の図4に示す断面図である。そして、図7はボルトを省略した状態の図5に示す断面図である。
内側軌道輪14には、図1に示すように外部部材40、42が取り付けられる。具体的には、内側軌道輪14は、図4および図6に示すように、外部部材40を転がり軸受け装置10に対して複数の取り付けボルト44(第2の取り付けボルト)を介して取り付けるための複数の取り付けボルト穴46(第2の取り付けボルト穴)を備える。内側軌道輪14はまた、図5および図7に示すように、外部部材42を転がり軸受け装置10に対して複数の取り付けボルト48(第1の取り付けボルト)を介して取り付けるための複数の取り付けボルト穴50(第1の取り付けボルト穴)を備える。なお、例えば、一方の外部部材40は、CTスキャン装置における、X線照射装置とX線検出器とを保持する回転体である。他方の外部部材42は、CTスキャン装置における、モータによって駆動されるプーリーである。また、本実施の形態の場合、図3に示すように、締結ボルト34と取り付けボルト穴46、50(すなわち取り付けボルト44、48)は、転がり軸受け装置10の回転中心線Cを中心とする同一円周上に配置されている。
図4に示すように、外部部材40は、内側軌道輪14の分割軌道輪30側に軸方向(X軸方向)に複数の取り付けボルト44によって取り付けられる。そのために、図6に示すように、取り付けボルト44が挿通される取り付けボルト穴46が外部部材40から内側軌道輪14(分割軌道輪30、32)にわたって軸方向に延在するように形成されている。
具体的には、図4および図6に示すように、取り付けボルト穴46は、取り付けボルト44の頭部44aを収容する座ぐり部40aと、取り付けボルト44のシャンク部44bが通過可能な径を備える通し穴部40b、30cと、取り付けボルト44のシャンク部44bの先端側に形成されたおねじ部44cと係合するめねじ部32bとから構成される。
取り付けボルト穴46の座ぐり部40aと通し穴部の一部40bは、外部部材40に形成されている。通し穴部の残りの部分30cは、外部部材40が取り付けられる分割軌道輪30に形成されている。理由は後述するが、取り付けボルト穴46のめねじ部32bは、分割軌道輪30にはなく、分割軌道輪32のみに形成されている。なお、取り付けボルト穴46の通し穴部の一部が分割軌道輪32に形成されていてもよい。
図5および図7に示すように、外部部材42は、内側軌道輪14の分割軌道輪32側に軸方向(X軸方向)に複数の取り付けボルト48によって取り付けられる。そのために、図7に示すように、取り付けボルト48が挿通される取り付けボルト穴50が外部部材42から内側軌道輪14(分割軌道輪30、32)にわたって軸方向に延在するように形成されている。
具体的には、図5および図7に示すように、取り付けボルト穴50は、取り付けボルト48の頭部48aを収容する座ぐり部42aと、取り付けボルト48のシャンク部48bが通過可能な径を備える通し穴部42b、32cと、取り付けボルト48のシャンク部48bの先端側に形成されたおねじ部48cと係合するめねじ部30dとから構成される。
取り付けボルト穴50の座ぐり部42aと通し穴の一部42bは、外部部材42に形成されている。通し穴部の残りの部分32cは、外部部材42が取り付けられている分割軌道輪32に形成されている。理由は後述するが、めねじ部30dは、分割軌道輪32にはなく、分割軌道輪30にのみ形成されている。
図4に示すように、一方の分割軌道輪30に一方の外部部材40を取り付けるための取り付けボルト44のおねじ部44cは、他方の分割軌道輪32のめねじ部32bに係合する。図5に示すように、他方の分割軌道輪32に他方の外部部材42を取り付けるための取り付けボルト48のおねじ部48cは、一方の分割軌道輪30のめねじ部30dに係合する。すなわち、取り付けボルト44、48それぞれは、頭部44a、48aに近い側の分割軌道輪に固定されていない。その代わりに、取り付けボルト44、48は、頭部44a、48aに近い側の分割軌道輪を通過し、遠い側の分割軌道輪に固定される。以下、このようにする理由について説明する。
まず、図4とは異なり、取り付けボルト44が、その頭部44aに近い側の分割軌道輪30を通過せずに、その分割軌道輪30に形成されためねじ部に係合すると仮定する。また、図5とは異なり、取り付けボルト48が、その頭部48aに近い側の分割軌道輪32を通過せずに、その分割軌道輪32に形成されためねじ部に形成すると仮定する。
この仮定の場合、外部部材40が取り付けボルト44を介して分割軌道輪30に固定され、外部部材42が取り付けボルト48を介して分割軌道輪32に固定される。その外部部材40、42の重量により、分割軌道輪30、32それぞれに対して互いに離間する方向の力が作用する。その力により、分割軌道輪30、32から複数の転動体16に付与される与圧が、外部部材40、42を内側軌道輪14に取り付ける前の所定の与圧から大きく変化しうる。その与圧の大きな変化により、特に与圧の変化にバラツキが生じると、転がり軸受け装置10から騒音が発生しうる。
これに対して、図4および図6に示す実施の形態の転がり軸受け装置10の場合、外部部材40が取り付けボルト44を介して遠い側の分割軌道輪32に固定される。また、外部部材42が取り付けボルト48を介して遠い側の分割軌道輪30に固定される。この場合、取り付けボルト44、48を締めると、分割軌道輪30、32それぞれに互いに接触させる方向の力が作用する。すなわち、分割軌道輪30、32それぞれに互いに離間させる方向の力が作用しない。そのため、分割軌道輪30、32から複数の転動体16に付与される与圧が、外部部材40、42を内側軌道輪14に取り付ける前の所定の与圧から実質的に変化しない。その結果として、与圧の変化を原因とする転がり軸受け装置10からの騒音発生が抑制される。
以上のような本実施の形態によれば、転動体16に対する与圧の変化を抑制しつつ、複数のパーツを締結することによって構成されている転がり軸受け装置10の内側軌道輪14の軸方向の端に対して外部部材40、42を取り付けることができる。それにより転がり軸受け装置10からの騒音発生を抑制することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、締結ボルト34、取り付けボルト穴46、50(すなわち取り付けボルト44、48)は、転がり軸受け装置10の回転中心線Cを中心とする同一円周上に配置されている。しかしながら、本発明の実施の形態はこれに限らない。
例えば、内側軌道輪の軸方向の一方側および他方側に形成された取り付けボルト穴(すなわち一方および他方の取り付けボルト)は、径方向位置について、締結ボルトと異なっていてもよい。
締結ボルトと一方および他方の取り付けボルトが同一円周上に位置する場合、取り付けボルトを内側軌道輪に取り付けたときに、条件によっては、締結ボルトによる複数の分割軌道輪の締結が影響を受ける場合がある。すなわち、締結ボルトが取り付けボルトに挟まれている場合に、条件によっては、複数の分割軌道輪の締結が影響を受ける可能性がある。なお、ここで言う「条件」は、内側軌道輪の材質、取り付けボルトの径、締結ボルトおよび取り付けボルトそれぞれの周方向の配置間隔、締結ボルトに対する取り付けボルトのレイアウトなどである。
具体的に説明すると、取り付けボルトの締め付けトルクによって分割軌道輪における対応するめねじ部の周囲の領域に応力が発生する。締結ボルトが取り付けボルトによって挟まれている場合、その締め付けトルクによって発生した応力により、条件によっては、内側軌道輪における締結ボルトの周囲の領域が変位する可能性がある。それにより、例えば締結ボルト間の距離などの締結ボルトの状態が変化し、締結ボルトによる分割軌道輪の締結状態が変化し、そして分割軌道輪から転動体への与圧が所定の与圧から大きく変化することがある。
したがって、条件によっては、締結ボルトが取り付けボルトに挟まれないように、締結ボルトと取り付けボルト穴(すなわち取り付けボルト)は、その径方向位置について異なってもよい。例えば、図8に示す別の実施の形態に係る転がり軸受け装置110のように、締結ボルト134に対して径方向内側に取り付けボルト穴146、150(すなわち取り付けボルト)が配置されてもよい。特に、締結ボルトが取り付けボルト穴(すなわち取り付けボルト)に挟まれないようにするためには、取り付けボルト穴と締結ボルトは径方向に並んでいるのが好ましい。径方向に並んでいる場合、その径方向において与圧(転動体16に加わる力)のバランスがとれるため、より効果がある。
また、締結ボルトと取り付けボルトとの径方向位置が異なるために、副次的な効果として、複数の締結ボルトを周方向に小さい配置間隔で配置することができる。すなわち多くの締結ボルトを用いて複数の分割軌道輪を相互に締結することができ、その結果として、内側軌道輪の剛性を向上させることができる。同様に、複数の取り付けボルトも周方向に小さい配置間隔で配置することにより、外部部材と内側軌道輪とをより一体化してその剛性を向上させることができる。剛性が向上することにより、転がり軸受け装置からの騒音発生が抑制される。
なお、内側軌道輪の一方側および他方側に形成された取り付けボルト穴(すなわち取り付けボルト)が、締結ボルトに比べて転動体から離れた位置に設けられてもよい。これにより、転動体と接触する内側軌道輪の部分が取り付けボルトの締め付けトルクによって変位することが抑制される。その結果、内側軌道輪から転動体への所定の与圧が、外部部材を内側軌道輪に対して取り付けボルトを介して取り付けた後でも、維持される。なお、取り付けボルト穴と転動体とが十分に離れている場合には、転動体と締結ボルトとの間に取り付けボルト穴が存在してもよい。
また、図8に示す例では、取り付けボルト穴146、150は同一円周上に配置されているが、これらの径方向位置も異なってもよい。例えば、締結ボルト、一方の取り付けボルト穴、および他方の取り付けボルト穴が径方向に並んでもよい。これにより、一方および他方の取り付けボルトそれぞれを周方向に小さい配置間隔で配置することができ、すなわち多くの取り付けボルトを用いて外部部材を内側軌道輪に取り付けることができ、その結果として、外部部材と内側軌道輪とをより一体化してその剛性を向上させることができる。
これに関連して言えば、上述の条件によっては、取り付けボルト穴(すなわち取り付けボルト)は、締結ボルトに対して径方向の内側に配置するのがさらに好ましい。これにより、転動体と接触する内側軌道輪の部分が取り付けボルトの締め付けトルクによって変位することが、さらに抑制される。
また、上述の実施の形態の場合、複数のパーツを締結することによって構成されて且つ外部部材が取り付けられる軌道輪は内側軌道輪であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、外側軌道輪が複数のパーツを軸方向に締結することによって構成され、その外側軌道輪の軸方向の端に外部部材が取り付けられてもよい。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、転動体は球状であるが、本発明の実施の形態はこれに限らない。例えば、転動体はころ状であってもよい。
加えて、上述の実施の形態の場合、図1に示すように、外部部材40が内側軌道輪14の分割軌道輪30側に取り付けられ、外部部材42が内側軌道輪14の分割軌道輪32側に取り付けられている。すなわち、内側軌道輪14の軸方向両側それぞれに外部部材40、42が取り付けられている。しかしながら、本発明はこれに限らない。内側軌道輪の一方側のみに、外部部材が取り付けられてもよい。この場合、その外部部材が取り付けボルトを介して固定される分割軌道輪(外部部材から遠い側の分割軌道輪)は、取り付けボルトを締めると、残りの分割軌道輪(外部部材が取り付けられている分割軌道輪)に向かって接触する。それにより、内側軌道輪の一方側のみに外部部材が取り付けられる場合でも、転動体に対する与圧の変化を抑制することができる。
また、周方向全体でみたときに、取り付けボルト穴と締結ボルト穴は、その数について必ず同一であるとは限らない。さらに、取り付けボルト穴と締結ボルトとの間の位置関係は、全周にわたって一様である必要はない。すなわち、これらの位置関係は全周にわたって一様である方がより好ましいが、一箇所に存在するまたは一部の取り付けボルト穴と締結ボルトとの間の位置関係が他の取り付けボルト穴と締結ボルトとの間の位置関係と異なっていても、位置関係が全周にわたって一様である場合と同様の効果を得られるのであれば、取り付けボルト穴と締結ボルトとの間の位置関係は、必ずしも全周にわたって一様である必要はない。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本発明は、CTスキャン装置に使用される転がり軸受け装置に限らず、軌道輪が複数のパーツを締結することによって構成され、転動体に対して与圧が付与される転がり軸受け装置に適用可能である。
10 転がり軸受け装置
12 第2の軌道輪(外側軌道輪)
14 第1の軌道輪(内側軌道輪)
16 転動体
30 第2の分割軌道輪(分割軌道輪)
30d めねじ部
32 第1の分割軌道輪(分割軌道輪)
34 締結ボルト
42 第1の外部部材(外部部材)
48 第1の取り付けボルト(取り付けボルト)
50 第1の取り付けボルト穴(取り付けボルト穴)
12 第2の軌道輪(外側軌道輪)
14 第1の軌道輪(内側軌道輪)
16 転動体
30 第2の分割軌道輪(分割軌道輪)
30d めねじ部
32 第1の分割軌道輪(分割軌道輪)
34 締結ボルト
42 第1の外部部材(外部部材)
48 第1の取り付けボルト(取り付けボルト)
50 第1の取り付けボルト穴(取り付けボルト穴)
Claims (4)
- 第1の軌道輪と、
第2の軌道輪と、
前記第1の軌道輪と前記第2の軌道輪との間の環状空間内に周方向に並んだ状態で配置された複数の転動体と、を有し、
前記第1の軌道輪が、軸方向の一方側に配置される第1の分割軌道輪と、軸方向の他方側に配置される第2の分割軌道輪と、前記第1の分割軌道輪と前記第2の分割軌道輪とを軸方向に締結する複数の締結ボルトとを備え、
前記第1の軌道輪が、前記第1の分割軌道輪の側に軸方向の一方側に存在する第1の外部部材を軸方向に取り付けるための複数の第1の取り付けボルト用である複数の第1の取り付けボルト穴を備え、
前記第1の取り付けボルトと係合する前記第1の取り付けボルト穴のめねじ部が、前記第2の分割軌道輪に形成されている、転がり軸受け装置。 - 前記第1の軌道輪が、前記第2の分割軌道輪の側に軸方向の他方側に存在する第2の外部部材を軸方向に取り付けるための複数の第2の取り付けボルト用である複数の第2の取り付けボルト穴を備え、
前記第2の取り付けボルトと係合する前記第2の取り付けボルト穴のめねじ部が、前記第1の分割軌道輪に形成されている、請求項1に記載の転がり軸受け装置。 - 周方向に並べられた前記複数の締結ボルトによって前記第1の分割軌道輪と前記第2の分割軌道輪とが軸方向に締結され、
前記第1の軌道輪の軸方向の一方の端に前記複数の第1の取り付けボルト穴が周方向に並んだ状態で形成され、
前記第1の軌道輪の軸方向の他方の端に前記複数の第2の取り付けボルト穴が周方向に並んだ状態で形成され、
前記第1および第2の取り付けボルト穴が、径方向における位置について、前記締結ボルトの径方向における位置に対して異なる、請求項1または2に記載の転がり軸受け装置。 - 前記第1および第2の取り付けボルト穴と前記締結ボルトとが径方向に並んでいる、請求項3に記載の転がり軸受け装置。
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JP (1) | JP2017015234A (ja) |
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2015
- 2015-07-06 JP JP2015135416A patent/JP2017015234A/ja active Pending
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