以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において同一部分または相当部分は、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の給湯システム1の構成図である。給湯システム1は、循環ユニット100a及び給湯ユニット100bを備える。まず、循環ユニット100aについて説明する。循環ユニット100aは、第1貯湯タンク2a、第1混合弁3a、循環用ポンプ4a及び給水開閉弁5を備える。
第1貯湯タンク2aは、内部に湯水を貯留する。第1貯湯タンク2aは、例えば上部と下部とで温度差を生じるように湯水を貯留する。例えば第1貯湯タンク2a内の上側には、高温の湯が貯留される。例えば第1貯湯タンク2a内の下側には、低温の水が貯留される。第1貯湯タンク2aは、例えば上部から高温の湯が取り出される。第1貯湯タンク2aは、例えば上部から高温の湯が取り出されるのと同時に下部から低温の水が流入する。第1貯湯タンク2a内に貯留されている湯水の体積は一定に保たれる。
第1貯湯タンク2aには、例えば複数の第1タンクサーミスタ20aが設けられる。複数の第1タンクサーミスタ20aは、それぞれ取り付け高さを変えて設けられる。第1貯湯タンク2aには、例えば図1に示すように4つの第1タンクサーミスタ20aが設けられる。第1タンクサーミスタ20aは本例以外にも、例えば1つあるいは4つ以外の複数個設けられてもよい。
第1貯湯タンク2aの下部には、第1タンク給水配管31aの一端が接続される。第1タンク給水配管31aの他端は、給水開閉弁5の流出口に接続される。給水開閉弁5の流入口には、給水配管30の一端が接続される。給水配管30の他端は、給湯システム1の外部の水源に接続される。水源は、例えば水道等である。
給水配管30には、例えば循環ユニット100aの内部で、第1入水温度センサ21aが設けられる。第1入水温度センサ21aは、給水配管30を流れる水の温度を検知する装置の一例である。
第1混合弁3aは、2つの流入口と1つの流出口とを有する。第1混合弁3aの一方の流入口には、第1出湯配管32aの一端が接続される。第1出湯配管32aの他端は、第1貯湯タンク2aの上部に接続される。第1混合弁3aの一方の流入口には、第1貯湯タンク2aから高温の湯が供給される。
第1混合弁3aの他方の流入口には、第1給湯用給水配管33aの一端が接続される。第1給湯用給水配管33aの他端は、第1貯湯タンク2aと給水開閉弁5との間で、第1タンク給水配管31aに接続される。第1混合弁3aの他方の流入口には、低温の水が供給される。第1混合弁3aは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第1混合弁3aは、混合する高温の湯と低温の水との比率を調整する。
第1混合弁3aの流出口には、第1給湯配管34aの一端が接続される。第1給湯配管34aの他端は、循環用ポンプ4aの流入口に接続される。循環用ポンプ4aの流出口には、第2給湯配管35aの一端が接続される。第2給湯配管35aの他端は、循環ユニット100aの外部へと出ていく。循環用ポンプ4aは、循環手段の一例である。循環用ポンプ4aは、例えば第1給湯配管34a及び第2給湯配管35a等の配管に、第1貯湯タンク2a内の湯水を循環させる。
第1給湯配管34aには、第1流量センサ22aが設けられる。第1流量センサ22aは、第1給湯配管34aを流れる湯の量を検知する装置の一例である。第2給湯配管35aには、循環ユニット100aの内部で第1給湯温度センサ23aが設けられる。第1給湯温度センサ23aは、第2給湯配管35aを流れる湯の温度を検知する装置の一例である。
また循環ユニット100aは、例えば第1熱源機40aと接続される。第1熱源機40aは、例えば循環ユニット100aの外部に設けられる。第1熱源機40aは、例えばヒートポンプ式の装置である。第1熱源機40aは、例えば配管によって第1貯湯タンク2aと接続される。第1熱源機40aには、第1貯湯タンク2aの下部から低温の水が供給される。第1熱源機40aは、低温の水を沸き上げて高温の湯を生成する。第1熱源機40aは、生成した高温の湯を第1貯湯タンク2aの上部へ供給する。第1熱源機40aは、高温の湯を供給することにより、第1貯湯タンク2aの蓄熱量を増加させる。
次に、給湯ユニット100bについて説明する。給湯ユニット100bは、第2貯湯タンク2b、第2混合弁3b及び給湯開閉弁4bを備える。第2貯湯タンク2bは、上述の第1貯湯タンク2aと同様に、上部と下部とで温度差を生じるように湯水を貯留する。第2貯湯タンク2b内に貯留されている湯水の体積は一定に保たれる。
第2貯湯タンク2bには、例えば複数の第2タンクサーミスタ20bが設けられる。複数の第2タンクサーミスタ20bは、それぞれ取り付け高さを変えて設けられる。第2貯湯タンク2bには、例えば図1に示すように4つの第2タンクサーミスタ20bが設けられる。第2タンクサーミスタ20bは本例以外にも、例えば1つあるいは4つ以外の複数個設けられてもよい。
第2貯湯タンク2bの下部には、第2タンク給水配管31bの一端が接続される。第2タンク給水配管31bの他端は、外部の水源と第1入水温度センサ21aとの間で、給水配管30に接続される。
第2タンク給水配管31bには、例えば給湯ユニット100bの内部で、第2入水温度センサ21bが設けられる。第2入水温度センサ21bは、第2タンク給水配管31bを流れる水の温度を検知する装置の一例である。
第2混合弁3bは、2つの流入口と1つの流出口とを有する。第2混合弁3bの一方の流入口には、第2出湯配管32bの一端が接続される。第2出湯配管32bの他端は、第2貯湯タンク2bの上部に接続される。第2混合弁3bの一方の流入口には、第2貯湯タンク2bから高温の湯が供給される。
第2混合弁3bの他方の流入口には、第2給湯用給水配管33bの一端が接続される。第2給湯用給水配管33bの他端は、第2貯湯タンク2bと第2入水温度センサ21bとの間で、第2タンク給水配管31bに接続される。第2混合弁3bの他方の流入口には、低温の水が供給される。第2混合弁3bは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第2混合弁3bは、混合する高温の湯と低温の水との比率を調整する。
第2混合弁3bの流出口には、第3給湯配管34bの一端が接続される。第3給湯配管34bの他端は、給湯開閉弁4bの流入口に接続される。給湯開閉弁4bの流出口には、第4給湯配管35bの一端が接続される。第4給湯配管35bの他端は、給湯ユニット100bの外部へと出ていく。
第3給湯配管34bには、第2流量センサ22bが設けられる。第2流量センサ22bは、第3給湯配管34bを流れる湯の量を検知する装置の一例である。第4給湯配管35bには、給湯ユニット100bの内部で第2給湯温度センサ23bが設けられる。第2給湯温度センサ23bは、第4給湯配管35bを流れる湯の温度を検知する装置の一例である。
また給湯ユニット100bは、例えば第2熱源機40bと接続される。第2熱源機40bは、例えば給湯ユニット100bの外部に設けられる。第2熱源機40bは、例えばヒートポンプ式の装置である。第2熱源機40bは、例えば配管によって第2貯湯タンク2bと接続される。第2熱源機40bには、第2貯湯タンク2bの下部から低温の水が供給される。第2熱源機40bは、低温の水を沸き上げて高温の湯を生成する。第2熱源機40bは、生成した高温の湯を第2貯湯タンク2bの上部へ供給する。第2熱源機40bは、高温の湯を供給することにより、第2貯湯タンク2bの蓄熱量を増加させる。
給湯ユニット100bの外部へ出た第4給湯配管35bは、循環ユニット100aの外部へ出た第2給湯配管35aと合流する。合流した第2給湯配管35a及び第4給湯配管35bは、一本の往き配管36になる。往き配管36には、蛇口6が設けられる。蛇口6は、出湯端末の一例である。また往き配管36には、戻り配管37の一端が接続される。戻り配管37の他端は、第1貯湯タンク2aの下部に接続される。循環用ポンプ4a、第1タンク給水配管31a、第1出湯配管32a、第1給湯用給水配管33a、第1給湯配管34a、第2給湯配管35a、往き配管36及び戻り配管37は、本実施の形態における循環回路を構成する。
また給湯システム1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、循環ユニット100aおよび給湯ユニット100bを構成する各機器と電気的に接続される。制御ユニット10は、各機器の動作を制御する動作制御機能を有する。動作制御機能は、本発明の制御手段の一例である。
制御ユニット10は、例えば第1制御装置10a及び第2制御装置10bを備える。第1制御装置10aは、例えば循環ユニット100aの内部に設けられる。また第2制御装置10bは、例えば給湯ユニット100bの内部に設けられる。なお第1制御装置10aは、例えば循環ユニット100aの外部に設けられてもよい。また第2制御装置10bは、例えば給湯ユニット100bの外部に設けられてもよい。
また制御ユニット10は、例えば1つの制御装置を備える構成としてもよい。例えば制御ユニット10に備えられた1つの制御装置は、第1制御装置10a及び第2制御装置10bの両方の機能を有する。
第1制御装置10aは、例えば第1混合弁3a、循環用ポンプ4a、給水開閉弁5及び第1熱源機40aと電気的に接続される。また第1制御装置10aは、例えば第1タンクサーミスタ20a、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aと電気的に接続される。
第1制御装置10aには、例えば図1に示すようにリモートコントローラー11が電気的に接続される。第1制御装置10aとリモートコントローラー11とは、例えば配線12によって接続される。第1制御装置10aとリモートコントローラー11とは、相互通信が可能である。リモートコントローラー11は、例えば操作部13を有する。操作部13は、使用者が給湯システム1を操作するために設けられる。なお第1制御装置10aとリモートコントローラー11とは、例えば電波等によって無線での相互通信を行う構成としてもよい。
第1制御装置10aは、例えば第1混合弁3a、循環用ポンプ4a、給水開閉弁5及び第1熱源機40aを制御する。また第1制御装置10aは、第1タンクサーミスタ20a、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aから情報を取得する。
第1制御装置10aは、例えば第1貯湯タンク2aの蓄熱量を算出する蓄熱量算出機能を有する。第1タンクサーミスタ20aは、第1貯湯タンク2a内の湯水の温度を検知する。第1貯湯タンク2a内に貯留されている湯水の体積は一定である。第1制御装置10aは、第1タンクサーミスタ20aによって検知された温度に基づいて第1貯湯タンク2aの蓄熱量を算出することができる。第1貯湯タンク2aの蓄熱量は、例えば第1制御装置10aの蓄熱量算出機能及び第1タンクサーミスタ20aによって測定される。なお第1貯湯タンク2aの蓄熱量の測定には、本例の蓄熱量算出機能及び第1タンクサーミスタ20a以外のものを用いてもよい。
第1制御装置10aは、例えば第1貯湯タンク2aから使用された熱量を算出する機能を有する。また第1制御装置10aは、第1貯湯タンク2aから蛇口6への一定期間当たりの給湯量を算出する給湯量算出機能を有する。一定期間は、例えば一日である。
第1入水温度センサ21aは、給水配管30を流れる水の温度を検知する。第1流量センサ22aは、第1給湯配管34aを流れる湯の量を検知する。第1給湯温度センサ23aは、第2給湯配管35aを流れる湯の温度を検知する。
第1制御装置10aは、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aから取得した情報に基づいて、第1貯湯タンク2aから使用された熱量を算出する。また第1制御装置10aは、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aから取得した情報に基づいて、第1貯湯タンク2aから蛇口6への一定期間当たりの給湯量を算出する給湯量算出機能を有する。
第1貯湯タンク2aから蛇口6への一定期間当たりの給湯量は、給湯量算出機能、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aによって測定される。給湯量算出機能、第1入水温度センサ21a、第1流量センサ22a及び第1給湯温度センサ23aは、本発明の給湯量測定手段の一例である。
第1制御装置10aは、例えば第1混合弁3aに高温の湯と低温の水との混合割合を調整させる。第1制御装置10aは、第1混合弁3aに設定温度の湯を生成させる。設定温度は、例えば60℃である。第1制御装置10aは、第1給湯温度センサ23aによって検知される湯温を設定温度とするように、第1混合弁3aを制御する。設定温度は、例えば第1制御装置10aに予め記憶される。設定温度は、例えば使用者がリモートコントローラー11の操作部13を操作して設定するものとしてもよい。
第2制御装置10bは、例えば第2混合弁3b、給湯開閉弁4b及び第2熱源機40bと電気的に接続される。また第2制御装置10bは、例えば第2タンクサーミスタ20b、第2入水温度センサ21b、第2流量センサ22b及び第2給湯温度センサ23bと電気的に接続される。
第2制御装置10bは、第1制御装置10aと電気的に接続される。第1制御装置10aと第2制御装置10bとは、例えば図1に示すように通信線14によって接続される。第1制御装置10aと第2制御装置10bとは、相互通信が可能である。なお第1制御装置10aと第2制御装置10bとは、例えば電波等によって無線での相互通信を行う構成としてもよい。
第2制御装置10bは、第2混合弁3b、給湯開閉弁4b及び第2熱源機40bを制御する。また第2制御装置10bは、第2タンクサーミスタ20b、第2入水温度センサ21b、第2流量センサ22b及び第2給湯温度センサ23bから情報を取得する。
第2制御装置10bは、例えば第2貯湯タンク2bの蓄熱量を算出する蓄熱量算出機能を有する。第2タンクサーミスタ20bは、第2貯湯タンク2b内の湯水の温度を検知する。第2貯湯タンク2b内に貯留されている湯水の体積は一定である。第2制御装置10bは、第2タンクサーミスタ20bによって検知された温度に基づいて第2貯湯タンク2bの蓄熱量を算出することができる。第2貯湯タンク2bの蓄熱量は、例えば第2制御装置10bの蓄熱量算出機能及び第2タンクサーミスタ20bによって測定される。第2制御装置10bの蓄熱量算出機能及び第2タンクサーミスタ20bは、本発明の蓄熱量測定手段の一例である。なお第2貯湯タンク2bの蓄熱量の測定には、本例の蓄熱量算出機能及び第2タンクサーミスタ20b以外のものを用いてもよい。
第2制御装置10bは、例えば第2貯湯タンク2bから使用された熱量を算出する機能を有する。第2入水温度センサ21bは、第2タンク給水配管31bを流れる水の温度を検知する。第2流量センサ22bは、第3給湯配管34bを流れる湯の量を検知する。第2給湯温度センサ23bは、第4給湯配管35bを流れる湯の温度を検知する。第2制御装置10bは、第2入水温度センサ21b、第2流量センサ22b及び第2給湯温度センサ23bから取得した情報に基づいて、第2貯湯タンク2bから使用された熱量を算出する。
第2制御装置10bは、例えば第2混合弁3bに高温の湯と低温の水との混合割合を調整させる。第2制御装置10bは、第2混合弁3bに設定温度の湯を生成させる。設定温度は、例えば60℃である。第2制御装置10bは、第2給湯温度センサ23bによって検知される湯温を設定温度とするように、第2混合弁3bを制御する。設定温度は、例えば第2制御装置10bに予め記憶される。設定温度は、例えば使用者がリモートコントローラー11の操作部13を操作して設定するものとしてもよい。例えばリモートコントローラー11の操作部13によって設定された設定温度は、第1制御装置10aを介して第2制御装置10bに入力される。
第1制御装置10aと第2制御装置10bとは、相互通信を行う。第1制御装置10aと第2制御装置10bとは情報を共有する。第1制御装置10aは、例えば第2貯湯タンク2bの蓄熱量の情報を第2制御装置10bから受信する。また第1制御装置10aは、例えば第2貯湯タンク2bから使用された熱量の情報を第2制御装置10bから受信する。同様に第2制御装置10bは、例えば第1貯湯タンク2aの蓄熱量の情報を第1制御装置10aから受信する。また第2制御装置10bは、例えば第1貯湯タンク2aから使用された熱量の情報を第1制御装置10aから受信する。
制御ユニット10は、第1貯湯タンク2a及び第2貯湯タンク2bの双方の蓄熱量を算出することができる。制御ユニット10は、第1貯湯タンク2a及び第2貯湯タンク2bの双方の蓄熱量を監視する。また制御ユニット10は、第1貯湯タンク2a及び第2貯湯タンク2bの双方から使用された熱量を算出することができる。制御ユニット10は、第1貯湯タンク2a及び第2貯湯タンク2bの双方から使用された熱量を監視する。
次に、給湯システム1の動作のうち、本発明に関係する基本的な動作について説明する。まず、給湯システム1の即湯循環動作について説明する。図2は、給湯システム1の即湯循環動作を示す図である。
即湯循環動作時において制御ユニット10は、循環用ポンプ4aを動作させる。図2の破線矢印は、低温の水の流れを示す。破線矢印で示すように、第1貯湯タンク2aの下部から低温の水が取り出される。低温の水は、第1タンク給水配管31a及び第1給湯用給水配管33aを介し、第1混合弁3aに供給される。
図2の鎖線矢印は、高温の湯の流れを示す。鎖線矢印で示すように、第1貯湯タンク2aの上部から高温の湯が取り出される。高温の湯は、第1出湯配管32aを介し、第1混合弁3aに供給される。
第1混合弁3aは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第1混合弁3aは、設定温度の湯を生成する。図2の実線矢印は、第1混合弁3aによって生成された設定温度の湯の流れを示す。第1混合弁は、実線矢印で示すように設定温度の湯を第1給湯配管34aへ供給する。第1給湯配管へ供給された湯は、循環用ポンプ4aによって往き配管36及び戻り配管37へ流される。戻り配管37へ流された湯は、第1貯湯タンク2aの下部に戻される。
即湯循環動作において循環用ポンプ4aは、第1貯湯タンク2a内に貯留された湯を、往き配管36及び戻り配管37等を経由して第1貯湯タンク2aに戻す。循環用ポンプ4aが動作することにより、湯水が循環回路を循環する。湯水が循環回路を循環することにより、循環回路全体の温度が上昇する。これにより、蛇口6の近傍の温度が上昇する。給湯システム1は、例えば使用者によって蛇口6が開かれた際、設定温度の湯を即座に使用者へ供給することができる。
循環回路を循環する湯水のもつ熱量は、例えば配管での放熱等によって奪われる。即湯循環動作によって、第1貯湯タンク2aから熱量が消費される。即湯循環動作を十分に行うためには、一定の熱量が第1貯湯タンク2aに確保されている必要がある。第1貯湯タンク2aの蓄熱量が一定の熱量を下回ると、給湯システム1は十分に即湯循環動作を行うことができなくなる。
配管での放熱量は、配管長が長いほど多い。即湯循環動作によって消費される熱量は、配管長が長いほど多い。即湯循環動作を行うには、配管長が長いほど多くの熱量が第1貯湯タンク2aに確保されている必要がある。
次に給湯システム1の給湯動作について説明する。給湯動作は、例えば使用者によって蛇口6が開かれることで開始される。給湯システム1は、第1給湯動作形態、第2給湯動作形態及び第3給湯動作形態の計3つの給湯動作の形態を有する。
まず第1給湯動作形態について説明する。第1給湯動作形態において制御ユニット10は、給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5を開状態にする。
図3は、給湯システム1の第1給湯動作形態を示す図である。図3の破線矢印は、水源から供給される低温の水の流れを示す。第1貯湯タンク2a、第2貯湯タンク2b、第1混合弁3a及び第2混合弁3bには、水源からの水圧が作用している。給水開閉弁5及び蛇口6が開かれることにより、第1貯湯タンク2a及び第1混合弁3aには低温の水が供給される。また給湯開閉弁4b及び蛇口6が開かれることにより、第2貯湯タンク2b及び第2混合弁3bに低温の水が供給される。
図3の鎖線矢印は、高温の湯の流れを示す。第1貯湯タンク2aに低温の水が供給されることにより、第1貯湯タンク2aの上部から高温の湯が取り出される。また第2貯湯タンク2bに低温の水が供給されることにより、第2貯湯タンク2bの上部から高温の湯が取り出される。第1貯湯タンク2aの上部から取り出された高温の湯は、第1混合弁3aに供給される。第2貯湯タンク2bの上部から取り出された高温の湯は、第2混合弁3bに供給される。
第1混合弁3aは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第1混合弁3aは、設定温度の湯を生成する。第2混合弁3bは、第1混合弁3aと同様に、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第2混合弁3bは、設定温度の湯を生成する。
図3の実線矢印は、設定温度の湯の流れを示す。第1混合弁3aは、設定温度の湯を第1給湯配管34a及び第2給湯配管35aへ供給する。設定温度の湯は、第1給湯配管34a及び第2給湯配管35aを介し、往き配管36へ供給される。往き配管36へ供給された設定温度の湯は、蛇口6へ供給される。蛇口6へ供給された湯は、使用者へ供給される。
第2混合弁3bは、第1混合弁3aと同様に、設定温度の湯を第3給湯配管34b及び第4給湯配管35bへ供給する。設定温度の湯は、第3給湯配管34b及び第4給湯配管35bを介し、往き配管36へ供給される。往き配管36へ供給された設定温度の湯は、蛇口6へ供給される。蛇口6へ供給された湯は、使用者へ供給される。
第1給湯動作形態において蛇口6への給湯は、第1貯湯タンク2aと第2貯湯タンク2bとの両方からされる。第1給湯動作形態では、第1貯湯タンク2aと第2貯湯タンク2bとの両方から熱量が消費される。
次に第2給湯動作形態について説明する。第2給湯動作形態において制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを開状態にする。また制御ユニット10は、給水開閉弁5を閉状態にする。
図4は、給湯システム1の第2給湯動作形態を示す図である。図4の破線矢印は、水源から供給される低温の水の流れを示す。給湯開閉弁4b及び蛇口6が開かれることにより、第2貯湯タンク2b及び第2混合弁3bに低温の水が供給される。給水開閉弁5を閉状態としているため、第1貯湯タンク2a及び第1混合弁3aには水が供給されない。
図4の鎖線矢印は、高温の湯の流れを示す。第2貯湯タンク2bに低温の水が供給されることにより、第2貯湯タンク2bの上部から高温の湯が取り出される。第1貯湯タンク2aには水が供給されないため、第1貯湯タンク2aから高温の湯は取り出されない。第2貯湯タンク2bの上部から取り出された高温の湯は、第2混合弁3bに供給される。第2混合弁3bは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第2混合弁3bは、設定温度の湯を生成する。
図4の実線矢印は、設定温度の湯の流れを示す。第2混合弁3bは、設定温度の湯を第3給湯配管34b及び第4給湯配管35bへ供給する。設定温度の湯は、第3給湯配管34b及び第4給湯配管35bを介し、往き配管36へ供給される。往き配管36へ供給された設定温度の湯は、蛇口6へ供給される。蛇口6へ供給された湯は、使用者へ供給される。
第2給湯動作形態において蛇口6への給湯は、第2貯湯タンク2bからされる。第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯は停止する。第2給湯動作形態では、第2貯湯タンク2bから熱量が消費される。また第2給湯動作形態において閉状態の給水開閉弁5は、循環回路上に位置しない。給湯システム1は、第2給湯動作形態の給湯動作と並行して即湯循環動作を行うことができる。
次に第3給湯動作形態について説明する。第3給湯動作形態において制御ユニット10は、給水開閉弁5を開状態にする。また制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを閉状態にする。
図5は、給湯システム1の第3給湯動作形態を示す図である。図5の破線矢印は、水源から供給される低温の水の流れを示す。給水開閉弁5及び蛇口6が開かれることにより、第1貯湯タンク2a及び第1混合弁3aに低温の水が供給される。給湯開閉弁4bを閉状態としているため、第2貯湯タンク2b及び第2混合弁3bには水が供給されない。
図5の鎖線矢印は、高温の湯の流れを示す。第1貯湯タンク2aに低温の水が供給されることにより、第1貯湯タンク2aの上部から高温の湯が取り出される。第2貯湯タンク2bには水が供給されないため、第2貯湯タンク2bから高温の湯は取り出されない。第1貯湯タンク2aの上部から取り出された高温の湯は、第1混合弁3aに供給される。第1混合弁3aは、供給された高温の湯と低温の水とを混合する。第1混合弁3aは、設定温度の湯を生成する。
図5の実線矢印は、設定温度の湯の流れを示す。第1混合弁3aは、設定温度の湯を第1給湯配管34a及び第2給湯配管35aへ供給する。設定温度の湯は、第1給湯配管34a及び第2給湯配管35aを介し、往き配管36へ供給される。往き配管36へ供給された設定温度の湯は、蛇口6へ供給される。蛇口6へ供給された湯は、使用者へ供給される。
第3給湯動作形態において蛇口6への給湯は、第1貯湯タンク2aからされる。第2貯湯タンク2bから蛇口6への給湯は停止する。第3給湯動作形態では、第1貯湯タンク2aから熱量が消費される。
制御ユニット10は、給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5を開閉することにより、給湯動作形態を切り替える。例えば給水開閉弁5が開状態の時、第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯が行われる。また給水開閉弁5が閉状態の時、第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯は停止する。給水開閉弁5は、第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯をする給湯状態と第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯を停止する給湯停止状態とを切り替える。給水開閉弁5は、本発明の切り替え手段の一例である。
制御ユニット10は、給湯動作形態を切り替えることで、第1貯湯タンク2aから蛇口6への一定期間当たりの給湯量を制限する。一定期間は、例えば一日である。第1貯湯タンク2aから蛇口6への一定期間あたりの給湯量を、以下では単に給湯量と呼称する。制御ユニット10は、給湯量を給湯使用可能湯量以下に制限する。これにより、給湯動作によって第1貯湯タンク2aから消費される熱量が制限される。
図6は、給湯使用可能湯量と配管長との関係の一例を示すグラフである。配管長とは、例えば循環回路の長さである。
図6の破線は、即湯循環直線の一例である。即湯循環直線は、即湯循環動作に必要な熱量が第1貯湯タンク2aに確保される条件での給湯使用可能湯量を示す。即湯循環動作を行うには、配管長が長いほど多くの熱量が第1貯湯タンク2aに確保されている必要がある。給湯動作によって第1貯湯タンク2aから消費できる熱量は、配管長が長いほど減少する。給湯量は、配管長が長いほど少ない量に制限される必要がある。図6の即湯循環直線における給湯使用可能湯量は、配管長が長いほど少なくなる。
図6の鎖線は、寿命直線の一例である。寿命直線は、第1熱源機40aが設計寿命を満たす条件での給湯使用可能湯量を示す。設計寿命は、例えば10年である。第1熱源機40aが設計寿命を満たすには、第1熱源機40aの動作量を制限すればよい。第1熱源機40aの動作量を制限するには、第1貯湯タンク2aからの消費熱量が制限されればよい。また第1貯湯タンク2aからの消費熱量は、配管長が長いほど増加する。このため給湯量は、配管長が長いほど少ない量に制限される必要がある。図6の寿命直線における給湯使用可能湯量は、配管長が長いほど少なくなる。
制御ユニット10には、例えば即湯循環直線及び寿命直線の両条件を満たす制約条件が予め設定される。例えば図6において即湯循環直線と寿命直線とは傾きが異なる。即湯循環直線は、寿命直線に比べて傾きが大きい。また、例えば配管長を0mと仮想した場合、即湯循環直線における給湯使用可能湯量は寿命直線における給湯使用可能湯量より多い。即湯循環直線と寿命直線とは、例えば配管長80mの点で交差する。配管長が80mまでは、制約条件は寿命直線を満たすように設定される。また配管長が80m以上の場合は、制約条件即湯循環直線を満たすように設定される。これにより制約条件は、即湯循環直線及び寿命直線の両条件を満たすことができる。
図6の実線は、即湯循環直線及び寿命直線の両条件を満たす制約条件の一例を示す。制御ユニット10は、制約条件及び配管長に基づいて給湯使用可能湯量を求める。制御ユニット10は、例えば制約条件が図6の実線で配管長が100mとき、給湯使用可能湯量を200Lと求める。
配管長は、例えば給湯システム1の設置後に制御ユニット10に記憶される。配管長は、例えば設置業者によって記憶される。設置業者は、例えばリモートコントローラー11の操作部13を操作して配管長を制御ユニット10に記憶させる。
制御ユニット10は、給湯動作形態を切り替えることによって、給湯量を求めた給湯使用可能湯量以下に制限する。制御ユニット10による給湯動作形態の切り替えの制御手順について説明する。図7は、制御ユニット10による給湯動作形態の切り替えの制御手順の一例を示すフローチャートである。まず制御ユニット10は、給湯量が給湯使用可能湯量に到達したか判定する(ステップS1)。
制御ユニット10は、給湯量が給湯使用可能湯量に到達していない場合、第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下か判定する。例えば給湯使用可能湯量が200Lで給湯量が180Lの場合、制御ユニット10は、第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下か判定する(ステップS2)。
湯切れ判定量とは、給湯動作に必要な熱量が確保されているかを判定するための閾値である。例えば第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、第2貯湯タンク2bから蛇口6への十分な給湯を行うことができない。同様に、例えば第1貯湯タンク2aの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、第1貯湯タンク2aから蛇口6への十分な給湯を行うことができない。湯切れ判定量は、例えば予め制御ユニット10に記憶される。
第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯を行うために必要な熱量は、即湯循環動作に必要な熱量よりも少ない。すなわち、給湯量が給湯使用可能湯量に到達していない場合、第1貯湯タンク2aには蛇口6への給湯を行うために必要な熱量が確保されている。
ステップS2で第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下でない場合、制御ユニット10は、給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5を開状態にする(ステップS3)。給湯システム1は、図3で示す第1給湯動作形態で給湯動作を行う。
ステップS2で第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを閉状態にする。また制御ユニット10は、給水開閉弁5を開状態にする(ステップS4)。給湯システム1は、図5で示す第3給湯動作形態で給湯動作を行う。
ステップS1で給湯量が給湯使用可能湯量に到達した場合、制御ユニット10は、給水開閉弁5を閉状態に制限する。例えば給湯使用可能湯量が200Lで給湯量が200Lに到達した場合、制御ユニット10は、給水開閉弁5を閉状態にする(ステップS5)。第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯を停止する給湯停止状態となる。これにより給湯量は、給湯使用可能湯量以下に制限される。
ステップS5で給水開閉弁5を閉状態にすると、制御ユニット10は、第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下か判定する(ステップS6)。
ステップS6で第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下でない場合、制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを開状態にする。給水開閉弁5は、閉状態が維持される。(ステップS7)。給湯システム1は、図4で示す第2給湯動作形態で給湯動作を行う。
ステップS6で第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、制御ユニット10は、第1貯湯タンク2aの蓄熱量が湯切れ判定量以下か判定する(ステップS8)。
ステップS8で第1貯湯タンク2aの蓄熱量が湯切れ判定量以下でない場合、制御ユニット10は、給水開閉弁5を閉状態から開状態へ切り替える(ステップS9)。これにより第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯をする給湯状態となる。制御ユニット10は、給水開閉弁5によって、給湯停止状態から給湯状態へ切り替える。これにより給湯量の制限が解除される。
ステップS9で給水開閉弁5を開状態にすると、制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを閉状態にする。また制御ユニット10は、給水開閉弁5を開状態で維持する。(ステップS10)。ステップS10において、給湯システム1は、図5で示す第3給湯動作形態で給湯動作を行う。ステップS10において給湯システム1は、即湯循環動作に必要な熱量を第1貯湯タンク2aから消費して給湯動作を行う。
ステップS8で第1貯湯タンク2aの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、制御ユニット10は、給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5を閉状態にする(ステップS11)。給湯システム1は、給湯動作を行わない。
制御ユニット10は、例えばステップS1〜ステップS11を一定の周期で繰り返す。制御ユニット10は、第1貯湯タンク2a及第2貯湯タンク2bの状態に応じて給湯システム1の給湯動作形態を切り替える。
即湯循環動作及び給湯動作に使用される兼用タンクは、給湯動作のみに使用される専用タンクに比べて多くの湯が使用される。本実施の形態の第1貯湯タンク2aは兼用タンクの一例である。また第2貯湯タンク2bは、専用タンクの一例である。
兼用タンクと専用タンクとの容量が同じの時、兼用タンクの蓄熱量が不足する可能性が高い。また兼用タンクには、即湯循環動作に必要な熱量が確保されている必要がある。このため、兼用タンクに接続される熱源機は、使用頻度が高くなりやすい。兼用タンクに接続される熱源機は短寿命化しやすい。本実施の形態の第1熱源機40aは兼用タンクに接続される熱源機の一例である。
本実施の形態の給湯システム1において、制御ユニット10は、給湯量を給湯使用可能湯量以下に制限する。給湯使用可能湯量は、制約条件によって求められる。制約条件は、即湯循環直線及び寿命直線の両条件を満たす。これにより、第1貯湯タンク2aには、即湯循環動作に必要な熱量が確保される。また第1熱源機40aの短寿命化が防止される。
本実施の形態の給湯システム1は、給湯量が給湯使用可能湯量に到達した場合、例えば図4の第2給湯動作形態で給湯動作を行う。制御ユニット10は、給水開閉弁を閉状態に制限する。第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯は停止する。蛇口6へは、第2貯湯タンク2bから給湯される。本実施の形態では、給湯量を制限した状態においても使用者に湯を供給することができる。本実施の形態であれば、使い勝手の低下が生じない。
本実施の形態の給湯システム1は、給湯量が給湯使用可能湯量に到達した場合においても、第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下の時には、給湯量の制限が解除される。これにより、第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯が可能となる。本実施の形態であれば、蛇口6への湯切れが発生する可能性を低下させることができる。
上記構成を採用することにより、湯切れが発生する可能性を低下させつつ熱源機の短寿命化を防ぐことができる給湯システムが得られる。
制御ユニット10は、例えばステップS10において第2熱源機40bを動作させてもよい。制御ユニット10は、例えば第2貯湯タンク2bの蓄熱量が目標熱量となるまで第2熱源機40bを動作させる。目標熱量は、例えば一定期間に使用が予想される熱量である。一定期間は、例えば1日である。目標熱量は、例えば制御ユニット10に予め記憶される。
第2貯湯タンク2bの蓄熱量が目標熱量となると、制御ユニット10は、例えば給水開閉弁5を再び閉状態にする。また制御ユニット10は、給湯開閉弁4bを開状態にする。蛇口6への給湯は、第2貯湯タンク2bから行われる。制御ユニット10は、給湯量を再び給湯使用可能湯量以下に制限する。
また制御ユニット10は、例えばステップS10において第2熱源機40bを動作させなくてもよい。制御ユニット10は、給水開閉弁5を開状態のまま維持し、即湯循環動作に必要な熱量を給湯動作によって第1貯湯タンク2aから使い切らせてもよい。
また給湯システム1は、ステップS9における給湯停止状態から給湯状態への切り替えを使用者が禁止できる構成としてもよい。給湯停止状態から給湯状態への切り替えの禁止は、例えば操作部13によって行われる。操作部13は、許可状態と禁止状態とを選択する選択手段の一例である。許可状態では、給湯停止状態から給湯状態への切り替えが許可される。禁止状態では、給湯停止状態から給湯状態への切り替えが禁止される。使用者は、例えば湯切れのリスクよりも第1熱源機40aの寿命を優先したい場合、操作部13によって禁止状態を選択する。
許可状態において、制御ユニット10は、上述したステップS1〜ステップS11を実施する。禁止状態において、制御ユニット10は、ステップS8〜ステップS10を実施しない。ステップS6で第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下の場合、制御ユニット10は、ステップS11へと進む。制御ユニット10は、給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5を閉状態にする。給水開閉弁5は、閉状態のまま維持される。第1貯湯タンク2aから蛇口6への給湯を停止する給湯停止状態が維持される。
制御ユニット10は、例えば給湯量が規定給湯量に到達すると第2熱源機40bを動作させてもよい。規定給湯量は、給湯使用可能湯量よりも少ない量として、予め設定される。規定給湯量は、例えば制御ユニット10に予め記憶される。制御ユニット10は、給湯量が給湯使用可能湯量に達する前に第2熱源機40bを動作させる。第2熱源機40bは、例えば給湯量が給湯使用可能湯量に達するまでに第2貯湯タンク2bの蓄熱量を目標熱量まで増加させる。これにより、給湯動作によって第2貯湯タンク2bの蓄熱量が湯切れ判定量以下になる可能性が低くなる。このため、給湯量の制限を解除する可能性が低くなる。本例であれば、第1熱源機40aの短寿命化をより効率的に防ぐことができる。
制御ユニット10は、例えばステップS11で給湯開閉弁4b及び給水開閉弁5が閉状態のとき、第1熱源機40a及び第2熱源機40bを動作させてもよい。第1熱源機40a及び第2熱源機40bにより、第1貯湯タンク2a及び第2貯湯タンク2bの蓄熱量が増加する。これにより、給湯システム1は給湯動作を行うことができるようになる。蛇口6への湯切れが解消される。
本実施の形態において制御ユニット10には、即湯循環直線及び寿命直線の両条件を満たす制約条件が設定される。制約条件は、例えば図6の実線で示される。制約条件は本例以外にも、例えば曲線あるいは折れ線状等の、直線以外のものとしてもよい。また制約条件が設定される代わりに、即湯循環直線及び寿命直線の両条件が制御ユニット10に記憶されてもよい。制御ユニット10は、例えば配管長、即湯循環直線及び寿命直線に基づいて給湯使用可能湯量を求める。
配管での放熱量は、例えば外気温に影響される。給湯システム1は外気温を測定する外気温測定手段の一例として、外気温度センサ24を備えてもよい。外気温度センサ24は、例えば図1に示すように循環ユニット100aの外部表面に設けられる。なお外気温度センサ24は、例えば往き配管36及び戻り配管37等に設けられてもよい。外気温度センサ24は、外気温が測定可能な任意の位置に設けられる。制御ユニット10は、例えば配管長、制約条件、及び外気温度センサ24によって測定された外気温に基づいて給湯使用可能湯量を求める。
戻り配管37には、例えば循環ユニット100aの内部で戻りセンサ25が設けられてもよい。戻りセンサ25は、戻り配管37を流れる湯の温度を測定する湯温測定手段の一例である。制御ユニット10は、例えば第1給湯温度センサ23a及び戻りセンサ25によって測定された湯の温度に基づいて、配管での放熱量を推測する。制御ユニット10は、例えば推測した放熱量及び制約条件に基づいて給湯使用可能湯量を求める。
本実施の形態の給湯システム1には、1つの蛇口6が往き配管36に設けられる。蛇口6は、例えば複数設けられてもよい。また給湯システム1は、本例の蛇口6以外にも、例えばシャワー等の出湯端末が設けられる構成としてもよい。
本実施の形態の給湯システム1において循環ユニット100aは、第1貯湯タンク2aを備える。循環ユニット100aは、例えば第1貯湯タンク2aを複数備えてもよい。同様に、給湯ユニット100bは、例えば第2貯湯タンク2bを複数備えてもよい。また給湯システム1は、例えば複数の循環ユニット100aおよび複数の給湯ユニット100bを備えてもよい。