[go: up one dir, main page]

JP2016196578A - 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム - Google Patents

潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016196578A
JP2016196578A JP2015077045A JP2015077045A JP2016196578A JP 2016196578 A JP2016196578 A JP 2016196578A JP 2015077045 A JP2015077045 A JP 2015077045A JP 2015077045 A JP2015077045 A JP 2015077045A JP 2016196578 A JP2016196578 A JP 2016196578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
latent heat
storage material
mass
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015077045A
Other languages
English (en)
Inventor
務 高嶋
Tsutomu Takashima
務 高嶋
俊幸 堤
Toshiyuki Tsutsumi
俊幸 堤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority to JP2015077045A priority Critical patent/JP2016196578A/ja
Publication of JP2016196578A publication Critical patent/JP2016196578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Landscapes

  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Abstract

【課題】担持材料への担持により潜熱蓄熱材の性能を損なうことがなく、また、凝固と融解による相転移を繰り返すヒートサイクル下においても、担持材料からの潜熱蓄熱材料の滲み出しや相分離がなく、安定なゲル状態を維持できる潜熱蓄熱材組成物、および潜熱蓄熱体を提供する。
【解決手段】本発明の潜熱蓄熱材組成物は、炭素数12以上50以下のn−パラフィンからなる潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、潜熱蓄熱材料(A)を担持する担持材料(B)として水素添加処理されたスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体を6質量%以上50質量%以下の割合で含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、潜熱蓄熱材組成物、特に、炭素数が12以上50以下のn−パラフィンを潜熱蓄熱材料として使用し、このn−パラフィンを、熱可塑性エラストマーを含む担持材料により固定化した潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱材組成物を用いてなる潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システムに関する。
物質の相転移潜熱を蓄熱に利用する技術が知られている。その中でも、n−パラフィンの相転移潜熱を利用する技術は、炭素数が12以上50以下の範囲のn−パラフィンから適切な選択を行うことにより、広範な生活環境温度(−20℃〜100℃)に対応した相転移温度が利用可能であって、蓄熱密度が高く、相変化を繰り返しても特性が劣化しないこと、腐食性がないこと等の優れた特徴を有している。
n−パラフィンの優れた特性を生かした蓄熱材として、熱可塑性エラストマーを担持材料とし、n−パラフィンを溶融混練で固定化(ゲル化)した蓄熱材が提案されている。
熱可塑性エラストマーのうち、グラフト-ブロックコポリマーまたはブロックコポリマーには、たとえば、エチレン、またはブタジエンやイソプレンなどのジエンから選択される、1または2以上の任意選択で共役型でもよいエチレン結合を含む少なくとも1種のエチレン性モノマーと、少なくとも1種のビニルポリマーブロック、さらに適切にはスチレンポリマーブロックとの重合によって生じる少なくとも1種のブロックを含むものが含まれる。エチレン性モノマーが、任意選択で共役型でもよい2以上のエチレン結合を含むとき、重合後に残存するエチレン結合は、一般に重合後に水素化される。したがって、既知の方法では、イソプレンの重合は、水素化後に、エチレン−プロピレンブロックの生成をもたらし、ブタジエンの重合は、水素化後に、エチレン−ブチレンブロックの生成をもたらす。
このような熱可塑性エラストマーとしては、例えば、BASF社によって「Luvitol HSB」の名称で販売されている、ポリスチレン−ポリイソプレン(以下、「SI」と略すことがある)、ポリスチレン−ポリブタジエン(以下、「SB」と略すことがある)などの「ジブロック」または「トリブロック」型、クレイトンポリマージャパン社によって「Kraton」の名称で販売されている、ポリスチレン−エチレン/プロピレン(以下、「SEP」と略すことがある;Kraton G1701EU、G1702HU、1651HU)、ポリスチレン−エチレン/ブチレン(以下、「SEB」と略すことがある)、ポリスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(以下、「SEBS」と略すことがある;Kraton G1651HU)などの「ジブロック」または「トリブロック」型のブロックコポリマー等が挙げられる。
これらの熱可塑性エラストマーは、一般に、水素化または非水素化ジエンコポリマーとして知られている。
近年、熱可塑性エラストマーからなる担持材料の1種として、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、エチレン−エチレン/ブチレン−エチレンブロック共重合体(以下、「CEBC」と略すことがある)等の水添ジエン系共重合体を使用する蓄熱材組成物が開発されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平3−66788号公報 国際公開第2011/078340号 特開2014−111746号公報 特開2014−122320号公報
しかしながら、SEBSやCEBCを担持体とする場合、これを合成樹脂容器に密封し、相転移温度を挟んで温度を繰り返し昇降する、所謂、ヒートサイクルの担持材料として試験を行うと、蓄熱材料の滲み出しや相分離などの不具合を起こす場合があり、さらなる改良が望まれている。また、特許文献3および4では、水添ジエン系共重合体の例としてポリスチレン−エチレン/プロピレン(SEP)が例示されているが、ヒートサイクルの担持材料として使用できるか否かについては、何ら記載されていない。
本発明の目的は、凝固と融解の相転移を幾度も繰り返すヒートサイクル下においても、潜熱蓄熱材料であるn−パラフィンの担持材料からの滲み出しや相分離がなく(相溶性が高い)、潜熱蓄熱材料を高濃度で担持材料に混合しても安定なゲル状態を維持できる潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を進めた結果、炭素数が12以上50以下のn−パラフィンを潜熱蓄熱材料とし、該潜熱蓄熱材料の担持材料としてスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体を所定の割合で用いることにより、ヒートサイクル下においても高い相溶性とゲル安定性を有する潜熱蓄熱材組成物、および潜熱蓄熱体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、潜熱により蓄熱可能な潜熱蓄熱材料(A)と、前記潜熱蓄熱材料(A)を担持する担持材料(B)とを含む潜熱蓄熱材組成物であって、前記潜熱蓄熱材料(A)は炭素数が12以上50以下のn−パラフィンからなり、前記担持材料(B)は、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体であって、前記潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、前記担持材料(B)を6質量%以上50質量%以下の割合で含んでなることを特徴とする。
また、本発明の潜熱蓄熱体は、上記に記載の潜熱蓄熱材組成物を包装材料中に充填してなることを特徴とする。
本発明によれば、ヒートサイクル下においても高い相溶性とゲル安定性を有するとともに、担持材料との混合による著しい潜熱熱量低下がなく、潜熱蓄熱材料の性能を損なうことがない潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体を提供することが可能となる。
本発明に係る潜熱蓄熱材組成物、および潜熱蓄熱体の好適な実施形態について、更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明に係る潜熱蓄熱材組成物は、潜熱により蓄熱可能な潜熱蓄熱材料(A)と、前記潜熱蓄熱材料(A)を担持する担持材料(B)とを含む潜熱蓄熱材組成物であって、潜熱蓄熱材料(A)は炭素数が12以上50以下のn−パラフィンからなり、担持材料(B)は、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体であって、潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、担持材料(B)を6質量%以上50質量%以下の割合で含んでなることを特徴とする。
<潜熱蓄熱材料(A)>
まず、潜熱蓄熱材料(A)について説明する。本発明に係る潜熱蓄熱材料(A)は、炭素数が12以上50以下のn−パラフィンである。これらのn−パラフィンは、通常、石油留分から精留によって得られる。精製技術の制約から、それぞれの炭素数のn−パラフィンには、数質量%の隣接した炭素数のn−パラフィンを含有することがあるが、本発明の潜熱蓄熱材料(A)としての使用には支障はない。なお、潜熱蓄熱材料(A)として使用するn−パラフィンは、合成したものを使用してもよいが、石油留分由来のものを用いる方が、簡便かつ安価である。以下、本明細書では、精留によって得られた数質量%程度の不純物を含むn−パラフィン、または合成により得られた純度が高いn−パラフィンを、特に区別することなく、特定の炭素数を有するn−パラフィンとして記載する。
潜熱蓄熱材料(A)として特に有用なn−パラフィンは、相転移温度が、保冷〜住居環境温度範囲の−10℃〜30℃の範囲にある、炭素数が12以上18以下のn−パラフィンであり、例えば、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、およびn−オクタデカンの割合が50質量%以上であることが好ましい。潜熱蓄熱材料(A)として特に好ましいのは、相転移潜熱量の大きい、炭素数が偶数のn−テトラデカン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカンを主として含むものである。
潜熱蓄熱材料(A)は、炭素数が14以上18以下のn−パラフィンの割合が50質量%以上であるものがより好ましく、炭素数が14以上18以下のn−パラフィンからなり、かつ、この範囲にあるいずれかのn−パラフィン、特にn−テトラデカン、n−ヘキサデカン、またはn−オクタデカンを50質量%以上含むものが特に好ましい。
潜熱蓄熱材料(A)としては、炭素数が14以上18以下のn−パラフィンからなり、かつ、この範囲にあるいずれかのn−パラフィン、特にn−テトラデカン、n−ヘキサデカン、またはn−オクタデカンを95質量%以上含むものがさらに好ましい。
<担持材料(B)>
次に、潜熱蓄熱材料(A)を担持する担持材料(B)について説明する。担持材料(B)は、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)である。
スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)の基本構造は、スチレンを繰り返し単位とする結晶構造であるハードセグメントブロックと、水素添加処理後も共役ジエン化合物に由来する分岐の存在により非晶構造であるソフトセグメントブロックを有するものである。1H−NMRで構造決定を行えば、オレフィン領域に検出される水素原子は極めて微量(数%以下)である。本発明に係るスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)は、共役ジエンとしてイソプレンを使用したスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)であることが好ましく、例えば、クレイトンポリマージャパン(株)からクレイトン(登録商標)G(SEPタイプ)、「1701EU」、「1702HU」の商品名で販売されるものが例示される。
スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)は、示差走査式熱量測定法(DSC法)により測定した場合に、ハードセグメント由来の融解ピークを有することが好ましく、80〜120℃の範囲に融解ピークを有することが更に好ましい。 このピークが検出されないスチレン−エチレン/プロピレンンブロック共重合体(B1)は、担持材料(B)としての担持機能が不足する場合がある。
本発明に係るスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)は、1種単独で用いることもできるが、2種以上を混合して用いることもできる。
以上、本発明に係る担持材料(B)は、潜熱蓄熱材料(A)の担持性に優れるスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)を使用することにより、n−パラフィンの担持体としての優れた特性を確保することができる。
<潜熱蓄熱材組成物>
本発明に係る蓄熱材組成物は、潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、担持材料(B)を6質量%以上50質量%以下の割合で含んでなる。潜熱蓄熱材料(A)の割合が50質量%未満、または担持材料(B)の割合が50質量%より大きい場合、十分な蓄熱量を確保できない場合がある。また、潜熱蓄熱材料(A)の割合が94質量%より大きい、または担持材料(B)の割合が6質量%未満の場合、潜熱蓄熱材料(A)が担持材料(B)から漏れ出す可能性がある。潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、担持材料(B)を6質量%以上50質量%以下の割合で含んでなる潜熱蓄熱材組成物が好ましい。
続いて、本発明に係る潜熱蓄熱材組成物の製造について説明する。本発明に係る蓄熱材料組成物は、所定量の潜熱蓄熱材料(A)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)を機械的手段により強制的に混練、好ましくは、溶融混練して得ることができる。
溶融混練は少なくとも潜熱蓄熱材料(A)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)が溶融する温度以上で行うことが好ましい。混合は機械的手段による混合である限り、各種の混合手段がいずれも採用され、代表的な手段として、撹拌、混合、混練であり、当該機能を有する機器としては、攪拌機、混合器、混練機、そして、ゴム加工や熱可塑性樹脂加工に用いられる、2本ロール、バンバリーミキサー、押出機、2軸混練押出機等が挙げられる。
上記方法により得られた潜熱蓄熱材組成物は、次いで適宜な形状に成形され潜熱蓄熱材組体となる。潜熱蓄熱材組成物の使用目的に合わせて適宜な形状の潜熱蓄熱材組成物とされるが、本発明に係る潜熱蓄熱材組成物は任意の形状への附形が可能であり、任意の包装材料に充填した潜熱蓄熱体として使用することもできる。特に、0.01〜1mm程度の厚みを有する透明性の合成樹脂からなる包装材料に充填して使用することは、相転移の観察が外部から容易であり、また、一定の大きさの包装材料に充填することで、外気との接触を遮断し、酸化劣化の抑制された一定の規格を有する潜熱蓄熱体とすることが可能となるので、好ましい。この観点から、好ましい包装材料は、酸素透過性が抑制された合成樹脂フィルムからなる包装材料であり、例えば、ポリアミドを含む多層フィルムからなる包装材料である。
また、本発明に係る潜熱蓄熱材組成物には、他の熱可塑性エラストマー、あるいは、熱可塑性樹脂(例えば、低結晶性α‐オレフィン−エチレン共重合体)を用いた蓄熱材組成物に添加される、各種添加剤、充填材等を添加することができることは言うまでもない。
本発明に係る潜熱蓄熱体組成物を包装材料に充填した潜熱蓄熱体は、蓄熱式床暖房装置に使用することができる。例えば、断熱材層を有する基礎床と床材との間に潜熱蓄熱体を設置し、面上ヒータ等の加熱手段により潜熱蓄熱材を潜熱蓄熱材料(A)の融点以上に加熱して潜熱蓄熱体に蓄熱させることにより、蓄熱式床暖房装置として使用することができる。
また、本発明に係る潜熱蓄熱体組成物を包装材料に充填した潜熱蓄熱体は、空調システムに使用することができる。例えば、空調機で冷却または加熱された空調用冷媒を、潜熱蓄熱体が配置された熱交換器に供給し、潜熱蓄熱体と熱交換して蓄熱させることにより、空調システムとして使用することができる。
以下に実施例、比較例を以って本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例により本発明が限定される訳ではない。
実施例において使用された各化学品は、市場から入手したものを、精製することなく使用した。以下、実施例に使用した潜熱蓄熱材料(A)、および、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)、比較例に使用したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(B2)、エチレン−エチレン/共役ジエン−エチレンブロック共重合体(B3)を示す。
<潜熱蓄熱材料(A)>
n−テトラデカン(C14)(JX日鉱日石エネルギー社製「TS−4(商品名)」)
n−ヘキサデカン(C16)(JX日鉱日石エネルギー社製「TS−6(商品名)」)
<スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)>
クレイトンG1701EU (クレイトンポリマー社製)
<スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(B2)>
クレイトンG1651HU (クレイトンポリマー社製)
<エチレン−エチレン・共役ジエン−エチレンブロック共重合体(B3)>
ダイナロン(登録商標)6360B (JSR社製)
<潜熱蓄熱材組成物の製造>
表1および表2に示す種類および配合量で、潜熱蓄熱材料(A)と、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(B2)、エチレン−エチレン・共役ジエン−エチレンブロック共重合体(B3)から選択される担持材料(B)とを溶融混練し、実施例1〜6、および比較例1〜7にかかる潜熱蓄熱材組成物を作製した。溶融混練は、密閉式チャンバーを用い、回転数300rpm、温度90℃で、60分間行った。
<ヒートサイクル試験>
実施例1〜6、および比較例1〜7の処方で製造した潜熱蓄熱材組成物を加熱融解した後、細いガラス管(φ=5mm)に流し込み、室温に下げて固化して、ヒートサイクル試験の評価試料とした。各潜熱蓄熱材組成物が含有するn-パラフィンの融点に対し、−5〜−15℃以下の範囲にある恒温槽A、および、+5〜+15℃以上の範囲にある恒温槽Bを用意し、評価試料を恒温槽A、Bに交互に浸漬して、潜熱蓄熱材組成物の相転移を最高300回繰り返した後、相分離の有無を評価した。ヒートサイクル試験は、評価試料を融点より低い温度とした恒温槽Aに浸漬し、潜熱蓄熱材組成物中のn-パラフィンの凝固・固化相転移を目視により確認した後(組成物全体の白濁化)、融点より高い温度とした恒温槽Bに評価試料を浸漬し、潜熱蓄熱材組成物中のn-パラフィンの溶解・液化相転移を目視により確認(組成物全体の透明化)すること(固化および液化を各1回)を繰り返し(300回)行った。ヒートサイクル300回後に潜熱蓄熱材料(A)がブリードアウト(相分離発生)しないものを「○」、300回未満でブリードアウト(相分離発生)したものを「×」と評価した。なお、両恒温槽の温度差は、概ね、15℃〜30℃の範囲である。結果を表1および表2に示す。
Figure 2016196578
Figure 2016196578
実施例1〜6にかかる潜熱蓄熱材組成物は、潜熱蓄熱材料(A)に用いるn−パラフィンの種類と添加量を変更したものである。得られた潜熱蓄熱材組成物は、消防法の20℃における液状確認試験において流動性を示さず、n−パラフィンのブリードも認められなかった。また、ヒートサイクル試験においても、300回までブリードアウトは認められなかった。さらに、実施例1の潜熱熱量は210J/gで、同一の潜熱蓄熱材料(A)を同一比率で使用する比較例3、比較例4に比べ11〜13J/g高い値を示した。実施例4では潜熱熱量は221J/gで、同一組成比率の比較例6に比べ21J/g高い値を示した。
比較例1の潜熱蓄熱材組成物は、潜熱蓄熱材料(A)に用いるn−パラフィンの添加量を5質量%に変更したものである。比較例2〜3では担持材料(B)として、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(B2)を5〜10質量%用いた。比較例4〜7では潜熱蓄熱材料(A)に用いるn−パラフィンの種類と添加量を変更し、担持材料(B)として、エチレン−エチレン・共役ジエン−エチレンブロック共重合体(B3)に変更したものである。比較例1は、消防法の20℃における液状確認試験において流動性を示し、消防法における危険物に該当した。比較例2〜7は、消防法の20℃における液状確認試験において流動性を示さなかった。ヒートサイクル試験において、比較例1〜4、6および7は、300回未満でn−パラフィンのブリードアウトが発生したが、比較例5はn−パラフィンのブリードも認められず、また、ヒートサイクル試験においても、300回までブリードアウトは認められなかった。なお、比較例5は潜熱熱量が182J/gであり、同一の潜熱蓄熱材料(A)を同一の比率で使用する実施例2に比べ、10J/g低い値を示した。
以上のように、潜熱蓄熱材料(A)としてn−パラフィンを使用し、担持材料(B)として、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(B1)を含み、潜熱蓄熱材料(A)と担持材料(B)とを所定の割合で含んでなる本発明の潜熱蓄熱材組成物は、保冷〜住居環境温度範囲において蓄熱密度が高いだけでなく、ヒートサイクル下においてもブリードアウトの発生を低減することができる。
本発明の潜熱蓄熱材組成物および潜熱蓄熱体は、蓄熱式床暖房、空調システム等の各種用途に好適に利用できる。

Claims (6)

  1. 潜熱により蓄熱可能な炭素数12以上50以下のn−パラフィンからなる潜熱蓄熱材料(A)を50質量%以上94質量%以下、前記潜熱蓄熱材料(A)を担持する担持材料(B)であるスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体を6質量%以上50質量%以下の割合で含んでなることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
  2. 前記潜熱蓄熱材料(A)中、炭素数12以上18以下のn−パラフィンの割合が50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱材組成物。
  3. 前記潜熱蓄熱材料(A)中、炭素数14以上18以下のn−パラフィンの割合が50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱材組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の潜熱蓄熱材組成物を包装材料中に充填してなることを特徴とする潜熱蓄熱体。
  5. 請求項4に記載の潜熱蓄熱体を用いた蓄熱式床暖房。
  6. 請求項4に記載の潜熱蓄熱体を用いた空調システム。







JP2015077045A 2015-04-03 2015-04-03 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム Pending JP2016196578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077045A JP2016196578A (ja) 2015-04-03 2015-04-03 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077045A JP2016196578A (ja) 2015-04-03 2015-04-03 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016196578A true JP2016196578A (ja) 2016-11-24

Family

ID=57357689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015077045A Pending JP2016196578A (ja) 2015-04-03 2015-04-03 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016196578A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518687A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Mitsubishi Electric Corp 蓄熱式ヒートポンプ装置
JPH11152465A (ja) * 1997-09-19 1999-06-08 Nippon Shokubai Co Ltd 蓄熱装置およびその製造方法
WO2011078340A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 Jsr株式会社 蓄熱材用組成物及び蓄熱材
JP2013241499A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Kuraray Co Ltd 蓄熱材用組成物及び蓄熱材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0518687A (ja) * 1991-07-12 1993-01-26 Mitsubishi Electric Corp 蓄熱式ヒートポンプ装置
JPH11152465A (ja) * 1997-09-19 1999-06-08 Nippon Shokubai Co Ltd 蓄熱装置およびその製造方法
WO2011078340A1 (ja) * 2009-12-25 2011-06-30 Jsr株式会社 蓄熱材用組成物及び蓄熱材
JP2013241499A (ja) * 2012-05-18 2013-12-05 Kuraray Co Ltd 蓄熱材用組成物及び蓄熱材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI504621B (zh) Composition and heat storage material for heat storage material
US9556373B2 (en) Gel comprising a phase-change material, method of preparing the gel, and thermal exchange implement comprising the gel
JP6061106B2 (ja) 蓄熱材用組成物
JP2018510937A (ja) 熱伝導性接着剤
JP2017031327A (ja) 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱材組成物の製造方法、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム
US9249303B2 (en) Thermoplastic elastomer compounds exhibiting high latent heat of fusion in solid state
EP3535342A1 (en) Cold-crystallizing material and method for utilizing cold-crystallization in heat storing
JP2020536144A (ja) 相変化物質を含むゲル組成物
JP2014111746A (ja) 蓄熱材
JP5773143B2 (ja) 蓄熱材用組成物、蓄熱材及び蓄熱用装置
JP2014122320A (ja) 蓄熱材
EP3122335B1 (en) Method of preparing a gel comprising a phase-change material
JP2013241499A (ja) 蓄熱材用組成物及び蓄熱材
JP5831544B2 (ja) 蓄熱材用組成物、蓄熱材及び蓄熱用装置
JP6829685B2 (ja) 蓄熱材組成物、蓄熱用成形体、蓄熱用建材、蓄熱用建材ボード、および蓄熱用塗り壁材
JP2016196578A (ja) 潜熱蓄熱材組成物、潜熱蓄熱体、蓄熱式床暖房および空調システム
JP2014218602A (ja) 蓄熱材
JP2018154796A (ja) 蓄熱材組成物およびそれを用いた蓄熱材
JP2016102139A (ja) 潜熱蓄熱材組成物、および潜熱蓄熱体
JP2013129828A (ja) 蓄熱材及び蓄熱用装置
JP6810623B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP5722284B2 (ja) 樹脂組成物及びシート
JP2013006937A (ja) 蓄熱材用組成物、蓄熱材及び蓄熱用装置
JP6623592B2 (ja) 蓄熱材
JP2001139939A (ja) 蓄熱材組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190409