JP2016194183A - エアバッグ用ポリエステル繊維糸条 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアバッグ用ポリエステル繊維糸条に要求される高タフネス化のための製糸条件において発生する毛羽やタルミにより、エアバッグ基布展開時における目ずれが発生しにくく低通気度で、製織性に優れるエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の提供。
【解決手段】非含水油剤が付与されてなり、総繊度が300〜1,000dtex、単繊維繊度が3〜10dtex、強度が6〜9cN/dtex、伸度が15〜30%で、かつ乾熱収縮率が1〜12%のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。好ましくは、糸条の繊度斑が0.4〜1.5であり、又、好ましくは、初期モジュラスが80〜120cN/dtexであり、応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度が1.5〜4%であるエアバックス用ポリエステル繊維糸条。
【選択図】なし
【解決手段】非含水油剤が付与されてなり、総繊度が300〜1,000dtex、単繊維繊度が3〜10dtex、強度が6〜9cN/dtex、伸度が15〜30%で、かつ乾熱収縮率が1〜12%のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。好ましくは、糸条の繊度斑が0.4〜1.5であり、又、好ましくは、初期モジュラスが80〜120cN/dtexであり、応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度が1.5〜4%であるエアバックス用ポリエステル繊維糸条。
【選択図】なし
Description
本発明は、展開応答性とエネルギー吸収性を兼ね備え、かつ毛羽やタルミが少なく工程通過性に優れたエアバッグ用ポリエステル繊維糸条に関するものである。
エアバッグは、自動車の乗員保護用安全装置として、近年その普及が著しく広がっている。エアバッグに用いられるエアバッグ用基布に対する要求特性としては、衝撃時にスムーズに膨脹するだけの低い通気度ならびに機械的強度を有することが必要である。さらに、エアバッグ用基布には、コンパクトに収納できること、エアバッグ展開時および乗員を受け止める際のエネルギーを効率よく吸収する性能を有すること、および長期間車体に設置している間の寸法変化や劣化がないことなども要求特性として重要である。
現在開発されている代表的なエアバック用基布としては、単繊維繊度が3〜10dtexで、総繊度が200〜1000dtexのナイロン66糸で構成された基布や、さらにこれらの基布にクロロプレンやシリコーンなどの樹脂をコーティングした基布などが使用されている。
また、軽量、コンパクト性およびコストをより意識し、樹脂をコーティングしないエアバック用布帛も存在する。現在でも、エアバック用基布の素材としては、ナイロン66糸が一般的であるが、これはナイロン66糸が高タフネスであり、耐熱性および毛羽タルミが少なく原糸品位に優れているためである。
最近、装着部位によってはインフレータの違いから、ポリエステル繊維糸条の適用が可能となり、ポリマコストの点からもポリエステル繊維糸条の適用が検討されている。例えば、原糸の単繊維繊度を3dtex未満とし、乾熱収縮率や収縮応力を特定の範囲とすることにより、低通気度と柔軟性を有するポリエステル繊維糸条からなるエアバック用基布が提案されている(特許文献1参照。)。
また別に、特定の応力ひずみ曲線(S−Sカーブ)とすることにより、柔軟性が高く衝撃吸収性に優れるエアバッグ用ポリエステル繊維糸条が提案されている(特許文献2参照。)。さらに、糸条−糸条間の摩擦係数と糸条と金属との摩擦係数の比が規定されており、エアバッグ用基布の縫製部の破れを防止するため糸条と糸条との摩擦係数を高くし、糸条と金属との摩擦を低下させる油剤を付与することが提案されている(特許文献3参照。)。
また、製糸段階の油膜強度による、毛羽減少と製織時の加水粘度低減による油剤脱落性を目的とした油剤の提案がされている(特許文献4参照。)。さらに、特に、シートベルトのような高弾性が要求される原糸において、非含水油剤を使用することにより染め斑が発生せず均染性に優れ、製糸毛羽が少ない原糸が提案されている(特許文献5参照。)。
しかしながら、上記の特許文献1に具体的に記載されているマルチフィラメントは、高強度ではあるものの伸度が低く、衝撃の吸収性能としては低く、また単繊維繊度も小さいため紡糸と製織時に、毛羽や糸切れを発生しやすいという課題があった。
また、特許文献2と3で提案されているように、伸度が高くなることにより原糸としての衝撃吸収性能は向上するものの、このような原糸を用いたエアバッグ基布においては、展開速度が遅くなること、衝撃時に相当するエネルギー吸収量(応力−伸度曲線における曲線と伸度軸との面積)が小さくなり、かつ含水油剤では原糸の毛羽を減少することは困難であった。
また、上記の特許文献4で提案された方法のように、油膜強度を高くすることにより、製糸時の毛羽発生は低減されるものの、含水油剤では延伸工程で水分が蒸散する過程で起こる油剤粘度の上昇により延伸時の毛羽が多く、単に糸条と金属の摩擦を小さくしたり、油膜強度を高くするのみでは、上述の課題を解決することができない場合がある。
また、上記の特許文献5の提案では、シートベルト用原糸と異なり、エアバッグ用原糸では高タフネスが要求され、製糸条件も高リラックス条件を採用するため、弛緩熱処理時の張力が低下し、走行糸条が不安定となる。単にシートベルト用原糸に好適な非含水油剤を用いたとしても、高タフネスと高品位を両立することが困難であった。
このように、従来技術では、エアバッグ用ポリエステル繊維に必要な高タフネスで毛羽やタルミのような、原糸品位に優れるエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は実現されていなかった。
そこで本発明の目的は、上記の従来技術における課題を解決し、エアバッグ用基布において、機械的特性はもちろんのこと、低い通気度を有しかつ製織時の毛羽と糸切れが少なく、高品位のエアバッグ用基布とすることが可能なエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであり、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、非含水油剤が付与されてなり、総繊度が300〜1,000dtex、単繊維繊度が3〜10dtex、強度が6〜9cN/dtex、伸度が15〜30%で、かつ乾熱収縮率が1〜12%のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の好ましい態様によれば、前記のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、毛羽数が1個/10,000m以下であり、かつタルミが1個/10,000m以下である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の好ましい態様によれば、前記の非含水油剤は、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)とポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)の合計100質量部に対して、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)40〜80質量部と、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)20〜60質量部と、シリコーン化合物0.5〜3質量部で構成された油剤成分と、有機溶剤を含む希釈成分からなり、前記の油剤成分の濃度は20〜80質量%である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の好ましい態様によれば、糸条の繊度斑は0.4〜1.5である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の好ましい態様によれば、初期モジュラスは80〜120cN/dtexで、応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度は1.5〜4%である。また、応力−歪み曲線における1.16cN/dtexまで伸張し、その後、応力0cN/dtexまで緩和させた際の伸度は1%未満である。
また、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法は、固有粘度が0.8以上のポリエステルチップを紡糸温度285℃以上の温度で溶融紡糸し、紡糸速度2000m/分以下の速度で引き取った後、一旦巻き取ることなく非含水油剤を付与し、延伸倍率4〜7倍で延伸し、210℃以上の温度で1.5%以上弛緩処理して巻き取ることを特徴とするエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法の好ましい態様によれば、前記の非含水油剤は、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)とポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)の合計100質量部に対して、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)40〜80質量部と、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)20〜60質量部と、シリコーン化合物0.5〜3質量部を含む油剤成分と有機溶剤を含む希釈成分からなり、前記の油剤成分の濃度は20〜80質量%である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法の好ましい態様によれば、交絡処理装置を弛緩熱処理部と巻き取り前に設置し、糸道規制および交絡付与することである。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法の好ましい態様によれば、紡糸ドラフトは250以下である。
本発明によれば、高タフネスで展開応答性とエネルギー吸収性に優れ、これまでにない品位を有するエアバッグ用ポリエステル繊維糸条が得られる。また、前記のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を使用することにより、製織時の工程通過性が向上し、エアバッグ用基布を高品位かつ安価に製造することが可能となる。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、優れた高タフネス性を有し、原糸の毛羽タルミが非常に少ないため、エアバッグ用基布の要求特性である基布の目ずれや滑脱抵抗に優れると共に製織加工の安定性にも優れ、エアバッグ展開時の通気度の低下やバーストの危険が低く、高品位のエアバッグ基布を効率よく低コストで供給することが可能となる。
次に、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条とその製造方法について、詳細に説明する。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、非含水油剤が付与されてなり、総繊度が300〜1,000dtex、単繊維繊度が3〜10dtex、強度が6〜9cN/dtex、伸度が15〜30%であり、かつ乾熱収縮率が1〜12%のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、上記のように、総繊度が300〜10,00dtexであり、総繊度は好ましくは400〜800dtexである。
十分に低い通気性を保つだけの高密度にしたとき、総繊度が1,000dtexを超えるとエアバッグ用布帛の厚みが厚くなり、柔軟性および軽量性が損なわれてしまう。また、総繊度が300dtex未満では、いかに高密度に織ったとしてもエアバッグ用布帛の機械的強度が弱く、膨脹時に破裂してしまう。
また、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を構成する繊維の単繊維繊度は、3〜10dtexであり、好ましくは3〜8dtexである。単繊維繊度は、細い方が柔軟性や低通気性の点で好ましいが、ポリエステル繊維糸条の毛羽やタルミのような品位を考慮した場合、単繊維繊度が3dtex未満では品位の維持が困難である。また、単繊維繊度が10dtexより太くなると、総繊度を押さえても柔軟性が悪化する。また、安定した十分な交絡がかけられなくなることも生じる。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、強度が6〜9cN/dtexであり、好ましくは6.5〜8.5cN/dtexである。また、エアバッグ用ポリエステル繊維糸条の伸度は15〜30%であり、好ましくは18〜25%である。
強度が6cN/dtex未満では、エアバッグ基布に要求される機械的特性を満足できず、エアバッグ展開時に破裂の可能性が高くなる。強度は高い方が好ましいが、9cN/dtexを超えるような強度を得ようとすると高倍率で延伸する必要があり、毛羽や単糸切れが増加する傾向となる。その結果、製織性の低下および基布の欠点不良や、欠点に起因する展開時の破裂および通気度の悪化等の問題となる。また、強伸度は基本的にはトレードオフの関係となるため、高強度化に伴い伸度が低下することとなる。伸度が15%未満では、エアバッグ展開時や乗員が衝突する際の基布の伸長に対する応力変化が大きく、乗員への衝撃が大きくなる。
また、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、初期モジュラスが80〜120cN/dtexであることが好ましく、より好ましくは90〜110cN/dtexである。初期モジュラスはエアバッグ展開時の展開速度に関係し、初期モジュラスが低い場合は展開速度が遅く、高い場合展開速度は速くなるものの、基布の特定部位への応力集中による破壊や人体衝突時の衝撃が大きくなる。また、応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度は、1.5〜4%であることが好ましく、より好ましくは2〜3.5%である。
応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度とは、エアバッグ展開時に人体と衝突する際の内圧を繊維糸条1本当たりの応力に換算した値であり、エアバッグ展開時における変形挙動を把握する指標となる。その際の伸度を1.5〜4%とすることにより、エアバッグ展開時におけるエネルギー吸収量が大きく、衝撃吸収性能が高いこととなる。エアバッグ展開時の人体への影響および展開速度を考慮した場合、高タフネスの原糸を用いることになるが、展開速度を速くし、且つ人体への衝撃を抑えるためには、単にモジュラスを低くし高タフネス化すると、原糸としての破断までのエネルギー吸収量は大きいもののエアバッグ展開時の規定内圧までの到達時間が長くなる。上記の範囲とすることにより展開速度と人体への衝撃を両立することが可能となる。
また、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、1.16cN/dtexまで伸張し、その後、応力0cN/dtexまで緩和させた後の伸度が1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.1〜〜0.8%であり、更に好ましくは0.1〜0.6%である。1.16cN/dtexまで伸張し、その後、応力cN/dtexまで緩和させるとは、車両横転等によりカーテンエアバッグに人体が衝突した後のエアバッグの伸長変形量を想定したものである。
エアバッグには、装着部位や展開方法など様々なタイプが存在するが、ポリエステル繊維糸条を用いる場合、特に限定されないものの耐熱性の点から火薬を使用する展開部への使用よりは、カーテンエアバッグ等、圧縮気体での展開部位への装着が多くなっており、展開速度の点から、前述のとおりの特性とした上で、更に展開後に繰り返し乗員が衝突することを想定する必要がある。その場合、内圧を如何にして維持するかがエアバッグの構成繊維の特性としても重要となる。前述の特性とするには、弾性領域での使用であれば特に変化は小さいが、実際には、乗員衝突時の応力はそれ以上であり、変形領域で繰り返し衝撃を受けることになる。この場合、衝撃吸収量を維持するには、エアバッグ用基布の変形量を小さくする必要がある。原糸のS−S特性において、上記の特性を有することにより、り返し衝撃を受ける場合においても、初期の衝撃吸収性能に近いレベルを維持し、エアバッグの内圧を保持することが可能となる。
エアバッグにおいて、特にカーテンエアバッグのように繰り返し衝撃を受けるような場合において、伸張変形量が大きいことは、次回の衝撃荷重を受ける際に内圧が低下していることになり、空気層が薄いエアバッグの展開状態となる。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、150℃の温度で、30分間乾熱雰囲気下で処理した場合における乾熱収縮率が1〜12%であり、好ましくは2〜8%である。乾熱収縮率を上記の範囲とすることにより、エアバッグ用基布の製造工程における熱処理やエアバッグ展開時の熱による寸法変化が少なく、内圧上昇や応力集中しにくくなる。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条における毛羽数は、1個/10,000m以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5個/10,000mであり、更に好ましくは0.02〜0.3個/10,000mである。
また、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条におけるタルミは、1個/10,000m以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.6個/10,000mであり、更に好ましくは0.02〜0.3個/10,000mである。
毛羽とタルミとも、繊維の品位を表す特性であるが、毛羽は紡糸および延伸工程において、単繊維の1〜数本が切断し特定部分に絡まった状態を表すものであり、また、タルミは単繊維の切断には至っていないものの、1〜数本の単繊維が他の糸条より長く弛んでいる状態を示す。タルミは、毛羽に比べて高次加工工程での影響は小さいものの、やはり工程通過性の悪化やエアバッグ用基布等の欠点となり得るため、安全装置であるエアバッグへの使用に際しては低減させることが好ましい態様である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条における繊度斑は、0.4〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.3である。繊度斑を前記の範囲とすることにより、強伸度のバラツキが小さくすることができる。また、このような特性を達成する製糸条件とすることにより、延伸時の応力集中による品位への影響も軽減させることができる。
次に、本発明におけるエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法について説明する。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂等からなる繊維を用いることができるが、単繊維繊度が3〜10dtexという細繊度の繊維からなる糸条を安定して製造することができる点、および低い吸湿性や寸法安定性の観点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
使用されるポリマは、各々その性質を損ねない範囲であれば、曳糸性を高めるなどの目的で、共重合成分を含有することもなんら差し支えない。上述の物性を満足させるためには、通常高重合度のポリマが用いられる。ポリエチレンテレフタレートの場合には、固有粘度が0.8以上のポリマであることが好ましく、より高タフネスで毛羽およびタルミを減少させるという観点から、固有粘度は0.9〜1.5であることがより好ましい態様である。上記の固有粘度は、後述する方法で測定された値である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、上記のポリエステル繊維が得られる限りその製造方法に制限はない。基本的には、上記のポリマを溶融紡糸して、引き取った後、一旦巻き取ることなく非含水油剤を付与し、延伸し弛緩処理して巻き取り、ポリエステル繊維とされ、好ましくは固有粘度が0.8以上のポリエステルチップを、紡糸温度285℃以上の温度で紡糸し、紡糸速度2000m/分以下の速度で引き取った後、一旦巻き取ることなく非含水油剤を付与し、延伸倍率4〜7倍で延伸し、210℃以上の温度で1.5%以上弛緩処理して巻き取ることにより得られる。
次に、本発明におけるエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法の詳細条件について説明する。
記のポリマは、通常ポリエステルチップの形態で用いられるが、これを原料として溶融紡糸機に供給し、通常の溶融紡糸法により紡糸口金から紡出される。このとき、ポリマの熱による劣化を防ぐために、紡糸機内におけるポリマの滞留時間は短いほど好ましく、通常10分以内であることが好ましい。ここで、滞留時間とは、紡糸機の加熱供給部にチップが供給されて口金細孔から吐出されるまでの時間を指す。また、紡糸温度は、通常285℃以上であり、好ましくは285℃〜315℃の範囲である。口金直下には、加熱筒を設置し、その加熱筒内に吐出糸条を通過させることが好ましい態様である。加熱筒は、通常10〜100cmの長さで、200℃〜350℃の温度に温度制御することが好ましい。また、熱筒の長さおよび温度条件は、得られる糸条の単繊維繊度やフィラメント数により最適化され得る。上記の加熱筒は、溶融ポリマの固化を遅らせ、紡糸段階での配向を抑制し延伸部での高倍率延伸により高強度を発現させる点で有用である。
高温での熱劣化を防止する目的で、必要に応じて加熱筒内雰囲気を高温不活性ガスでシールすることができる。
紡出された糸条は、上記の高温雰囲気中を通過した後、チムニーの冷風により冷却固化される。チムニーは、横吹出しタイプのチムニーや環状タイプのチムニーを用いることができる。
冷却風の温度は、10〜50℃であることが好ましく、より好ましくは15〜30℃である。冷却固化された糸条は、次いで油剤が付与された後、紡糸速度を制御する引取りローラで引き取られる。このとき、口金から紡出される紡出糸条の吐出線速度と引き取りローラとの速度の比で表されるドラフトは、250以下であることが好ましく、より好ましくは30〜150であり、さらに好ましくは30〜100である。
エアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造において、ドラフトは低い方が好ましく、すなわち吐出線速度が速くなるような口金孔径を設定し、また、口金背面圧力をある程度の高圧力とすることにより繊度斑が小さくなり、その結果、延伸工程において毛羽やタルミを減少することができ、エアバッグ用基布においては目ずれがしにくく、低通気度になると考えられる。
次いで、引取りローラに引き取られた未延伸糸条は、通常連続して延伸されるが、一旦巻き取られた後、別工程で延伸することも可能である。紡糸速度は、通常2000m/分以下であり、好ましくは300〜1500m/分である。延伸は、基本的には常法の熱延伸が採用される。延伸は、2段以上の多段延伸が好ましく、延伸倍率は、未延伸糸の複屈折、延伸温度および多段延伸する際の延伸比配分等によって変化させることができるが、好ましくは4〜7倍であり、より好ましくは5〜6倍である。1段目の延伸においては、3〜4倍延伸することが好ましく、2段目以降で総合延伸倍率となるように、延伸倍率を適宜調整することが好ましい。
また、各ローラ温度設定に関しては、引き取りローラは50〜90℃の温度であることが好ましく、より好ましくは60〜80℃の温度である。給糸ローラは、80〜120℃の温度であることが好ましく、より好ましくは90〜110℃の温度である。第1延伸ローラは、90〜140℃の温度であることが好ましく、より好ましくは100〜130℃である。第2延伸ローラは、210℃以上の温度であることが好ましく、より好ましくは220〜240℃であり、弛緩ローラは非加熱もしくは160℃以下に加熱したローラを用いることが好ましい態様である。
上記の延伸糸は、最終延伸ローラ〜弛緩熱処理において、高配向構造を固定したり、熱延伸によって生じた歪みが除去されるが、熱固定時のリラックス率および温度を変化させ、適宜制御することにより、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を得ることができる。
エアバッグの展開速度を向上するためある程度の高弾性を有し、かつ高タフネスとすることは、熱固定温度を上記の範囲とした上で、リラックス率を特定の範囲とすることにより達成される。リラックス率は、1.5%以上であることが好ましく、より好ましくは4〜15%であり、更に好ましくは6〜10%である。この際、熱固定時の張力が大きく低下することにより、走行糸条が不安定な状態となることにより、タルミや毛羽を発生させる原因となる。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条において、毛羽やタルミは製織時のマシンの停止や基布欠点となるが、ポリエステル繊維はナイロン繊維に比べて剛直なためかタルミや毛羽が多く、エアバッグ用基布においてポリエステル繊維が普及しにくい理由の一つと考えられる。このため、本発明においては、高リラックス率で高温熱セットする際の走行糸条の安定性を向上することにより、毛羽やタルミを防止し、原糸の品位を共に満足するエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を得ることが可能となる。
産業用繊維に適用されている製糸油剤は、特に高強度化と高次工程含め工程通過性向上目的でガイドやローラとの摩擦抵抗を押さえるため、糸条と金属間の動摩擦係数を低くすることが好ましく、交絡や集束性を向上するため、糸条と糸条間の静摩擦係数は比較的高くすることが好ましい。また、エアバッグ用基布においても、基布の目ずれや滑脱抵抗という特性を向上させることを目的とし、糸条と糸条間の摩擦係数については比較的高くなるように油剤設計することが好ましい。
糸条と金属間の動摩擦係数は、0.2〜0.6であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.5であり、糸条と糸条間の静摩擦係数は、0.5〜0.8であることが好ましく、より好ましくは0.55〜0.75である。
しかしながら、単に糸条と金属間の動摩擦係数が同じであっても、含水油剤では原糸の毛羽が多く、少なくとも本発明のエネルギー吸収性を有するエアバッグ用ポリエステル繊維糸条を得ようとするためには、油剤は非含水油剤とすることが必須である。含水油剤は、乳化安定性の点から界面活性の強い界面活性剤を使用しており、延伸工程における水分揮発時の粘度上昇が大きいため、延伸ローラとの摩擦が高くなったり、延伸ローラの汚れに起因する毛羽やタルミが多くなると考えられる。また、本発明で使用される非含水油剤は、有機溶剤からなる希釈剤成分を有し、油剤成分濃度は、20〜80質量%とすることが好ましい。油剤成分濃度を該上記の範囲とすることにより、高速で走行している糸条の表面に、油剤を安定して均一に付与することが可能となる。
本発明において、製糸性に優れた平滑性、油膜強度および延伸熱処理時の高温環境下における安定性を含む油剤の安定性を保持しつつ、有機溶剤からなる希釈成分が揮発する際の走行糸条の安定性を向上させるため、好ましい非含水油剤としては、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)とポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)の合計100質量部に対して、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)40〜80質量部、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)20〜60質量部含んでいることが好ましく、シリコーン化合物を0.5〜3質量部含んでいることが好ましい態様である。また、非含水油剤は、アニオン性界面活性剤(C)を含有させることができ、その含有量の好ましい範囲は0〜15質量部である。
上記の脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)成分は、通常、平滑性を付与する成分であり、脂肪族カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸ハロゲン化物、酸無水物または低級(好ましくは炭素数1〜4)アルコールエステル]と好ましくは炭素数8〜32の高級アルコールから得られるエステルである。
脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)成分の具体例としては、例えば、イソステアリルオレート、イソエイコシルステアレート、イソエイコシルオレート、イソテトラコシルオレート、イソアラキジルオレート、イソステアリルパルミテート、オレイルオレートや、ジオレイルアジペート、ジイソステアリネルアジペート等のアジピン酸エステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジオレイルチオジプロピオネート、ジイソステアリルチオジプロピオネート等のチオジプロピオン酸エステルが挙げられる。
脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)成分のうち、特に好ましい成分としては、イソエイコシルステアレート、炭素数16〜24のイソアルキルアルコールオレート[イソステアリルオレート、イソエイコシルオレートおよびイソテトラコシルオレートなど]、ジオレイルアジペート、ジイソステアリルアジペート、ジオレイルチオジプロピオネート、およびジイソステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)成分の数平均分子量(以下において、Mnと略記することがある。)は、好ましくは400〜1,000であり、さらに好ましくは500〜800の範囲である。Mnを前記の範囲とすることにより、平滑剤成分としての耐熱性または油膜強度が特に優れ、十分な製糸性が得られ易く、繊維と金属間の動摩擦係数が低く、製糸性が向上する。Mnは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値であり、ポリメチルメタクリレートの分子量基準の換算値である。
本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条に用いられる非含水処理剤において、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)は、ポリアルキレングリコール鎖を有する非イオン性界面活性剤である。ポリアルキレングリコール鎖は、好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下、AOと略記することがある。)の付加により得られる。AOとしては、エチレンオキシド(以下、EOと略記することがある。)、プロピレンオキシド(以下、POと略記することがある。)およびブチレンオキシドなどが挙げられる。好ましいポリアルキレングリコール鎖は、EO単独およびEOとPOの併用(ランダム付加またはブロック付加)の付加物であり、併用の場合はEOの質量割合が少なくとも50質量%であることが好ましい。
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤((B)成分の具体例としては、例えば、高級アルコールAO付加物(炭素数8〜32の高級アルコールのEO2〜100モルもしくはEO/PO付加物[例えば、オレイルアルコールEO5〜25モル付加物およびステアリルアルコールEO/POランダム付加物など])、高級アルコールAO付加物のカルボン酸エステル(脂肪族カルボン酸エーテルエステルである。
具体的に、例えば、イソステアリルアルコールEO2〜20モル付加物のオレイン酸エステルなど)、アルキルフェノールのAO付加物(アルキル基の炭素数が6〜24のアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなど)のEO4〜100モル付加物)、脂肪酸のAO付加物(炭素数が8〜24の脂肪酸のEO5〜100モル付加物)、多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物(2〜8価の多価アルコールの炭素数が8〜24のモノカルボン酸エステルのEO4〜100モル付加物、および2〜8価の多価アルコールのEO4〜50モル付加物のモノカルボン酸エステル、例えば、トリメチロールプロパンEO15〜25モル付加物トリオレート、ソルビトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリオレート、ペンタエリスリトールEO15〜40モル付加物トリステアレートなど)、油脂のAO付加物(ヒマシ油および硬化ヒマシ油のEO5〜50モル付加物など)、油脂のAO付加物の脂肪酸エステル(例えば、硬化ヒマシ油EO5〜25モル付加物トリオレート、硬化ヒマシ油EO5〜25モル付加物ジオレート、ヒマシ油EO5〜25モル付加物ジステアリート、ヒマシ油EO5〜25モル付加物トリスステアレート、および硬化ヒマシ油EO5〜25モル付加物マレイン酸ステアリン酸エステルなど)が挙げられる。
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)成分のうち、特に好ましいのは、オレイルアルコールEO5〜25モル付加物およびステアリルアルコールEO/POランダム付加物、とりわけオレイルアルコールEO7モル付加物およびステアリルアルコールEO/POランダム付加物でMn=1,400のもの、トリメチロールプロパンEO15〜25モル付加物ジステアレートおよびソルビトールEO30〜40モル付加物ペンタオレート、硬化ヒマシ油EO5〜25モル付加物、とりわけ硬化ひまし油EO10モル付加物である。
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)成分のMnは、好ましくは500〜10,000の範囲であり、さらに好ましくは600〜8,000の範囲である。Mnが500以上であれば、延伸時の繊維の集束性が良好で、単繊維が分離する現象が少なく、延伸性が向上する傾向にある。一方、Mnが10,000以下であれば、処理剤の安定性に優れ、均一な溶液が得られ易い。
また、アニオン性界面活性剤(C)成分としては、アニオン性界面活性剤であり、脂肪酸石鹸(好ましくは炭素数が8〜24の脂肪酸石鹸(オレイン酸塩やエルシン酸塩等)であり、塩としてはアルカリ金属(KやNaなどのアルカリ金属など)、アルカノールアミンおよびアルキルアミンEO付加物等)、高級アルコールのリン酸エステル塩(炭素数が8〜24の高級アルコールのリン酸エステル塩(例えば、オレイルアルコールリン酸エステル塩、イソステアリルアルコールリン酸エステル塩およびイソセチルアルコールリン酸エステル塩など)および高級アルコールAO付加物のリン酸エステル塩(炭素数が8〜24の高級アルコールのAO2〜50モル付加物のリン酸エステル塩が挙げられる。
具体的には、ラウリルアルコールEO3〜20モル付加物リン酸エステル塩、オクチルアルコールEO3〜20モル付加物リン酸エステル塩、炭素数が12および13の混合アルコールPO3〜10モルEO5〜10モル(ブロック付加物)リン酸エステル塩など、好ましいのはラウリルアルコールEO3モル付加物リン酸エステルカリウム塩およびラウリルアルコールEO5モル付加物リン酸エステルカリウム塩)、アルキルフェノールのリン酸エステル塩およびアルキルスルホン酸エステル塩(炭素数が8〜24のアルキル基を有するスルホン酸塩(ラウリルスルホン酸塩など)が挙げられる。
また、シリコーン化合物としては、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンおよびポリエステル変性シリコーン等が挙げられる。
本発明で用いられる非含水油剤は、上記の成分以外に、添加剤を配合することができる。添加剤としては、脂肪酸(好ましくは炭素数が10〜24)アルカノールアミド(ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等)、脂肪族アミン(好ましくは炭素数が10〜24)EO付加物系カチオン性界面活性剤(ラウリルアミンEO付加物、オレイルアミンEO付加物等)、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤)、およびアルキルイミダゾリン系界面活性剤等が挙げられ、これらは必要に応じて、5質量部未満の範囲で配合される。
また、本発明では、希釈剤として有機溶剤が用いられるが、有機溶剤として好ましくはMnが140〜240を有する鉱物油が用いられる。鉱物油のMnは、140〜240が好ましく、より好ましくは160〜200である。Mnをこのような範囲とすることにより、処理剤調合や製糸時の油剤供給時、延伸前予備加熱時の蒸散が少なくなり、安定な製糸が容易になり、防災上からも好ましく、製糸の延伸や熱セット工程で完全に蒸散し易く、糸条表面に残留することが少なくなる。
本発明で用いられる上記の非含水処理剤を適用したエアバッグ用ポリエステル繊維糸条は、本発明で用いられる非含水油剤が、希釈剤としての有機溶剤または鉱物油蒸散後の油剤成分として、繊維質量に対し0.3〜0.8質量%付与されていることが好ましく、0.4〜0.7質量%付与されていることがより好ましい態様である。非含水油剤の割合をこのような範囲とすることにより、製糸時の平滑性と走行糸条の安定性が得られ、過剰な油剤供給によるローラ汚れに起因する製糸性の悪化や、織機の汚れ等を軽減させることができる。
また、延伸工程において、走行糸条を安定化させることを目的として、エアガイドで規制することも好ましい態様である。弛緩熱処理工程においても、走行糸条を規制するとともに1次的に交絡を付与することが好ましいが、均一な交絡を付与するためには、リラックスローラからワインダーまでの間において適度な張力と糸道が規制された状態で交絡処理装置により交絡を付与することが好ましい態様である。
交絡は、エア交絡が均一な交絡処理のために好ましく採用することができ、用いられる糸条の繊度や張力に応じて、エアの圧力を適宜変更することにより、目的とする交絡度を達成することができる。弛緩熱処理工程における交絡処理装置のエア圧力は、0.1〜0.4MPaであることが好ましく、リラックスローラとワインダー間における交絡処理装置のエア圧力は、0.2〜0.6MPaであることが好ましい。また、交絡度CF値は、好ましくは5〜30であり、より好ましくは10〜25である。
このようにして、エアバッグ用基布に好適な、高タフネスで毛羽やタルミが少なく高品位なポリエステル繊維糸条を得ることができる。
次に、実施例により、本発明のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条とその製造方法について、具体的に説明する。各種物性は、次の方法により算出した。また、各評価において特に規定がない場合は、10点測定しその平均値とした。
(1)固有粘度(IV):
A.チップ:試料0.8gにオルソクロロフェノール10mlを加えて、160℃の温度で10分間加熱溶解した後冷却し、25℃の温度で溶液の相対粘度ηrを、オストワルド粘度計を用いて測定し、次の近似式に従い算出した。
・IV=0.0242ηr+0.02634。
A.チップ:試料0.8gにオルソクロロフェノール10mlを加えて、160℃の温度で10分間加熱溶解した後冷却し、25℃の温度で溶液の相対粘度ηrを、オストワルド粘度計を用いて測定し、次の近似式に従い算出した。
・IV=0.0242ηr+0.02634。
B.糸条:試料0.8gにオルソクロロフェノール10mlを加えて、145℃の温度で10分間加熱溶解した後冷却し、25℃の温度で溶液の相対粘度ηrを、オストワルド粘度計を用いて測定し、次の近似式に従い算出した。
・IV=0.0242ηr+0.02634。
・IV=0.0242ηr+0.02634。
(2)糸条の総繊度:
糸条の総繊度については、JIS L1013(2010) 8.3.1 A法により、所定荷重0.045cN/dtexで正量繊度を測定して、総繊度とした。
糸条の総繊度については、JIS L1013(2010) 8.3.1 A法により、所定荷重0.045cN/dtexで正量繊度を測定して、総繊度とした。
(3)単繊維繊度:
単繊維繊度は、総繊度を単繊維数で除することで算出した。
単繊維繊度は、総繊度を単繊維数で除することで算出した。
(4)糸条の強度、伸度、初期モジュラスおよび各S−S特性:
糸条の強度と伸度は、JIS L1013(2010) 8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。試料をオリエンテック社製“テンシロン”(TENSILON)(登録商標)UCT−100を用い、掴み間隔は25cmで、引張り速度は30cm/分で行った。伸度は、S−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また初期モジュラス及び1.16cN/dtex時伸度、伸長緩和時の伸度についても、上記評価機器を用い、8.10初期引張抵抗度から算出し、初期モジュラスとした。
糸条の強度と伸度は、JIS L1013(2010) 8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。試料をオリエンテック社製“テンシロン”(TENSILON)(登録商標)UCT−100を用い、掴み間隔は25cmで、引張り速度は30cm/分で行った。伸度は、S−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また初期モジュラス及び1.16cN/dtex時伸度、伸長緩和時の伸度についても、上記評価機器を用い、8.10初期引張抵抗度から算出し、初期モジュラスとした。
(5)糸条の乾熱収縮率:
糸条の乾熱収縮率は、JIS L−1013(2010)8.18.2乾熱収縮率a)かせ収縮率(A法)に従って、試料採取時の所定荷重を5mN/tex×表示テックス数、処理温度を150℃とし、また、かせ長測定時の所定荷重200mN/tex×表示テックス数として測定した。
糸条の乾熱収縮率は、JIS L−1013(2010)8.18.2乾熱収縮率a)かせ収縮率(A法)に従って、試料採取時の所定荷重を5mN/tex×表示テックス数、処理温度を150℃とし、また、かせ長測定時の所定荷重200mN/tex×表示テックス数として測定した。
(6)油分付着量:
糸条10gにnヘキサン120mlを添加、常温で10分間振盪することにより、油剤をnヘキサン中に抽出する。油剤抽出後のnヘキサン100mlを秤量後真空下で蒸発させ、不揮発分の質量から油剤付着量を求めた。
糸条10gにnヘキサン120mlを添加、常温で10分間振盪することにより、油剤をnヘキサン中に抽出する。油剤抽出後のnヘキサン100mlを秤量後真空下で蒸発させ、不揮発分の質量から油剤付着量を求めた。
(7)糸条の繊度斑:
糸条の繊度斑は、ツェルベガー・ウースター(Zellweger USTER)社製のウースター・テスター・モニターC(USTER TESTER MONITOR C)を用いて、ハーフ値を測定した。INEATモードを使用して、糸条速度25m/分において125mの測定を行った。
糸条の繊度斑は、ツェルベガー・ウースター(Zellweger USTER)社製のウースター・テスター・モニターC(USTER TESTER MONITOR C)を用いて、ハーフ値を測定した。INEATモードを使用して、糸条速度25m/分において125mの測定を行った。
(8)糸条の毛羽とタルミ数:
原糸を解舒し、ガイドで糸道規制を行った上で、走行糸条から4mm離れた箇所にレーザー式毛羽・タルミ検知器を設置し、150m/分で解舒し検知した時点で検知器を停止させ、目視により検知された毛羽およびタルミを確認し、その個数を10000mあたりの個数に換算して表示した。タルミとは、単繊維は切れていないものの糸条を張った状態で単繊維1〜数本がその他の糸条から離れる状態にあり、センサーで検知されたものを示す。
原糸を解舒し、ガイドで糸道規制を行った上で、走行糸条から4mm離れた箇所にレーザー式毛羽・タルミ検知器を設置し、150m/分で解舒し検知した時点で検知器を停止させ、目視により検知された毛羽およびタルミを確認し、その個数を10000mあたりの個数に換算して表示した。タルミとは、単繊維は切れていないものの糸条を張った状態で単繊維1〜数本がその他の糸条から離れる状態にあり、センサーで検知されたものを示す。
(9)糸条と金属間の動摩擦係数:
糸条の動摩擦係数については、東レエンジニアリング(株)製摩擦試験機YF850を使用して、糸速20m/分、初期張力(T0):200gで直径170mmの固定金属ピン(表面Cr梨地メッキ加工)摩擦体に、常温で180度接触させた後の張力(T1)を20点読み取りその平均値から下記式を用い算出した。
・μF-M={(T1/2)―(T0/2)}/{(T1/2)+(T0/2)}
(10)糸条と糸条間の静摩擦係数:
糸条の静摩擦係数については、東レエンジニアリング(株)製摩擦試験機YF850を使用して、糸速が0.1m/分で、初期張力(T0):200gで直径5mmの回転金属ピンに2回転ツイストさせて引っ掛け、スティックスリップする張力の最大値(T1)を20点読み取りその平均値から下記式を用い算出した。
・μF-F={(T1/2)―(T0/2)}/{(T1/2)+(T0/2)}
(11)交絡度:
交絡度は、JIS L−1013(2010)8.15に従って、フック含む荷重として、1.86mN/dtexの荷重をかけ、下降速度2cm/秒で下降させ、次式により50回測定した平均値として算出した。
・CF値=100(cm)/下降距離(cm)。
糸条の動摩擦係数については、東レエンジニアリング(株)製摩擦試験機YF850を使用して、糸速20m/分、初期張力(T0):200gで直径170mmの固定金属ピン(表面Cr梨地メッキ加工)摩擦体に、常温で180度接触させた後の張力(T1)を20点読み取りその平均値から下記式を用い算出した。
・μF-M={(T1/2)―(T0/2)}/{(T1/2)+(T0/2)}
(10)糸条と糸条間の静摩擦係数:
糸条の静摩擦係数については、東レエンジニアリング(株)製摩擦試験機YF850を使用して、糸速が0.1m/分で、初期張力(T0):200gで直径5mmの回転金属ピンに2回転ツイストさせて引っ掛け、スティックスリップする張力の最大値(T1)を20点読み取りその平均値から下記式を用い算出した。
・μF-F={(T1/2)―(T0/2)}/{(T1/2)+(T0/2)}
(11)交絡度:
交絡度は、JIS L−1013(2010)8.15に従って、フック含む荷重として、1.86mN/dtexの荷重をかけ、下降速度2cm/秒で下降させ、次式により50回測定した平均値として算出した。
・CF値=100(cm)/下降距離(cm)。
[実施例1]
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレートチップをエクストルーダー型紡糸機に連続的に供給し、300℃の温度で溶融し、計量ポンプを用いて計量して、295℃の温度に設定したフィルターパックを用いて濾過した後、丸型単孔が96個開けられた紡糸口金細孔から紡出した。ポリエチレンテレフタレートの滞留時間は、約7分であった。次に、口金直下において、310℃の温度に加熱した加熱筒雰囲気中を通過させた後、ユニフロー型チムニーを用いて18℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付けて冷却固化した。冷却固化された糸条に非含水油剤を付与し、584m/分の表面速度の紡糸引き取りローラに捲回して、紡出糸条を引き取った。
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレートチップをエクストルーダー型紡糸機に連続的に供給し、300℃の温度で溶融し、計量ポンプを用いて計量して、295℃の温度に設定したフィルターパックを用いて濾過した後、丸型単孔が96個開けられた紡糸口金細孔から紡出した。ポリエチレンテレフタレートの滞留時間は、約7分であった。次に、口金直下において、310℃の温度に加熱した加熱筒雰囲気中を通過させた後、ユニフロー型チムニーを用いて18℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付けて冷却固化した。冷却固化された糸条に非含水油剤を付与し、584m/分の表面速度の紡糸引き取りローラに捲回して、紡出糸条を引き取った。
引き取られた糸条には、そのまま連続して引き取りローラと619m/分の給糸ローラの間で6%のストレッチをかけ、次いで給糸ローラと2336m/分の第1延伸ローラの間で1段目の延伸を行い、第1延伸ローラと3282m/分の第2延伸ローラ間で2段目の延伸を行った。引き続き、第2延伸ローラと3000m/分の弛緩ローラとの間で交絡処理装置により0.1MPaの高圧空気を噴射し、走行糸条を規制した状態で8.6%の弛緩熱処理を施し、再度、交絡処理装置によって、0.3MPaの高圧空気を走行糸条に対し直角方向から噴射させ、交絡を付与して巻き取った。各ローラの表面温度は、引き取りローラが75℃の温度、給糸ローラが100℃の温度、第1延伸ローラが110℃の温度、第2延伸ローラが230℃の温度で、弛緩ローラは非加熱とした。また、原糸付着油分量は0.5質量%となるように非水系油剤の付与量を調整して、560dtex/96フィラメントの延伸糸を得た。
得られた延伸糸の物性は、強度が7.64cN/dtexで、伸度が21.4%であり、毛羽とタルミは少なく高品位であった。ポリエステル繊維糸条の製造条件と繊維糸条の特性を表1に、使用した製糸油剤の組成を表3にそれぞれ示す。
[実施例2〜3]
表1に記載のとおり、紡糸口金の孔径を0.4から0.6(実施例2)/0.8(実施例3)mmと変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表1に、使用した製糸油剤の組成を表3にそれぞれ示す。
[実施例2〜3]
表1に記載のとおり、紡糸口金の孔径を0.4から0.6(実施例2)/0.8(実施例3)mmと変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表1に、使用した製糸油剤の組成を表3にそれぞれ示す。
[実施例4〜8]
表3に記載のとおり、油剤を変更したこと以外は、実施例2と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表3にそれぞれ示す。
表3に記載のとおり、油剤を変更したこと以外は、実施例2と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表3にそれぞれ示す。
[実施例9]
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレートチップをエクストルーダー型紡糸機に連続的に供給し、300℃の温度で溶融し、計量ポンプを用いて計量して、295℃の温度に設定したフィルターパックを用いて濾過した後、丸型単孔が96個開けられた紡糸口金細孔から紡出した。ポリエチレンテレフタレートの滞留時間は、約5分30秒であった。次に、紡糸口金直下において、310℃の温度に加熱した加熱筒雰囲気中を通過させた後、ユニフロー型チムニーを用いて18℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付けて冷却固化した。冷却固化された糸条に非含水油剤を付与し、774m/分の表面速度の紡糸引き取りローラに捲回して、紡出糸条を引き取った。
固有粘度が1.2のポリエチレンテレフタレートチップをエクストルーダー型紡糸機に連続的に供給し、300℃の温度で溶融し、計量ポンプを用いて計量して、295℃の温度に設定したフィルターパックを用いて濾過した後、丸型単孔が96個開けられた紡糸口金細孔から紡出した。ポリエチレンテレフタレートの滞留時間は、約5分30秒であった。次に、紡糸口金直下において、310℃の温度に加熱した加熱筒雰囲気中を通過させた後、ユニフロー型チムニーを用いて18℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付けて冷却固化した。冷却固化された糸条に非含水油剤を付与し、774m/分の表面速度の紡糸引き取りローラに捲回して、紡出糸条を引き取った。
引き取られた糸条には、そのまま連続して引き取りローラと820m/分の給糸ローラの間で6%のストレッチをかけ、次いで給糸ローラと2864m/分の第1延伸ローラの間で1段目の延伸、第1延伸ローラと4071m/分の第2延伸ローラ間で2段目の延伸を行った。引き続き、第2延伸ローラと4000m/分の弛緩ローラとの間で交絡処理装置により0.1MPaの高圧空気を噴射し、走行糸条を規制した状態で1.7%の弛緩熱処理を施し、再度、交絡処理装置によって、0.3MPaの高圧空気を走行糸条に対し直角方向から噴射させ、交絡を付与して巻き取った。各ローラの表面温度は、引き取りローラが75℃の温度、給糸ローラが100℃の温度、第1延伸ローラが110℃の温度、第2延伸ローラが225℃の温度で、弛緩ローラは非加熱とした。また、原糸付着油分量は0.5質量%となるように非水系油剤の付与量を調整して、560dtex/96フィラメントの延伸糸を得た。
得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
[実施例10]
表4に記載のとおり、油剤を変更したこと以外は、実施例9と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表4に記載のとおり、油剤を変更したこと以外は、実施例9と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
[実施例11〜12]
表2に記載のとおり、リラックス部での交絡付与を実施しないこと以外は、実施例9および10それぞれと同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表2に記載のとおり、リラックス部での交絡付与を実施しないこと以外は、実施例9および10それぞれと同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
[実施例13]
表2に記載のとおり、第2延伸ロール温度及びリラックス率を変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表2に記載のとおり、第2延伸ロール温度及びリラックス率を変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
[比較例1〜2]
表2に記載のとおり、リラックス部での交絡付与を実施せず、表4に記載の含水油剤を用いたこと以外は、実施例3と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表2に記載のとおり、リラックス部での交絡付与を実施せず、表4に記載の含水油剤を用いたこと以外は、実施例3と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
[比較例3]
表4に記載の含水油剤を用いたこと以外は、実施例12と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表4に記載の含水油剤を用いたこと以外は、実施例12と同様に行った。得られたポリエステル繊維糸条の特性を表2に、使用した製糸油剤の組成を表4にそれぞれ示す。
表1と表2から明らかなように、本発明の実施例については、毛羽とタルミが少なく、エアバッグ用基布に好適な結果が得られた。一方、表2から明らかなように、比較例1〜3は、含水油剤を適用したものであるが、毛羽とタルミがともに増加している。
上記の結果から明らかなように、比較例においては、エアバッグ用ポリエステル繊維糸条において、含水油剤を適用した場合、原糸の毛羽タルミが多く、エアバッグ用基布の欠点や製織性の悪化が懸念される。
Claims (10)
- 非含水油剤が付与されてなり、総繊度が300〜1,000dtex、単繊維繊度が3〜10dtex、強度が6〜9cN/dtex、伸度が15〜30%で、かつ乾熱収縮率が1〜12%であることを特徴とするエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 毛羽数が1個/10,000m以下であり、かつタルミが1個/10,000m以下である請求項1記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 非含水油剤が、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)とポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)の合計100質量部に対して、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)40〜80質量部と、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)20〜60質量部と、シリコーン化合物0.5〜3質量部で構成された油剤成分と、有機溶剤を含む希釈成分からなり、前記油剤成分の濃度が20〜80質量%である請求項1または2記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 糸条の繊度斑が0.4〜1.5である請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 初期モジュラスが80〜120cN/dtexであり、応力−歪み曲線における1.16cN/dtex時の伸度が1.5〜4%である請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 応力−歪み曲線における1.16cN/dtexまで伸張し、その後、応力0cN/dtexまで緩和させた際の伸度が1%未満である請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条。
- 固有粘度が0.8以上のポリエステルチップを紡糸温度285℃以上の温度で溶融紡糸し、紡糸速度2000m/分以下の速度で引き取った後、一旦巻き取ることなく非含水油剤を付与し、延伸倍率4〜7倍で延伸し、210℃以上の温度で1.5%以上弛緩処理して巻き取ることを特徴とするエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法。
- 非含水油剤が、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)とポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)の合計100質量部に対して、脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A)40〜80質量部と、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤(B)20〜60質量部と、シリコーン化合物0.5〜3質量部を含む油剤成分と有機溶剤を含む希釈成分からなり、油剤成分の濃度が20〜80質量%であることを特徴とする請求項7記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法。
- 交絡処理装置を弛緩熱処理部および巻き取り前に設置し、糸道規制および交絡付与することを特徴とする請求項7または8記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法。
- 紡糸ドラフトが250以下であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル繊維糸条の製造方法。
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