JP2016190918A - 潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性、耐焼付き性、及び省燃費性のすべてに優れた潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】潤滑油基油と、重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体と、構成元素としてリン、硫黄及びホウ素を含む性能添加剤と、を含有し、潤滑油基油は、100℃動粘度が1.0mm2/s以上3.0mm2/s以下である第1の成分と、100℃動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンからなる第2の成分と、を含有し、性能添加剤の含有量が、式(1)、(2)及び(3):
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[CP、CS及びCBは、それぞれ性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値を表す。]
を満たし、100℃動粘度が2.0mm2/s以上5.0mm2/s以下である、潤滑油組成物。
【選択図】なし
【解決手段】潤滑油基油と、重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体と、構成元素としてリン、硫黄及びホウ素を含む性能添加剤と、を含有し、潤滑油基油は、100℃動粘度が1.0mm2/s以上3.0mm2/s以下である第1の成分と、100℃動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンからなる第2の成分と、を含有し、性能添加剤の含有量が、式(1)、(2)及び(3):
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[CP、CS及びCBは、それぞれ性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値を表す。]
を満たし、100℃動粘度が2.0mm2/s以上5.0mm2/s以下である、潤滑油組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油組成物に関する。
近年、炭酸ガス排出量の削減等、環境問題への対応から自動車、建設機械、農業機械等の省エネルギー化、すなわち、省燃費化が急務となっており、エンジン、変速機、終減速機、圧縮機、油圧装置等の装置には省エネルギーへの寄与が強く求められている。そのため、これらに使用される潤滑油には、従来に比べ、撹拌抵抗及び回転抵抗をより減少することが求められている。
省燃費化手段の一つとして、潤滑油の低粘度化が挙げられる。例えば、変速機の中でも自動車用自動変速機及び無段変速機はトルクコンバータ、湿式クラッチ、歯車軸受機構、オイルポンプ、油圧制御機構等を有し、また、手動変速機及び終減速機は歯車軸受機構を有しており、これらに使用される潤滑油を低粘度化することによって、トルクコンバータ、湿式クラッチ、歯車軸受機構、オイルポンプ等の撹拌抵抗及び回転抵抗が低減され、動力の伝達効率が向上することで自動車の燃費の向上が可能となる。
しかしながら、潤滑油の低粘度化のために基油の粘度を下げて粘度指数向上剤を多量に配合すると、背反性能である油膜厚さの低下を起因として、極圧性及び耐摩耗性が低下し、焼付き等が生じて変速機等に不具合が生じることがある。
従来、省燃費性と歯車、軸受け等の充分な耐久性とを兼ね備えた潤滑油組成物として、鉱油系及び/又は合成油系の潤滑油基油に各種添加剤を配合した潤滑油組成物が提案されているが(例えば特許文献1、2参照。)、このような潤滑油組成物においても、省燃費性については改善の余地がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性、耐焼付き性、及び省燃費性のすべてに優れた潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明は、潤滑油基油と、重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体と、構成元素としてリン、硫黄及びホウ素を含む性能添加剤と、を含有し、潤滑油基油は、100℃における動粘度が1.0mm2/s以上3.0mm2/s以下である第1の潤滑油基油成分と、100℃における動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンからなる第2の潤滑油基油成分と、を含有し、性能添加剤の含有量が、下記式(1)、(2)及び(3):
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[式中、CP、CS及びCBは、それぞれ潤滑油組成物全量を基準とする性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値(質量%)を表す。]
で表される条件を満たし、100℃における動粘度が2.0mm2/s以上5.0mm2/s以下である、潤滑油組成物を提供する。
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[式中、CP、CS及びCBは、それぞれ潤滑油組成物全量を基準とする性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値(質量%)を表す。]
で表される条件を満たし、100℃における動粘度が2.0mm2/s以上5.0mm2/s以下である、潤滑油組成物を提供する。
性能添加剤は、構成元素としてリンを含み硫黄及びホウ素を含まない第1の添加剤と、構成元素として硫黄を含みリン及びホウ素を含まない第2の添加剤と、構成元素としてホウ素を含みリン及び硫黄を含まない第3の添加剤と、を含有することが好ましい。
第2の潤滑油基油成分の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
共重合体の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
上記の潤滑油組成物は、自動変速機用又は無段変速機用の潤滑油組成物として好適である。
本発明によれば、耐摩耗性、耐焼付き性、及び省燃費性のすべてに優れた潤滑油組成物を提供することができる。
以下、本発明に実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と、重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体と、構成元素としてリン、硫黄及びホウ素を含む性能添加剤と、を含有する。
潤滑油基油は、100℃における動粘度が1.0mm2/s以上3.0mm2/s以下である第1の潤滑油基油成分と、100℃における動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンからなる第2の潤滑油基油成分と、を含有する。
第1の潤滑油基油成分としては、鉱油系基油、合成系基油、又は両者の混合物が挙げられる。
鉱油系基油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理を単独又は2つ以上適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の鉱油系基油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等が挙げられる。これらの鉱油系基油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
好ましい鉱油系基油としては、以下の基油を挙げることができる。
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス
(4)上記(1)〜(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(5)上記(1)〜(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油(DAO)
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)上記(1)〜(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油等を原料油とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
(1)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油
(2)パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO)
(3)潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス
(4)上記(1)〜(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(5)上記(1)〜(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油
(6)上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱れき油(DAO)
(7)上記(6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC)
(8)上記(1)〜(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油等を原料油とし、この原料油及び/又はこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油
ここで、通常の精製方法としては、特に制限されるものではなく、基油製造の際に用いられる精製方法を任意に採用することができる。通常の精製方法としては、例えば、以下の精製方法が挙げられる。
(a)水素化分解、水素化仕上げ等の水素化精製
(b)フルフラール溶剤抽出等の溶剤精製
(c)溶剤脱ろう、接触脱ろう等の脱ろう
(d)酸性白土、活性白土等による白土精製
(e)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄等の薬品(酸又はアルカリ)精製
これらの精製方法は、1種単独で、又は2種以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。
(a)水素化分解、水素化仕上げ等の水素化精製
(b)フルフラール溶剤抽出等の溶剤精製
(c)溶剤脱ろう、接触脱ろう等の脱ろう
(d)酸性白土、活性白土等による白土精製
(e)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄等の薬品(酸又はアルカリ)精製
これらの精製方法は、1種単独で、又は2種以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。
鉱油系基油の硫黄含有量(硫黄分ともいう)は、特に制限されないが、潤滑油基油全量を基準として、100質量ppm以下、50質量ppm以下又は10質量ppm以下であってよい。鉱油系基油の硫黄含有量は、例えば、ICP元素分析法等によって求めることができる。
合成系基油としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、中でも、ポリα−オレフィンが好ましい。ポリα−オレフィンとしては、例えば、炭素数2以上32以下、好ましくは6以上16以下のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1−オクテンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水素化物が挙げられる。これらの合成系基油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
第1の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは3mm2/s以上、より好ましくは5mm2/s以上、更に好ましくは7mm2/s以上である。40℃における動粘度が3mm2/s以上であると、油膜形成が充分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。第1の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは15mm2/s以下、より好ましくは12mm2/s以下、更に好ましくは10mm2/s以下である。40℃における動粘度が15mm2/s以下であると、流体抵抗が小さくなるため、回転抵抗がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。
第1の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、好ましくは1.0mm2/s以上、より好ましくは1.5mm2/s以上、更に好ましくは2.0mm2/s以上である。100℃における動粘度が1.0mm2/s以上であると、油膜形成が充分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。第1の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、好ましくは3.0mm2/s以下、より好ましくは2.8mm2/s以下、更に好ましくは2.6mm2/s以下である。100℃における動粘度が3.0mm2/s以下であると、流体抵抗が小さくなるため、回転抵抗がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。
第1の潤滑油基油成分の粘度指数は、好ましくは85以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは95以上である。粘度指数が85以上であると、低温から高温にわたってより良好な粘度特性を示す潤滑油組成物が得られやすくなる。第1の潤滑油基油成分の粘度指数は、例えば85以下であってよい。
本発明における動粘度及び粘度指数は、それぞれJIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度及び粘度指数を意味する。
第1の潤滑油基油成分の流動点は、低温流動性に優れる観点から、好ましくは−35℃以下、より好ましくは−37.5℃以下、更に好ましくは−40℃以下である。本発明における流動点は、JIS K2269−1987に準拠して測定された流動点を意味する。
第1の潤滑油基油成分の引火点は、安全性に優れる観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは160℃以上である。本発明における引火点は、JIS K2265−4:2007に準拠して測定された引火点を意味する。
第1の潤滑油基油成分の含有量は、省燃費性に優れる観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。第1の潤滑油基油成分の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、例えば95質量%以下、75質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
第2の潤滑油基油成分は、100℃における動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンの少なくとも1種からなる。このようなポリα−オレフィンとしては、例えば、炭素数2以上32以下、好ましくは6以上16以下のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー及びそれらの水素化物が挙げられる。αオレフィンとしては、好ましくは1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が例示でき、コオリゴマーとしては、エチレン−プロピレンコオリゴマー等が例示される。
第2の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは1000mm2/s以上、より好ましくは1500mm2/s以上、更に好ましくは2000mm2/s以上である。40℃における動粘度が1000mm2/s以上であると、油膜形成が充分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。第2の潤滑油基油成分の40℃における動粘度は、好ましくは5000mm2/s以下、より好ましくは4500mm2/s以下、更に好ましくは4000mm2/s以下である。40℃における動粘度が5000mm2/s以下であると、流体抵抗が小さくなるため、回転抵抗がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。
第2の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、好ましくは200mm2/s以上、より好ましくは250mm2/s以上、更に好ましくは300mm2/s以上である。100℃における動粘度が200mm2/s以上であると、油膜形成が充分となり、潤滑性により優れ、高温条件下での蒸発損失がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。第2の潤滑油基油成分の100℃における動粘度は、好ましくは1000mm2/s以下、より好ましくは750mm2/s以下、更に好ましくは500mm2/s以下である。100℃における動粘度が1000mm2/s以下であると、流体抵抗が小さくなるため、回転抵抗がより小さい潤滑油組成物が得られやすくなる。
第2の潤滑油基油成分の粘度指数は、好ましくは150以上、より好ましくは175以上、更に好ましくは200以上である。粘度指数が150以上であると、低温から高温にわたってより良好な粘度特性を示す潤滑油組成物が得られやすくなる。第2の潤滑油基油成分の粘度指数は、好ましくは350以下である。粘度指数が350を以下であると、第1の潤滑油基油成分との溶解性を確保できる。
第2の潤滑油基油成分の含有量は、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。第2の潤滑油基油成分の含有量は、省燃費性に優れる観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
第2の潤滑油基油成分の流動点は、低温流動性に優れる観点から、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−15℃以下、更に好ましくは−20℃以下である。
第2の潤滑油基油成分の引火点は、潤滑性に優れる観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは175℃以上、更に好ましくは200℃以上である。
重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体(以下、単に「共重合体」ともいう)は、粘度調整剤として用いられる。
重合性不飽和結合を有するエステル単量体は、重合性不飽和結合とエステル結合を有する化合物であれば特に制限されないが、好ましくはα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルである。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステルは、少なくとも一方のカルボキシ基のα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合(すなわち、炭素−炭素二重結合)を形成している不飽和ジカルボン酸のジエステル体である。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等のように、両方のカルボキシ基についてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合を形成しており、かつα,β−エチレン性不飽和結合が主鎖中に存在する化合物であってよい。あるいは、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、グルタコン酸等のように、一方のカルボキシ基のみについてα炭素とβ炭素とがエチレン性不飽和結合を形成している化合物であってもよく、イタコン酸等のように、α,β−エチレン性不飽和結合を側鎖に有している化合物であってもよい。
α−オレフィンは、特に制限されないが、好ましくは炭素原子数12〜18、より好ましくは炭素原子数14〜16のα−オレフィンである。α−オレフィンは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。このようなα−オレフィンを用いることにより、非極性基油と良好な相溶性を有する共重合体が得られる。
α−オレフィンとしては、例えば、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
共重合体の構造及び製造方法は、特に制限されるものではなく、それぞれ公知の構造及び製造方法であってよい。
共重合体の重量平均分子量は、好ましくは9000以上、より好ましくは10000以上、更に好ましくは11000以上である。共重合体の重量平均分子量は、好ましくは15000以下、より好ましくは14000以下、更に好ましくは13000以下である。共重合体の重量平均分子量が9000以上又は15000以下であると、良好な低温流動性を示す潤滑油組成物が得られやすくなる。
本発明における重量平均分子量は、GPCによって測定された標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。本発明における重量平均分子量は、例えば、ウォーターズ社製150−C ALC/GPC装置において東ソー社製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用い、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μLの条件下、示差屈折率計(RI)検出器を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定される。
共重合体の含有量は、耐摩耗性及び耐焼付き性に更に優れる観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、更に好ましくは5.0質量%以上である。共重合体の含有量は、耐摩耗性・耐焼付き性に優れる観点から、潤滑油組成物全量を基準として、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
構成元素としてリン、硫黄、及びホウ素を含む性能添加剤は、構成元素としてリンを含み硫黄及びホウ素を含まない第1の添加剤と、構成元素として硫黄を含みリン及びホウ素を含まない第2の添加剤と、構成元素としてホウ素を含みリン及び硫黄を含まない第3の添加剤と、を含有していてよい。該性能添加剤は、構成元素としてリン、硫黄、及びホウ素から選ばれる2種を含む添加剤と、第1の添加剤、第2の添加剤、又は第3の添加剤とを適宜組み合わせた性能添加剤であってもよい。かかる組合せとしては、例えば構成元素としてリン及び硫黄を含みホウ素を含まない第4の添加剤と第3の添加剤との組合せが挙げられる。
第1の添加剤としては、亜リン酸エステル(ホスファイト)、リン酸エステル、並びに、これらのアミン塩、金属塩、及び誘導体等のリン系極圧剤などが挙げられる。
第2の添加剤としては、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)、ジサルファイド、ポリサルファイド、硫化オレフィン、硫化油脂等の硫黄系極圧剤、スルホネート系清浄剤(アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基正塩、過塩基性塩)等の硫黄−金属系清浄剤、メルカプトベンゾチアゾール、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、β−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等の硫黄系金属不活性化剤、チアジアゾール化合物等の硫黄系腐食防止剤、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート等の硫黄系防錆剤などが挙げられる。
第3の添加剤としては、ホウ素含有コハク酸イミド、ホウ酸エステル、ホウ酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。
ホウ素含有コハク酸イミドとしては、例えば炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルコハク酸イミドのホウ酸変性コハク酸イミドが挙げられる。ホウ酸変性コハク酸イミドは、例えば、アルコール、ヘキサン、キシレン、軽質油等の溶媒中で、ポリアミンとポリアルキル(アルケニル)コハク酸(無水物)とホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩等のホウ素化合物とを混合し、適当な条件で加熱処理することにより得られる。
第4の添加剤としては、例えばジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、チオ亜リン酸エステル、ジチオ亜リン酸エステル、トリチオ亜リン酸エステル、チオリン酸エステル、ジチオリン酸エステル、トリチオリン酸エステル、並びに、これらのアミン塩、アンモニウム塩、金属塩、及び誘導体等の硫黄−リン系極圧剤などが挙げられる。
構成元素としてリン、硫黄、及びホウ素を含む性能添加剤の含有量は、下記式(1)、(2)及び(3)で表される条件を満たすことが好ましい。
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[式中、CP、CS及びCBは、それぞれ潤滑油組成物全量を基準とする前記性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値(質量%)を表す。]
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[式中、CP、CS及びCBは、それぞれ潤滑油組成物全量を基準とする前記性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値(質量%)を表す。]
CPは、高負荷条件下(例えば800N程度)での耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.10以下、より好ましくは0.08以下、更に0.06以下である。CPは、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.04以上である。CPは、例えば、潤滑油組成物中のリン元素含有量をICP元素分析法等によって求めてもよく、あるいは、性能添加剤中のリン含有量を予めICP元素分析法等によって分析し、その分析値及び構成元素としてリンを含む性能添加剤の仕込み量(含有量)から算出してもよい。
CSは、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.07以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.12以上である。CSは、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.30以下、より好ましくは0.25以下、更に好ましくは0.20以下である。CSは、例えば、潤滑油組成物中の硫黄元素含有量をICP元素分析法等によって求めてもよく、あるいは、性能添加剤中の硫黄元素含有量を予めICP元素分析法等によって分析し、その分析値及び構成元素として硫黄を含む性能添加剤の仕込み量(含有量)から算出してもよい。
CBは、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。CBは、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.09以下、より好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.07以下である。CBは、例えば、潤滑油組成物中のホウ素元素含有量をICP元素分析法等によって求めてもよく、あるいは、性能添加剤中のホウ素元素含有量を予めICP元素分析法等によって分析し、その分析値及び構成元素としてホウ素を含む性能添加剤の仕込み量(含有量)から算出してもよい。
CP/CBは、高負荷条件下(例えば800N程度)での耐摩耗性及び耐焼付き性に優れる観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上である。CP/CBは、耐摩耗性に優れる観点から、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。
構成元素としてリン、硫黄、及びホウ素を含む性能添加剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、例えば5.0質量%以上、6.0質量%以上、又は7.0質量%以上であってよく、例えば10.0質量%以下、9.0質量%以下、又は8.0質量%以下であってよい。
潤滑油組成物は、上記の性能添加剤に加えて、その他の添加剤を更に含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、摩擦調整剤、粘度調整剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等が挙げられる。
摩擦調整剤としては、例えば無灰摩擦調整剤等が挙げられる。無灰摩擦調整剤としては、例えば、分子中に酸素原子及び窒素原子から選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を有する、炭素数6〜50の化合物が挙げられる。無灰摩擦調整剤の更なる具体例としては、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、ウレア系化合物、ヒドラジド系化合物等が挙げられる。
粘度調整剤は、α−オレフィンと重合性不飽和結合を有するエステル単量体との共重合体以外の粘度調整剤である。粘度調整剤としては、例えば、非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体系粘度調整剤が挙げられる。これらの中でも、粘度調整剤は、好ましくは非分散型又は分散型ポリ(メタ)アクリレート系粘度調整剤であり、より好ましくは非分散型又は分散型ポリメタクリレート系粘度調整剤である。粘度調整剤としては、その他に、非分散型若しくは分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、ポリアルキルスチレン等を挙げることができる。
金属系清浄剤としては、サリチレート系清浄剤、フェネート系清浄剤等が挙げられる。これらの金属系清浄剤は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属との正塩、塩基正塩、過塩基性塩のいずれであってもよい。
無灰分散剤としては、例えば、炭素数40以上400以下の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するモノ又はビスコハク酸イミド、炭素数40以上400以下のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、炭素数40以上400以下のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、及び、これらのカルボン酸等による変性品などが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。具体的には、例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、ベンゾトリアゾール又はその誘導体等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000mm2/s以上100000mm2/s以下のシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコールとのエステル等が挙げられる。
その他の添加剤の含有量は、潤滑油組成物全量を基準として、0.01〜20質量%であってよい。
潤滑油組成物の40℃における動粘度は、好ましくは5.0mm2/s以上、より好ましくは7.5mm2/s以上、更に好ましくは10.0mm2/s以上である。40℃における動粘度が5.0mm2/s以上であることによって、潤滑部位の油膜保持性及び蒸発性により優れる傾向にある。潤滑油組成物の40℃における動粘度は、好ましくは30.0mm2/s以下、より好ましくは25.0mm2/s以下、更に好ましくは20.0mm2/s以下である。40℃における動粘度が30.0mm2/s以下であることによって、必要な低温流動性及び充分な省燃費性が得られる傾向にある。
潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは2.0mm2/s以上、より好ましくは2.5mm2/s以上、更に好ましくは3.0mm2/s以上である。100℃における動粘度が2.0mm2/s以上であることによって、潤滑部位の油膜保持性及び蒸発性により優れる傾向にある。潤滑油組成物の100℃における動粘度は、好ましくは5.0mm2/s以下、より好ましくは4.9mm2/s以下、更に好ましくは4.8mm2/s以下である。100℃における動粘度が5.0mm2/s以下であることによって、必要な低温流動性及び充分な省燃費性が得られる傾向にある。
本実施形態に係る潤滑油組成物は、耐摩耗性、耐焼付き性、及び省燃費性のすべてに優れているため、自動車用の手動変速機、自動変速機、無段変速機等に好適に用いられる。潤滑油組成物は、自動変速機用又は無段変速機用の潤滑油組成物として特に好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下に示す基油及び添加剤を用いて、表1〜5に示す組成を有する潤滑油組成物を調製した。
[基油]
基油A−1:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:7.71mm2/s、100℃動粘度:2.254mm2/s、粘度指数:99、流動点:−42℃、引火点:162℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−2:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:8.854mm2/s、100℃動粘度:2.464mm2/s、粘度指数:100、流動点:−42.5℃、引火点:168℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−3:ワックス異性化基油(GpIII、40℃動粘度:9.072mm2/s、100℃動粘度:2.621mm2/s、粘度指数:127、流動点:−37.5℃、引火点:190℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−4:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:5mm2/s、100℃動粘度:1.7mm2/s、粘度指数:91、流動点−66℃、引火点:157℃)
基油B:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:3100mm2/s、100℃動粘度:300mm2/s、粘度指数:241、流動点:−27℃、引火点:>265℃)
基油C−1:水素化精製鉱油(GpIII、40℃動粘度:19.57mm2/s、100℃動粘度:4.23mm2/s、粘度指数:122、硫黄分:<10ppm)
基油C−2:水素化精製鉱油(GpIII、40℃動粘度:33.97mm2/s、100℃動粘度:6.208mm2/s、粘度指数:133、硫黄分:10質量ppm以下)
基油C−3:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:31mm2/s、100℃動粘度:5.8mm2/s、粘度指数:138、流動点:−57℃、引火点:246℃)
[添加剤]
粘度調整剤A:重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体、重量平均分子量:12800)
粘度調整剤B:ポリメタクリレート(重量平均分子量:20000)
性能添加剤C−1:ジ(n−ブチル)フォスファイト(リン元素換算:15.5質量%)
性能添加剤C−2:1,3,4−チアジアゾール(硫黄元素換算:36質量%)
性能添加剤C−3:ホウ素含有コハク酸イミド(ホウ素元素換算:2.0質量%)
性能添加剤C−4:清浄剤、極圧剤、酸化防止剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、ゴム膨潤剤、流動点降下剤、消泡剤等を含有する添加剤パッケージ(リン元素含有量:0.67質量%、硫黄元素含有量:2.0質量%、ホウ素元素含有量:0.0質量%、各元素の含有量は添加剤パッケージ全量基準)
性能添加剤D:コハク酸イミド
[基油]
基油A−1:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:7.71mm2/s、100℃動粘度:2.254mm2/s、粘度指数:99、流動点:−42℃、引火点:162℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−2:水素化精製鉱油(GpII、40℃動粘度:8.854mm2/s、100℃動粘度:2.464mm2/s、粘度指数:100、流動点:−42.5℃、引火点:168℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−3:ワックス異性化基油(GpIII、40℃動粘度:9.072mm2/s、100℃動粘度:2.621mm2/s、粘度指数:127、流動点:−37.5℃、引火点:190℃、硫黄分:10質量ppm以下)
基油A−4:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:5mm2/s、100℃動粘度:1.7mm2/s、粘度指数:91、流動点−66℃、引火点:157℃)
基油B:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:3100mm2/s、100℃動粘度:300mm2/s、粘度指数:241、流動点:−27℃、引火点:>265℃)
基油C−1:水素化精製鉱油(GpIII、40℃動粘度:19.57mm2/s、100℃動粘度:4.23mm2/s、粘度指数:122、硫黄分:<10ppm)
基油C−2:水素化精製鉱油(GpIII、40℃動粘度:33.97mm2/s、100℃動粘度:6.208mm2/s、粘度指数:133、硫黄分:10質量ppm以下)
基油C−3:ポリα−オレフィン(GpIV、40℃動粘度:31mm2/s、100℃動粘度:5.8mm2/s、粘度指数:138、流動点:−57℃、引火点:246℃)
[添加剤]
粘度調整剤A:重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体、重量平均分子量:12800)
粘度調整剤B:ポリメタクリレート(重量平均分子量:20000)
性能添加剤C−1:ジ(n−ブチル)フォスファイト(リン元素換算:15.5質量%)
性能添加剤C−2:1,3,4−チアジアゾール(硫黄元素換算:36質量%)
性能添加剤C−3:ホウ素含有コハク酸イミド(ホウ素元素換算:2.0質量%)
性能添加剤C−4:清浄剤、極圧剤、酸化防止剤、腐食防止剤、摩擦調整剤、ゴム膨潤剤、流動点降下剤、消泡剤等を含有する添加剤パッケージ(リン元素含有量:0.67質量%、硫黄元素含有量:2.0質量%、ホウ素元素含有量:0.0質量%、各元素の含有量は添加剤パッケージ全量基準)
性能添加剤D:コハク酸イミド
各潤滑油組成物について、以下に示す各評価試験を実施した。結果を表1〜5に示す。
[耐摩耗性試験]
以下の条件に従ってShell四球試験(ASTM D4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定することにより耐摩耗性を評価した。本試験においては、摩耗痕径が小さいほど(例えば、392Nの場合に0.5mm以下、800Nの場合に1.1mm以下)耐摩耗性に優れていることを意味する。
荷重:392N又は800N
回転数:1200rpm
温度:80℃
試験時間:30分間
以下の条件に従ってShell四球試験(ASTM D4172)を行い、摩耗痕径(mm)を測定することにより耐摩耗性を評価した。本試験においては、摩耗痕径が小さいほど(例えば、392Nの場合に0.5mm以下、800Nの場合に1.1mm以下)耐摩耗性に優れていることを意味する。
荷重:392N又は800N
回転数:1200rpm
温度:80℃
試験時間:30分間
[耐焼付き性試験]
ASTM D3233に記載のファレックス試験機を用いて、以下の条件に従って焼付荷重を測定し、耐焼付き性の評価を行った。この耐焼付き性は、鋼同士の極圧性を示す。本試験においては、焼付荷重が大きいほど(例えば4000N以上)耐焼付き性に優れていることを意味する。
温度:110℃
回転数:290rpm
ASTM D3233に記載のファレックス試験機を用いて、以下の条件に従って焼付荷重を測定し、耐焼付き性の評価を行った。この耐焼付き性は、鋼同士の極圧性を示す。本試験においては、焼付荷重が大きいほど(例えば4000N以上)耐焼付き性に優れていることを意味する。
温度:110℃
回転数:290rpm
[省燃費性試験]
JPI−5S−26−99に準拠して、潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度を測定した。本試験においては、BF粘度が小さいほど(例えば10000mPa・s以下)省燃費性に優れていることを意味する。
JPI−5S−26−99に準拠して、潤滑油組成物の−40℃におけるBF粘度を測定した。本試験においては、BF粘度が小さいほど(例えば10000mPa・s以下)省燃費性に優れていることを意味する。
Claims (4)
- 潤滑油基油と、
重合性不飽和結合を有するエステル単量体とα−オレフィンとの共重合体と、
構成元素としてリン、硫黄及びホウ素を含む性能添加剤と、
を含有し、
前記潤滑油基油は、100℃における動粘度が1.0mm2/s以上3.0mm2/s以下である第1の潤滑油基油成分と、100℃における動粘度が200mm2/s以上であるポリα−オレフィンからなる第2の潤滑油基油成分と、を含有し、
前記性能添加剤の含有量が、下記式(1)、(2)及び(3):
CP≦0.10 (1)
CS≧0.07 (2)
0.5≦CP/CB≦6.0 (3)
[式中、CP、CS及びCBは、それぞれ潤滑油組成物全量を基準とする前記性能添加剤の含有量のリン、硫黄及びホウ素の元素換算値(質量%)を表す。]
で表される条件を満たし、
100℃における動粘度が2.0mm2/s以上5.0mm2/s以下である、潤滑油組成物。 - 前記第2の潤滑油基油成分の含有量が、潤滑油組成物全量を基準として0.5質量%以上50質量%以下である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
- 前記共重合体の含有量が、潤滑油組成物全量を基準として1.0質量%以上10.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
- 自動変速機用又は無段変速機用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潤滑油組成物。
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JP2019137829A (ja) * | 2018-02-13 | 2019-08-22 | Emgルブリカンツ合同会社 | 潤滑油組成物 |
WO2023058440A1 (ja) * | 2021-10-04 | 2023-04-13 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物、潤滑方法及び変速機 |
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2015
- 2015-03-31 JP JP2015071050A patent/JP2016190918A/ja active Pending
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