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JP2016185608A - 割当マスクおよび割当マスクの生成方法 - Google Patents

割当マスクおよび割当マスクの生成方法 Download PDF

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JP2016185608A
JP2016185608A JP2015065902A JP2015065902A JP2016185608A JP 2016185608 A JP2016185608 A JP 2016185608A JP 2015065902 A JP2015065902 A JP 2015065902A JP 2015065902 A JP2015065902 A JP 2015065902A JP 2016185608 A JP2016185608 A JP 2016185608A
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和義 棚瀬
Kazuyoshi Tanase
和義 棚瀬
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Abstract

【課題】重複印刷領域における画像ムラの発生を抑制する。
【解決手段】互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する複数の印刷ヘッドが、隣り合う2つの印刷ヘッドにおいて複数のノズル列に沿ったノズル列方向の座標が互いに同一であるノズルが存在する重複ノズル領域を各印刷ヘッドの端部に有するように配置されている印刷装置による印刷の際に、重複ノズル領域のノズルによりドットが形成される印刷媒体における重複印刷領域の各ドットを、2つの印刷ヘッドのいずれにより形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクにおいて、割当情報は、割当マスクを適用して得られる重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定方向にノズルが重なる領域のドットをいずれのノズルで形成するかを決定するための割当マスクに関する。
インクジェット式のラインプリンターにおいては、印刷用紙を送りながら、この用紙送り方向と交差する方向に用紙幅の全体に亘って設けられたラインヘッドのノズルからインクを噴射して印刷を行う。ラインヘッドは、通常、それぞれ長手方向の長さが用紙幅よりも小さい複数の印刷ヘッドを用紙幅方向に千鳥状に配列して構成される。また、これらの印刷ヘッドでは、例えば、特許文献1に記載されているように、隣り合う印刷ヘッドの端部同士が配列方向において一部が重複する重複領域が存在する。かかる重複領域において配列方向に沿った座標が互いに等しい2つのノズルのうち、いずれのノズルによってドットを形成するかは、所定のマスク(以下、「割当マスク」と呼ぶ)を用いたマスク処理により決定される。特許文献1の割当マスクは、各ドット位置について、「0」または「1」の値が設定されたマスクである。マスク処理では、ハーフトーン処理後の画像データに割当マスクを適用して、同じドット位置に設定された値が「1」の場合には、一方の印刷ヘッドにドット形成を許容して他方の印刷ヘッドに対してドット形成を許容せず、かかる値が「0」の場合には、一方の印刷ヘッドにドット形成を許容せず他方の印刷ヘッドに対してドット形成を許容する。
特開2011−76156号公報
特許文献1に記載の割当マスクを用いた印刷では、上述の重複領域のノズルにより形成される印刷領域(以下、「重複印刷領域」と呼ぶ)においてドット分散性は比較的良好である。しかしながら、特許文献1の印刷ヘッドが備えるノズル列は1つであり、複数のノズル列を備える場合のドット分散性については考慮されていなかった。近年、高解像度や高速印刷の要請から、各印刷ヘッドがノズル列方向に互いに若干ずれて配置された複数のノズル列を備えることがある。このように、印刷ヘッドが複数のノズル列を備える場合、これら複数のノズル列は、それぞれ異なるラスター位置(用紙送り方向の印刷位置)のドットを形成する。しかしながら、ノズルの向きや位置等の製造誤差、および用紙送り時の用紙の蛇行や浮き上がり等に起因して、少なくとも一方のノズル列から噴射されるインクの着弾位置がずれると、かかるノズル列により形成されるドット列が予定位置からずれるために、画像ムラが生じるおそれがある。特に、重複領域では、2つの印刷ヘッドによりドットが形成されるため、かかる画像ムラがより強く目立つ。
このような問題は、ラインヘッドプリンターに限らず、いわゆるシリアルヘッドプリンターと呼ばれる、ヘッドを用紙幅方向に走査させて印刷を行なうプリンターにおいて用いられる印刷用データを生成する場合にも起こり得る。シリアルヘッドプリンターにおいては、複数回の走査によりすべてのドットが形成される領域において、上述の重複印刷領域と同様に、画像ムラが生じるおそれがある。そこで、重複印刷領域における画像ムラを低減可能な技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の第1の形態によれば、互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する複数の印刷ヘッドが、隣り合う2つの印刷ヘッドにおいて前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向の座標が互いに同一であるノズルが存在する重複ノズル領域を各印刷ヘッドの端部に有するように配置されている印刷装置による印刷の際に、前記重複ノズル領域のノズルによりドットが形成される印刷媒体における重複印刷領域の各ドットを、前記2つの印刷ヘッドのいずれにより形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクが提供される。この割当マスクにおいて、前記割当情報は、前記割当マスクを適用して得られる前記重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されていてもよい。
この形態の割当マスクによれば、割当マスクにおいて、割当情報は、割当マスクを適用して得られる重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている。このため、かかる割当マスクを適用して得られる重複印刷領域において、各ノズル列により形成されたドットの分散性を向上できるので、2つのノズル列のうちの少なくとも一方のノズル列によるドット位置(液滴の着弾位置)がずれても、重複印刷領域におけるドットの疎密(画像ムラ)の発生を抑制できる。
(2)本発明の第2の形態によれば、互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する印刷ヘッドを、前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向に印刷媒体に対して相対移動させる主走査を行なって前記印刷媒体にドットを形成する印刷装置による印刷の際に、複数回の前記主走査により画像が形成される重複印刷領域の各ドットを、前記複数回の前記主走査のうちいずれの前記主走査により形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクが提供される。この割当マスクにおいて、前記割当情報は、前記割当マスクを適用して得られる前記重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている。
この形態の割当マスクによれば、割当情報は、割当マスクを適用して得られる重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている。このため、かかる割当マスクを適用して得られる重複印刷領域において、各ノズル列により形成されたドットの分散性を向上できるので、2つの主走査のうちの少なくとも一方の主走査により形成されるドット位置(液滴の着弾位置)がずれても、重複印刷領域におけるドットの疎密(画像ムラ)の発生を抑制できる。
(3)本発明の第3の形態によれば、互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する複数の印刷ヘッドが、隣り合う2つの印刷ヘッドにおいて前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向の座標が互いに同一であるノズルである重複ノズルが存在する重複ノズル領域を各印刷ヘッドの端部に有するように配置されている印刷装置による印刷の際に、前記重複ノズル領域のノズルによりドットが形成される印刷媒体における重複印刷領域の各ドットを、前記2つの印刷ヘッドのいずれにより形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクの生成方法が提供される。この割当マスクの生成方法は、(a)第1の特徴と第2の特徴とを有する2値化用マスクを用意する工程と、(b)前記割当マスクと同じサイズであり、予め決定されている前記重複ノズルにおける各ノズルのドット形成割合に応じたデューティ比で印刷され得るマスク元画像を、各印刷ヘッド毎に用意する工程と、(c)前記2値化マスクを各マスク元画像に適用して、各印刷ヘッド毎にマスク2値化画像を得る工程と、(d)前記マスク2値化画像に基づき、各印刷ヘッド毎に前記割当マスクを生成する工程と、を備え、前記第1の特徴は、入力される画像データに基づいてドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像全体において、ドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することであり、前記第2の特徴は、前記ハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像において各印刷ヘッドに含まれる各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することである。
この形態の割当マスクの生成方法によれば、各ヘッド毎に割当マスクを生成する際に用いられる2値化マスクは、かかる2値化用マスクを適用して得られた画像において各印刷ヘッドに含まれる各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように設定されているので、割当マスクを適用して得られる重複印刷領域において、各ノズル列により形成されたドットの分散性を向上できる。このため、2つのノズル列のうちの少なくとも一方のノズル列によるドット位置(液滴の着弾位置)がずれても、重複印刷領域におけるドットの疎密(画像ムラ)の発生を抑制できる。
(4)本発明の第4の形態によれば、互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する印刷ヘッドを、前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向に印刷媒体に対して相対移動させる主走査を行なって前記印刷媒体にドットを形成する印刷装置による印刷の際に、複数回の前記主走査により画像が形成される重複印刷領域の各ドットを、前記複数回の前記主走査のうちいずれの前記主走査により形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクの生成方法が提供される。この割当マスクの生成方法において、各ノズル列には、該ノズル列における互いに異なる少なくとも2つのノズルであって、前記印刷媒体における前記交差方向に同じ座標を、互いに異なる回数の前記主走査により走査する重複ノズルが存在する。この割当マスクの生成方法は、(a)第1の特徴と第2の特徴とを有する2値化用マスクを用意する工程と、(b)前記割当マスクと同じサイズであり、予め決定されている前記重複ノズルにおける各ノズルのドット形成割合に応じたデューティ比で印刷され得るマスク元画像を、各印刷ヘッド毎に用意する工程と、(c)前記2値化マスクを各マスク元画像に適用して、各印刷ヘッド毎にマスク2値化画像を得る工程と、(d)前記マスク2値化画像に基づき、各印刷ヘッド毎に前記割当マスクを生成する工程と、を備え、前記第1の特徴は、入力される画像データに基づいてドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像全体において、ドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することであり、前記第2の特徴は、前記ハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記値化用マスクを適用して得られた画像において各印刷ヘッドに含まれる各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することである。
この形態の割当マスクの生成方法によれば、各ヘッド毎に割当マスクを生成する際に用いられる2値化マスクは、かかる2値化用マスクを適用して得られた画像において各印刷ヘッドに含まれる各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように設定されているので、割当マスクを適用して得られる重複印刷領域において、各ノズル列により形成されたドットの分散性を向上できる。このため、2つの主走査のうちの少なくとも一方の主走査により形成されるドット位置(液滴の着弾位置)がずれても、重複印刷領域におけるドットの疎密(画像ムラ)の発生を抑制できる。
(5)上記第3の形態または第4の形態の割当マスクの生成方法において、前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向における前記マスク元画像の大きさは、前記交差方向における前記2値化マスクの大きさと等しくてもよい。交差方向におけるマスク元画像の大きさは、交差方向における2値化マスクの大きさと等しいので、割当マスクをタイリングして重複ノズルの各ノズルについて割り当てを行なう際に、タイリングの境界におけるドットの分散性を滑らかにし、画像ムラを低減できる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素は全てが必須のものではなく、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部または全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部または全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部または全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、印刷用データ生成装置、印刷装置、液体噴射装置等の装置や、印刷用データの生成方法、印刷方法、液体噴射方法、およびこれらの方法のうちの少なくとも1つを実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての割当マスクを備えるプリンターの構成を示すブロック図である。 ラインヘッド60の詳細構成を示す説明図である。 図2に示すノズル列群の詳細構成を示す説明図である。 プリンター10において実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。 ディザマスク51が備えるノイズ特性を例示する説明図である。 割当処理の内容を模式的に示す説明図である。 割当処理において用いられる2つの割当マスク52,53の生成処理の手順を示すフローチャートである。 後行ヘッド用マスク元画像55に基づきステップS230により得られた2値化画像の一例を示す説明図である。 本実施形態の割当マスク処理により得られた割当マスクを適用して得られた画像の一例を示す説明図である。 比較例の割当マスクを適用して得られた画像の一例を示す説明図である。 第2実施形態におけるプリンターの概略構成を示す説明図である。 第2実施形態における印刷ヘッド130の走査と印刷範囲との関係を模式的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A1.プリンターの構成:
図1は、本発明の一実施形態としての割当マスクを備えるプリンターの構成を示すブロック図である。プリンター10は、インクジェット式のラインプリンターであり、制御ユニット20、ラインヘッド60と、インク供給機構70と、紙送り機構80と、操作パネル91と、メモリーカードスロット92と、を備える。
制御ユニット20は、プリンター10全体を制御する。制御ユニット20は、ラインヘッド60、紙送り機構80、操作パネル91、メモリーカードスロット92と電気的に接続されている。制御ユニット20は、CPU(Central Processing Unit)30と、ROM(Read Only Memory)41と、RAM(Random Access Memory)42と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)50とを備える。制御ユニット20が備えるこれらの構成要素は、いずれも内部バスに接続されている。CPU30は、ROM41に記憶されている制御プログラムをRAM42に展開して実行することにより、入力部31、ハーフトーン処理部32、割当処理部33、および印刷制御部34として機能する。これらの各機能部の処理内容については、後述する印刷処理および割当マスク生成処理において説明する。
EEPROM50には、ディザマスク51、先行ヘッド割当マスク52、後行ヘッド割当マスク53、先行ヘッド用マスク元画像54、および後行ヘッド用マスク元画像55が、格納されている。これらのうち、ディザマスク51、先行ヘッド用マスク元画像54、および後行ヘッド用マスク元画像55は、予めEEPROM50に格納されている。先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53は、後述する割当マスク生成処理が実行された後にEEPROM50に格納される。ディザマスク51は、組織的ディザ法によるハーフトーン処理に用いるものであり、複数の閾値により構成される。ディザマスク51は、後述の印刷処理に用いられると共に、割当マスク生成処理においても用いられる。ディザマスク51は、請求項における2値化マスクの下位概念に相当する。先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53は、後述の印刷処理において用いられる。先行ヘッド用マスク元画像54および後行ヘッド用マスク元画像55は、後述の割当マスク生成処理において用いられる。ディザマスク51、2つの割当マスク52,53、および2つのマスク元画像54,55の詳細については、後述する。
ラインヘッド60は、板状の外観形状を有し、載置状態において鉛直下方に開口する多数のノズルを有する。これらのノズルからインク滴が噴射されることにより、印刷用紙Pに多数のインクドットが形成され、画像が印刷される。ラインヘッド60の詳細構成については、後述する。
インク供給機構70は、カートリッジホルダー71と、インクカートリッジ72と、インク供給路73とを備える。カートリッジホルダー71には、インクカートリッジ72が着脱自在に装着されている。本実施形態では、プリンター10において吐出するインク色に対応する4つのインクカートリッジ72が、カートリッジホルダー71に装着されている。具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応する4つのインクカートリッジ72が、カートリッジホルダー71に装着されている。インク供給路73は、カートリッジホルダー71とラインヘッド60とを接続し、カートリッジホルダー71からラインヘッド60に各色のインクを供給する。このように、プリンター10は、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンターに該当する。
紙送り機構80は、紙送りモーター81と、紙送りモーター81により駆動される給紙ローラー82を備える。紙送り機構80は、印刷用紙Pを、プリンター10における用紙供給部(例えば、用紙トレイ)から排紙部(例えば、排出トレイ)まで搬送する。なお、印刷用紙Pを挟んでラインヘッド60と対向する位置には、図示しないプラテンが配置されている。
操作パネル91は、プリンター10における各種設定やメニュー選択をユーザーに許容する。操作パネル91は、例えば、複数の物理的なボタン群や、タッチパネル等により構成してもよい。メモリーカードスロット92は、画像データが記憶されているメモリーカードMCを着脱自在に装着する。CPU30は、メモリーカードスロット92に装着されたメモリーカードMCから、画像データを読み出すこと、および画像データをメモリーカードMCに書き込むことができる。本実施形態において、メモリーカードMCに記憶されている画像データは、RGB(Red, Green, Blue)表色系の画像データである。
A2.印刷ヘッドの詳細構成:
図2は、ラインヘッド60の詳細構成を示す説明図である。図2では、印刷用紙Pと対向する面におけるラインヘッド60の構成を示している。なお、ラインヘッド60の一部の構成については、図示の便宜上、省略されている。
ラインヘッド60は、C,M,Y,Kの各色のインクをそれぞれ噴射するノズル列群61〜64が形成された印刷ヘッドが、印刷用紙Pの印刷範囲に亘って千鳥状に複数配列されて構成される。このように各々の印刷ヘッドを千鳥状に配列しているのは、印刷ヘッドの端部の強度上の問題や、その付属装置の設置スペースの問題を解決するためである。各印刷ヘッドは互いに同じ構成を有する。なお、ラインヘッド60を構成する印刷ヘッドの数は、2以上であればよい。また、印刷ヘッドの配列方法は、特に限定するものではなく、例えば、階段状などでもよい。同様に、本実施形態においては、ノズル列群61〜64を構成する各ノズルは、印刷ヘッドの配列方向に一直線上に並べられて形成されるが、ノズルの配列方法は特に限定するものではなく、例えば、千鳥状に並べられてもよい。
これらの印刷ヘッドのうち、印刷用紙Pの搬送方向の上流側に配置されているものを先行ヘッドPH、下流側に配置されているものを後行ヘッドFHと、以降において呼ぶ。先行ヘッドPHと後行ヘッドFHとは、それぞれ、両端部において、隣り合う他の印刷ヘッドと重複した領域(以下、重複ノズル領域ORAともいう)と、当該重複がない領域(以下、単独ノズル領域SAともいう)とを有するように配置されている。後述するように重複ノズル領域ORAでは、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHとは、それぞれ互いにノズル列方向の座標が同一のノズルを有する。このように重複ノズル領域ORAを設けているのは、各々の印刷ヘッドの特性の違い等により、印刷画像における印刷ヘッド同士のつなぎ目に対応する部分に、バンディングが発生することを抑制するためである。
先行ヘッドPH及び後行ヘッドFHは、紙送りとインクの噴射タイミングを調整することにより、印刷ヘッドの配列方向、すなわちノズル列方向に沿った1つのドット列を印刷用紙Pに形成する。単独ノズル領域SAのノズルによりドットが形成される印刷用紙Pの領域(以下、「単独印刷領域」と呼ぶ)のドット列は、先行ヘッドPHおよび後行ヘッドFHのいずれか一方によって形成される。これに対して、重複ノズル領域ORAのノズルにより形成される印刷用紙Pの領域(以下、「重複印刷領域」と呼ぶ)のドット列は、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHの両方によって形成される。
ノズル列方向に沿ったドット列の形成動作が連続的に行われることによって、印刷用紙Pの搬送方向にもドット列(本実施例では、ラスターともいう)が形成される。このようにして印刷される印刷領域のうち、各々の印刷ヘッドに対応する領域をバンドともいう。本実施例では、重複印刷領域については、説明の便宜上、図2に示すように、その中央部分で区切って、また、番号を付して(図中のJは正の整数)、バンドを識別する。
図3は、図2に示すノズル列群の詳細構成を示す説明図である。図3では、互いに同一の重複ノズル領域ORAに含まれる2つのノズル列群61の詳細構成を示している。図3において、一方のノズル列群61は、先行ヘッドPHのノズル列群61であり、他方のノズル列群61は、後行ヘッドFHのノズル列群61である。
各ヘッドPH,FHのノズル列群61は、それぞれ互いに平行な2つのノズル列を有する。具体的には、先行ヘッドPHのノズル列群61は、ノズル列LpAと、ノズル列LpBとを有する。後行ヘッドFHのノズル列群61は、ノズル列LfAと、ノズル列LfBとを有する。各ノズル列群61を構成する2つのノズル列は、互いに同数のノズルを含み、互いにノズル列方向にずれて配置されている。より具体的には、各ノズル列においてノズル列方向に隣り合うノズル間のノズル列方向に沿った距離(ノズルピッチ)を2kとすると、その半分のkだけノズル列方向にずれて2つのノズル列が配置されている。このような構成により、紙送り方向から見た場合の各ノズル列群61全体としてのノズルピッチkを比較的小さくして、高解像度印刷および高速印刷が実現される。本実施形態における紙送り方向は、請求項における交差方向の下位概念に相当する。
先行ヘッドPHは、重複ノズル領域ORAに含まれるノズルとして、図3上方側の端部に8つのノズルnp1〜np8を備える。同様に、後行ヘッドFHは、重複ノズル領域ORAに含まれるノズルとして、図3下方側の端部に8つのノズルnf1〜nf8を備える。重複ノズル領域ORAでは、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHとは、互いにノズル列方向の座標が同じノズルを有している。換言すると、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHとは、同一ラスターを形成するノズルをそれぞれ有する。具体的には、先行ヘッドPHのノズルnp1と、後行ヘッドFHのノズルnf1とは、互いにノズル列方向の座標が同じである。同様に、先行ヘッドPHのノズルnp2および後行ヘッドFHのノズルnf2、先行ヘッドPHのノズルnp3および後行ヘッドFHのノズルnf3、先行ヘッドPHのノズルnp4および後行ヘッドFHのノズルnf4、先行ヘッドPHのノズルnp5および後行ヘッドFHのノズルnf5、先行ヘッドPHのノズルnp6および後行ヘッドFHのノズルnf6、先行ヘッドPHのノズルnp7および後行ヘッドFHのノズルnf7、先行ヘッドPHのノズルnp8および後行ヘッドFHのノズルnf8のそれぞれについて、互いにノズル列方向の座標が同じである。したがって、例えば、同一のラスターを形成する2つのノズルnp1,nf1のうち、同じ位置のドットは、いずれか一方のノズルによって形成される。なお、図3において、各ノズルnp1〜np8,nf1〜nf8に対応付けられている割合(%)については、後ほど説明する。
A3.印刷処理:
図4は、プリンター10において実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。ユーザーが操作パネル91等を用いて、メモリーカードMCに記憶されている画像の印刷指示操作を行うと、プリンター10において印刷処理が実行される。入力部31は、メモリーカードスロット92を介してメモリーカードMCから印刷対象である画像データを読み込んで入力する(ステップS110)。CPU30は、EEPROM50に記憶された図示しないルックアップテーブルを参照して、入力された画像データについて、RGB形式をCMYK形式に色変換する(ステップS120)。
ハーフトーン処理部32は、色変換後の画像データを各色のドットのオンおよびオフで表されたビットマップデータに変換するハーフトーン処理を行う(ステップS130)。本実施例におけるハーフトーン処理は、ディザマスク51を用いた組織的ディザ法によって、入力データとディザマスク51の閾値とを比較し、入力データが閾値以上であればドットオンと判断し、入力データが閾値未満であればドットオフと判断する。なお、ハーフトーン処理は、ドットのオンおよびオフの2値化処理に限らず、大ドット及び小ドットのオンおよびオフなど、多値化処理であってもよい。また、ステップS130の処理対象となる画像データは、色変換処理のみならず、解像度変換処理やスムージング処理などの各種画像処理が実行された後のデータであってもよい。
ここで、本実施形態において、ディザマスク51は、かかるディザマスクを適用して得られたビットマップデータ全体におけるドットの分散性が優れるように、予め設定されている。加えて、各印刷ヘッドの左側のノズル列(例えば、図3に示す先行ヘッドPHのノズル列LpAと後行ヘッドFHのノズル列LfA等)により形成されるラスター群(以下、「A群」とも呼ぶ)を構成するドットの分散性が優れると共に、各印刷ヘッドの右側のノズル列(例えば、図3に示す先行ヘッドPHのノズル列LpBと後行ヘッドFHのノズル列LfB等)により形成されるラスター群(以下、「B群」とも呼ぶ)を構成するドットの分散性が優れるように、予め設定されている。より具体的には、ディザマスク51を適用して得られたビットマップデータにおけるA群のドットの空間周波数と、B群のドットの空間周波数とが、いずれもいわゆるブルーノイズ特性又はいわゆるグリーンノイズ特性となるように、予め設定されている。
図5は、ディザマスク51が備えるノイズ特性を例示する説明図である。図5では、A群およびB群の各ドットについてブルーノイズ特性およびグリーンノイズ特性を有するようなディザマスク51の各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した。ディザマスク51におけるブルーノイズ特性は、1周期の長さが2画素付近の高い周波数領域に最も大きな周波数成分を有するものとなっている。これは、高周波領域において感度が低いという人間の視覚特性を考慮して、高周波領域に最も大きな周波数成分が発生するように閾値の格納位置が調整されていることを意味する。こうしたブルーノイズ特性を備えたディザマスク51を用いてドットを発生させると、ドットの分散性に優れた画像が得られる。
図5には、さらに、グリーンノイズ特性を破線の曲線として例示している。図示されているように、グリーンノイズ特性は、ブリーノイズ特性よりやや低周波側に最も大きな周波数成分を有するもので、画素サイズが十分に小さければグリーンノイズ特性でも粒状感の感じられない良好な画像が得られる。ディザマスク51は、こうしたブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性などの所定の空間周波数特性を有するように予め設定されている。このような所定の空間周波数特性を有するディザマスク51は、例えば、特開2007−116432号公報に記載の生成方法などにより生成してもよい。
図4に示すように、割当処理部33は、重複印刷領域の各ドット形成位置に、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHのいずれでドットを形成するかを割り当てる割当処理を行う(ステップS140)。
図6は、割当処理の内容を模式的に示す説明図である。図6の最も左には、重複印刷領域についてのハーフトーン処理(ステップS130)の処理結果である最終ドット配列DAを示している。最終ドット配列DAの格子は、画像データの画素を示している。ハッチングで表示した格子は、ハーフトーン処理においてドットオンと判断された画素を示し、白色で表示した格子は、ハーフトーン処理においてドットオフと判断された画素を示している。
先行ヘッド割当マスク52には、重複印刷領域の各画素のうち、先行ヘッドPHによってドットが形成される画素の位置が記録されている。図示する格子のうち、ハッチング表示した格子は、先行ヘッドPHでドットを形成する(ドットオンとする)画素を示し、白色で表示した画素は、先行ヘッドPHでドットを形成しない、つまり、後行ヘッドFHでドットを形成する画素を示している。このような先行ヘッド割当マスク52を用いて、最終ドット配列DAをマスク処理することによって、最終ドット配列DAのうちの先行ヘッドPHでドットの形成を行う画素を決定することができる。具体的には、最終ドット配列DAのドットオンの画素と、先行ヘッド割当マスク52のドットオンの画素との重複部分が、先行ヘッドPHによってドットが形成されるドット配置DA1となる。
後行ヘッド割当マスク53には、重複印刷領域の各画素のうち、後行ヘッドFHによってドットが形成される画素の位置が記録されている。このような後行ヘッド割当マスク53を用いて、最終ドット配列DAをマスク処理することによって、後行ヘッドFHによってドットが形成されるドット配置DA2を決定することができる。なお、ドット配置DA2は、最終ドット配列DAのドットオンの画素と、先行ヘッド割当マスク52のドットオフの画素との重複部分として、決定することも可能である。以下の説明では、重複印刷領域を構成する各ドットを、先行ヘッドPHと後行ヘッドFHのいずれのヘッドで形成するかを、ドット形成位置(画素)ごとに割り当てた情報を、割当結果情報ともいう。割当マスク52,53において、各画素についてドットを形成するか否かを示す情報(後述する「0」および「1」)は、請求項における割当情報の下位概念に相当する。
図4に示すように、割当処理が完了すると、印刷制御部34は、ステップS130において得られたビットマップデータ、およびステップS140において得られた割当結果情報に基づき、ラインヘッド60およびモーター81等を駆動させて、印刷を実行する(ステップS150)。こうして、印刷処理は終了する。
ここで、上述の印刷処理で得られた画像の重複印刷領域において、各ノズル列で形成されたドットの分散性は、非常に優れている。具体的には、各ノズル列で形成されたドットの空間周波数が、いわゆるブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有する。このような特性は、割当処理に用いる先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53によって得られる。これら2つの割当マスク52,53の生成処理について、以下説明する。
A4.割当マスク生成処理:
図7は、割当処理において用いられる2つの割当マスク52,53の生成処理の手順を示すフローチャートである。プリンター10において、ユーザーが操作パネル91を操作して割当マスク生成メニューを選択して実行指示を入力すると、割当マスク生成処理が実行される。なお、割当マスク生成処理の開始前に、ユーザーは、印字比率をプリンター10に設定する。したがって、かかる印字比率を示す情報がEEPROM50に格納される。また、ユーザーは、割当マスク生成処理の開始前に、先行ヘッド用マスク元画像54および後行ヘッド用マスク元画像55をEEPROM50に格納する。後述するように、これら2つのマスク元画像54,55は、ユーザーが設定する印字比率にしたがったデューティ比で印刷され得るような画像として生成されている。換言すると、ユーザーは、設定しようとする印字比率に応じて先行ヘッド用マスク元画像54および後行ヘッド用マスク元画像55を生成し、EEPROM50に格納する。
上述の印字比率は、重複ノズル領域ORAに含まれる各ノズルについて設定される。印字比率とは、先行ヘッドPHおよび後行ヘッドFHにおいてノズル列方向の座標が同じ2つのノズルのそれぞれについて、該当するノズルによりドットが形成される画素の、同一ラスターにおけるデューティ比を意味する。具体的には、例えば、図3に示すように、先行ヘッドPHのノズルnp1には、10%が設定されている。これは、ノズルnp1およびノズルnf1により形成されるラスターの全画素を100としたときに、ノズルnp1によりドットが形成される画素が10となるように設定されていることを意味する。また、同じラスターの一部を形成する後行ヘッドFHのノズルnf1には、印字比率として90%が設定されている。図3に示すように、先行ヘッドPHにおいて重複ノズル領域ORAに含まれる8つのノズルnp1〜np8には、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序でそれぞれ、10%(ノズルnp1)、20%(ノズルnp2)、30%(ノズルnp3)、40%(ノズルnp4)、50%(ノズルnp5)、60%(ノズルnp6)、70%(ノズルnp7)、80%(ノズルnp8)が設定されている。つまり、先行ヘッドPHには、印字比率として、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に大きくなるデューティ比が設定されている。これに対して、後行ヘッドFHにおいて重複ノズル領域ORAに含まれる8つのノズルnf1〜nf8には、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に小さくなるデューティ比が印字比率として設定されている。具体的には、8つのノズルnf1〜nf8には、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序でそれぞれ、90%(ノズルnf1)、80%(ノズルnf2)、70%(ノズルnf3)、60%(ノズルnf4)、50%(ノズルnf5)、40%(ノズルnf6)、30%(ノズルnf7)、20%(ノズルnf8)が設定されている。
図7に示すように、まず、CPU30は、以下の2つの特徴(特徴1および特徴2)を有するディザマスクを用意する(ステップS210)。
[特徴1]:本ディザマスクを用いてフラットな(階調値が一定な)画像に対して上記ステップ130のハーフトーン処理を行った場合に、ハーフトーン処理結果(ビットマップデータ)全体でのドット分散性が良好である。
[特徴2]:本ディザマスクを用いてフラットな(階調値が一定な)画像に対して上記ステップ130のハーフトーン処理を行って得られたハーフトーン処理結果(ビットマップデータ)を、同一インク色に割り当てられている複数のノズル列毎にグループ分けを行い、それぞれのグループに属するドットを抽出した場合に、抽出された各グループのドットの分散性が良好である。
上記特徴1,2において、「ドット分散性が良好である」とは、ブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することを意味する。また、上記特徴2における「同一インク色に割り当てられている複数のノズル列ごとにグループ分け」とは、例えば、図3に示すノズル列群の例では、先行ヘッドPHのノズル列LpAに割り当てられるグループ、先行ヘッドPHのノズル列LpBに割り当てられるグループ、後行ヘッドFHのノズル列LfAに割り当てられるグループ、後行ヘッドFHのノズル列LfBに割り当てられるグループの合計4つのグループにグループ分けすることを意味する。このような2つの特徴1,2を有するディザマスクは、例えば、特開2007−116432号公報に記載の生成方法などにより生成してもよい。
CPU30は、先行ヘッドおよび後行ヘッドのそれぞれについてマスク元画像を用意する(ステップS220)。本実施形態において、マスク元画像とは、先行ヘッドおよび後行ヘッドのそれぞれに設定されている印字比率にしたがったデューティ比で印刷され得る画像を意味する。上述のように、割当マスク生成処理の開始前にユーザーによってEEPROM50に格納された先行ヘッド用マスク元画像54および後行ヘッド用マスク元画像55は、かかるマスク元画像に該当する。したがって、本実施形態では、CPU30は、ステップS220として、EEPROM50に格納されている2つのマスク元画像55,54を特定することにより、マスク元画像を用意する。なお、このステップS220において、ユーザーに2つのマスク元画像55,54の格納を促すメッセージを操作パネル91等に表示させ、かかるメッセージに基づき、ユーザーが2つのマスク元画像54,55をEEPROM50に格納し、格納された2つのマスク元画像55,54を特定してもよい。
CPU30は、ステップS220で用意された各マスク元画像に対して、ステップS210で用意されたディザマスクを適用して、2値化画像を得る(ステップS230)。
図8は、後行ヘッド用マスク元画像55に基づきステップS230により得られた2値化画像の一例を示す説明図である。図8(a)は、後行ヘッド用マスク元画像55を示し、図8(b)は、後行ヘッド用マスク元画像55に基づきステップS230により得られた2値化画像55hを示す。
上述のように、後行ヘッドFHにおいて重複ノズル領域ORAに含まれる8つのノズルnf1〜nf8には、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に小さくなるデューティ比が印字比率として設定されている。それゆえ、図8(a)に示すように、後行ヘッド用マスク元画像55は、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に濃度が小さくなる画像(グラデーション画像)として生成されている。このような画像を印刷用紙Pに印刷すると、得られる画像において、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第にデューティ比が小さくなる。このときのデューティ比は、8つのノズルnf1〜nf8の位置および設定されているデューティ比に対応する。なお、図示は省略されているが、先行ヘッド用マスク元画像54は、図8(a)に示す後行ヘッド用マスク元画像55を上下逆転させた画像に近似する画像となる。このような2つのマスク元画像55,54は、例えば、公知の画像処理ソフトウエアにより作成してもよい。
図8(b)に示す2値化画像55hは、ステップS210で用意されたディザマスクに基づき生成されているので、図3に示す先行ヘッドPHのノズル列LpAにより形成されるラスター群、後行ヘッドFHのノズル列LfAにより形成されるラスター群、先行ヘッドPHのノズル列LpBにより形成されるラスター群、後行ヘッドFHのノズル列LfBにより形成されるラスター群のいずれに相当する位置(ラスター)のドットの分散性も非常に優れている。
本実施形態では、先行ヘッド割当マスク52,53のノズル列方向の大きさは、重複ノズル領域ORAのノズル列方向の大きさと等しい。また、先行ヘッド割当マスク52,53の紙送り方向の大きさは、ディザマスク51の紙送り方向の大きさと等しい。各割当マスク52,53の紙送り方向の大きさを、ディザマスク51の紙送り方向の大きさと等しくすることにより、2つの割当マスク52,53をタイリングして重複ノズル領域ORAにおけるすべてのノズルについて割り当て(いずれのノズルにおいてドットを形成するかの割り当て)を行なう際に、タイリングの境界におけるドットの分散性が滑らかとなり、印刷ムラが目立たなくなるからである。これは、ステップS210で用意されたディザマスクでは、タイリングをしてドットのオンおよびオフを決定するのに当たり、そのタイリングの境界におけるドットの分散性が滑らかになるように、予め閾値が設定されているからである。なお、各割当マスク52,53の紙送り方向の大きさを、ステップS210で用意されたディザマスクの紙送り方向の大きさと異ならせてもよい。
CPU30は、ステップS230で得られた先行ヘッドPH用の2値化画像および後行ヘッドFHの2値化画像において、それぞれドットオンを「1」とし、ドットオフを「0」とすることにより各ヘッド用の割当マスク(先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53)を得てEEPROM50に格納する(ステップS240)。
図9は、本実施形態の割当マスク処理により得られた割当マスクを適用して得られた画像の一例を示す説明図である。図10は、比較例の割当マスクを適用して得られた画像の一例を示す説明図である。なお、図10では、割り当てマスク以外は実施形態と同じ構成として印刷を行っている。すなわち、比較例の割当マスクでは、本実施形態の割当マスク52,53のように、先行ヘッドPHおよび後行ヘッドFHがそれぞれ有する各ノズル列で形成されるドットの分散性は考慮されていない。
図9では、先行ヘッドPHで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Fp1と、後行ヘッドFHで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Ff1と、先行ヘッドPHのノズル列LpAで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Fp1aと、後行ヘッドFHのノズル列LfAで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Ff1aとを表している。これらの画像は、同一の入力画像についての印刷結果を表す。かかる入力画像は、高いデューティ比でドットが形成されるべき画像、すなわち、一面が高階調の画素で表された画像である。具体的には、画像Fp1と画像Ff1とを合わせるとデューティ比がほぼ100%となる画像を用いている。図示するように、先行ヘッドPHで形成された画像Fp1と、後行ヘッドFHで形成された画像Ff1とは、いずれもドットの分散性(粒状性)に優れている。加えて、先行ヘッドPHのノズル列LpAで形成された画像Fp1aと、後行ヘッドFHのノズル列LfAで形成された画像Ff1aとについてもドットの分散性に優れている。なお、図示は省略しているが、先行ヘッドPHのノズル列LpBで形成された画像と、後行ヘッドFHのノズル列LfBで形成された画像についてもドットの分散性に優れている。
図10では、図9と同様に、先行ヘッドPHで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Fp2と、後行ヘッドFHで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Ff2と、先行ヘッドPHのノズル列LpAで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Fp2aと、後行ヘッドFHのノズル列LfAで形成された重複印刷領域のドットを示す画像Ff2aとを表している。なお、図10に示す画像の基となる入力画像は、図9に示す各画像が形成された際の入力画像と同じである。先行ヘッドPHで形成された画像Fp2と、後行ヘッドFHで形成された画像Ff2とは、いずれもドットの分散性(粒状性)に比較的優れている。しかしながら、先行ヘッドPHのノズル列LpAで形成された画像Fp2aと、後行ヘッドFHのノズル列LfAで形成された画像Ff2aとにおいては、図10の上下方向に伸びるドット疎の部分および密の部分がそれぞれ生じており、ドットの分散性(粒状性)に劣っている。このため、例えば、先行ヘッドPHのノズル列LpAの製造誤差や用紙送りの誤差等に起因して、各ヘッドにおいて、2つのノズル列のうちの少なくとも一方のノズル列から噴射されるインク滴の着弾位置がずれた場合、重複印刷領域における色ムラ(ドットの疎密)がより目立つ可能性がある。ここで、印刷処理のハーフトーン処理、すなわち、ディザマスク51を用いたハーフトーン処理では、主として中間階調の画素について対応するドットの分散性を向上させるように、ビットマップデータが設定されるため、高階調の画素に対応するドットの分散性は向上できない。加えて、比較例の割当マスクでは、先行ヘッドPHおよび後行ヘッドFHがそれぞれ有する各ノズル列で形成されるドットの分散性は考慮されていない。これらに起因して、比較例では、特に、高階調の画像を印刷した場合に重複印刷領域のドット分散性は低くなる。
これに対して、本実施形態の割当マスク(先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53)を用いた場合、上述したように各ヘッドの各ノズル列により形成されるドットの分散性が優れているため、換言するとそのような優れた分散性を得られるような割当マスク52,53が予め設定されているので、印刷すべき画像が高階調の画像であるか否かに関わらず、重複印刷領域におけるドットの分散性を向上できる。このため、各ヘッドにおいて、2つのノズル列のうちの少なくとも一方のノズル列から噴射されるインク滴の着弾位置がずれても、重複印刷領域における色ムラ(ドットの疎密)の発生が抑制される。
以上説明した第1実施形態のプリンター10では、重複ノズル領域ORAに含まれる先行ヘッドPHのノズルと後行ヘッドFHのノズルとのうち、いずれのノズルを用いて重複印刷領域のドットを形成するかを、先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53を用いて決定している。このため、重複印刷領域において、各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されるドットの分散性を向上でき、いずれかの印刷ヘッドにおいて、2つのノズル列のうちの少なくとも一方のノズル列から噴射されるインク滴の着弾位置がずれても、重複印刷領域における色ムラ(ドットの疎密)の発生を抑制できる。これは、各割当マスク53,54が、これら割当マスク53,54を適用して得られる重複印刷領域の画像において、各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数が、ブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように設定されているからである。特に、高階調の画像を印刷した場合であっても、重複印刷領域におけるドットの分散性が抑制されるため、このような場合において、インク滴の着弾位置がずれても、色ムラ(ドットの疎密)の発生を抑制できる。
また、先行ヘッド割当マスク52および後行ヘッド割当マスク53は、いずれも、ユーザーが設定する印字比率にしたがったデューティ比で印刷され得るような画像をマスク元画像とし、かかるマスク元画像に対してハーフトーン処理を行って得られた画像に基づき生成される。このため、印字比率にしたがってドットのオンまたはオフが制御された割当結果情報を生成することができる。
また、各割当マスク52,53の紙送り方向の大きさを、ディザマスク51の紙送り方向の大きさと等しくするので、2つの割当マスク52,53をタイリングして重複ノズル領域ORAにおけるすべてのノズルについて割り当てを行なう際に、タイリングの境界におけるドットの分散性を滑らかにし、印刷ムラが目立たなくできる。
また、後行ヘッド用マスク元画像55は、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に濃度が小さくなる画像(グラデーション画像)として生成され、先行ヘッド用マスク元画像54は、ノズル列方向に沿って下から上に向かう順序で次第に濃度が小さくなる画像(グラデーション画像)として生成されている。このため、例えば、後行ヘッドFHにより形成されるドットの着弾位置が、ノズル列方向(図3に示す下方)にずれた場合であっても、ずれ方向の先端では、印字比率として低い値(低デューティ)が設定されているため、かかるずれ部分においてデューティが極端に上昇することを抑制できる。このため、この場合であっても色ムラ(ドットの疎密)が生じることを抑制できる。
B.第2実施形態:
図11は、第2実施形態におけるプリンターの概略構成を示す説明図である。プリンター10aは、ラインヘッド60およびインク供給機構70に代えて、キャリッジモーター141、駆動ベルト142、プーリー143、摺動軸144、キャリッジ110、およびインクカートリッジ120を備える点において、第1実施形態のプリンター10と異なる。第2実施形態のプリンター10aにおける他の構成は、第1実施形態のプリンター10の構成と同じであるので、同一の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。プリンター10aは、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンターに該当する。
キャリッジモーター141は、駆動ベルト142を介してキャリッジ110を主走査方向に駆動する。駆動ベルト142は、キャリッジモーター141とプーリー143とに架け渡された無端ベルトであり、キャリッジ110に接続されている。摺動軸144は、キャリッジ110を摺動可能に支持する。キャリッジ110には、C,M,Y,Kの各色のインクカートリッジ120が着脱自在に装着されている。キャリッジ110は、印刷用紙Pと対向する印刷ヘッド130を備えており、かかる印刷ヘッド130からインク滴を噴射する。キャリッジモーター141およびキャリッジ110は、いずれも制御ユニット20に接続されている。制御ユニット20は、キャリッジモーター141を駆動することによって、印刷ヘッド130を主走査方向に往復動させ、また、紙送りモーター141を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット20は、キャリッジ110が往復動する動き(主走査)や、印刷用紙Pの搬送(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングで印刷ヘッド130が有するノズルを駆動することにより、印刷用紙P上の適切な位置に適切な色のドットを形成する。
図12は、第2実施形態における印刷ヘッド130の走査と印刷範囲との関係を模式的に示す説明図である。図12に示すように、印刷ヘッド130には、各色のノズル列群131,132,133,134が形成されている。各ノズル列群131〜134は、それぞれ2つのノズル列を有する。印刷ヘッド130は、K回目(Kは正の整数)の主走査によって、その位置に対応する主走査方向のドット群(バンドKのドット)を形成する。また、印刷ヘッド130は、K回目の主走査の後、印刷用紙Pが副走査方向に所定量だけ搬送されて、印刷ヘッド130と印刷用紙Pとが相対移動すると、K+1回目の主走査によって、このときの印刷ヘッド130の位置に対応するドット群(バンドK+1のドット)を形成する。K+2回目の主走査においても同様である。なお、図中では、表示の便宜上、1回の主走査ごとに印刷ヘッド130が主走査方向にずれているように表示しているが、実際には、印刷用紙Pが副走査方向に移動している。
連続するK回目とK+1回目の主走査における印刷ヘッド130の印刷用紙Pに対する相対位置は、副走査方向(ノズル列方向)にノズル列群131〜134の一部が重複するように設定される。図中では、ノズル列群131〜134のうちの副走査方向側の先端部に配列された上端ノズル列UNと、それと反対側の先端部に配列された下端ノズル列LNとが重複する様子を示している。上端ノズル列UNと下端ノズル列LNとは、副走査方向(ノズル列方向)に同じ座標を、互いに異なる回数の主走査により走査するノズルからなる。このような上端ノズル列UNおよび下端ノズル列LNは、上述の第1実施形態における重複ノズル領域ORAに相当する。
上端ノズル列UNおよび下端ノズル列LNにより形成される印刷領域の各ドットは、いずれかの一方のノズル列により形成される。すなわち、上端ノズル列UNおよび下端ノズル列LNにより形成される印刷領域は、上述の第1実施形態の重複印刷領域に相当する。かかる印刷領域は、連続する2回の主走査により形成される。これに対して、印刷ヘッド130の各ノズル列群131〜134において、上端ノズル列UNおよび下端ノズル列LNを除く他のノズルにより形成される印刷領域は、上述の第1実施形態の単独印刷領域に相当する。すなわち、かかる印刷領域は、1回の主走査により形成される。
第2実施形態のプリンター10aでは、上端ノズル列UNおよび下端ノズル列LNにより形成される印刷領域の各ドットを、いずれのノズル列により形成するか、換言すると、連続する2回の主走査のうちいずれの主走査により形成するか、を2つの割当マスク52,53を用いて決定する。なお、第2実施形態のプリンター10aでは、第1実施形態のプリンター10と同様にして割当マスク生成処理が実行される。
以上の構成を有する第2実施形態のプリンター10aは、第1実施形態のプリンター10と同様な効果を有する。
C.変形例:
C1.変形例1:
各実施形態では、後行ヘッド用マスク元画像55は、ノズル列方向に沿って上から下に向かう順序で次第に濃度が小さくなる画像(グラデーション画像)として生成され、先行ヘッド用マスク元画像54は、ノズル列方向に沿って下から上に向かう順序で次第に濃度が小さくなる画像(グラデーション画像)として生成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、2つのマスク用元画像を互いに入れ替えて用いてもよい。また、例えば、これら2つのマスク元画像は、いずれの印刷ヘッドおよびいずれのラスターにおいても同一のデューティ比(例えば、50%)で印刷された画像であってもよい。また、印字比率は、割当マスク生成処理の開始前にユーザーによって設定されていたが、これに代えて、予めプリンター10,10aに設定されていてもよい。
C2.変形例2:
第1実施形態において、先行ヘッドPHおよび後行ヘッドFHが有する各ノズル列群61〜64は、それぞれ2つのノズル列により構成されていたが、3以上の任意数のノズル列により構成してもよい。同様に、第2実施形態において、印刷ヘッド130が有する各ノズル列群131〜134も、3以上の任意数のノズル列により構成してもよい。
C3.変形例3:
各実施形態では、割当マスク生成処理は、プリンター10,10aにおいて実行されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、プリンター10,10aとは異なるコンピューターにおいて実行されてもよい。この構成においては、コンピューターにより実行された割当マスク処理の結果として得られた割当マスクを、例えば、メモリーカードMCおよびネットワーク等を介してプリンター10,10aに送信し、EEPROM50に格納してもよい。また、印刷処理の各手順のうち、ステップS110〜S140についても、プリンター10,10aに代えて、上述のコンピューターにおいて実行されてもよい。かかる構成においては、ステップS130において得られたビットマップデータ、およびステップS140において得られた割当結果情報を、例えば、メモリーカードMCおよびネットワーク等を介してプリンター10,10aに送信し、プリンター10,10aにおいてステップS150が実行されてもよい。
C4.変形例4:
プリンター10,10aは、インクジェットプリンターであったが、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置を用いてもよい。例えば、以下のような各種の液体噴射装置が該当する。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレー等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーや、面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
なお、上述の「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
C5.変形例5:
各実施形態および変形例においてハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウエアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウエアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウエアで実現される場合には、そのソフトウエア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、データを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…プリンター
10a…プリンター
20…制御ユニット
30…CPU
31…入力部
32…ハーフトーン処理部
33…割当処理部
41…ROM
42…RAM
44…印刷制御部
50…EEPROM
51…ディザマスク
52…先行ヘッド割当マスク
53…後行ヘッド割当マスク
54…先行ヘッド用マスク元画像
55…後行ヘッド用マスク元画像
55h…2値化画像
60…ラインヘッド
61〜64…ノズル列群
70…インク供給機構
71…カートリッジホルダー
72…インクカートリッジ
73…インク供給路
80…紙送り機構
81…紙送りモーター
82…給紙ローラー
91…操作パネル
92…メモリーカードスロット
110…キャリッジ
120…インクカートリッジ
130…印刷ヘッド
131〜134…ノズル列群
141…キャリッジモーター
142…駆動ベルト
143…プーリー
144…摺動軸
DA…最終ドット配列
DA1…ドット配置
DA2…ドット配置
FH…後行ヘッド
Ff1…画像
Ff1a…画像
Ff2…画像
Ff2a…画像
Fp1…画像
Fp1a…画像
Fp2…画像
Fp2a…画像
LN…下端ノズル列
LfA…ノズル列
LfB…ノズル列
LpA…ノズル列
LpB…ノズル列
MC…メモリーカード
ORA…重複ノズル領域
P…印刷用紙
PH…先行ヘッド
SA…単独ノズル領域
UN…上端ノズル列
k…ノズルピッチ
nf1〜nf8…ノズル
np1〜np8…ノズル

Claims (5)

  1. 互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する複数の印刷ヘッドが、隣り合う2つの印刷ヘッドにおいて前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向の座標が互いに同一であるノズルが存在する重複ノズル領域を各印刷ヘッドの端部に有するように配置されている印刷装置による印刷の際に、前記重複ノズル領域のノズルによりドットが形成される印刷媒体における重複印刷領域の各ドットを、前記2つの印刷ヘッドのいずれにより形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクであって、
    前記割当情報は、前記割当マスクを適用して得られる前記重複印刷領域の画像において各印刷ヘッドの各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている、割当マスク。
  2. 互いに平行に配置された複数のノズル列を有する印刷ヘッドを、前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向に印刷媒体に対して相対移動させる主走査を行なって前記印刷媒体にドットを形成する印刷装置による印刷の際に、複数回の前記主走査により画像が形成される重複印刷領域の各ドットを、前記複数回の前記主走査のうちいずれの前記主走査により形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクであって、
    前記割当情報は、前記割当マスクを適用して得られる前記重複印刷領域の画像において各主走査における各ノズル列により形成されたドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有するように、設定されている、割当マスク。
  3. 互いに平行に配置された複数のノズル列をそれぞれ有する複数の印刷ヘッドが、隣り合う2つの印刷ヘッドにおいて前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向の座標が互いに同一であるノズルである重複ノズルが存在する重複ノズル領域を各印刷ヘッドの端部に有するように配置されている印刷装置による印刷の際に、前記重複ノズル領域のノズルによりドットが形成される印刷媒体における重複印刷領域の各ドットを、前記2つの印刷ヘッドのいずれにより形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクの生成方法であって、
    (a)第1の特徴と第2の特徴とを有する2値化用マスクを用意する工程と、
    (b)前記割当マスクと同じサイズであり、予め決定されている前記重複ノズルにおける各ノズルのドット形成割合に応じたデューティ比で印刷され得るマスク元画像を、各印刷ヘッド毎に用意する工程と、
    (c)前記2値化マスクを各マスク元画像に適用して、各印刷ヘッド毎にマスク2値化画像を得る工程と、
    (d)前記マスク2値化画像に基づき、各印刷ヘッド毎に前記割当マスクを生成する工程と、
    を備え、
    前記第1の特徴は、入力される画像データに基づいてドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像全体において、ドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することであり、
    前記第2の特徴は、前記ハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像において、各印刷ヘッドに含まれる各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することである、割当マスクの生成方法。
  4. 互いに平行に配置された複数のノズル列を有する印刷ヘッドを、前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向に印刷媒体に対して相対移動させる主走査を行なって前記印刷媒体にドットを形成する印刷装置による印刷の際に、複数回の前記主走査により画像が形成される重複印刷領域の各ドットを、前記複数回の前記主走査のうちいずれの前記主走査により形成するかを決定するための割当情報が設定されている割当マスクの生成方法であって、
    各ノズル列には、該ノズル列における互いに異なる少なくとも2つのノズルであって、前記印刷媒体における前記交差方向に同じ座標を、互いに異なる回数の前記主走査により走査する重複ノズルが存在し、
    (a)第1の特徴と第2の特徴とを有する2値化用マスクを用意する工程と、
    (b)前記割当マスクと同じサイズであり、予め決定されている前記重複ノズルにおける各ノズルのドット形成割合に応じたデューティ比で印刷され得るマスク元画像を、各印刷ヘッド毎に用意する工程と、
    (c)前記2値化マスクを各マスク元画像に適用して、各印刷ヘッド毎にマスク2値化画像を得る工程と、
    (d)前記マスク2値化画像に基づき、各印刷ヘッド毎に前記割当マスクを生成する工程と、
    を備え、
    前記第1の特徴は、入力される画像データに基づいてドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像全体において、ドットの空間周波数がブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することであり、
    前記第2の特徴は、前記ハーフトーン処理に用いられるディザマスクとして前記2値化用マスクを適用して得られた画像において、各主走査における各ノズル列により形成されるドットの空間周波数がそれぞれブルーノイズ特性またはグリーンノイズ特性を有することである、割当マスクの生成方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の割当マスクの生成方法において、
    前記複数のノズル列に沿ったノズル列方向と交わる交差方向における前記マスク元画像の大きさは、前記交差方向における前記2値化マスクの大きさと等しい、割当マスクの生成方法。
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