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JP2016182772A - 積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び物品 - Google Patents

積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び物品 Download PDF

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JP2016182772A JP2015064906A JP2015064906A JP2016182772A JP 2016182772 A JP2016182772 A JP 2016182772A JP 2015064906 A JP2015064906 A JP 2015064906A JP 2015064906 A JP2015064906 A JP 2015064906A JP 2016182772 A JP2016182772 A JP 2016182772A
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Abstract

【課題】2つの剥離基材でシリコーン粘着層を挟んだ積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び該シートを含む物品を提供する。
【解決手段】第1の剥離基材、粘着層、第2の剥離基材をこの順に積層してなり、第1の剥離基材の剥離面が、下記(A)〜(C)を含有する組成物(I)で処理され、第2の剥離基材の剥離面が、下記(A)〜(C)、(F)を含有する組成物(II)で処理されている積層体。
(A)アルケニル基が0.001〜0.5モル/100g、フルオロアルキル基が0.1〜0.5モル/100g含まれるオルガノポリシロキサン、
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、
(F)アルケニル基を0.001〜0.1モル/100g含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサン。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物で処理された基材を用いたシリコーン粘着層を含む積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び該基材レス粘着シートを含む物品に関する。
パソコンや携帯電話といった電子端末は広く世界中に普及しており、その販売台数は依然として伸長し続けている。これらの電子端末は、内部の部品の高機能化や小型化が進むにつれて、端末全体としての小型化にも繋がっている。
パソコンは従来、CPUや本体と、大きな筐体からなるディスプレイから構成されていたが、現在のディスプレイは非常に薄くなっている。ノート型のパソコンについても同様で、CPUを含む部分とディスプレイが非常に小型化されており、最近ではキーパッドの部分が無いタブレット型端末も普及してきた。タブレット型端末の操作は、ディスプレイ上の表示に直接指やペンを触れることで行う。
携帯電話も以前に比べ更に小型化、高機能化されており、最近では押しボタンが無く、タブレット端末同様にディスプレイ上で操作するタイプのスマートフォンのシェアが急速に伸びている。ディスプレイに触れて操作ができるのは、表面のガラスと内部の液晶パネルの間にタッチパネルが存在するためである。
タッチパネルの方式には様々なものがあるが、近年では静電容量式が主流となっており、センサーには酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明導電膜により、表面の指やペンの動きを感知するものである。
端末の構成としては、表面にカバーガラスがあり、その下にタッチパネル、更に下に液晶パネルという順に積層された構造である。カバーガラスとタッチパネル、タッチパネルと液晶パネルはそれぞれ、縁のみを両面テープで貼り合わせ、中央には空気層を含む構造となっていたが、最近ではこれらを樹脂によって全面貼り合わせるという構造に変わってきている。これは、空気層をなくすことで界面反射を抑制し、視認性が向上するためと、構造が強直となり耐衝撃性が向上するためである。
貼り合わせの方式は大きく2つに分けられる。1つは部材の間に液状樹脂(Optical Clear Resin)を流し込み硬化させて貼り合わせる方式であり、もう1つは基材のない両面粘着シート(OCA:Optical Clear Adhesive)で部材同士を貼り合わせる方式である。
OCAは、両面を剥離基材で挟まれた基材のない粘着シートである。この粘着シートは、まず第1の剥離基材に粘着剤を塗工/硬化させて粘着層を形成し、粘着層に第2の剥離基材を貼り合わせることで作製し、第2の剥離基材を剥がして対象に貼り合わせ、その後第1の剥離基材を剥がして別の対象に貼り合わせて使用する。このとき、第1の剥離基材と第2の剥離基材の間にある程度剥離力差が必要であり、剥離力に差があると最初に第2の剥離基材のみを剥がすことができ、これを異差剥離という。両者の間の剥離力差が小さい場合には、第2の剥離基材を剥がそうとしても粘着層が第2の剥離基材と第1の剥離基材のそれぞれに部分的に残る泣き別れという現象が生じる。この場合、はじめに第2の剥離基材を良好に剥がすことができず、粘着層はシートとしての形状を保持することができなくなる。
OCAの素材の主流はアクリル系粘着剤であり、一部にはウレタン系粘着剤も存在する。アクリル系粘着剤は、原料であるアクリルモノマーの種類や構成比を変えることで様々な特性の粘着剤を作製することができ、様々な被着体に対して優れた接着性を示すが、耐熱性が不十分で変色しやすいという欠点もある。
このOCAをシリコーン粘着剤で作製する試みがあり、これはアクリル系粘着剤よりも柔軟なシリコーン粘着剤を使用することで耐衝撃性が更に向上すると考えられているためである。また、シリコーンはアクリルよりも屈折率が低いことから、更なる視認性の向上も期待される。
シリコーン粘着剤で基材のない両面粘着シートについて、特開2005−29712号公報(特許文献1)では、フッ素系剥離剤の他にフッ素を含まないシリコーン剥離剤を用いてシートを作製しているが、フッ素非含有のシリコーン剥離剤はシリコーン粘着剤に対する剥離性が悪いため、うまく剥離できないことがある。特許第5553395号公報(特許文献2)では、シリコーン粘着剤の組成改変により両面の剥離力差をつけることで両面粘着シートを作製しているが、剥離剤についての検討はまだ不十分であり、2枚の剥離基材を貼り合わせて湿熱経時で置いた後の剥離力の差が小さくなることにより、泣き別れが生じやすくなる。
特開2005−29712号公報 特許第5553395号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、2つの剥離力の異なる剥離基材でシリコーン粘着層を挟んだ積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び該基材レス粘着シートを含む物品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、フッ素含有有機基で修飾されたオルガノポリシロキサンを用いたシリコーン粘着剤用剥離剤組成物に、重剥離成分として、特定の構造を有するオルガノポリシロキサンを添加することにより、これを塗工、硬化して得られた剥離剤の剥離力を大きくすることができることを知見した。
この重剥離成分を添加しない剥離剤組成物で処理した第1の剥離基材と、重剥離成分を添加した剥離剤組成物で処理した第2の剥離基材の2種類をシリコーン粘着剤の剥離基材として使用することで、これら剥離基材の剥離力差が大きくなることにより、どちらも剥離性が良好で、更に第1の剥離基材を剥離した際に泣き別れすることのない、前記の目的とする積層体を提供できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の積層体、その作製方法、基材レス粘着シートの使用方法及び物品を提供する。
〔1〕
第1の剥離基材、
粘着層、
第2の剥離基材
をこの順に積層してなる構造を含む積層体であり、第1の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)及び必要により(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理され、第2の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)、(F)及び必要により(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理されていることを特徴とする積層体。
(A)下記平均組成式(1)
Figure 2016182772
(式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、R1のうち少なくとも2個は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基を含み、R1のうち少なくとも1個は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含む。aは2以上の整数、bは1以上の整数、c及びdは0以上の整数で、50≦a+b+c+d≦5,000である。)
で表され、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分と下記(F)成分のアルケニル基の合計に対し、Si−H基がモル比で1〜10となる量、
(C)(A)成分と下記(F)成分のアルケニル基と(B)成分のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒:金属質量が(A)成分に対して1〜500ppmとなる量、
(E)有機溶剤:0〜2,000質量部、
(F)アルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサン:1〜25質量部。
〔2〕
シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び/又はシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)において、更に、(D)反応制御剤を(A)成分100質量部に対し、0.01〜5質量部含む〔1〕に記載の積層体。
〔3〕
(A)成分が、(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001モル以上0.03モル未満含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサン及び/又は(A−2)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.03〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の積層体。
〔4〕
(A)成分が、前記(A−1)成分と(A−2)成分とを含有し、(A−1)、(A−2)成分の割合が、(A−1):(A−2)=20:80〜80:20(質量比)であることを特徴とする〔3〕に記載の積層体。
〔5〕
(A)成分に含まれるフルオロアルキル基が、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロノニル基からなる群より選ばれるものであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体。
〔6〕
(B)成分がフルオロアルキル基を含むことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の積層体。
〔7〕
(B)成分に含まれるフルオロアルキル基が、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の積層体。
〔8〕
前記粘着層が、
(G)下記平均組成式(4)
5 wSiO(4-w)/2 (4)
(式中、R5は独立に炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、wは1.8〜2.2の正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基を有し、アルケニル基が100g中に0.0007〜0.05モル含まれるオルガノポリシロキサン:(G)及び(H)成分の合計100質量部中30〜70質量部、
(H)R6 3SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、(R6 3SiO1/2単位)/(SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1であるオルガノポリシロキサン(R6は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。):(G)及び(H)成分の合計100質量部中70〜30質量部、
(I)下記平均組成式(6)で表され、1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(G)及び(H)成分のアルケニル基の合計に対し、Si−H基がモル比で0.2〜20となる量、
7 yzSiO(4-y-z)/2 (6)
(式中、R7は独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、y、zはy>0、z>0で、0<y+z≦3を満足する正数である。)
(J)(G)及び(H)成分のアルケニル基と(I)成分のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒:上記(G)〜(I)成分の総量に対し、金属量が1〜500ppmとなる量、
(K)反応制御剤:(G)及び(H)成分の総量に対し、0.01〜5質量部
を含むシリコーン粘着剤組成物の硬化物である〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の積層体。
〔9〕
前記剥離基材の基材がプラスチックフィルムであることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の積層体。
〔10〕
前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理された第2の剥離基材を用意し、該剥離基材の処理面上にシリコーン粘着剤組成物を塗工、硬化させて粘着剤層を形成した後、前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理された第1の剥離基材を貼り合わせる〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の積層体の作製方法。
〔11〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の積層体から第1の剥離基材を剥離後、粘着層面を対象に貼り合わせ、その状態から次に第2の剥離基材を剥離後、先程貼り合わせた粘着層面と反対の粘着層面を別の対象に貼り合わせる、基材レス粘着シートの使用方法。
〔12〕
〔11〕に記載の使用方法により得られた基材レス粘着シートを含む物品。
本発明の積層体を使用することで、基材のない両面粘着シリコーンシートを作製することができる。
以下、本発明についての詳細を記す。
本発明の積層体は、
第1の剥離基材、
粘着層、
第2の剥離基材
の順に積層してなる構造を含むものであり、第1の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)及び必要により(D)、(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理され、第2の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)、(F)及び必要により(D)、(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理されているものである。
(A)下記平均組成式(1)
Figure 2016182772
(式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、R1のうち少なくとも2個は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基を含み、R1のうち少なくとも1個は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含む。aは2以上の整数、bは1以上の整数、c及びdは0以上の整数で、50≦a+b+c+d≦5,000である。)
で表され、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属系触媒、
(D)反応制御剤、
(E)有機溶剤、
(F)アルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサン。
[シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)、(II)]
以下に、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)の各成分について詳述する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記平均組成式(1)で表され、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサンである。
Figure 2016182772
(式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、R1のうち少なくとも2個は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基を含み、R1のうち少なくとも1個は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含む。aは2以上の整数、bは1以上の整数、c及びdは0以上の整数で、50≦a+b+c+d≦5,000である。)
上記式(1)において、R1は炭素数1〜10、特に炭素数1〜8の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10、特に炭素数2〜8のアルケニル基含有有機基であり、そのうち1分子中の2個以上が炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基、1分子中の1個以上が炭素数1〜10のフルオロアルキル基である。
1において、炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基等のアクリロイルアルキル基及びメタクリロイルアルキル基、シクロヘキセニルエチル基等のシクロアルケニルアルキル基、ビニルオキシプロピル基等のアルケニルオキシアルキル基などが挙げられ、特にビニル基が好ましい。
また、炭素数1〜10のフルオロアルキル基としては、炭素数1〜8のものが好ましく、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロノニル基などが挙げられ、特に3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
1において、上記アルケニル基含有有機基及びフルオロアルキル基以外の1価炭化水素基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子などで置換された基等が例示される。これらの中でも脂肪族飽和炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
上記式(1)におけるa〜dについて、aは2以上、好ましくは2〜6の整数、bは1以上、好ましくは1〜4,998の整数、c及びdは0以上、好ましくは0〜5の整数で、50≦a+b+c+d≦5,000であり、好ましくは80≦a+b+c+d≦3,000である。a+b+c+dが50より小さい場合、架橋点が多くなりすぎることで反応性が低下し、5,000より大きい場合、組成物の粘度が非常に高くなるため、撹拌混合しにくくなるなど作業性が悪くなる。
(A)成分に含まれるアルケニル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.001〜0.5モルであり、0.002〜0.45モルであることが好ましく、0.003〜0.4モルであることがより好ましい。0.001モルよりも少ないと基材に対する密着性が悪くなり、0.5モルよりも多いと硬化性が悪くなる。
なお、本発明において、アルケニル基量の測定方法としては、サンプル中に10質量%ヨウ化カリウム水溶液を加えて撹拌して試験溶液を作製し、0.1規定のチオ硫酸ナトリウムを試験溶液が無色になるまで滴下することで測定することができる。
(A)成分に含まれるフルオロアルキル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.1〜0.5モルであり、0.15〜0.45モルであることが好ましく、0.2〜0.4モルであることがより好ましい。0.1モルよりも少ないとシリコーン粘着剤に対する剥離性が低下し、0.5モルよりも多いと有機溶剤への溶解性が低下する。
(A)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中のMe,Vi,Phはそれぞれメチル基、ビニル基、フェニル基を示す。
Figure 2016182772
(式中、Rf1は独立にフルオロアルキル基であり、eは50〜4,997、好ましくは60〜3,000の整数であり、fは1〜1,000、好ましくは10〜500の整数であり、gは0〜100、好ましくは0〜50の整数であり、hは1〜2,000、好ましくは10〜1,000の整数である。)
ここで、Rf1の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2016182772
(式中、破線は結合手を示す。)
(A)成分は、通常、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状低分子シロキサンと、アルケニル基含有有機基を含む環状低分子シロキサンと、フルオロアルキル基を含む環状低分子シロキサンなどを、触媒を用いて開環重合させて製造するが、重合後は原料である環状低分子シロキサンを含有しているため、これを加熱及び減圧下で、反応生成物中に不活性気体を通気させながら、留去したものを用いることが好ましい。
(A)成分は、単一のものを用いてもよいが、下記(A−1)成分及び/又は下記(A−2)成分を用いることが好ましく、下記(A−1)成分及び/又は下記(A−2)成分を混合して用いることがより好ましい。
(A−1)成分は、上記(A)成分において、アルケニル基が100g中に0.001モル以上0.03モル未満含まれるオルガノポリシロキサンである。
また、(A−2)成分は、上記(A)成分において、アルケニル基が100g中に0.03〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサンである。
(A−1)成分と(A−2)成分の相違点は、アルケニル基の含有量であり、(A−2)成分の方が(A−1)成分よりもアルケニル基量が多い。(A−1)成分と(A−2)成分とを混合して用いた場合、架橋密度が異なる原料を用いることでシリコーン粘着剤に対する剥離性を良好にすることができ、この明確な理由はわかっていないが、架橋密度の小さなネットワークが表面に配向することで剥離性を良好にすることができるものと推測している。
(A−1)成分に含まれるアルケニル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.001モル以上0.03モル未満であり、0.002〜0.025モルであるものが好ましく、0.004〜0.02モルであるものがより好ましい。(A−1)成分に用いるアルケニル基の量が0.001モル以上であると基材に対する密着性を得ることができ、0.03モル未満であるとシリコーン粘着剤に対する剥離性を得ることができる。
(A−2)成分に含まれるアルケニル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.03〜0.5モルであり、0.035〜0.45モルであるものが好ましく、0.04〜0.4モルであるものがより好ましい。(A−2)成分に用いるアルケニル基の量が0.03モル以上であるとシリコーン粘着剤に対する剥離性を得ることができ、0.5モル以下であると硬化性を得ることができる。
(A−1)成分と(A−2)成分とを用いる場合、(A)成分に含まれるアルケニル基の量が前記範囲となるように(A−1)成分と(A−2)成分を混合することが好ましい。この場合、(A−1)成分と(A−2)成分の混合質量比は、20:80〜80:20であり、好ましくは25:75〜75:25、より好ましくは30:70〜70:30である。(A−1)成分が質量比で20%より少ないとシリコーン粘着剤に対する剥離性が低下する場合があり、80%より多いと硬化性が低下する場合があり、また、(A−2)成分が質量比で80%より多いと基材に対する密着性が低下する場合があり、20%より少ないと特に貼り合わせて熱をかけたときのシリコーン粘着剤に対する剥離性が低下する場合がある。
[(B)成分]
(B)成分は1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、下記一般式(2)で表される構造のものが使用できる。
Figure 2016182772
(式中、R2はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基又は水素原子であり、R3はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、iは0〜100の整数であり、jは3〜80の整数である。)
上記式(2)において、R2は非置換もしくは置換の炭素数1〜10、特に炭素数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基又は水素原子である。また、R3は非置換もしくは置換の炭素数1〜10、特に炭素数1〜8の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基である。R2、R3の脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子などで置換された、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が例示される。R2、R3としては、これらの中でも脂肪族飽和炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
本発明においては、R2、R3の中で、少なくとも1個、好ましくは2〜10個のフルオロアルキル基を含むことが好ましい。これは、(A)成分と混合したときによく相溶させるためであり、フルオロアルキル基がないと(A)成分とうまく相溶せず、組成物にしたときに分離してしまう場合がある。フルオロアルキル基としては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロノニル基などが挙げられ、特に3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
上記式(2)において、iは0〜100、好ましくは0〜80の整数である。また、jは3〜80、好ましくは4〜70の整数である。
(B)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中のMeはメチル基を示す。
Figure 2016182772
(式中、Rf2は独立にフルオロアルキル基であり、i1は0〜99、好ましくは0〜80の整数であり、j1は3〜80、好ましくは4〜70の整数であり、i2は1〜40、好ましくは2〜30の整数であり、i1+i2は1〜100、好ましくは2〜80の整数である。)
ここで、Rf2の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2016182772
(式中、破線は結合手を示す。)
(B)成分は、通常、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状低分子シロキサンと、テトラメチルシクロテトラシロキサンなどのSi−H基を含有する環状低分子シロキサンなどを、酸触媒を用いて開環重合させて製造するが、重合後は原料である環状低分子シロキサンを含有しているため、これを加熱及び減圧下で、反応生成物中に不活性気体を通気させながら、留去したものを用いることが好ましい。
(B)成分の使用量は、(A)成分と下記(F)成分中の合計のアルケニル基に対する(B)成分中のSi−H基のモル比が1〜10となる量であり、特に1.2〜8の範囲となる量であることが好ましい。1未満では架橋密度が低くなり、硬化性が低下する。10を超えると硬化後に残存するSi−H基が多くなることでシリコーン粘着剤に対する剥離性が低下する。
[(C)成分]
(C)成分は、(A)成分及び後述する(F)成分中のアルケニル基と(B)成分中のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒である。この触媒の中心金属としては、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムなどの白金族金属が例として挙げられ、中でも白金が好適である。白金触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物などが挙げられる。
(C)成分の含有量としては、(A)成分の質量に対し、金属質量が1〜500ppmとなる量が好ましく、2〜450ppmとなる量がより好ましい。1ppm未満では、反応が遅く、硬化不十分となることにより、硬化皮膜の剥離力の各種特性が発揮されない。500ppmを超えると、硬化皮膜の柔軟性が乏しくなる。
[(D)成分]
(D)成分は反応制御剤であり、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物を調合ないし基材に塗工する際に、加熱硬化の以前に付加反応が開始して処理液が増粘やゲル化を起こさないようにするために任意に添加する成分である。反応制御剤は付加反応触媒である白金族金属に配位して付加反応を抑制し、加熱硬化させるときには配位がはずれて触媒活性が発現する。付加反応硬化型シリコーン組成物に従来使用されている反応制御剤はいずれも使用することができる。具体例としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、マレイン酸エステル、アジピン酸エステル等が挙げられる。
反応制御剤を配合する場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜5質量部、特に0.05〜3質量部であることが好ましい。反応制御剤が少なすぎると反応を抑制できず、作業前に組成物が硬化してしまう場合があり、多すぎると反応が遅くなり硬化が不十分となる場合がある。
[(E)成分]
(E)成分は有機溶剤であり、組成物の粘度を低くして作業性を向上させる、あるいは基材へ塗工したときの濡れ性を改善するためなどに使用される任意成分である。有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、工業用ガソリン(ゴム揮発油等)、石油ベンジン、ソルベントナフサなどの炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、2−ブトキシエチルアセタートなどのエステルとエーテル部分を有する溶剤、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シランなどのシロキサン系溶剤、トリフルオロトルエン、ヘキサフルオロキシレン、メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテルなどのフッ素系溶剤、又はこれらの混合溶剤などが挙げられ、使用するのに好ましいのは工業用ガソリン(ゴム揮発油等)やイソパラフィンである。
(E)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して0〜2,000質量部、特に20〜1,800質量部が好ましい。(E)成分が2,000質量部を超えると有効成分の量が少なくなることで塗工量が不足し、十分な剥離性が得られない場合がある。
[(F)成分]
(F)成分は、アルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサンであり、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)にのみ配合される成分である。
(F)成分をシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)に添加することで、該組成物で処理された第2の剥離基材の粘着層に対する剥離力を大きくすることができる。シリコーン粘着剤用剥離剤組成物は、前述したようにフッ素含有有機基で修飾されたオルガノポリシロキサンをベースに用いた剥離剤が使われることが多い。このような組成物に、一定のアルケニル基含有有機基を含有し、フルオロアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサンを添加することで、基材上に硬化皮膜を形成したときにフッ素含有有機基で修飾されたオルガノポリシロキサンと完全に混じりあわずに海島構造となるために剥離力が大きくなると推測される。
(F)成分としては、下記平均組成式(3)で表され、アルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサンであるものが好ましい。
Figure 2016182772
(式中、R4は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基である。kは2以上の整数、lは1以上の整数、m及びnは0以上の整数で、50≦k+l+m+n≦1,500である。)
上記式(3)中、R4は炭素数1〜10、好ましくは1〜8の脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基又は炭素数2〜10、好ましくは2〜8のアルケニル基含有有機基であり、そのうちアルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まない。
4の脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられ、これらの中でもメチル基、フェニル基が好ましい。
また、炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基等のアクリロイルアルキル基及びメタクリロイルアルキル基、シクロヘキセニルエチル基等のシクロアルケニルアルキル基、ビニルオキシプロピル基等のアルケニルオキシアルキル基などが挙げられる。これらの中でも特にビニル基が好ましい。
(F)成分に含まれるアルケニル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.001〜0.1モルであり、好ましくは0.0015〜0.08モルであり、より好ましくは0.002〜0.06モルである。0.001モルよりも少ないと硬化皮膜の外観が悪化し、0.1モルより多いと剥離力を大きくする効果が弱くなる。
上記式(3)におけるk〜nについて、kは2以上、好ましくは2〜6の整数、lは1以上、好ましくは48〜1,498の整数、m及びnは0以上、好ましくは0〜5の整数で、k+l+m+nは50〜1,500であり、好ましくは80〜1,400であり、更に好ましくは100〜1,200である。k+l+m+nが小さすぎると、十分に剥離力を大きくすることができない場合があり、大きすぎると、硬化皮膜の外観が悪化する場合がある。
(F)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中のMe,Vi,Phはそれぞれメチル基、ビニル基、フェニル基を示す。
Figure 2016182772
(式中、oは48〜1,498、好ましくは78〜1,398の整数であり、pは1〜20、好ましくは2〜15の整数であり、q1は47〜1,497、好ましくは78〜1,397の整数であり、q2は1〜1,496、好ましくは2〜1,396の整数であり、rは1〜1,449、好ましくは78〜1,349の整数であり、p+q1及びp+q2+rはそれぞれ48〜1,498の整数である。)
Figure 2016182772
(式中、sは5〜1,491、好ましくは10〜1,398の整数であり、tは5〜1,491、好ましくは10〜1,398の整数であり、uは0〜1,476、好ましくは0〜1,376の整数であり、vは1〜739、好ましくは1〜689の整数である。)
(F)成分は、通常、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状低分子シロキサンと、アルケニル基含有有機基を含む環状低分子シロキサンなどを、触媒を用いて開環重合させて製造するが、重合後は原料である環状低分子シロキサンを含有しているため、これを加熱及び減圧下で、反応生成物中に不活性気体を通気させながら、留去したものを用いることが好ましい。
シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(F)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対して1〜25質量部であり、好ましくは2〜20質量部である。1質量部未満では十分に剥離力を大きくできず、25質量部を超えるとシリコーン粘着剤に対する剥離性が悪くなる。
本発明のシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)は、それぞれ上記各成分の所定量を配合することによって得られるが、更に、光重合開始剤、酸化防止剤、反応性希釈剤、レベリング剤、充填剤、帯電防止剤、消泡剤、顔料等のその他の成分を必要に応じて本発明の目的、効果を損なわない範囲で添加することができる。
本発明におけるシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)は、上記(A)、(B)成分及び任意成分を予め均一に混合した後、(C)成分を使用直前に添加することが望ましい。
また、本発明におけるシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)は、上記(A)、(B)、(F)成分及び任意成分を予め均一に混合した後、(C)成分を使用直前に添加することが望ましい。
前述した(A)〜(C)成分及び必要により(D)、(E)成分、その他の成分を含むシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)と、該組成物(I)に(F)成分を加えたシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)とでは、(F)成分の添加により、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を基材に塗工/硬化させた剥離基材上にシリコーン粘着剤組成物を塗工/硬化させ、別の基材を貼り合わせて、貼り合わせた基材と粘着剤とを上記剥離基材から剥がすときの剥離力が、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を基材に塗工/硬化させた剥離基材のそれよりも大きくなる。
[積層体の作製方法]
本発明の積層体は、前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理された第2の剥離基材を用意し、該剥離基材の処理面上にシリコーン粘着剤組成物を塗工、硬化させて粘着剤層を形成した後、前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理された第1の剥離基材を貼り合わせることにより得られる。
上記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を基材に塗工/硬化させた第2の剥離基材上にシリコーン粘着剤組成物を塗工/硬化させ、上記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を基材に塗工/硬化させた第1の剥離基材を貼り合わせることで、両者の剥離基材で剥離力差が生じる。これにより、先に剥離力が小さいシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理した第1の剥離基材を選択的に剥がすことが可能となり、泣き別れを防ぐことができる。シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理した第1の剥離基材を剥がした後、粘着層を対象に貼り合わせ、次いでシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理した第2の剥離基材を剥がしてできた粘着層面を別の対象に貼り合わせることで、基材のないシリコーン粘着シートを作製することができる。
ここで、このシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)を塗工する基材としては、紙やプラスチックフィルム、ガラス、金属が選択される。紙としては、上質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、クラフト紙などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムなどが挙げられる。ガラスとしては、厚みや種類などについて特に制限はなく、化学強化処理などをしたものでもよい。また、ガラス繊維も適用でき、ガラス繊維は単体でも他の樹脂と複合したものを使用してもよい。金属としては、アルミニウム箔、銅箔、金箔、銀箔、ニッケル箔などが例示される。剥離フィルムとして使用する場合にはポリエステルフィルムが好ましい。
シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)の基材への塗工方法は、公知の塗工方式を用いて塗工すればよく、例えば、ワイヤーバー、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工等が挙げられる。
シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)の基材への塗工量は、それぞれ硬化後の固形分で0.1〜2g/m2の範囲、特に0.2〜1.8g/m2の範囲が好ましく、硬化条件としては80〜180℃、特に90〜160℃で10〜180秒、特に15〜150秒加熱すればよいが、この限りではない。
本発明の粘着層は、以下の成分を含有するシリコーン粘着剤組成物を硬化させたものであることが好ましい。
(G)下記平均組成式(4)
5 wSiO(4-w)/2 (4)
(式中、R5は独立に炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、wは1.8〜2.2の正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基を有し、アルケニル基が100g中に0.0007〜0.05モル含まれるオルガノポリシロキサン、
(H)R6 3SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、(R6 3SiO1/2単位)/(SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1であるオルガノポリシロキサン(R6は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。)、
(I)下記平均組成式(6)で表され、1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
7 yzSiO(4-y-z)/2 (6)
(式中、R7は独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、y、zはy>0、z>0で、0<y+z≦3を満足する正数である。)
(J)白金族金属系触媒、
(K)反応制御剤。
[シリコーン粘着剤組成物]
以下に、シリコーン粘着剤組成物の各成分について詳述する。
[(G)成分]
(G)成分は、下記平均組成式(4)で表され、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基を有し、アルケニル基が100g中に0.0007〜0.05モル含まれるオルガノポリシロキサンである。
5 wSiO(4-w)/2 (4)
(式中、R5は独立に炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、wは1.8〜2.2、好ましくは1.9〜2.1の正数である。)
上記式(4)中、R5は炭素数1〜10、好ましくは1〜8の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10、好ましくは2〜8のアルケニル基含有有機基であり、そのうち2個以上がアルケニル基含有有機基である。
5の炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子などで置換された、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が例示される。これらの中でも脂肪族飽和炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が好ましく、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
また、炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基としては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、アクリロイルプロピル基、アクリロイルメチル基、メタクリロイルプロピル基等のアクリロイルアルキル基及びメタクリロイルアルキル基、シクロヘキセニルエチル基等のシクロアルケニルアルキル基、ビニルオキシプロピル基等のアルケニルオキシアルキル基などが挙げられ、特にビニル基が好ましい。
(G)成分に含まれるアルケニル基の量は、オルガノポリシロキサン100gあたり0.0007〜0.05モルであり、0.001〜0.04モルであることが好ましく、0.001〜0.03モルであることがより好ましい。0.0007モルよりも少ないと架橋密度が小さくなりシリコーン粘着剤層の凝集破壊が生じる場合があり、0.05モルよりも多いとシリコーン粘着剤層が硬くなり、適切な粘着力やタックが得られない場合がある。
(G)成分としては、下記一般式(5)で表されるものを例示することができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2016182772
(式中、R5は上記と同じであり、そのうち2個以上がアルケニル基含有有機基である。xは50〜15,000の整数である。)
上記式(5)におけるxは、50〜15,000、好ましくは200〜12,000の正数である。50より小さい場合、架橋点が多くなりすぎることで反応性が低下する場合があり、15,000より大きい場合、組成物の粘度が非常に高くなるため撹拌混合しにくくなるなど作業性が悪くなる場合がある。
(G)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中のMe,Vi,Phはそれぞれメチル基、ビニル基、フェニル基を示す。
Figure 2016182772
(式中、x1は50以上、好ましくは100〜14,997の整数であり、x2は1以上、好ましくは1〜100の整数であり、x3は1以上、好ましくは2〜150の整数である。)
(G)成分は、通常、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状低分子シロキサンと、アルケニル基含有有機基を含む環状低分子シロキサンなどを、触媒を用いて開環重合させて製造するが、重合後は原料である環状低分子シロキサンを含有しているため、これを加熱及び減圧下で、反応生成物中に不活性気体を通気させながら、留去したものを用いることが好ましい。
[(H)成分]
(H)成分は、R6 3SiO1/2単位(式中、R6は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。)とSiO4/2単位とを含み、(R6 3SiO1/2単位)/(SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1、好ましくは0.6〜0.9であるオルガノポリシロキサンである。このモル比が0.5未満では得られる硬化物の粘着力やタックが低下することがあり、1を超える場合には得られる硬化物の粘着力や保持力が低下することがある。
6は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、トリル基等の好ましくは炭素数6〜10のアリール基を挙げることができる。また、炭素数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基等を挙げることができる。R6としてはメチル基が好ましい。
(H)成分は、R6以外にシラノール基や加水分解性のアルコキシ基を含んでいてもよく、その含有量は、(H)成分の総質量の0.01〜4質量%となる量が好ましく、0.05〜3.5質量%となる量がより好ましい。0.01質量%よりも少ないと粘着剤の凝集力が低くなることがあり、4質量%よりも多いと粘着剤のタックが低下することがある。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等を挙げることができ、使用する場合にはメトキシ基が好ましい。
また、(H)成分は、本発明の特性を損なわない範囲でR6SiO3/2単位、R6 2SiO2/2単位(R6は上記と同じ)を含有することも可能である。R6SiO3/2単位及びR6 2SiO2/2単位を含有する場合、その割合は、(H)成分の総質量の1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
(H)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(H)成分は、触媒存在下において縮合反応させたものを使用してもよい。これは、(H)成分中に存在する加水分解性基同士を反応させる任意の前処理作業であり、得られる硬化物の粘着力の向上などの効果が見込める。具体的には、アルカリ性触媒を用い、室温〜還流下で反応させ、必要に応じて中和すればよい。
ここで、アルカリ性触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムブトキシドなどの金属アルコキシド;ブチルリチウムなどの有機金属;カリウムシラノレート;アンモニアガス、アンモニア水、メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの窒素化合物などが挙げられるが、アンモニアガス又はアンモニア水が好ましい。縮合反応の温度は、室温から有機溶剤の還流温度で行えばよい。反応時間は、特に限定されないが、0.5〜20時間、好ましくは1〜16時間とすればよい。
更に、反応終了後、必要に応じて、アルカリ性触媒を中和する中和剤を添加してもよい。中和剤としては、塩化水素、二酸化炭素などの酸性ガス;酢酸、オクチル酸、クエン酸などの有機酸;塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸などが挙げられる。アルカリ性触媒としてアンモニアガス又はアンモニア水、低沸点のアミン化合物を用いた場合は、窒素などの不活性ガスを通気し、留去してもよい。
(G)成分と(H)成分の質量比は、(G)/(H)=30/70〜70/30であり、好ましくは(G)/(H)=32/68〜65/35であり、より好ましくは(G)/(H)=33/67〜60/40である。(G)成分が30より少ないと得られる粘着剤の剥離性が低下する場合があり、70より多いと前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)とシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で形成された硬化皮膜に対する剥離力の差が小さくなる場合がある。
[(I)成分]
(I)成分は、1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、下記平均組成式(6)で表されるものである。
7 yzSiO(4-y-z)/2 (6)
(式中、R7は独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、y、zはy>0、z>0で、0<y+z≦3を満足する正数である。)
上記式(6)中、R7は非置換又は置換の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の1価炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子などで置換された、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が例示される。これらの中でも脂肪族不飽和結合を含まないものが好ましく、特に脂肪族飽和炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が好ましく、とりわけメチル基、フェニル基が好ましい。
上記式(6)において、yは、y>0、好ましくは1≦y<3の正数であり、zは、z>0、好ましくは1≦z<3の正数であり、かつy+zは、0<y+z≦3、好ましくは1〜2を満たす数である。
(I)成分としては、下記一般式(7)で表されるものを例示することができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2016182772
(式中、R7はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R8はそれぞれ独立に非置換もしくは置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基又は水素原子であり、Aは0〜100の整数であり、Bは3〜80の整数である。)
上記式(7)において、R7は非置換もしくは置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基である。また、R8は非置換もしくは置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基又は水素原子である。R7、R8の1価炭化水素基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子などで置換された、トリフルオロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が例示される。R7、R8としては、脂肪族不飽和結合を含まないものが好ましく、特に脂肪族飽和炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基が好ましく、とりわけメチル基、フェニル基が好ましい。
上記式(7)において、Aは0〜100、好ましくは0〜80の整数である。また、Bは3〜80、好ましくは4〜70の整数である。
(I)成分の具体的な構造を表したものとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中のMeはメチル基を示す。
Figure 2016182772
(式中、A1は0〜100、好ましくは0〜80の整数であり、B1は3〜80、好ましくは4〜70の整数である。)
(I)成分は、通常、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状低分子シロキサンと、テトラメチルシクロテトラシロキサンなどのSi−H基を含有する環状低分子シロキサンを、酸触媒を用いて開環重合させて製造するが、重合後は原料である環状低分子シロキサンを含有しているため、これを加熱及び減圧下で、反応生成物中に不活性気体を通気させながら、留去したものを用いることが好ましい。
(I)成分の使用量は、(G)成分及び(H)成分中のアルケニル基に対する(I)成分中のSi−H基のモル比が0.2〜20となる量が好ましく、0.5〜18となる量がより好ましい。上記モル比が0.2未満では架橋密度が低くなり、これにより得られる硬化物の凝集力、保持力が低くなることがある。20を超えると架橋密度が高くなり、得られる硬化物の適度な粘着力及びタックが得られないことがある。
[(J)成分]
(J)成分は、(G)成分及び(H)成分中のアルケニル基と(I)成分中のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒である。この触媒の中心金属としては、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムなどの白金族金属が例として挙げられ、中でも白金が好適である。白金触媒としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物などが挙げられる。
(J)成分の含有量としては、(G)〜(I)成分の総質量に対し、金属質量が1〜500ppmとなる量が好ましく、2〜450ppmとなる量がより好ましい。1ppm未満では、反応が遅く、硬化不十分となることにより、得られる硬化物の粘着力や保持力の各種特性が発揮されないことがある。500ppmを超えると、得られる硬化物の柔軟性が乏しくなることがある。
[(K)成分]
(K)成分は反応制御剤であり、シリコーン粘着剤組成物を調合ないし基材に塗工する際に、加熱硬化の以前に付加反応が開始して処理液が増粘やゲル化を起こさないようにするために添加する成分である。反応制御剤は付加反応触媒である白金族金属に配位して付加反応を抑制し、加熱硬化させるときには配位がはずれて触媒活性が発現する。付加反応硬化型シリコーン組成物に従来使用されている反応制御剤はいずれも使用することができる。具体例としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニルシクロヘキサノール、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、マレイン酸エステル、アジピン酸エステル等が挙げられる。
反応制御剤を配合する場合の配合量は、(G)〜(I)成分の合計100質量部に対して0.01〜5質量部、特に0.05〜3質量部であることが好ましい。反応制御剤が少なすぎると反応を抑制できず、作業前に組成物が硬化してしまう場合があり、多すぎると反応が遅くなり硬化が不十分となる場合がある。
シリコーン粘着剤組成物は、上記(G)〜(I)成分及び(K)成分を予め均一に混合した後、(J)成分を使用直前に添加することが望ましい。
[粘着層]
本発明の粘着層は、上記シリコーン粘着剤組成物を硬化させることにより得られる。本発明においては、上述したシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を基材に塗工/硬化させた第2の剥離基材上の剥離剤処理面にシリコーン粘着剤組成物を塗工/硬化させることが好ましい。
この場合、シリコーン粘着剤組成物の塗工方法は、公知の塗工方式を用いて塗工すればよく、例えば、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工等が挙げられる。
シリコーン粘着剤組成物の塗工量について特に制限はないが、硬化後の厚みが0.1〜300μmとなる量とすることができ、好ましくは0.5〜200μmとなる量である。シリコーン粘着剤組成物の硬化条件としては、80〜150℃で10秒〜10分とすればよいがこの限りではない。
得られた第2の剥離基材上の粘着層面に、上述したシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を基材に塗工/硬化させた第1の剥離基材上の剥離剤処理面を貼り合わせることにより積層体が得られる。
ここで、粘着層と第1の剥離基材との貼り合わせは特に限定されず、貼り合わせた後に荷重はかけてもかけなくてもよく、−20〜100℃、好ましくは室温(25℃)〜70℃で任意の時間貼り合わせることができる。
上記の作製方法により得られた積層体は、該積層体から第1の剥離基材を剥離後、粘着層面を対象に貼り合わせ、その状態から次に第2の剥離基材を剥離後、先程貼り合わせた粘着層面と反対の粘着層面を別の対象に貼り合わせることにより、基材レス粘着シートとして使用することができる。
この使用方法により得られた基材レス粘着シートは、例えば、パソコンや携帯電話といった電子端末のカバーガラスとタッチパネル、タッチパネルと液晶パネルなどの貼り合わせ、スマートフォン、タブレット端末、カーナビのディスプレイ、券売機、筐体ゲーム機、ATM、プリクラの操作端末、カラオケのリモコン、レジ用端末などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、下記例において、Meはメチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表す。
実施例及び比較例のシリコーン粘着剤用剥離剤組成物の剥離力、泣き別れ現象の有無及び粘着力の評価方法を下記に示す。
<シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)の剥離力1>
厚み50μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムに、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を硬化後の固形分が0.5g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して140℃/30秒で風乾させることで剥離基材を作製した。また、厚み25μmのPETフィルムに、シリコーン粘着剤組成物を硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、130℃/1分の条件で加熱し硬化させて粘着層を形成したフィルムを作製し、この粘着層と前述の剥離基材の硬化皮膜面とを貼り合わせ25mm幅に切断したテープを作製した。このテープを2kgローラーで1往復させて圧着してエージングさせ、引っ張り試験機を用いて厚み25μmのPETフィルムと粘着層を厚み50μmの剥離基材から、180°方向に0.3m/分の速度で剥離したときの剥離力を測定した。なお、エージングは下記の2条件とした。
・25℃で70g/m2の圧力をかけて1日静置
・70℃で20g/m2の圧力をかけて7日静置
<シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)の剥離力2>
厚み50μmのPETフィルムに、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を硬化後の固形分が0.5g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して140℃/30秒で風乾させることで剥離基材を作製した。この剥離基材を25mm幅に切断し、切断した剥離基材の硬化皮膜表面にシリコーン粘着剤組成物を硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、130℃/1分の条件で加熱し硬化させて粘着層を形成したフィルムを作製した。フィルムの粘着層に厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、貼り合わせた方のフィルムも粘着層の幅に合わせ25mm幅に切断したテープを作製した。このテープを2kgローラーで1往復させて圧着してエージングさせ、引っ張り試験機を用いて厚み25μmのPETフィルムと粘着層を厚み50μmの剥離基材から、180°方向に0.3m/分の速度で剥離したときの剥離力を測定した。なお、エージングは下記の2条件とした。
・25℃で70g/m2の圧力をかけて1日静置
・70℃で20g/m2の圧力をかけて7日静置
<泣き別れ現象の有無>
厚み50μmのPETフィルムに、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を硬化後の固形分が0.5g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して140℃/30秒で風乾させることで第2の剥離基材を作製した。この第2の剥離基材を25mm幅に切断し、切断した基材の硬化皮膜表面にシリコーン粘着剤組成物を硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、130℃/1分の条件で加熱し硬化させて粘着層を形成したフィルムを作製した。また、厚み50μmのPETフィルムに、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を硬化後の固形分が0.5g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して140℃/30秒で風乾させることで第1の剥離基材を作製した。第1の剥離基材の硬化皮膜表面と上記粘着層を形成したフィルムの粘着層とを貼り合わせて25mm幅に切断し、粘着層を含む積層体を作製した。この積層体のシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理した第1の剥離基材を剥がすときに、泣き別れが生じるかどうかを目視で確認した。
○: 泣き別れが生じない
×: 泣き別れが生じる
<粘着力>
前記剥離力2の測定において剥離した粘着層を有するフィルムをステンレススチール板に貼りつけて2kgローラーで1往復させて圧着して室温で2時間静置した後、引っ張り試験機を用いて180゜方向に0.3m/分の速度で粘着層を有するフィルムをステンレススチール板から引き剥がすのに要する力を粘着力(N/25mm)とした。
[実施例1]
(A−1)成分として下記平均組成式(a−1)で表されるジメチルポリシロキサン55.5質量部(100gあたりフルオロアルキル基0.28モル、ビニル基0.0035モル含有)、
Figure 2016182772
(A−2)成分として下記平均組成式(a−2)で表されるジメチルポリシロキサン45.5質量部(100gあたりフルオロアルキル基0.28モル、ビニル基0.038モル含有)、
Figure 2016182772
(B)成分として下記平均組成式(b−1)で表されるジメチルポリシロキサン12.6質量部、
Figure 2016182772
(D)成分としてエチニルシクロヘキサノール3質量部、
(E)成分としてゴム揮発油25質量部
を混合し、組成物(I)を作製した((B)成分中のSi−H基は、(A)成分中のビニル基に対しモル比で2.0倍)。
また、上記組成物(I)に、
(F)成分として下記平均組成式(f−1)で表されるジメチルポリシロキサン10質量部(100gあたりビニル基0.0025モル含有)
Figure 2016182772
を添加して組成物(II)を作製した((B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
それぞれの組成物に、
(C)成分として1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体の白金分を0.5質量%含むトルエン溶液5質量部
を添加し、ヘキサンとメチルエチルケトンを質量比1:1で混合した溶液で固形分が12質量%となるように希釈することで、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)を作製した。
シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を用いて上記剥離力1を、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)を用いて上記剥離力2をそれぞれ測定後、上記粘着力を測定した。また、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び(II)を用いて上記泣き別れ現象の有無を確認した。
なお、シリコーン粘着剤組成物は、下記のように作製した。
(G)成分として下記平均組成式(g−1)で表されるジメチルポリシロキサン35質量部(100gあたりビニル基0.0009モル含有)、
Figure 2016182772
(H)成分としてMe3SiO1/2単位及びSiO2単位を含有し、(Me3SiO1/2単位)/(SiO2単位)のモル比が0.85であるメチルポリシロキサン(h)の60質量%トルエン溶液を不揮発分として65質量部、
(I)成分として下記平均組成式(I−1)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン0.23質量部、
Figure 2016182772
(K)成分としてエチニルシクロヘキサノール0.25質量部
を混合し、トルエンで希釈して有効成分60質量%の組成物を得た。
得られた組成物100質量部に、トルエン50質量部を加え、
(J)成分として1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体の白金分を0.5質量%含むトルエン溶液0.5質量部
を添加し、シリコーン粘着剤組成物を作製した((I)成分中のSi−H基は、(G)成分中のビニル基に対しモル比で11.4倍)。
[実施例2]
(F)成分として下記平均組成式(f−2)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.0036モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
Figure 2016182772
[実施例3]
(F)成分として下記平均組成式(f−3)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.0053モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
Figure 2016182772
[実施例4]
(F)成分として下記平均組成式(f−4)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.006モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
Figure 2016182772
[実施例5]
(F)成分として下記平均組成式(f−5)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.012モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.8倍)。
Figure 2016182772
[実施例6]
(F)成分として下記平均組成式(f−6)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.028モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.7倍)。
Figure 2016182772
[実施例7]
(F)成分として下記平均組成式(f−7)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0.0038モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
Figure 2016182772
[実施例8]
(F)成分として(f−2)で表されるジメチルポリシロキサンの添加量を5質量部とした以外は、実施例2と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
[実施例9]
(F)成分として(f−2)で表されるジメチルポリシロキサンの添加量を7.5質量部とした以外は、実施例2と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
[実施例10]
(F)成分として(f−2)で表されるジメチルポリシロキサンの添加量を15質量部とした以外は、実施例2と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
[実施例11]
(F)成分として(f−2)で表されるジメチルポリシロキサンの添加量を20質量部とした以外は、実施例2と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
[比較例1]
実施例1において、(F)成分を用いず、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)のみを用いて(即ち、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)の代わりにシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)を用いて)剥離力1と剥離力2を測定後、粘着力を測定し、泣き別れ現象の有無を確認した。
[比較例2]
(F)成分として下記平均組成式(f−8)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりフルオロアルキル基0.12モル、ビニル基0.0081モル含有)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分と(F)成分に含まれる合計のビニル基に対しモル比で1.9倍)。
Figure 2016182772
[比較例3]
(F)成分として下記平均組成式(f−9)で表されるジメチルポリシロキサン(100gあたりビニル基0モル)を使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分中のビニル基に対しモル比で2.0倍)。
Figure 2016182772
[比較例4]
(F)成分として前記(b−1)で表されるジメチルポリシロキサンを使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分と(F)成分に含まれる合計のSi−H基は、(A)成分中のビニル基に対しモル比で3.5倍)。
[比較例5]
(F)成分として前記(h)で表されるメチルポリシロキサンを使用した以外は、実施例1と同様にした(シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)における(B)成分中のSi−H基は、(A)成分中のビニル基に対しモル比で2.0倍)。
[比較例6]
特許第5553395号公報に記載の剥離剤組成物Iaで作製した剥離基材を用いて剥離力1と剥離力2を測定後、粘着力を測定し、泣き別れ現象の有無を確認した。即ち、
下記式(a−3)で表されるジメチルポリシロキサン9.73質量部、
Figure 2016182772
下記式(b−2)で表されるジメチルポリシロキサン0.27質量部((b−2)成分中のSi−H基は、(a−3)成分中のビニル基に対しモル比で2.0倍)、
Figure 2016182772
3−メチル−1−ブチン−3−オール0.02質量部、メタキシレンヘキサフロライド190質量部、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯塩を(a−3)に対して白金金属質量が30ppmとなるように混合し、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物を作製した。この組成物を、厚み50μmのPETフィルムに、硬化後の固形分が0.2g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して150℃/1分で風乾させることで剥離基材を作製した。
[比較例7]
特許第5553395号公報に記載の剥離剤組成物Ibで作製した剥離基材を用いて剥離力1と剥離力2を測定後、粘着力を測定し、泣き別れ現象の有無を確認した。即ち、
下記式(a−4)で表されるジメチルポリシロキサン9.06質量部、
Figure 2016182772
下記式(b−2)で表されるジメチルポリシロキサン0.94質量部((b−2)成分中のSi−H基は、(a−4)成分中のビニル基に対しモル比で2.5倍)、
Figure 2016182772
3−メチル−1−ブチン−3−オール0.02質量部、ジイソプロピルエーテル190質量部、塩化白金酸/ビニルシロキサン錯塩を(a−3)に対して白金金属質量が30ppmとなるように混合し、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物を作製した。この組成物を、厚み50μmのPETフィルムに、硬化後の固形分が0.2g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工して150℃/1分で風乾させることで剥離基材を作製した。
Figure 2016182772
表1の結果より、実施例1〜11では、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)として本発明の(F)成分を添加した組成物で基材を処理することで、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理された基材との間で剥離力の差を大きくすることができ、一方の(第1の)剥離基材を剥がすときに泣き別れ現象の発生を抑制できた。これにより、粘着層を被着体に貼り合わせてから他方の(第2の)剥離基材を剥がすことができ、基材レスのシリコーン粘着シートを作製することができた。また、シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理された剥離基材を剥がした後の粘着層においても良好な粘着性を維持していることを確認した。
比較例1では、同じシリコーン粘着剤用剥離剤組成物を用いていることから、2つの剥離基材の剥離力差が小さいために泣き別れ現象が生じた。
比較例2〜5では、種々の添加剤を使用して剥離力差を大きくする検討をした。フルオロアルキル基を含む(f−8)で表されるジメチルポリシロキサンを添加しても2つの剥離基材の剥離力差を大きくすることができず泣き別れ現象が生じた(比較例2)。アルケニル基を含まない(f−9)で表されるジメチルポリシロキサンの添加も同様に泣き別れ現象が生じた(比較例3)。
(b−1)で表されるジメチルポリシロキサンの添加により、残存するSi−H基を多くすることで剥離力差を大きくしようと試みたが、効果は限定的であった(比較例4)。
(h)で表されるメチルポリシロキサンはシリコーン粘着剤組成物の粘着付与剤であり、重剥離成分として使用されることもあるが、添加することによってジッピングが生じてしまい不適だった(比較例5)。
比較例6、7では、室温での貼り合わせでは剥離力差があり泣き別れ現象が生じないものの、熱をかけた貼り合わせの場合、剥離力差が小さくなることで泣き別れ現象が生じてしまった。

Claims (12)

  1. 第1の剥離基材、
    粘着層、
    第2の剥離基材
    をこの順に積層してなる構造を含む積層体であり、第1の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)及び必要により(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理され、第2の剥離基材の剥離面(粘着層と接する面)が、下記(A)〜(C)、(F)及び必要により(E)成分を含有するシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理されていることを特徴とする積層体。
    (A)下記平均組成式(1)
    Figure 2016182772
    (式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、R1のうち少なくとも2個は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基を含み、R1のうち少なくとも1個は炭素数1〜10のフルオロアルキル基を含む。aは2以上の整数、bは1以上の整数、c及びdは0以上の整数で、50≦a+b+c+d≦5,000である。)
    で表され、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分と下記(F)成分のアルケニル基の合計に対し、Si−H基がモル比で1〜10となる量、
    (C)(A)成分と下記(F)成分のアルケニル基と(B)成分のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒:金属質量が(A)成分に対して1〜500ppmとなる量、
    (E)有機溶剤:0〜2,000質量部、
    (F)アルケニル基を100g中に0.001〜0.1モル含み、かつフルオロアルキル基を含まないオルガノポリシロキサン:1〜25質量部。
  2. シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)及び/又はシリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)において、更に、(D)反応制御剤を(A)成分100質量部に対し、0.01〜5質量部含む請求項1に記載の積層体。
  3. (A)成分が、(A−1)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.001モル以上0.03モル未満含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサン及び/又は(A−2)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有し、アルケニル基が100g中に0.03〜0.5モル含まれ、フルオロアルキル基が100g中に0.1〜0.5モル含まれるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. (A)成分が、前記(A−1)成分と(A−2)成分とを含有し、(A−1)、(A−2)成分の割合が、(A−1):(A−2)=20:80〜80:20(質量比)であることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. (A)成分に含まれるフルオロアルキル基が、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロヘプチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−ペンタデカフルオロノニル基からなる群より選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. (B)成分がフルオロアルキル基を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. (B)成分に含まれるフルオロアルキル基が、3,3,3−トリフルオロプロピル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記粘着層が、
    (G)下記平均組成式(4)
    5 wSiO(4-w)/2 (4)
    (式中、R5は独立に炭素数1〜10の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくは置換の1価炭化水素基又は炭素数2〜10のアルケニル基含有有機基であり、wは1.8〜2.2の正数である。)
    で表される、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基含有有機基を有し、アルケニル基が100g中に0.0007〜0.05モル含まれるオルガノポリシロキサン:(G)及び(H)成分の合計100質量部中30〜70質量部、
    (H)R6 3SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、(R6 3SiO1/2単位)/(SiO4/2単位)がモル比で0.5〜1であるオルガノポリシロキサン(R6は独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素数1〜10の1価炭化水素基又は炭素数2〜6のアルケニル基である。):(G)及び(H)成分の合計100質量部中70〜30質量部、
    (I)下記平均組成式(6)で表され、1分子中に少なくとも3個のSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(G)及び(H)成分のアルケニル基の合計に対し、Si−H基がモル比で0.2〜20となる量、
    7 yzSiO(4-y-z)/2 (6)
    (式中、R7は独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、y、zはy>0、z>0で、0<y+z≦3を満足する正数である。)
    (J)(G)及び(H)成分のアルケニル基と(I)成分のSi−H基をヒドロシリル化付加して硬化させるための白金族金属系触媒:上記(G)〜(I)成分の総量に対し、金属量が1〜500ppmとなる量、
    (K)反応制御剤:(G)及び(H)成分の総量に対し、0.01〜5質量部
    を含むシリコーン粘着剤組成物の硬化物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記剥離基材の基材がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(II)で処理された第2の剥離基材を用意し、該剥離基材の処理面上にシリコーン粘着剤組成物を塗工、硬化させて粘着剤層を形成した後、前記シリコーン粘着剤用剥離剤組成物(I)で処理された第1の剥離基材を貼り合わせる請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体の作製方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体から第1の剥離基材を剥離後、粘着層面を対象に貼り合わせ、その状態から次に第2の剥離基材を剥離後、先程貼り合わせた粘着層面と反対の粘着層面を別の対象に貼り合わせる、基材レス粘着シートの使用方法。
  12. 請求項11に記載の使用方法により得られた基材レス粘着シートを含む物品。
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