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JP2016168974A - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents

ハイブリッド車両用駆動装置 Download PDF

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JP2016168974A
JP2016168974A JP2015051180A JP2015051180A JP2016168974A JP 2016168974 A JP2016168974 A JP 2016168974A JP 2015051180 A JP2015051180 A JP 2015051180A JP 2015051180 A JP2015051180 A JP 2015051180A JP 2016168974 A JP2016168974 A JP 2016168974A
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俊之 森尾
Toshiyuki Morio
俊之 森尾
翠 高宏
Takahiro Midori
高宏 翠
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】車両への搭載性が良好なハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両用駆動装置100は、エンジン軸1aを備えたエンジン1と、デファレンシャル17と、エンジントルクTeが入力される入力軸3aと、デファレンシャル17に回転連結された出力ギヤ3bとを備えた自動変速機3と、モータトルクTmを出力するとともに発電するモータジェネレータ2と、モータジェネレータ2に回転連結され、モータ軸21と、モータ軸21がエンジン軸1aに回転連結された第一連結状態と、モータ軸21がデファレンシャル17に連結された第二連結状態とを切り換える切換機構50と、を有し、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸21の軸心は、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動輪がエンジンとモータジェネレータによって駆動されるハイブリッド車両用駆動装置に関する。
従来から、特許文献1に示されるように、車両の駆動輪が、エンジンが出力するエンジントルクと、モータジェネレータが出力するモータトルクによって駆動されるハイブリッド車両用の駆動装置がある。特許文献1に示される駆動装置は、エンジン、モータジェネレータ、オートメイテッド・マニュアルトランスミッション(以下、AMTと略す)、及び接続装置を有する。モータジェネレータは、エンジンのエンジン軸とAMTの入力軸との間に、エンジン軸及び入力軸と同軸に設けられている。そして、モータジェネレータは、接続装置によってエンジン軸又は入力軸と選択的に接続される。
このように構成された駆動装置では、接続装置によってモータジェネレータをエンジン軸に接続させた後に、モータジェネレータを駆動させて、エンジンを始動させることができる。
特開2010−173381号公報
特許文献1に示される駆動装置では、エンジンの始動時において、モータジェネレータは減速機を介さずにエンジン軸に直接接続されるため、出力の大きなモータジェネレータを用いる必要があり、モータジェネレータのサイズが大きくなる。この結果、駆動装置のサイズが大きくなる。
また、エンジン軸、モータジェネレータ、及び入力軸が、直列に配置されているため、駆動装置の軸線方向のサイズが大きくなる。このため駆動装置の車両への搭載性が悪化する。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、車両への搭載性が良好なハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
上記の課題を解決するため、請求項1に係るハイブリッド車両用駆動装置の発明は、エンジントルクが入力されるエンジントルク入力部材と、車両の駆動輪が回転連結されたデファレンシャルと、前記エンジントルクが入力される入力軸と、前記デファレンシャルに回転連結された出力部材とを備え、前記入力軸の回転速度を前記出力部材の回転速度で除した減速比を可変に変更する変速機と、前記変速機と並列に設けられ、モータトルクを出力するとともに発電するモータジェネレータと、前記モータジェネレータに回転連結され、前記入力軸と並列に設けられたモータ軸と、前記モータ軸が前記エンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態と、前記モータ軸が前記デファレンシャルに連結された第二連結状態とを切り換える切換機構と、を有し、前記入力軸の軸心と前記デファレンシャルの回転中心を結んだ方向である第一方向について、前記モータ軸の軸心は、前記入力軸の軸心と前記デファレンシャルの回転中心との間に位置している。
入力軸と同軸に、変速機のギヤ等の部材が設けられている。また、デファレンシャルは、デファレンシャルと噛み合うギヤとの間で大きな減速比を得るために、その外径が大きくなっている。このため、入力軸と同軸に設けられた部材とデファレンシャルとの間には、スペースが存在する。そこで、上記したように、入力軸の軸心とデファレンシャルの回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸の軸心を、入力軸の軸心とデファレンシャルの回転中心との間に位置させている。これにより、モータ軸と同軸に設けられているモータジェネレータ等の部材を、入力軸と同軸に設けられた部材とデファレンシャルとの間に存在するスペースに配置させることができる。このため、ハイブリッド車両用駆動装置を小型化させることができ、ハイブリッド車両用駆動装置の車両への搭載性が良好となる。
また、モータジェネレータは変速機と並列に設けられ、モータ軸は入力軸と並列に設けられている。このため、モータジェネレータがエンジンのエンジン軸と変速機の入力軸との間に設けられている構成と比較して、ハイブリッド車両用駆動装置の軸線方向のサイズを小型化させることができ、ハイブリッド車両用駆動装置の車両への搭載性が良好となる。
第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置の説明図である。 図1に示す第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置を構成する各軸の配置図である。 ハイブリッド車両用駆動装置の各モードにおいて、ハイブリッド車両用駆動装置を構成する各要素の作動状態を示す作動表である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード1(エンジン始動)となっている状態におけるモータトルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード2(回生制動)となっている状態における回転トルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード3(モータトルクで駆動輪を駆動)となっている状態におけるモータトルク及びエンジントルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード4(停車時発電)となっている状態におけるエンジントルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード5(走行発電)となっている状態におけるエンジントルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード6(エンジントルクのみで駆動輪を駆動)となっている状態におけるエンジントルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード7(モータトルクで出力軸側から駆動輪を駆動)となっている状態におけるモータトルク及びエンジントルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード8(回生制動)となっている状態における回転トルクの伝達経路を示した図1に対応する図である。 別の実施形態のハイブリッド車両用駆動装置を構成する各軸の配置図である。 別の実施形態のハイブリッド車両用駆動装置を構成する各軸の配置図である。 第二実施形態のハイブリッド車両用駆動装置の説明図である。 図14に示す第二実施形態のハイブリッド車両用駆動装置を構成する各軸の配置図である。 第二実施形態のハイブリッド車両用駆動装置がモード1(エンジン始動)となっている状態におけるモータトルクの伝達経路を示した図14に対応する図である。
(ハイブリッド車両用駆動装置の構成)
図1及び図2に基づき、第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置100(以下単に、駆動装置100と略す)が搭載されたハイブリッド車両1000(以下単に、車両1000と略す)について説明する。なお、図1において、紙面の左右方向を、駆動装置100及び駆動装置100を構成する各要素の軸線方向とする。図1に示すように、車両1000は、駆動装置100、デファレンシャル17、ドライブシャフト18R、18L、駆動輪19R、19Lを有している。なお、本実施形態では、駆動輪19R、19Lは車両1000の前輪であり、車両1000は前輪駆動車である。
駆動装置100は、エンジン1、モータジェネレータ2、自動変速機3、トルクコンバータ4、インバータ5、バッテリ6、ロックアップコントロールバルブ7、制御部10、モータ軸21、出力軸22、第一ワンウェイクラッチ31、第二ワンウェイクラッチ32、遊星歯車機構40、切換機構50、第一スプロケット61、第二スプロケット62、チェーン63、第一接続部材65、第二接続部材66、第一ギヤ71、第二ギヤ72、第三ギヤ73、第一部材75、第二部材76、オイルポンプ80、及びハウジング90を有している。
モータジェネレータ2、自動変速機3、モータ軸21、出力軸22、第一ワンウェイクラッチ31、第二ワンウェイクラッチ32、遊星歯車機構40、切換機構50(後述の切換アクチュエータ56を除く)、第一スプロケット61、第二スプロケット62、チェーン63、第一接続部材65、第二接続部材66、第一ギヤ71、第二ギヤ72、第三ギヤ73、第一部材75、第二部材76、及びオイルポンプ80は、同一のハウジング90内に収納されている。
エンジン1は、エンジン軸1aを備えている。エンジン1は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用し、エンジントルクTeをエンジン軸1aに出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。
自動変速機3は、入力軸3a、出力ギヤ3b、複数の遊星歯車機構(不図示)、複数又は単一のATクラッチ(不図示)、複数又は単一のATブレーキ(不図示)を有している。入力軸3aは、エンジン軸1aと同軸に設けられている。入力軸3aには、エンジン軸1a及びトルクコンバータ4を介して、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが入力される。複数の遊星歯車機構は、入力軸3a及び出力ギヤ3bに回転連結されている。ATクラッチは、複数の遊星歯車機構の各要素(サンギヤ、キャリア、リングギヤ)同士を係脱可能に接続するものである。ATブレーキは、複数の遊星歯車機構の要素をハウジング90に係脱可能に連結するものである。本実施形態では、出力ギヤ3bは、入力軸3aと同軸に設けられている。
複数又は単一のATクラッチ及び複数又は単一のATブレーキからなる摩擦係合要素のそれぞれが、係合状態又は解放状態に選択的に切り換えられることにより、複数の遊星歯車機構の動力伝達経路が切り換えられる。複数の遊星歯車機構の動力伝達経路の切換によって、自動変速機3において、入力軸3aの回転速度を出力ギヤ3bの回転速度で除した減速比がそれぞれ異なる複数の変速段が形成される。このように、自動変速機3は、上記減速比を可変に変更するものである。各摩擦係合要素には、後述するオイルポンプ80によって油圧が供給される。各摩擦係合要素とオイルポンプ80の間には、オイルポンプ80によって供給された油圧を各摩擦係合要素に供給するか供給しないかを切り換えることにより、各摩擦係合要素を係合状態又は解放状態に選択的に切り換えるソレノイドバルブ(電磁弁)(不図示)が設けられている。このソレノイドバルブは、制御部10によって制御される。自動変速機3の構成については、特開2014−194237号公報や特開2014−101926号公報等に示されるように周知技術であるのでこれ以上の説明を省略する。
トルクコンバータ4は、エンジン1のエンジン軸1aと自動変速機3の入力軸3aの間に設けられている。トルクコンバータ4は、エンジン1からのエンジントルクTeを入力軸3aに伝達するものである。トルクコンバータ4は、カバー4a、ポンプインペラ4b、タービンランナ4c、及びロックアップクラッチ4dを有している。
カバー4aは、エンジン1のエンジン軸1aに接続されている。カバー4aの内部にはオイルが収容されている。ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)は、カバー4aに接続されている。このような構成により、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)は、カバー4aを介してエンジン軸1aに接続され、エンジン軸1aと一体回転し、エンジントルクTeが入力される。タービンランナ4cは、ポンプインペラ4bと対向して配置されている。タービンランナ4cは、入力軸3aに接続され、入力軸3aと一体回転する。ポンプインペラ4bとタービンランナ4cの間には、上記オイルが満たされている。エンジン1が出力するエンジントルクTeによってポンプインペラ4bが回転すると、ポンプインペラ4bの回転によって発生するオイルの螺旋流により、エンジントルクTeが増幅されてタービンランナ4cに伝達される。
ロックアップクラッチ4dは、カバー4aとタービンランナ4cとを直結又は切断することにより、エンジン軸1aと入力軸3aとが直結したロックアップ状態と、エンジン軸1aと入力軸3aとを切断して、エンジン軸1aと入力軸3aとの間に回転差が生じるトルクコンバータ状態とに切り換えるものである。ロックアップクラッチ4dは、ピストン4d1、摩擦材4d2、及びダンパー4d3を備えている。
ピストン4d1は、円板形状であり、タービンランナ4cに相対回転不能且つ軸線方向に沿って移動可能に取り付けられている。ピストン4d1の外縁は、カバー4aの内周壁面と密接又は近接している。ピストン4d1は、カバー4aの内部を液密に区画している。ピストン4d1とカバー4aのタービンランナ4c側の内面との間には、液密な第一室45が形成されている。ピストン4d1とカバー4aのエンジン軸1a側の内面との間には、液密な第二室46が形成されている。摩擦材4d2は、ピストン4d1のエンジン軸1a側のカバー4aの内壁面と対向する位置に設けられている。
第一室45に油圧が供給されると、ピストン4d1がエンジン軸1a側に移動して、摩擦材4d2がカバー4aのエンジン軸1a側の内壁面に押し付けられる。すると、カバー4aとタービンランナ4cとが直結して、トルクコンバータ4がロックアップ状態となる。すると、エンジン軸1aと入力軸3aとが直結し、オイルによるトルク伝達に比べて、エンジン軸1aと入力軸3a間におけるトルクの伝達ロスが低減される。
一方で、第二室46に油圧が供給されると、ピストン4d1がタービンランナ4c側に移動し、摩擦材4d2がカバー4aのエンジン軸1a側の内壁面から離れ、カバー4aとタービンランナ4cとの直結が解除され、トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態となる。すると、エンジントルクTeが、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cの間にあるオイルによって増幅されて、ポンプインペラ4bからタービンランナ4cに伝達される。
ピストン4d1には、コイルスプリング等の弾性体で構成されたダンパー4d3が設けられている。トルクコンバータ4がロックアップ状態となった場合に、ダンパー4d3が変位(伸縮)することにより、エンジン1から入力軸3aに入力されるエンジントルクTeのトルク変動が吸収される。
ロックアップコントロールバルブ7には、後述するオイルポンプ80からオイルが供給される。そして、ロックアップコントロールバルブ7は、制御部10からの制御信号によって、供給されたオイルによる油圧を第一室45及び第二室46のいずれかに供給することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。
第一接続部材65は、円筒形状である。第一接続部材65には、入力軸3aが挿通している。第一接続部材65は、入力軸3aと同軸に、入力軸3aに対して相対回転可能に、入力軸3aに設けられている。第二スプロケット62は、第一接続部材65によって、ポンプインペラ4bに接続されている。このような構造によって、第二スプロケット62(第二連結部材)は、エンジン軸1a、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)及び入力軸3aと同軸に設けられ、第一接続部材65を介してポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結され、ポンプインペラ4b及びカバー4aを介して、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。
モータ軸21及び出力軸22は、入力軸3aと並列に設けられている。出力軸22には、第一ギヤ71及び第二ギヤ72が固定されている。第一ギヤ71のピッチ円直径は、第二ギヤ72のピッチ円直径よりも大きくなっている。第一ギヤ71は、自動変速機3の出力ギヤ3bと噛み合っている。
デファレンシャル17は、一対のドライブシャフト18R、18Lを介して、一対の駆動輪19R、19Lと連結している。デファレンシャル17は、駆動輪19R、19Lの回転速度差を吸収するものである。デファレンシャル17は、ケース17a、ピニオンシャフト17b、一対のピニオンギヤ17c、17d、及び一対のサイドギヤ17e、17fを有している。
ケース17aは、箱形であり、その内部に、ピニオンシャフト17b、一対のピニオンギヤ17c、17d、及び一対のサイドギヤ17e、17fを収納している。ケース17aの両側部には、一対のボス部17a1、17a2が突出して形成されている。ボス部17a1、17a2は、円筒形状である。一対のボス部17a1、17a2は、ハウジング90に取り付けられた一対の軸受16に挿通している。このような構成によって、ケース17aは、ハウジング90に取り付けられた軸受16を介して、ハウジング90に回転可能に軸支されている。ケース17aの回転軸の方向は、駆動装置100の軸線方向と同一である。
一対のドライブシャフト18R、18Lは、それぞれ、ボス部17a1、17a2に挿通している。一対のドライブシャフト18R、18Lには、それぞれ、サイドギヤ17e、17fがスプライン嵌合によって取り付けられている。
ケース17aには、リングギヤ17a3が形成されている。リングギヤ17a3は、第二ギヤ72と噛み合っている。第二ギヤ72とリングギヤ17a3との間で大きな減速比を得るために、図2に示すように、リングギヤ17a3のピッチ円直径は、第二ギヤ72のピッチ円直径よりも遙かに(例えば2倍以上)大きくなっている。
ピニオンシャフト17bは、ケース17aの回転軸の方向と直交する方向に沿って設けられ、ケース17aに取り付けられている。ピニオンシャフト17bには、一対のピニオンギヤ17c、17dが回転可能に取り付けられている。一対のピニオンギヤ17c、17dは、一対のサイドギヤ17e、17fの両方と噛み合っている。
モータジェネレータ2は、駆動輪19R、19Lに回転駆動力を付与するモータとして作動するとともに、車両1000の運動エネルギーを電力に変換する発電機としても作動するものである。モータジェネレータ2は、エンジン1及び自動変速機3と並列に設けられている。モータジェネレータ2は、ステータ2aとロータ2bを有している。ステータ2aは、駆動装置100のハウジング90に固定されている。モータジェネレータ2のロータ2bは、ステータ2aの内周側に回転可能に設けられ、モータ軸21に連結(回転連結)している。
インバータ5は、ステータ2a及びバッテリ6と電気的に接続している。また、インバータ5は、制御部10と通信可能に接続している。インバータ5は、制御部10からの制御信号に基づいて、バッテリ6から供給される直流電流を、昇圧するとともに交流電流に変換したうえでステータ2aに供給する。このようにして、インバータ5は、モータジェネレータ2でモータトルクTmを出力させ、モータジェネレータ2をモータとして機能させる。また、インバータ5は、制御部10からの制御信号に基づいて、モータジェネレータ2を発電機として機能させる。そして、インバータ5は、モータジェネレータ2で発電された交流電流を、直流電流に変換するとともに、電圧を降下させて、バッテリ6を充電する。
第一部材75は、円筒形状である。第一部材75には、モータ軸21が挿通している。このような構造によって、第一部材75は、モータ軸21と同軸に、モータ軸21の外周側に、モータ軸21に相対回転可能に設けられている。第一スプロケット61(第一連結部材)は、第一部材75と同軸に、第一部材75の外周側に設けられている。このようにして、第一スプロケット61は、エンジン軸1a及びポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と並列に(異軸に)設けられている。第一スプロケット61と第二スプロケット62とは、チェーン63(伝達部材、無端帯)によって、回転連結されている。このような構造によって、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と第一スプロケット61とは、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、互いに回転連結されている。第一スプロケット61は、第二接続部材66によって後述のキャリア43に接続されている。このような構造によって、エンジン軸1aとキャリア43は、互いに回転連結されている。
遊星歯車機構40は、モータ軸21と同軸に、モータ軸21の外周側に設けられている。遊星歯車機構40は、シングルピニオン式であり、サンギヤ41、複数のプラネタリギヤ42、キャリア43、及びリングギヤ44とから構成されている。サンギヤ41は、第一部材75に連結されて、第一部材75と一体回転する。プラネタリギヤ42は、サンギヤ41の周囲に複数配設され、サンギヤ41と噛み合っている。キャリア43は、複数のプラネタリギヤ42を回転可能(自転可能)に軸支している。リングギヤ44は、リング状であり、複数のプラネタリギヤ42の外周側に設けられ、複数のプラネタリギヤ42と噛み合っている。
第一ワンウェイクラッチ31は、モータ軸21及び第一部材75と同軸に、リングギヤ44の外周側に設けられ、ハウジング90に固定されている。第一ワンウェイクラッチ31は、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が、サンギヤ41に入力されるとロック状態となり、リングギヤ44がサンギヤ41に入力されたモータトルクTmの反力を受ける。すると、サンギヤ41の回転が、遊星歯車機構40によって減速されてキャリア43から第一スプロケット61に伝達される。つまり、サンギヤ41に入力されたモータトルクTm(回転トルク)が、遊星歯車機構40によって増幅されてキャリア43から第一スプロケット61に伝達される。このように、第一ワンウェイクラッチ31は、サンギヤ41(第一部材75)に入力されたモータトルクTm(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する。
一方で、第一ワンウェイクラッチ31は、エンジン1から出力されたエンジントルクTeがキャリア43に入力されるとフリー状態となり、リングギヤ44がキャリア43に入力されたエンジントルクTeの反力を受けない。このため、キャリア43に入力されたエンジントルクTeは、サンギヤ41に伝達されない。このように、第一ワンウェイクラッチ31は、キャリア43(第一スプロケット61)に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)の遊星歯車機構40を介したサンギヤ41(第一部材75)への伝達を許容しない。
第二ワンウェイクラッチ32は、モータ軸21、第一部材75、及び第一スプロケット61と同軸に、第一部材75と第一スプロケット61の間に設けられている。第二ワンウェイクラッチ32は、エンジン1から出力されたエンジントルクTe(回転トルク)が第一スプロケット61に入力されると、ロック状態となり、当該エンジントルクTeを第一スプロケット61から第一部材75に伝達する。一方で、第二ワンウェイクラッチ32は、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が第一部材75に入力されると、フリー状態となり、当該モータトルクTm(回転トルク)を第一部材75から第一スプロケット61に伝達しない。
第二部材76は、円筒形状である。第二部材76には、モータ軸21が挿通している。このような構造によって、第二部材76は、モータ軸21と同軸に、モータ軸21の外周側に、モータ軸21に相対回転可能に設けられている。第三ギヤ73は、第二部材76に固定されている。つまり、第三ギヤ73は、モータ軸21と相対回転可能に設けられている。第三ギヤ73は、第一ギヤ71と噛み合っている。このような構成によって、第二部材76は、出力ギヤ3b及び駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
切換機構50は、ハブ51、第一係合部材52、第二係合部材53、スリーブ54、フォーク55、及び切換アクチュエータ56を有している。ハブ51は、第一部材75と第二部材76の間において、モータ軸21に固定されている。第一係合部材52は、ハブ51と対向して、第一部材75に連結されている。第二係合部材53は、ハブ51と対向して、第二部材76に連結されている。
スリーブ54は、ハブ51に対して相対回転不能、モータ軸21の軸線方向に沿って移動可能にハブ51の外周側に設けられている。スリーブ54は、モータ軸21の軸線方向に沿った位置によって、第一係合部材52又は第二係合部材53と係合し、第一係合部材52及び第二係合部材53と係合しない。フォーク55は、スリーブ54に係合している。
切換アクチュエータ56は、制御部10からの制御信号によって、フォーク55を介して、スリーブ54をモータ軸21の軸線方向に沿って移動せる。図1に示すように、スリーブ54が第一係合部材52と第二係合部材53との間に位置し、スリーブ54が第一係合部材52及び第二係合部材53のいずれにも係合していないニュートラル状態(図1及び図3においてNと表す)では、第一部材75及び第二部材76のいずれもが、モータ軸21に回転連結されていない。スリーブ54が切換アクチュエータ56によって第一係合部材52側に移動され、スリーブ54が第一係合部材52と係合すると、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態となる(図1及び図3においてS1と表す)。この第一連結状態では、後述するように、モータジェネレータ2はエンジン軸1aに回転連結されている。スリーブ54が切換アクチュエータ56によって第二係合部材53側に移動されて、スリーブ54が第二係合部材53と係合すると、第二部材76がモータ軸21に回転不能に連結された第二連結状態(図1及び図3においてS2と表す)となる。この第二連結状態では、後述するように、モータジェネレータ2は、駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
オイルポンプ80は、モータ軸21と同軸に設けられている。オイルポンプ80は、ロックアップコントロールバルブ7にオイル(油圧)を供給して、ロックアップコントロールバルブ7を介して、トルクコンバータ4の第一室45及び第二室46にオイル(油圧)を供給する。また、オイルポンプ80は、自動変速機3の各摩擦係合要素に、各ソレノイドバルブを介して、オイル(油圧)を供給する。また、オイルポンプ80は、チェーン63(伝達部材)にオイルを供給する。本実施形態では、オイルポンプ80は、ケーシング81、アウターロータ82、及びインナーロータ83とから構成されたトロコイドポンプである。
ケーシング81は、内部に扁平な円筒形状の空間が形成され、この空間内に連通する吸入口81a及び吐出口81bが形成されている。ケーシング81は、モータ軸21と同軸に設けられている。ケーシング81は、ハウジング90に取り付けられている。吸入口81aは、オイルが貯留されたオイル貯留部95に接続している。本実施形態では、オイル貯留部95は、ハウジング90に形成されている。吐出口81bは、ロックアップコントロールバルブ7、及び自動変速機3の各摩擦係合要素に接続している。
アウターロータ82は、ケーシング81の空間内に、ケーシング81に対して回転可能に設けられている。アウターロータ82は、リング形状であり、その内周面にトロコイド曲線で形成され内歯が形成されている。
インナーロータ83は、モータ軸21と同軸に、アウターロータ82の内歯の内側に設けられている。インナーロータ83の外周面には、アウターロータ82の内歯と噛み合っているトロコイド曲線で形成された外歯が形成されている。インナーロータ83は、キャリア43に連結されて、キャリア43と一体回転する。つまり、インナーロータ83は、キャリア43を介して、第一スプロケット61と連結され、第一スプロケット61と一体回転する。
第一スプロケット61(キャリア43)の回転に伴って、インナーロータ83が回転し、インナーロータ83の外歯とアウターロータ82の内歯との間の空間が吸入口81aから吐出口81b側に順次移動し、吸入口81aから吸入されたオイルが吐出口81bから吐出される。そして、吐出口81bから吐出されたオイルが、ロックアップコントロールバルブ7を介してトルクコンバータ4の第一室45及び第二室46、自動変速機3の各摩擦係合要素、及びチェーン63等のハウジング90内に収納された部材に供給される。なお、トルクコンバータ4の第一室45及び第二室46や、自動変速機3の各摩擦係合要素、及びチェーン63等のハウジング90内に収納された部材に供給されたオイルは、その後、オイル貯留部95に戻る。
上述したように、エンジン1のエンジン軸1aとキャリア43は、互いに回転連結されている。このため、インナーロータ83は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。よって、エンジン1のエンジン軸1aが回転すると、インナーロータ83が回転して、上述したように、吸入口81aから吸入されたオイルが吐出口81bから吐出される。
以下に図2を用いて、駆動装置100を構成する各軸の配置について説明する。なお、図2において、紙面左右方向を駆動装置100及び駆動装置100を構成する各要素の幅方向(第一方向)とし、紙面上下方向を駆動装置100及び駆動装置100を構成する各要素の高さ方向(第二方向)とする。図2に示すように、本実施形態では、入力軸3aの軸心、出力軸22の軸心、及びデファレンシャル17の回転中心は、駆動装置100の幅方向(第一方向)に沿って、一直線上に配置されている。
入力軸3aの軸心とデファレンシャル17(リングギヤ17a3)の回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸21の軸心は、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置している。つまり、モータ軸21の軸心は、入力軸3aの軸心を通り第一方向と直交する高さ方向に沿った直線である第一直線と、デファレンシャル17の回転中心を通り高さ方向に沿った直線である第二直線との間に位置している。なお、デファレンシャル17の回転中心とは、リングギヤ17a3の回転中心であり、ドライブシャフト18R、18Lの軸心と一致している。また、第一方向は、駆動装置100の幅方向と一致し、駆動装置100の軸線方向と直交している。
モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部は、第一方向と直交する高さ方向である第二方向について、駆動装置100を構成する要素のうち第二方向のサイズが最も大きい最大要素(本実施形態では、トルクコンバータ4)の内側に配置されている。つまり、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部は、最大要素(トルクコンバータ4)の上端を通り第一方向に沿った直線である第三直線と、最大要素(トルクコンバータ4)の下端を通り第一方向に沿った直線である第四直線との間に位置している。である。なお、第二方向は、軸線方向と直交している。
制御部10は、駆動装置100を統括制御するものである。制御部10は、エンジン1を制御して、エンジン1が出力するエンジントルクTeの大きさを制御する。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmの大きさを制御する。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2における発電量を制御し、車両1000に付与される回生制動力の大きさを制御する。
制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7を制御して、オイルポンプ80から供給されたオイル(油圧)を、トルクコンバータ4の第一室45又は第二室46に供給することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態のいずれかにする。
制御部10は、自動変速機3に設けられたソレノイドバルブを制御することにより、オイルポンプ80から吐出されたオイルを各摩擦係合要素に供給させ又は供給させないことにより、自動変速機3において変速段を形成する。なお、制御部10は、車両1000の車速及び運転者によるアクセル(不図示)の操作量であるアクセル開度に基づいて、自動変速機3において形成される変速段を決定する。また、制御部10は、自動変速機3に設けられたソレノイドバルブを制御することにより、オイルポンプ80から吐出されたオイルを各摩擦係合要素に供給させないことにより、自動変速機3において変速段が形成されていないニュートラル状態にする。
制御部10は、切換アクチュエータ56を制御することによって、第一部材75又は第二部材76のいずれかをモータ軸21に回転連結し、或いは、第一部材75及び第二部材76がモータ軸21と回転連結していない状態にする。
(ハイブリッド車両用駆動装置の動作)
以下に、図3〜図11を用いて、駆動装置100の各モードにおける、駆動装置100の作動状態について説明する。なお、図3は、駆動装置100の各モードにおいて、駆動装置100を構成する各要素の状態を示している。図3のエンジン1の欄において、被動とは、エンジン軸1aに入力された回転トルクによって、エンジン1が回転されている状態である。
[モード1]
以下に図4を用いて、モード1について説明する。モード1は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmによって、エンジン1を始動させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmがポンプインペラ4bに入力されて、タービンランナ4cが回転して、入力軸3aが回転したとしても、車両1000が発進しない。
制御部10は、インバータ5に制御信号を出力することにより、モータジェネレータ2を駆動させて、モータジェネレータ2にモータトルクTmを出力させる。すると、モータジェネレータ2からモータ軸21に入力されたモータトルクTmが、ハブ51、スリーブ54、第一係合部材52、及び第一部材75を介して、サンギヤ41に入力され、サンギヤ41が回転する。すると、第一ワンウェイクラッチ31がロック状態となり、サンギヤ41の回転が減速されてキャリア43に伝達されることにより、サンギヤ41に入力されたモータトルクTmが増幅されてキャリア43に入力される。なお、第二ワンウェイクラッチ32は、フリー状態である。
キャリア43に入力されたモータトルクTmは、第一スプロケット61、チェーン63、第二スプロケット62、第一接続部材65、ポンプインペラ4b、及びカバー4aを介して、エンジン軸1aに入力される。そして、モータトルクTmによってエンジン軸1aが回転されて、エンジン1が始動する。
このように、第一連結状態では、モータジェネレータ2は、モータ軸21、ハブ51、スリーブ54、第一係合部材52、第一部材75、遊星歯車機構40、第一スプロケット61、チェーン63、第二スプロケット62、及び第一接続部材65を介してポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結され、ポンプインペラ4b及びカバー4aを介して、エンジン軸1aに回転連結されている。
なお、モータトルクTmによって、キャリア43が回転して、インナーロータ83が回転するので、オイルポンプ80はオイルを吐出する。これにより、オイルポンプ80によって吐出されたオイルが、自動変速機3の各ソレノイドバルブやロックアップコントロールバルブ7に供給される。このため、エンジン1の始動後において、自動変速機3における変速段の形成に遅延が生じ無く、トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にされるのに遅延が生じ無い。
[モード2]
以下に図5を用いて、モード2について説明する。モード2は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、自動変速機3を介して、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。そして、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3で変速段を形成する。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態にする。すると、駆動輪19L、19Rからの回転トルクが、デファレンシャル17、第二ギヤ72、出力軸22、第一ギヤ71、出力ギヤ3b、自動変速機3内の遊星歯車機構、及び入力軸3aを介して、タービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4はロックアップ状態となっているので、タービンランナ4cに伝達された回転トルクは、ポンプインペラ4bに伝達される。
ポンプインペラ4bに伝達された回転トルクは、第一接続部材65、第二スプロケット62、チェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達された回転トルクは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達された回転トルクは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及びモータ軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。なお、第一ワンウェイクラッチ31は、フリー状態である。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させて、モータジェネレータ2において回生制動力を発生させる。
なお、このモード2では、駆動輪19L、19Rから伝達された回転トルクが、エンジン軸1aにも伝達されるので、エンジン1においてエンジンブレーキが発生し、車両1000に、エンジンブレーキによる制動力が付与される。このモード2は、より大きな制動力を車両1000に付与させる必要がある場合や、バッテリ6が満充電に近く、モータジェネレータ2において大きな発電量を発電させることが困難な場合に有効である。
[モード3]
以下に図6を用いて、モード3について説明する。モード3は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmを自動変速機3に入力させて、モータトルクTmで駆動輪19R、19Lを駆動させるモードである。モード3は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード3を説明する。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3で変速段を形成する。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2においてモータトルクTmを出力させる。すると、モード1と同様に、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが、遊星歯車機構40で増幅されて、ポンプインペラ4b及びカバー4aに伝達される。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1aを介して、カバー4a及びポンプインペラ4bに伝達される。
トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態である場合には、ポンプインペラ4bに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cとの間にあるオイルによって、タービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4がロックアップ状態である場合には、カバー4aに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、ロックアップクラッチ4dによって、タービンランナ4cに伝達される。タービンランナ4cに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、入力軸3aを介して、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
上記したモード1でモータジェネレータ2によってエンジン1が始動された後に、モード3で車両1000が発進する場合には、ニュートラル状態にある自動変速機3において変速段が形成される。本実施形態では、自動変速機3の摩擦係合要素に油圧が供給されることによって、自動変速機3において変速段が形成されるので、自動変速機3がAMTである場合と比較して、自動変速機3の変速段の形成に時間を要さない。このため、エンジン1の始動後に、車両1000は速やかに発進できる。
なお、モード3において、電動走行モードで走行する場合には、制御部10は、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態にして、エンジン1を停止させる。
[モード4]
以下に図7を用いて、モード4について説明する。モード4は、車両1000の停車時において、エンジン1が出力するエンジントルクTeで、モータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。モード4は、車両1000の停車時において、バッテリ6の充電量が不足している場合に実行される。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。これにより、エンジン1から出力されたエンジントルクTeがポンプインペラ4bに入力されて、タービンランナ4cが回転して、入力軸3aが回転したとしても、車両1000が発進しない。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1a、カバー4a、ポンプインペラ4b、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達されたエンジントルクTeは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達されたエンジントルクTeは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及びモータ軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させる。
[モード5]
以下に図8を用いて、モード5について説明する。モード5は、車両1000がエンジントルクTeで走行している状態において、エンジントルクTeでモータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1aを介して、カバー4a及びポンプインペラ4bに伝達される。ポンプインペラ4bに伝達されたエンジントルクTeは、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達されたエンジントルクTeは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達されたエンジントルクTeは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及びモータ軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させる。
トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態である場合には、ポンプインペラ4bに伝達されたエンジントルクTeは、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cとの間にあるオイルによって、ポンプインペラ4bからタービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4がロックアップ状態である場合には、カバー4aに伝達されたエンジントルクTeは、ロックアップクラッチ4dによって、タービンランナ4cに伝達される。そして、タービンランナ4cに伝達されたエンジントルクTeは、入力軸3aを介して、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeが、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
[モード6]
以下に図9を用いて、モード6について説明する。モード6は、車両1000が高速(例えば80km/h以上)で走行する場合に、エンジントルクTeのみで駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード6では、モータジェネレータ2のロータ2bは、駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離される。
制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、モード5と同様に、エンジン1から出力されたエンジントルクTeは、入力軸3aに伝達されて、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第一係合部材52及び第二係合部材53のいずれにも係合していないニュートラル状態にする。これにより、モータジェネレータ2のロータ2bが、駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離される。このため、車両1000が高速で走行される場合に、モータジェネレータ2のロータ2bが速い回転速度で回転されることに起因するモータジェネレータ2の機械損、鉄損、及びコギングトルクによる損失の発生が防止される。よって、車両1000の燃費が向上する。
上述したように、オイルポンプ80のインナーロータ83は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。このため、エンジン1のエンジン軸1aの回転によって、インナーロータ83が回転して、オイルポンプ80からロックアップコントロールバルブ7及び自動変速機3のソレノイドバルブにオイルが供給される。
[モード7]
以下に図10を用いて、モード7について説明する。モード7は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmで、駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード7では、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmは、自動変速機3を介さずに、直接に出力軸22を介して、駆動輪19R、19Lに伝達される。モード7は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード7を説明する。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第二係合部材53と係合し、第三ギヤ73がモータ軸21に回転不能に連結された第二連結状態にする。制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2においてモータトルクTmを出力させる。これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmは、モータ軸21、ハブ51、スリーブ54、第二係合部材53、第三ギヤ73、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、ドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに伝達され、駆動輪19R、19Lが駆動される。
このように、第二連結状態では、モータジェネレータ2は、モータ軸21、ハブ51、スリーブ54、第二係合部材53、第三ギヤ73、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、ドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、モード5と同様に、エンジン1から出力されたエンジントルクTeは、入力軸3aに伝達されて、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18R、18Lを介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
車両1000が電動走行モードで走行する場合には、制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1を停止させる。これにより、エンジン1における燃料の消費が停止される。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態とする。これにより、車両1000の走行に伴い、自動変速機3内の各要素が回転されることに起因する機械的損失の発生や、トルクコンバータ4内においてオイルが撹拌されることに起因する機械的損失の発生や、エンジン1が回転されることによるフリクションロスの発生が防止される。
[モード8]
以下に図11を用いて、モード8について説明する。モード8は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第二係合部材53と係合し、第三ギヤ73がモータ軸21に回転不能に連結された第二連結状態にする。すると、駆動輪19L、19Rからの回転トルクが、デファレンシャル17、第二ギヤ72、出力軸22、第一ギヤ71、第三ギヤ73、第二部材76、第二係合部材53、スリーブ54、ハブ51、及びモータ軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させて、モータジェネレータ2において回生制動力を発生させる。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1を停止させる。これにより、エンジン1における燃料の消費が停止される。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態とする。これにより、車両1000の走行に伴い、自動変速機3内の各要素が回転されることに起因する機械的損失の発生や、トルクコンバータ4内においてオイルが撹拌されることに起因する機械的損失の発生や、エンジン1が回転されることによるフリクションロスの発生が防止される。このように、モード8では、モード2と比較して、エンジン1における燃料の消費、自動変速機3及びトルクコンバータ4内における機械的損失、及びエンジン1におけるフリクションロスの発生が防止され、車両1000の燃費が向上する。
(本実施形態の効果)
図2に示すように、入力軸3aと同軸に、自動変速機3(変速機)の出力ギヤ3bやトルクコンバータ4等の部材が設けられている。また、デファレンシャル17は、デファレンシャル17のリングギヤ17a3と噛み合う第二ギヤ72との間で大きな減速比を得るために、その外径が大きくなっている。このため、入力軸3aと同軸に設けられた出力ギヤ3bやトルクコンバータ4等の部材とデファレンシャル17との間には、スペースS1(図2示)が存在する。そこで、上記したように、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸21の軸心を、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置させている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材を、入力軸3aと同軸に設けられた出力ギヤ3bやトルクコンバータ4等の部材とデファレンシャル17との間に存在するスペースS1に配置させることができる。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができ、駆動装置100の車両1000への搭載性が良好となる。
図2に示すように、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部は、第一方向と直交する高さ方向である第二方向について、駆動装置100を構成する要素のうち第二方向のサイズが最も大きい最大要素(トルクコンバータ4)の内側に配置されている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部が、第二方向について最大要素(トルクコンバータ4)の内側にあるスペースS2に配置される。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができる。
また、モータジェネレータ2は自動変速機3(変速機)と並列に設けられ、モータ軸21は入力軸3aと並列に設けられている。このため、モータジェネレータ2がエンジン1のエンジン軸1aと自動変速機3の入力軸3aとの間に設けられている構成と比較して、駆動装置100の軸線方向のサイズを小型化させることができ、駆動装置100の車両1000への搭載性が良好となる。
駆動装置100は、第一部材75、第二部材76、第一スプロケット61(第一連結部材)、第二スプロケット62(第二連結部材)、及びチェーン63(伝達部材、無端帯)を有している。第一部材75は、モータ軸21と同軸に設けられている。第二部材76は、デファレンシャル17と回転連結されている。第一スプロケット61(第一連結部材)は、モータ軸21と同軸に設けられ、第一部材75と回転連結されている。第二スプロケット62は、入力軸3aと同軸に設けられ、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と回転連結されている。チェーン63(伝達部材、無端帯)は、第一スプロケット61と第二スプロケット62とを回転連結している。このような構成によって、上記第一方向について、モータ軸21が入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置されるとともに、上記した第一連結状態と第二連結状態とが切り換えられる構成が実現される。
また、第一部材75、第二部材76、及び第一スプロケット61(第一連結部材)は、モータ軸21と同軸に設けられている。これにより、第一部材75、第二部材76、及び第一スプロケット61が、モータ軸21と並列に設けられている構造と比較して、駆動装置100の軸線方向と直交する方向のサイズを小型化させることができる。
チェーン63(伝達部材、無端帯)によって、第一部材75と回転連結された第一スプロケット61(第一連結部材)とエンジン軸1aと回転連結された第二スプロケット62(第二連結部材)は回転連結されている。これにより、第一部材75と回転連結された第一連結部材と、エンジン軸1aと回転連結された第二連結部材とが、複数のギヤ等の伝達部材によって回転連結されている構成と比較して、モータ軸21の駆動装置100における配置の自由度を高めることができる。このため、駆動装置100がより小型化するような適切な位置に、モータ軸21を配置させることができ、駆動装置100をより小型化させることができる。
遊星歯車機構40(減速機構)は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)を増幅したうえで第一スプロケット61(第一連結部材)に伝達する。第一ワンウェイクラッチ31は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する。また、第一ワンウェイクラッチ31は、第一スプロケット61に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一部材75への伝達を許容しない。第二ワンウェイクラッチ32は、第一スプロケット61(第一連結部材)に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)を第一部材75に伝達する。また、第二ワンウェイクラッチ32は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)を第一スプロケット61(第一連結部材)に伝達しない。
これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが第一部材75に入力された場合には、第一ワンウェイクラッチ31によって第一部材75に入力されたモータトルクTmの遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達が許容される。このため、モータトルクTmが、遊星歯車機構40によって増幅されて第一スプロケット61に伝達され、エンジン1のエンジン軸1aに伝達される。よって、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが増幅されずにエンジン1のエンジン軸1aに伝達される構造と比較して、エンジン1の始動時においてより小さいモータトルクTmでエンジン1を回転させることができる。この結果、モータジェネレータ2の小型化が可能となり、駆動装置100の小型化が可能となる。
一方で、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが第一スプロケット61に入力された場合には、第一スプロケット61に入力されたエンジントルクTeが、第二ワンウェイクラッチ32によって第一部材75に伝達され、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。つまり、第一スプロケット61の回転が遊星歯車機構40によって増速されずにモータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。このため、エンジントルクTeによってモータジェネレータ2が発電している際に、モータジェネレータ2のロータ2bの回転速度が過剰に速くならない。よって、ロータ2bの回転速度が過剰に速くなることに起因して、モータジェネレータ2において発電できなくなることが防止され、また、モータジェネレータ2の発電効率の低下が防止される。
第一部材75に入力された回転トルクを増幅したうえで第二スプロケットに伝達する減速機構は、遊星歯車機構40である。そして、遊星歯車機構40(減速機構)は、モータ軸21と同軸に設けられている。これにより、上記減速機構がモータ軸21と並列に設けられている構造と比較して、駆動装置100の軸線方向と直交する方向のサイズを小型化させることができる。
図1に示すように、デファレンシャル17、自動変速機3(変速機)、モータ軸21、第一部材75、第二部材76、第一スプロケット61(第一連結部材)、第二スプロケット62(第二連結部材)、チェーン63(伝達部材、無端帯)、切換機構50(切換アクチュエータ56を除く)は、同一のハウジング90内に収納されている。このため、駆動装置100のサイズを小型化させることができる。また、チェーン63がハウジング90内に収納されている。これにより、チェーン63がハウジング90の外部に配置された構成と異なり、オイルポンプ80が吐出したオイルをチェーン63(伝達部材、無端帯)に供給させることができる。
自動変速機3にオイルを供給するオイルポンプ80は、モータ軸21と同軸に設けられている。そして、オイルポンプ80のインナーロータ83は、キャリア43を介して、第一スプロケット61(第一連結部材)に連結されている。これにより、オイルポンプ80が、エンジン軸1aと同軸に設けられている構成と比較して、駆動装置100の軸線方向のサイズを小型化させることができる。
(別の実施形態)
上記の実施形態では、図2に示すように、入力軸3aの軸心、出力軸22の軸心、及びデファレンシャル17の回転中心は、駆動装置100の幅方向に沿って、一直線上に配置されている。しかし、図12に示すように、入力軸3aの軸心及びデファレンシャル17の回転中心が、駆動装置100の幅方向に沿って並列に配置され、モータ軸21の軸心及び出力軸22の軸心が、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心を結ぶ直線よりも上側に位置するとともに、第一方向について、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置している実施形態であっても差し支え無い。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材や、出力軸22と同軸に設けられている第一ギヤ71や第二ギヤ72を、入力軸3aと同軸に設けられた出力ギヤ3bやトルクコンバータ4等の部材とデファレンシャル17との間に存在するスペースS1に配置させることができる。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができ、駆動装置100の車両1000への搭載性が良好となる。
図12に示す実施形態では、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材、及び出力軸22と同軸に設けられている第一ギヤ71及び第二ギヤ72の少なくとも一部は、第一方向と直交する高さ方向である第二方向について、駆動装置100を構成する要素のうち第二方向のサイズが最も大きい最大要素(トルクコンバータ4)の内側に配置されている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材、及び出力軸22と同軸に設けられている第一ギヤ71及び第二ギヤ72の少なくとも一部が、第二方向について最大要素(トルクコンバータ4)の内側にあるスペースS2に配置される。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができる。この図12に示す実施形態では、駆動装置100の第二方向(高さ方向)のサイズを抑制しつつ、駆動装置100の第一方向(幅方向)のサイズも抑制させることができる。
図13に示すように、自動変速機3の出力ギヤ3bとデファレンシャル17のリングギヤ17a3が直接噛み合い、第三ギヤ73とデファレンシャル17のリングギヤ17a3が直接噛み合っている実施形態であっても差し支え無い。この実施形態もまた、第一方向について、モータ軸21の軸心は、入力軸3aの軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置している。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材を、入力軸3aと同軸に設けられた出力ギヤ3bやトルクコンバータ4等の部材とデファレンシャル17との間に存在するスペースS1に配置させることができる。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができ、駆動装置100の車両1000への搭載性が良好となる。
図13に示す実施形態では、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部は、第一方向と直交する高さ方向である第二方向について、駆動装置100を構成する要素のうち第二方向のサイズが最も大きい最大要素(トルクコンバータ4)の内側に配置されている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第三ギヤ73等の部材の少なくとも一部を、第二方向について最大要素(トルクコンバータ4)の内側にあるスペースS2に配置させることができる。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置100を小型化させることができる。この図13に示す実施形態では、駆動装置100の第二方向(高さ方向)のサイズを抑制しつつ、駆動装置100の第一方向(幅方向)のサイズを更に抑制させることができる。
上記の実施形態では、第一スプロケット61(第一連結部材)と第二スプロケット62(第二連結部材)は、チェーン63(伝達部材、無端帯)によって回転連結されている。しかし、第一スプロケット61の代わりに第一プーリー(第一連結部材)を設け、第二スプロケット62の代わりに第二プーリー(第二連結部材)を設け、チェーン63(伝達部材、無端帯)の代わりに、上記第一プーリーと第二プーリーを回転連結するベルト(伝達部材、無端帯)を回転連結するベルトを設けた実施形態であっても差し支え無い。ベルトの材質には、ゴム、剛性樹脂、及び金属が含まれる。或いは、第一スプロケット61の代わりに第一ギヤ(第一連結部材)を設け、第二スプロケット62の代わりに第二ギヤ(第二連結部材)を設け、チェーン63(伝達部材、無端帯)の代わりに第一ギヤ及び第二ギヤと噛み合う単一又は複数の伝達ギヤ(伝達部材)を設けた実施形態であっても差し支え無い。
上記の実施形態では、自動変速機3は複数の遊星歯車機構、及び複数の遊星歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素を備えている。しかし、自動変速機3が、CVT(Continuously Variable Transmission)である駆動装置100であっても差し支え無い。
(第二実施形態のハイブリッド車両用駆動装置)
図14に示すように、ハイブリッド車両用駆動装置200(以下、駆動装置200と略す)トルクコンバータ4の変わりに自動クラッチ140を有し、自動変速機3が、オートメイテッド・マニュアルトランスミッションである実施形態であっても差し支え無い。第二実施形態の駆動装置200について、上記説明した第一実施形態の駆動装置100と異なる点について、図14を用いて以下に説明する。なお、第二実施形態の駆動装置200について、第一実施形態の駆動装置100と同じ構造の部分については、第一実施形態の駆動装置100と同じ符号を付して、その説明を省略する。
自動クラッチ140は、エンジン1のエンジン軸1aと自動変速機3の後述する入力軸131との間に設けられている。自動クラッチ140は、エンジン軸1aと入力軸131とを接続又は切断する。自動クラッチ140は、エンジン軸1aと入力軸131との間において伝達されるトルクであるクラッチトルクTcを可変とすることができる。自動クラッチ140は、フライホイール141(エンジントルク入力部材)、クラッチディスク142、クラッチカバー143(エンジントルク入力部材)、ダイヤフラムスプリング144、プレッシャプレート145、クラッチアクチュエータ146及びレリーズベアリング147を有している。
フライホイール141(エンジントルク入力部材)は、円板状であり、エンジン軸1aに連結され、エンジントルクTeが入力される。フライホイール141には、コイルスプリング等の弾性体で構成されたダンパー141aが設けられている。エンジントルクTeがフライホイール141に入力された場合に、ダンパー141aが変位(伸縮)することにより、エンジン1から入力軸131に入力されるエンジントルクTeのトルク変動が吸収される。
クラッチディスク142は、フライホイール141よりも自動変速機3側に配置され、フライホイール141と対向している。クラッチディスク142は、円板状であり、その外周部の両面に摩擦材142aが設けられている。クラッチディスク142は、入力軸131の先端に軸線方向に沿って移動可能且つ相対回転不能にスプライン嵌合している。このような構成によって、クラッチディスク142は、フライホイール141に接触し、又はフライホイール141から離間する。
クラッチカバー143(エンジントルク入力部材)は、扁平な円筒状の円筒部143aと、この円筒部143aの自動変速機3側の端部から入力軸131の回転中心方向に延出するリング状のリング部143bとから構成されている。円筒部143aは、フライホイール141に連結している。このため、クラッチカバー143(エンジントルク入力部材)は、フライホイール141やエンジン軸1aと一体に回転し、エンジントルクTeが入力される。プレッシャプレート145は、フライホイール141の反対側において、クラッチディスク142と対向して、クラッチカバー143に対して軸線方向移動可能且つ相対回転不能に設けられている。プレッシャプレート145は、中心に挿通穴145aが形成された円板状である。プレッシャプレート145の挿通穴145aには、入力軸131が挿通している。
ダイヤフラムスプリング144は、リング状の基部144aと、この基部144aの内周縁から、内側に向かって延出する複数の板バネ部144bとから構成されている。板バネ部144bは、内側方向に向かって基部144aから徐々に離れるように傾斜している。板バネ部144bの先端は、入力軸131の軸線方向に沿って弾性変形可能となっている。ダイヤフラムスプリング144は、板バネ部144bの先端が軸線方向に圧縮された状態で、プレッシャプレート145とクラッチカバー143のリング部143bとの間に設けられている。ダイヤフラムスプリング144の基部144aは、プレッシャプレート145と当接している。ダイヤフラムスプリング144の板バネ部144bの中間部分は、クラッチカバー143のリング部143bの内周縁に接続されている。ダイヤフラムスプリング144の中心には、入力軸131が挿通している。
レリーズベアリング147の中心には入力軸131が挿通し、レリーズベアリング147は入力軸131に対して軸線方向移動可能となっている。レリーズベアリング147は、互いに対向し、相対回転可能な第一部材147aと第二部材147bとを備えている。第一部材147aは、ダイヤフラムスプリング144の板バネ部144bの先端と当接している。
クラッチアクチュエータ146は、制御部10からの制御信号によって、レリーズベアリング147の第二部材147bをダイヤフラムスプリング144側に押圧するとともに、第二部材147bへの押圧を解除する。クラッチアクチュエータ146が、レリーズベアリング147の第二部材147bを押圧していない状態では、クラッチディスク142は、プレッシャプレート145を介してダイヤフラムスプリング144によって、フライホイール141側に付勢されて、フライホイール141に押し付けられている。このため、摩擦材142aとフライホイール141との摩擦力、及び摩擦材142aとプレッシャプレート145との摩擦力により、エンジン軸1a、フライホイール141、クラッチディスク142、クラッチカバー143、プレッシャプレート145、及び入力軸131とが一体回転し、自動クラッチ140が接続状態となっている。
一方で、クラッチアクチュエータ146がレリーズベアリング147の第二部材147bを押圧すると、板バネ部144bがリング部143bの内周縁との接続部分を支点として変形し、ダイヤフラムスプリング144の付勢力が小さくなる。この結果、ダイヤフラムスプリング144の基部144aがプレッシャプレート145を介してクラッチディスク142をフライホイール141側に付勢する付勢力が小さくなり、クラッチトルクTcが低下する。クラッチアクチュエータ146がレリーズベアリング147の第二部材147bを完全に押圧すると、クラッチトルクTcは0となり、自動クラッチ140が切断状態となる。
フライホイール141やクラッチカバー143の外周側には、フライホイール141及びクラッチカバー143と一体回転する第一伝達ギヤ161が設けられている。クラッチカバー143のリング部143bには、クラッチカバー143と一体回転する第三伝達ギヤ163が設けられている。
第一部材75の外周側には、第一部材75及びモータ軸21と同軸に、第二伝達ギヤ162が設けられている。第二伝達ギヤ162は、第一伝達ギヤ161と噛み合っている。このような構造によって、第二伝達ギヤ162は、第一伝達ギヤ161及びフライホイール141を介して、エンジン軸1aに回転連結されている。図15に示すように、第一伝達ギヤ161のピッチ円は、第二伝達ギヤ162のピッチ円よりも遙かに(例えば2倍以上)大きくなっている。
第一部材75と第二伝達ギヤ162との間には、第一ワンウェイクラッチ171が設けられている。モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が第一部材75に入力されると、第一ワンウェイクラッチ171は、ロック状態となり、当該モータトルクTmを第一部材75から第二伝達ギヤ162に伝達する。一方で、エンジン1から出力されたエンジントルクTe(回転トルク)が、エンジン軸1a、フライホイール141、及び第一伝達ギヤ161を介して第二伝達ギヤ162に入力されると、第一ワンウェイクラッチ171は、フリー状態となり、当該エンジントルクTeを第二伝達ギヤ162から第一部材75に伝達しない。
第一部材75の外周側には、モータ軸21及び第一部材75と同軸に、第四伝達ギヤ164が設けられている。第四伝達ギヤ164は、第三伝達ギヤ163と噛み合っている。このような構造によって、エンジン軸1aは、フライホイール141、クラッチカバー143、及び第三伝達ギヤ163を介して、第四伝達ギヤ164に回転連結されている。
第一部材75と第四伝達ギヤ164との間には、第二ワンウェイクラッチ172が設けられている。エンジン1から出力されたエンジントルクTe(回転トルク)が、第四伝達ギヤ164に入力されると、第二ワンウェイクラッチ172は、ロック状態となり、当該エンジントルクTeを第四伝達ギヤ164から第一部材75に伝達する。一方で、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が第一部材75に入力されると、第二ワンウェイクラッチ172は、フリー状態となり、当該モータトルクTmを第一部材75から第四伝達ギヤ164に伝達しない。
第二実施形態の自動変速機3は、入力軸131、出力軸132、複数のドライブギヤ133a〜133e、複数のドリブンギヤ134a〜134e、出力ギヤ135、及び複数の切換機構136a〜136cを有している。入力軸131は、エンジン軸1aと同軸に、エンジン軸1aと直列に設けられている。出力軸132は、入力軸131と並列に設けられている。
入力軸131には、第一ドライブギヤ133a〜第五ドライブギヤ133eが設けられている。本実施形態では、複数のドライブギヤ133a〜133eは、入力軸131に対して相対回転可能な遊転ギヤである。
出力軸132には、第一ドリブンギヤ134a〜第五ドリブンギヤ134eが設けられている。本実施形態では、複数のドリブンギヤ134a〜134eは、出力軸132に対して相対回転不能な固定ギヤである。
第一ドライブギヤ133a〜第五ドライブギヤ133eは、それぞれ、第一ドリブンギヤ134a〜第五ドリブンギヤ134eと噛み合っている。第一ドライブギヤ133a〜第五ドライブギヤ133eの順に、ピッチ円が大きくなっている。第一ドリブンギヤ134a〜第五ドリブンギヤ134eの順に、ピッチ円が小さくなっている。
第一ドライブギヤ133a及び第一ドリブンギヤ134aは、自動変速機3において1速を形成するギヤである。第二ドライブギヤ133b及び第二ドリブンギヤ134bは、自動変速機3において2速を形成するギヤである。第三ドライブギヤ133c及び第三ドリブンギヤ134cは、自動変速機3において3速を形成するギヤである。第四ドライブギヤ133d及び第四ドリブンギヤ134dは、自動変速機3において4速を形成するギヤである。第五ドライブギヤ133e及び第五ドリブンギヤ134eは、自動変速機3において5速を形成するギヤである。
出力軸132には、出力ギヤ135(出力部材)が固定されている。出力ギヤ135は、デファレンシャル17のリングギヤ17a3と噛み合って一体回転する。
第一切換機構136aは、制御部10からの制御信号によって、第一ドライブギヤ133a又は第二ドライブギヤ133bを入力軸131に連結するとともに、第一ドライブギヤ133a及び第二ドライブギヤ133bを入力軸131に連結しない状態にする。第二切換機構136bは、制御部10からの制御信号によって、第三ドライブギヤ133c又は第四ドライブギヤ133dを入力軸131に連結するとともに、第三ドライブギヤ133c及び第四ドライブギヤ133dを入力軸131に連結しない状態にする。第三切換機構136cは、制御部10からの制御信号によって、第五ドライブギヤ133eを入力軸131に連結するとともに、第五ドライブギヤ133eを入力軸131に連結しない状態にする。
複数の切換機構136a〜136cが、第一ドライブギヤ133a〜第五ドライブギヤ133eのいずれかを入力軸131に連結すると、入力軸131に連結されたドライブギヤ133a〜133eに対応する変速段が自動変速機3において形成される。一方で、複数の切換機構136a〜136cが、第一ドライブギヤ133a〜第五ドライブギヤ133eの全てが入力軸131に連結していない状態にすると、自動変速機3において変速段が形成されていないニュートラル状態となる。
第二部材76には、第一ギヤ181が固定されている。第一ギヤ181は、デファレンシャル17のリングギヤ17a3と噛み合って一体回転する。
以下に図15を用いて、駆動装置200を構成する各軸の配置について説明する。なお、図15において、紙面左右方向を駆動装置200及び駆動装置200を構成する各要素の幅方向(第一方向)とし、紙面上下方向を駆動装置200及び駆動装置200を構成する各要素の高さ方向(第二方向)とする。図15に示すように、第二実施形態では、エンジン軸1a及び入力軸131の軸心と、デファレンシャル17の回転中心は、駆動装置200の幅方向に並列に配置されている。
入力軸131の軸心とデファレンシャル17(リングギヤ17a3)の回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸21の軸心及び出力軸132の軸心は、入力軸131の軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置している。つまり、モータ軸21の軸心及び出力軸132の軸心は、入力軸131の軸心を通り第一方向と直交する高さ方向に沿った直線である第一直線と、デファレンシャル17の回転中心を通り高さ方向に沿った直線である第二直線との間に位置している。
モータ軸21の軸心は、入力軸131の軸心とデファレンシャル17の回転中心とを結んだ直線よりも、上側に位置している。出力軸132の軸心は、入力軸131の軸心とデファレンシャル17の回転中心とを結んだ直線よりも、下側に位置している。
入力軸131と同軸に、第一伝達ギヤ161、第三伝達ギヤ163、及びドライブギヤ133a〜133e等の部材が設けられている。また、デファレンシャル17は、デファレンシャル17のリングギヤ17a3と噛み合う出力ギヤ135との間で大きな減速比を得るために、その外径が大きくなっている。このため、入力軸131と同軸に設けられた上記部材とデファレンシャル17との間には、スペースS1(図15示)が存在する。そこで、上記したように、入力軸131の軸心とデファレンシャル17の回転中心を結んだ方向である第一方向について、モータ軸21の軸心及び出力軸132の軸心を、入力軸131の軸心とデファレンシャル17の回転中心との間に位置させている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2、第一ギヤ181、第四伝達ギヤ164等の部材や、出力軸132と同軸に設けられているドリブンギヤ134a〜134eや出力ギヤ135を、入力軸131と同軸に設けられた上記部材とデファレンシャル17との間に存在するスペースS1に配置させることができる。このため、第一方向と直交する第二方向(高さ方向)について、駆動装置200を小型化させることができ、駆動装置200の車両1000への搭載性が良好となる。
モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第四伝達ギヤ164等の部材、及び出力軸132と同軸に設けられているドリブンギヤ134a〜134eや出力ギヤ135の少なくとも一部は、第一方向と直交する高さ方向である第二方向について、駆動装置200を構成する要素のうち第二方向のサイズが最も大きい最大要素(第二実施形態では、第一伝達ギヤ161)の内側に配置されている。これにより、モータ軸21と同軸に設けられているモータジェネレータ2や第四伝達ギヤ164等の部材、及び出力軸132と同軸に設けられているドリブンギヤ134a〜134eや出力ギヤ135の少なくとも一部が、第二方向について最大要素(第一伝達ギヤ161)の内側にあるスペースS2に配置される。このため、第一方向と直交する高さ方向について、駆動装置200を小型化させることができる。
[モード1]
図16を用いて、エンジン1を始動させる際のモードであるモード1(図3示)について説明する。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75がモータ軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各切換機構136a〜136cに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。
制御部10は、インバータ5に制御信号を出力することにより、モータジェネレータ2を駆動させて、モータジェネレータ2にモータトルクTmを出力させる。すると、モータジェネレータ2からモータ軸21に入力されたモータトルクTmが、ハブ51、及びスリーブ54、及び第一係合部材52を介して、第一部材75に入力される。すると、第一ワンウェイクラッチ171がロック状態となり、第一部材75に入力されたモータトルクTmが第二伝達ギヤ162に入力される。なお、第二ワンウェイクラッチ172は、フリー状態である。第二伝達ギヤ162に入力されたモータトルクTmは、第一伝達ギヤ161、及びフライホイール141を介して、エンジン軸1aに入力される。そして、モータトルクTmによってエンジン軸1aが回転されて、エンジン1が始動する。
上述したように、第一伝達ギヤ161のピッチ円は、第二伝達ギヤ162のピッチ円よりも大きくなっている。このため、第二伝達ギヤ162の回転が減速されて第一伝達ギヤ161に伝達される。このように、第二伝達ギヤ162と第一伝達ギヤ161は、減速機構としての役割を果たす。このような構成によって、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが第一部材75に入力された場合には、当該モータトルクTmが第二伝達ギヤ162及び第一伝達ギヤ161によって増幅されてエンジン1のエンジン軸1aに伝達される。よって、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが増幅されずにエンジン1のエンジン軸1aに伝達される構造と比較して、エンジン1の始動時においてより小さいモータトルクTmでエンジン1を回転させることができる。この結果、モータジェネレータ2の小型化が可能となり、駆動装置200の小型化が可能となる。
図3に示す作動表のモード2〜モード8についても、第一実施形態の駆動装置100と同様に、制御部10は、図3に示す作動表に従って、エンジン1、モータジェネレータ2(インバータ5)、切換機構50を制御して、第二実施形態の駆動装置200をモード2〜モード8にする。
以上説明した第二実施形態の駆動装置200では、ドライブギヤ133a〜133eは遊転ギヤであり、ドリブンギヤ134a〜134eは固定ギヤである。しかし、ドライブギヤ133a〜133eのいずれか又は全てが固定ギヤであり、ドリブンギヤ134a〜134eのいずれか又は全てが遊転ギヤである実施形態であっても差し支え無い。
駆動装置200が、自動クラッチ140の代わりにマニュアル式のクラッチを有し、自動変速機3の代わりにマニュアルトランスミッションを有する実施形態であっても差し支え無い。
2…モータジェネレータ、3…自動変速機(変速機)、3a…入力軸、3b…出力ギヤ(出力部材)、4b…ポンプインペラ(エンジントルク入力部材)、19R、19L…駆動輪、17…デファレンシャル、21…モータ軸、31…第一ワンウェイクラッチ、32…第二ワンウェイクラッチ、40…遊星歯車機構(減速機構)、50…切換機構、61…第一スプロケット(第一連結部材)、62…第二スプロケット(第二連結部材)、63…チェーン(伝達部材、無端帯)、75…第一部材(第一部材)、76…第二部材(第二部材)、100…第一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置、135…出力ギヤ(出力部材)、141…フライホイール(エンジントルク入力部材)、143…クラッチカバー(エンジントルク入力部材)、161…第一伝達ギヤ(第二連結部材、減速機構)、162…第二伝達ギヤ(第一連結部材、減速機構)、163…第三伝達ギヤ(第二連結部材)、164…第四伝達ギヤ(第一連結部材)、200…第二実施形態のハイブリッド車両用駆動装置

Claims (7)

  1. エンジントルクが入力されるエンジントルク入力部材と、
    車両の駆動輪が回転連結されたデファレンシャルと、
    前記エンジントルクが入力される入力軸と、前記デファレンシャルに回転連結された出力部材とを備え、前記入力軸の回転速度を前記出力部材の回転速度で除した減速比を可変に変更する変速機と、
    前記変速機と並列に設けられ、モータトルクを出力するとともに発電するモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータに回転連結され、前記入力軸と並列に設けられたモータ軸と、
    前記モータ軸が前記エンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態と、前記モータ軸が前記デファレンシャルに連結された第二連結状態とを切り換える切換機構と、を有し、
    前記入力軸の軸心と前記デファレンシャルの回転中心を結んだ方向である第一方向について、前記モータ軸の軸心は、前記入力軸の軸心と前記デファレンシャルの回転中心との間に位置しているハイブリッド車両用駆動装置。
  2. 前記モータ軸と同軸に設けられた第一部材と、
    前記デファレンシャルと回転連結され、前記モータ軸と同軸に設けられた第二部材と、
    前記モータ軸と同軸に設けられ、前記第一部材と回転連結された第一連結部材と、
    前記入力軸と同軸に設けられ、前記エンジントルク入力部材と回転連結された第二連結部材と、
    前記第一連結部材と前記第二連結部材とを回転連結する伝達部材と、を有し、
    前記第一連結状態は、前記第一部材が前記モータ軸に連結された状態であり、
    前記第二連結状態は、前記第二部材が前記モータ軸に連結され状態である請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  3. 前記伝達部材は、無端帯である請求項2に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  4. 前記第一部材に入力された回転トルクを増幅したうえで前記第一連結部材に伝達する減速機構と、
    前記第一部材に入力された回転トルクの前記減速機構を介した前記第一連結部材への伝達を許容するとともに、前記第一連結部材に入力された回転トルクの前記減速機構を介した前記第一部材への伝達を許容しない第一ワンウェイクラッチと、
    前記第一連結部材に入力された回転トルクを前記第一部材に伝達するとともに、前記第一部材に入力された回転トルクを前記第一連結部材に伝達しない第二ワンウェイクラッチと、を有する請求項2又は請求項3に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  5. 前記減速機構は、遊星歯車機構であり、
    前記減速機構は、前記モータ軸と同軸に設けられている請求項4に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  6. 前記デファレンシャル、前記変速機、前記モータ軸、前記第一部材、前記第二部材、前記第一連結部材、前記第二連結部材、及び前記伝達部材は同一のハウジング内に収納されている請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  7. 前記変速機にオイルを供給するオイルポンプを有し、
    前記オイルポンプは、前記モータ軸と同軸に設けられ、前記第一連結部材に連結されている請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
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