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JP2016160420A - 熱硬化性組成物、硬化膜、硬化膜付基板、電子部品および表示装置 - Google Patents

熱硬化性組成物、硬化膜、硬化膜付基板、電子部品および表示装置 Download PDF

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JP2016160420A
JP2016160420A JP2015043848A JP2015043848A JP2016160420A JP 2016160420 A JP2016160420 A JP 2016160420A JP 2015043848 A JP2015043848 A JP 2015043848A JP 2015043848 A JP2015043848 A JP 2015043848A JP 2016160420 A JP2016160420 A JP 2016160420A
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Japan
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cured film
formula
thermosetting composition
meth
substrate
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Application number
JP2015043848A
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English (en)
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敬幸 廣田
Takayuki Hirota
敬幸 廣田
篤史 室谷
Atsushi Murotani
篤史 室谷
佳宏 出山
Yoshihiro Deyama
佳宏 出山
克幸 杉原
Katsuyuki Sugihara
克幸 杉原
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JNC Corp
Original Assignee
JNC Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】耐薬品性およびガラスなどの基板(被着体)への密着性にバランスよく優れる硬化膜を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物、および該組成物を用いたインクジェット印刷用のカラーインク、該カラーインクを用いたタッチパネルを提供する。【解決手段】スチレン及び無水マレイン酸構造単位を有する樹脂(A)と、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)とを含み、更にはシルセスキオキサン含有エポキシ化合物(D)を含む熱硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性組成物およびその用途に関する。具体的には、本発明は、熱硬化性組成物、該組成物を用いて得られた硬化膜、該硬化膜付基板、前記硬化膜または硬化膜付基板を有する電子部品、および、表示装置に関する。
近年、入力装置として、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせたタッチパネル型入力装置が普及している。タッチパネル型入力装置は表示画面上に、指やペンの先を接触させたときに、その接触位置を検出する入力装置である。
タッチパネル型入力装置には各種検出方式が存在し、抵抗膜方式、静電容量方式等がある。例えば、静電容量方式は、ガラス基板上に、XおよびY電極をマトリックス状に配置した構造を有する装置を用い、指先などが接触することで生じる静電容量の変化を、電流変化として検出する方式である。このような静電容量方式は、近年、小型・モバイル用装置において主流となっている。また、その中でも、カバーガラスとセンサー基板が一体となった構造、いわゆるOGS(one glass solution)型のタッチパネルが多く用いられている。
一般的に、タッチパネル型入力装置の最表面にはカバーガラス等が設けられ、このカバーガラス等には、光源からの光漏れを抑え、周辺部の配線などを隠すために遮光部(一般的には額縁部とも言われる。)が形成される。遮光部は、その用途のため遮光性が求められ、コストの抑制などから黒色が主流である。また、該遮光部には、タッチパネル型入力装置のデザイン等に応じて、様々な色や模様が施される場合もある。
このような遮光部は、従来では、スクリーン印刷により形成することが一般的であった。しかしながら、スクリーン印刷では、得られる遮光部の厚みを薄くすることは通常できない。このため該遮光部は厚くなり、これにより、得られるタッチパネル型入力装置全体の厚さが増す、製造コストが上がるなどの問題が生じ、さらに、遮光部のエッジ部分の段差で遮光部の周辺に存在する配線を断線させる恐れもあった。
一方、薄膜を形成する技術として、インクジェット印刷が知られている。このインクジェット印刷は、無版方式であり、オンデマンド印刷であり、製造コストを抑えることができるため各分野で使用が望まれている。
このインクジェット印刷には、インクジェット対応のカラーインクが使用され、このようなカラーインクとしては、例えば、特許文献1や2に記載のカラーインクが挙げられる。
特開2009−223127号公報 特開2011−123331号公報
前記OGS型のタッチパネルに用いられる遮光部には、該遮光部を形成後に、フォトリソグラフィー法によるITO電極の製造工程を行う必要があるため、耐薬品性が求められる。しかし、前記特許文献に記載のカラーインクは、耐薬品性およびガラスなどの基板(被着体)への密着性が劣る傾向にあるため、このような遮光部として使用することができない傾向にあった。
また、電気・電子装置等に用いられる電子部品などの部品には、通常、絶縁膜が用いられている。例えば、前記静電容量方式のタッチパネルの適用例として、ITO電極のX電極−Y電極間の層間絶縁膜が挙げられる。この絶縁膜にも、前記遮光部と同様に、耐薬品性およびガラスなどの基板(被着体)への密着性が求められる。
本発明の課題は、前記要求に鑑みてなされたものであり、耐薬品性およびガラスなどの基板(被着体)への密着性にバランスよく優れる硬化膜を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物およびその用途を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記構成を有する熱硬化性組成物により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]
式(1)および式(2)で表される構造単位を有する樹脂(A)と、式(3)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)とを含む熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式(3)中、「*」は結合手を示し、また同式中のベンゼン環上の水素原子はシアノ、ハロゲン原子、アルキルまたはメトキシフェニルによって置き換えられていてもよい。)
[2]
樹脂(A)がスチレンと無水マレイン酸との共重合体である[1]に記載の熱硬化性組成物。
[3]
さらに、フルオレン骨格およびシルセスキオキサン骨格を有さないエポキシ化合物(C)を有する、[1]または[2]に記載の熱硬化性組成物。
[4]
フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(4)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式中、R1は独立して、シアノ、ハロゲン原子またはアルキルを示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示し、R3は独立して、2価の有機基を示し、nは独立して、0〜4の整数を示し、mは独立して、0〜4の整数を示し、kは独立して、1〜4の整数を示す。)
[5]
フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(5)で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式中、R4は独立して、炭素数2〜4のアルキレンを示し、jは独立して、0〜4の整数を示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示す。)
[6]
フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(6)で表される化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式中、jは独立して、0〜4の整数を示す。)
[7]
さらに式(7)で表されるシルセスキオキサン(D)を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式中、R5は独立して、炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキル中のベンゼン環において、少なくとも1つの水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、また、炭素数1〜10のアルキルの隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキルの炭素数は1〜10であり、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;R6およびR7はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基であり;Xは独立して、オキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルまたはオキセタニレンを有する基である。)
[8]
前記式(7)におけるR5がシクロヘキシルまたはフェニルであり、Xが式(a)〜(d)のいずれか1つで表される基である、[7]に記載の熱硬化性組成物。
Figure 2016160420
(式(a)〜(d)中、「*」は結合手を示す。)
[9]
前記式(7)におけるR5がフェニルであり、R6およびR7がメチルであり、Xが式(b)で表される基である、[8]に記載の熱硬化性組成物。
[10]
さらに黒色顔料(E)を有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[11]
黒色顔料(E)が、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラックおよびチタンブラックから選ばれる少なくとも一つである、[10]に記載の熱硬化性組成物。
[12]
黒色顔料(E)がカーボンブラックおよびチタンブラックから選ばれる少なくとも一つである、[10]に記載の熱硬化性組成物。
[13]
黒色顔料(E)の平均粒子径が10〜3000nmである、[10]〜[12]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[14]
黒色顔料(E)の平均粒子径が20〜1500nmである、[10]〜[12]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[15]
黒色顔料(E)の平均粒子径が30〜800nmである、[10]〜[12]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[16]
さらに溶剤(F)を含む、[1]〜[15]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[17]
インクジェットインクである、[1]〜[16]のいずれかに記載の熱硬化性組成物。
[18]
[1]〜[17]のいずれかに記載の熱硬化性組成物を用いて得られる硬化膜。
[19]
基板と[18]に記載の硬化膜とを有する硬化膜付基板。
[20]
[18]に記載の硬化膜および[19]に記載の硬化膜付基板から選ばれる少なくとも一つを有する電子部品。
[21]
光線透過部と光線遮光部とを有する表示装置であって、前記光線遮光部が[18]に記載の硬化膜を含む、表示装置。
本発明によれば、耐薬品性およびガラスなどの基板(被着体)への密着性にバランスよく優れる硬化膜を形成可能な熱硬化性組成物を得ることができる。
また、本発明によれば、ジェッティング性に優れる熱硬化性組成物(カラーインク)、特に、ジェッティング性に優れながらも、遮光性に優れ、かつ、前記効果を奏する硬化膜を形成可能な熱硬化性組成物を得ることができる。
従って、この熱硬化性組成物は、電気・電子装置等に用いられる電子部品などに使用される絶縁膜形成用として、また、タッチパネル型入力装置等の表示装置のカバーガラス等に形成される遮光部(額縁部)形成用として好適に用いられ、性能、耐久性、薄型化、低コスト等の点で優れる電子部品などを容易に得ることができる。
1.熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物(以下単に「本発明の組成物」ともいう。)は、特定の樹脂(A)および特定のフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)を含有すれば特に限定されない。
本発明の組成物は、このように、樹脂(A)とエポキシ化合物(B)とを含有するため、耐薬品性およびガラスなどの基板への密着性にバランスよく優れる硬化膜を形成することができる。このような効果は、樹脂(A)とエポキシ化合物(B)とを同時に使用して初めて見出された効果である。
通常、熱硬化性組成物から得られる硬化膜の耐薬品性は、硬化膜の架橋密度が上がることに伴って向上する。一方で、硬化膜の架橋密度が高くなるような組成物を用いた場合には、硬化膜を形成する際に硬化収縮が起こりやすく、この結果、ガラスなどの基板への十分な密着性を有する硬化膜が得られない。つまり、硬化膜の耐薬品性とガラスなどの基板への密着性とには、トレードオフの関係があり、従来の組成物を用いた場合には、これらの特性を併せ持つ硬化膜は得られなかった。従って、本発明の組成物は、従来の組成物に対し、格段に優れる効果を有し、樹脂(A)と化合物(B)との相加効果を超えた相乗効果を有する。
特に、本発明の組成物から得られる硬化膜は、配線などを形成する際に行われ得る、エッチング工程やレジスト剥離工程を経た後でも、ガラスなどの基板への密着性に優れる。このため、本発明の組成物から得られる絶縁膜や遮光膜などの硬化膜は、該硬化膜を有する基板上に配線を形成する場合などにも好適に使用することができる。つまり、本発明の組成物を用いることで、予め配線を形成した基板に硬化膜を形成するのみならず、予め硬化膜を形成した基板に配線を形成することもできる。従来の絶縁膜形成用組成物を用いる場合であって、基板上に先に絶縁膜を形成し、その後配線を形成する場合、配線形成後の絶縁膜は、基板への密着性が悪くなり、所望の性能、特に耐久性に優れる電子部品等が得られなかった。一方、本発明の組成物を用いることで、予め硬化膜を形成した基板に配線を形成したとしても、配線形成後の硬化膜は、基板への密着性に優れるため、所望の性能、特に耐久性に優れる電子部品等を得ることができる。従って、本発明の組成物を用いることで、電子部品の製造手順のバリエーションが格段に増え、所望の用途、電子部品の形状等に応じて様々な方法で電子部品を製造することができるため、本発明の組成物は、電子部品の製造において、特に有益である。
さらに本発明の組成物は、前記樹脂(A)とエポキシ化合物(B)とを含むため、ジェッティング性に優れる。従って、本発明の組成物を用いることで、インクジェット印刷により、所定の場所に、所望の厚さ、特に薄膜の硬化膜を低製造コストで形成することができる。
本発明の組成物には、得られる硬化膜の耐薬品性をより向上させる等の点から、フルオレン骨格およびシルセスキオキサン骨格を有さないエポキシ化合物(C)、式(7)で表されるシルセスキオキサン(D)、得られる硬化膜に遮光性を付与させるために黒色顔料(E)、組成物の粘度を調整する等のために溶剤(F)を配合してもよい。
本発明の組成物は、必要に応じて、さらに樹脂(A)以外の高分子化合物、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、樹脂(A)以外のエポキシ硬化剤、硬化促進剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、黒色以外の顔料または染料を含んでもよい。
1−1. 式(1)および式(2)で表される構造単位を有する樹脂(A)
式(1)および式(2)で表される構造単位を有する樹脂(A)(以下「成分(A)」ともいう。)は、式(1)および(2)で表される構造単位を有すれば特に制限されない。
成分(A)を用いることにより、耐熱性および耐薬品性に優れる硬化膜が得られる。
Figure 2016160420
成分(A)はスチレンと無水マレイン酸を用いて製造することができ、また、スチレンと、無水マレイン酸と、エチレン性不飽和結合を有する単量体とを用いて製造することもできる。
エチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルメチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシランシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンおよび3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタンを挙げることができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両者または一方を示す。
成分(A)は、式(2)中の環が開環した構造単位を有する樹脂であってもよく、例えば、式(2)中の環がアルコールにより開環した構造単位を有する、ハーフエステル型の樹脂であってもよい。
この場合、溶解性に優れる成分(A)が得られる等の観点から、成分(A)中の式(2)に対して、前記開環反応に用いられるアルコール中の総OH基のモル数が10モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。
成分(A)としては、耐薬品性および耐熱に優れる硬化膜が得られる等の観点から、スチレン−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
成分(A)の市販品としては、SMA1000、SMA2000、SMA3000、SMA EF30、SMA EF40、SMA EF60、SMA EF80、SMA1440、SMA17352、SMA2625およびSMA3840(商品名:cray valley社製)などが挙げられる。
これらの成分(A)は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物であってもよい。
成分(A)の重量平均分子量は、他の成分との相溶性、および溶剤への溶解性に優れる重合体が得られ、得られる組成物の粘度等の点から、1,000〜20,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。
重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
成分(A)において、式(1)と式(2)の割合(式(1)で表される構造単位のモル数/式(2)で表される構造単位のモル数)は、耐熱性および耐薬品性に優れる硬化膜が得られ、他の成分との相溶性および溶剤への溶解性に優れる重合体が得られる等の点から、1/1〜10/1が好ましく、1/1〜8/1がより好ましい。
前記割合は、例えば、成分(A)の合成の際に用いるスチレンと無水マレイン酸との使用量から判断することができる。
成分(A)は、耐薬品性および耐熱性に優れる硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分の5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%がより好ましい。
なお、本発明における「固形分」とは、本発明の組成物中における、該組成物から溶剤を差し引いた成分の総量のことをいう。
1−2. 式(3)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)
本発明に用いられるフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)(以下「成分(B)」ともいう。)は、式(3)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ化合物であれば特に限定されない。
Figure 2016160420
(式(3)中、「*」は結合手を示し、また同式中のベンゼン環上の水素原子はシアノ、ハロゲン原子、アルキルまたはメトキシフェニルによって置き換えられていてもよい。)
このような成分(B)を用いることで、耐熱性、耐薬品性およびガラスなどの基板への密着性に優れる硬化膜を得ることができる。
成分(B)は、耐熱性、耐薬品性およびガラスなどの基板への密着性に優れる硬化膜が得られる等の観点から、式(4)で表される化合物であることが好ましく、式(5)で表される化合物であることがより好ましく、式(6)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2016160420
(式中、R1は独立して、シアノ、ハロゲン原子またはアルキルを示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示し、R3は独立して、2価の有機基を示し、nは独立して、0〜4の整数を示し、mは独立して、0〜4の整数を示し、kは独立して、1〜4の整数を示す。)
Figure 2016160420
(式中、R4は独立して、炭素数2〜4のアルキレンを示し、jは独立して、0〜4の整数を示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示す。)
Figure 2016160420
(式中、jは独立して、0〜4の整数を示す。)
成分(B)は、合成して得てもよく、市販品でもよい。
成分(B)の市販品としては、例えば、OGSOL PG−100(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、OGSOL CG−500(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、OGSOL EG−200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、OGSOL EG−250(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、OGSOL EG−280(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)が挙げられる。
これらの成分(B)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物であってもよい。
成分(B)の含有量は、耐熱性、耐薬品性およびガラスなどの基板への密着性に優れる硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分の5〜60重量%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。
1−3. フルオレン骨格およびシルセスキオキサン骨格を有さないエポキシ化合物(C)
フルオレン骨格およびシルセスキオキサン骨格を有さないエポキシ化合物(以下「成分(C)」ともいう。)は成分(A)、成分(B)、成分(D)およびアルコキシシラン類以外の、オキシラン基やオキセタン基を有する化合物であれば特に限定されないが、オキシラン基を2つ以上有する化合物が好ましい。
本発明の組成物に、成分(C)を添加することで、さらに耐熱性、耐薬品性に優れる硬化膜を得ることができる。
なお、本発明において、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有していても、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーからなる重合体は、成分(C)であり、オキシラン基またはオキセタン基を含むアルコキシシラン類はカップリング剤である。
なお、本明細書では、アクリレートまたはメタクリレートを(メタ)アクリレートと記載する。
成分(C)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物、テトラキスフェノールメタン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、多環芳香族型エポキシ化合物、メソゲン骨格含有エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタンが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと共重合させる他のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドが挙げられる。
オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーの重合体、および、オキシラン基またはオキセタン基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、n−ブチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、および、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体が挙げられる
成分(C)の具体例としては、商品名「jER807」、「jER815」、「jER825」、「jER827」、「jER828」、「jER190P」、「jER191P」、「jER1004」、「jER1256」、「jER157S70」、「jER1032H60」(三菱化学(株))、商品名「EPICLON HP−4032D」、「EPICLON HP−4700」、「EPICLON EXA−7240」、「EPICLON HP−7200」、「EPICLON HP−7200H」、「EPICLON HP−7200HH」、「EPICLON EXA−7260」、「EPICLON EXA−7335」、「EPICLON EXA−4770」、「EPICLON EXA−4850」(DIC(株))、商品名「アラルダイトCY177」、「アラルダイトCY184」(ハンツマン・ジャパン(株))、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」((株)ダイセル)、商品名「TECHMORE VG3101L」((株)プリンテック)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、およびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。これらの中でも耐熱性、耐薬品性の点から、jER157S70、jER1032H60、EPICLON HP−7200、EPICLON HP−7200H、EPICLON HP−7200HH、EPICLON HP−4850、アラルダイトCY184、セロキサイド2021P、TECHMORE VG3101LまたはjER828が好ましい。
成分(C)の具体例として、さらに下記式(I)〜(VI)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(I)、(V)および(VI)で表される化合物が、膜面均一性が特に良好な硬化膜が得られるため好ましい。
Figure 2016160420
式(V)中、Rf、RgおよびRhはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の炭化水素基が挙げられる。
式(VI)中、Rcは炭素数2〜100の有機基である。この炭素数2〜100の有機基としては、例えば、炭素数2〜100の炭化水素基、炭素数6〜40の芳香族基を含む基が挙げられる。
式(VI)中、Rdは独立に、炭素数1〜30の有機基である。この炭素数1〜30の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素基が挙げられ、環構造または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜30の炭化水素基が好ましい。環構造としては、フェニル、シクロヘキシル、ナフチル、シクロヘキセニルおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルなどが挙げられる。
式(VI)中、Reは独立に、オキセタン、オキシランまたは1,2−エポキシシクロヘキサンを有する有機基であり、好ましくは下記式(VII)〜(IX)からなる群より選ばれる有機基である。
Figure 2016160420
前記式(VII)中、Riは水素または炭素数1〜3のアルキルである。
前記式(VI)で表される化合物の好ましい例として、下記式(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016160420
成分(C)は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中に成分(C)が含まれる場合、該組成物中の成分(C)の含有量は、特に限定されないが、耐薬品性、耐熱性および膜面均一性に優れる硬化膜が得られる等の点から、好ましくは本発明の組成物の固形分の0.1〜40重量%、より好ましくは0.5〜30重量%である。
1−4. 式(7)で表されるシルセスキオキサン(D)
本発明の組成物に式(7)で表されるシルセスキオキサン(以下「成分(D)」ともいう。)を添加することで、さらに耐薬品性に優れる硬化膜を得ることができる。
Figure 2016160420
(式(7)中、R5は独立して、炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキル中のベンゼン環において、少なくとも1つの水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、また、炭素数1〜10のアルキルの隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキルの炭素数は1〜10であり、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;R6およびR7はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基であり;Xは独立して、オキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルまたはオキセタニレンを有する基である。)
耐薬品性に優れる硬化膜が得られる等の点から、R5はシクロヘキシルまたはフェニルであり、Xは式(a)〜(d)のいずれか1つで示される基であることが好ましく、R5はフェニルであり、R6およびR7はメチルであり、Xは式(b)で表される基であることがさらに好ましい。
Figure 2016160420
(式中、「*」は結合手を示す。)
成分(D)は、国際公開第2004/024741号に記載されている方法を参照して製造することができる。
これらの成分(D)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物であってもよい。
成分(D)の含有量は、耐薬品性に優れる硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分の5〜60重量%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。
1−5. 黒色顔料(E)
本発明の組成物に、黒色顔料(E)(以下「成分(E)」ともいう。)を添加することで、遮光性を有する硬化膜を得ることができる。
本発明の組成物は、成分(A)および(B)を含むため、成分(E)を含んでも、ジェッティング性に優れ硬化膜を形成することができる。
成分(E)としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
これらの成分(E)は1種の化合物であっても、2種以上の化合物であってもよい。
成分(E)の平均粒子径は特に限定されないが、一般的に、組成物に配合する粒子の粒径が小さくなると、得られる組成物の粘度は上昇し、保存安定性が低下する傾向があり、一方、粒子の粒径が大きくなると、組成物の比重が増大することによる粒子沈降や、得られる硬化膜中の粒子の充填密度が低くなることにより、遮光性などの粒子自体が有する特性が表れ難くなる傾向にある。
これらのことを考慮して、成分(E)の平均粒子径は、10nm〜3000nmが好ましく、20nm〜1500nmがより好ましく、30nm〜1000nmがさらに好ましく、30〜800nmが特に好ましい。
本発明の平均粒子径は、堀場製作所製レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−950V2を用い、ミーの散乱理論による解析を利用し、体積基準によって測定された値である。
成分(E)の含有量は、遮光性および絶縁性に優れる硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分の20〜90重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましく、35〜70重量%であることがさらに好ましい。
また、本発明の組成物をインクジェットインクとして用いる場合、成分(E)の含有量は、遮光性および絶縁性に優れる硬化膜が得られ、吐出性に優れる組成物が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分の20〜70重量%であることが好ましく、30〜65重量%であることがより好ましく、35〜60重量%であることがさらに好ましい。
本発明の組成物を調製する際には、黒色顔料単独で用いてもよいが、黒色顔料が分散剤や溶剤中に分散した分散液を用いると、黒色顔料が他の成分と均一に混合されるので好ましい。
1−6. 溶剤(F)
本発明の組成物に、溶剤(F)(以下「成分(F)」ともいう。)を添加することで、粘度を調整することができる。
成分(F)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(F)としては、例えば、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−ヘキサノラクトン、メチルエチルスルホキシド、ジメチルスルホキシドおよび出光興産(株)製エクアミド(商品名)が挙げられる。
これらの中でも、成分(A)および(B)の溶解性、得られる硬化膜の膜面均一性の点から、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチル−2−ピロリドン、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を、溶媒(F)として含むことが好ましい。
成分(F)の含有量は、目的とする組成物の粘度にも依るが、得られる組成物の粘度および得られる硬化膜の膜面均一性の点から、本発明の組成物の5〜90重量%であることが好ましく、10〜85重量%であることがより好ましい。
また、本発明の組成物をインクジェットインクとして用いる場合、成分(F)の含有量は、得られる組成物の粘度等の観点から、本発明の組成物の20〜90重量%であることが好ましく、30〜85重量%であることがより好ましい。
1−7. 添加剤
本発明の組成物は、目的とする特性によっては、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)〜(F)以外の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、成分(A)以外の高分子化合物、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、成分(A)以外のエポキシ硬化剤、硬化促進剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、黒色以外の顔料または染料が挙げられる。
これらの添加剤は、目的とする特性によって、適宜、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
1−7−1. 高分子化合物
高分子化合物としては、成分(A)以外の化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリアミド酸、可溶性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンおよび水溶性ポリマーが挙げられる。高分子化合物としては、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
高分子化合物の重量平均分子量としては、溶解性に優れるなどの点から、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは1,000〜180,000であり、さらに好ましくは1,000〜160,000であり、特に好ましくは1,000〜150,000である。
重量平均分子量が1,000以上である高分子化合物を用いると、該高分子化合物は、本発明の組成物から硬化膜を形成する際に蒸発することがなく、化学的・機械的に安定な硬化膜が得られる。
高分子化合物の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
本発明の組成物中の高分子化合物の含有量は、良好な膜面均一性、耐熱性、および機械特性を有する硬化膜が得られる等の点から本発明の組成物の固形分の0〜40重量%が好ましく、0〜30重量%がさらに好ましい。
1−7−1−1. アクリル樹脂
アクリル樹脂は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する重合体であれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレート;二官能(メタ)アクリレート;三官能以上の多官能(メタ)アクリレート;等のモノマーの単独重合体、およびこれらモノマーの共重合体が挙げられる。また、これらのモノマーと、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸などの単量体とが共重合された重合体でもよい。
なお、重合性を有する基の数が1つである場合を単官能、2つある場合を二官能と表現する。三官能や多官能の意味も、重合性基の数に基づく表現である。
ヒドロキシル基を有する単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中では、形成される硬化膜を柔軟にできる点から、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ヒドロキシル基を有しない単官能重合性(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]およびシクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートおよびトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、およびウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中にアクリル樹脂が含まれる場合、該組成物中のアクリル樹脂の含有量は、特に限定されないが、膜面均一性、耐熱性および機械特性に優れる硬化膜が得られる等の点から本発明の組成物の固形分の0〜40重量%が好ましく、0〜30重量%がさらに好ましい。
1−7−2. 界面活性剤
本発明の組成物は、基板などの塗布対象物への濡れ性、レベリング性、膜面均一性、または、本発明の組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上させるために、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤としては、本発明の組成物をインクジェット印刷等する場合の吐出性を向上できる点から、例えば、商品名「BYK−300」、「BYK−306」、「BYK−335」、「BYK−310」、「BYK−341」、「BYK−342」、「BYK−344」、「BYK−361N」、「BYK−370」(ビックケミー・ジャパン(株))等のシリコン系界面活性剤;商品名「BYK−354」、「BYK−358」、「BYK−361」(ビックケミー・ジャパン(株))等のアクリル系界面活性剤;商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株))等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中に界面活性剤が含まれる場合、該組成物中の界面活性剤の含有量は、本発明の組成物の固形分の0.01〜1重量%が好ましい。
1−7−3. 帯電防止剤
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用するものである。このような帯電防止剤としては、特に限定されず、公知の帯電防止剤を用いることができるが、具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や、四級アンモニウム塩などが挙げられる。
帯電防止剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中に帯電防止剤が含まれる場合、該組成物中の帯電防止剤の含有量は、本発明の組成物の0.01〜1重量%が好ましい。
1−7−4. カップリング剤
カップリング剤としては、特に限定されず、公知のカップリング剤を用いることができ、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤の例としては、トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物が挙げられる。
トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物としては、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中では、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが特に好ましい。
カップリング剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中にカップリング剤が含まれる場合、該組成物中のカップリング剤の濃度は、本発明の組成物の固形分の0.01〜10重量%である。
1−7−5. エポキシ硬化剤
エポキシ硬化剤は、成分(A)以外の化合物であれば特に限定されない。エポキシ硬化剤としては、公知のエポキシ硬化剤を用いることができ、具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、フェノール類、ジシアンジアミド類、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物などを用いることができる。
なお、多価カルボン酸とは、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物のことをいう。
エポキシ硬化剤としては、さらに具体的には、商品名「マルカリンカーM S−1」、「マルカリンカー S−2」、「マルカリンカー S−4」、「マルカリンカー H−2」(丸善石油(株))、商品名「MEH−7500」、「MEH−7600−4H」、「MEH−7851SS」(明和化成(株))等のフェノール類;ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類;アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド化合物;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物等の多価カルボン酸無水物;およびトリメリット酸等の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、マルカリンカーM S−1、マルカリンカー S−2、マルカリンカー S−4、マルカリンカー H−2、無水トリメリット酸、トリメリット酸、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、および1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中にエポキシ硬化剤が含まれる場合、該組成物中のエポキシ硬化剤の含有量は、本発明の組成物の固形分の1〜50重量%が好ましい。
1−7−6. 硬化促進剤
硬化促進剤としては、特に限定されず、公知の硬化促進剤を用いることができ、具体的には、3級アミン類、イミダゾールおよびその誘導体、ルイス酸、有機酸、ホスフィン類などを用いることができる。
なお、イミダゾールおよびその誘導体は、前記1−6−7.のエポキシ硬化剤として用いることができるイミダゾールおよびその誘導体と同様の化合物であってもよく、エポキシ硬化剤としてだけでなく硬化促進剤としても使用できる。
硬化促進剤としては、さらに具体的には、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;BF3モノエチルアミン等のルイス酸;サリチル酸等の有機酸;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類などが挙げられる。これらの中では2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、トリフェニルホスフィンが好ましい。
硬化促進剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物中に硬化促進剤が含まれる場合、該組成物中の硬化促進剤の含有量は、本発明の組成物の成分(B)、成分(C)および成分(F)の総量の0.1〜10重量%が好ましい。
2. 熱硬化性組成物の調製方法
本発明の組成物は、成分(A)および(B)と、必要に応じて、成分(C)〜(F)やその他の添加剤などとを混合することによって調製することができる。
3. 硬化膜の形成方法
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を用いて得られる膜であれば特に制限されない。本発明の硬化膜は、例えば、本発明の組成物を、基板上に塗布し、加熱することにより得ることができる。
基板上に形成された硬化膜は、所望の用途に応じて、該基板から剥離して用いてもよいが、得られる硬化膜は、基板への密着性に優れるため、基板から剥離せず、得られる硬化膜付基板をそのまま様々な用途に用いることが好ましい。
3−1. 熱硬化性組成物の塗布方法
基板上への本発明の組成物の塗布は、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スリットコート法、バーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法など従来から公知の方法により行うことができる。
例えば、本発明の組成物から、タッチパネルにおける遮光部(額縁部)を形成する場合、パターン形成が容易であるという点で、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法などの印刷法が好ましい。
特に薄膜化が可能であり、無版、オンデマンド印刷によるコスト低減が可能であるという点から、インクジェット印刷がさらに好ましい。
また、例えば、本発明の成物から、基板全面に絶縁膜を形成する場合、全面印刷が容易であるという点で、スピンコート法、スリットコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法などの塗布法が好ましい。
前記基板としては、特に限定されるものではなく公知の基板を用いることができ、また、本発明の硬化膜を形成したい部分を前記基板とすることができる。
前記基板としては、例えば、FR−1、FR−3、FR−4またはCEM−3の各種規格に適合する、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、グリーンエポキシ基板、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン基板;銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ、クロムまたはステンレス等の金属からなる基板(これらの金属からなる層を表面に有する基板であってもよい);酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ジルコニウムのケイ酸塩(ジルコン)、酸化マグネシウム(マグネシア)、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫化カドニウム、硫化モリブデン、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ケイ素(シリカ)、炭化ケイ素(シリコンカーバイト)、窒化ケイ素(シリコンナイトライド)、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、酸化亜鉛、ムライト、フェライト、ステアタイト、ホルステライト、スピネルまたはスポジュメン等の無機物からなる基板(これらの無機物を含む層を表面に有する基板であってもよい);PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)、熱可塑性エラストマーまたは液晶ポリマー等の樹脂からなる基板(これらの樹脂を含む層を表面に有する基板であってもよい);シリコン、ゲルマニウムまたはガリウム砒素等の半導体基板;ガラス基板;酸化スズ、酸化亜鉛、ITOまたはATO(酸化アンチモンスズ)等の電極材料(配線)が表面に形成された基板;αGEL(アルファゲル)、βGEL(ベータゲル)、θGEL(シータゲル)またはγGEL(ガンマゲル)(以上、(株)タイカの登録商標)等のゲルシート;が挙げられる。
本発明の組成物は、好ましくはガラス基板、ITO基板や樹脂製フィルム基板上に塗布される。
3−2. 熱硬化性樹脂組成物の硬化方法
前記本発明の組成物を塗布した後に、基板上に塗布された組成物を加熱することで硬化膜を得ることができる。このようにして硬化膜を形成する方法としては、好ましくは、本発明の組成物を基板上に塗布した後にホットプレート、またはオーブンなどで加熱することにより、溶剤を気化などさせて除去し(乾燥処理)、その後、さらに加熱する(硬化処理)方法が用いられる。
乾燥処理の条件は、用いる組成物に含まれる各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常、加熱温度は70〜120℃であり、加熱時間は、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜10分間である。このような乾燥処理により、基板上に形状を保持できる程度の塗膜を形成することができる。
前記塗膜を形成した後、通常120〜300℃、好ましくは150〜250℃で硬化処理をする。このとき、オーブンを用いた場合では、通常10〜120分間、ホットプレートを用いた場合では、通常5〜60分間加熱処理することで硬化膜を得ることができる。
なお、硬化処理は、加熱処理に限定されず、紫外線、近赤外線、イオンビーム、電子線またはガンマ線照射などにより行ってもよい。
4. 硬化膜付基板
本発明の硬化膜付基板は、本発明の硬化膜を有すれば特に制限されないが、前記基板、特に、ガラス基板、ITO基板および樹脂製フィルム基板からなる群より選ばれる少なくとも1種類の基板上に上述の硬化膜を有することが好ましく、本発明の硬化膜は、特にガラス基板への密着性に優れるため、ガラス基板に上述の硬化膜を有することがより好ましい。
このような硬化膜付基板は、例えば、ガラス、ITO、PET、PEN等の基板上に、本発明の組成物を前記塗布法等によって全面または所定のパターン状(ライン状など)に塗布し、その後、前記で説明したような、乾燥処理および硬化処理を経ることで、形成することができる。
5. 電子部品
本発明の電子部品は、上述の硬化膜または硬化膜付基板を有する電子部品である。このような電子部品としては、カラーフィルター、LED発光素子および受光素子などの各種光学材料、タッチパネル用材料などが挙げられる。
タッチパネルは、例えば、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせることで製造することができる。
ここで、位置検出装置としては、従来公知の位置検出装置を挙げることができるが、例えば、以下のようにして製造される、カバーガラスとセンサー基板が一体となった構造のいわゆるOGS型の位置検出装置が好ましい。
製造方法:最表面に設置するためのカバーガラス上に、本発明の硬化膜で遮光部を形成する。その後、カバーガラスの該遮光部が形成された側にITOなどの導電物質からなる配線(X電極)を形成し、該配線を覆うように透明絶縁膜を形成し、次いで、X電極と直交するように、ITOなどの導電物質からなる配線(Y電極)を形成し、その後、基板全面を覆うように、オーバーコートを形成する。
本発明の組成物は、ジェッティング性に優れるため、所望の厚さの遮光部を所望の位置に、所望の形状で、容易に安価に形成できる等の点から、インクジェット印刷により前記遮光部を形成することが好ましい。
このようにして得られる遮光部は、配線などを形成する際に行われ得る、エッチング工程やレジスト剥離工程を経た後でも、ガラスなどの基板への密着性に優れる。このため、本発明の組成物を用いることで、予め配線を形成した基板に遮光部を形成するのみならず、予め遮光部を形成した基板に配線を形成することもできる。
前記透明絶縁膜を形成する際に用いる材料としては、従来公知の材料を使用することができるが、本発明の組成物を使用してもよい。
6. 表示装置
本発明の表示装置は、光線透過部と前記本発明の硬化膜からなる光線遮光部とを有する。具体的には、カバーガラスとセンサー基板が一体となった構造のいわゆるOGS型のタッチパネルが好ましい。このタッチパネルとしては、遮光部として、本発明の硬化膜を用いること以外は、前記電子部品の欄で記載したタッチパネルが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いる、反応原料および溶剤の名称を略号で示す。以下の記述にはこの略号を使用する。
成分(A)
・「SMA1000」:SMA1000(商品名):cray valley社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体(重量平均分子量5500)、
・「SMA EF30」:SMAEF30(商品名):cray valley社製、スチレン−無水マレイン酸共重合体(重量平均分子量9500)
・「SMA17352」:SMA17352(商品名):cray valley社製、式(8)で表される化合物
Figure 2016160420
成分(B)
・「PG100」:OGSOL PG−100(商品名):大阪ガスケミカル(株)製
・「EG200」:OGSOL EG−200(商品名):大阪ガスケミカル(株)製
成分(C)
・「jER157」:jER157S70(商品名):三菱化学(株)製、特殊ノボラック型多官能エポキシ樹脂
・「HP4700」:EPICLON HP4700(商品名):DIC(株)製、ナフタレン型エポキシ樹脂
・「VG3101L」:TECHMORE VG3101L(商品名):(株)プリンテック製、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−[2,3−エポキシプロポキシ]フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物
成分(D)
・「化合物(9)」:式(9)で表される化合物
Figure 2016160420
(式(9)中、Meはメチルを示し、Phはフェニルを示す。)
成分(E)
・「TiB」:チタンブラック分散液SC13M−T/MTM(商品名):三菱マテリアル(株)製、チタンブラック分散液(溶剤:トリエチレングリコールジメチルエーテル、固形分34.4重量%、平均粒子径283nm)
成分(F)
・「MTM」:ハイソルブMTM(商品名):東邦化学工業(株)製、トリエチレングリコールジメチルエーテル
カップリング剤
・「S510」:サイラエースS−510(商品名):JNC(株)製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
硬化剤
・「TMA」:無水トリメリット酸(商品名):和光純薬工業(株)製
[合成例1]
<化合物(9)の製造>
下記の反応機構に基づいて化合物(9)を製造した。
Figure 2016160420
窒素雰囲気下、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた内容積200ミリリットルの反応容器に、国際公開第2004/024741号に開示されている方法により合成した化合物(a)(21.0g)および乾燥トルエン(20g)を仕込み、乾燥窒素でシールした。マグネチックスターラーで攪拌しながら反応温度が60℃になるように加熱した。マイクロシリンジを用いてPt触媒(21μL)を添加し、滴下ロートから(株)ダイセル製CEL2000(10g)をゆっくりと滴下し、3時間攪拌した。反応容器の内容物をエバポレータに移し、濃縮し、粗結晶を得た。得られた粗結晶にアセトンを加え20重量%溶液とした。さらに粗結晶に対して3重量%の活性炭を加えて1時間攪拌した。その後、活性炭をろ過し、ろ液に粗結晶の10倍量のヘキサンを加えて、25℃で2時間攪拌した。その後、ろ過を行い、ろ液をエバポレータで濃縮した。得られた粗結晶の1.25倍量のヘキサンを加え、60℃に加熱して溶解させた後、25℃で再結晶を行った。得られた結晶(収量22g、収率76%)は、NMRの測定の結果、化合物(9)であることがわかった。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm);0.01(s,24H),0.40−0.46(m,8H),0.58−0.63(m,2H),0.83−0.87(m,4H),0.95−1.26(m,18H),1.45−1.49(m,2H),1.59−1.81(m,6H),1.98(dd,4H),2.91−3.03(m,8H),7.14(t,8H),7.25(t,8H),7.33(t,4H),7.38−7.43(m,12H),7.45(d,8H).
29Si−NMR(CDCl3):δ(ppm);−106.92,−79.41,−79.18,11.26,11.28,11.34,11.36.
[実施例1]
成分(A)としてSMA1000[1.65g]、成分(B)としてEG200[1.13g]、成分(F)としてMTM[7.50g]、成分(C)としてjER157[0.75g]、カップリング剤としてS510[0.20g]を、均一な溶液になるまで攪拌し、混合溶液1を得た。次に成分(E)としてTiB[14.70g]中に、混合溶液1を添加・攪拌後、メンブレンフィルター(PTFE製、5.0μm)でろ過し、ろ液(熱硬化性組成物1)を得た。
E型粘度計(商品名:TV−22、東機産業(株)製)を用い、25℃における熱硬化性組成物1の粘度を測定した結果、10.2mPa・sであった。
(硬化膜付基板の作製)
4cm角のガラス基板(商品名:EAGLE XG、コーニング社製)を用意した。熱硬化性組成物1をインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix Inc.製のDMP−2831(商品名))に装着し、10pl用のインクジェットヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)20V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHz、吐出間隔35μm、塗布回数1回の吐出条件で、3cm×2cmのパターンを塗布した。この基板をホットプレート(アズワン(株)製、ウルトラホットプレートHI−200A(商品名))を用いて80℃で3分間乾燥させ、その後、トランジャップオーブン((株)カトー製、TRO−51DPN(商品名))を用いて230℃で30分間加熱し、硬化膜付基板を得た。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
表1に示す原料を使用したこと以外は、実施例1と同じ条件で熱硬化性組成物を調製後、硬化膜付基板を作成し、下記評価(1)〜(3)を行った。結果を表1に示す。
得られた熱硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にして、該組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。
(1)遮光性(OD)
得られた硬化膜の遮光性は、硬化膜のOD(光学濃度)で評価した。ODは、日本分光(株)製、紫外可視分光光度計V−670(光源:D65)を用いて透過率を測定し、その値から算出したY値を用い、下記式に基づいて求めた。
OD=−log(Y/100)
Y値はXYZ表色系における透過による物体の三刺激値のYである。
また遮光性は膜厚と比例関係にあるので、ODを膜厚で規格化したOD/膜厚の値も求めた。なお、硬化膜の膜厚は、触針式膜厚計XP−200(AMBIOS TECHNOLOGY社製)を用いて測定した値である。
タッチパネルなどの表示装置のカバーガラス等に設けられる遮光部として必要な遮光性は、通常、OD/膜厚の値が1.5以上であることが求められる。
(2)耐薬品性
得られた硬化膜付基板を用い、(i)〜(iii)の3つの試験をそれぞれ行い、試験前後の硬化膜の膜厚変化を触針式膜厚計XP−200を用いて測定した。膜厚変化が±3%未満である場合を◎、±3%以上±5%未満である場合を○、±5%以上である場合を×とした。
・試験(i):レジスト剥離剤であるナガセレジストストリップN300(商品名、ナガセケムテックス(株)製)に硬化膜付基板を80℃で15分間浸漬させた
・試験(ii):10%硝酸水溶液に硬化膜付基板を50℃で15分間浸漬させた
・試験(iii):5%NaOH水溶液に硬化膜付基板を40℃で5分間浸漬し、次いで、10%硝酸水溶液に得られた基板を50℃で5分間浸漬し、その後、ナガセストリップN300に得られた基板を80℃で5分間浸漬させた
(3)密着性
(2)の耐薬品性試験(i)〜(iii)それぞれの試験後の硬化膜付基板を用い、テープ剥離による碁盤目試験(JIS−K−5400)を行い、基板上に残存する硬化膜の残存数を数えることで、基板と硬化膜との密着性を評価した。残存数/100が、100/100である場合を○、99/100以下である場合を×とした。
Figure 2016160420
表1から分かるように、本発明の熱硬化性組成物から形成した硬化膜は、遮光性、耐薬品性、密着性に優れている。一方、比較例1〜3では、遮光性を有してはいるが、耐薬品性または基板への密着性が不良となっている。
以上から、成分(A)とエポキシ化合物(B)を有する熱硬化性組成物の硬化膜のみが、遮光性、耐薬品性、密着性が良好であった。
本発明の組成物は、電子部品等に用いられる絶縁膜形成用として、特に、タッチパネル用遮光部形成用として好適に用いることができる。

Claims (21)

  1. 式(1)および式(2)で表される構造単位を有する樹脂(A)と、式(3)で表されるフルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)とを含む熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式(3)中、「*」は結合手を示し、また同式中のベンゼン環上の水素原子はシアノ、ハロゲン原子、アルキルまたはメトキシフェニルによって置き換えられていてもよい。)
  2. 樹脂(A)がスチレンと無水マレイン酸との共重合体である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. さらに、フルオレン骨格およびシルセスキオキサン骨格を有さないエポキシ化合物(C)を有する、請求項1または2に記載の熱硬化性組成物。
  4. フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(4)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式中、R1は独立して、シアノ、ハロゲン原子またはアルキルを示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示し、R3は独立して、2価の有機基を示し、nは独立して、0〜4の整数を示し、mは独立して、0〜4の整数を示し、kは独立して、1〜4の整数を示す。)
  5. フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(5)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式中、R4は独立して、炭素数2〜4のアルキレンを示し、jは独立して、0〜4の整数を示し、R2は独立して、水素、アルキルまたはメトキシフェニルを示す。)
  6. フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(B)が式(6)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式中、jは独立して、0〜4の整数を示す。)
  7. さらに式(7)で表されるシルセスキオキサン(D)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式中、R5は独立して、炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキルから選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は、−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;炭素数6〜14のアリールおよび炭素数7〜24のアリールアルキル中のベンゼン環において、少なくとも1つの水素はハロゲンまたは炭素数1〜10のアルキルで置き換えられてもよく、この炭素数1〜10のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、また、炭素数1〜10のアルキルの隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキルの炭素数は1〜10であり、隣接しない少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;R6およびR7はそれぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基であり;Xは独立して、オキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルまたはオキセタニレンを有する基である。)
  8. 前記式(7)におけるR5がシクロヘキシルまたはフェニルであり、Xが式(a)〜(d)のいずれか1つで表される基である、請求項7に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2016160420
    (式(a)〜(d)中、「*」は結合手を示す。)
  9. 前記式(7)におけるR5がフェニルであり、R6およびR7がメチルであり、Xが式(b)で表される基である、請求項8に記載の熱硬化性組成物。
  10. さらに黒色顔料(E)を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  11. 黒色顔料(E)が、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラックおよびチタンブラックから選ばれる少なくとも一つである、請求項10に記載の熱硬化性組成物。
  12. 黒色顔料(E)がカーボンブラックおよびチタンブラックから選ばれる少なくとも一つである、請求項10に記載の熱硬化性組成物。
  13. 黒色顔料(E)の平均粒子径が10〜3000nmである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  14. 黒色顔料(E)の平均粒子径が20〜1500nmである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  15. 黒色顔料(E)の平均粒子径が30〜800nmである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  16. さらに溶剤(F)を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  17. インクジェットインクである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を用いて得られる硬化膜。
  19. 基板と請求項18に記載の硬化膜とを有する硬化膜付基板。
  20. 請求項18に記載の硬化膜および請求項19に記載の硬化膜付基板から選ばれる少なくとも一つを有する電子部品。
  21. 光線透過部と光線遮光部とを有する表示装置であって、前記光線遮光部が請求項18に記載の硬化膜を含む、表示装置。
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