JP2016141733A - 水性インク、記録装置、及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される水性インクを提供する。【解決手段】着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□以下であり、前記高分子粒子が酸価10mgKOH/g以上の高分子化合物を含む水性インク。前記高分子粒子がスルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物であり、前記高分子化合物がポリエステル、または、ポリウレタンである水性インク。【選択図】なし
Description
本発明は、水性インク、記録装置、及び記録方法に関する。
インクジェット記録方法で記録を行う際、インク吐出直後には1滴であったインク液滴が複数に分割し、サテライトと呼ばれる微小なインク液滴が発生することがある。また、このサテライトが更に分散化することで生じるミストは、例えば、インクを吐出する吐出ヘッドに付着し、インク吐出の妨げになることがあることも知られている。
そこで、発生したミストを回収する手段を備えた記録装置が提案されている。
このような記録装置としては、例えば、特許文献1に、「記録ヘッドからインク液滴を記録媒体に吐出して記録を行う記録装置であって、記録前に前記記録媒体を除電する除電手段と、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う記録手段と、前記記録手段による記録のために前記記録ヘッドから吐出され、前記記録に用いられることなく浮遊するインクミストを静電気力により回収する回収手段と有することを特徴とする記録装置」が開示されている。
このような記録装置としては、例えば、特許文献1に、「記録ヘッドからインク液滴を記録媒体に吐出して記録を行う記録装置であって、記録前に前記記録媒体を除電する除電手段と、前記記録媒体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う記録手段と、前記記録手段による記録のために前記記録ヘッドから吐出され、前記記録に用いられることなく浮遊するインクミストを静電気力により回収する回収手段と有することを特徴とする記録装置」が開示されている。
本発明の課題は、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含む水性インクであって、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□を超える場合と比べ、記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される水性インクを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□以下である水性インクである。
請求項2に係る発明は、前記高分子粒子が酸価10mgKOH/g以上の高分子化合物を含む請求項1に記載の水性インクである。
請求項3に係る発明は、前記高分子粒子がスルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の水性インクである。
請求項4に係る発明は、前記高分子化合物がポリエステルである請求項2又は請求項3に記載の水性インクである。
請求項5に係る発明は、前記高分子化合物がポリウレタンである請求項2又は請求項3に記載の水性インクである。
請求項6に係る発明は、記録媒体の表面に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の第1の水性インクを吐出する第1の吐出工程と、
前記第1の吐出工程後、前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥工程と、
前記乾燥工程後、前記記録媒体の裏面に第2の水性インクを吐出する第2の吐出工程と、を有する記録方法である。
前記第1の吐出工程後、前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥工程と、
前記乾燥工程後、前記記録媒体の裏面に第2の水性インクを吐出する第2の吐出工程と、を有する記録方法である。
請求項7に係る発明は、
前記第2の吐出工程後、前記記録媒体の裏面に吐出された前記第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥工程を更に有する請求項6に記載の記録方法である。
前記第2の吐出工程後、前記記録媒体の裏面に吐出された前記第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥工程を更に有する請求項6に記載の記録方法である。
請求項8に係る発明は、記録媒体の表面に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の第1の水性インクを吐出する第1の吐出ヘッドと、
前記第1の吐出ヘッドにより前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥装置と、
前記第1の乾燥装置により前記第1の水性インクが乾燥された後の前記記録媒体の裏面に、第2の水性インクを吐出する第2の吐出ヘッドと、
を備える記録装置である。
前記第1の吐出ヘッドにより前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥装置と、
前記第1の乾燥装置により前記第1の水性インクが乾燥された後の前記記録媒体の裏面に、第2の水性インクを吐出する第2の吐出ヘッドと、
を備える記録装置である。
請求項9に係る発明は、前記第2の吐出ヘッドにより前記記録媒体の裏面に吐出された前記第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥装置を更に備える請求項8に記載の記録装置である。
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、又は請求項5に係る発明によれば、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□を超える場合と比べ、記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される水性インクが提供される。
請求項6、又は請求項8に係る発明によれば、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□を超える水性インクを用いた場合と比べ、ミストが低減される記録装置、又は記録方法が提供される。
請求項7、又は請求項9に係る発明によれば、第2のインクを乾燥しない場合に比べ、高速記録を実現する記録装置、又は記録方法が提供される。
以下、本発明の水性インク、記録装置、及び記録方法について、一例である実施形態に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る水性インクは、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□以下である水性インクである。
ここで、「ガラス板上に膜形成した」とは、以下に示す状態を示す。
測定試料である水性インクを2g用い、これを5cm×5cmガラス板(松波ガラス社製)の全面に塗布したとき、ガラス板の表面の一部が露出することなく、ガラス板全面に水性インクによる膜が形成された状態を「ガラス板上に膜形成した」と称する。
この膜形成は、温度23℃、湿度30%RHの条件下で行う。
測定試料である水性インクを2g用い、これを5cm×5cmガラス板(松波ガラス社製)の全面に塗布したとき、ガラス板の表面の一部が露出することなく、ガラス板全面に水性インクによる膜が形成された状態を「ガラス板上に膜形成した」と称する。
この膜形成は、温度23℃、湿度30%RHの条件下で行う。
本実施形態において、上記のようにして得られた膜の表面抵抗率は、1×106Ω/□以下(好ましくは8×105Ω/□以下、より好ましくは6×105Ω/□以下)である。
このような膜の表面抵抗率であることで、記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される。
膜の表面抵抗率は、高分子粒子の種類(高分子粒子を構成する高分子化合物の種類(酸価、ドーパント等)及び含有量、保湿剤(多価アルコール)の種類及び含有量、高沸点溶媒の種類及び含有量等によって調整しうるが、定着性の点からは、高分子粒子の種類及び含有量により調整することが好ましい。
このような膜の表面抵抗率であることで、記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される。
膜の表面抵抗率は、高分子粒子の種類(高分子粒子を構成する高分子化合物の種類(酸価、ドーパント等)及び含有量、保湿剤(多価アルコール)の種類及び含有量、高沸点溶媒の種類及び含有量等によって調整しうるが、定着性の点からは、高分子粒子の種類及び含有量により調整することが好ましい。
形成された膜の表面抵抗率は、以下のようにして測定する。
ガラス板上に形成された膜を、測定ステージ(三菱化学社製:MCP−ST01)上に載せる。そして、形成された膜上に測定プローブ(三菱化学社製:HRプローブ)を密着させ、高抵抗率計ハイレスター−IP(三菱化学社製)にて表面抵抗を測定する。
ガラス板上に形成された膜を、測定ステージ(三菱化学社製:MCP−ST01)上に載せる。そして、形成された膜上に測定プローブ(三菱化学社製:HRプローブ)を密着させ、高抵抗率計ハイレスター−IP(三菱化学社製)にて表面抵抗を測定する。
本実施形態に係る水性インクによれば、記録媒体の両面に画像を記録するときに発生するミストが低減される。以降、記録媒体の両面に画像を記録することを、「両面印刷」と称して説明する。
このような効果を奏する理由については、以下のように推測される。
インクジェット記録方法において、水性インクを吐出させる対象物である記録媒体としては、紙基材の一方又は両方の面に塗工層が設けられた、コート紙と呼ばれる水性インクが浸透し難い記録媒体が知られている。
このようなコート紙への水性インクによる画像形成には、水性インクの浸透乾燥に加え、熱を用いた蒸発乾燥を施し、画像の定着を行うことが好ましい。
また、水性インクが吐出された記録媒体は、水性インクに対する蒸発乾燥により自身も乾燥することで、搬送ローラ等の搬送部材との摩擦により帯電し易くなる。特に、コート紙の場合、塗工層の存在により、より帯電し易いといった特性を有する。
このような効果を奏する理由については、以下のように推測される。
インクジェット記録方法において、水性インクを吐出させる対象物である記録媒体としては、紙基材の一方又は両方の面に塗工層が設けられた、コート紙と呼ばれる水性インクが浸透し難い記録媒体が知られている。
このようなコート紙への水性インクによる画像形成には、水性インクの浸透乾燥に加え、熱を用いた蒸発乾燥を施し、画像の定着を行うことが好ましい。
また、水性インクが吐出された記録媒体は、水性インクに対する蒸発乾燥により自身も乾燥することで、搬送ローラ等の搬送部材との摩擦により帯電し易くなる。特に、コート紙の場合、塗工層の存在により、より帯電し易いといった特性を有する。
インクジェット記録方法により水性インクを用いて両面印刷を行う場合、記録媒体の表面への水性インクの吐出と浸透乾燥及び蒸発乾燥とを経て画像の記録が行われた後、記録媒体の裏面への水性インクの吐出がなされる。つまり、記録媒体の裏面への水性インクの吐出がなされる際、かかる記録媒体は、表面への画像記録が行われ、蒸発乾燥を経たことにより帯電した状態となる。帯電した記録媒体に対し、水性インクを吐出させると、サテライトと呼ばれる微小なインク液滴内で電荷が反発して更なる分散化が起き、水性インクの微小滴であるミストの発生が助長されることがある。
また、発生したミストは、記録媒体と電気的に同極となるため、記録媒体ではなく吐出ヘッドに付着し、インク吐出の妨げになることがある。
また、発生したミストは、記録媒体と電気的に同極となるため、記録媒体ではなく吐出ヘッドに付着し、インク吐出の妨げになることがある。
本実施形態に係る水性インクは、高分子粒子を含有し、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□以下である。
このような構成の水性インクは、乾燥、定着されることで導電性を示す画像が得られるものと推測される。そのため、両面印刷の場合、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを用いて画像が記録されれば、記録媒体の裏面に水性インクが吐出されるよりも前に、記録媒体の表面に記録された画像と搬送ローラ等の搬送部材とが接触することにより、この記録媒体の表面の画像を介して記録媒体の除電が行われることとなる。記録媒体の除電により、記録媒体の裏面に水性インクを吐出する際には、記録媒体の裏面の表面電位は低くなっており、記録媒体の裏面へ水性インクの吐出を行った際であっても、ミストの発生を抑制しうる。
以上のことから、本実施形態に係る水性インクによれば、記録媒体に両面印刷するときに発生するミストが低減されるものと推測される。
このような構成の水性インクは、乾燥、定着されることで導電性を示す画像が得られるものと推測される。そのため、両面印刷の場合、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを用いて画像が記録されれば、記録媒体の裏面に水性インクが吐出されるよりも前に、記録媒体の表面に記録された画像と搬送ローラ等の搬送部材とが接触することにより、この記録媒体の表面の画像を介して記録媒体の除電が行われることとなる。記録媒体の除電により、記録媒体の裏面に水性インクを吐出する際には、記録媒体の裏面の表面電位は低くなっており、記録媒体の裏面へ水性インクの吐出を行った際であっても、ミストの発生を抑制しうる。
以上のことから、本実施形態に係る水性インクによれば、記録媒体に両面印刷するときに発生するミストが低減されるものと推測される。
〔水性インク〕
以下、本実施形態に係る水性インクについて説明する。
本実施形態に係る水性インクは、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含む。
以下、本実施形態に係る水性インクについて説明する。
本実施形態に係る水性インクは、着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含む。
(着色剤)
まず、着色剤について説明する。
着色剤としては、目的とする色相の水性インクに応じたものを使用すればよく、具体的には、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
まず、着色剤について説明する。
着色剤としては、目的とする色相の水性インクに応じたものを使用すればよく、具体的には、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
黒色顔料(ブラック顔料)の具体例としては、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上オリオンエンジニアドカーボンズ社製)、No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet−19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet−19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、着色剤として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが好ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、例えば縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
親水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、りん酸基等を有する単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
疎水性基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
高分子分散剤として好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有する単量体を共重合させてもよい。
高分子分散剤の重量平均分子量としては、例えば、2000以上50000以下がよい。
これら高分子分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。高分子分散剤の含有量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、顔料に対し、0.1質量%以上100質量%以下であることがよい。
顔料としては、水に自己分散する顔料(以下自己分散型顔料と称する)も挙げられる。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
自己分散型顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、Cab−o−jet−400、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cab−o−jet−250C、Cab−o−jet−260M,Cab−o−jet−270Y,Cab−o−jet−450C,Cab−o−jet−465M,Cab−o−jet−470Y,Cab−o−jet−480M、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も挙げられる。
自己分散型顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが好ましい。より好ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
ここで、顔料としては、樹脂により被覆された顔料等も挙げられる。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、DIC社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料がある。なお、市販のマイクロカプセル顔料に限られず、目的に応じて作製したマイクロカプセル顔料を使用してもよい。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤としては、顔料の他、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉、樹脂粉、又はエマルション、蛍光染料や蛍光顔料等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径は、例えば、10nm以上1000nm以下であることが挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。
体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈した水性インクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には水性インク希釈液の粘度を、粒子屈折率は着色剤の屈折率を採用する。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。
体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈した水性インクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には水性インク希釈液の粘度を、粒子屈折率は着色剤の屈折率を採用する。
着色剤の含有量(濃度)は、例えば、水性インクに対して1質量%以上25質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましい。
(高分子粒子)
高分子粒子について説明する。
高分子粒子は、記録媒体に対する水性インクによる画像の定着性を高める成分である。
なお、本実施形態における高分子粒子は、高分子化合物を粒状化したものであって、前述した高分子分散剤とは別の成分である。
高分子粒子について説明する。
高分子粒子は、記録媒体に対する水性インクによる画像の定着性を高める成分である。
なお、本実施形態における高分子粒子は、高分子化合物を粒状化したものであって、前述した高分子分散剤とは別の成分である。
高分子粒子としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、シリコン−アクリル酸共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等の粒子(ラテックス粒子)が挙げられる。
なお、高分子粒子としては、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
なお、高分子粒子としては、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
本実施形態においては、高分子粒子は、ガラス板上での成膜性、及び形成された膜の表面抵抗率の調整し易さの点から、酸価10mgKOH/g以上(より好ましくは酸価40mgKOH/g以上)の高分子化合物を含むものが好ましい。
また、高分子粒子に含まれる高分子化合物の酸価の上限値は、画質の点から、100mgKOH/gが好ましい。
このような高分子化合物は、酸基を有する高分子化合物であるため、その酸基の存在により、形成された膜及び画像に導電性を付与し易い。
また、高分子粒子に含まれる高分子化合物の酸価の上限値は、画質の点から、100mgKOH/gが好ましい。
このような高分子化合物は、酸基を有する高分子化合物であるため、その酸基の存在により、形成された膜及び画像に導電性を付与し易い。
ここで、高分子化合物の酸価は、JIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いて測定される。
即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜた。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とする。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出する。
即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜた。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とする。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出する。
本実施形態においては、高分子粒子は、ガラス板上での成膜性、及び形成された膜の表面抵抗率の調整し易さの点から、また、上記の酸価を満たす点から、スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物を含むものが好ましい。この高分子化合物も、スルホン酸、カルボン酸の存在により、形成された膜及び画像に導電性を付与し易い。
スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物としては、スルホン酸基(−SO3H)を有する単量体及びカルボン酸基(−COOH)を有する単量体の少なくとも一方を用いて得られる高分子化合物であってもよいし、合成された高分子化合物にスルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を導入して得られる高分子化合物であってもよい。
このような高分子化合物としては、スルホン酸基を有する単量体及びカルボン酸基を有する単量体の少なくとも一方を用いて得られたアクリル系共重合体、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリウレタン、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリエステル等が好ましい。
スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物としては、スルホン酸基(−SO3H)を有する単量体及びカルボン酸基(−COOH)を有する単量体の少なくとも一方を用いて得られる高分子化合物であってもよいし、合成された高分子化合物にスルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を導入して得られる高分子化合物であってもよい。
このような高分子化合物としては、スルホン酸基を有する単量体及びカルボン酸基を有する単量体の少なくとも一方を用いて得られたアクリル系共重合体、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリウレタン、スルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリエステル等が好ましい。
上記した、酸価10mgKOH/g以上の高分子化合物、又は、スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物は、何れも、官能基(酸基)の存在により、親水性であって保湿性能を有する高分子化合物である。
保湿性能を有する高分子化合物を含む高分子粒子を用いることで、かかる高分子粒子が水性インク中の水分を記録媒体へと効率的に供給しうる。そのため、記録媒体の乾燥を抑制し、帯電し難くすると考えられる。
そのため、本実施形態に係る水性インクに、このような保湿性能を有する高分子化合物を含む高分子粒子を用いた場合、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール、所謂保湿剤の含有量を低減させうる。多価アルコール(保湿剤)の含有量が低減することで、水性インクの定着性を高められる。
保湿性能を有する高分子化合物を含む高分子粒子を用いることで、かかる高分子粒子が水性インク中の水分を記録媒体へと効率的に供給しうる。そのため、記録媒体の乾燥を抑制し、帯電し難くすると考えられる。
そのため、本実施形態に係る水性インクに、このような保湿性能を有する高分子化合物を含む高分子粒子を用いた場合、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール、所謂保湿剤の含有量を低減させうる。多価アルコール(保湿剤)の含有量が低減することで、水性インクの定着性を高められる。
本実施形態において、酸価10mgKOH/g以上の高分子化合物、及び、スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物は、定着性の向上のため、ポリエステル又はポリウレタンであることが好ましい。
つまり、本実施形態における好ましい高分子粒子は、酸価10mgKOH/g以上のポリエステル又はポリウレタン、若しくは、スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリエステル又はポリウレタンである。
ここで、高分子粒子を構成する高分子化合物におけるポリエステル及びポリウレタンは、それぞれ、ポリエステル又はポリウレタンを主骨格としていればよく、ポリエステル又はポリウレタンとは異なる部分構造を含む変性物又は共重合体であってもよい。
つまり、本実施形態における好ましい高分子粒子は、酸価10mgKOH/g以上のポリエステル又はポリウレタン、若しくは、スルホン酸及びカルボン酸基の少なくとも一方を有するポリエステル又はポリウレタンである。
ここで、高分子粒子を構成する高分子化合物におけるポリエステル及びポリウレタンは、それぞれ、ポリエステル又はポリウレタンを主骨格としていればよく、ポリエステル又はポリウレタンとは異なる部分構造を含む変性物又は共重合体であってもよい。
高分子粒子は、乳化剤を用いて水性インク中に分散させたものであってもよく、乳化剤を用いないで水性インク中に分散させたものであってもよい。
乳化剤としては、界面活性剤、スルホン酸基、カルボキシル基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、親水性を持つ単量体と疎水性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)が挙げられる。
乳化剤としては、界面活性剤、スルホン酸基、カルボキシル基等の親水性基を有するポリマー(例えば、親水性基がグラフト結合しているポリマー、親水性を持つ単量体と疎水性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)が挙げられる。
高分子粒子の体積平均粒径は、画像の光沢性及び耐擦過性の点から、10nm以上300nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上200nm以下である。
高分子粒子の体積平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈した水性インクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には水性インク希釈液の粘度を、粒子屈折率は高分子の屈折率を採用する。
高分子粒子の体積平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈した水性インクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には水性インク希釈液の粘度を、粒子屈折率は高分子の屈折率を採用する。
高分子粒子のガラス転移温度は、画像の耐擦過性の点から、−20℃以上80℃以下が好ましく、より好ましくは−10℃以上60℃以下である。
高分子粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
高分子粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
高分子粒子の含有量は、画像の定着性を高める点、吐出安定性、成膜性の点から、水性インクに対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
高分子粒子の含有量が0.1質量%以上であることで、ガラス板上での成膜性が得られ易くなり、高分子粒子の種類にもよるが、その含有量が10質量%以下であることで、ガラス板上に形成された膜の表面抵抗率が、1×106Ω/□以下にし易くなる。
高分子粒子の含有量が0.1質量%以上であることで、ガラス板上での成膜性が得られ易くなり、高分子粒子の種類にもよるが、その含有量が10質量%以下であることで、ガラス板上に形成された膜の表面抵抗率が、1×106Ω/□以下にし易くなる。
(水)
水について説明する。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水について説明する。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水の含有量は、例えば、水性インクに対して10質量%以上95質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
(水溶性有機溶媒)
水溶性有機溶媒について説明する。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール、多価アルコール誘導体、含窒素溶媒、アルコール、含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
水溶性有機溶媒について説明する。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール、多価アルコール誘導体、含窒素溶媒、アルコール、含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2−へキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。
多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
アルコールとしては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
水溶性有機溶媒の含有量は、水に対して1質量%以上60質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、水溶性有機溶剤中、保湿性能を有するグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール(保湿剤)は、ガラス板上で形成された膜の表面抵抗を調整しうるが、定着性の点からは、含有量は少ない方が好ましい。特に、グリセリンの含有させない、又は含有量が少ないことが好ましい。
グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール(保湿剤)の含有量は、水性インクに対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
なお、水溶性有機溶剤中、保湿性能を有するグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール(保湿剤)は、ガラス板上で形成された膜の表面抵抗を調整しうるが、定着性の点からは、含有量は少ない方が好ましい。特に、グリセリンの含有させない、又は含有量が少ないことが好ましい。
グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール(保湿剤)の含有量は、水性インクに対して30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤について説明する。
水性インクは、界面活性剤として、例えば、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)が14以下の界面活性剤を用いることが好ましい。HLBが14以下の界面活性剤の量を調整する、また、異なるHLBの界面活性剤を複数種使用することなどにて、水性インクの表面張力の調整がし易くなる。
界面活性剤について説明する。
水性インクは、界面活性剤として、例えば、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)が14以下の界面活性剤を用いることが好ましい。HLBが14以下の界面活性剤の量を調整する、また、異なるHLBの界面活性剤を複数種使用することなどにて、水性インクの表面張力の調整がし易くなる。
なお、HLB(親水基/疎水基バランス「Hydrophile− Lipophile Barance」)は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
このような界面活性剤としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエーテル変性シリコーンよりなる群から選択する少なくとも一種が挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物は、例えば、アセチレングリコールの少なくとも一つの水酸基にエチレンオキサイドを付加させた−O−(CH2CH2O)n−H構造(なお、例えばnは1以上30以下の整数を示す)を持つ化合物である、
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、例えば、オルフィンE1004(7〜9)、オルフィンE1010(13〜14)、オルフィンEXP.4001(8〜11)、オルフィンEXP.4123(11〜14)、オルフィンEXP.4300(10〜13),サーフィノール104H(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(4)、ダイノール604(8)[以上、日信化学工業社]等が挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、例えば、オルフィンE1004(7〜9)、オルフィンE1010(13〜14)、オルフィンEXP.4001(8〜11)、オルフィンEXP.4123(11〜14)、オルフィンEXP.4300(10〜13),サーフィノール104H(4)、サーフィノール420(4)、サーフィノール440(4)、ダイノール604(8)[以上、日信化学工業社]等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、シリコーン鎖(ポリシロキサン主鎖)に、ポリエーテル基がグラフト状に結合した化合物、又はブロック状に結合した化合物である。ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が挙げられる。ポリエーテル基としては、例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック状又はランダムに付加したポリオキシアルキレン基であってもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、シルフェイスSAG002(12)、シルフェイスSAG503A(11)、シルフェイスSAG005(7)[以上、日信化学工業社]等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す)としては、シルフェイスSAG002(12)、シルフェイスSAG503A(11)、シルフェイスSAG005(7)[以上、日信化学工業社]等が挙げられる。
本実施形態に係る水性インクには、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びポリエーテル変性シリコーン以外の、その他の界面活性剤を用いてもよい。
その他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。
その他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等がよい。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等がよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコールがよい。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコールがよい。
ノニオン性界面活性剤としては、その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も挙げられる。
他の界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると、例えば、3以上20以下の範囲がよい。
界面活性剤は、1種類で使用しても2種類以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、総計で、水性インクに対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上3質量%以下が更に好ましい。
(その他の添加剤)
その他の添加剤について説明する。
水性インクは、その他の添加剤を含んでもよい。
その他の添加剤としては、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。
その他の添加剤について説明する。
水性インクは、その他の添加剤を含んでもよい。
その他の添加剤としては、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。
(水性インクの物性)
水性インクの好適な物性について説明する。
水性インクのpHは、好ましくは4以上10以下の範囲、より好ましくは5以上9以下の範囲が挙げられる。
ここで、水性インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
水性インクの好適な物性について説明する。
水性インクのpHは、好ましくは4以上10以下の範囲、より好ましくは5以上9以下の範囲が挙げられる。
ここで、水性インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%R.H.環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
水性インクの導電率は、例えば0.01S/m以上0.5S/m以下の範囲(好ましくは0.01S/m以上0.25S/m以下の範囲、より好ましくは0.01S/m以上0.20S/m以下の範囲)が挙げられる。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
水性インクの粘度は、例えば1.5mPa・s以上30mPa・s以下の範囲(好ましくは1.5mPa・s以上20mPa・s以下の範囲)が挙げられる。
粘度は、TV−20(東機産業製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定する。
粘度は、TV−20(東機産業製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定する。
(用途)
ここで、本実施形態に係る水性インクは、例えば、黒インク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びこれら色以外の中間色インクのいずれであってもよい。
また、本実施形態に係る水性インクは、かかる水性インクを少なくとも1種含む(好ましくは全てが本実施形態に係る水性インクからなる)インクセットとして使用してもよい。
ここで、本実施形態に係る水性インクは、例えば、黒インク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びこれら色以外の中間色インクのいずれであってもよい。
また、本実施形態に係る水性インクは、かかる水性インクを少なくとも1種含む(好ましくは全てが本実施形態に係る水性インクからなる)インクセットとして使用してもよい。
本実施形態に係る水性インクは、かかる水性インクによって得られた画像を介して記録媒体の除電を行いうるものであるため、インクジェット記録方法による両面印刷の際には、記録媒体の表面に対する1度目の画像形成に用いられることが好ましい。
なお、本実施形態に係る水性インクは、高分子粒子を含有しており定着性に優れる水性インクであるため、インクジェット記録方法による両面印刷の際には、記録媒体の表面に対する1度目の画像形成にのみならず、記録媒体の裏面に対する2度目の画像形成に用いられてもよい。
なお、本明細書では、記録媒体において、1度目の画像形成がなされる面を「表面」と称し、1度目の画像形成後、1度目の画像形成がなされた面とは反対の面であって、2度目の画像形成がなされる面と「裏面」と称する。
また、本明細書では、記録媒体に対して水性インクを(目的とする領域に)吐出することを「画像形成」又は「画像を形成する」と称することがあり、記録媒体に対して水性インクの吐出し、乾燥させて定着まで行われたことを「画像記録」又は「画像を記録する」と称することがある。
なお、本実施形態に係る水性インクは、高分子粒子を含有しており定着性に優れる水性インクであるため、インクジェット記録方法による両面印刷の際には、記録媒体の表面に対する1度目の画像形成にのみならず、記録媒体の裏面に対する2度目の画像形成に用いられてもよい。
なお、本明細書では、記録媒体において、1度目の画像形成がなされる面を「表面」と称し、1度目の画像形成後、1度目の画像形成がなされた面とは反対の面であって、2度目の画像形成がなされる面と「裏面」と称する。
また、本明細書では、記録媒体に対して水性インクを(目的とする領域に)吐出することを「画像形成」又は「画像を形成する」と称することがあり、記録媒体に対して水性インクの吐出し、乾燥させて定着まで行われたことを「画像記録」又は「画像を記録する」と称することがある。
〔記録装置/記録方法〕
以下、本実施形態に係る水性インクを用いた記録装置及び記録方法について説明する。
本実施形態に係る水性インクを用いた記録装置としては、本実施形態に係る水性インクを、記録媒体に吐出する吐出ヘッドを備える記録装置であればよい。この記録装置により、本実施形態に係る水性インクを記録媒体に吐出する吐出工程を有する記録方法が実現される。
また、上記の記録装置は、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥装置を更に備えてもよい。この乾燥装置を更に備えた記録装置では、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥工程を更に有する記録方法が実現される。乾燥装置(乾燥工程)により、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥することで、高速記録が実現される。
以下、本実施形態に係る水性インクを用いた記録装置及び記録方法について説明する。
本実施形態に係る水性インクを用いた記録装置としては、本実施形態に係る水性インクを、記録媒体に吐出する吐出ヘッドを備える記録装置であればよい。この記録装置により、本実施形態に係る水性インクを記録媒体に吐出する吐出工程を有する記録方法が実現される。
また、上記の記録装置は、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥装置を更に備えてもよい。この乾燥装置を更に備えた記録装置では、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥工程を更に有する記録方法が実現される。乾燥装置(乾燥工程)により、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥することで、高速記録が実現される。
以下、本実施形態に係る水性インクが有する効果がより発現される、両面印刷を行う記録装置及び記録方法(本実施形態に係る記録装置及び記録方法)について説明する。
本実施形態に係る記録装置は、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを第1の水性インクとして吐出する第1の吐出ヘッドと、第1の吐出ヘッドにより記録媒体の表面に吐出された第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥装置と、第1の乾燥装置により第1の水性インクが乾燥された後の記録媒体の裏面に、第2の水性インクを吐出する吐出ヘッドと、を備える。
この記録装置により、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを第1の水性インクとして吐出する第1の吐出工程と、第1の吐出工程後、記録媒体の表面に吐出された第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥工程と、第1の乾燥工程後、記録媒体の裏面に第2の水性インクを吐出する第2の吐出工程と、を有する本実施形態に係る記録方法が実現される。
また、本実施形態に係る記録装置では、第2の吐出ヘッドにより記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥装置を更に備えることが好ましい。この第2の乾燥装置を更に備えた記録装置では、第2の吐出工程後、記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥工程を更に有する記録方法が実現される。乾燥装置(乾燥工程)により、記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥することで、高速記録が実現される。
本実施形態に係る記録装置は、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを第1の水性インクとして吐出する第1の吐出ヘッドと、第1の吐出ヘッドにより記録媒体の表面に吐出された第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥装置と、第1の乾燥装置により第1の水性インクが乾燥された後の記録媒体の裏面に、第2の水性インクを吐出する吐出ヘッドと、を備える。
この記録装置により、記録媒体の表面に、本実施形態に係る水性インクを第1の水性インクとして吐出する第1の吐出工程と、第1の吐出工程後、記録媒体の表面に吐出された第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥工程と、第1の乾燥工程後、記録媒体の裏面に第2の水性インクを吐出する第2の吐出工程と、を有する本実施形態に係る記録方法が実現される。
また、本実施形態に係る記録装置では、第2の吐出ヘッドにより記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥装置を更に備えることが好ましい。この第2の乾燥装置を更に備えた記録装置では、第2の吐出工程後、記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥工程を更に有する記録方法が実現される。乾燥装置(乾燥工程)により、記録媒体の裏面に吐出された第2の水性インクを乾燥することで、高速記録が実現される。
以下、本実施形態に係る記録装置の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る記録装置100は、記録媒体P上に画像を記録する画像記録ユニット10と、画像記録ユニット10に供給する記録媒体Pが収容される前処理ユニット20と、前処理ユニット20から画像記録ユニット10へ供給される記録媒体Pの搬送量等を調整するバッファユニット30と、を備えている。バッファユニット30は、画像記録ユニット10と前処理ユニット20との間に配置されている。
図1は、本実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。
本実施形態に係る記録装置100は、記録媒体P上に画像を記録する画像記録ユニット10と、画像記録ユニット10に供給する記録媒体Pが収容される前処理ユニット20と、前処理ユニット20から画像記録ユニット10へ供給される記録媒体Pの搬送量等を調整するバッファユニット30と、を備えている。バッファユニット30は、画像記録ユニット10と前処理ユニット20との間に配置されている。
また、記録装置100は、画像記録ユニット10から排出される記録媒体Pを収容する後処理ユニット40と、画像記録ユニット10から後処理ユニット40へ排出される記録媒体Pの搬送量等を調整するバッファユニット50と、を備えている。バッファユニット50は、画像記録ユニット10と後処理ユニット40との間に配置されている。
更に、記録装置100は、画像記録ユニット10とバッファユニット50との間に配置され、画像記録ユニット10から搬出される記録媒体Pを冷却する冷却ユニット60を備えている。
画像記録ユニット10は、例えば、記録媒体Pを記録媒体Pの搬送経路Rに沿って案内するロール部材(符号省略)と、記録媒体Pの搬送経路Rに沿って搬送される記録媒体Pの表面に水性インク(水性インクの液滴)を吐出する吐出ヘッド(第1の吐出ヘッド)12Aと、吐出ヘッド12Aにより記録媒体Pの表面に1度目の画像形成が行われ、吐出ヘッド12Bにより1度目の画像形成後の記録媒体Pの裏面に2度目の画像形成が行われる。
吐出ヘッド12A、12Bは、例えば、有効な記録領域(水性インクを吐出するノズルの配置領域)が記録媒体Pの幅(記録媒体Pの搬送方向と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とされた長尺状の記録ヘッドである。
なお、吐出ヘッド12A、12Bは、これに限られず、記録媒体Pの幅よりも短尺状の吐出ヘッドであって、記録媒体Pの幅方向に移動して水性インクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の吐出ヘッドであってもよい。
なお、吐出ヘッド12A、12Bは、これに限られず、記録媒体Pの幅よりも短尺状の吐出ヘッドであって、記録媒体Pの幅方向に移動して水性インクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の吐出ヘッドであってもよい。
吐出ヘッド12A、12Bは、水性インクの液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、水性インクの液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式であってもよく、公知のものが適用される。
吐出ヘッド12A、12Bは、例えば、記録媒体Pに水性インクを吐出してK(ブラック)色の画像を形成する吐出ヘッド12KA、12KBと、Y(イエロー)色の画像を形成する吐出ヘッド12YA、12YBと、M(マゼンタ)色の画像を形成する吐出ヘッド12MA、12MBと、C(シアン)色の画像を形成する吐出ヘッド12CA、12CBと、それぞれを有している。そして、吐出ヘッド12KA、12KB、と、吐出ヘッド12YA、12YBと、吐出ヘッド12MA、12MBと、吐出ヘッド12CA、12CBと、はこの順番で記録媒体Pの搬送方向(以下単に「用紙搬送方向」と記載することがある)に沿って上流側から下流側に記録媒体Pと対向するように並べられている。なお、吐出ヘッドの表記において、K、Y、M、Cを区別しない場合には、符号に付しているK、Y、M、Cを省略する。
吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CA,12KB,12YB,12MB,12CBは、それぞれ、記録装置100に着脱される各色のインクカートリッジ(不図示)と供給管(不図示)を通じて連結されており、インクカートリッジから各色のインクがそれぞれの吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CA,12KB,12YB,12MB,12CBへ供給される。
ここで、各色のインクカートリッジに収容されている水性インクは、吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CAに供給するもののうち少なくとも1つが本実施形態に係る水性インクであればよいが、吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CAに供給するものの全てが本実施形態に係る水性インクあることが好ましい。
また、吐出ヘッド12KB,12YB,12MB,12CBに供給する水性インクは、本実施形態に係る水性インクであってもよいし、他の公知の水性インクであってもよい。
ここで、各色のインクカートリッジに収容されている水性インクは、吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CAに供給するもののうち少なくとも1つが本実施形態に係る水性インクであればよいが、吐出ヘッド12KA,12YA,12MA,12CAに供給するものの全てが本実施形態に係る水性インクあることが好ましい。
また、吐出ヘッド12KB,12YB,12MB,12CBに供給する水性インクは、本実施形態に係る水性インクであってもよいし、他の公知の水性インクであってもよい。
吐出ヘッド12A、12Bは、上記4色のそれぞれに対応した4つの吐出ヘッドを配置する形態に限られず、目的に応じて、他の中間色を加えた4色以上のそれぞれに対応した4つ以上の吐出ヘッドを配置した形態であってもよい。
ここで、吐出ヘッド12A、12Bとしては、例えば、インク滴量lpl以上15pl以下の範囲で水性インクを吐出する低解像度用の吐出ヘッド(例えば600dpiの吐出ヘッド)、インク滴量10pl未満の範囲で水性インクを吐出する高解像度用の吐出ヘッド(例えば1200dpiの吐出ヘッド)のいずれであってもよい。また、吐出ヘッド12A、12Bとして、低解像度用の吐出ヘッド、及び高解像度用の吐出ヘッドの双方を備えていてもよい。
吐出ヘッド12A、12Bからのインク液滴量は、水性インクの最大液滴量の範囲である。また、dpiは「dot per inch」を意味する。
吐出ヘッド12A、12Bからのインク液滴量は、水性インクの最大液滴量の範囲である。また、dpiは「dot per inch」を意味する。
画像記録ユニット10には、吐出ヘッド12Aに対して用紙搬送方向の下流側に、例えば、記録媒体Pの裏面が巻き掛けられ、記録媒体Pと接触して従動回転しながら記録媒体の表面の画像(インク)を乾燥する乾燥ドラム14A(乾燥装置の一例)が配置されている。
同様に、画像記録ユニット10には、吐出ヘッド12Bに対して用紙搬送方向の下流側に、それぞれ、例えば、記録媒体Pの表面が巻き掛けられ、記録媒体Pと接触して従動回転しながら記録媒体の裏面の画像(インク)を乾燥する乾燥ドラム14B(乾燥装置の一例)が配置されている。
そして、乾燥ドラム14Aに対して用紙搬送方向の下流側であって、吐出ヘッド12Bに対して用紙搬送方向の上流側に、記録媒体Pの表面に接触する搬送ローラ18が配置されている。
同様に、画像記録ユニット10には、吐出ヘッド12Bに対して用紙搬送方向の下流側に、それぞれ、例えば、記録媒体Pの表面が巻き掛けられ、記録媒体Pと接触して従動回転しながら記録媒体の裏面の画像(インク)を乾燥する乾燥ドラム14B(乾燥装置の一例)が配置されている。
そして、乾燥ドラム14Aに対して用紙搬送方向の下流側であって、吐出ヘッド12Bに対して用紙搬送方向の上流側に、記録媒体Pの表面に接触する搬送ローラ18が配置されている。
乾燥ドラム14A、14Bの内部には、加熱源(例えばハロゲンヒータ等:不図示)が内蔵されている。乾燥ドラム14Aが加熱源による加熱により記録媒体Pの表面の画像(インク)を、また、乾燥ドラム14Bが加熱源による加熱により記録媒体Pの裏面の画像(インク)を、それぞれ乾燥する。
乾燥ドラム14A、14Bの周囲には、それぞれ、記録媒体P上の画像(インク)を乾燥する温風送風装置16A、16B(乾燥装置の一例)が配置されている。この温風送風装置16Aによる温風によって、乾燥ドラム14Aに巻き掛けられた記録媒体Pの表面の画像(インク)を、また、温風送風装置16Bによる温風によって、乾燥ドラム14Bに巻き掛けられた記録媒体Pの裏面の画像(インク)を、それぞれ乾燥する。
上記のような加熱乾燥を行う乾燥装置を用いる場合、その乾燥条件は以下のようであることが好ましい。
即ち、例えば、乾燥ドラムの加熱源の温度や、温風送風装置の温風温度は、水性インクの乾燥を早める点や、記録媒体Pの変形の抑制の点から、40℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上100℃以下の範囲であることがより好ましい。
なお、この乾燥温度条件は、乾燥ドラム14Aと乾燥ドラム14Bとで、また、温風送風装置16Aと温風送風装置16Bとで、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
即ち、例えば、乾燥ドラムの加熱源の温度や、温風送風装置の温風温度は、水性インクの乾燥を早める点や、記録媒体Pの変形の抑制の点から、40℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上100℃以下の範囲であることがより好ましい。
なお、この乾燥温度条件は、乾燥ドラム14Aと乾燥ドラム14Bとで、また、温風送風装置16Aと温風送風装置16Bとで、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、画像記録ユニット10における乾燥装置は、記録媒体Pの表面用(乾燥ドラム14A、温風送風装置16A)、記録媒体Pの裏面用(乾燥ドラム14B、温風送風装置16B)で同じ構成であったが、この構成に限定されず、それぞれ異なった構成であってもよい。
なお、画像記録ユニット10には、吐出ヘッド12A、12Bに対して用紙搬送方向の下流側には、記録媒体Pの下地層上の画像(インク)を乾燥する近赤外線ヒータ(不図示)、レーザ照射装置等の他の乾燥装置が配置されていてもよい。近赤外線ヒータ、レーザ照射装置等の他の乾燥装置は、乾燥ドラム14A、14B及び温風送風装置16A、16Bの少なくとも一方に代えて配置されてもよいし、又は、乾燥ドラム14A、14B及び温風送風装置16A、16Bに加えて配置されてもよい。
前処理ユニット20は、画像記録ユニット10へ供給される記録媒体Pが巻き付けられている供給ロール20Aを備えており、この供給ロール20Aは、図示せぬフレーム部材に回転可能に支持されている。
バッファユニット30は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ30A、ダンサーローラ30B及び第2パスローラ30Cが配置されている。ダンサーローラ30Bは、図1中上下に移動することにより、画像記録ユニット10へ搬送される記録媒体Pの張力調整、及び記録媒体Pの搬送量を調整する。
後処理ユニット40は、画像が記録された記録媒体Pを巻き取る搬送部の一例としての巻取ロール40Aを備えている。この巻取ロール40Aが図示せぬモータから回転力を受けて回転することで、記録媒体Pが搬送経路Rに沿って搬送されるようになっている。
バッファユニット50は、例えば、用紙搬送方向に沿って第1パスローラ50A、ダンサーローラ50B及び第2パスローラ50Cが配置されている。ダンサーローラ50Bは、図1中上下に移動することにより、後処理ユニット40へ排出される記録媒体Pの張力調整、及び記録媒体Pの搬送量を調整する。
冷却ユニット60には、複数のクーリングローラ60Aが配置されている。複数のクーリングローラ60Aの間に記録媒体Pを搬送することにより、記録媒体Pを冷却する。
ここで、本実施形態に係る記録装置における記録速度、即ち、記録媒体の搬送速度は、特に限定されないが、前述したように、記録媒体に吐出された水性インクを乾燥する乾燥装置を備えていることから、10m/min以上の高速であってもよい。
次に、本実施形態に係る記録装置100による動作(記録方法)について説明する。
本実施形態に係る記録装置100では、まず、前処理ユニット20の供給ロール20Aから、バッファユニット50を通じて、画像記録ユニット10に記録媒体Pを搬送する。
次に、画像記録ユニット10において、各吐出ヘッド12Aから水性インクを記録媒体Pの表面に吐出する。その後、乾燥ドラム14Aにより、記録媒体Pの表面の画像(インク)を記録媒体Pの裏面側(吐出ヘッド12Aからのインク吐出面とは反対の面)から乾燥する。そして、温風送風装置16Aにより、記録媒体Pの表面に吐出されたインク(画像)を記録媒体Pの表面側(吐出ヘッド12Aからのインク吐出面側)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム14A及び温風送風装置16Aにより、記録媒体Pの表面に吐出された水性インクを乾燥する。
そして、記録媒体Pの表面に記録された画像は、搬送ローラ18に接触することで、かかる画像を介して、記録媒体Pを除電する。
続いて、画像記録ユニット10において、各吐出ヘッド12Bから水性インクを記録媒体Pの裏面に吐出する。その後、乾燥ドラム14Bにより、記録媒体Pの裏面の画像(インク)を記録媒体Pの表面側(吐出ヘッド12Bからのインク吐出面とは反対の面)から乾燥する。そして、温風送風装置16Bにより、記録媒体Pの裏面に吐出されたインク(画像)を記録媒体Pの裏面側(吐出ヘッド12Bからのインク吐出面側)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム14B及び温風送風装置16Bにより、記録媒体Pの裏面に吐出された水性インクを乾燥する。
次に、冷却ユニット60において、クーリングローラ60Aにより、表面に画像が記録された記録媒体Pを冷却する。
次に、バッファユニット50を通じて、後処理ユニット40は、表面に画像が記録された記録媒体Pを巻取ロール40Aにより巻き取る。
本実施形態に係る記録装置100では、まず、前処理ユニット20の供給ロール20Aから、バッファユニット50を通じて、画像記録ユニット10に記録媒体Pを搬送する。
次に、画像記録ユニット10において、各吐出ヘッド12Aから水性インクを記録媒体Pの表面に吐出する。その後、乾燥ドラム14Aにより、記録媒体Pの表面の画像(インク)を記録媒体Pの裏面側(吐出ヘッド12Aからのインク吐出面とは反対の面)から乾燥する。そして、温風送風装置16Aにより、記録媒体Pの表面に吐出されたインク(画像)を記録媒体Pの表面側(吐出ヘッド12Aからのインク吐出面側)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム14A及び温風送風装置16Aにより、記録媒体Pの表面に吐出された水性インクを乾燥する。
そして、記録媒体Pの表面に記録された画像は、搬送ローラ18に接触することで、かかる画像を介して、記録媒体Pを除電する。
続いて、画像記録ユニット10において、各吐出ヘッド12Bから水性インクを記録媒体Pの裏面に吐出する。その後、乾燥ドラム14Bにより、記録媒体Pの裏面の画像(インク)を記録媒体Pの表面側(吐出ヘッド12Bからのインク吐出面とは反対の面)から乾燥する。そして、温風送風装置16Bにより、記録媒体Pの裏面に吐出されたインク(画像)を記録媒体Pの裏面側(吐出ヘッド12Bからのインク吐出面側)から乾燥する。つまり、乾燥ドラム14B及び温風送風装置16Bにより、記録媒体Pの裏面に吐出された水性インクを乾燥する。
次に、冷却ユニット60において、クーリングローラ60Aにより、表面に画像が記録された記録媒体Pを冷却する。
次に、バッファユニット50を通じて、後処理ユニット40は、表面に画像が記録された記録媒体Pを巻取ロール40Aにより巻き取る。
以上の工程を通じて、記録媒体Pの両面に水性インクによる画像が記録される。
なお、上記のようにして記録された画像を備える記録媒体Pは切断する工程を経て、目的とする大きさへと裁断する。
なお、上記のようにして記録された画像を備える記録媒体Pは切断する工程を経て、目的とする大きさへと裁断する。
記録装置100では、吐出ヘッド12A、12Bによって水性インクの液滴を記録媒体Pの表面に直接吐出する方式について説明したが、これに限らず、例えば中間転写体に水性インクの液滴を吐出した後に、中間転写体上の水性インクの液滴を記録媒体Pに転写する方式であってもよい。
また、記録装置100は、吐出ヘッド14Aと記録媒体Pの表面用の記録装置(乾燥ドラム14A、温風送風装置16A)、及び、吐出ヘッド14Bと記録媒体Pの裏面用の記録装置(乾燥ドラム14B、温風送風装置16B)が、全て同じ画像記録ユニット10内にある構成であったが、この構成に限定されない。例えば、本実施形態に係る記録装置は、画像記録ユニットを2つ有し、一方に吐出ヘッド14Aと記録媒体Pの表面用の記録装置(乾燥ドラム14A、温風送風装置16A)が設けられ、他方に吐出ヘッド14Bと記録媒体Pの裏面用の記録装置(乾燥ドラム14B、温風送風装置16B)が設けられた構成であってもよい。
また、記録装置100は、吐出ヘッド14Aと記録媒体Pの表面用の記録装置(乾燥ドラム14A、温風送風装置16A)、及び、吐出ヘッド14Bと記録媒体Pの裏面用の記録装置(乾燥ドラム14B、温風送風装置16B)が、全て同じ画像記録ユニット10内にある構成であったが、この構成に限定されない。例えば、本実施形態に係る記録装置は、画像記録ユニットを2つ有し、一方に吐出ヘッド14Aと記録媒体Pの表面用の記録装置(乾燥ドラム14A、温風送風装置16A)が設けられ、他方に吐出ヘッド14Bと記録媒体Pの裏面用の記録装置(乾燥ドラム14B、温風送風装置16B)が設けられた構成であってもよい。
また、本実施形態に係る記録装置100では、ロール状の記録媒体P(所謂連帳紙)に水性インクを吐出し、乾燥を経て画像を記録する方式について説明したが、例えば、目的のサイズの枚葉紙に水性インクを吐出し、乾燥を経て画像を記録する方式であってもよい。
(記録媒体)
本実施形態に係る記録装置及び記録方法に用いられる記録媒体としては、普通紙、コート紙等の公知の画像記録用の記録媒体が挙げられる。
特に、帯電し易く、本実施形態に係る水性インクの効果が発現し易い点から、紙基材の一方又は両方の面に塗料又は合成樹脂等による塗工層を備えたコート紙が好ましく用いられる。
コート紙としては、例えば、王子製紙製「OKトップコート+」、日本製紙製「オーロラコート」等が挙げられる。
本実施形態に係る記録装置及び記録方法に用いられる記録媒体としては、普通紙、コート紙等の公知の画像記録用の記録媒体が挙げられる。
特に、帯電し易く、本実施形態に係る水性インクの効果が発現し易い点から、紙基材の一方又は両方の面に塗料又は合成樹脂等による塗工層を備えたコート紙が好ましく用いられる。
コート紙としては、例えば、王子製紙製「OKトップコート+」、日本製紙製「オーロラコート」等が挙げられる。
前述した本実施形態は、その形態のみに限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現されることは、言うまでもない。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
〔水性インク1の調製〕
・カーボンブラック(Mogul L:キャボット(株)製)(着色剤):5質量%
・スチレン/アクリル酸共重合体ナトリウム中和物:2.5質量%
(高分子分散剤、重量平均分子量=30000)
・LuburiJet N240(Luburizol製):5質量%(固形分)
(アクリル系エマルション;カルボン酸基を有するアクリル系高分子化合物を含む高分子粒子、酸価=65mgKOH/g、体積平均粒径=0.12μm、ガラス転移温度=28℃)
・ジエチレングリコール:5質量%
・界面活性剤(オルフィンE1010、日信化学工業社製):2質量%
・イオン交換水:残部(インク全量で100質量%となる場合の残部)
上記組成を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性インク1を得た。
〔水性インク1の調製〕
・カーボンブラック(Mogul L:キャボット(株)製)(着色剤):5質量%
・スチレン/アクリル酸共重合体ナトリウム中和物:2.5質量%
(高分子分散剤、重量平均分子量=30000)
・LuburiJet N240(Luburizol製):5質量%(固形分)
(アクリル系エマルション;カルボン酸基を有するアクリル系高分子化合物を含む高分子粒子、酸価=65mgKOH/g、体積平均粒径=0.12μm、ガラス転移温度=28℃)
・ジエチレングリコール:5質量%
・界面活性剤(オルフィンE1010、日信化学工業社製):2質量%
・イオン交換水:残部(インク全量で100質量%となる場合の残部)
上記組成を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性インク1を得た。
[実施例2]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−730(カルボン酸基を有するポリエステルを含む高分子粒子、互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク2を調製した。
プラスコートZ−730(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=40mgKOH/g、体積平均粒径=0.08μm、ガラス転移温度=46℃である。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−730(カルボン酸基を有するポリエステルを含む高分子粒子、互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク2を調製した。
プラスコートZ−730(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=40mgKOH/g、体積平均粒径=0.08μm、ガラス転移温度=46℃である。
[実施例3]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、WBR−2101(カルボン酸基を有するポリウレタンを含む高分子粒子、大成ファインケミカル社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク3を調製した。
WBR−2101(大成ファインケミカル社製)は、ポリウレタン系エマルションであって、酸価=10mgKOH/g、体積平均粒径=0.10μmである。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、WBR−2101(カルボン酸基を有するポリウレタンを含む高分子粒子、大成ファインケミカル社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク3を調製した。
WBR−2101(大成ファインケミカル社製)は、ポリウレタン系エマルションであって、酸価=10mgKOH/g、体積平均粒径=0.10μmである。
[実施例4]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−760(カルボン酸基を有するポリエステルを含む高分子粒子、互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク4を調製した。
プラスコートZ−760(互応化学 社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=55mgKOH/g、体積平均粒径=0.10μm、ガラス転移温度=52℃である。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−760(カルボン酸基を有するポリエステルを含む高分子粒子、互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インク4を調製した。
プラスコートZ−760(互応化学 社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=55mgKOH/g、体積平均粒径=0.10μm、ガラス転移温度=52℃である。
[比較例1]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、水性インクC1を調製した。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、水性インクC1を調製した。
[比較例2]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)の含有量を20質量%(固形分)に変えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC2を調製した。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)の含有量を20質量%(固形分)に変えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC2を調製した。
[比較例3]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−446(互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC3を調製した。
プラスコートZ−446(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=5mgKOH/g未満、体積平均粒径=0.10μm、ガラス転移温度=47℃である。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−446(互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC3を調製した。
プラスコートZ−446(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=5mgKOH/g未満、体積平均粒径=0.10μm、ガラス転移温度=47℃である。
[比較例4]
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−221(互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC4を調製した。
プラスコートZ−221(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=5mgKOH/g未満、体積平均粒径=0.11μm、ガラス転移温度=47℃である。
実施例1における水性インク1の調製において、LuburiJet N240(アクリル系エマルション)を、プラスコートZ−221(互応化学社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、水性インクC4を調製した。
プラスコートZ−221(互応化学社製)は、ポリエステル系エマルションであって、酸価=5mgKOH/g未満、体積平均粒径=0.11μm、ガラス転移温度=47℃である。
(物性の測定)
上記のようにして得られた各水性インクについて、ガラス板上での膜形成の可・不可を前述の方法で確認した。
そして、膜形成が可能であったものに関しては、形成された膜の表面抵抗値について、前述の方法で測定した。
結果を表1に示す。
上記のようにして得られた各水性インクについて、ガラス板上での膜形成の可・不可を前述の方法で確認した。
そして、膜形成が可能であったものに関しては、形成された膜の表面抵抗値について、前述の方法で測定した。
結果を表1に示す。
(記録装置の準備)
図1に示す構成と同じ構成で、両面印刷が可能であって、インクの吐出ヘッドとして、600dpiのピエゾヘッド(最大インク滴量11pl)のピエゾヘッドを備えた記録装置を準備した。
また、この記録装置の記録媒体Pとして、OKトップコート+(連帳紙、王子製紙製)を用いた。
ここで、記録装置の詳細は、以下の通りである。
−記録装置の詳細−
・記録速度(記録媒体搬送速度) : 25m/min
・乾燥ドラム(乾燥ドラム14A、14B)の設定温度 : 100℃
・温風送風装置(温風送風装置16A、16B)の設定温度 : 100℃
図1に示す構成と同じ構成で、両面印刷が可能であって、インクの吐出ヘッドとして、600dpiのピエゾヘッド(最大インク滴量11pl)のピエゾヘッドを備えた記録装置を準備した。
また、この記録装置の記録媒体Pとして、OKトップコート+(連帳紙、王子製紙製)を用いた。
ここで、記録装置の詳細は、以下の通りである。
−記録装置の詳細−
・記録速度(記録媒体搬送速度) : 25m/min
・乾燥ドラム(乾燥ドラム14A、14B)の設定温度 : 100℃
・温風送風装置(温風送風装置16A、16B)の設定温度 : 100℃
そして、前記した水性インクを記録装置のK(ブラック)色用のインクカートリッジに充填した。
この記録装置を用いて、次の画像記録を行った。
この記録装置を用いて、次の画像記録を行った。
(画像記録)
上記の記録装置を用いて、記録媒体の表面及び裏面に、600dpiのピエゾヘッド(最大インク滴量11pl)から、水性インクを吐出し、ベタ画像を形成した。
その後、乾燥ドラム及び温風送風装置により乾燥、並びに、クーリングローラにより冷却を実施した。
この過程を経て、記録媒体P上に水性インクを用いて画像を記録した。
上記の記録装置を用いて、記録媒体の表面及び裏面に、600dpiのピエゾヘッド(最大インク滴量11pl)から、水性インクを吐出し、ベタ画像を形成した。
その後、乾燥ドラム及び温風送風装置により乾燥、並びに、クーリングローラにより冷却を実施した。
この過程を経て、記録媒体P上に水性インクを用いて画像を記録した。
(記録媒体の表面電位の測定)
上記の記録装置内の記録媒体Pについて、吐出ヘッド12KBから水性インクされる直前の領域(図1の矢印xで示す領域であって吐出ヘッド12KBから30cm離れた領域)においての表面電位(記録媒体Pの裏面の表面電位)を、表面電位計Model344(トレック・ジャパン社製)を用いて測定した。
記録媒体(裏面)Pにおける表面電位の測定位置は、記録媒体Pの搬送方向の先端から30cmとなる箇所とした。
表面電位が小さいほど、記録媒体が帯電していない状態(除電された状態)であることを示している。
測定結果を下記表1に示す。
上記の記録装置内の記録媒体Pについて、吐出ヘッド12KBから水性インクされる直前の領域(図1の矢印xで示す領域であって吐出ヘッド12KBから30cm離れた領域)においての表面電位(記録媒体Pの裏面の表面電位)を、表面電位計Model344(トレック・ジャパン社製)を用いて測定した。
記録媒体(裏面)Pにおける表面電位の測定位置は、記録媒体Pの搬送方向の先端から30cmとなる箇所とした。
表面電位が小さいほど、記録媒体が帯電していない状態(除電された状態)であることを示している。
測定結果を下記表1に示す。
(ミストの確認)
記録装置において、吐出ヘッド12KBに隣接する箇所に、5cm×50cmの普通紙を取り付け、ベタ画像の形成を継続した。
ベタ画像を1000m形成した後、取り付けた普通紙を記録装置から取り出し、目視にて観察し、ミストの有無及び量を確認した。
評価基準は以下の通りである。評価結果は、下記表1に示す。
−画像の滲みの評価基準−
A :ミスト発生なし
B :ミストが多少発生する
C :ミストが多く発生する
記録装置において、吐出ヘッド12KBに隣接する箇所に、5cm×50cmの普通紙を取り付け、ベタ画像の形成を継続した。
ベタ画像を1000m形成した後、取り付けた普通紙を記録装置から取り出し、目視にて観察し、ミストの有無及び量を確認した。
評価基準は以下の通りである。評価結果は、下記表1に示す。
−画像の滲みの評価基準−
A :ミスト発生なし
B :ミストが多少発生する
C :ミストが多く発生する
上記結果から、本実施例1〜4の水性インクは、比較例2〜4の水性インクに比べ、記録媒体の表面電位を低下させることができ、ミストの発生も抑制しうることが分かった。
なお、比較例1の水性インクは、高分子粒子を含まないことで、ガラス板上に膜が形成されず、表面抵抗率が測定できなかった。
なお、比較例1の水性インクは、高分子粒子を含まないことで、ガラス板上に膜が形成されず、表面抵抗率が測定できなかった。
10 画像記録ユニット
12A、12KA、12YA、12MA、12CA (第1の)吐出ヘッド
12B、12KB、12YB、12MB、12CB (第2の)吐出ヘッド
14A 乾燥ドラム(第1の乾燥装置)
14B 乾燥ドラム(第2の乾燥装置)
16A 温風送風装置(第1の乾燥装置)
16B 温風送風装置(第2の乾燥装置)
20 前処理ユニット
20A 供給ロール
30 バッファユニット
30A 第1パスローラ
30B ダンサーローラ
30C 第2パスローラ
40 後処理ユニット
40A 巻取ロール
50 バッファユニット
50A 第1パスローラ
50B ダンサーローラ
50C 第2パスローラ
60 冷却ユニット
60A クーリングローラ
100 記録装置
P 記録媒体
R 搬送経路
12A、12KA、12YA、12MA、12CA (第1の)吐出ヘッド
12B、12KB、12YB、12MB、12CB (第2の)吐出ヘッド
14A 乾燥ドラム(第1の乾燥装置)
14B 乾燥ドラム(第2の乾燥装置)
16A 温風送風装置(第1の乾燥装置)
16B 温風送風装置(第2の乾燥装置)
20 前処理ユニット
20A 供給ロール
30 バッファユニット
30A 第1パスローラ
30B ダンサーローラ
30C 第2パスローラ
40 後処理ユニット
40A 巻取ロール
50 バッファユニット
50A 第1パスローラ
50B ダンサーローラ
50C 第2パスローラ
60 冷却ユニット
60A クーリングローラ
100 記録装置
P 記録媒体
R 搬送経路
Claims (9)
- 着色剤、高分子粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ガラス板上に膜形成したときに得られた膜の表面抵抗率が1×106Ω/□以下である水性インク。
- 前記高分子粒子が酸価10mgKOH/g以上の高分子化合物を含む請求項1に記載の水性インク。
- 前記高分子粒子がスルホン酸基及びカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子化合物を含む請求項1又は請求項2に記載の水性インク。
- 前記高分子化合物がポリエステルである請求項2又は請求項3に記載の水性インク。
- 前記高分子化合物がポリウレタンである請求項2又は請求項3に記載の水性インク。
- 記録媒体の表面に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の第1の水性インクを吐出する第1の吐出工程と、
前記第1の吐出工程後、前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥工程と、
前記第1の乾燥工程後、前記記録媒体の裏面に第2の水性インクを吐出する第2の吐出工程と、
を有する記録方法。 - 前記第2の吐出工程後、前記記録媒体の裏面に吐出された前記第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥工程を更に有する請求項6に記載の記録方法。
- 記録媒体の表面に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の第1の水性インクを吐出する第1の吐出ヘッドと、
前記第1の吐出ヘッドにより前記記録媒体の表面に吐出された前記第1の水性インクを乾燥する第1の乾燥装置と、
前記第1の乾燥装置により前記第1の水性インクが乾燥された後の前記記録媒体の裏面に、第2の水性インクを吐出する第2の吐出ヘッドと、
を備える記録装置。 - 前記第2の吐出ヘッドにより前記記録媒体の裏面に吐出された前記第2の水性インクを乾燥する第2の乾燥装置を更に備える請求項8に記載の記録装置。
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WO2006030976A1 (en) * | 2004-09-16 | 2006-03-23 | Ricoh Company, Ltd. | Recording ink, ink cartridge, inkjet recording apparatus, inkjet recording method and ink record |
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- 2015-02-02 JP JP2015018493A patent/JP2016141733A/ja active Pending
- 2015-07-28 US US14/810,777 patent/US9458340B2/en not_active Expired - Fee Related
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