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JP2016139780A - 発光素子用基板及び発光素子 - Google Patents

発光素子用基板及び発光素子 Download PDF

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JP2016139780A
JP2016139780A JP2015196607A JP2015196607A JP2016139780A JP 2016139780 A JP2016139780 A JP 2016139780A JP 2015196607 A JP2015196607 A JP 2015196607A JP 2015196607 A JP2015196607 A JP 2015196607A JP 2016139780 A JP2016139780 A JP 2016139780A
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led
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pattern
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JP2015196607A
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潤 古池
Jun Furuike
潤 古池
朋紀 木山
Tomonori Kiyama
朋紀 木山
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

【課題】特に従来に比べて、優れた発光効率を有する発光素子を歩留まり良く製造することが可能な発光素子用基板及び発光素子を提供すること。
【解決手段】本発明は、凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する発光素子用基板であって、前記パタンは、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である前記凹部を有するとともに、前記凸部に隣接する前記凹部底部を起点とした側壁の傾斜角Θ1が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED等の発光素子に使用可能な発光素子用基板及び発光素子に関する。
環境エネルギー問題を背景に、LED(Light Emitting Diode)が注目を集めている。LEDの発光効率を示す外部量子効率EQEを決定する要因としては、電子注入効率EIE、内部量子効率IQE及び光取り出し効率LEEが挙げられる。特に、内部量子効率IQEと光取り出し効率LEEと、はLED用基板の表面にパタンを設けることで改善できるという報告が多数ある。既にLED用基板としてPSS(Patterned Sapphire Substrate)が一般流通しており、広く使用されている。PSSは、材質が単結晶サファイアであり、主面にマイクロメートルオーダの複数の凸部が形成された基板である。このPSS基板を使用することで、特に、光取り出し効率LEEが改善すると報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、LEDを全世界に流布させるためには効率が十分ではなく、さらなる効率向上が求められている。例えば、特許文献2には、上記PSSの大きさがナノメートルオーダになった場合の例が記載されている。
特開2012−160502号公報 国際公開第2014/058069号パンフレット
ところでLEDを製造するためには、LED用基板に対するCVD(Chemical Vapor Deposition)工程を経る必要があり、このCVD工程によってもLEDの効率は大きく左右される。特に、ナノメートルオーダの凸部を有するLED用基板を使用することで、LED用基板の製造コストと製造時間を下げることができることは勿論、LED製造工程において重い工程であるCVD工程の時間を大きく短縮することが出来る。このような観点から、ナノメートルオーダの凸部を有するLED用基板に係る技術に対し、注目が集まっている。
しかしながら、ナノメートルオーダの凸部を有するLED用基板を使用した場合、凸部とCVD成膜される層と、の界面に複数のヴォイドが形成されたり、さらには、CVD工程のプロセスウィンドウが急激に小さくなるという問題があった。
そこで本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、特に従来に比べて、優れた発光効率を有する発光素子を歩留まり良く製造することが可能な発光素子用基板及び発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する発光素子用基板であって、前記パタンは、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である前記凹部を有するとともに、前記凸部に隣接する前記凹部底部を起点とした側壁の傾斜角Θ1が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする。
本発明では、前記傾斜角Θ1が63°以上79°以下であることがさらに好ましい。
本発明では、さらに、前記凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θ2が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することが好ましい。
又は本発明は、凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する発光素子用基板であって、前記パタンは、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である前記凹部を有するとともに、前記凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θ2が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする。
本発明では、前記傾斜角Θ2が63°以上79°以下であることがさらに好ましい。
また本発明における発光素子は、上記のいずれかに記載の発光素子用基板の前記パタンのある側に、少なくとも、第1導電型層、発光層、及び第2導電型層を具備することを特徴とする。
本発明の発光素子用基板を使用することにより、まずCVD成膜層に生成するヴォイドを抑制できる。これにより、発光効率が高く、長期信頼性に優れる発光素子を製造できる。さらには、CVD工程におけるプロセスウィンドウを広くすることが出来る。即ち、LED製造に係る歩留りが向上すると同時に、発光効率のより優れるLEDの収率を向上させることが出来る。
本発明における実施の形態の発光素子用基板の一部を示す断面図である。 図1に示す発光素子用基板の一つの凸部を拡大して示した拡大断面図である。 本発明における実施の形態の発光素子用基板の一部を示す平面図であり、特に凹部底部の定義を説明するための説明図である。 本発明における実施の形態の発光素子用基板の一部を示す平面図であり、特にテーブルトップの定義を説明するための説明図である。 本発明における実施の形態の発光素子用基板の一部を示す平面図であり、特に凸部底部の定義を説明するための説明図である。 凹部底部の最短長さCと傾斜角Θとの関係を示すグラフである。 凹部底部の最短長さCと傾斜角Θ1との関係を示すグラフである。 凹部底部の最短長さCと傾斜角Θ2との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態におけるLED用基板は、凸部と凹部により構成されるパタンを具備し、パタンは、以下の要件1と要件2とを備える。要件1と要件2を具備するLED用基板を以下では、LED用基板1という。
(要件1)
凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である凹部を有する。
(要件2)
凸部に隣接する凹部底部を起点とした側壁の傾斜角Θ1が、63°以上86°以下を満たす凸部を有する。
本実施の形態におけるLED用基板1は、上記の要件1と要件2との双方を同時に満たす構成となっている。
図1に示すように、傾斜角Θ1は、凸部の、当該凸部に隣接する凹部底部を起点とした側壁の傾斜角Θである。
ここで、凹部と凸部側面と、の連結点は、非連続である場合もあれば、連続である場合もある。このことから、傾斜角Θ1は、下記手順に従い測定された角度として定義される。
(1)発光素子用基板のパタンの断面を、走査型電子顕微鏡にて観察する。このとき、1観察像内に、パタンの凸部が、5個以上8個以下存在する倍率にて観察する。
(2)観察像内に含まれる全ての凹部の底部の平均線CCを引く。
(3)任意の凸部に関し、凸部の高さの5%の位置の側面に対して、接線1を引く。なお、凸部の高さの5%の位置は、凹部の底部の平均線CCを基準にして、凸部の頂点の方向に、高さ×0.05にある位置である。図1に示す0.05Hの位置に該当する。
(4)平均線CCと接線1と、のなす角度が傾斜角Θ1である。但し、傾斜角Θ1は、凸部の内側に位置する角度であり、0°超90°以下の範囲をとることが出来る。なお接線1は、凸部の側面に対して2本引くことができることから、傾斜角Θ1は、観察した1つの凸部に対して2つ得られる。よって、これらの相加平均値を任意の凸部に対する傾斜角Θ1とする。
図2を用いて詳細に説明すると、図2に示すように、凸部の頂点から凹部の底部の平均線CCまでの最短距離である高さをHと規定する。凹部の底部の平均線CCから0.05×Hの高さの位置が、凸部の高さの5%の位置である。そして5%の高さ位置(図2においては、X%と表記)に、平均線CCと平行な平行線aを引き、平行線aと側面とが交わる交点b、cを求める。そして各交点b、cにおいて接線を求め、各接線から求められる傾斜角Θ1(図2においては、Θと表記)の相加平均を求める。ただし図2は、平行線a及び、交点b、cの求め方を説明するためのものであり、平行線a及び、交点b、cが0.05Hの高さ位置を示すものではない。
全ての凸部が63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ1を有する必要はなく、任意に選択した1以上の凸部が63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ1を有していればよい。なお、走査型電子顕微鏡にて観察した際に現れる複数の凸部の80%以上が、63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ1を備えることが好適である。
次に、凹部底部の最短長さCは、凸部の底部の輪郭と、当該凸部に最近接する凸部の底部の輪郭と、の最短の距離を指す。ここで、凹部底部の最短長さCは、以下の手順に従い定義される。
(1)LED用基板のパタンの表面を、走査型電子顕微鏡にて観察する。この時、1観察像内に、パタンの凸部が、10個以上20個以下存在する倍率にて観察する。
(2)図3に示すように、任意の凸部Aを選択し、当該凸部の輪郭上に点Aを設定する。なお、点Aは、凸部Aの輪郭線上を自由に行き来できる点である。
(3)図3に示すように、凸部Aに最近接する凸部Bを選択する。
(4)凸部Bの輪郭上に点Bを設定する。なお、点Bは、凸部Bの輪郭線上を自由に行き来できる点である。
(5)点Aと点Bと、を結ぶ線分ABに関し、点Aと点Bと、を凸部の底部の輪郭上にて動かした際の、最短の線分ABの長さが、凹部底部の最短長さCである。
全ての凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満であることは必要でなく、任意に選択した1以上の凹部底部の最短長さCが30nm以上300nm未満であればよい。なお、走査型電子顕微鏡にて観察した際に現れる凹部底部の最短長さCのうち、80%以上が、30nm以上300nm未満であることが好適である。
あるいは本実施の形態におけるLED用基板は、凸部と凹部により構成されるパタンを具備し、パタンは、上記の要件1と下記の要件3とを備える。要件1と要件3を具備するLED用基板を以下では、LED用基板2という。
(要件3)
凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θ2が63°以上86°以下を満たす凸部を有する。
本実施の形態におけるLED用基板2は、上記の要件1と要件3との双方を同時に満たす構成となっている。
上記のように、傾斜角Θ2は、凸部の、当該凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θである。ここで、傾斜角Θ2は、下記手順に従い測定された角度として定義される。
(1)LED用基板のパタンの断面を、走査型電子顕微鏡にて観察する。この時、1観察像内に、パタンの凸部が、5個以上8個以下存在する倍率にて観察する。
(2)図1に示すように観察像内に含まれる全ての凹部の底部の平均線CCを引く。
(3)任意の凸部に関し、凸部の高さの40%の位置の側面に対して、接線2をひく。なお、凸部の高さの40%の位置は、凹部の底部の平均線CCを基準にして、凸部の頂点の方向に、高さ×0.4にある位置である。
(4)平均線CCと接線2と、のなす角度が傾斜角Θ2である。但し、傾斜角Θ2は、凸部の内側に位置する角度であり、0°超90°以下の範囲をとることが出来る。なお接線2は、凸部の側面に対して2本引くことができることから、傾斜角Θ2は、観察した1つの凸部に対して2つ得られる。よって、これらの相加平均値を任意の凸部に対する傾斜角Θ2とする。
なお、傾斜角Θ2においても、図2から0.4Hの高さ位置、0、4Hの高さ位置の平行線a、及び交点b、cを求めて傾斜角Θ2を算出する。
全ての凸部が63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ2を有する必要はなく、任意に選択した1以上の凸部が63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ2を有していればよい。なお、走査型電子顕微鏡にて観察した際に現れる複数の凸部の80%以上が、63°以上86°以下を満たす傾斜角Θ2を備えることが好適である。
本実施の形態におけるLED用基板の構成によれば、LED用基板のパタン面上にCVD成膜を行う際に大きく2つの効果を奏す。即ち、第1に、CVD成膜される層とパタンと、の界面にヴォイドが生成されるのを抑制できる。これにより、発光効率が高く、長期信頼性に優れるLEDを製造できる。第2に、CVD工程におけるプロセスウィンドウを拡大することが出来る。例えば、CVDの成膜温度として条件A(1050℃±10℃)で成膜出来るLED用基板Aがあり、一方で、条件B(1050℃±1℃)で成膜出来るLED用基板Bがあるとする。この場合、LED用基板AのCVD工程におけるプロセスウィンドウが広いと言える。このように、プロセスウィンドウが広がるという効果は、CVD成膜の成膜条件に対するマージンが広がることを意味する。T℃に設定したとしても、実際にはT℃±Y℃の温度を有する。このT℃±Y℃が、成膜可能な温度を逸脱した場合、成膜不良が発生する。上記では温度を代表させたが、CVD工程の圧力、ガス流量比、ガス流量等、多くのパラメータにより、ウィンドウは作られる。プロセスウィンドウが広がることで、例えば、月間や年間といった単位での収率が向上すると言える。即ち、LED製造に係る歩留りが向上すると同時に、発光効率のより優れるLEDの収率を向上させることが出来る。これらの効果が発現される理由は、要件1と要件2又は要件1と要件3と、を同時に満たすためである。まず、要件1を満たすことで、CVD工程の核生成〜核成長段階において、パタンの凹部底部を起点として層を成長させることが出来る。そして、要件2又は要件3を満たすことで、凸部の側面部より層が成長することを阻害できる。即ち、要件1と要件2又は要件1と要件3と、を同時に満たすことで、パタンの凹部底部を起点としたCVD成膜が可能となる。よって、CVD成膜のプロセスウィンドウが広くなる。これにより、上記2つの効果を奏すことが可能となる。なお、LED用基板1とLED用基板2は、いずれも優れた効果を発揮するが、パタンの詳細な形状やCVD工程の条件等により、使い分けることで、より効果を発揮できる。なお、使い分けについては後述する。
また本実施の形態におけるLED用基板は、上記した要件1、上記した要件2、及び上記した要件3を全て同時に満たすことが好ましい。要件1、要件2及び要件3を具備するLED用基板を以下では、LED用基板3という。
この構成によれば、上記説明した効果がより顕著に発現される。即ち、LEDの効率はより高くなり、長期信頼性にもより長ける。そして、CVD工程のプロセスウィンドウがより拡大されることに基づき、LED製造に係る歩留りがより向上する。更には、発光効率のより優れるLEDの収率を向上させることが出来る。以上より、LED用基板の歩留りとCVD工程の歩留りの双方を同時に向上させ、より高効率なLEDを製造可能となる。
本実施の形態では、要件2の傾斜角Θ1、及び/又は、要件3の傾斜角Θ2が63°以上86°以下であることが好ましい。また本実施の形態では、要件2の傾斜角Θ1、及び/又は、要件3の傾斜角Θ2が63°以上79°以下であることがさらに好ましい。また本実施の形態では、要件2の傾斜角Θ1、及び/又は、要件3の傾斜角Θ2が63°以上75°以下であることが最も望ましい。このように、傾斜角Θ1、及び/又は、傾斜角Θ2の数値範囲を規定することで、上記にて説明した効果をより顕著に発現させることが可能となる。
また、本実施の形態のLEDは、上記にて説明したLED用基板のパタンのある側に、少なくとも、第1導電型層、発光層、及び第2導電型層を具備する構成である。この構成により、歩留り高く、高効率なLEDを製造できる。
本実施の形態のLED用基板は、基板の少なくとも1面上に、凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する。このパタンは、基板の全面に設けても、一部にのみ設けてもよい。また、部分的にパタンのない部分を有してもよい。
パタンは、複数の凸部が連続した凹部により独立した凸型であっても、複数の凹部が連続した凸部により独立した凹型であってもよいが、本実施の形態に係る効果の観点から、独立した凸型であることが好ましい。
本実施の形態では、LED用基板のパタンのある面側に対して、CVD成膜を行うことでLEDを製造できる。例えば、窒化ガリウム(GaN)の成膜を行う。CVD成膜について、詳しくは後述する。ここで、CVD工程により成膜される層の品位がLEDの性能及び歩留りに大きく影響する。即ち、CVD成膜品位を向上させることと、CVD工程のプロセスウィンドウを大きくする技術が必要である。本実施の形態のLED用基板を使用することで、これらの効果を奏すことが出来る。パタンを具備するLED用基板に対してCVD成膜を行うことで生じる問題点は、以下の通りである。
・パタンとCVD層と、の界面に生成するヴォイド
LED用基板のパタンによるCVD成膜に対する障害作用がおき、パタンとCVD層と、の界面部分にヴォイドが形成される。このヴォイドは、熱力学的な確率で生成する。即ち、ヴォイドは不規則に、そしてある頻度で、パタンの凹部近傍に生成する。ヴォイドが生成されることで、CVD層の結晶性が低下し、LEDの効率が低下する。これは、ヴォイドが生成されると、凹部底部を起点として成長するCVD成膜の層が、その成長を阻害されるためである。また、LEDの効率低下は、内部量子効率IQEの低下に基づく。さらには、LED用基板とCVD層と、の界面にヴォイドが存在する状態であることから、LEDの長期信頼性が低下すると推定される。これは、CVD成膜の層の成長開始付近にヴォイドがあることになり、これにより結晶品位が低下することに基づく。長期信頼性は、使用可能な年数と連続点灯時間を指す。
・CVD成膜プロセスウィンドウの狭まり
LED用基板のパタンに対するCVD成膜においては、CVD成分のパタン表面における熱拡散により、パタンの側壁部にCVD成分が留まることがある。この場合、当該側壁部を起点としたCVDの層成長が生じる。即ち、CVD工程により成膜された層は、複数の結晶軸成分を含むこととなる。このような現象を回避するためには、CVD工程の温度、温度分布、CVD成分の分布、及び時間などを、厳密に制御する必要がある。しかしながら、例えば、異なるロットのLED用基板に同時に成膜するといった僅かな条件の差異でさえも、CVD成膜プロセスウィンドウから外れ、上述した現象が生じることがある。これが、CVD成膜プロセスウィンドウの狭まりである。よって、LED製造の歩留りが低下する。
上記にて説明したCVD成膜を行うことで生じる2つの問題に対する解決策の本質は、CVD工程において成膜される層の、成膜の起点を制御することである。即ち、ヴォイドを抑制するためには、凹部の底部を起点とした成膜を実現し、同時に、側壁部を起点とした成膜を抑制することで、CVD成膜プロセスウィンドウが拡大すると考えることが出来る。ここで、これらの手法により、上述した問題点を解決できた後のことを考えると、歩留り高く、内部量子効率IQEの高いLEDを製造できることから、さらに、光取り出し効率LEEを向上させる設計が必須であるといえる。以上を鑑みると、凸部の側面の傾斜角Θ及び凹部底部の最短の長さCを制御する必要があると考えることが出来た。
図6は、凹部底部の最短長さCと傾斜角Θとの関係を示すグラフである。図6において、斜線を付した領域が、本実施の形態のLED用基板を規定するための数値範囲である。縦軸の傾斜角Θを、傾斜角Θ1と規定した場合が、上記に示したLED用基板1であり、傾斜角Θ2と規定した場合が、LED用基板2である。そしてLED用基板1に規定される数値範囲とLED用基板2に規定される数値範囲との双方を満たすLED用基板が、LED用基板3である。
まず、縦軸である傾斜角Θに注目した場合、Θが0°以上63°未満、及び86°超の領域では、凸部の側面部を起点としたCVD成膜の層成長が生じる傾向にある。即ち、凹部底部を起点とした成長は阻害され、複数の結晶軸を有する層の成長が促進する。ヴォイドの生成が起こるとともに、CVD成膜のプロセスウィンドウが狭まることとなる。一方で、傾斜角Θが63°以上86°以下の範囲においては、CVD工程により成膜される層の成長起点が、結晶面として規定される。凸部側面部からの成長が抑制される。これにより、凹部底部を起点とした成長を実現できる。なお、傾斜角Θが10°以上40°以下の範囲であっても、CVD工程のプロセスウィンドウ拡大効果を望むことができる。これは、パタンの表面とCVD成膜層と、の格子定数のミスマッチング性から計算できた。一方で、傾斜角Θが63°以上86°以下の範囲が好適であることは、該格子定数ミスマッチング性の計算に加え、実験(実施例1)から判断した。
次に、横軸である凹部底部の最短長さCに注目した場合、0nm以上30nm未満の領域においては、CVD工程の原料ガスの、パタンの凹部底部への供給性が低下する。即ち、核生成〜核成長段階において、パタンの凹部底部に溜まる核の均等性が低下する。そして当該箇所を起点として核が成長することが阻害される。即ち、凹部底部を起点とした成長が困難となる。凹部底部の最短長さCが、300nm超の領域においては、凹部底部を起点とした成長を実現できる。しかしながら、当該凹部底部の面内において、成長するCVD層同士の衝突(会合)が生じ、転位が生成すると考えられる。即ち、結晶品位が低下することがある。更には、光の進行方向が最適化されずに、LEDの導電型層や活性層に対する吸収が強まるために、光取り出し効率LEEが低下する。一方で、30nm以上300nm以下の領域の場合、CVD工程により成膜される層に注目した時に、当該層の核が凹部底部に容易に付着可能となる。即ち、凹部底部を起点としたCVD成膜の層成長を可能とし、ヴォイドの抑制とプロセスウィンドウの拡大を見込める。そして、LEDの導電型層や活性層に対する吸収を限りなく少なくするような光の進行経路を実現可能にできるため、光取り出し効率LEEも同時に向上する。
以上より、図6に示される斜線を付した領域の数値範囲を満たすことで、凹部底部を起点としたCVD成膜の層成長を実現できる。これにより、CVD成膜される層の結晶軸の単一性が増す。即ち、パタンの凸部の高さ方向に対する成長と、凸部の径方向に対する成長と、のバランスをとることが可能となるため、ヴォイドが低減する。さらには、CVD工程の条件変動に対する耐性が強まる。これらにより以下の効果を奏すこととなる。まず、ヴォイドが抑制されることに基づき、LEDの発光効率が向上し、同時に、長期信頼性が改善する。そして、CVD工程におけるプロセスウィンドウが拡大される。そして、光取り出し効率LEEの改善効果もあることから、より効率の高いLEDに対する収率が向上する。
以上の考察を踏まえ、本実施の形態のLED用基板は、凹部底部の最短の長さCを、30nm以上300nm未満とした要件1を満たす構成とした。そしてLED用基板1は、図1に示す傾斜角Θ1が、63°以上86°以下とされた要件2を要件1と同時に満たす構成とした。また、LED用基板2は、図1に示す傾斜角Θ2が63°以上86°以下とされた要件3を要件1と同時に満たす構成とした。また、LED用基板3は、要件1、要件2、及び要件3を同時に満たすことを特徴とする構成とした。LED用基板1とLED用基板2とは、LED用基板に設けられるパタンの形状や配列、及びCVD工程の条件等により、使い分けることができる。
LED用基板1に関しては、特に、CVD工程の初期工程、例えば、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウが大きくなる。よって、CVD工程全体のプロセスウィンドウが大きくなる。より具体的には、LED用基板1においては、凹部底部を基準とした場合の、凸部の側面部の立ち上がりの角度が規定される。即ち、シード層の成長可能な結晶面が規定される。よって、凹部底部に優先的にシード層が形成される。このシード層を起点にCVD成膜の層成長を実現できる。これは、上述した表現の、凹部底部を起点とした層成長であることから、上記にて説明した効果を発現できる。
またLED用基板2に関しては、特に、CVD工程の初期工程の中で、パタンを平坦化する平坦化工程に対するプロセスウィンドウが大きくなる。よって、CVD工程全体のプロセスウィンドウが大きくなる。より具体的には、LED用基板2においては、凸部の高さの40%の位置における側面部の角度が規定される。即ち、CVD成膜により生成した核が成長しパタンを平坦化する過程において、凸部の側面部に対するCVD成膜層の結晶面を規定できる。より具多的には、凸部の側面部の格子定数とCVD成膜層の格子定数と、の差異を大きくすることができる。換言すれば、CVD成膜層は、凸部側面部との親和性が低くなる。よって、凹部底部を起点とした層成長を実現できる。したがって、上記にて説明した効果を発現できる。
以上から、要件1、要件2及び要件3の全てを同時に満たすことで、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウとパタン平坦化工程に対するプロセスウィンドウが共に拡大するといえる。即ち、LED用基板3を使用することで、上記にて説明した効果のうち、特に、CVD工程全体に対するプロセスウィンドウの拡大をより顕著にすることが出来る。これは、CVD工程の条件に対するマージンが広がるという意味のみならず、LED用基板の有するバラつきに対するマージンが拡大することも意味する。換言すれば、LED用基板の製造に対する歩留りの向上とLED製造に対する歩留りの向上を両立することが出来る。
次に、LED用基板1、2、3に対して共通の要件である要件1のより好適な範囲について説明する。要件1では、凹部底部の最短長さCが制限されており、この制約によって、凹部底部を起点としたCVD層成長を実現できる。CVD成膜に関し、凹部底部を起点とした層成長を実現させることのキラー因子は、凹部底部に対するCVD成膜の核の付着と成長を制御することである。CVD成膜は分子オーダでの成膜であるが、LED用基板のパタンの表面に供給されたCVD成分は、熱拡散により表面移動を行う。この熱拡散の結果、ある程度の量のCVD成分がまとまり、核となる。ここで、核の最小安定サイズよりも、凹部底部の最短長さCが小さかった場合、安定な核が凹部底部に形成される確率が極度に低下する。即ち、凹部底部を起点としたCVD層の成膜が困難となる。この観点から、要件1の下限値である30nmが導かれた。ここで、CVD工程におけるプロセスウィンドウを、CVD成分の選択肢という観点からも拡大することを考えると、より大きな核の最小安定サイズを考慮する必要があると言える。一般的にLEDに使用されるCVD成分を加味すると、当該核の最小安定サイズとして35nm程度を加味すれば十分と言える。この観点から、安全係数として20%を加味して、凹部底部の最短長さCは40nm以上であることがより好ましい。即ち、要件1に関しては、凹部底部の最短長さCの下限値は、40nm以上であることがより好ましい。なお、限りなくプロセスウィンドウを拡大するために、凹部底部の最短長さCの下限値は、80nm以上であることが最も好ましい。一方で上限値の300nmは、内部量子効率IQEと光取り出し効率LEEの観点から決定している。凹部底部を起点とした成長を実現したとしても、当該凹部底部の面内において、成長するCVD層同士の衝突(会合)が生じ、転位が生成することがある。この場合、結晶品位は低下し内部量子効率IQEが低減する。一般的なLEDの転位の密度から換算すると、凹部底部の最短長さCが300nm以下であれば、上記会合を効果的に抑制できる。一方で、光取り出し効率LEEを向上させるためには、LEDに閉じ込められた光(一般的に導波光という)を、LEDの外部へと取り出す必要がある。ここで重要になることは、本来導波光となる光が、LEDの層内部で、何回反射を繰り返してからLEDの外部へと取り出されるか、という観点である。即ち、反射回数が多いほどに、LEDを構成する導電型層や活性層における光の吸収量が多くなるため、光取り出し効率LEEの増加程度が小さくなる。これらの観点から考えると、要件1に関して、凹部底部の最短長さCの上限値は、230nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが最も好ましい。
次に、要件2及び要件3について説明する。なお、以下の説明においては、格子定数のミスマッチング性の計算結果から好適と推察される10°以上40°以下の範囲も考慮している。また、傾斜角Θをより細分化して説明するために、下記記号を使用する。なお、傾斜角Θ3については、後述する。
・傾斜角Θ1L: 10°以上40°以下の領域を指示する傾斜角Θ1
・傾斜角Θ1H: 63°以上86°以下の領域を指示する傾斜角Θ1
・傾斜角Θ2L: 10°以上40°以下の領域を指示する傾斜角Θ2
・傾斜角Θ2H: 63°以上86°以下の領域を指示する傾斜角Θ2
・傾斜角Θ3L: 10°以上40°以下の領域を指示する傾斜角Θ3
・傾斜角Θ3H: 63°以上86°以下の領域を指示する傾斜角Θ3
LED用基板1及びLED用基板3に共通の要件2のより好適な範囲を説明する。要件2では、傾斜角Θ1を制限している。これにより、特に、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウを拡大し、ヴォイドを抑制できる。要件2において、63°以上86°以下の領域である傾斜角を、傾斜角Θ1Hとした。ここで、傾斜角Θ1に関し、10°以上40°以下の領域も上記計算から好適と考えられるので、傾斜角Θ1Lとした。
傾斜角Θ1Hを有するLED用基板を使用することで、シード層形成工程におけるプロセスウィンドウの拡大に加え、平坦化工程におけるプロセスウィンドウの拡大効果も、発現する。これは、凹部底部と凸部底部と、の非連続性が大きくなるためである。換言すれば、凹部底部にて熱拡散するCVD成分が凸部の側面部へと昇る際の、エネルギー障壁を高くすることが出来る。この観点から、要件2に関し、傾斜角Θ1(Θ1H)は、63°以上79°以下であることがより好ましく、63°以上75°以下であることが最も好ましい。また、要件2の傾斜角Θ1に関しては、LED用基板1の効果を最大限に発揮する観点から、傾斜角Θ1Hを満たすことがより好ましい。
傾斜角Θ1Lの範囲を有するLED用基板を使用することで、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウ拡大の効果がより顕著になると考えられる。これは、凹部底部と凸部底部と、の連続性が増すことに起因した、シード層の連続性の向上による。この観点から、傾斜角Θ1Lは、20°以上30°以下であることがより好ましいと考えられる。
次に、LED用基板2及びLED用基板3に共通の要件3のより好適な範囲を説明する。要件3では、傾斜角Θ2を制限している。これにより、特に、平坦化工程に対するプロセスウィンドウを拡大し、ヴォイドを抑制できる。要件3において、傾斜角Θ2は、63°以上86°以下の領域が好ましく、傾斜角Θ2Hとした。また、上記計算より好適と推定され10°以上40°以下の領域を、傾斜角Θ2Lとした。
傾斜角Θ2Hを有するLED用基板を使用することで、平坦化工程におけるプロセスウィンドウの拡大がより顕著となる。これは、凸部の側面を起点としたCVDの成長を阻害する効果が高いためである。この効果をより高めるためには、CVD層とパタン側面と、の界面の親和性をより低下させる必要がある。この観点から、要件3に関し、傾斜角Θ2(Θ2H)は、63°以上79°以下であることがより好ましく、63°以上75°以下であることが最も好ましい。また、要件3の傾斜角Θ2に関しては、LED用基板2の効果を最大限に発揮する観点から、傾斜角Θ2Hを満たすことがより好ましい。
傾斜角Θ2Lの範囲を有するLED用基板を使用することで、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウ拡大の効果に加え、ヴォイド低減の効果をより顕著に発現させることが出来ると推察される。これは、CVD成膜層とパタン表面と、の界面応力が緩和されるためである。この観点から、傾斜角Θ2Lは、20°以上30°以下であることがより好ましいと考えられる。
本実施の形態のLED用基板3は、上記の要件1、要件2、及び要件3を全て満たすLED用基板である。即ち、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である凹部を有すると共に、傾斜角Θ1及び傾斜角θ2は共に、63°以上86°以下を満たす。これにより、LEDの効率はより高くなり、長期信頼性にもより長ける。そして、CVD工程のウィンドウがより拡大されることに基づき、LED製造に係る歩留りがより向上すると同時に、発光効率のより優れるLEDの収率を向上させることが出来る。中でも、CVD工程に対するプロセスウィンドウの拡大をより顕著にすることが出来る。これは、CVD工程の条件に対するマージンが広がるという意味のみならず、LED用基板の有するバラつきに対するマージンが拡大することも意味する。換言すれば、LED用基板の製造に対する歩留りの向上とLED製造に対する歩留りの向上を両立することが出来る。
傾斜角Θの範囲を、上記計算結果も含めた傾斜角Θ1H、傾斜角Θ2H、傾斜角Θ1L、傾斜角Θ1Lとして扱うと、要件2と要件3と、を同時に満たす組み合わせは4通り存在することになる。LED用基板3の効果を顕著に発現するのは、(傾斜角Θ1/傾斜角Θ2)と組み合わせを記載した時に、(Θ1L/Θ2H)あるいは(Θ1H/Θ2H)である。このよりよい両者を比較した場合、(Θ1H/Θ2H)の組み合わせが最もよい。なお、以下の表1にも同様の内容を記載した。以下、(Θ1L/Θ2H)の組み合わせをLED用基板3Aと、(Θ1H/Θ2H)の組み合わせをLED用基板3Bとも呼ぶ。
Figure 2016139780
LED用基板3Aの場合、上記にて説明したLED用基板3の効果を顕著に発現することが出来る。特に、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウと平坦化工程におけるプロセスウィンドウと、が共に顕著に拡大するためである。これは、凹部底部と凸部底部と、の連続性が増してシード層の連続性が向上し、そして、凸部の側面を起点としたCVDの成長を阻害する効果が高いためである。換言すれば、CVD工程の変動要素に対する耐性が大きくなる。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1L及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。
次にLED用基板3Bの場合、上記にて説明したLED用基板3の効果を顕著に発現することが出来る。特に、シード層形成工程におけるプロセスウィンドウの拡大に加え、平坦化工程におけるプロセスウィンドウの拡大効果がとりわけ顕著になる。このため、LED用基板3Bがより好ましい。これは、凹部底部にて熱拡散するCVD成分が、凸部の側面部へと昇る際のエネルギー障壁が高くなると同時に、凸部の側面を起点としたCVDの成長を阻害する効果が高いためである。換言すれば、CVD工程の変動要素に対する耐性が大きくなる。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1H及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。
LED用基板3に対して、凸部の高さの80%の位置における傾斜角Θ3に対しても制限を加えた場合を、LED用基板4と呼ぶ。傾斜角Θ3については図1も参照されたい。LED用基板4は、傾斜角Θ1、傾斜角Θ2及び傾斜角Θ3の組み合わせとなる。また、傾斜角Θ3は、傾斜角Θ1及び傾斜角Θ2と同様の範囲で、傾斜角Θ3Lと傾斜角Θ3Hと、に分類される。即ち、組み合わせの総数は、8通りである。この中で、組み合わせを(傾斜角Θ1、傾斜角Θ2、傾斜角Θ3)と記載した時に、(Θ1L、Θ2H、Θ3L)、(Θ1L、Θ2H、Θ3H)、(Θ1H、Θ2H、Θ3L)、あるいは(Θ1H、Θ2H、Θ3H)の組み合わせを満たすLED用基板がより好ましい。これらを比較した場合、(Θ1H、Θ2H、Θ3L)あるいは(Θ1H、Θ2H、Θ3H)の組み合わせがより好ましい。なお、同様の内容を以下の表2にも記載した。また、上記した組み合わせの順番に、以下、LED用基板4A、LED用基板4B、LED用基板4C、そしてLED用基板4Dとも呼ぶ。
Figure 2016139780
LED用基板4Aの場合、上記にて説明したLED用基板3Aの効果に加えて、CVD成膜層とパタンと、の界面に生成するヴォイドの抑制効果がより高まる。これは、CVD成膜される層とパタン表面と、の界面応力が緩和される傾向にあるためである。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1L及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。また、傾斜角Θ3Lは、既に説明した傾斜角Θ2Lの好適な数値範囲を満たすことがより好ましい。特に、傾斜角Θ3Lは、ヴォイド低減効果の観点から20°以上40°以下を満たすことが好ましく、LED効率の観点から63°以上80°以下を満たすことがより好ましい。
LED用基板4Bの場合、上記にて説明したLED用基板3Aの効果に加えて、光取り出し効率LEEの改善効果がより顕著になる。これは、パタンの凸部輪郭の連続性が向上することに伴い、本来導波光となる光がLEDから外部へと取り出される際に、LEDの内部で反射する回数が減少するためである。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1L及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。また、傾斜角Θ3Hは、既に説明した傾斜角Θ2Hの好適な数値範囲を満たすことがより好ましい。特に、傾斜角Θ3Lは、ヴォイド低減効果の観点から20°以上40°以下を満たすことが好ましく、LED効率の観点から63°以上80°以下を満たすことがより好ましい。
LED用基板4Cの場合、上記にて説明したLED用基板3Bの効果に加えて、CVD成膜層とパタンと、の界面に生成するヴォイドの抑制効果がより高まる。このため、LED用基板4の中では、後述するLED用基板4Dと共に、LED用基板4Cがより好ましい。これは、CVD成膜される層とパタン表面と、の界面応力が緩和される傾向にあるためである。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1H及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。また、傾斜角Θ3Lは、既に説明した傾斜角Θ2Lの好適な数値範囲を満たすことがより好ましい。特に、傾斜角Θ3Lは、ヴォイド低減効果の観点から20°以上40°以下を満たすことが好ましく、LED効率の観点から63°以上80°以下を満たすことがより好ましい。
LED用基板4Dの場合、上記にて説明したLED用基板3Bの効果に加えて、光取り出し効率LEEの改善効果がより顕著になる。このため、LED用基板4の中では、上述したLED用基板4Cと共に、LED用基板4Dがより好ましい。これは、パタンの凸部輪郭の連続性が向上することに伴い、本来導波光となる光がLEDから外部へと取り出される際に、LEDの内部で反射する回数が減少するためである。なお、この場合、既に説明した傾斜角Θ1H及び傾斜角Θ2Hの好適な範囲を満たすことがより好ましい。また、傾斜角Θ3Hは、既に説明した傾斜角Θ2Hの好適な数値範囲を満たすことがより好ましい。特に、傾斜角Θ3Lは、ヴォイド低減効果の観点から20°以上40°以下を満たすことが好ましく、LED効率の観点から63°以上80°以下を満たすことがより好ましい。
次に本実施の形態における凸部と凹部により構成されるパタンの配列について説明する。本実施の形態では、パタンの配列に関する規則性は限定されず、ランダムな完全不規則性から完全規則的な配列まで種々選択できる。例えば、アルミニウムの陽極酸化、交互積層法(Layer by Layer法)、ブロックポリマーによる相分離等を利用した自己組織化を利用することで、規則性の低い配列を実現できる。一方で、電子線描画、フォトリソグラフィ法、熱リソグラフィ法、干渉露光法等を利用することで、規則性の高い配列を実現できる。例えば、ラインアンドスペース配列、4方配列、6方配列である。また、ラインアンドスペース配列、四方配列、六方配列等で構成される要素が、さらに大きな周期の変動(変調)を有するような配列もある。例えば、微視的には六方配列する凸部が、巨視的にはラインアンドスペース配列、四方配列、あるいは六方配列したような配列である。この他にも、複数の配列をコンポジットした配列がある。
パタンの形状は、上記にて説明した要件を満たせば、特に限定されず、パタンを表面から観察した際の、輪郭の形状が、円状、楕円状、5以上の凹凸のある輪郭形状、三角状等が挙げられる。また、パタンの断面形状として、矩形状、ドーム状、釣鐘状、レンズ状、砲弾状、錐状等が挙げられる。中でも、下記の形状を満たすことが好ましい。
パタンの凸部頂部の形状により、CVD工程により成膜される層の結晶性、特に、内部量子効率IQEを改善できる。このような形状としては、凸部の頂部に存在するテーブルトップ(平坦部ともいう)の大きさが、凹部底部の最短長さC以下である形状である。凸部の頂部のテーブルトップの大きさは、テーブルトップの長さTとして規定される。テーブルトップの長さTの定義は後述する。テーブルトップの長さT≦凹部底部の最短長さCの関係を満たすことで、CVD工程におけるテーブルトップを起点とした層成長を抑制できる。即ち、CVD成膜の層成長は、凹部の底部を起点としたものとなる。特に、テーブルトップを起点とした層成長を起こした場合、当該層内部に生成した転位を消滅させる作用が弱いことから、LEDの活性層を貫通する貫通転位密度が高まり、内部量子効率IQEが低下する傾向がある。即ち、テーブルトップの長さT≦凹部底部の最短長さCを満たすことで、貫通転位密度を減少させ、内部量子効率IQEをも改善できる。本効果をより発揮する観点から、テーブルトップの長さT≦凹部底部の最短長さC/2を満たすことが好ましく、テーブルトップの長さT≦凹部底部の最短長さC/4を満たすことがより好ましい。なお、テーブルトップの長さTは小さい程よく、最も好ましくは、凸部の頂部の曲率半径が0超の角部である状態である。即ち、テーブルトップの長さTが0に漸近した状態が最も好ましい。
上記にて説明したテーブルトップの長さTは、テーブルトップを形成する領域の輪郭の最長の長さである。より具体的に、以下の手順に従い定義される。
(1)LED用基板のパタンの表面を、走査型電子顕微鏡にて観察する。この時、1観察像内に、パタンの凸部が、10個以上20個以下存在する倍率にて観察する。
(2)図4に示すように、任意の凸部を選択し、当該凸部のテーブルトップの輪郭上に点Aと点Bと、を設定する。なお、点A及び点Bとは、テーブルトップの輪郭線上を自由に行き来できる点である。
(3)点Aと点Bと、を結ぶ線分ABに関し、点Aと点Bと、をテーブルトップの輪郭上にて動かした際の、最長の線分ABの長さが、テーブルトップの長さTである。
次に、凸部のアスペクト、即ち、比(高さH/底部の径φ)は、特に光取り出し効率LEEに影響を与えることから、0.45以上1.85以下であることが好ましい。この範囲を満たすことで、本来導波光となる光をLEDの外部へ、と取り出す過程において、当該光がLEDの内部で反射する回数を減少させることが出来る。即ち、導電型層や活性層に吸収される光量を減少させることが可能となるため、光取り出し効率LEEがより改善される。この観点から、アスペクトは、0.5以上1.55以下であることがより好ましく、0.75以上1.25以下であることが最も好ましい。
上記にて説明した凸部の高さHは、凹部の底部を基準とした際の、凸部の頂点までの最短距離として定義される。
上記にて説明した凸部の底部の径φは、凸部の底部を形成する輪郭の最長の長さである。より具体的に、以下の手順に従い定義される。換言すれば、凸部の底部の輪郭に対する外接円の径が、凸部の底部の径φである。
(1)LED用基板のパタンの表面を、走査型電子顕微鏡にて観察する。この時、1観察像内に、パタンの凸部が、10個以上20個以下存在する倍率にて観察する。
(2)図5に示すように、任意の凸部を選択し、当該凸部の底部の輪郭上に点Aと点Bと、を設定する。なお、点A及び点Bとは、凸部の底部の輪郭線上を自由に行き来できる点である。
(3)点Aと点Bと、を結ぶ線分ABに関し、点Aと点Bと、を凸部の底部の輪郭上にて動かした際の、最長の線分ABの長さが、凸部の底部の径φである。
パタンが凸型であっても、凹型であっても、ピッチは、最近接する凸部(又は、凹部)の最短距離として定義される。詳細な定義は後述する。パタンのピッチ、即ち、パタンの間隔は、CVD工程と光取り出し効率LEEの双方の観点から、好適な範囲が決定される。まず、CVD工程では、CVD成膜層の結晶性を向上させるために、パタンを平坦化するまでは、特に速度を落として成膜する必要がある。即ち、パタンの高さが低くなるほどに、平坦化工程にかかる時間と部材量を減少させることが出来る。この平坦化工程は、LED製造に係る重工程であり、軽減させることの効果は非常に大きい。次に、パタンのピッチが小さくなると、光学現象は、反射、光散乱、そして光回折へと変化する。ここで、本来導波光になる光を、パタンよりその進行方向を変化させて、LEDの外部へと取り出すことを考えると、LEDの内部での反射回数を限りなく小さくすることが重要であるとわかる。これは、反射する程に、LEDを構成する導電型層や活性層に対して、当該光が吸収され、減衰するためである。この観点から、光回折を利用することが最も好ましい。以上の考えから、ピッチとしては、100nm以上1800nm以下が好ましいといえる。平坦化の容易性と光学現象の点から、100nm以上1500nm以下がより好ましい。特に、平坦化工程に係る負荷をより軽減させる観点から、上限値として1300nm以下を満たすことがより好ましい。また、LED用基板の製造に係る負荷も大きく低減できることから、ピッチの上限値は、900nm以下であることが最も好ましい。一方で、LED用基板のパタンのバラつきに対する、CVD工程の耐性を向上させる観点から、ピッチの下限値は、200nm以上であることがより好ましく、230nm以上であることが最も好ましい。このような下限値範囲を満たすことで、CVD工程のプロセスウィンドウの拡大がより良好となる。
上記にて説明したパタンのピッチPは、最近接する凸部の頂点間の長さであるが、簡易的に、次の通りに定義される。
(1)既に説明した方法に則り、凸部底部の径φを求める。
(2)既に説明した方法に則り、凹部底部の最短長さCを求める。
(3)ピッチPは、凸部底部の径φと凹部底部の最短長さCの和として定義する。
次に、LED用基板の材質について説明する。本実施の形態のLED用基板は、少なくともパタンのある面側に導電型層と活性層と、を成膜し、LEDとして使用されるものであれば、何ら限定されるものではない。例えば、サファイア、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素、窒化ガリウム(GaN)、銅タングステン合金(W−Cu)、シリコン(Si)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、リン化ガリウム、ガリウム砒素等を用いることができる。特に、CVD工程での層の成膜性を安定化させる観点から、サファイア、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、スピネルがより好ましい。さらに、CVD工程における層の成膜性に関し、転位をより低減させる観点から、上記説明した基板に対して、誘電体、金属酸化物、あるいは金属にて部分的にマスクを設けたものを使用してもよい。さらには、単体で用いてもよく、これらを用いた基板本体上に別の基板を設けたヘテロ構造の基板としてもよい。なお、サファイア、炭化ケイ素(SiC)、或いは窒化ガリウム(GaN)基板を使用することで、上述した要件1〜要件3に基づく効果が特に顕著に発揮される。
次に、CVD工程について説明する。本実施の形態のLEDは、本実施の形態のLED用基板のパタン面側に対して、少なくとも第一導電型層、活性層、及び第二導電型層を配置したものである。このような構成とすることにより、上記にて説明したLED用基板の効果を発現することが出来る。CVD工程では、LED用基板のパタン面側に、層をエピタキシャル成長させる。裏を返せば、LED用基板の材質としては、エピタキシャル成長に好適なものが好ましく、この観点から、サファイアあるいはスピネル等の絶縁性基板や、SiCあるいは窒化物半導体(例えば、GaN等)等の導電性基板が好適である。第一導電型層は例えばn型半導体層であり、第二導電型層は例えばp型半導体層である。
本明細書のCVDとしては、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等が挙げられる。
第一導電型層を成膜する前に、バッファー層を成膜することが好ましい。これにより、上記にて説明したCVD工程に関するシード層形成工程に対するプロセスウィンドウ拡大の効果がより発現される。バッファー層としては、例えば、GaN構造、AlGaN構造、AlN構造、AlInN構造、InGaN/GaN超格子構造、InGaN/GaN積層構造、あるいはAlInGaN/InGaN/GaN積層構造等を採用することができる。また、バッファー層の成膜については、成膜温度を350℃〜600℃の範囲にできる。これにより、凹部底部の最短長さCのバラつきの与えるCVD工程への影響を小さくできる。換言すれば、CVD工程のプロセスウィンドウが拡大する。特に、バッファー層の膜厚が、パタンの高さHに対して、1/5以下であることが望ましい。これは、RAMP過程におけるバッファー層の再拡散と再結晶挙動に関し、凸部の側面部への核の付着を効果的に抑制する為である。この観点から、バッファー層の膜厚は、パタンの高さH対して、1/10以下がより好ましく、1/20以下が最も好ましい。また、バッファー層は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法あるいはスパッタリング法により成膜されることが好ましい。特に、バッファー層の均等性が向上する点から、スパッタリング法を採用することがより好ましい。
上述したような下地層が形成されたLED用基板に対して、第一導電型層(n型コンタクト層などのn型層)と、活性層と、第2導電型層(p型層)を形成して半導体素子構造を作製できる。
第一導電型層は、少なくとも非ドープ第1導電型層とドープ第1導電型層と、から構成されることが好ましい。非ドープ第1導電型層としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、又は、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体を適用できる。特に、アンドープ窒化物層であることが好ましい。アンドープ窒化物層としては、例えば、900℃〜1500℃の成長温度で、バッファー層あるいはLED用基材の上に、NHとTMGaを供給することで成膜できる。膜厚は、パタン平坦化工程の観点から、1μm以上10μm以下であることが好ましい。特に、効果的に転位を低減する観点から、1.5μm以上8μm以下がより好ましく、2.3μm以上5μm以下であることが最も好ましい。ドープ第1導電型層としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、又は、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に、適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。特に、n型GaN層であることが望ましい。n型GaN層としては、例えば、NHを3×10-2〜4.2×10-2mol/min、トリメチルガリウム(TMGa)0.8×10-4〜1.8×10-4mol/min及びSiに代表されるn型ドーパントを含むシランガスを5.8×10-9〜6.9×10-9mol/min供給し、形成することができる。膜厚は、活性層への電子注入性の観点から、800nm以上であると好ましく、1500nm以上であることがより好ましく、2000nm以上であることが最も好ましい。一方、上限値は、反りを低減する観点から、5000nm以下であることが好ましい。
活性層としては、LEDとして発光特性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、AsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlHaInP、ZnO等の半導体層を適用できる。また、適宜、特性に応じて種々の元素をドープしてもよい。活性層は、単一又は多重量子井戸構造の活性層である。例えば、600℃〜850℃の成長温度で、窒素をキャリアガスとして使い、NH、TMGa、及びトリメチルインジウム(TMIn)を供給し、INGaN/GaNからなる活性層を、100Å〜1250Åの厚さに成長させることができる。また、多重量子井戸構造の場合、1つの層を構成するInGaNに関し、In元素濃度を変化させることもできる。また、活性層と第2導電型層と、の間に電子ブロック層を設けることができる。電子ブロック層は、例えば、p−AlGaNにて構成される。
第2導電型層としては、LEDの用途に適したp型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に、適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。例えば、p型GaN層の場合、成長温度を900℃以上に上昇させ、TMGa及びCPMgを供給し、数百〜数千Åの厚さに成膜することができる。
上記では、LED用基板として説明したが、LED用に限定されるものでなく、有機EL等の発光素子用基板であって、基板の表面に凸部と凹部より構成されるパタンを具備し、基板に対するCVD工程を経るものであれば、本実施の形態を適用することが可能である。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
LED用基板を作製し、当該LED用基板にCVD成膜を行い、プロセスウィンドウを確認した。さらに、LEDを製造し、発光効率を比較した。
まず、LED用基板を作製した。LED用基板のパタンは、ナノ加工シートを使用して作成した。ナノ加工シートについては後述する。4インチの片面鏡面のc面サファイアを準備し、洗浄した。続いて、サファイアを120℃のホットプレート上に配置した。次に、ナノ加工シートを、120℃に加温したラミネートロールを使用して、サファイアに貼り合わせた。貼り合わせは、0.5MPaの圧力で、線速50mm/秒にて行った。ナノ加工シートの貼り合わせされたサファイアに対して、サファイア越しに紫外線を照射した。紫外線は、波長365nmのUV−LED光源より照射されたもので、積算光量が1500mJ/cmになるように設定した。次に、120℃に加熱した2枚の並行平板で、ナノ加工シートとサファイアを挟み込んだ。挟み込みの圧力は0.3MPaとし、時間は10秒とした。続いて、空冷にて室温まで冷却し、ナノ加工シートをサファイアより、50mm/秒の速度で剥離した。以上の操作により、サファイアの主面上に、2層レジスト層を転写付与した。レジスト層の表面には凹凸構造が設けられている。この凹凸構造の形状及び配列、2層レジストの層構成、そして以下に記載のドライエッチング条件によりLED用基板のパタンを制御した。
ナノ加工シートは、貼合操作及び剥離操作で、被処理体上に加工マスクを転写付与できる成形体である。構成としては、樹脂製のモールド、第1レジスト層、及び第2レジスト層である。樹脂モールドは、表面に凹凸構造を有し、当該凹凸構造の凹部の内部に、第1レジスト層が充填される。そして、樹脂モールドの凹凸構造と第1レジスト層と、を平坦化するように第2レジスト層が配置される。
まず、樹脂製のモールドを、ロール・ツー・ロールの光ナノインプリント法を使用して、製造した。幅は500mm、長さは180mである。層構成としては、厚み50μmのPETフィルムの易接着面上に厚み1.5μmの転写層がある構成であり、転写層の表面に光ナノインプリント法にて転写された凹凸構造がある。また、樹脂モールドの凹凸構造面に対する水滴の接触角は140°〜153°の間であった。
次に、樹脂モールドの凹凸構造に対して、第1レジスト層を、ダイコート法にて成膜した。第1レジスト層は、チタン含有有機無機複合レジストである。チタン含有有機無機複合レジストは、表面張力が24.0mN/m以下の溶剤Aと、表面張力が27.0以上の溶剤Bと、を混合した混合溶剤にて希釈し、塗布液とした。ダイコート法にて塗布する際に、ダイリップの上流側を減圧した。塗布の速度は10m/分とし、吐出量を制御することで、第1レジスト層の充填量を制御した。塗布後、120℃のエアを吹き付け乾燥させ、その後、巻き取り回収した。ここで、第1レジスト層を成膜した樹脂モールドを解析し、第1レジスト層の状態を把握した。解析は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、及びエネルギー分散型X線分光法を併用した。第1レジスト層は、樹脂モールドの凹凸構造の凹部の内部に充填されていた。一方で、樹脂モールドの凹凸構造の凸部の上面には、数ナノメートルオーダの第1レジスト層の残渣(凝集物)が観察されることはあったが、当該上面に、第1レジスト層が厚く成膜されることはなかった。また、ダイコート成膜に関し、塗液の吐出量を変化させることで、第1レジスト層の充填量が変化し、これに伴い、第1レジスト層の充填径が変化することを確認した。
次に、第1レジスト層の充填された樹脂モールドに対して、第2レジスト層を成膜した。成膜方法は、第1レジスト層の場合と同様に行った。第2レジスト層は、アクリロイル基を側鎖に具備するノボラック樹脂であり、表面張力が25.0mN/m以下の溶剤にて希釈し、塗液とした。乾燥は、105℃にて行った。乾燥後、ヘーズ(濁度)が10%以下のPE/EVA保護フィルムを貼り合わせ、巻き取り、回収した。ここで、製造したナノ加工シートを解析し、第1レジスト層及び第2レジスト層の状態を把握した。解析は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、及びエネルギー分散型X線分光法を併用した。第1レジスト層については、第2レジスト層の成膜前後で変化はなかった。第2レジスト層は、樹脂モールドの凹凸構造及び第1レジスト層を平坦化するように成膜できていた。また、成膜厚は、ダイコート成膜の吐出量を変化させることで、制御可能であることを確認した。即ち、ダイコート成膜の吐出量を制御して、第1レジスト層の充填径及び第2レジスト層の膜厚を変化させた。
製造したナノ加工シートを使用して、既に説明したように、サファイアの主面上に、第1レジスト層及び第2レジスト層からなる2層レジスト層を転写付与した。次に、レジスト層を加工するエッチングと、サファイアを加工するエッチングを同一チャンバー内で連続して行った。レジスト層のエッチングには、酸素ガスを使用した。ここでは、第1レジスト層が第2レジスト層のエッチングマスクとして機能し、第2レジスト層をサファイアの主面が部分的に露出するまでエッチングする。エッチング条件は、処理ガス圧1Pa、処理電力300Wの条件とした。続いて、BClガスとClガスと、の混合ガスを使用した反応性イオンエッチングを行い、サファイアをエッチングした。ここでは、第2レジスト層をエッチングマスクとして、サファイアをエッチングした。処理条件としては、ICP:150W、BIAS:50W、圧力0.2Paとした。
エッチング加工したサファイアを取り出し、硫酸及び過酸化水素水を2:1の重量比にて混合した溶液にて洗浄した。この時、処理液の温度は、100℃以上に制御した。
製造したサファイアの主面には、パタンが形成されていた。このパタンの形状(凸部底部の径φ、高さH、傾斜角Θ、凹部底部の最短長さC等)は、ナノ加工シートの第1レジスト層の充填径及び第2レジスト層の膜厚、及びドライエッチングの処理条件により、任意に調整できた。
製造したパタン付サファイアに対して、CVD工程を適用し、LEDを製造した。まず、バッファー層としてAlGa1−xN(0≦x≦1)の低温成長バッファー層を100Å成膜した。次に、非ドープ第1導電型層として、アンドープのGaNを成膜し、ドープ第1導電型層として、SiドープのGaNを成膜した。評価を実施するために、この状態でサファイアを取り出した。
1つ目の評価は、ヴォイドである。ヴォイドを観察するために、サファイアを割断し、パタンとCVD成膜層と、の界面部分を走査型電子顕微鏡法にて観察した。1観察像の観察距離は5μmとし、任意に10か所の観察を実施し、合計で50μmの長さを観察した。各観察像内のヴォイドの数をカウントし、評価数値とした。
2つ目の評価は、CVD工程におけるプロセスウィンドウとした。1枚のサファイアに対して好適に成膜可能な条件を基準点とした。この条件を、基本条件と称す。まず、評価対象となるサファイアと、当該サファイアとはパタンの大きくことなる異種サファイアを複数枚CVDチャンバーに配置し、基本条件にて成膜を実施した。この時、評価対象となるサファイアが白化することがある。この白化の程度を、白化率として数値化し、評価した。白化率は、面積率であり、サファイアウェハの主面に対する白化した領域の面積率である。次に、基本条件から温度を段階的に変化させ、白化するまでの温度の差(ΔT)を評価した。
ドープ第1導電型層として、SiドープのGaNを成膜した後に、歪吸収層を設けた。その後、活性層として、多重量子井戸の活性層を成膜した。活性層は、井戸層とアンドープのInGaN及びSiドープのGaNより構成される障壁層と、から構成した。また、それぞれの膜厚を25Å及び130Åとし、井戸層が6層、障壁層が7層となるように交互に積層した。活性層上に、第2導電型層として、エレクトロブロッキング層を含むようにMgドープのAlGaN、アンドープのGaN、MgドープのGaNを積層した。続いて、ITOを成膜し、エッチング加工した後に電極パッドを取り付けた。LEDの効率は、プローバを用いてp電極パッドとn電極パッドの間に20mAの電流を流した際の発光出力にて評価した。以下の表3に評価結果を記載した。
Figure 2016139780
表3は大きく2分割できる。第1に、表の左側には、サファイアのパタンの情報が掲載されている。第2に、表の右側には、上記にて説明した評価結果が掲載されている。なお、表3の中の評価結果の読み取り方は以下の通りである。
・ヴォイド: LED効率及び長期信頼性への影響から、50個/50μm以下が好適であり、20個/50μm以下がより好適である。
・白化率: 異なる種類の基板を配置したのみに過ぎない微小な変化によっても、白化というマクロな現象が生じることを意味している。即ち、白化率が大きいものは、プロセスウィンドウが非常に狭いことを意味する。LEDの歩留りを加味すると、5%以下が好ましく、0%が最も好ましい。
・ΔT: 例えば、アンドープのGaNの成膜に際しては、成膜温度は1100℃程度である。このような高温に対する10℃程度の変動であっても、成膜に大きな影響を与えることを意味する。即ち、ΔTは大きい程よい。実工程での温度変動を加味すると、ΔTは25℃以上あれば十分である。
・LED効率: パタンの付与されたサファイア基板は既に市販されている。この市販品は、PSS(Patterned Sapphire Substrate)と呼ばれており、パタンのピッチが3μm〜6μmである。最も流通していると考えられるピッチが3500nmのPSSを使用した場合のLED効率にて、他の効率を規格化した。LED効率が1超であることが重要である。
・総合記号: 上記説明した評価に関し、全ての評価が好ましい結果である場合を「○」とし、それ以外を「×」とした。
表3の結果の一部を図面に示した。すなわち図7に、凹部底部の最短長さCと傾斜角Θ1との関係を示し、図8に、凹部底部の最短長さCと傾斜角Θ2との関係を示した。なお図7及び図8に示すグラフ上の記号は、表3の総合表記と一致させている。
以上、表3、図7、及び図8より、凹部底部の最短長さCと傾斜角Θにより、ヴォイドを低減し、且つ、CVD工程のプロセスウィンドウを拡大できる数値範囲があることがわかった。具体的には、凹部底部の最短長さCとしては、今回検証した数値範囲では、30nm以上230nm以下を満たすことが重要であることがわかった。また傾斜角Θ1としては、今回検証した数値範囲では64°以上86°以下を満たすことが重要であることがわかった。また傾斜角Θ2としては、今回検証した数値範囲では、63°以上83°以下を満たすことが重要であることがわかった。即ち、凹部底部の最短長さCが30nm以上230nm以下を満たし、且つ、傾斜角Θ1が64°以上86°以下を満たすパタン、凹部底部の最短長さCが30nm以上230nm以下を満たし、且つ、傾斜角Θ2が63°以上83°以下を満たすパタン、あるいは、凹部底部の最短長さCが30nm以上230nm以下を満たし、傾斜角Θ1が64°以上86°以下を満たし、且つ、傾斜角Θ2が63°以上83°以下を満たすパタンを具備するLED用基板を使用することにより、ヴォイドの低減されたCVD層を、プロセスウィンドウを拡大して成膜可能であり、同時に、製造されるLEDの効率が向上するといえる。また、これらの範囲を満たすことで、ヴォイド低減に伴い、長期信頼性に優れるLEDを製造できる。
このような凹部底部の最短長さCと傾斜角Θにより表現される好適な数値範囲が存在する理由は、以下のように考えることが出来る。
まず、凹部底部の最短長さCは、CVD工程の核生成〜核成長段階に強い影響を与える。凹部底部の最短長さCが所定の値以上であることで、凹部底部を起点としたCVD成膜の層成長を実現できる。これにより、CVD成膜される層の結晶軸の単一性が増す。即ち、パタンの凸部の高さ方向に対する成長と、凸部の径方向に対する成長と、のバランスをとることが可能となるため、ヴォイドの低減が出来る。さらには、CVD工程の条件変動に対する耐性が強まる。一方で、凹部底部の最短長さCが所定値以下であることで、本来LED内部にて導波光になる光をLEDの外部へと取り出す際に、LEDの内部で反射する回数を減らすことが出来ると考えることが出来る。これにより、光の減衰を抑制できるため、光取り出し効率LEEが向上して、LED効率が向上する。
一方で、傾斜角Θが所定の範囲を満たすことで、CVD工程により成膜される層の成長起点が、結晶面として規定されることに基づき、凸部側面部からの成長が抑制されると考えることが出来る。これにより、凹部底部を起点とした成長を実現できるため、CVD工程のプロセスウィンドウが大きくなる。特に、傾斜角Θ1が所定範囲を満たすことで、CVD工程の初期工程、例えば、シード層形成工程に対するプロセスウィンドウが大きくなると推定される。これは、凹部底部を基準とした場合の、凸部の側面部の立ち上がりの角度が規定されることにより、シード層の成長可能な結晶面が規定されることによる。よって、凹部底部に優先的にシード層が形成され、このシード層を起点にCVD成膜の層成長を実現できる。これは、凹部底部を起点とした層成長であることから、CVD工程のプロセスウィンドウの拡大を促進する。傾斜角Θ2が所定の範囲を満たすことで、CVD工程の初期工程の中で、パタンを平坦化する平坦化工程に対するプロセスウィンドウが大きくなると考えることが出来る。これは、CVD成膜により生成した核が成長しパタンを平坦化する過程において、凸部の側面部に対するCVD成膜層の結晶面を規定でき、凸部の側面部の格子定数とCVD成膜層の格子定数と、の差異を大きくすることができるためである。換言すれば、CVD成膜層は、凸部側面部との親和性が低くなる。よって、凹部底部を起点とした層成長を実現できる。よって、CVD工程のプロセスウィンドウの拡大を促進する。
表3より、ヴォイドの低減に注目すると、より好適な範囲があることもわかる。この観点から、凹部底部の最短長さCとしては、今回検証した数値範囲では、40nm以上170nm以下を満たすことがより重要であることがわかった。傾斜角Θ1としては、今回検証した数値範囲では64°以上79°以下を満たすことがより重要であることがわかった。傾斜角Θ2としては、今回検証した数値範囲では、63°以上78°以下を満たすことがより重要であることがわかった。
ここに記載した範囲は、図7及び図8の丸印(○)に関し、黒く塗りつぶした丸印(●)を除いた部分に相当する。さらに、凹部底部の最短長さCが80nm以上になることで、ヴォイドがより低減することもわかった。これは、図7及び図8の丸印(○)に関し、黒く塗りつぶした丸印(●)及び斜線を付した丸印を除いた部分に相当する。
さらに、詳細なパタンの形状を検討した結果を、以下の表4に記載した。表4の数値は、表3の検討に関し、総合記号が「○」であったものを使用して、ドライエッチング条件を変化させ、傾斜角Θ3を変化させた場合である。
Figure 2016139780
表4より、傾斜角Θ3を調整することで、より好適な評価結果になることがわかる。具体的には、傾斜角Θ3が、今回実証した数値内では、22°以上38°以下の範囲であれば、ヴォイドの低減がより促進される。これは、CVD成膜される層とパタン表面と、の界面応力が緩和される傾向にあるためと考えることができる。一方で、傾斜角Θ3が63°以上77°以下の範囲を満たすことで、LEDの効率をより改善できることがわかった。これは、光の進行方向がより最適化されるためと考えることが出来る。より具体的には、LEDより外部へと取り出されるまでに、LED内部にて反射する回数が減り、これに伴い、吸収減衰がより小さくなるためと考えることが出来る。
本発明は、LED等の発光素子に使用可能な発光素子用基板に関する発明であり、特に、本発明の発光素子用基板を用いることで、発光効率が高く、長期信頼性に優れる発光素子を製造できる。発光素子は具体的にはLEDや有機EL等であるが、特にLEDに効果的に適用することができる。

Claims (6)

  1. 凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する発光素子用基板であって、
    前記パタンは、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である前記凹部を有するとともに、前記凸部に隣接する前記凹部底部を起点とした側壁の傾斜角Θ1が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする発光素子用基板。
  2. 前記傾斜角Θ1が63°以上79°以下であることを特徴とする請求項1記載の発光素子用基板。
  3. さらに、前記凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θ2が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子用基板。
  4. 凸部及び凹部より構成されるパタンを具備する発光素子用基板であって、
    前記パタンは、凹部底部の最短長さCが、30nm以上300nm未満である前記凹部を有するとともに、前記凸部の高さの40%の位置における側壁の傾斜角Θ2が63°以上86°以下を満たす前記凸部を有することを特徴とする発光素子用基板。
  5. 前記傾斜角Θ2が63°以上79°以下であることを特徴とする請求項4記載の発光素子用基板。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の発光素子用基板の前記パタンのある側に、少なくとも、第1導電型層、発光層、及び第2導電型層を具備することを特徴とする発光素子。


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