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JP2016135867A - 樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

樹脂微粒子の製造方法 Download PDF

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JP2016135867A
JP2016135867A JP2016007971A JP2016007971A JP2016135867A JP 2016135867 A JP2016135867 A JP 2016135867A JP 2016007971 A JP2016007971 A JP 2016007971A JP 2016007971 A JP2016007971 A JP 2016007971A JP 2016135867 A JP2016135867 A JP 2016135867A
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fine particles
resin fine
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acid
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JP2016007971A
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雄太 関
Yuta Seki
雄太 関
京平 宇田
Kyohei Uda
京平 宇田
前田 真一
Shinichi Maeda
真一 前田
浩信 徳永
Hironobu Tokunaga
浩信 徳永
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐熱性、耐溶剤性、及び樹脂強度が高く、しかも色相に優れた樹脂微粒子を提供する。【解決手段】ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる樹脂微粒子の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂微粒子の製造方法に関する。
樹脂微粒子は、電子写真用トナーをはじめ、粉体塗料、つや消し剤、ブロッキング防止剤、クロマトグラフィー用担体、薬剤用担体、ギャップ調整剤、電気粘性流体、及び化粧品等幅広い用途に使用されている。樹脂微粒子の製造法としては、重合性モノマーから、その重合過程で粒子形成を行う方式(重合造粒法)と微小液滴化したポリマー溶液から、粒子形成を行う方式(分散造粒法)が知られている。重合造粒法では、基本的には乳化重合法と懸濁重合法をもとに、目的の粒径で、かつ粒度分布の揃った微粒子を作成するために、例えば、ソープフリー乳化重合、シード重合、分散重合、二段階膨潤法などが開発されている。また、分散造粒法ではスプレードライ法、液中硬化法(凝固法)、貧溶媒析出法(相分離法)、溶媒蒸発法、及び再沈殿法等、機械的あるいは物理的に微小液滴を作成する方法が知られている。また、界面活性剤の代わりに、コロイドなどの微粒子を用いてエマルションを安定化させる方法が注目されており、このようなエマルションのことを微粒子安定化エマルション、あるいはピッカリング・エマルションと呼ばれ、開発されている。コロイド微粒子を用いた微粒子製造法としては、あらかじめ溶媒に溶解したポリマー溶液を、カルボキシル基を有する重合体で表面被覆した炭酸カルシウムを分散させた水系媒体中に分散懸濁することにより、粒子化する方法がある(特許文献1及び2参照)。
近年、粉体塗料、化粧品分野、及び電子情報分野において、耐熱性、耐溶剤性、及び樹脂強度が高く、粒度分布の揃っていて(単分散性)、しかも色相にも優れる樹脂微粒子が求められている。
耐熱性、耐溶剤性が高い結晶性ポリマーの樹脂微粒子を得る方法としては、高分子界面活性剤の存在下、特定の高沸点溶剤を用いる貧溶媒析出法が提案されている(特許文献23参照)。しかしながら、この方法では、樹脂微粒子を作成する過程で樹脂への着色が生じてしまう。また、高分子界面活性剤が残存するため、樹脂強度が低下するなどの欠点があった。
特開平9−15902号公報 特開平10−3181号公報 特許第5403065号公報
本発明の解決課題は、耐熱性、耐溶剤性、及び樹脂強度が高く、しかも色相に優れた樹脂微粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った
すなわち、本発明によって、ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる樹脂微粒子の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、樹脂強度や色相を低下させることなく、耐熱性と耐溶剤性に優れた樹脂微粒子を製造することができる。
本発明は、ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる樹脂微粒子の製造方法である。
本発明におけるポリマー(A)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー及びこれらを構成する単量体の共重合体が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリマー(A)は、耐熱性の観点から好ましくは100℃以上350℃以下、更に好ましくは100℃以上300℃以下、特に好ましくは100℃以上260℃以下の融点を有する結晶性樹脂である。
ポリマー(A)の重量平均分子量(以下Mwと記載)は、樹脂強度の観点から好ましくは1,000〜100,000,000、更に好ましくは1,000〜1,000,000、とくに好ましくは1,000〜500,000である。
本発明において、ポリマー(A)のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−802A
カラム(一例): HFIP−LG+HFIP−806M 2本〔Shodex社製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : CFCOONa10mM HFIP溶液
溶液注入量 : 500μl
検出装置 : 屈折率検出器(例 RI−8011)
基準物質 : 標準ポリメタクリ酸メチル(PMMA)
本発明における無機分散剤(B)は、着色と樹脂強度の観点から、必須である。例えば、特許第5403065号(特許文献1)に開示されているような高分子系分散剤を用いると、樹脂微粒子の作成過程で、熱による樹脂の着色が抑制できない。また、残存活性剤による可塑効果で樹脂強度の低下を抑制できないからである。
無機分散剤(B)としては、金属酸化物(シリカ、アルミナ及びチタニア等)、炭酸金属塩(炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等)、リン酸塩(リン酸三カルシウム等)、及びケイ酸塩(粘土、珪藻土及びベントナイト等)等を挙げられる。これらの中では好ましくは金属酸化物及び炭酸金属塩であり、更に好ましくはシリカ及び炭酸カルシウムである。
また、これらの無機分散剤は、非水系媒体中で安定した樹脂微粒子を製造する観点からその粒子表面が疎水化処理(表面疎水化処理)されてなるものがより好ましい。疎水化処理する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、シリコーンオイル等の表面改質剤を湿式処理法や乾式処理法によって処理する方法が挙げられる。
例えば、炭酸カルシウムの疎水化処理には、脂肪酸とその誘導体、樹脂酸とその誘導体、その他の有機カルボン酸とその塩、又はチタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤などを単独又は併用して、吸着させる方法がある。中でも脂肪酸とその誘導体、樹脂酸とその誘導体が好ましい。
脂肪酸又はその誘導体としては、特に限定されないが、例えば脂肪酸、その金属塩、そのエステル化物等を好適に使用することができる。脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。上記金属塩としては、例えば上記脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。上記エステル化物としては、例えばステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸ラウリル等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数6〜31の脂肪酸及びその誘導体が好適に使用できる。
樹脂酸及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば樹脂酸、その金属塩、そのエステル化物等を好適に使用することができる。樹脂酸として、例えばアビエチン酸、レボピマール酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラアビエチン酸、デキストロピマール酸、イソデキストロピマール酸等が挙げられる。上記金属塩としては、例えば上記樹脂酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらのほかにも、樹脂酸誘導体として水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン、マレイン化ロジンエステル、ロジン変性フェノール等を挙げることができる。
脂肪酸、樹脂酸或いはそれらの誘導体の使用量は、種類等に応じて適宜定めることができるが、通常は炭酸カルシウム100質量部に対して、0.1〜30質量部用いればよく、より好ましくは0.2〜20質量部、更に好ましくは0.2〜5質量部である。
これらの処理剤を炭酸カルシウム粒子の表面に処理する方法としては、炭酸カルシウム乾燥粉に直接噴霧する方法、炭酸カルシウムのスラリーに添加する方法、炭酸カルシウムの脱水ケーキに添加する方法、炭酸カルシウムを湿式粉砕する方法がある。好ましくは、炭酸カルシウム含有水性物(炭酸カルシウム反応スラリーを濃縮した濃縮液、軽質炭酸カルシウム反応スラリーを脱水した脱水ケーキ、軽質炭酸カルシウム乾燥粉を溶解した水性スラリー)に添加し、混合処理を行う。混合処理は好ましくは液撹拌型であり、混合槽、混合ポンプを使って行われる。液攪拌型装置には、液のせん断力を高めるために邪魔板を設置できる。
シリカの疎水化処理には、シリカ粒子に疎水化処理剤を乾式で処理する方法や、シリカ粒子に疎水化処理剤を湿式で処理する方法が挙げられる。
シリカの疎水化処理剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類や、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン類や、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザンなどのシラザン類や、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、末端反応性シリコーンオイルなどのシリコーンオイルや、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンなどのシロキサン類や、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸や、上記脂肪酸と、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩などが挙げられる。これらの疎水化処理剤のうち、アルコキシシラン類、シラザン類、シリコーンオイル(特にはストレートシリコーンオイル)は、シリカ粒子に対する疎水化処理を実施しやすい点で好ましい。疎水化処理剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。2種類以上の疎水化処理剤を用いる場合、2種類以上の疎水化処理剤を混合してシリカ粒子の表面処理に用いてもよいし、2種類以上の疎水化処理剤を順次段階的に用いてシリカ粒子を表面処理してもよい。
無機分散剤(B)は、ボールミルやビーズミルのようなメディアの入った分散機、高圧分散機又は超音波分散機等を用いて非水系媒体中に分散させる。
無機分散剤(B)の分散後の平均粒子径としては、無機分散剤(B)の分散安定性観点から1〜5000nmの範囲のものが好ましく、更に好ましくは5〜1000nmである。また、無機分散剤(B)の使用量は、樹脂微粒子の分散安定性の観点から上記ポリマー(A)の重量に対して、好ましくは1〜100重量%、更に好ましくは2〜90重量%であり、特に好ましくは5〜80重量%である。
ポリマー(A)の良溶媒は、100℃におけるポリマー(A)の溶解度が溶媒の重量に対して10g/100g以上である溶媒である。またポリマー(A)を溶解させる観点から、常圧での沸点が100℃未満の溶媒を使用する場合は、耐圧容器内で、加圧することにより使用することが可能である。
ポリマー(A)の良溶媒としては、ベンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレンカーボネート、スルホラン、トリメチルリン酸、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、メシチレン等)、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン、フェノール、クレゾール等が挙げられる。入手が容易で、かつ広範な範囲のポリマーを溶解し得る点でポリマー(A)への適用範囲が広く、かつノルマルパラフィンやイソパラフィンなど後述する非水系媒体とは相溶しない観点から、更に好ましくは、ベンジルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、特に好ましくはベンジルアルコール及びN−メチル−2−ピロリドンである。これらの有機良溶媒は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリマー(A)の良溶媒の沸点は、安全面と作業性の観点から好ましくは100℃以上300℃以下であり、更に好ましくは110℃以上280℃以下であり、特に好ましくは130℃以上250℃以下である。
非水系媒体は、100℃におけるポリマー(A)の溶解度が溶媒の重量に対して1g/100g以下である媒体である。更に安全性の観点から臭気及び毒性が低い溶媒であることが好ましい。非水系媒体としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ポリシロキサン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、ノルマルパラフィン、ノルマルパラフィン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン等のシクロアルカン類等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロデカン、パーフルオロウンデカン、パーフルオロドデカン等のパーフルオロアルカン類等が挙げられる。
ポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン等が挙げられる。
ポリマー(A)の溶解度の観点から、好ましくは、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びポリシロキサンであり、特に臭気、無害性、コストの観点から、より好ましくは脂肪族炭化水素であり、脂肪族炭化水素のうち、更に好ましくはノルマルパラフィン系溶媒及びイソパラフィン系溶媒であり、より具体的には、モレスコホワイト(商品名、松村石油研究所社製)、アイソパー(商品名、エクソンモービル社製)、シェルゾール(商品名、シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028及びIPソルベント2835(いずれも商品名、出光興産社製)であることが好ましい。これら2種以上を混合して用いても良い。
本発明においては、更に粘度調整剤を添加してもよい。粘度調整剤としては、ロウ類、飽和炭化水素、不揮発性ポリシロキサン及び高級脂肪酸等を挙げられる。また、分散安定性を高めるために、界面活性剤を併用することも可能である。界面活性剤としては、上記非水系媒体に溶解するものであればアニオン、カチオン、非イオン性のいずれも使用できる。
本発明の樹脂微粒子は、ポリマー(A)と着色剤、及び必要により流動化剤等から選ばれる1種以上の添加剤を含有してよい。
着色剤としては、一般に使用されている染料、及び顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物の粉末)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、及び炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明の方法で得られる微粒子は、耐熱性と色相と樹脂強度に優れており、産業上、各種用途で、極めて実用的に利用することが可能である。
樹脂微粒子は以下の分散造粒法などで製造することができる。
(1)スプレードライ法:高分子の溶液ないしエマルジョンを高温気流中で噴霧乾燥することにより微粒子を得る方法。
(2)液中硬化法:ポリマーの溶液または微細分散液を、ポリマーが不溶化する媒体中に押し出して凝固させて粒子化する方法。
(3)溶媒蒸発法:有機溶媒に溶解させたポリマー溶液を水中に分散懸濁させた後、有機溶媒を徐々に揮発させる方法。
(4)貧溶媒析出法(相分離法):高分子を良溶媒に溶解した溶液を冷却したり、貧溶媒を加えたり、あるいは他の高分子を加えたりするとき、溶液から高分子の濃厚溶液の微小滴が分離してくる現象がある。この相分離現象を利用して微粒子化する方法。
(5)ピッカリング・エマルション:界面活性剤の代わりに、カルボキシル基を有する重合体等で表面被覆した炭酸カルシウムなどの無機分散剤を用いてポリマー溶液を安定に分散懸濁することにより、粒子化する方法。
これらのうち、シャープな粒度分布と分散安定性の観点から分散剤を用いたほうが好ましい。分散剤としては、水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩など)、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなど)および無機分散剤(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカなど)などが使用できる。分散剤を使用した場合、該分散剤が樹脂微粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去する方が耐熱性の観点から好ましい。分散剤を残存させずに、容易に除去できるという観点から、無機分散剤を用いるピッカリング・エマルションがもっとも好ましい。
本発明の樹脂微粒子の製造方法は、ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる樹脂微粒子の製造方法である。
本発明の樹脂微粒子の製造方法において、樹脂微粒子は、通常の溶解懸濁法と同様にして製造することができる。ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる。この樹脂微粒子を含む分散液を冷却し、濾過し、水洗し、必要に応じて、解砕・篩分することにより、樹脂微粒子を得ることができる。その場合、樹脂微粒子分散液に塩酸あるいは水酸化ナトリウム等を添加して形成された微粒子表面に付着している上記無機分散剤を溶解させるのが好ましい。
本発明の樹脂微粒子の製造方法において、樹脂微粒子分散液から、良溶媒と非水系媒体を除去する工程としては、濾過、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離、及びスプレードライ等の通常公知の方法で固液分離することにより、樹脂微粒子を回収することができる。
本発明の樹脂微粒子の製造方法において、ポリマー(A)を粒子化させた後、必要により無機分散剤(B)を除去する工程を行うことができる。無機分散剤(B)を除去する工程としては、上記固液分離した樹脂微粒子に水を加えて再分散させたものを酸処理して無機分散剤を溶解させ、その後、水で洗浄を行い脱水する。但し、酸処理の後に、アルカリ処理を追加してもよい。更に、前記その他の工程として、乾燥、篩分及び外添する工程を行うことができる。これらの工程においては、樹脂微粒子が凝集や粉砕を起こさない限り、乾燥、篩分及び外添には如何なる方法で行ってもよい。
本発明において、分散懸濁させる方法は、特に限定されず、撹拌翼を有するスリーワンモーター(新東科学社製)のような撹拌機を使用することができる。また、一般的な乳化機、分散機として市販されているものを用いてもよい。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)等のバッチ・連続両用乳化機、マイクロフルイダイザー(みづほ工業社製)、ナノメーカー、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。
分散懸濁する際の温度は、ポリマー(A)の融点及び耐熱性の観点から好ましくは100℃以上300℃以下、更に好ましくは100℃以上220℃以下、特に好ましくは120℃以上200℃以下である。
本発明において、樹脂微粒子の粒子径及び粒度分布(CV)は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000、シスメックス(株)製)やレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA-700、(株)堀場製作所製)を用いて測定することができる。
粒度分布(CV)とは、下記(1)式で定義され、平均粒子径に対する標準偏差の割合を示すものである。
粒度分布(CV)%=粒子径の標準偏差÷粒子径の平均値×100 (1)
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1<無機分散剤(B1)混合液の作成>
炭酸カルシウム(白艶華CCR 白石カルシウム株式会社製) 82部
IPソルベント2028(出光興産株式会社製) 328部
ガラスビーズ 590部
上記成分をビーズミルによって25℃、4時間混合して分散させ、ガラスビーズをろ別し、無機分散剤(B1)混合液を得た。得られた分散液をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA-700、(株)堀場製作所製、以下の測定も同様)で測定したところ、(B1)粒子の平均粒子径は400nmであった。
製造例2<無機分散剤(B2)混合液の作成>
炭酸カルシウム(白艶華DD 白石カルシウム株式会社製) 82部
IPソルベント2028(出光興産株式会社製) 328部
ガラスビーズ 590部
上記成分を撹拌機の付いた反応槽内に入れ、25℃、4時間撹拌した後、ガラスビーズをろ別し、無機分散剤(B2)混合液を得た。得られた分散液をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、(B2)粒子の平均粒子径は、2000nmであった。
製造例3<無機分散剤(B3)混合液の作成>
シリカ(R805 日本アエロジル株式会社製) 82部
IPソルベント2028(出光興産株式会社製) 328部
ガラスビーズ 590部
上記成分をビーズミルによって25℃、4時間混合して分散させ、ガラスビーズをろ別し、無機分散剤(B3)混合液を得た。得られた分散液をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、(B3)粒子の平均粒子径は500nmであった。
製造例4<無機分散剤(B4)の分散液の作成>
酸化チタン (日本アエロジル株式会社製) 82部
IPソルベント2028(出光興産株式会社製) 328部
ガラスビーズ 590部
上記成分をビーズミルによって25℃、4時間混合して分散させ、ガラスビーズをろ別し、無機分散剤(B4)の分散液を得た。得られた分散液をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定したところ、(B4)粒子の平均粒子径は700nmであった。
実施例1<樹脂微粒子(X1)の作成>
ポリマー(A)としてポリアミド(A1)[融点178℃(宇部興産製 3012U)]135部、ポリマー(A)の良溶媒としてベンジルアルコール[沸点205℃]315部を反応容器に加え、撹拌しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液550部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液450部を投入し、1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X1)を得た。得られた樹脂微粒子(X1)をフロー式粒子像分析装置(FPIA−3000、シスメックス(株)製、以下の測定も同様)で測定したところ、樹脂微粒子(X1)の粒径は33μm、粒度分布(CV)は26%であった。
実施例2<樹脂微粒子(X2)の作成>
ポリマー(A)としてポリアミド(A1)135部、ポリマー(A)の良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン[沸点204℃]315部を反応容器に加え、撹拌しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液550部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液450部を投入し、1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X2)を得た。得られた樹脂微粒子(X2)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X2)の粒径は29μm、粒度分布(CV)は30%であった。
実施例3<樹脂微粒子(X3)の作成>
ポリマー(A)としてポリアミド(A1)135部、ポリマー(A)の良溶媒としてベンジルアルコール[沸点205℃]315部を反応容器に加え、撹拌しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B2)混合液550部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液450部を投入し、1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X3)を得た。
得られた樹脂微粒子(X3)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X3)の粒径は25μm、粒度分布(CV)は40%であった。
実施例4<樹脂微粒子(X4)の作成>
ポリマー(A)としてポリエチレン(A2)[融点125℃(宇部興産製 UM1380)]135部、ポリマー(A)の良溶媒としてプロピレングリコール[沸点188℃]315部を反応容器に加え、撹拌しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B3)混合液550部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液450部を投入し、1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X4)を得た。
得られた樹脂微粒子(X4)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X4)の粒径は30μm、粒度分布(CV)は21%であった。
実施例5<樹脂微粒子(X5)の作成>
ポリマー(A)としてポリエステル(A3)(帝人製 TRN−8550FF)[融点252℃]50部、ポリマー(A)の良溶媒としてポリエチレングリコールモノメチルエーテル[沸点300℃]410部を反応容器に加え、撹拌しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液400部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液460部を投入し1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X5)を得た。
得られた樹脂微粒子(X5)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X5)の粒径は28μm、粒度分布(CV)は30%であった。
実施例6<樹脂微粒子(X6)の作成>
ポリマー(A)としてポリエステル(A4)(東洋紡製 バイロンGM−920)[融点107℃]50部、ポリマー(A)の良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン410部を反応容器に加え、撹拌しながら120℃まで昇温し、120℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B4)混合液400部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら180℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液460部を投入し1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X6)を得た。
得られた樹脂微粒子(X6)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X6)の粒径は31μm、粒度分布(CV)は28%であった。
実施例7<樹脂微粒子(X7)の作成>
ポリマー(A)としてポリエステル(A4)50部、ポリマー(A)の良溶媒としてキシレン[沸点138℃]410部を反応容器に加え、撹拌しながら120℃まで昇温し、120℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液400部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら120℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液460部を投入し1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X7)を得た。
得られた樹脂微粒子(X7)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X7)の粒径は32μm、粒度分布(CV)は30%であった。
実施例8<樹脂微粒子(X8)の作成>
オートクレーブに、ポリエーテルエーテルケトン(A5)(東レ製 PEEK(NC))[融点343℃]50部、(A5)の良溶媒としてポリエチレングリコールモノメチルエーテル410部を反応容器に加え、撹拌しながら200℃まで昇温し、200℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液400部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら200℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液460部を投入し1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X8)を得た。得られた樹脂微粒子(X8)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X8)の粒径は27μm、粒度分布(CV)は31%であった。
実施例9<樹脂微粒子(X9)の作成>
オートクレーブに、ポリプロピレン(A6)(住友ノーブレン製 FS2011DG3(グレード))[融点158℃]50部、(A6)の良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン410部を反応容器に加え、撹拌しながら160℃まで昇温し、160℃に保ったまま30分間均一溶解させてポリマー溶液を調整した。無機分散剤(B1)混合液400部を別の反応容器にいれて、撹拌しながら160℃まで昇温した。スリーワンモーターにより回転数300rpmで上記分散液を撹拌している中に、上記ポリマー溶液460部を投入し1分間撹拌した後、停止して懸濁液を得た。得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって白色の樹脂微粒子(X7)を得た。
得られた樹脂微粒子(X9)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X9)の粒径は30μm、粒度分布(CV)は29%であった。
比較例1<樹脂微粒子(X’1)の作成>
オートクレーブに、ポリマー(A)としてポリアミド(A1)50部、ポリマー(A)の良溶媒としてベンジルアルコール[沸点205℃]410部、及びポリビニルアルコール(クラレ製 PVA217)40部を加え、窒素置換を行った。その後撹拌を継続しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させた。次いで、180℃に保ったまま、500部のイオン交換水を送液ポンプにて3部/分のスピードで滴下した。全量の水を投入し終わった後、室温まで冷却した。濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって淡黄色の樹脂微粒子(X’1)を得た。得られた樹脂微粒子(X’1)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X’1)の粒径は33μm、粒度分布(CV)は26%であった。
比較例2<樹脂微粒子(X’2)の作成>
オートクレーブに、ポリマー(A)としてポリアミド(A1)50部、ポリマー(A)の良溶媒としてベンジルアルコール[沸点205℃]410部、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(第一工業製薬社製 ハイテノール NF−08)40部を加え、窒素置換を行った。その後撹拌を継続しながら180℃まで昇温し、180℃に保ったまま30分間均一溶解させた。次いで、180℃に保ったまま、500部のイオン交換水を送液ポンプにて3部/分のスピードで滴下した。全量の水を投入し終わった後、室温まで冷却した。濾過後、イオン交換水を用いて濾過残渣を水洗し、35%の塩酸水溶液を用いて酸洗し、48%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄し、35%の塩酸水溶液で中和した後、再度水洗して乾燥することによって淡黄色の樹脂微粒子(X’2)を得た。得られた樹脂微粒子(X’2)をフロー式粒子像分析装置で測定したところ、樹脂微粒子(X’2)の粒径は26μm、粒度分布(CV)は33%であった。
本発明の樹脂微粒子(X1)〜(X9)及び比較の樹脂微粒子(X’1)〜(X’2)について、下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
[評価方法]
〔1〕色相
樹脂微粒子の色目を目視で確認した。
(判定)
○:白色 ×:淡黄色〜橙色
〔2〕引張り破断強度
樹脂微粒子(X1)〜(X9)及び比較の樹脂微粒子(X’1)〜(X’2)を250℃に温調したホットプレスで厚さ1mmになるように30秒プレスし、フィルムを得た。そのフィルムから、JIS K6301(1995年)の引裂試験片ダンベルB号形を3枚打ち抜いた。板厚は曲がっている場所の近傍5カ所の最小値をとった。これを恒温槽の設置されたオートグラフに取り付け、25℃に温調し、2時間放置した後、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最大強度を算出した。
以上の通り、本発明の樹脂微粒子(実施例1〜9)は、比較例の樹脂微粒子(比較例1〜2)と比べて、色相と樹脂強度において、いずれも著しく良好な結果が得られた。
本発明の樹脂微粒子は、産業上、各種用途で、極めて有用かつ実用的に利用することが可能である。具体的には、洗顔料、サンスクリーン剤、クレンジング剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、コールドクリーム、アフターシェービングローション、シェービングソープ、あぶらとり紙、マティフィアント剤などのスキンケア製品添加剤、ファンデーション、おしろい、水おしろい、マスカラ、フェイスパウダー、どうらん、眉墨、マスカラ、アイライン、アイシャドー、アイシャドーベース、ノーズシャドー、口紅、グロス、ほうべに、おはぐろ、マニキュア、トップコートなどの化粧品又はその改質剤、シャンプー、ドライシャンプー、コンディショナー、リンス、リンスインシャンプー、トリートメント、ヘアトニック、整髪料、髪油、ポマード、ヘアカラーリング剤などのヘアケア製品の添加剤、香水、オーデコロン、デオドラント、ベビーパウダー、歯磨き粉、洗口液、リップクリーム、石けんなどのアメニティ製品の添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への機械特性改良剤、フィルム、繊維などの機械特性改良材、ラピッドプロトタイピング、ラピッドマニュファクチャリングなどの樹脂成形体用原料、フラッシュ成形用材料、プラスティックゾル用ペーストレジン、粉ブロッキング材、粉体の流動性改良材、潤滑剤、ゴム配合剤、研磨剤、増粘剤、濾剤及び濾過助剤、ゲル化剤、凝集剤、塗料用添加剤、吸油剤、離型剤、プラスティックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面高硬度向上剤、靭性向上材等の各種改質剤、液晶表示装置用スペーサー、クロマトグラフィー用充填材、化粧品ファンデーション用基材・添加剤、マイクロカプセル用助剤、ドラッグデリバリーシステム・診断薬などの医療用材料、香料・農薬の保持剤、化学反応用触媒及びその担持体、ガス吸着剤、セラミック加工用焼結材、測定・分析用の標準粒子、食品工業分野用の粒子、粉体塗料用材料などに用いることができる。
樹脂成形体、フィルム、繊維などの具体的用途としては、例えば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、各種端子板、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、カメラ、VTR、プロジェクションTVなどの撮影用レンズ、ファインダー、フィルター、プリズム、フレネルレンズなどの映像機器関連部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、各種ディスク基板保護フィルム、光ディスクプレイヤーピックアップレンズ、光ファイバー、光スイッチ、光コネクターなどの情報機器関連部品、液晶ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、プラズマディスプレイの導光板、フレネルレンズ、偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルム、視野角拡大フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、タッチパネル用導光フィルム、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、エンジンオイルフィルター及び点火装置ケースなどが挙げられ、これら各種の用途にとって極めて有効である。

Claims (8)

  1. ポリマー(A)及びポリマー(A)の良溶媒を含有する混合液と、無機分散剤(B)及び非水系媒体を含有する混合液とを分散懸濁することでポリマー(A)を粒子化させる樹脂微粒子の製造方法。
  2. 無機分散剤(B)が金属酸化物、炭酸金属塩、リン酸塩及びケイ酸塩からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の樹脂微粒子の製造方法。
  3. 無機分散剤(B)が表面疎水化処理されてなる無機分散剤である請求項1又は2記載の樹脂微粒子の製造方法。
  4. 非水系媒体が脂肪族炭化水素である請求項1〜3のいずれか記載の樹脂微粒子の製造方法。
  5. 分散懸濁する際の温度が100℃以上300℃以下である請求項1〜4のいずれか記載の樹脂微粒子の製造方法。
  6. ポリマー(A)が100℃以上350℃以下の融点を有する結晶性樹脂である請求項1〜5のいずれか記載の樹脂微粒子の製造方法。
  7. ポリマー(A)の良溶媒の沸点が100℃以上300℃以下である請求項1〜6のいずれか記載の樹脂微粒子の製造方法。
  8. ポリマー(A)を粒子化させた後、無機分散剤(B)を除去する工程を含む請求項1〜7のいずれか記載の樹脂微粒子の製造方法。
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