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JP2016098127A - 光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2016098127A
JP2016098127A JP2014234554A JP2014234554A JP2016098127A JP 2016098127 A JP2016098127 A JP 2016098127A JP 2014234554 A JP2014234554 A JP 2014234554A JP 2014234554 A JP2014234554 A JP 2014234554A JP 2016098127 A JP2016098127 A JP 2016098127A
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acrylate
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curable resin
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浩史 内田
Hiroshi Uchida
浩史 内田
小宮 全
Zen Komiya
全 小宮
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Abstract

【課題】光ファイバ被覆材としての機能に優れ、特に硬くて表面の硬化性に優れ、かつ耐擦傷性に優れた光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ウレタン(メタ)アクリレート、並びに
(B)エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物、
を含有する光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物であって、
組成物中の(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量100質量部に対して60〜300質量部である、組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光ファイバ素線の表面に塗布後硬化して使用する光ファイバ素線の二次コート層形成用液状硬化性樹脂組成物(以下、「二次コート材」ともいう。)に関する。
光ファイバの製造においては、ガラスファイバを熱溶融紡糸し、保護補強を目的として樹脂被覆が施されている。この過程を線引きと称し、樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層(以下、「二次コート層」ともいう。)を設けた構造が知られている。また、これらの樹脂被覆を施された光ファイバ素線を実用に供するため、平面上に複数並べて結束材料で固めテープ状被覆層を設けた構造が知られている。
光ファイバの表面に第一次の被覆層、第二次の被覆層を形成する際には、樹脂塗布装置によって液状硬化性樹脂組成物が塗布され、高速で牽引されるガラスファイバが光照射装置内の筒状体を通過するときに放射線照射装置から発光する放射線により硬化する。この場合、樹脂を硬化させる放射線としては、好ましくは紫外線が用いられており、この紫外線の発光源としては水銀ランプやメタルハライドランプが主に用いられる。
光ファイバの二次コート層は、一般的に高いヤング率を有する剛直な物性を有していることが望ましい。このようなコート層を形成するためには、放射線による硬化性に優れた液状硬化性樹脂組成物が必要であり、硬化性が劣ると二次コート層の表層の硬化が不十分となって、必要な強度を有する光ファイバ素線を製造することができない。
また、二次コート層は、高い耐擦傷性を有していることが望ましい。二次コート層は、その外側にアップジャケット層等のオーバーコート層やインキ層を設ける場合を除いて最外層であるため、外界との物理的接触が多く、耐擦傷性が不十分であると、二次コート層が破壊されて光ファイバ素線の光学特性が損なわれる場合がある。
従来の二次コート材として、例えば、特許文献1、2には、ウレタン(メタ)アクリレートの配合量を高く設定して、二次コート層に適したヤング率を実現した液状硬化性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献3には、二次コート材とは異なるオーバーコート層形成用材料として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジアクリレート等を用いて二次コート層同様に高いヤング率を有するオーバーコート層を形成する液状硬化性樹脂組成物が記載されている。
しかし、従来の光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物では、高い放射線硬化性と耐擦傷性を兼ね備えた特性を有する二次コート層を得ることができなかった。
特開2008−247981号公報 特開2007−77326号公報 特開2008−249788号公報
本発明の目的は、光ファイバ被覆材としての機能に優れ、特に硬くて外傷を受けにくく、かつ耐擦傷性に優れた光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
そこで本発明者らは、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する液状硬化性樹脂組成物に種々の成分を配合して、その硬化物の光ファイバ被覆層としての強度や機能、剥離性について検討してきたところ、ウレタン(メタ)アクリレートと、エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレートとを組み合わせて用いることにより、上記目的が達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)ウレタン(メタ)アクリレート、並びに
(B)エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物、
を含有する光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物であって、
組成物中の(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量100質量部に対して60〜300質量部である、組成物を提供するものである。
また、本発明は、当該光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる光ファイバ素線の二次コート層を提供するものである。
さらに本発明は、当該光ファイバ素線の二次コート層を有する光ファイバを提供するものである。
本発明の液状硬化性樹脂組成物により得られる被覆は、ヤング率が非常に高く、破断伸びが小さいため、外傷を受けにくい二次コート層の形成用に好適である。
試験例において、耐擦傷性試験に用いた装置の概要を示す図である。
本発明の(A)成分は、ウレタン(メタ)アクリレートである。ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応、またはポリオールとポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートの反応により製造される。すなわち、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオールの水酸基に、またはポリオールと水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基に、それぞれ反応させることにより製造される。
この反応としては、例えば、ポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法;ポリオールおよびポリイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法;ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させる方法;ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでポリオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法等が挙げられる。
ポリオールとしては、特に限定されず、脂肪族ポリオール、脂環族構造を有するポリオール、芳香族構造を有するポリオール、カプロラクトンポリオール等を例示することができる。これらのうち、脂肪族ポリオールが好ましい。
脂肪族ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールが好ましく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールあるいは二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られる脂肪族ポリエーテルポリオールが挙げられる。上記イオン重合性環状化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルポリオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、例えば、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体は、ランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
これらの脂肪族ポリエーテルポリオールは、例えば、PTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、PPG−400、PPG1000、PPG2000、PPG3000、EXCENOL720、1020、2020(以上、旭硝子ウレタン社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂社製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬社製)等の市販品としても入手することができる。また、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシドとの共重合体であるジオールは、EO/BO500、EO/BO1000、EO/BO2000、EO/BO3000、EO/BO4000(以上、第一工業製薬社製)などの市販品として入手できる。
芳香族構造を有するポリオールとしては、ビスフェノール構造を有するポリオールが好ましい。ビスフェノール構造を有するポリオールとしては、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ポリオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ポリオール等が挙げられる。これらのうち、ビスフェノールA構造を有するものが好ましく、特に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ポリオールが好ましい。これらのポリオールは、例えば、ユニオールDA400、DA700、DA1000、DB400(以上、日本油脂社製)等の市販品として入手することもできる。
脂環族構造を有するポリオールとしては、水添ビスフェノール構造を有するポリオールが好ましい。水添ビスフェノール構造を有するポリオールとしては、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ポリオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ポリオール等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(または2,6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。これらのうち、2,4−トリレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が好ましい。
これらのポリイソシアネートは、単独あるいは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンポリオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンポリオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、下記式(1)または(2)
Figure 2016098127
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、nは1〜15の数を示す)
で表される(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を使用することもできる。
これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
これらの、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独であるいは二種類以上組み合わせて用いることができる。
ポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対して、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.18〜1当量となるようにするのが好ましい。
これらの化合物の反応においては、例えば、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量100質量部に対して0.01〜1質量部用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜90℃、特に30〜80℃で行うのが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部をイソシアネート基に付加しうる官能基を持った化合物で置き換えて用いることもできる。例えば、γ−メルカプトトリメトキシシラン、γ−アミノトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材への密着性を高めることができる。
また、(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオール成分を有さず、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートであっても良い。このようなウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、2,4−トリレンポリイソシアネートの両端にヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが結合したウレタン(メタ)アクリレートや、2,4−トリレンポリイソシアネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの等モル反応物等が挙げられる。
ポリオール成分を有さず、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートの配合量は、(A)成分の全量に対して、0〜50質量%が好ましく、0〜20質量%がさらに好ましい。
(A)成分のウレタン(メタ)アクリレートは、本発明の液状硬化性樹脂組成物の全組成中に10〜50質量%、さらに15〜40質量%、特に20〜35質量%含有されるのが、硬化物のヤング率や破断強度、破断伸び等の力学特性の上で好ましい。
(B)成分は、エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物である。かかる化合物としては、(B1)ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、(B2)ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物を挙げることができる。(B)成分としては、1種の化合物を単独で使用してもよく、又は2種以上の化合物を併用してもよい。
(B)成分は、エチレン性不飽和基を2個及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
(B)成分は、より好ましくは、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 2016098127
[式中、Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はメチル基を示し、Rは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは、各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、m1及びm2は、各々独立に、0〜10であり、n1及びn2は、各々独立に、0又は1である。ただし、m1+n1及びm2+n2は、いずれも1以上である]
(B1)ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、上記式(3)において、n1及びn2がいずれも1である化合物である。このため、ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、水酸基を有する構造上の特徴を有している。(B)成分は、硬化性の点で、ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
(B1)ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールE構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。ビスフェノール構造を有するエポキシジアクリレートは、ビスフェノール構造を有するエポキシジメタアクリレートよりも硬化性が優れるため好ましい。
ビスフェノールA構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、エポキシエステル3000A(下記式(b1)で表される化合物)、エポキシエステル3002A(N)(下記式(b2)で表される化合物)(以上、共栄社化学社製)の他、EBECRYL600(ダイセル・オルネクス社製)、BAEA−100(ケーエスエム社製)、Agisyn1010(DSM−AGI社製)等を挙げることができる。
Figure 2016098127
ビスフェノールF構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、BEFA−50(ケーエスエム社製)等を挙げることができる。ビスフェノールE構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、BEEM−50(ケーエスエム社製)等を挙げることができる。
ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、例えば、エポキシアクリレートを合成する際に用いられる公知の触媒の存在下において、ビスフェノール構造を有するジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させて合成することができる。このような方法によって合成されたビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートは、いずれも(B)成分として好適に用いることができる。
エポキシアクリレートを合成する際に用いられる公知の触媒としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;メチルリチウム、ブチルリチウム等のアルカリアルキル金属;N−メチルモルフォリン、ピリジン、トリ−n−ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物類;トリメチルホスフィン、トリブチルフォスフィン、トリフェニルホスフィン等のフォスフィン類の他、ホスホニウム塩類;スルホニウム塩類;燐酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸等の酸性化合物類;ナフテン酸クロム、ナフテン酸リチウム、ナフテン酸ジルコニウム等の有機酸金属塩などを好適に用いることができる。
(B2)ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物は、上記式(3)において、n1及びn2がいずれも0である化合物である。ビスフェノール構造を有するジ(メタ)アクリレートであってエポキシ(メタ)アクリレート以外の化合物としては、例えば、ビスフェノールA若しくは水添ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF若しくは水添ビスフェノールFにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールE若しくは水添ビスフェノールEにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらのうち、ビスフェノールA構造を有するものが好ましく、特に、エチレンオキサイドを付加させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートが好ましい。
ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加されたポリオールのジ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、ABE−300(下記式(b3)で表される化合物)、A−BPP−3(下記式(b4)で表される化合物)(以上、新那加村化学工業社製)、ライトアクリレートBP−4EAL(下記式(b5)で表される化合物)、ライトアクリレートBP−4PA(下記式(b6)で表される化合物)(以上、共栄社化学社製)、ビスコート#700(下記式(b5)で表される化合物)(大阪有機化学工業社製)、EBECRYL150(ダイセル・オルネクス社製)等を挙げることができる。
Figure 2016098127
(B)成分の化合物は、本発明の液状硬化性樹脂組成物の全組成中に20〜80質量%、さらに25〜60質量%、特に27〜50質量%含有されるのが、表面硬化性と耐擦傷性を兼ね備えた二次コート層を得る上で好ましい。
また、組成物中の(B)成分の含有量は、耐擦傷性の点から、(A)成分の含有量100質量部に対して60〜300質量部であり、100〜300質量部が好ましく、100質量部を超え、250質量部以下であることがより好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、さらに、(C)エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物を含有することができる。
(C)成分としては、重合性単官能化合物または重合性多官能化合物を用いることができる。ここで、重合性単官能化合物とは、(C)成分であってエチレン性不飽和基を1個有する化合物であり、重合性多官能化合物とは、(C)成分であってエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物である。(C)成分としては、1種の化合物を単独で使用してもよく、又は2種以上の化合物を併用してもよい。
重合性単官能化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等を挙げることができる。
これら重合性単官能化合物のうち、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタム、イソボルニルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
これら重合性単官能化合物の市販品としては、ライトエステルEH(共栄社化学社製)等を使用することができる。
重合性多官能化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、1,4−ブタンポリオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンポリオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテルおよび下記式(4)
Figure 2016098127
(式中、RおよびRは互いに独立に、水素原子またはメチル基を示し、pは1〜100の数である)
で表わされる化合物等が挙げられる。
これら重合性多官能化合物のうち、上記式(4)で表わされる化合物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イアオシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、中でも、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
これら重合性多官能化合物の市販品として、例えば、ユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学社製)、アロニックスM−215、M−315、M−325(以上、東亞合成社製)等を使用することができる。また、アローニックスTO−1210(東亞合成社製)を使用することができる。
これらの(C)エチレン性不飽和基を有する化合物は、本発明の液状硬化性樹脂組成物の全組成中に0〜40質量%、さらに10〜35質量%、特に20〜33質量%含有されるのが好ましい。
また、(B)成分及び(C)成分の合計量に対する(B)成分の質量割合(B)/((B)+(C))は、50質量%以上であることが好ましい。
さらに、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、(D)重合開始剤を含有することができる。重合開始剤としては、熱重合開始剤または光開始剤を用いることができる。(D)成分としては、1種の化合物を単独で使用してもよく、又は2種以上の化合物を併用してもよい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物が熱硬化性の場合には、通常、過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤が用いられる。具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物が光硬化性の場合には、光重合開始剤を用い、必要に応じて、さらに光増感剤を併用するのが好ましい。ここで、光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシド;IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製);LucirinTPO(BASF社製);ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル;ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を熱および紫外線を併用して硬化させる場合には、前記熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。
(D)重合開始剤は、本発明の液状硬化性樹脂組成物の全組成中に0.1〜10質量%、特に0.3〜7質量%含有されるのが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の特性を損なわない範囲で各種添加剤、例えば、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を配合することができる。
なお、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、熱および/または放射線によって硬化されるが、ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の粘度は、ハンドリング性、塗布性の点から、25℃において、0.1〜15Pa・s、さらに0.3〜10Pa・s、特に0.5〜9Pa・sが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる被膜は、600〜1500MPaのヤング率を示すのが好ましく、さらに700〜1300MPaが好ましい。また、破断伸びは、5〜50%を示すのが好ましく、さらに15〜40%が好ましい。
また、アップジャケット層を形成するには膜厚100〜350μmに被覆するのが好ましい。
さらに、光ファイバアップジャケット層の外側に接して熱可塑性樹脂からなるケーブル層を設けることもできる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成1]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.24g、2,4−トリレンジイソシアネートを355g、数平均分子量が400であるポリプロピレングリコールを408g加えた。冷却しながらジブチル錫ジラウレートを0.80g徐々に添加した後、液温65〜75℃で1時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が80℃以下になるように制御しながら237g滴下した後、液温度70〜75℃にて2時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、「UA1」とする。
[製造例2:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成2]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.24g、2,4−トリレンジイソシアネートを220g、数平均分子量が1000であるポリプロピレングリコールを632g加えた。冷却しながらジブチル錫ジラウレートを0.27g徐々に添加した後、液温65〜75℃で1時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が80℃以下になるように制御しながら147g滴下した後、液温度70〜75℃にて2時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、「UA2」とする。
[製造例3:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成3]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.24g、2,4−トリレンジイソシアネートを135g、数平均分子量が2000であるポリプロピレングリコールを775g加えた。ジブチル錫ジラウレートを0.27g添加した後、液温65〜75℃で1時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が80℃以下になるように制御しながら90.0g滴下した後、液温度70〜75℃にて2時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、「UA3」とする。
[製造例4:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成4]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.24g、2,4−トリレンジイソシアネートを32.9g、数平均分子量が10000であるポリプロピレングリコールを945g加えた。ジブチル錫ジラウレートを0.27g添加した後、液温65〜75℃で1時間攪拌した。その後、ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が80℃以下になるように制御しながら90.0g滴下した後、液温度70〜75℃にて2時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、「UA4」とする。
[製造例5:(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成5]
攪拌機を備えた反応容器に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.24g、2,4−トリレンジイソシアネートを428g、ジブチル錫ジラウレートを0.80g加えた。その後、ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が80℃以下になるように制御しながら571g滴下した後、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.3質量%以下になった時を反応終了とした。得られた(A)ウレタン(メタ)アクリレートを、「UA5」とする。
実施例1〜4、比較例1〜2
表1に示す組成の各成分を、攪拌機を備えた反応容器に仕込み、液温度を50℃に制御しながら1時間攪拌し、液状硬化性樹脂組成物を得た。表中の配合量は、質量部である。
試験例
前記実施例及び比較例で得た液状硬化性樹脂組成物を、以下のような方法で硬化させて試験片を作製し、下記の各評価を行った。結果を表1に併せて示す。
1.粘度:
粘度の測定は、25℃条件下においてB型粘度計を用い、JIS−K7117−1Dに準拠して行う。
2.ヤング率:
250μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気下で1J/cm2のエネルギーの紫外線で照射して硬化させ、ヤング率測定用フィルムを得た。このフィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるよう短冊状サンプルを作成し、温度23℃、湿度50%で引っ張り試験を行った。引っ張り速度は1mm/minで2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。
3.破断強度および破断伸び:
引張試験器(島津製作所社製、AGS−50G)を用い、試験片の破断強度および破断伸びを下記測定条件にて測定した。
引張速度 :50mm/分
標線間距離(測定距離):25mm
測定温度 :23℃
相対湿度 :50%RH
4.表面硬化性試験:
70μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気下で0.5J/cm2のエネルギーの紫外線で照射して硬化させ、表面硬化性試験用フィルムを得た。このフィルムを二つに切り、空気面どうしを張り合わせた後フィルムを剥がし、フィルムの外観変化を目視判定した。白化が認められなかった場合「◎」及び白化がわずかであった場合「○」を合格と判定し、白化が多かった場合「×」を不合格と判定した。
5.耐擦傷性試験:
<光ファイバ素線の調製>
塗布/硬化設備を配置したリワインダ装置(吉田工業社製)を使用して、各実施例及び比較例で得られた液状硬化性樹脂組成物を下記条件で直径125μmの金属線に被覆して、被覆後直径230μmの被覆線をボビンに巻き取った。このとき、ライン速度は400m/minとした。塗布した組成物を硬化するための紫外線照射装置としてフュージョン社製UVランプI600M(Dバルブ)を使用した。紫外線硬化装置内の光ファイバを通す石英管には、酸素濃度3%の窒素ガスを10L/minの流量でパージした。
<耐擦傷性試験>
得られた光ファイバ素線[10]を320kgf/mm2の張力を付与した状態で線速1000m/sでボビン[20]から供給し、固定された直径5mmのステンレス製丸棒[30]を介して約4度屈曲させた。光ファイバ素線[10]のセカンダリ層がステンレス製丸棒[30]で削れて生じた削れ粉の量を目視判定し、削れ粉がほとんど認めらなかった場合「◎」及び少なかった場合「○」を合格と判定し、削れ粉の量が多かった場合「×」を不合格と判定した。図1に評価装置の概要を示す。ただし、図1に示されたステンレス製丸棒[30]を介した屈曲角度は実際の角度を表現していない。
Figure 2016098127
表1において、
ビスフェノールAエポキシジアクリレート;前記式(b1)に該当する化合物;Agisyn1010(DSM−Agi社製)、
EO変性ビスフェノールAジアクリレート;ビスコート#700(大阪有機化学工業社製)、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;Irgacure184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド;ルシリンTPO:(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)。
表1の結果から明らかなように、本発明の液状硬化性樹脂組成物で形成された硬化物は、ヤング率が高く破断伸びが小さいため、外傷を受けにくく、しかも剥離性が良好である。従って、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、光ファイバ素線の二次コート層用組成物として有用である。

Claims (7)

  1. (A)ウレタン(メタ)アクリレート、並びに
    (B)エチレン性不飽和基を2個以上及びビスフェノール構造を有する(メタ)アクリレート化合物、
    を含有する光ファイバ素線の二次コート層用液状硬化性樹脂組成物であって、
    組成物中の(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量100質量部に対して60〜300質量部である、組成物。
  2. 組成物中の(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量100質量部に対して100〜300質量部である、請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、(C)エチレン性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物を含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (B)成分及び(C)成分の合計量に対する(B)成分の含有量が、50質量%以上である、請求項3に記載の組成物。
  5. (B)成分が、ビスフェノール構造を有するエポキシジ(メタ)アクリレートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物を硬化させて得られる光ファイバ素線の二次コート層。
  7. 請求項6に記載の二次コート層を有する光ファイバ素線。
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