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JP2016093093A - 電動モータ - Google Patents

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JP2016093093A
JP2016093093A JP2015155172A JP2015155172A JP2016093093A JP 2016093093 A JP2016093093 A JP 2016093093A JP 2015155172 A JP2015155172 A JP 2015155172A JP 2015155172 A JP2015155172 A JP 2015155172A JP 2016093093 A JP2016093093 A JP 2016093093A
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rotation center
coils
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JP2015155172A
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真範 安田
Masanori Yasuda
真範 安田
伊藤 功治
Koji Ito
伊藤  功治
潤 山岡
Jun Yamaoka
潤 山岡
牧田 真治
Shinji Makita
真治 牧田
淳一 朝間
Junichi Asama
淳一 朝間
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Shizuoka University NUC
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Shizuoka University NUC
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

【課題】回転軸30を支えるための消費電力を低減する。
【解決手段】モータ制御システム1では、コイル50a、50bは、永久磁石35a、35bとの間に電磁力を発生させて回転軸30のうち軸受け32に対して軸方向他方側を回転自在に支持する磁気軸受けを構成する。ブラシ38a〜38dは、バネ41a〜41aの弾性力によって整流子43側に付勢されて、回転軸30の回転に伴って整流子43に摺動して整流子43を通してコイル51a、51bに電流を出力する。ブラシ38a〜38dは、バネ42a〜42aの弾性力によって整流子44側に付勢されて、回転軸30の回転に伴って整流子44に摺動して整流子44を通してコイル50a、50bに電流を出力する。磁気軸受けと軸受け32とから回転軸30が回転自在に支持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータに関するものである。
従来、電動モータにおいて、2つの磁気軸受けによって回転軸を回転自在に支持するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいて、磁気軸受け毎に、ロータの回転駆動用の励磁コイルと磁気軸受け用の励磁コイルとが共通のロータコアに回巻きされている。
ここで、ロータには、回転軸とともに永久磁石が設けられている。そして、回転駆動用の励磁コイルから発生される回転磁界が永久磁石に与えられることにより、ロータおよび回転軸に回転力を発生させる。磁気軸受け用の励磁コイルから発生される磁界が永久磁石に与えられることにより、回転軸を回転自在に支持する支持力を発生させる。
特開昭59−69522号公報
上記特許文献1の電動モータでは、2つの磁気軸受けを用いて回転軸を支持するため、回転軸を支持するのに要する消費電力が増大化する。
本発明は上記点に鑑みて、回転軸を支持するのに要する消費電力を低減するようにした電動モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転軸(30)の回転中心線(S1)を中心とする円周方向に並べられている複数の磁極を形成し、かつ回転軸を機械的軸受け(32)を介して回転自在に支持するステータ(31)と、
回転軸に支持されている複数の第1コイル(51a、51b)および複数の第2コイル(50a、50b)と、
回転軸に支持されて円周方向に並べられている複数の第1セグメント(43a〜43d)を備え、複数の第1セグメントには複数の第1コイルのうち対応する第1コイルの端部側が接続されている第1整流子(43)と、
第1整流子の回転に伴って複数の第1セグメントに摺動して複数の第1セグメントのうち接触する第1セグメントを順次替え、複数の第1コイルに対して接触する第1セグメントを通して電流を出力する複数の第1ブラシ(38a〜38d)と、
回転軸に支持されて円周方向に並べられている複数の第2セグメント(44a〜44d)を備え、複数の第2セグメントには複数の第2コイルのうち対応する第2コイルの端部側が接続されている第2整流子(44)と、
第2整流子の回転に伴って複数の第2セグメントに摺動して複数の第2セグメントのうち接触する第2セグメントを順次替えて、複数の第2コイルに対して接触する第2セグメントを通して電流を出力する複数の第2ブラシ(39a〜39d)と、を備え、
複数の第1コイルには、複数の第1ブラシから接触するセグメントを通して出力される電流と複数の磁極からの磁束とに基づいて回転中心線を中心として回転軸を回転させる回転力が電磁力として発生し、
複数の第2コイルは、複数の第2ブラシから接触する第2セグメントを通して出力される電流に基づいて複数の磁極との間に電磁力を発生させることにより回転軸のうち機械的軸受けからずれた部位を回転自在に支持する磁気軸受けを構成することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、回転軸の軸線方向一方側を機械的軸受けで支持し、回転軸の軸線方向他方側を磁気軸受けで支持するので、回転軸を支持するのに要する消費電力を低減することができる。
但し、機械的軸受けとは、転がり軸受、すべり軸受、および流体軸受のうちいずれか1つの軸受けを意味する。なお、転がり軸受は、回転軸の外周側に配置される軌道と、回転軸および軌道の間に配置される転動体とを備え、転動体が転がり運動することによって回転軸を支持する軸受けである。すべり軸受は、すべり面で軸を受ける軸受である。流体軸受は、液体、または気体によって支持される軸受である。さらに、本発明において、回転中心線の延出方向は、回転中心線が延びる方向である。
請求項2に記載の発明では、ステータには、回転軸の軸線のうち機械的軸受けからずれた部位を支点として回転軸を機械的軸受けを介して揺動自在に支持する回転軸支持部材(45)が設けられており、第1、第2の整流子は、機械的軸受けに対して支点側に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、回転軸が支点を中心として揺動した際に、第1整流子のうち第1ブラシが接触する接触部位が変位することを抑制することができる。このため、第1整流子および第1ブラシの間の接触不良が生じることを抑制することができる。
これに加えて、回転軸が支点を中心として揺動した際に、第2整流子のうち第2ブラシが接触する接触部位が変位することを抑制することができる。このため、第2整流子および第2ブラシの間の接触不良が生じることを抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態におけるモータ制御システムの全体構成を示す図である。 図1中II−II断面図である。 図1中III−III断面図である。 図1中IV−IV断面図である。 図1中V−V断面図である。 図1中の傾き制御用のコイル、および回転制御用のコイルの配置を示す断面図である。 X−Y座標にて回転軸の傾きを示す図である。 X−Y−Z座標にて回転軸の傾きを示す図である。 図1中の電子制御装置の電気回路構成を示す電気回路図である。 図1中の電子制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 図13中のステップの詳細を示すフローチャートである。 図1中のホールセンサの出力値等を示す図である。 図1中のホールセンサの出力値等を示す図である。 図1の回転軸の支持力Fa−角度−回転数の関係を示す図である。 図1の電動モータの伝達関数−回転数の関係を示す図である。 図1の電動モータの振動加速度−回転数の関係を示す図である。 本発明の比較例におけるモータ制御システムの全体構成を示す図である。 本発明の第2実施形態における制御回路の支持処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における傾き制御用コイルによって生じる電磁力を示す図である。 第2実施形態における電動モータの伝達関数−回転速度の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態におけるモータ制御システムの全体構成を示す図である。 図20中部分拡大図である。 本発明の第4実施形態におけるモータ制御システムの全体構成を示す図である。 本発明の第5実施形態におけるモータ制御システムの全体構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に本発明のモータ制御システム1の第1実施形態の全体構成を示す。
本実施形態のモータ制御システム1は、図1に示すように、電動モータ10、およびファン20を備える。
電動モータ10は、図1、図2、および図5に示すように、回転軸30、ステータ31、軸受け本体32a、抑え部33、永久磁石35a、35b、および電機子36を備える。
電動モータ10には、図1および図2に示すように、永久磁石34a、34b、34c、34d、およびホールセンサ37a、37b、37c、37dが設けられている。
電動モータ10は、図3および図4に示すように、ブラシ38a、38b、38c、38d、39a、39b、39c、39d、ブラシホルダ40、バネ41a、41b、41c、41d、42a、42b、42c、42d、および整流子43、44を備える。
図1の回転軸30は、電機子36の回転力をファン20に出力する回転軸である。ファン20は、その穴部20aに回転軸30の軸線方向他方側端部が嵌合されることにより、ファン20に回転軸30が連結されている。本実施形態では、ファン20として、例えば、遠心ファンが用いられている。
なお、図1において、軸方向一方側を図中下側とし、軸方向他方側を図中上側としている。
ステータ31は、永久磁石35a、35bとともに固定子を構成する。ステータ31は、その軸線が回転軸30の回転中心線S1と一致するように形成されている。ステータ31は、筒部31a、蓋部31b、底部31cを備える筐体である。筒部31aは、回転軸30の回転中心線S1を中心とする筒状に形成されている。筒部31aの中空部内には、電機子36、永久磁石34a、34b、34c、34d、永久磁石35a、35b、ブラシ38a、38b、38c、38d、39a、39b、39c、39d、ブラシホルダ40、およびバネ41a、41b、・・・、42dなどが収納されている。
永久磁石35a、35bは、図5に示すように、筒部31aの内周面と電機子36との間に配置されている。永久磁石35a、35bは、筒部31aの内周面に固定されている。永久磁石35a、35bは、軸方向から扇状に形成されている。永久磁石35a
、35bは、それぞれ、径方向内側に向けて磁極を形成している。永久磁石35a、35bのうち一方の磁極がS極となり、他方の永久磁石の磁極がN極となっている。
図1の蓋部31bは、筒部31aの軸方向他方側を塞ぐように形成されている。蓋部31bのうち軸線側には、軸方向他方側に突起する突起部63が形成されている。突起部63には、軸方向に貫通する貫通孔64が形成されている。貫通孔64には、回転軸30が貫通している。
底部31cは、筒部31aの軸方向一方側を塞ぐように形成されている。底部31cのうち軸線側には、後述する軸受け本体32aを支持する回転軸支持部材45が形成されている。
回転軸支持部材45は、回転中心線S1を中心とする環状に形成されて、回転中心線S1の延出方向に貫通する貫通孔66を備える。貫通孔66は、その軸線が回転中心線S1に一致するように形成されている。貫通孔66内には、回転軸30の軸方向一方側が位置する。貫通孔66は、回転中心線S1の延出方向一方側に開口する開口部(以下、下側開口部46aという)と、回転中心線S1の延出方向他方側に開口する開口部(以下、上側開口部という)とを備える。
なお、回転中心線S1の延出方向とは、回転中心線S1が延びる方向である。回転中心線S1の延出方向一方側は、図1中下側であり、回転中心線S1の延出方向他方側は、図1中下側である。
回転軸支持部材45のうち上側開口部および下側開口部46aの間には、貫通孔66を形成する内周面47が設けられている。内周面47は、回転中心線S1を中心とする環状に形成されて、後述する軸受け本体32aを摺動自在に支持する。内周面47は、回転中心線S1を含む断面が後述する支点P1を中心とする円弧状に形成されている。
支点P1は、回転軸30の軸線のうち軸受け本体32aに対して軸方向他方側に位置する。
軸受け本体32aは、回転軸30の軸線方向一方側を回転自在に支持する機械的軸受けである。軸受け本体32aは、回転軸支持部材45の貫通孔66の内側に配置されている。本実施形態では、軸受け本体32aとして、例えば、転がり軸受が使用されている。転がり軸受は、回転軸30の外周側に配置される軌道と、回転軸30および軌道の間に配置される転動体とを備え、転動体が転がり運動することによって回転軸30を支持する周知の軸受けである。
ブッシュ32bは、軸受け本体32aとともに回転軸30を回転自在に支持する軸受け32を構成する。ブッシュ32bは、軸受け本体32aを支える回転軸支持部材である。ブッシュ32bは、回転中心線S1を中心とする環状に形成されている。ブッシュ32bは、回転軸支持部材45の内周面47に摺動する側面48を備える。側面48は、回転中心線S1を含む断面が、支点P1を中心とする円弧状に形成されている。
本実施形態では、内周面47の曲率半径r1と側面48の曲率半径r2とが同一になっている。曲率半径r1は、回転中心線S1を含む断面において、支点P1と内周面47との間の距離である。曲率半径r2は、回転軸30の軸線を含む断面において、支点P1と側面48との間の距離である。
本実施形態における軸受け32および回転軸支持部材45は、軸受け32を介して回転軸30を支点P1を中心とする揺動自在に支持する軸受け機構49を構成する。
図1の抑え部33は、貫通孔64のうち内周側に配置されている。抑え部33は、回転軸30の回転中心線S1を中心とする環状に形成されている。抑え部33および回転軸30の間には、隙間が形成されている。抑え部33は、後述するように、回転軸30の回転中心線S1から回転軸30が大きく傾いた状態で回転軸30を支える軸受け部である。抑え部33は、蓋部31bによって支持されている。本実施形態の抑え部33は、潤滑性を有する樹脂材料によって形成されている。
永久磁石34a、34b、34c、34dは、回転軸30のうち電機子36および抑え部33の間に配置されている。永久磁石34a、34b、34c、34dは、突起部63の基部側に位置する。永久磁石34a、34b、34c、34dは、回転軸30に固定されている。
永久磁石34a、34b、34c、34dは、図2に示すように、それぞれ、扇状に形成されている。永久磁石34a、34b、34c、34dは、回転軸30の外周を覆うように組み合わされている。永久磁石34a、34b、34c、34dは、それぞれ、回転軸30の軸線を中心とする径方向外側に磁極を形成している。永久磁石34a、34b、34c、34dは、それぞれの磁極がS極→N極→S極→N極の順に交互に並ぶように配置されている。永久磁石34a、34b、34c、34dは、ホールセンサ37a、37b、37c、37dに磁束を付与する。
ホールセンサ37a、37b、37c、37dは、永久磁石34a、34b、34c、34dに対して、回転軸30の回転中心線S1を中心とする径方向外側に配置されている。ホールセンサ37a、37b、37c、37dと永久磁石34a、34b、34c、34dとの間には、隙間が形成されている。ホールセンサ37a、37b、37c、37dは、回転軸30の回転中心線S1を中心とする円周方向に同一間隔で並べられている。ホールセンサ37a、37b、37c、37dは、ステータ31の筒部31aに固定されている。ホールセンサ37a、37b、37c、37dは、回転軸30の回転速度、および傾き角度を検出するためのもので、永久磁石34a、34b、34c、34dから生じる磁界を検出するホール素子から構成されている。
図3のブラシ38a、38b、38c、38dは、電機子36および軸受け32の間に配置されている。ブラシ38a、38b、38c、38dは、回転中心線S1を中心とする円周方向に同一間隔に並べられている。
ブラシ38a、38b、38c、38dは、それぞれ、ブラシホルダ40の長穴部内に配置されて径方向に移動可能に構成されている。ブラシ38a、38b、38c、38dは、バネ41a、41b、41c、41dのうち対応するバネの弾性力によって径方向内側(具体的には、整流子43側)に押し付けられている。バネ41a、41b、41c、41dは、それぞれ、ブラシホルダ40の長穴部内に配置されている。ブラシホルダ40は、ステータ31によって支持されている。ブラシ38a、38b、38c、38dは、回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント43a〜43dに摺動する。
図4のブラシ39a、39b、39c、39dは、それぞれ、ブラシホルダ40の長穴部内に配置されて径方向に移動可能に構成されている。ブラシ39a、39b、39c、39dは、バネ42a、42b、42c、42dのうち対応するバネの弾性力によって径方向内側(具体的には、整流子44側)に押し付けられている。バネ42a、42b、42c、42dは、それぞれ、ブラシホルダ40の長穴部内に配置されている。
ここで、ブラシ39a、39b、39c、39dは、支点Pに対して軸方向他方側に配置され、ブラシ38a、38b、38c、38dは、支点Pに対して軸方向一方側に配置されている。
整流子43は、セグメント43a、43b、43c、43dを備える。セグメント43a、43b、43c、43dは、回転軸30の軸線を中心とする円弧状に等間隔で並べられている。セグメント43a、43cの間には、コイル51aが接続されている。コイル51aの一端部は、セグメント43aに接続され、コイル51aの他端部は、セグメント43cに接続されている。
セグメント43b、43dの間には、コイル51bが接続されている。すなわち、コイル51bの一端部がセグメント43bに接続され、コイル51bの他端部がセグメント43dに接続されている。
セグメント43a、43b、43c、43dは、筒部材67を介して回転軸30に固定されている。セグメント43a、43b、43c、43dは、それぞれ、回転軸30の軸方向から視て扇状に形成されている。ブラシ39a、39b、39c、39dは、回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント44a〜44dに摺動する。
筒部材67は、回転軸30の軸線を中心とする径方向外側に配置されている。筒部材67は、回転軸30の軸線を中心とする筒状に形成されている。筒部材67は、その軸線が回転軸30の軸線に一致するように形成されている。筒部材67は、回転軸30によって支持されている。
整流子44は、セグメント44a、44b、44c、44dを備える。セグメント44a、44b、44c、44dは、回転軸30の軸線を中心とする円弧状に等間隔で並べられている。セグメント44a、44cの間には、コイル50aが接続されている。すなわち、コイル50aの一端部がセグメント44aに接続され、コイル50aの他端部がセグメント44cに接続されている。
セグメント44b、44dの間には、コイル50bが接続されている。すなわち、コイル50bの一端部がセグメント44bに接続され、コイル50bの他端部がセグメント44dに接続されている。
セグメント44a、44b、44c、44dは、筒部材67を介して回転軸30に固定されている。セグメント44a、44b、44c、44dは、それぞれ、回転軸30の軸方向から視て扇状に形成されている。
本実施形態では、整流子43、44は、軸受け32に対して支点P1側に配置されている。整流子44は、支点P1よりも軸方向他方側に位置する。整流子43は支点P1よりも軸方向一方側に位置する。支点P1は、回転軸30の軸線のうち、整流子44の回転中心と整流子43の回転中心との間の中間点である。
電機子36は、図5に示すように、コイル50a、50b、51a、51b、およびロータコア52を備える。
ロータコア52は、コイル50a、50bから発生する磁束(すなわち、磁界)を通過させるものである。さらに、ロータコア52は、コイル51a、51bから発生する磁束(すなわち、磁界)を通過させるものである。ロータコア52は、永久磁石35a、35bとともに磁気回路を構成する。
具体的には、ロータコア52は、リング部53、およびティース54a、54b、54c、54dを備える。リング部53は、ステータ31の筒部31aに対して径方向内側に配置されている。リング部53は、回転軸30に固定されている。
ティース54a、54b、54c、54dは、リング部53から径方向外側に突出するように形成されている。ティース54a、54b、54c、54dは、それぞれ、回転軸30の軸線を中心とする円周方向に同一間隔で並べられている。ティース54a、54b、、54c、54dは、それぞれ先端部側が円周方向に延びるように形成されている。
本実施形態のコイル50a、50bは、回転軸30の支持力を発生させる傾き制御用コイルである。図6において、コイル50a、50bにおいて、×印は紙面垂直方向奥側に向けて電流が流れる状態を示し、黒点は、紙面垂直方向手前側に向けて電流が流れる状態を示している。
まず、コイル50bは、図6に示すように、ティース54a、54cに回巻きされている。コイル50bがティース54aを巻く方向とコイル50bがティース54cを巻く方向とは同一になっている。ティース54a、54cは、回転軸30の軸線を中心として角度180度オフセットして配置されている。
コイル50aは、ティース54b、54dに、回巻きされている。コイル50aがティース54bを巻く方向とコイル50aがティース54dを巻く方向とは同一になっている。ティース54b、54dは、回転軸30の軸線を中心として角度180度オフセットして配置されている。
本実施形態のコイル51a、51bは、電機子36を回転させるための回転磁界を発生する回転駆動用コイルである。
図6において、コイル51a、51bにおいて、×印は、紙面垂直方向奥側に向けて電流が流れる状態を示し、黒点は、紙面垂直方向手前側に向けて電流が流れる状態を示している。
コイル51aは、ティース54a、54bに回巻きされている。ティース54a、54bは、回転軸30の軸線を中心として角度90度オフセットして配置されている。
コイル51bは、ティース54c、54dに回巻きされている。ティース54c、54dは、回転軸30の軸線を中心として角度90度オフセットして配置されている。
本実施形態では、コイル50a、50bは、コイル51a、51bに対して、ステータ31側(すなわち、径方向外側)に配置されている。
このようにコイル50a、50bとコイル51a、51bとは、共通のロータコア52に回巻きされている。つまり、コイル50a、50bとコイル51a、51bとは、ロータコア52を介して回転軸30に取り付けられている。そして、コイル50a、50bに流れる電流とコイル51a、51bに流れる電流とは、電子制御装置(図1中ECUと記す)70により制御される。
このように構成された電動モータ10では、回転軸30の軸線のうち整流子43、44の間の支点P1を支点として、回転軸30の回転中心線S1から回転軸30が傾くことが可能に構成される(図7、図8参照)。
図7、図8では、前記支点を原点0とし、回転軸30の回転中心線S1をZ軸とし、回転中心線S1に直交するX軸とY軸とを設定し、Z軸(すなわち、回転中心線S1)に対して回転軸30の軸線が角度θ傾いた例を示している。図7中の(x0、y0)は、回転軸30のうち軸線方向他方側の端部(すなわち、ファン20)のX−Y座標を示している。
次に、本実施形態のモータ制御システム1の電気的構成について図9を参照して説明する。
電子制御装置70は、図9に示すように、ブリッジ回路71、72、73、および制御回路74を備える。ブリッジ回路71は、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4を備える。トランジスタSW1、SW2は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW1、SW2の共通接続端子T1は、ブラシ39aに接続されている。
トランジスタSW3、SW4は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW3、SW4の共通接続端子T2は、ブラシ39cに接続されている。
このことにより、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4のオン、オフによって、整流子44を通してコイル50a(或いは、50b)に流れる電流の方向、および電流値を制御することになる。
ブリッジ回路72は、トランジスタSW5、SW6、SW7、SW8を備える。トランジスタSW5、SW6は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW5、SW6の共通接続端子T3は、ブラシ39bに接続されている。トランジスタSW7、SW8は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW7、SW8の共通接続端子T4は、ブラシ39dに接続されている。
このことにより、トランジスタSW5、SW6、SW7、SW8のオン、オフによって、整流子44を通してコイル50b(或いは、50a)に流れる電流の方向、および電流値を制御することができる。
ブリッジ回路73は、トランジスタSW9、SW10、SW11、SW12を備える。トランジスタSW9、SW10は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW11、SW12の共通接続端子T5は、ブラシ38b、38cに接続されている。
トランジスタSW11、SW12は、バッテリBaの正極電極と負極電極との間で直列接続されている。トランジスタSW11、SW12の共通接続端子T6は、ブラシ38a、38dに接続されている。
このことにより、トランジスタSW9、SW10、SW11、SW12のオン、オフによって、整流子43を通してコイル51a、51bに流れる電流の方向、および電流値を制御することになる。
制御回路74は、マイクロコンピュータやメモリ等に構成されているもので、メモリに記憶されているコンピュータプログラムにしたがって、電機子36に回転力を発生させるとともに、回転軸30を支持する支持力を出力するための制御処理を実行する。制御回路74は、制御処理の実行に伴って、ホールセンサ37a、37b、37c、37dの出力信号に基づいて、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8、SW9、SW10、SW11、SW12をスイッチング制御する。
制御回路74がトランジスタSW9、SW10、SW11、SW12を制御して共通接続端子T5、T6からブラシ38a、38b、38c、38dおよび整流子43を通してコイル51a、52bに電流を出力する。
例えば、制御回路74がトランジスタSW9、SW12をオンして、トランジスタSW10、SW11をオフする。このため、共通接続端子T5、T6の間において、ブラシ38b、38dおよび整流子43のセグメント43a、43c(或いは、43b、43d)を通してコイル51a(或いは、51b)に電流が流がれる。共通接続端子T5、T6の間において、ブラシ38a、38cおよび整流子43のセグメント43a、43c(或いは、43b、43d)を通してコイル51a(或いは、51b)に電流が流れる。
このとき、コイル51a、51bには、コイル51a、51b自体に流れる電流と永久磁石35a、35bからの磁束とに基づいて電磁力としての回転力が発生する。この回転力は、電機子36(すなわち、回転軸30)を回転中心S1を中心として第1回転方向に回転させる回転力である。
ここで、回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント43a、43b、43c、43dのうちブラシ38a、38cがそれぞれ接触するセグメントが順次交替する。回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント43a、43b、43c、43dのうちブラシ38b、38dがそれぞれ接触するセグメントが順次交替する。
これにより、セグメント43a、43b、43c、43dうちブラシ38a、38b、38c、38dが接触するセグメントが替わる毎に、コイル51a(或いは、51b)には、繰り返し第1回転方向に回転させる回転力が発生する。
一方、制御回路74がトランジスタSW9、SW12をオフして、トランジスタSW10、SW11をオンする。このため、共通接続端子T5、T6の間において、ブラシ38b、38dおよび整流子43のセグメント43a、43c(或いは、43b、43d)を通してコイル51a(或いは、51b)に電流が流がれる。共通接続端子T5、T6の間において、ブラシ38a、38cおよび整流子43のセグメント43a、43c(或いは、43b、43d)を通してコイル51a(或いは、51b)に電流が流れる。
このとき、コイル51a、51bには、コイル51a、51b自体に流れる電流と永久磁石35a、35bからの磁束とに基づいて、電磁力としての回転力が発生する。この回転力は、電機子36(すなわち、回転軸30)を回転中心S1を中心として第2回転方向に回転させる回転力である。第2回転方向は、第1回転方向と逆方向である。
ここで、回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント43a、43b、43c、43dのうちブラシ38a、38cがそれぞれ接触するセグメントが順次交替する。回転軸30の回転に伴って、整流子43のセグメント43a、43b、43c、43dのうちブラシ38b、38dがそれぞれ接触するセグメントが順次交替する。
これにより、セグメント43a、43b、43c、43dうちブラシ38a、38b、38c、38dが接触するセグメントが替わる毎に、コイル51a(或いは、51b)には、繰り返し、第2回転方向に回転させる回転力が発生する。
ここで、制御回路74がトランジスタSW9、SW10、SW11、SW12を制御することにより、ブラシ38a、38b、38c、38dおよび整流子43を通してコイル51a、51bに流れる電流の電流値を制御する。このことにより、コイル51a、51bに作用する回転力としての電磁力の大きさを制御することにより、回転軸30(すなわち、電機子36)の回転速度を制御することができる。
また、外乱により回転軸30の軸線S2が回転軸30の回転中心線S1がずれる場合がある。このとき、回転軸30は、回転中心線S1を中心として回転しながら、支点P1を中心として揺動する。
これに対して、制御回路74がトランジスタSW1、SW2、SW3、SW4をスイッチング制御することにより、コイル50aに電流を流して、コイル50aと永久磁石35a、35bとの間にて電機子36を移動させる電磁力f1、f2を発生させる。
具体的には、次の(a)(b)(c)(d)の通りになる。
(a)ブラシ39aがセグメント44aに接触し、かつブラシ39cがセグメント44cに接触した状態で、トランジスタSW1、SW4がオンし、かつトランジスタSW2、SW3がオフしたときに、共通接続端子T1、T2からセグメント44a、44cを通してコイル50aに対して電流を第1電流方向に流すことができる。
(b)ブラシ39cがセグメント44aに接触し、かつブラシ39aがセグメント44cに接触した状態で、トランジスタSW1、SW4がオフし、かつトランジスタSW2、SW3がオンしたときに、共通接続端子T1、T2からセグメント44a、44cを通してコイル50aに対して電流を第1電流方向に流すことができる。
このようにコイル50aに対して電流を第1電流方向に流すことにより、ティース54b、54dに回巻きされるコイル50aと永久磁石35a、35bとの間には、電磁力f1が発生する。電磁力f1は、電機子36(すなわち、回転軸30)をコイル50aの軸線方向一方側に移動させる力である。コイル50aの軸線方向は、ティース54b、54dの軸線を結ぶ方向である。
(c)ブラシ39aがセグメント44aに接触し、かつブラシ39cがセグメント44cに接触した状態で、トランジスタSW1、SW4がオフし、かつトランジスタSW2、SW3がオンしたときに、共通接続端子T1、T2からセグメント44a、44cを通してコイル50aに対して電流を第2電流方向に流すことができる。第2電流方向は、コイル50aに対して第1電流方向と逆に電流が流れる方向である。
(d)ブラシ39cがセグメント44aに接触し、かつブラシ39aがセグメント44cに接触した状態で、トランジスタSW1、SW4がオンし、かつトランジスタSW2、SW3がオフしたときに、共通接続端子T1、T2からセグメント44a、44cを通してコイル50aに電流を第2電流方向に流すことができる。
このようにコイル50aに対して電流を第2電流方向に流すことにより、ティース54b、54dに回巻きされるコイル50aと永久磁石35a、35bとの間には、電磁力f2が発生する。電磁力f2は、電機子36(すなわち、回転軸30)をコイル50aの軸線方向他方側に移動させる力である。
制御回路74がコイル50aに対して電流が流れる方向を第1電流方向から第2電流方向(或いは、第2電流方向から第1電流方向)に変えることにより、コイル50aと永久磁石35a、35bとの間に発生する電磁力の方向を変えることができる。制御回路74がトランジスタSW1、SW2、SW3、SW4をスイッチング制御してコイル50aに流れる電流値を制御することにより、コイル50aと永久磁石35a、35bとの間に作用する電磁力f1、f2の大きさを制御することができる。
制御回路74がトランジスタSW5、SW6、SW7、SW8をスイッチング制御することにより、コイル50bに電流を流してコイル50bと永久磁石35a、35bとの間にて電機子36を移動させる電磁力f3、f4を発生させる。
具体的には、次の(e)(f)(g)(h)の通りになる。
(e)ブラシ39bがセグメント44bに接触し、かつブラシ39dがセグメント44dに接触した状態で、トランジスタSW5、SW8がオンし、かつトランジスタSW6、SW7がオフしたときに、共通接続端子T3、T4からセグメント44b、44dを通してコイル50bに対して電流を第3電流方向に流すことができる。
(f)ブラシ39dがセグメント44bに接触し、かつブラシ39bがセグメント44dに接触した状態で、トランジスタSW5、SW8がオフし、かつトランジスタSW6、SW7がオンしたときに、共通接続端子T3、T4からセグメント44b、44dを通してコイル50bに対して電流を第3電流方向に流すことができる。
このようにコイル50bに対して電流を第3電流方向に流すことにより、ティース54a、54cに回巻きされるコイル50bと永久磁石35a、35bとの間には、電磁力f3が発生する。電磁力f3は、電機子36(すなわち、回転軸30)をコイル50bの軸線方向一方側に移動させる力である。コイル50bの軸線方向は、ティース54a、54cの軸線を結ぶ方向である。
(g)ブラシ39bがセグメント44bに接触し、かつブラシ39dがセグメント44dに接触した状態で、トランジスタSW5、SW8がオフし、かつトランジスタSW6、SW7がオンしたときに、共通接続端子T3、T4からセグメント44b、44dを通してコイル50bに対して電流を第4電流方向に流すことができる。第4電流方向とは、第3電流方向に対して逆の方向である。
(h)ブラシ39dがセグメント44bに接触し、かつブラシ39bがセグメント44dに接触した状態で、トランジスタSW5、SW8がオンし、かつトランジスタSW6、SW7がオフしたときに、共通接続端子T3、T4からセグメント44b、44dを通してコイル50bに対して電流を第4電流方向に流すことができる。
このようにコイル50bに対して電流を第4電流方向に流すことにより、ティース54a、54cに回巻きされるコイル50bと永久磁石35a、35bとの間には、電磁力f4が発生する。電磁力f4は、電機子36(すなわち、回転軸30)をコイル50bの軸線方向他方側に移動させる力である。
制御回路74がコイル50bに対して電流が流れる方向を第3電流方向から第4電流方向(或いは、第4電流方向から第3電流方向)に変えることにより、コイル50bと永久磁石35a、35bとの間に発生する電磁力の方向を変えることができる。制御回路74がトランジスタSW5、SW6、SW7、SW8をスイッチング制御してコイル50bに流れる電流値を制御することにより、コイル50bと永久磁石35a、35bとの間に作用する電磁力f3、f4の大きさを制御することができる。
ここで、コイル50aの軸線方向とコイル50bの軸線方向とは直交する方向である。電磁力f1、f2、f3、f4をそれぞれ単位ベクトルとする。このような電磁力f1、f2、f3、f4および電磁力f1、f2、f3、f4に掛ける係数K1、K2、K3、K4を用いて、回転中心線S1に回転軸30の軸線S2を近づけるための支持力Faを下記の数式1で表すことができる。
Fa=K1・f1+K2・f2+K3・f3+K4・f4・・・(数式1)
制御回路74がトランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、、SW7、SW8を制御して共通接続端子T1、T2、T3、T4からコイル50a、50bに流す電流を制御する。このため、係数K1、K2、K3、K4が制御されることにより、支持力Faの大きさ、および支持力Faの方向を制御することができる。
次に、本実施形態の制御回路74による制御処理について図10〜図15を参照して説明する。
制御回路74は、図10、図11のフローチャートにしたがって支持処理を実行する。図10、図11は制御処理を示すフローチャートである。
まず、図10のステップ100において、ホールセンサ37a、37b、37c、37dにより永久磁石34a、34bによって生じる磁界を検出する。
ここで、X−Y座標において、ホールセンサ37a、37cが並ぶ方向をX方向とし、ホールセンサ37b、37dが並ぶ方向をY方向とする。ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分ds1(=Ha−Hc:図16参照)を求める。当該差分ds1は、回転軸30の回転角度情報を示す。そして、この差分ds1に基づいて、現時刻の回転軸30の回転角度(すなわち、回転位置)を算出する(ステップ110)。
次に、回転軸30が中心軸S1から傾くことを妨げる支持制御(ステップ120)と、回転軸30を回転させる回転制御(ステップ130)とを並列的に実行する。なお、支持制御(ステップ120)、および回転制御(ステップ130)の詳細は後述する。次に、回転軸30の回転を続行するか否かを判定する(ステップ140)。その後、回転軸30の回転を続行するとして、ステップ140でYESと判定すると、ステップ110に戻る。次いで、制御処理を停止させる停止指令が外部から入力されるまで、ステップ100、110、120、130、およびステップ140のYES判定を繰り返す。その後、停止指令が外部から入力されると、ステップ140でN0と判定して、制御処理を終了する。
次に、回転制御(ステップ130)について説明する。
まず、上記ステップ110で算出される回転軸30の回転角度を時間で微分して回転軸30の回転速度を求める。これに加えて、スイッチングSW9、SW10、SW11、SW12を制御することにより、前記求めた回転軸30の回転速度を目標回転速度に近づけるようにコイル51a、51bに流れる電流を制御する。このため、コイル51a、51bには、当該電流と永久磁石35a、35bからの磁束によって回転力としての電磁力が発生する。このため、回転軸30(すなわち、電機子36)の回転角度を目標回転速度に近づけることができる。
次に、支持制御(ステップ120)について図11を参照して説明する。図11は、図10中ステップ120の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップ121において、ホールセンサ37a、37b、37c、37dの出力信号に基づいて、回転軸30の回転中心線S1に対する回転軸30の傾きθ(図7参照)を算出する。
具体的には、現時刻におけるホールセンサ37aの出力信号Haと現時刻におけるホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分ds1(=Ha−Hc)を求める。そして、差分ds1の振幅値A1と基準信号k1の振幅値A0の差分dA(=A1−A0:図12A参照)によって、ファン20のX座標(回転軸30の軸線方向他方側端部のX座標)を求める。
ここで、振幅値A1は、現時刻における差分ds1の振幅値を示す。差分ds1が零になったタイミングと現時刻との間の時間をΔTとする。振幅値A0は、基準信号k1が零になるタイミングからΔT経過したときの基準信号k1の振幅である。
そして、差分(A1−A0)が大きくなるほど、X座標(X0)が大きくなり、差分(A1−A0)が小さくなるほど、X座標(X0)が大きくなる。基準信号k1は、ホールセンサ37aの出力信号Haの理論値とホールセンサ37cの出力信号Hcの理論値との差分(=出力信号Haの理論値−出力信号Hcの理論値)である。
ここで、回転軸30の軸線が回転軸30の回転中心線S1に一致した状態で回転軸30が回転した際のホールセンサ37aから出力される出力信号Haを出力信号Haの理論値としている。回転軸30の軸線が回転軸30の回転中心線S1に一致した状態で回転軸30が回転した際のホールセンサ37cから出力される出力信号Hcを出力信号Hcの理論値としている。
さらに、現時刻におけるホールセンサ37bの出力信号Hbと現時刻におけるホールセンサ37dの出力信号Hdとの差分dq(=Hb−Hd)を求め、この差分dqの振幅B1と基準信号k2の振幅値B0との差分dB(=B1−B0:図12B参照)に基づいて、ファン20のY座標(すなわち、回転軸30の軸線方向他方側端部のY座標)を求める。
基準信号k2は、ホールセンサ37bの出力信号Hbの理論値とホールセンサ37dの出力信号Hdの理論値との差分(=出力信号Hbの理論値−出力信号Hdの理論値)である。ここで、回転軸30の軸線が回転軸30の回転中心線S1に一致した状態で回転軸30が回転した際のホールセンサ37bから出力される出力信号Hbを出力信号Hbの理論値としている。回転軸30の軸線が回転軸30の回転中心線S1に一致した状態で回転軸30が回転した際のホールセンサ37dから出力される出力信号Hdを出力信号Hdの理論値としている。
振幅値B1は、現時刻における差分dqの振幅値を示す。振幅値B0は、上記基準信号k1が零になるタイミングからΔT経過したときの基準信号k2の振幅である。そして、差分dBが大きくなるほど、Y座標(Y0)が大きくなる。差分dBが小さくなるほど、Y座標(Y0)が小さくなる。
このように求められたファン20のXY座標(X0、Y0)に基づいて回転中心線S1に対する回転軸30の傾きθ(角度)を算出する。なお、本実施形態では、傾きθは、Z軸および回転軸30の軸線S2の間でZ軸から回転軸30の軸線S2に向けて時計回り方向に形成される角度である(図7参照)。
次に、ステップ122において、ファン20のXY座標(X0、Y0)に基づいて、回転中心線S1に対する回転軸30の軸線S2を近づけるために励磁すべきコイルをコイル50a、50bから選択する。つまり、傾いた回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づけるのに通電すべきコイルをコイル50a、50bから選択する。以下、このように選択したコイルを選択コイルという。
次に、ステップ123において、回転軸30の回転速度が高速であるか否かを判定する。
具体的には、ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分(Ha−Hc)を求め、この求めた差分(Ha−Hc)の時間に対する変化に基づいて、回転軸30の回転速度を算出する。この算出した回転速度(以下、算出回転速度Vという)が所定速度以上であるか否かを判定する。
算出回転速度Vが所定速度以上であるとき、回転軸30の回転速度が高速であるとしてステップ123でYESと判定する。この場合、回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づけるのに必要な支持力Faをコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間で発生させるために、上記選択コイルに出力するべき電流を、(X0、Y0)および傾きθに基づいて算出する(ステップ124)。
一方、算出回転速度Vが所定速度未満であるとき、回転軸30の回転速度が低速であるとしてステップ123でNOと判定する。この場合、回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づけるのに必要な支持力Faをコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間で発生させるために、上記選択コイルに出力するべき電流を、(X0、Y0)および傾きθに基づいて算出する(ステップ126)。
ここで、傾きθが大きいほど、回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づけるのに必要な支持力Faは、大きくなる。これに加えて、回転軸30の回転速度が高くなる程、回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づけるのに必要な支持力Faは、小さくなる。すなわち、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、支持力Faは、小さくなる(図13参照)。
図13は、縦軸を支持力Faとし、横軸を傾き角度θとし、回転軸30が低速、或いは高速で回転している場合において、支持力Faと傾き角度θとの関係を示すグラフである。回転軸30が低速で回転しているときグラフは、回転軸30が高速で回転しているときのグラフよりも勾配が大きい。
そこで、回転軸30が高速で回転しているときに、図13の高速回転時の支持力Fa−傾きθの関係を示すグラフに基づいて、上記選択コイルに出力するべき電流を算出する(ステップ126)。
一方、回転軸30が低速で回転しているときに、図13の低速回転時の支持力Fa−傾きθの関係を示すグラフに基づいて、上記選択コイルに出力するべき電流を算出する(ステップ124)。
このように回転軸30の回転速度、(X0、Y0)、および傾きθに基づいて、上記選択コイルに出力するべき電流を算出する。これに伴い、この算出した電流を上記選択コイルに出力するために、ブリッジ回路71のトランジスタSW1、SW2・・・SW6を制御する。これにより、共通接続端子T1、T2、T3から上記選択コイルに電流が出力される。このため、選択コイルおよび永久磁石35の間で支持力Faが発生する。よって、支持力Faによって回転中心線S1に回転軸30を近づけることができる。
ここで、同一傾き角度θの場合において回転軸30が低速で回転している場合には、回転軸30が高速で回転している場合に比べて、選択コイルおよび永久磁石35の間で支持力Faが大きくなる。
以上説明した本実施形態によれば、モータ制御システム1は、回転軸30の軸方向一方側を軸受け32を介して回転自在に支持するステータ31と、ステータ31によって支持されて、回転軸30の回転中心線S1を中心とする円周方向に並べられている2つの磁極を形成する永久磁石35a、35bとを備える。コイル51a、51bは、回転軸30に支持されているコイルであって、このコイルに流れる電流と永久磁石35a、35bからの磁束とに基づいて電機子36を回転させる電磁力を発生させる。コイル50a、50bは、回転軸30に支持されて、永久磁石35a、35bとの間に電磁力を発生させることにより回転軸30のうち軸受け32に対して軸方向他方側を回転自在に支持する磁気軸受けを構成する。すなわち、コイル50a、50bは、回転軸30の軸線のうち軸受け32からずれた部位を回転自在に支持する磁気軸受けを構成する。
整流子43は、回転軸30に支持されて、コイル51a、51bに接続されている。整流子44は、回転軸30に支持されて、コイル50a、50bに接続されている。ブラシ39a〜39dは、バネ42a〜42aの弾性力によって整流子43側に押し付けられて、回転軸30の回転に伴って整流子44のセグメント44a、44b、44c、44dに摺動して整流子44を通してコイル50a、50bに電流を出力する。
ブラシ38a〜38dは、バネ41a〜41aの弾性力によって整流子44側に押し付けられて、回転軸30の回転に伴って整流子43のセグメント43a、43b、43c、43dに摺動して整流子43を通してコイル51a、51bに電流を出力する。
電子制御装置70は、回転中心線S1から回転軸30の軸線が傾くことを妨げる電磁力がコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間に発生させるようにコイル50a、50bに流れる電流を制御することを特徴とする。
以上により、永久磁石35a、35bおよびコイル50a、50bから構成される磁気軸受けと軸受け32とから回転軸30が回転自在に支持されることになる。これにより、回転軸30を支えるために1つの磁気軸受けを用いることになる。したがって、回転軸30を支えるための消費電力を低減するようにした電動モータ10、電子制御装置70、およびモータ制御システム1を提供することができる。
本実施形態では、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、支持力Faを小さくしている。このため、支持力Faを発生させるために、コイル50a、50bで消費される電力を低減することができる。
ここで、図16に示すように、回転軸30の軸方向一方側を軸受け32cを介して回転自在に支持部材45Aを支持する電動モータ10Aにおいて、軸受け32cが支持部材45Aに対して固定されている場合には、回転軸30のうち軸受け32c側が支点P2となる。この支点P2を中心として、回転軸30の軸線が回転中心線S1から傾くことが自在に構成されていることになる。このため、回転軸30が回転する際に傾き振動が生じると、ブラシ38a〜38dがバネ41a〜41dの弾性力に伴って変位したり、ブラシ39a〜39dがバネ42a〜42dの弾性力に伴って変位する。回転軸30の傾き振動とは、回転軸30が回転する際に、回転中心線S1を中心とする径方向に回転軸30の軸線が揺れ動く現象のことである。
したがって、ブラシ38a〜38dと整流子43のセグメント43a〜43dとの間の接触不良が生じたり、ブラシ39a〜39dと整流子44のセグメント44a〜44dとの間の接触不良が生じる恐れがある。
これに対して、本実施形態では、軸受け機構49では、回転軸支持部材45は、ステータ31によって支持されて、かつ回転軸30の軸線のうち軸受け32に対して軸方向他方側の位置を支点P1とする。この支点P1を中心として回転軸30を軸受け32を介して揺動自在に支持する。これに加えて、整流子43、44は、支点P1側に配置されていることを特徴とする。
このため、ブラシ38a〜38dとセグメント43a〜43dとの間の接触部位の変動を抑えることができる。よって、ブラシ38a〜38dとセグメント43a〜43dとの間の接触が良好になる。さらに、ブラシ39a〜39dとセグメント44a〜44dとの間の接触部位の変動を抑えることができる。よって、ブラシ39a〜39dと整流子44のセグメント44a〜44dとの間の接触が良好になる。
特に、本実施形態では、支点P1は、回転軸30の軸線のうち、整流子44の回転中心と整流子43の回転中心との間の中間点である。このため、ブラシ38a〜38dとセグメント43a〜43dとの間の接触部位の変動を確実に抑えることができる。さらに、ブラシ39a〜39dとセグメント44a〜44dとの間の接触部位の変動を確実に抑えることができる。
図14において、横軸は、回転軸30の回転数N(すなわち、回転速度)である。縦軸は、電動モータ10の振動系を示す伝達関数である。伝達関数では、回転軸30の傾き振動を振動源としてこの振動源から生じる遠心力を入力としている。回転軸30の傾き振動とは、回転軸30が回転する際に、回転中心線S1を中心とする径方向に回転軸30が揺れ動く現象のことである。伝達関数では、電動モータ10のうち回転軸30および電機子36以外の所定部位(例えば、ステータ31)の振動加速度を出力としている。
実線で示すDeは、本実施形態の電動モータ10の振動系を示す伝達関数である。鎖線は支持力Faを小さくしたときの電動モータ10の振動系を示す伝達関数であり、一点鎖線は支持力Faを大きくしたときの電動モータ10の振動系を示す伝達関数を示している。
ここで、支持力Faが小さい場合の伝達関数のピークは、回転軸30の回転数が低速であるときに生じている。支持力Faが大きい場合の伝達関数のピークは、回転軸30の回転数が高速であるときに生じている(図14参照)。このため、支持力Faが小さい場合には、回転軸30の回転数が低速であるときに電動モータ10に共振が生じる。一方、支持力Faが大きいときには、回転軸30の回転数が高速であるときに電動モータ10に共振が生じる。
そこで、本実施形態では、回転軸30が高速で回転しているとき支持力Faを小さくし、回転軸30が低速で回転しているとき支持力Faを大きくする。すなわち、回転軸30の回転数によって、支持力Faの大きさを切り替えている。このため、電動モータ10の振動系において、ピークを抑えた伝達関数Deを形成することになる。これにより、電動モータ10において共振が生じ難くすることができる。
以上により、回転軸30の傾き振動が起因して、電動モータ10に生じる振動加速度Skを回転速度Nの使用範囲に亘って低減することができる(図15参照)。使用範囲は、電動モータ10において実際に使用される回転軸30の回転数Nの範囲である。
なお、図15において、横軸は、回転軸30の回転数Nである。縦軸は、電動モータ10のうち回転軸30、電機子36以外の所定部位(例えば、ステータ31)に生じる振動加速度である。鎖線は支持力Faを小さくしたとき電動モータ10の上記所定部位に生じる振動加速度を示し、一点鎖線は支持力Faを大きくしたときに電動モータ10のうち上記所定部位に生じる振動加速度を示している。実線で示すSKは、本実施形態の電動モータ10の上記所定部位に生じる振動加速度を示す。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、回転軸30の軸線S2が回転中心線S1から傾くことを妨げるために、回転軸30の軸線S2を回転中心線S1に近づける支持力Faを発生させた例について説明したが、これに代えて、回転軸30をその回転方向に移動させる復元力Fbを発生させる本第2実施形態について説明する。
本実施形態と上記第1実施形態とは、制御回路74の支持制御(ステップ120)が相違する。そこで、以下、本実施形態の支持制御(ステップ120)について説明する。図17は、制御回路74の支持制御の詳細を示すフローチャートである。
まず、ステップ123において、回転軸30の回転速度が高速であるか否かを判定する。
具体的には、ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分(Ha−Hc)を求めるとともに、この求めた差分(Ha−Hc)の時間に対する変化に基づいて、回転軸30の回転速度を算出する。この算出した回転速度(以下、算出回転速度Vという)が所定速度以上であるか否かを判定する。
算出回転速度Vが所定速度以上であるとき、回転軸30の回転速度が高速であるとしてステップ123でYESと判定する。この場合、回転中心線S1から回転軸30を傾くことを妨げる復元力Fbをコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間で発生させるために、コイル50a、50bに出力するべき電流を算出する(ステップ126A)。
一方、算出回転速度Vが所定速度未満であるとき、回転軸30の回転速度が低速であるとしてステップ123でNOと判定する。この場合、回転中心線S1から回転軸30を傾くことを妨げる復元力Fbをコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間で発生させるために、コイル50a、50bに出力するべき電流を算出する(ステップ124A)。
本実施形態の復元力Fbは、ファン20(すなわち、回転軸30)を回転方向に移動させる電磁力である。復元力Fbは、ファン20と回転中心線S1との間の距離をLとし、ファン20(すなわち、回転軸30)の回転数をVとし、減衰係数をCとしたとき、復元力Fbは(L×V×C)から定まる電磁力である(図23参照)。本実施形態のファン20の軸心は、回転軸30の軸方向他端部側端部の軸心である。
ここで、距離Lは、ファン20のXY座標(x0、yo)によって求められる。X座標(x0)は、上記第1実施形態で説明したように、ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分ds(=Ha−Hc)に基づいて求められる。Y座標(yo)は、ホールセンサ37bの出力信号Hbとホールセンサ37dの出力信号Hdとの差分dq(=Hb−Hd)に基づいて求められる。回転数Vは、上述の如く、ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分(Ha−Hc)に基づいて算出される。ファン20(すなわち、回転軸30)の回転方向は、ファン20の軸心のXY座標(x0、yo)によって求められる。
そこで、本実施形態では、ステップ124A、126Aにおいて、ファン20のXY座標(x0、yo)、および(L×V×C)に基づいて、コイル50a、50bに出力するべき電流を算出する。復元力Fbが大きくなるほど、コイル50a、50bに出力するべき電流は大きくなる。
このようにステップ124A、126Aで算出した電流をコイルに出力するために、ブリッジ回路71のトランジスタSW1、SW2・・・SW6を制御する。これにより、共通接続端子T1、T2、T3からコイル50a、50bに電流が出力される(ステップ125)。このため、コイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間には、回転中心線S1を中心とするファン20の回転方向にファン20を移動させる復元力Fbとしての電磁力が発生する。
このように回転方向に作用する復元力Fbは、コイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間に作用する。このため、外乱等によって回転中心線S1から回転軸30の軸線S2が傾くことが妨げられる。
ここで、回転軸30の回転数が高くなる程、回転中心線S1から回転軸30から傾くことを妨げるのに必要な復元力Fbは、小さくなる。すなわち、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、上記必要な復元力Fbは、小さくなる。
そこで、回転軸30が高速で回転しているとしてステップ123でYESと判定したときには、減衰係数Cを小さくして、コイル50a、50bに出力するべき電流を小さくする(ステップ126A)。一方、回転軸30が低速で回転しているとしてステップ123でNOと判定したときには、減衰係数Cを大きくして、コイル50a、50bに出力するべき電流を大きくする(ステップ124A)。つまり、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、減衰係数Cを小さくして、コイル50a、50bに流れる電流を小さくすることができる。
以上説明した本実施形態によれば、電子制御装置70は、ブリッジ回路71を制御して、ファン20と回転中心線S1との間の距離をLとし、減衰係数をCとしたとき、ファン20の回転方向に移動させる復元力Fb(=L×V×C)をコイル50a、50bおよび永久磁石35a、35bの間に発生させる。これにより、外乱が生じても、回転軸30の回転中心線S1から回転軸30の軸線S2が傾くことが妨げられる。
以上により、永久磁石35a、35bおよびコイル50a、50bから構成される磁気軸受けと軸受け本体32aとから回転軸30が回転自在に支持されることになる。これにより、回転軸30を支えるために1つの磁気軸受けを用いることになる。したがって、回転軸30を支えるための消費電力を低減することができる。
本実施形態では、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、ブリッジ回路71、72からコイル50a、50bに出力される電流を小さくする。このため、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、復元力Fbを小さくしている。したがって、復元力Fbを発生させるために、コイル50a、50bで消費される電力を低減することができる。
図19において、回転軸30の回転数Nを横軸とし、電動モータ10の振動系を示す伝達関数を縦軸としたグラフを示す。伝達関数では、回転軸30の傾き振動を振動源としてこの振動源から生じる遠心力を入力としている。伝達関数では、電動モータ10のうち回転軸30および電機子36以外の所定部位(例えば、ステータ31)の振動加速度を出力としている。
グラフDeは、本実施形態の電動モータ10の振動系を示す伝達関数を示す。鎖線のグラフは、減衰係数Cが小さい場合の伝達関数であり、一点鎖線は減衰係数Cが大きい場合の伝達関数である。
ここで、回転軸30が低速で回転しているときには、減衰係数C(すなわち、復元力Fb)が小さい方が、減衰係数Cが大きい場合に比べて、伝達関数が大きくなる(図19参照)。一方、回転軸30が高速で回転しているときには、減衰係数Cが小さい場合に比べて、減衰係数Cが大きい場合の方が、伝達関数が大きくなる。
そこで、本実施形態では、回転軸30が高速で回転しているとき減衰係数Cを小さくし、回転軸30が低速で回転しているとき減衰係数Cを大きくする。すなわち、回転軸30の回転数によって、減衰係数C(すなわち、復元力Fb)の大きさを切り替えて、伝達関数が大きくなることを抑制する。これにより、電動モータ10において、共振が生じ難くすることができる。
以上により、減衰家数Cを回転数Nによって切り替えるので、上記第1実施形態と同様に、回転数Nの使用範囲に亘って、電動モータ10において振動加速度を低減することができる。これにより、低振動化を図ることができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、内周面47の曲率半径r1と側面48の曲率半径r2とを同一にした例について説明したが、これに代えて、内周面47の曲率半径r1よりも側面48の曲率半径r2を小さくした本第3実施形態について図20、図21を参照して説明する。
図20は、本第3実施形態のモータ制御システム1の全体構成を示す断面図である。図21は、図20の部分拡大図である。
本実施形態と上記第1実施形態とは、軸受け32のブッシュ32bの側面48が相違するだけで、軸受け32のブッシュ32bの側面48以外の構成は、同じである。このため、本実施形態の軸受け32のブッシュ32bの側面48について説明し、その他の構成の説明を省略する。
軸受け32のブッシュ32bの側面48は、回転軸30の軸線S2を中心とする環状に形成されている。側面48は、その回転軸30の軸線S2を含む断面が、支点P3を中心とする円弧状に形成されている。支点P3は、支点P1よりも軸方向一方側(図21中下側)に位置する。このため、内周面47および支点P3の間の半径(すなわち、曲率半径)r2は、側面48および支点P1の間の半径(すなわち、曲率半径)r1よりも小さくなる。
このように構成される本実施形態では、軸受け機構49では、回転軸30の回転に伴って軸受け32の側面48が回転軸支持部材45の内周面47に対して摺動する。このことにより、軸受け機構49が、上記第1実施形態と同様に、回転軸30を軸受け32を介して支点P1を中心として揺動自在に支持することができる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、回転軸支持部材45の内周面47を球面状に形成した例について説明したが、これに代えて、本第4実施形態では、回転軸支持部材45の内周面47を図22のように構成する。
図22は、本第4実施形態のモータ制御システム1の全体構成を示す断面図である。
本実施形態と上記第1実施形態とは、回転軸支持部材45の内周面47が相違するだけで、ブッシュ32bの内周面47以外の構成は、同じである。このため、本実施形態のブッシュ32bの内周面47について説明し、その他の構成の説明を省略する。以下、説明の便宜上、本実施形態のブッシュ32bの内周面47を内周面47aとする。
本実施形態の回転軸支持部材45の内周面47aは、回転中心線S1を中心として環状に形成されて、かつ回転中心線S1に直交する断面が円形状に形成されている。さらに、内周面47aは穴部46のうち回転中心線S1に直交する断面の面積が回転中心線S1の延出方向他方側(図22中上側)から延出方向一方側(図22中下側)に向かうほど徐々に小さくなるように形成されている。回転中心線S1の延出方向は、回転中心線S1が延びる方向である。
このように構成されている本実施形態では、軸受け機構49では、回転軸30の回転に伴って軸受け32の側面48が回転軸支持部材45の内周面47に対して摺動する。このことにより、軸受け機構49が、上記第1実施形態と同様に、回転軸30を軸受け32を介して支点P1を中心として揺動自在に支持することができる。
(第5実施形態)
本第5実施形態では、上記第1実施形態のモータ制御システム1において、軸受け機構49として自動調心スラスト軸受けを構成する例について説明する。
図23は、本第4実施形態のモータ制御システム1の全体構成を示す断面図である。
本実施形態と上記第1実施形態とは、軸受け機構49が相違するだけで、軸受け機構49以外の構成は、同じである。このため、本実施形態の軸受け機構49について説明し、その他の構成の説明を省略する。
本実施形態の軸受け機構49は、図1の軸受け32に代わる軸受け32d、および回転軸支持部材45を備える。
軸受け32dおよび回転軸支持部材45は、軸受け32dを介して回転軸30を支点P1を中心とする揺動自在に支持する軸受け機構49を構成する。
回転軸30が回転中心線S1を中心として回転する際に、軸受け32dが回転軸支持部材45の内周面47に対して摺動する。このことにより、軸受け機構49が、上記第1実施形態と同様に、回転軸30を軸受け32を介して支点P1を中心として揺動自在に支持することができる。
本実施形態の軸受け機構49は、回転軸30が回転中心線S1を中心として回転する際に、回転軸30の軸線を自動的に回転中心線S1に一致させる周知の自動調心スラスト軸受けを構成する。
(他の実施形態)
(1)本発明を実施する際に、上記第1、第2の実施形態を組み合わせて実施してもよい。すなわち、上記第1実施形態におけるステップ120の支持制御処理と、上記第2実施形態におけるステップ120の支持制御処理とを並列に実施する。このため、電子制御装置70がコイル50a、50b、50cに流す電流を制御することにより、回転軸30の軸線M2を回転中心線M1に近づける支持力Faと回転軸30を回転方向に移動させる復元力Fb(=L×V×C)とを発生させる。
このとき、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、支持力Faを小さする。これに加えて、回転軸30が高速で回転しているときには、回転軸30が低速で回転しているときに比べて、減衰係数Cを小さくして、コイル50a、50b、50cに流れる電流を小さくする。つまり、支持力Faおよび減衰係数C(すなわち、復元力Fb)の両方を回転軸30の回転速度によって切り替えることになる。
(2) 上記第1〜第5の実施形態では、本発明の電動モータ10として直流電動機を用いた例について説明したが、これに代えて、同期型の三相交流モータの電動モータ10としてもよい。
(3) 上記第1〜第5の実施形態では、機械的軸受けである軸受け32として、転がり軸受を用いた例について説明したが、これに代えて、軸受け32として、すべり軸受、および流体軸受を用いてもよい。すべり軸受は、すべり面で軸を受ける軸受である。流体軸受は、液体、または気体によって支持される軸受である。
(4) 上記第1〜第5の実施形態では、コイル51a、51bに磁束を与える永久磁石と、回転軸30にコイル50a、50bに磁束を与える永久磁石として、共通の永久磁石35a、35bを用いた例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
コイル51a、51bに磁束を与える永久磁石と、回転軸30にコイル50a、50bに磁束を与える永久磁石とをそれぞれ独立して設けてもよい。
(5) 上記第1〜第5の実施形態では、ホールセンサ37a、37b、37c、37dで回転軸30の回転速度や回転角度を求める例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、ホールセンサ37a、37b、37c、37d以外に回転軸30の回転速度や回転角度を求めるセンサ(例えば、光学式エンコーダ)を設ける。
(6) 上記第1〜第5の実施形態では、ホールセンサ37a、37b、37c、37dおよび永久磁石34a、34b、34c、34dによって、回転軸30の回転中心線S1に対する傾き角度θ、回転軸30の軸線方向他方側端部(すなわち、ファン20)のXY座標、および回転軸30の回転角度を検出した例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、ホールセンサ37a、37b、37c、37dおよび永久磁石34a、34b、34c、34dによって、回転中心線M1に対する回転軸30の傾き角度θ、および回転軸30の軸線方向他方側端部のXY座標を検出する。
さらに、ホールセンサ37a、37b、37c、37dおよび永久磁石34a、34b以外の他の回転センサによって、回転軸30の回転角度を検出してもよい。この場合には、他の回転センサを回転軸3のうち軸受け32側に配置してもよい。
(7) 上記第1〜第5の実施形態では、ホールセンサ37aの出力信号Haとホールセンサ37cの出力信号Hcとの差分(Ha−Hc)に基づいて、回転軸30の回転速度を算出した例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、ホールセンサ37a、37b、37c、37dの出力信号に基づいてファン20のXY座標(X0、Y0)を求め、XY座標(X0、Y0)の時間に対する変化から回転軸30の回転速度を算出してもよい。
(8) なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
このように構成される第1〜第5の実施形態および他の実施形態において、次のように本発明を表現することができる。
(a)本発明は、電動モータの第2コイルに流れる電流を制御する制御装置であって、第2コイルに流れる電流を制御して、回転中心線に回転軸を近づける電磁力を発生させることにより、回転中心線から回転軸の軸線が傾くことを妨げる回転軸制御手段(S123〜S126)を備えることを特徴とする。
(b)本発明では、回転軸制御手段は、回転中心線に対する回転軸の傾き角度を検出する傾き角度検出センサ(37a、37b、37c、37d)の検出値に基づいて、傾き角度が大きくなるほど、第2コイルに流す電流を大きくして電磁力を大きくすることを特徴とする。
(c)本発明では、回転軸制御手段は、回転軸の回転を検出する回転センサ(37a、37b、37c、37d)の検出値に応じて、回転軸の回転数が所定速度以上であるか否かを判定する判定手段(S123)と、
回転軸の回転数が所定速度以上であると判定手段が判定したときには、回転軸の回転数が所定速度未満であると判定手段が判定したときに比べて、電磁力が小さくなるように、第2コイルに流す電流を制御する第1電流制御手段(S124、S125、S126)と、を備えることを特徴とする。
(d)本発明では、電動モータの第2コイルに流れる電流を制御する制御装置であって、第2コイルに流す電流を制御して、回転軸が回転中心線から傾くことを妨げるために、回転軸をその回転方向に移動させる電磁力を発生させる回転軸制御手段(S123、S124A、S126A、S)を備え、
回転軸の回転中心線と回転軸の軸線方向他方側との間の距離と回転軸の回転数とをそれぞれ検出するための回転センサ(37a、37b、37c、37d)により検出される距離をLとし、回転センサにより検出される回転軸の回転数をVとし、係数をCとしたとき、電磁力は、L×V×Cによって定まる力であることを特徴とする。
(e)本発明では、回転軸制御手段は、回転センサの検出値に基づいて、回転軸の回転数が所定速度以上であるか否かを判定する判定手段(S123)と、
回転軸の回転数が所定速度以上であると判定手段が判定したときには、回転軸の回転数が所定速度未満であると判定手段が判定したときに比べて、Cを小さくして、第1コイルに流す電流を小さくする第2電流制御手段(S124A、S125、S126A)と、を備えることを特徴とする。
(f)本発明では、モータ制御システムにおいて、電動モータ、および制御装置を備えることを特徴とする。
次に、上記第1〜第5の実施形態の構成要素と特許請求の範囲との間の対応関係について説明する。
まず、ステップ120が回転軸制御手段に対応し、ステップ124、125、126が第1電流制御手段に対応し、ステップ123が判定手段に対応し、ステップ124A、125、126Aが第2電流制御手段を構成している。
1 モータ制御システム
10 電動モータ
30 回転軸
32 軸受け(機械的軸受け)
31 ステータケース(ステータ)
35a、35b 永久磁石(磁石)
36 ロータ
37a、37b、37c、37d ホールセンサ(回転センサ、角度検出センサ)
43、44 整流子(第1、第2の整流子)
41a〜41a バネ(第1弾性部材)
42a〜42a バネ(第2弾性部材)
51a、51b、51c コイル(第1コイル:回転駆動用コイル)
50a、50b、50c コイル(第2コイル:傾き制御用コイル)
52 ステータコア
70 電子制御装置(制御装置)
73 制御回路

Claims (10)

  1. 回転軸(30)の回転中心線(S1)を中心とする円周方向に並べられている複数の磁極を形成し、かつ前記回転軸を機械的軸受け(32)を介して回転自在に支持するステータ(31)と、
    前記回転軸に支持されている複数の第1コイル(51a、51b)および複数の第2コイル(50a、50b)と、
    前記回転軸に支持されて前記円周方向に並べられている複数の第1セグメント(43a〜43d)を備え、前記複数の第1セグメントには前記複数の第1コイルのうち対応する第1コイルの端部側が接続されている第1整流子(43)と、
    前記第1整流子の回転に伴って前記複数の第1セグメントに摺動して前記複数の第1セグメントのうち接触する第1セグメントを順次替え、前記複数の第1コイルに対して前記接触する第1セグメントを通して電流を出力する複数の第1ブラシ(38a〜38d)と、
    前記回転軸に支持されて前記円周方向に並べられている複数の第2セグメント(44a〜44d)を備え、前記複数の第2セグメントには前記複数の第2コイルのうち対応する第2コイルの端部側が接続されている第2整流子(44)と、
    前記第2整流子の回転に伴って前記複数の第2セグメントに摺動して前記複数の第2セグメントのうち接触する第2セグメントを順次替えて、前記複数の第2コイルに対して前記接触する第2セグメントを通して電流を出力する複数の第2ブラシ(39a〜39d)と、を備え、
    前記複数の第1コイルには、前記複数の第1ブラシから前記接触するセグメントを通して出力される電流と前記複数の磁極からの磁束とに基づいて前記回転中心線を中心として前記回転軸を回転させる回転力が電磁力として発生し、
    前記複数の第2コイルは、前記複数の第2ブラシから前記接触する第2セグメントを通して出力される電流に基づいて前記複数の磁極との間に電磁力を発生させることにより前記回転軸のうち前記機械的軸受けからずれた部位を回転自在に支持する磁気軸受けを構成することを特徴とする電動モータ。
  2. 前記ステータには、前記回転軸の軸線のうち前記機械的軸受けからずれた部位を支点として前記回転軸を前記機械的軸受けを介して揺動自在に支持する回転軸支持部材(45)が設けられており、
    前記第1、第2の整流子は、前記機械的軸受けに対して前記支点側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記複数の第1ブラシを前記複数の第1セグメント側に弾性力によって押す第1弾性部材(41a〜42a)と、
    前記複数の第2ブラシを前記複数の第2セグメント側に弾性力によって押す第2弾性部材(42a〜42a)と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
  4. 前記回転軸支持部材は、前記回転中心線の延出方向一方側に凹んで、かつ前記回転中心線の延出方向他方側に開口する穴部(46)を形成する内周面(47)を備え、
    前記内周面は、前記回転中心線を中心として環状に形成されて、かつ前記回転中心線を含む断面が前記支点を中心とする円弧状に形成されており、
    前記機械的軸受けには、前記回転軸の軸線を中心として環状に形成されて、前記支点を中心とする円弧状に形成されている側面(48)が形成されており、
    前記回転軸の揺動に伴って前記機械的軸受けの前記側面が前記回転軸支持部材の前記内周面に対して摺動することにより、前記回転軸支持部材が前記回転軸を前記機械的軸受けを介して揺動自在に支持することを特徴とする請求項2または3に記載の電動モータ。
  5. 前記回転軸支持部材は、前記回転中心線の延出方向一方側に凹んで、かつ前記回転中心線の延出方向他方側に開口する穴部(46)を形成する内周面(47)を備え、
    前記内周面は、前記回転中心線を中心として環状に形成されて、かつ前記回転中心線を含む断面が前記支点を中心とする円弧状に形成されており、
    前記機械的軸受けには、前記回転軸の軸線を中心として環状に形成されて、前記軸線のうち所定位置(P2)を中心とする円弧状に形成されている側面(48)が形成されており、
    前記所定位置(P2)を中心とする前記側面(48)の曲率半径(R2)は、前記支点(P1)を中心とする前記内周面の曲率半径(R1)未満であり、
    前記回転軸の揺動に伴って前記機械的軸受けの前記側面が前記回転軸支持部材の前記内周面に対して摺動することにより、前記回転軸支持部材が前記回転軸を前記機械的軸受けを介して揺動自在に支持することを特徴とする請求項2または3に記載の電動モータ。
  6. 前記回転軸支持部材は、前記回転中心線の延出方向一方側に凹んで、かつ前記回転中心線の延出方向他方側に開口する穴部(46)を形成する内周面(47)を備え、
    前記内周面は、前記回転中心線を中心として環状に形成されて、かつ前記穴部のうち前記回転中心線に直交する断面の面積が前記延出方向他方側から前記延出方向一方側に向かうほど徐々に小さくなるように形成されており、
    前記機械的軸受けには、前記回転軸の軸線を中心として環状に形成されて、前記支点を中心とする円弧状に形成されている側面(48)が形成されており、
    前記回転軸の揺動に伴って前記機械的軸受けの前記側面が前記回転軸支持部材の前記内周面に対して摺動することにより、前記回転軸支持部材が前記回転軸を前記機械的軸受けを介して揺動自在に支持することを特徴とする請求項2または3に記載の電動モータ。
  7. 前記第1、第2の整流子のうち一方の整流子は、前記支点に対して軸方向一方側に配置され、他方の整流子が前記支点に対して軸方向他方側に配置されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の電動モータ。
  8. 前記支点は、前記回転軸の軸線のうち前記第1、第2の整流子の回転中心の間の中間点であることを特徴とする請求項7に記載の電動モータ。
  9. 前記第1、第2の整流子は、前記第1、第2のコイルと前記機械的軸受けとの間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の電動モータ。
  10. 前記回転軸支持部材および前記機械的軸受けは、前記回転軸が回転する際に前記回転軸の軸線を自動的に前記回転中心線に近づける自動調心スラスト軸受けを構成することを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107387558A (zh) * 2017-07-27 2017-11-24 江苏大学 一种车载飞轮电池用交直流三自由度轴向单片混合磁轴承
JP2021014817A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷凍サイクル装置

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