JP2016087708A - テーパコレット用インナースリーブ及び切削工具ホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】 切削工具を回転切削機械に締結するためのテーパコレットに使用され、被削ワークの加工精度を高め得るインナースリーブ及びこれを含む切削工具ホルダの提供。
【解決手段】 切削工具のシャンク部を把持するテーパコレットに挿入されるテーパコレット用インナースリーブである。かかるインナースリーブはスリットを設けた円筒状の制振合金からなる。また、切削工具ホルダは、コレットチャック本体と、テーパコレットと、上記のテーパコレット用インナースリーブと、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 切削工具のシャンク部を把持するテーパコレットに挿入されるテーパコレット用インナースリーブである。かかるインナースリーブはスリットを設けた円筒状の制振合金からなる。また、切削工具ホルダは、コレットチャック本体と、テーパコレットと、上記のテーパコレット用インナースリーブと、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、切削工具を回転切削機械に締結するためのテーパコレットに使用されるインナースリーブ及びこれを含む切削工具ホルダに関する。
切削加工において、切削工具と被削ワークとの接触による、いわゆる「ビビリ」と呼ばれる継続振動(以下、「ビビリ振動」と称する。)が生じると、被削ワークの加工精度が低下し、切削不良を生じる原因となる。そこで切削工具を固定するためのチャックやこれに締結されるホルダの剛性を高めて振動の発生を防止する一方で、制振機能を有する部材を与えて振動を抑制しようとする提案がなされている。
例えば、特許文献1では、内径加工に用いられるボーリングバーを旋盤の刃物台等に装着するためのボーリングバー用ホルダ(保持具)について、制振合金からなる部材をボーリングバーとの間に挿入することを開示している。ボーリングバーは、そのシャンク部をホルダの内孔に差し込んでクランプねじによって該内孔の片側に押し付けて固定されるが、かかる押し付け面にアルミニウムや銅、亜鉛、真鍮、あるいは制振鋼板等からなる敷板部材を介在させるのである。切削加工時にスローアウェイチップの切刃に発生した振動はボーリングバーのシャンク部からホルダに伝播する前に制振性を有する敷板部材によって減衰し、振動が直接的にホルダに伝わることを防止し、ボーリングバーがホルダごと振動することを防止するとしている。
ところで、回転切削機械のチャックに締結される切削工具ホルダにエンドミルのような切削工具を取り付ける場合にあっては、中心から放射状に切込みを入れた略円筒状のコレットを用いることがある。特に、比較的小径の切削工具を取り付ける場合には、チャックでの締め付け寸法を大きく取り得るよう、切削工具側へ向けて径の大きくなるテーパを与えたテーパコレットを用いることがある。このようなテーパコレットを用いる場合にあってもビビリ振動を防止することが求められる。
例えば、特許文献2では、テーパコレットを用いた切削工具ホルダにおいて、高速回転の遠心力によって切削工具ホルダが膨張し、テーパコレットの締め付けナットの締め付け力が低下してビビリ振動が発生しやすくなることを述べている。その上で、ホルダ、テーパコレット及び切削工具の剛性を高めるべく、テーパコレットの締め付けナットの内部には、該テーパコレットを締め付ける方向に付勢する皿バネなどの付勢手段を設けることを開示している。
また、特許文献3でも、テーパコレットを用いた切削工具ホルダにおける高速回転時のビビリ振動の防止方法について述べている。ここでは、テーパコレットを切削工具側から締め付けナットで締め付けるのではなく、ドローバに接続したプルボルトを切削工具側に延長し、これにテーパコレットの先端部を螺合させることを開示している。ドローバの引っ張り力によって切削工具ホルダのコレットチャック本体の内周のテーパ部にテーパコレットを強固に引き込み、ビビリ振動を防止出来るとしている。
テーパコレットを用いた切削工具ホルダにおいてもその剛性を高めてビビリ振動の発生を防止する一方で、制振機能を有する部材を与えて振動を吸収することが考慮される。ここで制振機能を与え得る制振合金は、一般的に振動を内部摩擦の熱に変換してこれを吸収するため、工具鋼などと比べて剛性はそれほど高くはない。そこで、被削ワークの加工精度を高め得るよう、制振合金を用いた制振機能を有する部材の形状や配置を最適化することが求められる。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、切削工具を回転切削機械に締結するためのテーパコレットに使用され、被削ワークの加工精度を高め得るインナースリーブ及びこれを含む切削工具ホルダを提供することにある。
本発明による切削工具のシャンク部を把持するテーパコレットに挿入されるテーパコレット用インナースリーブは、スリットが設けられた円筒状の制振合金からなることを特徴とする。
かかる発明によれば、テーパーコレットの締結部に嵌合する制振合金からなる円筒状のインナースリーブによって、切削工具に発生する振動を抑制し得て、結果としてビビリ振動を防止でき、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
上記した発明において、前記スリットとして、円筒の長手方向の一方の第1端部から他方の第2端部にかけて貫通しないよう与えられた第1スリットと、前記第2端部から前記第1端部にかけて貫通しないよう与えられた第2スリットと、を交互に設けたことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、テーパーコレットによる切削工具の確実な締結を維持しつつ切削工具に発生する振動を抑制し得て、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
上記した発明において、前記第1スリット及び前記第2スリットの長さは、ともに長手方向の長さの1/2よりも大であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、テーパーコレットによる切削工具の確実な締結を維持しつつ切削工具に発生する振動を効果的に抑制し得て、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
上記した発明において、前記スリットとして、円筒の長手方向の一方の第1端部から他方の第2端部にかけて貫通する第3スリットを設けたことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、テーパーコレットによる切削工具の確実な締結を維持しつつ切削工具に発生する振動を抑制し得て、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
上記した発明において、さらに、前記テーパコレットに係合する係止部を円筒の長手方向の端部に有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、テーパコレットに対するインナースリーブの位置決めを確実に行い得て、テーパーコレットによる切削工具の確実な締結を維持しつつ切削工具を確実に把持でき、切削工具に発生する振動を抑制し得て、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
上記した発明において、前記円筒の長手方向の中心位置における肉厚と、前記テーパコレットのテーパ部長手方向の中心位置における肉厚の比率が、5:95〜99:1であることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、切削工具に発生する振動を効果的に抑制し得て、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
さらに、本発明による切削工具ホルダは、コレットチャック本体と、前記テーパコレットと、上記したテーパコレット用インナースリーブと、を備えたことを特徴とする。
かかる発明によれば、切削工具ホルダの剛性を高めつつ切削工具に発生する振動を抑制し得て、結果としてビビリ振動を防止でき、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善し得る。
本発明による1つの実施例としての切削工具ホルダについて、図1乃至図4を用いて説明する。
図1に示すように、切削工具ホルダ1は、コレットチャック本体10と、コレットチャック本体10のチャック筒13内に挿入されるテーパコレット20と、テーパコレット20をチャック筒13内に押し付けるように固定するナット30とを含む。テーパコレット20の内周には、略円筒形状のインナースリーブ40が挿入され、切削工具3のシャンク部5を把持することができる。
コレットチャック本体10は、工作機械の図示しないスピンドルに装着される一端側のシャンク部11と、他端側のチャック筒13とその間のフランジ部12とを有する。チャック筒13はその内周に他端側に向けて径を大とするテーパ14を有し、外周にナット30を螺合させるねじ15を有している。ナット30は他端側の端面に内周側に突出する押圧部31を備え、ねじ15に締め付けることで押圧部31によってテーパコレット20をコレットチャック本体10の一端側に向けて押圧する。これにより、テーパコレット20は、その外周側のテーパ部21(図2参照)をチャック筒13の内周側のテーパ14に押し付けられて径を縮小させる圧縮力を受ける。
図2を併せて参照すると、テーパコレット20は、軸方向の中央部分にテーパ部21を有する略円筒体からなる。テーパ部21の径のより大である側には、ナット30の押圧部31によって押圧される肩部22を有する。肩部22の端面からは、さらに軸方向に延びる突き出し部23を備え、その端部には肩部22よりも径の小さいフランジ24を備える。テーパ部21の径のより小である側の端面には、軸方向に延びる平行部25を有する。テーパコレット20は、平行部25のテーパ部21側の端部近傍からフランジ部24の端面まで貫通する6本のスリット26を周方向に等間隔で有する。スリット26はいわゆるすり割りであり、テーパ部21をコレットチャック本体10のテーパ14に押し付けられたときにテーパコレット20の径を縮小させ得る。
テーパコレット20の内周側には、フランジ部24側の端面からテーパ部21の平行部25側端部近傍まで連続する円柱表面に沿った形状の内周面27を有し、これに段部29を介して接続された大径部28が平行部25の端部まで延びている。なお、テーパコレット20に使用する材料としては特に限定されないが、例えば、高炭素クロム軸受鋼、機械構造用炭素鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼等を使用することができる。
さらに、図3を併せて参照すると、テーパコレット20の内周に挿入されるインナースリーブ40は、略円筒形状体からなる本体部41の軸方向の一方の端部にテーパコレット20の内周の段部29(図2参照)に係合する鍔部42を有する。鍔部42によって、テーパコレット20に挿入させたインナースリーブ40は所定の位置で係止され、切削工具3を把持させる際のテーパコレット20に対する位置決めを容易且つ確実にし、把持した切削工具3に発生する振動を抑制し得るよう切削工具3を安定して確実に把持し得る。
本体部41はテーパコレット20の内周面27に当接させる外周面41aと、切削工具3のシャンク部5を把持する把持部としての内周面41bとを有する。さらに、本体部41には、鍔部42側の端部から他端部に向けて軸方向に延びる第1のスリット43を有する。すなわち、第1のスリット43は鍔部42を有する端部から他端部にかけて貫通しないよう与えられている。また、本体部41には他端部から鍔部42に向けて軸方向に延びる第2のスリット44を有する。すなわち、第2のスリット44は他端部から鍔部42を有する端部にかけて貫通しないよう与えられている。第1のスリット43及び第2のスリット44は、それぞれインナースリーブ40の軸方向の長さの1/2より長く形成され、円周方向に等間隔に交互に配置される。本実施例では、第1のスリット43及び第2のスリット44はそれぞれ2つずつ、計4本のスリットとして与えられている。これにより、インナースリーブ40は、外周面41aをテーパコレット20の内周面27により押圧されたときに径を軸方向に一様に容易に縮小させ得るとともに、把持した切削工具3に発生する振動を抑制し得る。
ここで、インナースリーブ40の軸方向中心位置の肉厚とテーパコレット20のテーパ部21の軸方向中心位置の肉厚との比率は、切削工具3に発生する振動を抑制させるための切削工具3を把持した状態での剛性と振動の吸収とを考慮して、5:95〜99:1の範囲内であり、好ましくは15:85〜40:60の範囲内である。また、切削工具3を確実に把持させる観点において、インナースリーブ40は、テーパコレット20の内周面27のほぼ全長に当接するだけの軸方向の長さを有することが好ましい。
以上のようなテーパコレット20及びインナースリーブ40を備える切削工具ホルダ1によれば、切削工具3に発生する振動を抑制し得て、結果として切削工具3のビビリ振動を防止でき、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善することができる。なお、本実施例による切削工具ホルダ1では、テーパコレット20の内径を25mm以下とし、シャンク部5の径を3〜24.5mmとする比較的小さな切削工具3の把持において特に有効である。また、振動を抑制することで切削工具3の摩耗量を低減し得る。
さらに、図4に示すように、インナースリーブ40の代わりにスリットを1本とするインナースリーブ50を用いることもできる。インナースリーブ50は、略円筒形状体の軸方向の一方の端部にテーパコレット20の内周の段部29に係合する鍔部52を有する。鍔部52によって、テーパコレット20に挿入させたインナースリーブ50は所定の位置で係止され、切削工具3を把持させる際のテーパコレット20に対する位置決めを容易とし、切削工具3を安定して確実に把持し得る。
また、略円筒形状体の本体部51はテーパコレット20の内周面27に当接させる外周面51aと、切削工具3のシャンク部5を把持する把持部としての内周面51bとを有する。さらに、本体部51には、鍔部52側の端部から他端部まで連続する1本のスリット53を有する。すなわち、スリット53は鍔部52を有する端部から他端部にかけて貫通しており、インナースリーブ50の形状は正面視で略C字型である。これにより、インナースリーブ50は、簡易に製作できる形状でありながら、外周面51aをテーパコレット20の内周面27により押圧されたときに径を軸方向に一様に容易に縮小させ確実に切削工具3を把持するとともに、把持した切削工具3に発生する振動を抑制し得る。
なお、インナースリーブ50を用いた切削工具ホルダ1も、上記したインナースリーブ40を用いた切削工具ホルダ1と同様に、切削工具3に発生する振動を抑制し得て、結果として切削工具3のビビリ振動を防止でき、被削ワークの加工精度を高め、特に加工面の表面粗さを改善することができるのである。
インナースリーブ40に使用する制振合金は、その振動により自らを変形させて、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して振動を吸収するものであり、例えば、Fe−Cr系、Fe−Al系、及び、Mn−Cu−Ni−Fe系の制振合金を用いることができる。これらの中でも、剛性が低く変形しやすい、しかも広い周波数範囲の振動について高い減衰能を有する双晶型のMn−Cu−Ni−Fe系の制振合金を好ましく用いることができる。
上記したMn−Cu−Ni−Fe系の制振合金としては、特に限定されないが、質量%で、Cu:16.9〜27.7%、Ni:2.1〜8.2%、Fe:1.0〜2.9%を含むとともに、C:0.05%以下とし、残部をMn及び不可避的不純物とした成分組成を有することが好ましい。ここで、かかる制振合金の各成分の組成範囲(いずれも質量%)について簡単に説明する。Cuについては、16.9%以上であれば双晶変形が生じやすいため好ましく、27.7%以下であれば偏析が大きくならずに十分な制振特性を得やすいため好ましい。Cuのより好ましい組成範囲は、19.7〜25.0%である。Niについては、主要元素であるMn及びCuとともに第3元素として添加して制振特性を向上せしめ得る。かかる効果を効率よく得るためには、Niの組成範囲は2.1%以上8.2%以下とすることが好ましい。Feについては、Mn、Cu及びNiとともに、第4元素として添加することで制振特性をより向上せしめ得る。Feの組成範囲は、1.0%以上でかかる効果を得られやすいため好ましく、2.9%以下であればこの効果を飽和させず好ましい。Cについては、組成範囲が0.05%以下であれば、Mnの蒸発などによってCの相対的濃度が上昇したときであっても、制振特性の劣化を防止できる。
また、制振合金としては、動的粘弾性測定(DMA;Dynamic Mechanical Analysis)で測定したときのヤング率が60〜90GPaであるものを好適に用いることができ、その一例として、上記した双晶型のMn−Cu−Ni−Fe系の制振合金が挙げられる。
次に、図5乃至図7を用いて、上記したスリット数4本のインナースリーブ40を用いた切削工具ホルダ1による切削試験の結果について説明する。
図5に示すように、コバルト高速度鋼からなる刃径6mmの新品のエンドミル(三菱マテリアル株式会社製;2MSD0600)を切削工具3として切削工具ホルダ1を用いて図示しないフライス盤に取付ける。そして、略直方体の熱間ダイス鋼(JIS SKD61)からなるワーク9に乾切削による肩削り加工を行って、切削中のワーク9の振動を加速度ピックアップ8によって加速度として測定し、切削面91の加工精度として表面粗さを評価して、さらに切削工具3の摩耗量を測定した。
ここで、切削工具3はテーパコレット20の先端から25mmだけ突出するように取付けられ、把持される部分の長さをインナースリーブ40における本体部41の軸方向の長さである25mmとした。切削条件としては、回転数を7000rpm、1パスにおける切込み深さを3.0mm、切削幅を0.3mm、切削送り速度を700mm/min、切削送り方向の1パスの距離を160mmとして、100パスの切削加工を行った。
なお、切削試験に用いたテーパコレット20の全長は45.0mm、内周面27の内径は8mm、テーパ部21の長さは32.0mm、テーパ部21の軸方向中心位置の肉厚は約7.2mmである。また、インナースリーブ40としては、質量%で、Cu:22.4%、Ni:5.2%、Fe:2.0%、C:0.01%を含むMn基のMn−Cu−Ni−Fe系制振合金を用いた。インナースリーブ40は全長37mm、本体部41の外径8.0mm、内径6.0mmであり、軸方向中心位置の肉厚は1mmである。すなわち、インナースリーブ40の軸方向中心位置の肉厚と、テーパコレット20のテーパ部21の軸方向中心位置の肉厚との比率は、およそ12:88である。
ところで、切削試験では、上記したインナースリーブ40を用いた実施例の他に、インナースリーブを用いずに、テーパコレットに直接切削工具3を把持させた比較例についても同様の試験を行った。つまり、比較例においては、内周面の内径を6mmとするテーパコレットを用いた。
振動の測定については、加速度ピックアップ8を切削送り方向側の端面に取り付けてワーク9の振動を振動加速度の波形として検出し記録した。比較例ではパス数の増加に伴い振動加速度の波形のピークが大きくなる傾向が現れ、実施例では1パス目から40パス目近傍にかけて波形のピークが徐々に低下し、その後一定になる傾向が現れた。そこで、40パス目〜50パス目の波形のうち一部について高速フーリエ変換による解析を行い、実施例及び比較例の周波数毎の振動加速度の強度及び振動加速度のパワーを得て、それぞれ図6(a)及び(b)に示した。
図6(a)及び(b)に示すように、10000Hz程度以上の高周波域において、振動加速度で表される強度及びパワーともに比較例に比べて実施例の方が小さくなった。すなわち、テーパコレット20とともにインナースリーブ40を用いることで切削工具ホルダ1は切削工具3の振動を抑制している。
また、加工精度については、100パスの切削加工後、すなわち累計の切削送り距離16mにおいて、ワーク9のエンドミルの突出方向に平行な面である切削面91(側面)の表面粗さを測定することで評価した。表面粗さの測定は、市販の表面粗さ測定器を用い、算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)を測定した。測定結果については、図7において(a)比較例及び(b)実施例の結果を粗さ曲線とともに示した。
図7(a)に示すように、比較例としての表面粗さはRa:0.4951μmであり、Rz:2.3792μmであった。これに対し、図7(b)に示すように、実施例としての表面粗さはRa:0.1664μmであり、Rz:0.9065μmとなり、比較例に比べて改善されていることが判る。すなわち、テーパコレット20とともにインナースリーブ40を用いることで加工精度を向上させ得る。
以上のように、インナースリーブ40を用いた切削工具ホルダ1によれば、切削加工において切削工具3の振動を抑制して、結果として切削工具3のビビリ振動を防止し、被削材の表面粗さを改善させて、加工精度を向上させ得る。
また、実施例及び比較例について、上記した100パスの切削加工の前後における切削工具3の逃げ面の摩耗量(欠け)の測定を顕微鏡観察によって行った。具体的には、底刃の逃げ面の顕微鏡写真から切削加工前後での摩耗量(摩耗面積)を算出した。その結果、比較例における摩耗量は3309μm2であった。一方、実施例における摩耗量は2534μm2であった。つまり、インナースリーブ40を用いた切削工具ホルダ1によれば、切削工具3の振動を抑制しその摩耗量を低減し得るのである。
ここまで本発明による代表的実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるだろう。
1 切削工具ホルダ
3 切削工具
10 コレットチャック本体
20 テーパコレット
30 ナット
40、50 インナースリーブ
3 切削工具
10 コレットチャック本体
20 テーパコレット
30 ナット
40、50 インナースリーブ
Claims (7)
- スリットが設けられた円筒状の制振合金からなることを特徴とする切削工具のシャンク部を把持するテーパコレットに挿入されるテーパコレット用インナースリーブ。
- 前記スリットとして、
円筒の長手方向の一方の第1端部から他方の第2端部にかけて貫通しないよう与えられた第1スリットと、前記第2端部から前記第1端部にかけて貫通しないよう与えられた第2スリットと、を交互に設けたことを特徴とする請求項1記載のテーパコレット用インナースリーブ。 - 前記第1スリット及び前記第2スリットの長さは、ともに長手方向の長さの1/2よりも大であることを特徴とする請求項2記載のテーパコレット用インナースリーブ。
- 前記スリットとして、円筒の長手方向の一方の第1端部から他方の第2端部にかけて貫通する第3スリットを設けたことを特徴とする請求項1記載のテーパコレット用インナースリーブ。
- さらに、前記テーパコレットに係合する係止部を円筒の長手方向の端部に有することを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載のテーパコレット用インナースリーブ。
- 前記円筒の長手方向の中心位置における肉厚と、前記テーパコレットのテーパ部長手方向の中心位置における肉厚の比率が、5:95〜99:1であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のテーパコレット用インナースリーブ。
- コレットチャック本体と、前記テーパコレットと、請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載のテーパコレット用インナースリーブと、を備えたことを特徴とする切削工具ホルダ。
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