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JP2016081015A - 封印シール - Google Patents

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JP2016081015A
JP2016081015A JP2014215488A JP2014215488A JP2016081015A JP 2016081015 A JP2016081015 A JP 2016081015A JP 2014215488 A JP2014215488 A JP 2014215488A JP 2014215488 A JP2014215488 A JP 2014215488A JP 2016081015 A JP2016081015 A JP 2016081015A
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梢 梅田
Kozue Umeda
梢 梅田
達郎 小沢
Tatsuro Ozawa
達郎 小沢
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】共振タグの基材の同一面上に、共振回路に加えてセキュリティ機能層を設けた封印シールを用いて、二重に機械検知することにより、精度の高い開封の検知を行う。【解決手段】電気的な検知を行うための、コイルとコンデンサとからなる共振回路を有する封印シールであって、前記コイルと前記コンデンサの下部電極とが基材の一方の面上に形成され、前記コンデンサは、前記下部電極、前記下部電極を覆う誘電層、および該誘電層上の上部電極により構成され、前記基材の一方の面上であって、前記コイルの内側に光学的な検知を行うためのセキュリティ機能層が形成され、前記コイルの外側に前記コンデンサが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、封印シールに関し、より詳細には、不正に剥がした際にそれを機械検知可能な封印シールに関する。
貴金属などの貴重品、機密情報が含まれる書類、記録媒体等を収納する包袋、箱体、筐体等の開口部に、不正に開封がなされたか否かを検知するための封印シールを貼付することが行われている。このような封印シールとして、目視で開封の有無を確認できる紙、フイルム等からなるシールが知られている。
例えば、溶剤を使った開封手口に対しては、シールが発色したり、シールに印刷されたパターンが破壊されることにより、開封されたことを検知することができる。また、ドライヤーを使った開封手口に対しては、シールに印刷されたパターンが破壊されたり、シールに設けられた切り込みが破断することにより、開封されたことを検知することができる。さらに、開口部の境目で封印シールを切断する手口に対しては、目視(凝視)により開封されたことを確認することができる。
しかし、上述した封印シールの変化を、目視では確認しづらい場合があり、開封の検知の効率化を図るため、近年、封印シールの機械検知の要望が増えてきている。このような機械検知の方法として、例えば、封印シールに共振回路を内蔵した共振タグを用いることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
開口部の境目で封印シールを切断する手口に対しては、共振回路の配線の一部の断線を、共振回路の共振周波数の電波を用いて機械的に検知することができる。このような共振タグは、基材の一方の面にコイルを形成し、基材を挟んで両方の面に電極を形成してコンデンサとし、共振回路を構成している。従って、基材の表裏の両面に金属配線のための加工が必要なため、生産性が低いという問題点があった。
また、従来の共振タグは、万引き防止を主な用途として用いられている。共振タグが添付された商品が、店舗から不正に持ち出されることを検知するため、店舗の出入り口に設置された検知装置により、共振周波数の電波による共振回路の動作を検知している。従って、正当に商品が購入された場合には、当該商品の共振タグの回路の一部を、店舗で切断するなどして、検知装置により検知されないようにしていた。
特開昭64−23395号公報 特開2005−326623号公報 特開2005−128189号公報
しかしながら、共振タグを、不正に開封がなされたか否かを検知するために使用する場合、共振回路の配線が断線しない程度に、溶剤、ドライヤーを用いて開口部から剥離することができれば、不正を検知することができない。すなわち、共振タグを剥離した後に、再び、同じ共振タグを添付したり、異なる共振タグを貼付することが容易なので、不正な張り替えを検知することができないという問題がある。
本発明の目的は、共振タグの基材の同一面上に、共振回路に加えてセキュリティ機能層を設けた封印シールを用いて、二重に機械検知することにより、精度の高い開封の検知を行うことができる封印シールを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、電気的な検知を行うための、コイルとコンデンサとからなる共振回路を有する封印シールであって、前記コイルと前記コンデンサの下部電極とが基材の一方の面上に形成され、前記コンデンサは、前記下部電極、前記下部電極を覆う誘電層、および該誘電層上の上部電極により構成され、前記基材の一方の面上であって、前記コイルの内側に光学的な検知を行うためのセキュリティ機能層が形成され、前記コイルの外側に前記コンデンサが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、共振回路に加えてセキュリティ機能層を設けた封印シールを用いて、二重に機械検知することにより、精度の高い開封の検知を行うことができる。
本発明の第1の実施形態にかかる封印シールを示す図である。 第1の実施形態にかかる封印シールの断面を示す図である。 第1の実施形態にかかる封印シールの読取位置を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる封印シールを示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかる封印シールを示す図である。 本発明の実施例にかかる封印シールの比較結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1に、本発明の第1の実施形態にかかる封印シールを示す。図1は、封印シールの上面から見て、基材2を透視した図である。図2は、図1の一点鎖線A−B間の断面を示した図である。封印シール1は、基材2の一方の面に印字8がなされ、その上にコイル3および下部コンデンサ電極4となる導電膜が形成されている。コイル3の外側の接続部分3aにおいて、コイル3と下部コンデンサ電極4とを接続する。印字8は、少なくともコイル3および/または下部コンデンサ電極4の一部と重なるように印字されている。下部コンデンサ電極4を覆うように誘電層5が形成され、その上に上部コンデンサ電極6を形成して、基材2の一方の面上にコンデンサを構成する。コイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6とを接続するジャンパー線7を設けることにより、電気的な検知を行うための共振回路17を構成する。
基材2の一方の面上のコイル3の内側には、光学的な検知を行うためのセキュリティ機能層16を設けている。封印シール1は、これら共振回路17とセキュリティ機能層16を覆うように、全面に接着層9を設け、最外層として剥離層10を設けている。このような構成により、従来のように基材の両面を加工する必要がなく、片面に構成要素を順次積層していくだけなので、生産性を向上することができる。
(基材)
基材2としては、特に限定するものではないが、共振回路17、セキュリティ機能層16等を支持できる機能を有していればよい。印字8を設ける場合には、基材2の他方の面からの視認が可能なように、透明な基材を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のアクリル系基材、ポリエチレン等のポリオレフィン系基材、ポリエステル系基材、ポリカーボネート系基材など、樹脂系基材を用いることができる。基材の厚さは、20〜200μmとすることができる。
(印字)
印字8の少なくとも一部は、基材2の一方の面上において、少なくともコイル3および/または下部コンデンサ電極4の一部と重なるように設けることができる。封印シール1を剥離した際に、破壊された共振回路17の一部を、導電性インキを用いて接続することにより、共振回路17を動作させることができる。印字8を共振回路17と重ねることにより、共振回路17を電気的に動作させることができても、印字8を復元することは困難であるため、目視により不正な開封、封印シールの改ざんを検知することができる。
印字8は、従来の印刷法によって形成することができ、具体的には、文字、数字、記号、地紋などがあげられる。特に連続的、周期的に形成することが好ましい。また、印字8は基材2の全面にわたって形成してもよいし、共振回路17に沿って形成してもよい。印字8の厚さは1〜10μmであり、好ましくは2〜3μmである。あまり厚くなると、その上に設ける共振回路に悪影響を与える可能性がある。
(共振回路)
共振回路17を構成するコイル3と下部コンデンサ電極4とは、導電性を有していればよく、特に限定するものではない。例えば、金属薄膜をエッチング等によりパターニングする方法、導電性インクを用いてスクリーン印刷等の印刷法により形成する方法を用いることができる。封印シール1を剥離した時に、共振回路17が容易に破壊されるようにすること、下部コンデンサ電極4を基にコンデンサを構成することを考慮すると、導電性インクを用いることが好ましい。また、生産性の観点からも、印刷により形成することができる点で、導電性インクを用いることが好ましい。
導電性インクとしては、銀などの金属を溶剤に分散させたインク、その他の導電性材料を含むインクを用いることができる。導電性インクを用いた場合、厚さは10〜30μmである。共振回路のパターンは特に限定するものではないが、所望の共振周波数に合わせた1巻以上のコイルパターンと、基材2の同一面上のコンデンサとにより構成することができ。
溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、導電性インクは、必要に応じてバインダー樹脂を含んでいてもよい。
検知器には、共振回路の共振周波数と、この共振周波数とは異なる周波数を合わせて用いる方式と、共振回路の共振周波数のみを用いる方式とがある。前者の方式は、コンデンサの配置によらず検知が可能である。後者の方式は、コイルの内側にコンデンサが配置されていると、コイルが切断されていても誤ってコンデンサを検知してしまい、コイルが切断されたことを検知できないことがある。従って、後者の方式が用いられることも考慮すると、図1に示したように、コンデンサを、コイル3の外側に配置することが好ましい。
(コンデンサ)
コンデンサを構成する誘電層5は、絶縁性の樹脂を用いることができる。絶縁性の樹脂は、印刷により形成されることが好ましい。誘電層5は、少なくとも下部コンデンサ電極4を覆うように形成されていればよいが、上部コンデンサ電極6を設けた際に、それぞれの電極の端部で導通が起きないように、下部コンデンサ電極4より大きく形成する。なお、絶縁性の樹脂を基材2の一方の全面に形成してもよいが、コストが高くなってしまう。誘電層5は、下部コンデンサ電極4より0.1〜5mm大きくすることが好ましい。
コイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6との接続は、図1に示したように、コイル3を跨いで形成された誘電層5の上に設けられたジャンパー線7によって接続する。
誘電層に用いられる絶縁性の樹脂としては、アクリル・ウレタン系レジスト等があげられる。また、溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、誘電層5は、2回以上重ねて印刷することが好ましい。印刷で形成する場合、絶縁を確保できるだけの厚みを確保することが難しいからである。生産性の観点からは、2回の印刷で誘電層5を形成できることが好ましい。誘電層5は、スクリーン印刷等で形成し、膜厚は10〜50μmである。好ましくは特に20〜40μmである。この範囲であれば平滑性に悪影響を与えず、かつ上部コンデンサ電極6と下部コンデンサ電極4とのショートを防ぐことができる。
上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とは誘電層5上に形成される。上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とは、導電性を有していればよく、特に限定するものではない。封印シール1を剥離した時に、共振回路17が容易に破壊されるようにすることを考慮すると、導電性インクを用いることが好ましい。導電性インクとしては、銀などの金属を溶剤に分散させたインク、その他の導電性材料を含むインクを用いることができる。導電性インクを用いた場合、厚さは10〜30μmである。溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、導電性インクは、必要に応じてバインダー樹脂を含んでいてもよい。
(セキュリティ機能層)
基材2の一方の面上の任意の位置に、発光層からなるセキュリティ機能層16を設ける。発光層としては紫外線で励起し可視光を発光する材料、赤外線で励起し機械検知可能な赤外光を発光する材料等を用いることができ、検知器を用いて機械検知できる材料を用いる。セキュリティ機能層16は、図1に示したように、コイル3の内側に配置する。このような構成により、検知器は、共振回路17からの電気的な応答と、セキュリティ機能層16からの光学的な応答とを同時に検知することができる。すなわち、検知器は、1回の読み取りで2重のセキュリティ検証による真贋判定が可能であるため、セキュリティレベルが高くなる。
上述したように、共振回路の共振周波数のみを用いる方式の検知器は、コイルの内側にコンデンサが配置されていると、コイルが切断されていても誤ってコンデンサを検知してしまい、コイルが切断されたことを検知できないことがある。そこで、第1の実施形態の封印シール1は、コンデンサをコイル3の外側に配置している。
図3に、第1の実施形態にかかる封印シールの読取位置を示す。図3(a)に示した検知器18を用いて、封印シール1から検知距離Hで機械検知を行う。セキュリティ機能層16をコイル3の内側に配置して、図3(b)に示した読取位置Xにおいて機械検知を行うと、共振回路17からの電気的な応答と、セキュリティ機能層16からの光学的な応答を同時に検知することができる。加えて、コイルが切断された場合でも、誤ってコンデンサを検知することがない。電気的な応答と光学的な応答との双方が正常な場合にのみ、封印シールが開封されていないことを判定するので、精度の高い開封の検知を行うことができる。
セキュリティ機能層16として用いられる発光層としては、蛍光材料、蓄光材料等があげられる。セキュリティ用途のためにメーカーが製造、販売、出荷を管理しており、一般市場では入手不可能なインキ、希少材料や高価な材料を使用して製造された高価なインキ、または特殊な物理現象を示す材料を使用して製造されたインキを蛍光材料、蓄光材料として用いることができる。基材2に、これらインキを印刷することにより、セキュリティ機能層16を構成する。
例えば、紫外線、赤外光を照射すると発光するインキなどを印刷することにより、セキュリティ機能層16を形成する。ブラックランプ(紫外線)または赤外線(780nm以上)ランプの照射により、これらインキで描かれたパターンが発光する。その結果、可視光線(400〜700nm)では検知されなかったパターンが、目視または受光素子を通じて検知することができる。特定の材料に応じた特定の波長の光を用いるため、検知器での機械検知が容易となる。これらインキは、インキ樹脂中に分散された蛍光材料、蓄光材料等とインキ樹脂の屈折率が同一または近似しており、無色透明のものが好ましい。そして、紫外線または赤外線の照射により色調パターンが変化するものが好ましい。
蛍光材料または蓄光材料として、紫外線発光蛍光体および赤外線発光蛍光体がある。紫外線蛍光体は、紫外線を照射することにより可視波長領域の光を発光する。例えば、CaCl:Eu2+、CaWO,ZnO:ZnSiO:Mn、YS:Eu、ZnS:Ag、YVO:Eu、Y:Eu、GdS:Tb、LaS:Tb、YAl12:Ce等がある。セキュリティ機能層16は、ブラックライトを照射した際の発光を、目視で碓認できるか、または検知器の受光素子により検知が可能となる量の蛍光体を、インキに添加することにより作製する。
赤外線発光蛍光体は、赤外線を照射することにより、可視波長領域の光を発光するものと、赤外波長領域の光を発光するものとがある。前者の蛍光体として、例えば、YF:YB、Er、ZnS:CuCo等がある。後者の蛍光体として、例えば、LiNd0.9Yb0.112、LiBi0.2Nd0.7Yb0.112、Nd0.9Yb0.1Nd(MoO、NaNb0.3Yb0.112、Nd0.8Yb0.2Na(WO、Nd0.8Yb0.2Na(Mo0.5WO0.5、Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.25Na(W0.7Mo0.3、Nd0.3Yb0.1Al(BO、Nd0.9Yb0.1Al2.7Cr0.3(BO、Nd0.4、Nd0.8Yb0.2(PO等がある。後者の蛍光体は、赤外線の波長800nm近辺の光を照射することにより、980nm〜1020nmに発光スペクトルのピークを有する赤外線を発光する。セキュリティ機能層16は、赤外線を照射した際の発光を、目視で碓認できるか、または検知器の受光素子により検知が可能となる量の蛍光体を、インキに添加することにより作製する。
これらの蛍光材料または蓄光材料が添加されたインキを、封印シールの任意の層間に印刷することにより、偽造防止効果の高いセキュリティ機能層16が得られる。セキュリティ機能層16としては、共振回路17と同一面上に設けることが好ましい。特に、後述する第2の実施形態において、脆性処理層およびホログラム層を形成した面上に設けることにより、一度貼り付けた封印シールが剥離された場合に、セキュリティ機能層のパターンも破壊させることができ、不正な再利用を防ぐことが可能となる。
(接着層)
接着層9は、被着体に封印シールを張り付けるために設けるもので、十分な粘着性を有する物であれば特に限定するものではない。公知の粘着剤、接着剤を使用することができ、例えば、アクリル系の粘着剤を用いることができる。接着層9は、印刷法により形成することができ、厚さは10〜100μmである。
最外層には剥離層10を設けることができる。封印シール1を使用する際には、剥離層10を剥離して、暴露された接着層9を被着体に貼り付ける。剥離層10としては特に限定するものではないが、紙材を用いることができる。具体的には剥離加工を施したコート紙などを用いることができる。
[第2の実施形態]
図4に、本発明の第2の実施形態にかかる封印シールを示す。封印シール21は、基材2の一方の面に脆性処理層およびホログラム層が形成され、その上に、第1の実施形態と同様に、共振回路17とセキュリティ機能層16とが形成されている。さらに、印字8がなされ、接着層9と剥離層10とを設けて、封印シール21を構成している。脆性処理層およびホログラム層は、基材2上に形成されたパターン状接着層11と、その上に形成された光学構造形成層13と反射層14からなる光学層12と、その上に設けられたアンカー層15とから構成される。
(パターン状接着層)
脆性処理層として機能するパターン状接着層11は、接着層9の接着力より強い接着力を有する材料を用いる。パターン状接着層11は、接着層9のように、基材2の全面に塗布するのではなく、パターン上に形成して、以下に説明する脆性処理を施す。一度貼り付けた封印シール21が剥離された場合に、パターン状接着層11が設けられている部分においては、共振回路等は基材2側に引っ張られ、パターン状接着層11が設けられていない部分においては、共振回路等は接着層9とともに被着体側に残るように、パターンを形成する。この結果、封印シール21が剥離された際に、共振回路等が容易に破壊されるようになり、封印シールの剥離の検知を、より高精度に行うことができる。
パターン状接着層11としては、上記機能を満たすものであれば特に限定しないが、例えば、ポリエステル系接着剤を用いることができる。パターン状接着層11は、印刷法などにより形成することができ、厚さは0.05〜0.5μmである。また、パターン状接着層11のパターンは、共振回路等を破壊できるものであれば特に限定はしないが、少なくとも封印シール21の外周の四辺に近接した端部に、パターン状接着層11を形成した部分と形成していない部分を形成することが好ましい。封印シール21の剥離は、端部から行われるので、端部に脆性処理を施すことにより、共振回路等が破壊される割合が高くなるからである。
(光学層)
光学層12は、例えば、回折構造を有する光学構造形成層13と反射層14とからなるホログラム層を用いることができる。光学構造形成層13は、接着層9の接着力より基材2との接着力を弱くすることが好ましい。パターン状接着層11が設けられている場合に、封印シール21が剥離されたとき、パターン状に破壊されるからである。すなわち、パターン状接着層11が設けられている部分においては、光学層12が基材2側に残り、パターン状接着層11が設けられていない部分においては、光学層12が接着層9とともに被着体側に残る。
光学層12は、アクリル等の樹脂材料を用いることができ、エンボス版を用いて回折構造を形成することができる。反射層14としては、アルミなどの金属反射材料、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタンなどの半透過半反射性の金属化合物を用いることができる。金属材料は、導電性を有するため、電気的特性の調整が必要になる場合があり、好ましくは半透過半反射性の金属化合物を用いることができる。
なお、反射層14をパターニングしてもよい。具体的には、マスク層を用いてエッチング処理により、反射層14をパターニングすることができる。パターニングすることにより、部分的にホログラム層の光学効果を見せることができる。また、網点状にパターニングすることにより、反射層14が導電性を有さないようにして、共振回路17への影響をなくすことができる。
パターン状接着層11を設ける場合は、パターン状接着層11の上に光学構造形成層13を設けることができる。このようにすることで、封印シール21を剥離する際、共振回路と共に光学層12も破壊されるため、封印シールの剥離の検知の点でより好ましい。
また、光学層12を設ける場合には、光学層12と共振回路17との間にアンカー層15を設けてもよい。光学層12としてホログラム層を形成すると、表面に凹凸が残るため、アンカー層15により表面を平滑化してから共振回路17を形成することが好ましい。
なお、光学層12としては、ホログラム素子に限るものではなく、散乱素子、多層干渉素子など様々なものを用いることができる。また、基材2の一方の面上に、パターン状接着層11およびアンカー層15のみを形成し、ホログラム層を有さない脆性処理層のみを形成してもよい。
[第3の実施形態]
図5に、本発明の第3の実施形態にかかる封印シールを示す。封印シール31は、脆性処理層として、第2の実施形態のパターン状接着層11の代わりに、基材2に切り込み、溝などのパターン状の凹部19を設けている。一度貼り付けた封印シール21が剥離された場合に、凹部19が設けられていない部分においては、共振回路等は基材2側に引っ張られ、凹部19が設けられている部分においては、共振回路等は接着層9とともに被着体側に残るように、パターンを形成する。このようにして、基材2と光学構造形成層13との間の接着力に強弱をつけることにより、封印シール31が剥離された際に、共振回路等が容易に破壊されるようになり、封印シールの剥離の検知を、より高精度に行うことができる。
また、凹部19のパターンとパターン状接着層11とを合わせて設けることにより、封印シール31を剥離した時、共振回路等を破壊しやすくすることができる。凹部19のパターンとしては、基材を貫通する切り込み、ミシン目状、ハーフカット状など様々なものを用いることができる。
[実施例]
第2の実施形態にかかる封印シールの実施例について説明する。基材2として、縦15mm×横38mm×厚み50μmのPETを用いた。基材2の一方の面上にポリエステル樹脂系接着剤からなるパターン状接着層11を、平均膜厚約0.15μmとなるように、グラビア印刷により形成した。パターン状接着層11のパターンは、直径2.5mmの丸型のパターンを、間隔10mmで縦方向、横方向に配置したドット状パターンとした。
パターン状接着層11の上に、ウレタン−アクリル系樹脂からなる光学構造形成層13を、平均膜厚約1.5μmとなるように、グラビア印刷により形成した。次に、ホログラムエンボス版を用いて、光学構造形成層13に回折構造を形成した。その上に、反射層14として硫化亜鉛を蒸着法により膜厚50nmで設けることにより、光学層12を形成した。光学層12の上には、ポリビニルブチラール樹脂からなるアンカー層14を、平均膜厚約1μmとなるように、グラビア印刷により形成した。
アンカー層14の上には、赤色のインキを用いて印字8を印刷した。印字8は、スクリーン印刷により「TP0123」の繰り返しパターンを、後工程で設ける共振回路の長辺に重なる位置に、膜厚約2μmで形成した。次に、セキュリティ機能層16として、赤外線の照射により赤外光を発光する赤外蛍光インキを、共振回路17のコイル3の内側に位置するように縦3mm×横15mmの長方形状に膜厚約15μmで、スクリーン印刷により形成した。
共振周波数が28MHzの共振回路17を以下のように形成した。コイル3及び下部コンデンサ電極4を、銀インク(東洋紡株式会社製)を用いて、平均膜厚約20μmとなるように、スクリーン印刷により形成した。コイル3のパターンは、6巻からなる略長方形のパターンで、コイル3の外側の接続部分3aにおいて、下部コンデンサ電極4と接続する。コイル3の外側には、縦3mm×横9mmの下部コンデンサ電極4を形成し、上部コンデンサ電極6とコイル3の内側の接続部分3bとを接続している。
下部コンデンサ電極4、コイル3の内側の接続部分3bの一部、後工程で設けるジャンパー線の下部には、誘電層5を形成した。1回のスクリーン印刷により平均膜厚約15μmを印刷し2回の印刷で平均膜厚30μmの誘電層5を形成した。誘電層5の材料としては、熱硬化性高透明レジスト(株式会社アサヒ化学研究所製)を用いた。なお、下部コンデンサ電極4を覆う部分は、下部コンデンサ電極4の四辺より、それぞれ外側に1mm大きい形状により誘電層5を設けた。誘電層5の上には、上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とを、銀インク(東洋紡株式会社製)を用いて、平均膜厚約20μmとなるように、スクリーン印刷により形成した。一部露出しているコイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6とを、ジャンパー線7により接続することにより、共振回路17を作製した。
最後に、接着層9としてアクリル系粘着剤を、平均膜厚約50μmでコーティングし、剥離層10として剥離紙を添付して、封印シール21を作製した。
(比較例1)
上述した実施例との相違点は、6巻からなる略長方形のコイル3のパターンの内側に、セキュリティ機能層16と合わせて、縦3mm×横9mmの下部コンデンサ電極4を形成した。誘電層5および上部コンデンサ電極6を、この上に形成し、コンデンサとセキュリティ機能層16とをコイル3の内側に作製した。
(比較例2)
従来の共振タグと同じ構成であり、上述した実施例との相違点は、セキュリティ機能層16を有さないことである。
(抵抗値測定)
共振回路の抵抗値を測定したところ、実施例、比較例1、比較例2共に100Ω以下であり、十分な導電性を有することが確認できた。
(ショートの有無)
コンデンサにおける電極間のショートの有無を確認したが、実施例、比較例1、比較例2共にショートのないことが確認できた。
(剥離試験)
アクリル板に貼り付けた封印シールを手で剥がしたところ、実施例、比較例1、比較例2共に、共振回路の一部がアクリル板に残り、目視で破壊されたことが確認できた。加えて、銀インクを用いて共振回路を再形成することが困難であることも確認できた。なお、合わせて印字および光学層も破壊されている。
(機械検知試験)
図6に、本発明の実施例にかかる封印シールの比較結果を示す。共振周波数28MHzの共振回路の電気的検知およびセキュリティ機能層からの赤外光の光学的検知が可能なAIMEX製検知器を用いた。アクリル板に貼り付けた状態の剥離前の正常品と、剥離した異常品とを、図2に示した読取位置Xにおいて、機械検知を行った。
剥離前の正常品においては、実施例および比較例1は、共振回路の応答、セキュリティ機能層の応答ともに正常な検知ができ、判定は「可」となった。しかしながら、比較例2は、セキュリティ機能層を有していないため、セキュリティ機能層の応答が不可であり判定は「不可」となった。
剥離した異常品においては、比較例1は、共振回路が破壊されても、コイルの内側のコンデンサを誤検知してしまい、ほぼ接触での判定は「可」となった。一方、実施例は、共振回路が破壊され、かつコンデンサは読み取り位置から外れているため誤検知することなく、判定は「不可」となった。以上の結果から、本実施形態にかかる封印シールは、共振タグの基材の同一面上に、共振回路に加えてセキュリティ機能層を設けた封印シールを用いて、二重に機械検知することにより、精度の高い開封の検知を行うことができることが確認できた。
1 封印シール
2 基材
3 コイル
4 下部コンデンサ電極
5 誘電層
6 上部コンデンサ電極
7 ジャンパー線
8 印字
9 接着層
10 剥離層
11 パターン状接着層
12 光学層
13 光学構造形成層
14 反射層
15 アンカー層
16 セキュリティ機能層
17 共振回路

Claims (7)

  1. 電気的な検知を行うための、コイルとコンデンサとからなる共振回路を有する封印シールであって、
    前記コイルと前記コンデンサの下部電極とが基材の一方の面上に形成され、前記コンデンサは、前記下部電極、前記下部電極を覆う誘電層、および該誘電層上の上部電極により構成され、
    前記基材の一方の面上であって、前記コイルの内側に光学的な検知を行うためのセキュリティ機能層が形成され、前記コイルの外側に前記コンデンサが形成されていることを特徴とする封印シール。
  2. 前記基材の一方の面上に脆性処理層とアンカー層とを有し、前記共振回路および前記セキュリティ機能層は、前記アンカー層上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の封印シール。
  3. 前記脆性処理層と前記アンカー層との間に、ホログラムを構成する光学層を有することを特徴とする請求項2に記載の封印シール。
  4. 前記脆性処理層は、前記封印シールを被着体に貼付するための接着層の接着力より強い接着力を有するパターン状の接着層であることを特徴とする請求項2または3に記載の封印シール。
  5. 前記脆性処理層は、前記基材の一方の面上に形成されたパターン状の凹部であることを特徴とする請求項2または3に記載の封印シール。
  6. 前記コイル、前記下部電極および前記上部電極は、導電性インキにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の封印シール。
  7. 前記コイルおよび/または前記下部電極の一部と重なるように印字がなされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の封印シール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018036417A (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 株式会社トッパンTdkレーベル 転写型セキュリティラベルシート、セキュリティラベルの貼着方法およびセキュリティラベル

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