JP2016079293A - 液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ファインピッチのCOF実装用封止剤として使用可能であり、流動性能を低下させずに、封止工程での冷却時または信頼性試験時での剥離を抑制することにより、高温高湿試験で発生するマイグレーションの発生を抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 (A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、液状エポキシ樹脂組成物に関し、特に、チップオンフィルムパッケージ用半導体素子のアンダーフィル剤に適した液状エポキシ樹脂組成物に関する。
液晶ドライバIC等の半導体装置のさらなる配線等の高密度化、高出力化に対応可能な半導体素子の実装方式であるCOF(Chip On Film)パッケージ等の半導体パッケージで、フリップチップボンディングが利用されている。一般的に、フリップチップボンディングでは、半導体素子と基板をバンプで接合し、半導体素子と基板の間隙を、アンダーフィル材と呼ばれる液状半導体封止剤で封止する。
近年、液晶ドライバICの高密度化、高出力化の要求に応えるため、液晶ドライバICを搭載する配線パターンのファインピッチ化が進んでいる。このファインピッチ化により、液晶ドライバICの動作温度が着々と上昇している。アンダーフィル剤で封止された半導体パッケージにおいて、例えば、温度85℃、湿度85%の高温高湿雰囲気で、配線間に電位差を与えると、配線間にマイグレーションが発生する。マイグレーションは、配線パターンの金属が、電気化学反応によって溶出し、配線間の抵抗値低下が生じる現象である。
また、従来、液晶ドライバICでは、半導体素子と、回路基板と電気的接合をするために、半導体素子や回路基板に金配線を使用し、これらの半導体素子と金配線を封止樹脂により、封止していた。近年では、半導体装置に対するコストダウンの要求も激しい上に、金価格が高騰しており、従来の金配線ではコストが高いため、銅配線による接合が検討されている。
この銅配線は、金配線と比較して、腐食され易いため、銅配線間でのマイグレーションが危惧されている。マイグレーションは、銅配線の銅が、電気化学反応によって溶出し、抵抗値低下が生じる現象である。銅配線は、半導体装置作動時には、電極として作用する。図1に、銅配線のマイグレーションを説明する模式図を示す。マイグレーションは、まず陽極2で、反応式:Cu+(OH−)→Cu(OH)によりCuが溶出し、基板1上を、Cu(OH)が実線矢印の向き、すなわち陰極3方向に移動し、陰極3では、基板1上で、反応式:CuOH+H3O+→Cu+2H2OによりCuが破線矢印向き、すなわち陽極2方向に析出する。通常、銅配線は、エポキシ樹脂系の樹脂組成物で封止されているが、エポキシ樹脂に吸水されたH2O由来のOH−やH3O+により、マイグレーションが発生する。さらに、雰囲気中にCl−イオンがあると、マイグレーションは飛躍的に加速される。このCl−イオンは、通常、エポキシ樹脂の不純物として存在する。マイグレーションが起きると、銅配線の陽極−陰極間の抵抗値が低くなり、マイグレーションが進行すると、陽極と陰極の短絡に至る。なお、Cu(OH)は、正確には、Cu(OH)2の場合と、Cu(OH)+の場合があり、Cu(OH)2の場合には、その濃度差により陰極側に移動し、Cu(OH)+の場合には、電気的に移動する。
このマイグレーションを抑制するために、金属イオン結合剤を含むアンダーフィル剤が報告されている(特許文献1)。このアンダーフィル剤は、電気化学反応によって溶出した金属イオンを、金属イオン結合剤で固定化することにより、マイグレーションの抑制を図っている。
しかしながら、アンダーフィル剤に金属イオン結合剤を含有させると、アンダーフィル剤が保存時に増粘する、アンダーフィル剤のガラス転移温度が低下する等のアンダーフィル剤としての特性が低下してしまう、という問題がある。また、アンダーフィル剤に金属イオン結合剤を含有させると、ポリマー骨格に組み込まれない材料を加えることによる、密着性や耐熱性の低下の問題があることに加え、マイグレーションを誘発しやすいハロゲン濃度を下げるための処理に必要な材料費が高額になる、という問題もある。
一方、チップオンフィルム(以下、COFという)実装用封止剤として、(A)エポキシ樹脂、(B)酸無水物系硬化剤並びに(C)イミダゾール系及び/又はトリアジン系硬化促進剤を含み、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して、(C)成分が0.6〜10重量部であるCOF実装用封止剤が報告されている(特許文献2)。
このCOF実装用封止剤は、硬化速度により、ボイドの発生が抑制され、かつフィルム基板との密着性が十分に得られ、その結果信頼性の高い半導体部品が得られるものであるが、近年のファインピッチ化(例えば、従来は50μmピッチであったのに対して、最近は30μmピッチが要求されている)に対しては、高温高湿試験後の剥離試験等での信頼性が、十分ではない。
本発明は、ファインピッチのCOF実装用封止剤として使用可能であり、流動性能を維持しつつ、封止工程での冷却時または信頼性試験時の剥離を抑制することにより、高温高湿試験で発生するマイグレーションの発生を抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決した液状エポキシ樹脂組成物、液状半導体封止材、および半導体装置に関する。
〔1〕(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、
(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物。
〔2〕(D)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂でマスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーである、上記〔1〕記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔3〕さらに、(E)カップリング剤を含有する、上記〔1〕または〔2〕記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の液状エポキシ樹脂組成物を含む、液状半導体封止材。
〔5〕上記〔4〕記載の液状半導体封止材を含む、液晶ドライバ用液状封止材。
〔6〕上記〔4〕記載の液状半導体封止剤を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
〔7〕上記〔5〕記載の液晶ドライバ用液状封止材を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、液晶ドライバ。
〔1〕(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、
(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物。
〔2〕(D)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂でマスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーである、上記〔1〕記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔3〕さらに、(E)カップリング剤を含有する、上記〔1〕または〔2〕記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の液状エポキシ樹脂組成物を含む、液状半導体封止材。
〔5〕上記〔4〕記載の液状半導体封止材を含む、液晶ドライバ用液状封止材。
〔6〕上記〔4〕記載の液状半導体封止剤を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
〔7〕上記〔5〕記載の液晶ドライバ用液状封止材を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、液晶ドライバ。
本発明〔1〕によれば、ファインピッチのCOF実装用封止剤として使用可能であり、流動性能を低下させずに、封止工程での冷却時または信頼性試験時の剥離を抑制することにより、高温高湿試験で発生するマイグレーションを抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明〔4〕によれば、高温高湿試験で発生するマイグレーションが抑制された高信頼性の半導体部品を製造可能な液状半導体封止材を容易に提供することができる。
本発明〔6〕によれば、高温高湿試験で発生するマイグレーションが抑制された高信頼性の半導体部品を提供することができる。
〔液状エポキシ樹脂組成物〕
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、
(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、
(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする。
(A)成分としては、アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、液状水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状脂環式エポキシ樹脂、液状アルコールエーテル型エポキシ樹脂、液状環状脂肪族型エポキシ樹脂、液状フルオレン型エポキシ樹脂、液状シロキサン系エポキシ樹脂等が挙げられ、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物のマイグレ−ション抑制、接着性、流動性の観点から、アミノフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、液状エポキシ樹脂組成物の硬化性、接着性、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物の耐熱性、耐久性の観点から、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、好ましい。
(A)成分に含有され得るアミノフェノール型エポキシ樹脂は、架橋密度の高い樹脂骨格を形成することにより、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物のマイグレーションの発生を抑制する。アミノフェノール型エポキシ樹脂は、好ましくは、式(1):
で表され、2個の官能基がオルト位またはパラ位にあるものがより好ましく、式(2):
で表されるものが、硬化性、耐熱性、接着性、耐久性、耐マイグレーション性の観点から、特に好ましい。
(A)成分のエポキシ当量は、粘度調整の観点から、80〜250g/eqが好ましい。(A)成分の市販品としては、ダイセル化学製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:LX−01)、三菱化学製アミノフェノール型エポキシ樹脂(グレード:JER630、JER630LSD)、新日鐵化学製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:YDF8170)、新日鐵化学製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF870GS)、DIC製ナフタレン型エポキシ樹脂(品名:HP4032D)、信越化学製シロキサン系エポキシ樹脂(品名:TSL9906)等が挙げられる。(A)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、液状エポキシ樹脂組成物に良好な反応性(硬化速度)、適度な粘性付与を付与する。(B)成分としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、アルケニル基で置換されたコハク酸無水物、メチルナジック酸無水物、グルタル酸無水物等が挙げられ、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物が好ましい。市販品としては、三菱化学製酸無水物(グレード:YH306、YH307)等が挙げられる。(B)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(C)成分は、液状エポキシ樹脂組成物に適切な硬化速度を付与する。(C)成分としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。(C)成分の市販品としては、四国化成製2−フェニル−4−メチルイミダゾール(品名:2P4MZ)、四国化成製2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(品名:2MZA)が挙げられる。(C)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(D)成分は、液状エポキシ樹脂組成物に注入性を付与し、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物の剥離やマイグレーションを抑制する。(D)成分でマスターバッチ処理されるコアシェル構造を持つエラストマーとしては、コア:ポリブタジエンでシェル:アクリル共重合体、コア:シリコーン樹脂でシェル:アクリル共重合体等が挙げられ、液状エポキシ樹脂組成物の使用温度領域内で低い弾性率により、液状エポキシ樹脂組成物の収縮応力を低下できるため、コア:ポリブタジエンでシェル:アクリル共重合体が、好ましい。市販品のコアシェル構造を持つエラストマーとしては、カネカ製コアシェルゴム(品名:MX−137)、三菱レイヨン製コアシェルゴム(品名:W5500)が挙げられる。
コアシェル構造を持つエラストマーへのマスターバッチ処理は、エポキシ樹脂、酸無水物等の硬化剤で行うことができ、保存安定性、湿度に対する悪影響の有無の観点からエポキシ樹脂、特にビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられ、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、より好ましい。
(D)成分は、形態は特に限定されないが、(D)成分の分散性、液状エポキシ樹脂組成物製造時の濾過工程で作業性、液状エポキシ樹脂組成物の注入性、硬化収縮応力減少の観点から、球状であり、かつ平均粒径が、0.01〜10μmであると好ましく、0.01〜1μmであると、より好ましい。ここで、平均粒径は、BECKMAN COULTER社製レーザー回折粒度分布測定装置(型番:LS13320)で測定する。
(D)成分のコアシェル構造を持つエラストマーは、コアシェル構造を持つエラストマーとマスターバッチ処理するエポキシ樹脂との合計100質量部に対して、20〜40質量部であると、好ましい。(D)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、(A)成分:1当量に対して、0.6〜1.2当量の比率であると好ましく、0.6〜1.0当量であると、より好ましい。(A)成分の当量はエポキシ当量であり、(B)成分の当量は酸無水物当量である。0.6以上であると、反応性、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物の高温高湿試験での耐湿信頼性、耐マイグレーション性が良好であり、一方、1.2以下であると、増粘倍率が高くなり過ぎず、ボイドの発生が抑制される。
(C)成分は、(A)成分:100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3.0質量部含有される。0.05質量部以上であると、反応性が良好であり、5質量部以下であると、耐湿信頼性が良好あり、更に増粘倍率が安定である。
(D)成分は、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部である。(D)成分が1質量部未満では、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物に剥離の発生や耐マイグレーションの低下が起きる。一方、(D)成分が10質量部を超えると、液状エポキシ樹脂の注入性が低下する。
液状エポキシ樹脂組成物は、さらに、(E)カップリング剤を含有すると、密着性の観点から好ましい。(E)成分としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。市販品としては、信越化学工業製KBM403、KBE903、KBE9103等が挙げられる。
(E)成分は、(A)成分:100質量部に対して、好ましくは0.05〜5.0質量部、より好ましくは0.1〜3.0質量部含有される。0.05質量部以上であると、密着性が向上し、硬化後の液状エポキシ樹脂組成物の耐湿試験後の接着強度がより良好になり、5.0質量部以下であると、液状樹脂組成物の発泡が抑制される。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、シリカフィラー等のフィラー、レベリング剤、消泡剤、搖変剤、酸化防止剤、顔料、染料等の添加剤を配合することができる。
液状エポキシ樹脂組成物は、温度:25℃での粘度が50〜820mPa・sであると、注入性の観点から好ましい。ここで、粘度は、東機産業社製E型粘度計(型番:TVE−22H)で測定する。
また、液状エポキシ樹脂組成物は、24時間後の粘度上昇率が、150%以下であると好ましく、48時間後の粘度上昇率が、300%以下であると好ましい。ここで、粘度上昇率は、液状エポキシ樹脂組成物を24時間、48時間室温で保管した後の粘度を測定し、〔{(24または48時間後の粘度)/(初期粘度)}×100〕を粘度上昇率(単位:%)とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フリップチップボンディングを利用する半導体素子の封止剤に適しており、特に、チップオンフィルムパッケージ用封止剤、中でも液晶ドライバ用液状封止材として適している。
〔液状エポキシ樹脂組成物の製造方法〕
上述の液状エポキシ樹脂組成物は、コアシェル構造を持つエラストマーを、ビスフェノール型エポキシ樹脂等に分散させ、マスターバッチとして(D)成分を形成した後、(A)〜(D)成分を混合して製造することができる。
上述の液状エポキシ樹脂組成物は、コアシェル構造を持つエラストマーを、ビスフェノール型エポキシ樹脂等に分散させ、マスターバッチとして(D)成分を形成した後、(A)〜(D)成分を混合して製造することができる。
通常、コアシェル構造を持つエラストマー(以下、コアシェルエラストマーという)は、水中でのエマルジョン重合により作製される。従来は、水中でのエマルジョン重合により作製されたコアシェルエラストマー含有懸濁液を脱水処理して得られたコアシェルエラストマーをそのまま使用して、液状エポキシ樹脂組成物を製造していた。しかしながら、この方法で得られたコアシェルエラストマーは、液状エポキシ樹脂組成物中で凝集して異物として検出される。また、液晶ドライバ用液状封止剤の製造では、ファインメッシュによるフィルタリング工程があり、凝集物があるとフィルタリングができない等の問題がある。
このため、本発明では、水中でのエマルジョン重合により作製されたコアシェルエラストマー含有懸濁液にエポキシ樹脂を添加して、コアシェルエラストマーをエポキシ樹脂で被覆した後、脱水して、(D)成分を作製することにより、液状エポキシ樹脂組成物中でのコアシェルエラストマーの凝集を防ぐことが可能となる。
コアシェルエラストマーのマスターバッチは、エマルジョン重合により作製されたコアシェルエラストマー含有懸濁液から、水成分をエポキシ樹脂に置換することで得ることができる。ここで、水成分を置換する際に、コアシェルエラストマーを乾燥によって懸濁液から取り出してしまうと、凝集物が形成される。この凝集物をエポキシ樹脂中で一次粒子に分散することは困難であるため、懸濁液から取り出さずに、液相で置換する必要がある。
本発明の液状樹脂組成物は、例えば、(A)成分〜(D)成分およびその他添加剤等を同時にまたは別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、ディスペンサー、印刷等で基板の所望の位置に形成・塗布される。ここで、液状エポキシ樹脂組成物は、フレキシブル配線基板等の基板と半導体素子との間に、少なくとも一部が基板の配線上に接するように形成する。
本発明の液状樹脂組成物の硬化は、120〜160℃で、5〜120分間行うことが好ましく、特に200秒以内で硬化させると、チップオンフィルムパッケージ用封止剤として用いるときの生産性向上の観点から好ましい。
なお、半導体素子、基板は、所望のものを使用することができるが、フリップチップボンディングの半導体素子とCOFパッケージ用基板の組合せが好ましい。
このように、本発明の液状樹脂組成物は、液状半導体封止剤、特に液晶ドライバ用液状封止材に非常に適しており、この液状半導体封止剤を用いて封止された液晶ドライバ等のフリップチップ型半導体素子を有する半導体装置は、耐マイグレーション性に優れ、信頼性試験での剥離が抑制されるので、高信頼性である。
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、質量部、質量%を示す。
〔実施例1〜11、比較例1〜7〕
表1、表2に示す配合で、液状樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という)を作製した。実施例1〜11、比較例2〜3では、(A)〜(D)成分を、表1、表2に示す配合で、遊星式撹拌脱泡装置を用いて、室温で5分間混合した。(D)成分のコアシェルゴムとビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比は、1:2であったので、(A)成分のビスフェノールF型エポキシ樹脂は、(D)成分のマスターバッチ化で使用した分を差し引いて加えた。なお、比較例4では、コアシェルゴム含有水懸濁液を乾燥することにより得られたコアシェルゴムを(D)成分の代わりに用いた。また、比較例6で使用した(D’)成分のマスターバッチ化は、3本ロールを用いて行った。この(D’)成分の固形ゴムと型エポキシ樹脂の質量比は、1:2であった。
表1、表2に示す配合で、液状樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という)を作製した。実施例1〜11、比較例2〜3では、(A)〜(D)成分を、表1、表2に示す配合で、遊星式撹拌脱泡装置を用いて、室温で5分間混合した。(D)成分のコアシェルゴムとビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比は、1:2であったので、(A)成分のビスフェノールF型エポキシ樹脂は、(D)成分のマスターバッチ化で使用した分を差し引いて加えた。なお、比較例4では、コアシェルゴム含有水懸濁液を乾燥することにより得られたコアシェルゴムを(D)成分の代わりに用いた。また、比較例6で使用した(D’)成分のマスターバッチ化は、3本ロールを用いて行った。この(D’)成分の固形ゴムと型エポキシ樹脂の質量比は、1:2であった。
〔粘度の評価〕
作製した直後(30分以内)の樹脂組成物の粘度(初期粘度、単位:mPa・s)を、東機産業社製E型粘度計(型番:TVE−22H)で測定した。表1、表2に、初期粘度の測定結果を示す。また、樹脂組成物を24時間、48時間室温で保管した後の粘度を測定し、〔{(24または48時間後の粘度)/(初期粘度)}×100〕を粘度上昇率(単位:%)とした。表1、表2に、結果を示す。
作製した直後(30分以内)の樹脂組成物の粘度(初期粘度、単位:mPa・s)を、東機産業社製E型粘度計(型番:TVE−22H)で測定した。表1、表2に、初期粘度の測定結果を示す。また、樹脂組成物を24時間、48時間室温で保管した後の粘度を測定し、〔{(24または48時間後の粘度)/(初期粘度)}×100〕を粘度上昇率(単位:%)とした。表1、表2に、結果を示す。
〔曲げ弾性率の評価〕
離型剤を塗布したガラス板とガラス板との間に、作製した樹脂組成物を挟み、150℃、60分で350μmのシート状に硬化させ、万能試験機((株)島津製作所製 AG−I)を用いて室温での曲げ弾性率を求めた。なお、n=3で測定し、平均値を用いた。また、試験片の膜厚及び幅は、5点測定し、平均値を計算値に用いた。曲げ弾性率は、好ましくは、2.0〜4.2GPaである。表1、表2に、曲げ弾性率の評価結果を示す。
離型剤を塗布したガラス板とガラス板との間に、作製した樹脂組成物を挟み、150℃、60分で350μmのシート状に硬化させ、万能試験機((株)島津製作所製 AG−I)を用いて室温での曲げ弾性率を求めた。なお、n=3で測定し、平均値を用いた。また、試験片の膜厚及び幅は、5点測定し、平均値を計算値に用いた。曲げ弾性率は、好ましくは、2.0〜4.2GPaである。表1、表2に、曲げ弾性率の評価結果を示す。
〔抽出Clイオン量の評価〕
作製した樹脂組成物を150℃、60分で硬化させて得た試料を、5mm角程度に粉砕した。硬化塗膜:2.5gにイオン交換水25cm3を加え、PCT試験槽(121℃±2℃/湿度100%/2atmの槽)中に20時間置いた後、室温まで冷却して得た抽出液を試験液とした。上記の手順で得られた抽出液のClイオン濃度を、イオンクロマトグラフを用いて測定した。表1、表2に、抽出Clイオン量の評価結果を示す。
作製した樹脂組成物を150℃、60分で硬化させて得た試料を、5mm角程度に粉砕した。硬化塗膜:2.5gにイオン交換水25cm3を加え、PCT試験槽(121℃±2℃/湿度100%/2atmの槽)中に20時間置いた後、室温まで冷却して得た抽出液を試験液とした。上記の手順で得られた抽出液のClイオン濃度を、イオンクロマトグラフを用いて測定した。表1、表2に、抽出Clイオン量の評価結果を示す。
〔注入性の評価〕
図1に、樹脂組成物の注入性の評価方法を説明する模式図を示す。まず、図2(A)に示すように、基板20上に20μmのギャップ40を設けて、半導体素子の代わりにガラス板30を固定した試験片を作製した。但し、基板20としては、フレキシブル基板の代わりにガラス基板を使用した。次に、この試験片を110℃に設定したホットプレート上に置き、図2(B)に示すように、ガラス板30の一端側に、作製した樹脂組成物10を塗布し、図2(C)に示すように、ギャップ40が樹脂組成物11で満たされるまでの時間を測定し、90秒以下で満たされた場合を「良」、90秒を超えた場合を「悪」とした。表1、表2に、注入性の評価結果を示す。
図1に、樹脂組成物の注入性の評価方法を説明する模式図を示す。まず、図2(A)に示すように、基板20上に20μmのギャップ40を設けて、半導体素子の代わりにガラス板30を固定した試験片を作製した。但し、基板20としては、フレキシブル基板の代わりにガラス基板を使用した。次に、この試験片を110℃に設定したホットプレート上に置き、図2(B)に示すように、ガラス板30の一端側に、作製した樹脂組成物10を塗布し、図2(C)に示すように、ギャップ40が樹脂組成物11で満たされるまでの時間を測定し、90秒以下で満たされた場合を「良」、90秒を超えた場合を「悪」とした。表1、表2に、注入性の評価結果を示す。
〔硬化後の剥離の評価〕
硬化後の剥離は、TEG(30umピッチ、日立超LSI製)を使用して評価を行った。作製したアンダーフィルをディスペンサーでTEGに塗布し、150℃で5分間、温風乾燥機で硬化を行った。TEGが常温になるまで室温に放置し、室温になったTEGのフィルム側から、光学顕微鏡を用いて、倍率:200倍で観察を行った。バンプの間に剥離箇所があるかどうかを観察し、剥離箇所がない場合には「○」、ひとつでも剥離が確認された場合は「×」とした。図3に、硬化後に剥離がない箇所の写真を、図4と図5に、硬化後に剥離が発生した箇所の写真を示す。図3では、剥離がないのに対して、図4と図5では、矢印の箇所で剥離が確認された。表1、表2に、硬化後の剥離の評価結果を示す。
硬化後の剥離は、TEG(30umピッチ、日立超LSI製)を使用して評価を行った。作製したアンダーフィルをディスペンサーでTEGに塗布し、150℃で5分間、温風乾燥機で硬化を行った。TEGが常温になるまで室温に放置し、室温になったTEGのフィルム側から、光学顕微鏡を用いて、倍率:200倍で観察を行った。バンプの間に剥離箇所があるかどうかを観察し、剥離箇所がない場合には「○」、ひとつでも剥離が確認された場合は「×」とした。図3に、硬化後に剥離がない箇所の写真を、図4と図5に、硬化後に剥離が発生した箇所の写真を示す。図3では、剥離がないのに対して、図4と図5では、矢印の箇所で剥離が確認された。表1、表2に、硬化後の剥離の評価結果を示す。
〔外観の評価」
硬化後の剥離の評価を行った試料の外観の評価を、光学顕微鏡を用いて、倍率:200倍で行った。図6に、実施例3の外観の拡大写真を、図7に比較例4の外観の拡大写真を示す。図6、図7のパターンピッチは、30μmである。図6に示す実施例3では、外観が「○」であった。これに対して、図7に示す比較例4は、写真内の白の破線で囲んだ部分に剥離(デラミネーション)が観察された。表1、表2に、外観の剥離の評価結果を示す。
硬化後の剥離の評価を行った試料の外観の評価を、光学顕微鏡を用いて、倍率:200倍で行った。図6に、実施例3の外観の拡大写真を、図7に比較例4の外観の拡大写真を示す。図6、図7のパターンピッチは、30μmである。図6に示す実施例3では、外観が「○」であった。これに対して、図7に示す比較例4は、写真内の白の破線で囲んだ部分に剥離(デラミネーション)が観察された。表1、表2に、外観の剥離の評価結果を示す。
〔耐マイグレーション性の評価〕
樹脂組成物の耐イオンマイグレーション性を評価するため、高温高湿バイアス試験(THB試験)を実施した。試験方法は、以下のとおりである。スズメッキ(0.2±0.05μm)された銅配線(パターン幅:15μm、線間幅:15μm、パターンピッチ:30μm)を持つポリイミドテープ基材上に、作製した樹脂組成物を20μm厚みで塗布し、150℃で30分間処理し、封止剤を硬化させて試験片を作製した。この試験片についてイオンマイグレーション評価システム(エスペック社製)を用いて、85℃/湿度85%の条件下で、DC60Vの電圧を印加したときの抵抗値の変化を測定、抵抗値が1.00×107Ωを下回った時点を閾値として、銅配線のマイグレーションを評価した(単位:時間)。抵抗値が閾値を下回らなかったものについては、1000時間を越えた時点で試験終了とした。表1、表2に、耐マイグレーション性の評価結果を示す。
樹脂組成物の耐イオンマイグレーション性を評価するため、高温高湿バイアス試験(THB試験)を実施した。試験方法は、以下のとおりである。スズメッキ(0.2±0.05μm)された銅配線(パターン幅:15μm、線間幅:15μm、パターンピッチ:30μm)を持つポリイミドテープ基材上に、作製した樹脂組成物を20μm厚みで塗布し、150℃で30分間処理し、封止剤を硬化させて試験片を作製した。この試験片についてイオンマイグレーション評価システム(エスペック社製)を用いて、85℃/湿度85%の条件下で、DC60Vの電圧を印加したときの抵抗値の変化を測定、抵抗値が1.00×107Ωを下回った時点を閾値として、銅配線のマイグレーションを評価した(単位:時間)。抵抗値が閾値を下回らなかったものについては、1000時間を越えた時点で試験終了とした。表1、表2に、耐マイグレーション性の評価結果を示す。
表1、表2からわかるように、実施例1〜11の全てで、粘度が所望値で、粘度上昇率が低く、曲げ弾性率が所望値で、抽出Cl量が低く、注入性が良好で、硬化後の剥離がなく、外観が問題なく、耐マイグレーション性が優れていた。これに対して、(D)成分を含まない比較例1と(D)成分が少な過ぎる比較例2は、硬化後に剥離が発生し、耐マイグレーション特性が悪かった。(D)成分が多過ぎる比較例3は、注入性が悪かった。また、(D)成分の代わりに、マスターバッチ処理をしないコアシェルゴムを使用した比較例4と、マスターバッチ処理をしないコアシェルでない固形ゴムを使用した比較例5と、マスターバッチ処理した固形ゴムを使用した比較例6は、注入性が悪く、外観も悪かった。(D)成分の代わりに、液状ゴムを使用した比較例7は、抽出Cl量が多く、マイグレーション特性が悪かった。
上記のように、本発明の液状樹脂組成物は、ファインピッチのCOF実装用封止剤として使用可能であり、流動性能を低下させずに、封止工程での冷却時または信頼性試験時での剥離を抑制することにより、高温高湿試験で発生するマイグレーションの発生を抑制することができ特に、フリップチップ型半導体素子、中でも液晶ドライバを含む半導体装置に適している。
1 基板
2 陽極
3 陰極
10、11 液状樹脂組成物
20 基板
30 ガラス板
40 ギャップ
2 陽極
3 陰極
10、11 液状樹脂組成物
20 基板
30 ガラス板
40 ギャップ
Claims (7)
- (A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、
(D)成分が、液状エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物。 - (D)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂でマスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーである、請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- さらに、(E)カップリング剤を含有する、請求項1または2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物を含む、液状半導体封止材。
- 請求項4記載の液状半導体封止材を含む、液晶ドライバ用液状封止材。
- 請求項4記載の液状半導体封止剤を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
- 請求項5記載の液晶ドライバ用液状封止材を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、液晶ドライバ。
Priority Applications (3)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013151642A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-08-08 | Hitachi Chemical Co Ltd | 電子部品用液状樹脂組成物及びその製造方法、並びに電子部品装置 |
-
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TW201619283A (zh) | 2016-06-01 |
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