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JP2016075122A - 遮音壁 - Google Patents

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JP2016075122A
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小島 浩士
Hiroshi Kojima
浩士 小島
幸宏 播磨
Yukihiro Harima
幸宏 播磨
悠二 加藤
Yuji Kato
悠二 加藤
真行 林
Masayuki Hayashi
真行 林
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Abstract

【課題】車両の通路の側縁に沿って配置される、透明で耐火性に優れた、遮音壁を提供する。
【解決手段】遮音壁10は、透明板20と透明板20の外周を支持する支持枠30よりなる。透明板20は、少なくとも一層以上のガラス板21,22よりなり、4mm以上の厚さを有している。さらに透明板20は化学強化ガラスを含み、化学強化ガラスの表面に形成される圧縮応力層の深さを12μmよりも大きく形成してある。透明板20が合わせガラスの場合、複数のガラス板21、22のうちの少なくとも1枚が、化学強化ガラスであればよく、火災の炎による透明板20の貫通および透明板20の崩落が抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、遮音壁に関する。
車両の通路(例えば高速道路、一般道路、線路など)の側縁に沿って配置される遮音壁として、透明板を有するものが検討されている。車両の乗員が透明板を介して周辺景色を視認できる。透明板として、樹脂板よりも紫外線劣化の少ないガラス板が検討されている。
特許文献1では、遮音壁の透明板として化学強化ガラスを含むものが提案されている。化学強化ガラスは、未強化ガラスよりも薄型化でき、軽量化できる。また、化学強化ガラスは、風冷強化ガラスよりも透過像の歪みを低減でき、車両の乗員による周辺景色の視認性を向上できる。また、化学強化ガラスは、風冷強化ガラスよりも外力のない自然状態での破損を抑制できる。
特開2013−23911号公報
特許文献1では、化学強化ガラスの表面圧縮応力に着目している。表面圧縮応力が大きいほど、強度が高く、耐風圧性が良い。
しかしながら、透明板の耐火性が十分ではないことがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、透明板の耐火性に優れた遮音壁の提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
車両の通路の側縁に沿って配置される遮音壁であって、
化学強化ガラスを含む透明板を有し、
前記透明板が4mm以上の厚さを有し、
前記化学強化ガラスの表面に形成される圧縮応力層の深さが12μmよりも大きい、遮音壁が提供される。
本発明の一態様によれば、耐火性に優れた遮音壁が提供される。
本発明の一実施形態による遮音壁を示す断面図である。 試験例1〜3において作製した合わせガラスの第1耐火試験を示す図である。 試験例1〜3において作製した合わせガラスの第2耐火試験を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。本明細書において、数値範囲を表す「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
図1は、本発明の一実施形態による遮音壁を示す断面図である。遮音壁10は、車両の通路(例えば道路、線路など)の側縁に沿って配置され、車両の火災時に延焼を抑制する。
遮音壁10は、例えば透明板20と、透明板20の外周部を支持する支持枠30とを有する。車両の乗員は、透明板20を介して周辺の景色を視認できる。支持枠30は、透明でも不透明でもよい。
透明板20は、平板でもよいし湾曲板でもよい。透明板20の厚さは、好ましくは4mm以上である。透明板20がガラス板を含む場合、透明板20の厚さが4mm以上であることで、車両の騒音の外部への伝達が抑制できる。透明板20の厚さは、より好ましくは6mm以上である。透明板20の厚さは、コストや重量の観点から、好ましくは12mm以下である。
透明板20は、例えば図1に示すように、複数のガラス板21、22およびガラス板21、22同士をつなぐ中間膜23で構成される合わせガラスを含む。尚、合わせガラスを構成するガラス板の枚数は、図1では2枚であるが、3枚以上でもよい。この場合、中間膜は2つ以上である。また、透明板20は、合わせガラスではなく、複層ガラスでもよいし、単板のガラスでもよい。
中間膜23は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等で構成されており、ビニル系ポリマー、エチレン‐ビニル系モノマー共重合体、スチレン系共重合体、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂などから選択される一種類以上で構成されていることが好ましい。例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)が典型的である。
中間膜23の厚さが厚いほど、合わせガラスの耐衝撃性が向上するが、合わせガラスのコストが高くなる。中間膜23の厚さが0.76〜3.0mmであると、耐衝撃強度と低コストを両立した合わせガラスが得られる。中間膜23の厚さは、好ましくは1.5〜2.3mmである。
支持枠30は、透明板20の外周部を支持することで、透明板20の変形を抑制する。支持枠30は、透明板20の外周部を収容する溝部31を有する。溝部31の溝幅は透明板20の板厚よりも大きくてよく、支持枠30は緩衝材34を介して透明板20を支持してよい。支持枠30は、アルミニウム若しくは鉄などの金属(合金を含む)、または樹脂で形成される。
透明板20は、化学強化ガラスを含む。例えば、複数のガラス板21、22のうちの少なくとも1つが化学強化ガラスである。複数のガラス板21、22のうちの、一部が未強化ガラスなどでもよいが、全てが化学強化ガラスでもよい。
化学強化ガラスは、化学処理によりガラス表面を強化したものである。化学処理の方法としては、例えばイオン交換法などがある。イオン交換法は、ガラスを処理液(例えば硝酸カリウム溶融塩)に浸漬し、ガラスに含まれるイオン半径の小さなイオン(例えばNaイオン)をイオン半径の大きなイオン(例えばKイオン)に交換することで、ガラス表面に圧縮応力を生じさせる。圧縮応力はガラスの表面全体に生じ、ガラスの表面全体に均一な深さの圧縮応力層が形成される。
ガラス表面の圧縮応力(以下、表面圧縮応力という)の大きさ、ガラス表面に形成される圧縮応力層の深さは、それぞれ、化学処理時間、および化学処理温度により調整できる。例えば、化学処理温度が同じ場合、化学処理時間が長いほど、圧縮応力層の深さが深くなる。また、化学処理温度が同じ場合、化学処理時間が長いほど、最初は表面圧縮応力の大きさが大きくなるが、途中から表面圧縮応力の大きさが小さくなる。従って、圧縮応力層の深さと、表面圧縮応力の大きさとは、一対一で対応しない。
圧縮応力層の深さが12μmよりも大きいことで、車両の火災時に、炎の透明板20の貫通および透明板20の崩落が抑制でき、耐火性に優れた遮音壁10が得られる。ガラス表面には目に見えない傷が付いていることが多く、傷を起点とするガラスの割れを抑制するため、傷の深さよりも深い圧縮応力層が必要であり、圧縮応力層の深さが12μmよりも大きいことが必要である。圧縮応力層の深さは、好ましくは20μm以上、より好ましくは28μm以上である。
透明板20が合わせガラスの場合、複数のガラス板21、22のうちの少なくとも1枚が、圧縮応力層の深さが12μmよりも大きい化学強化ガラスであればよい。炎の透明板20の貫通および透明板20の崩落が抑制でき、耐火性に優れた遮音壁10が得られる。
透明板20が合わせガラスの場合、車両の火災によって通路に面するガラス板が割れ、その破片が落下するまで、残りのガラス板は割れない。例えば図1において、遮音壁10の左側に通路が存在する場合、車両の火災によって左側のガラス板21が割れ、その破片が落下するまで、右側のガラス板22は割れない。また、図1において、遮音壁10の右側に通路が存在する場合、車両の火災によって右側のガラス板22が割れ、その破片が落下するまで、左側のガラス板21は割れない。通路に面するガラス板が割れ、その破片が落下するまで、残りのガラス板は炎に直接曝されないためである。
そこで、透明板20が合わせガラスの場合、複数のガラス板21、22のうちの通路に面するガラス板が、圧縮応力層の深さが12μmよりも大きい化学強化ガラスであることが好ましい。通路に面するガラス板の割れが遅延でき、結果的に、残りのガラス板の割れが遅延できる。
透明板20が合わせガラスの場合、複数のガラス板21、22のうちの全てが、圧縮応力層の深さが12μmよりも大きい化学強化ガラスであることがより好ましい。
一般的に、ガラス板が割れる場合、ガラス板の外周部から割れることが多い。ガラス板の外周部には、ガラス板の加工時やガラス板の搬送時などに傷が付きやすいためである。
支持枠30が透明板20の外周部を支持する場合、透明板20の外周部は支持枠30で覆われるため車両の火災時に炎に直接曝されない。そのため、透明板20の外周部は、透明板20の露出部よりも低温になる。この温度差によって熱応力が生じ、透明板20の外周部の傷が開きやすい。
本実施形態によれば、透明板20の外周部に、傷の深さよりも深い圧縮応力層が形成されている。そのため、透明板20の外周部の傷が開くのを制限することができる。
化学強化ガラスは、酸化物基準のモル百分率表示でSiOを56〜75%、Alを1〜20%、NaOを8〜22%、KOを0〜10%、MgOを0〜14%、ZrOを0〜5%、CaOを0〜10%含有する。以下、各成分について説明するが、%はモル%を意味する。
SiOは、ガラス微細構造の中で網目構造を形成する成分として知られており、ガラスを構成する主要成分である。SiOの含有量は、56%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは63%以上、さらに好ましくは65%以上である。また、SiOの含有量は、75%以下であり、好ましくは73%以下、より好ましくは71%以下である。SiOの含有量が56%以上であるとガラスとしての安定性や耐候性の点で優位である。一方、SiOの含有量が75%以下であると熔解性及び成形性の点で優位である。
Alは化学強化におけるイオン交換性能を向上させる作用があり、特に表面圧縮応力(CS)を向上する作用が大きい。ガラスの耐候性を向上する成分としても知られている。また、フロート成形時にボトム面からの錫の浸入を抑制する作用がある。Alの含有量は、1%以上であり、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。また、Alの含有量は、20%以下であり、好ましくは17%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは7%以下である。Alの含有量が1%以上であると、イオン交換により、所望のCSが得られ、また、錫の浸入を抑制する効果が得られる。一方、Alの含有量が20%以下であると、ガラスの粘性が高い場合でも失透温度が大きくは上昇しないため、ソーダライムガラス生産ラインでの熔解、成形の点で優位である。
SiO及びAlの含有量の合計SiO+Alは80%以下であることが好ましい。80%超では高温でのガラスの粘性が増大し、溶融が困難となるおそれがあり、好ましくは79%以下、より好ましくは78%以下である。また、SiO+Alは70%以上であることが好ましい。70%未満では圧痕が付いた時のクラック耐性が低下し、より好ましくは72%以上である。
NaOはイオン交換により圧縮応力を形成させる必須成分であり、圧縮応力層の深さ(DOL)を深くする作用がある。またガラスの高温粘性と失透温度を下げ、ガラスの熔解性、成形性を向上させる成分である。NaOの含有量は、8%以上であり、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上である。また、NaOの含有量は、22%以下であり、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下である。NaOの含有量が8%以上であると、イオン交換により所望の圧縮応力を形成することができる。一方、NaOの含有量が22%以下であると、充分な耐候性が得られる。
Oは必須ではないが、イオン交換速度を増大しDOLを深くする効果があるため含有してもよい。一方、KOが多くなりすぎると十分なCSが得られなくなる。KOを含有する場合は10%以下が好ましく、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下である。KOの含有量が10%以下であると、充分なCSが得られる。
MgOは必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。MgOの含有量は、2%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは3.6%以上である。また、MgOの含有量は、14%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下である。MgOの含有量が2%以上であると、ガラスの耐薬品性が良好になる。高温での熔解性が良好になり、失透が起こり難くなる。一方、MgOの含有量が14%以下であると、失透の起こりにくさが維持され、充分なイオン交換速度が得られる。
ZrOは必須ではないが、一般に、化学強化での表面圧縮応力を大きくする作用があることが知られている。しかし、少量のZrOを含有してもコスト増加の割には、その効果は大きくない。したがって、コストが許す範囲で任意の割合のZrOを含有することができる。含有する場合は、5%以下であることが好ましい。
CaOは必須ではないが、ガラスを安定化させる成分である。CaOはアルカリイオンの交換を阻害する傾向があるため、特にDOLを大きくしたい場合は含有量を減らす、もしくは含まないことが好ましい。一方、耐薬品性を向上させるためには、2%以上、好ましくは4%以上、より好ましくは6%以上含有することが好ましい。CaOを含有する場合の量は、10%以下であり、好ましくは9%以下、より好ましくは8.2%以下である。CaOの含有量が10%以下であると、充分なイオン交換速度が保たれ、所望のDOLが得られる。
SrOは必須ではないが、ガラスの高温粘性を下げ、失透温度を下げる目的で含有してもよい。SrOはイオン交換効率を低下させる作用があるため、特にDOLを大きくしたい場合は含有しないことが好ましい。含有する場合のSrO量は3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。
BaOは必須ではないが、ガラスの高温粘性を下げ、失透温度を下げる目的で含有してもよい。BaOはガラスの比重を重くする作用があるため、軽量化を意図する場合には含有しないことが好ましい。含有する場合のBaO量は3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。
TiOは天然原料中に多く存在し、黄色の着色源となることが知られている。TiOの含有量は0.3%以下であり、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下である。TiOの含有量が0.3%を超えるとガラスが黄色味を帯びる。
化学強化ガラスは、その他の成分を含有してもよい。その他の成分の含有量の合計は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、典型的には1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
ZnOはガラスの高温での熔融性を向上するために、例えば2%まで含有してもよい。しかし、フロート法で製造する場合には、フロートバスで還元され製品欠点となるので含有しないことが好ましい。
は高温での熔融性またはガラス強度の向上のために、1%未満の範囲で含有してもよい。一般的には、NaOまたはKOのアルカリ成分とBを同時に含有すると揮散が激しくなり、煉瓦を著しく浸食するので、Bは実質的に含有しないことが好ましい。
LiOは歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した圧縮応力を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
[試験例1〜3]
試験例1〜3では、化学処理時間以外同じ条件で、幅700mm、高さ1000mmの合わせガラスを作製した。各合わせガラスは、厚さ4mmのガラス板を2枚と、厚さ2.4mmの中間膜とで構成した。中間膜としては、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)のシートを用いた。同一の合わせガラスを構成する2枚のガラス板は、同一の条件で化学処理した。
化学強化ガラスの表面圧縮応力(CS)および圧縮応力層の深さ(DOL)は、表面応力計FSM−6000(折原製作所製)により測定した。試験例1の化学強化ガラスは、CSが423.4MPaであり、DOLが12μmであった。試験例2の化学強化ガラスは、CSが396.0MPaであり、DOLが20μmであった、試験例3の化学強化ガラスは、CSが390.8MPa、DOLが28μmであった。
化学強化ガラスは、酸化物基準のモル百分率表示でSiOを70.6%、Alを1.1%、NaOを12.8%、KOを0.2%、MgOを6.9%、ZrOを0.1%、CaOを8.3%含有していた。尚、圧縮応力層の厚さはガラス板の厚さに比べて著しく小さく、化学処理の前後でガラス板の組成は略同じである。
合わせガラスは、試験例毎に2枚ずつ用意し、1枚を第1耐火試験に供し、残りの1枚を第2耐火試験に供した。
図2は、試験例1〜3において作製した合わせガラスの第1耐火試験を示す図である。図2において、十字で示す位置はバーナの炎の中心位置を示し、破線で囲む領域はバーナの炎の当たる領域を示す。
第1耐火試験では、合わせガラス120の上辺および下辺をスチールフレーム150で支持し、合わせガラス120の中心部に対してバーナの炎を照射した。バーナとしては、プロパンガスバーナを用いた。バーナのガス噴射口の直径は100mmとし、バーナのガス噴射口と合わせガラス120との間の距離は40cmとし、バーナのガス噴射圧は0.075MPaとした。以下、合わせガラス120を構成する2枚のガラス板のうち、バーナに近い方のガラス板を手前のガラス板と呼び、バーナから遠い方のガラス板を奥のガラス板と呼ぶ。
第1耐火試験では、10分間の炎の照射の間に、合わせガラスを炎が貫通せず、且つ、奥のガラス板が崩落しない場合を「○」、それ以外の場合を「×」とした。第1耐火試験の結果を表1に示す。
Figure 2016075122
試験例2〜3では、圧縮応力層の厚さが12μmよりも大きいため、10分間の炎の照射の間に2枚のガラス板のどちらも破損せず、炎は合わせガラスを貫通しなかった。また、試験例2〜3では、10分間の炎の照射後に放冷による破損の有無を確認したが、炎の照射終了から5分間の間に2枚のガラス板のどちらも破損しなかった。
一方、試験例1では、圧縮応力層の厚さが12μmであるため、先ず、炎の照射開始から2分が経過した時点で、手前のガラス板が、局所的に気化した中間膜に押され、曲げ応力で割れ、一部が脱落した。次いで、炎の照射開始から9分40秒が経過した時点で、奥のガラス板が割れた。
表1から明らかなように、圧縮応力層の深さDOLが12μmよりも大きいことで、良好な耐火性が得られることがわかる。また、表面圧縮応力CSよりも、圧縮応力層の深さDOLの方が耐火性には重要であることがわかる。
図3は、試験例1〜3において作製した合わせガラスの第2耐火試験を示す図である。図3において、十字で示す位置はバーナの炎の中心位置を示し、破線で囲む領域はバーナの炎の当たる領域を示す。
第2耐火試験では、合わせガラス120の上辺、下辺および右辺をスチールフレーム150で支持すると共に、合わせガラス120の左辺をアルミフレーム160で支持した。アルミフレーム160は、合わせガラス120の左辺から20mm以内の部分を収容した。バーナの炎の中心位置は、合わせガラス120の上下方向中央位置であって、合わせガラス120の左辺から右側に70mm離れた位置(つまりアルミフレーム160から右側に50mm離れた位置)とした。
第2耐火試験では、手前のガラス板が割れるまでの時間Tを計測した。第2耐火試験の結果を表2に示す。
Figure 2016075122
試験例1の手前のガラス板は、炎の照射開始から29秒が経過した時点で、アルミフレーム160で覆われた被覆部分から割れた。被覆部分が露出部分よりも低温になり、この温度差によって熱応力が生じ、被覆部分の傷が開いたためと推定された。一方、試験例2の手前のガラス板は、炎の照射開始から2分30秒が経過した時点で、局所的に気化した中間膜に押され、曲げ応力で割れた。同様に、試験例3の手前のガラス板は、炎の照射開始から3分55秒が経過した時点で、局所的に気化した中間膜に押され、曲げ応力で割れた。試験例2および3では、試験例1とは異なり、圧縮応力層の深さが12μmよりも大きいため、ガラス板のアルミフレーム160で覆われた被覆部分の傷が開くことが制限できた。
以上、遮音壁の実施形態などについて説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
10 遮音壁
20 透明板
21 ガラス板
22 ガラス板
23 中間膜
30 支持枠

Claims (6)

  1. 車両の通路の側縁に沿って配置される遮音壁であって、
    化学強化ガラスを含む透明板を有し、
    前記透明板が4mm以上の厚さを有し、
    前記化学強化ガラスの表面に形成される圧縮応力層の深さが12μmよりも大きい、遮音壁。
  2. 前記透明板は、複数のガラス板、および前記ガラス板同士をつなぐ中間膜で構成される合わせガラスを含み、
    前記複数のガラス板のうちの少なくとも1枚が、前記化学強化ガラスである、請求項1に記載の遮音壁。
  3. 前記複数のガラス板のうちの前記通路に面するガラス板が、前記化学強化ガラスである、請求項2に記載の遮音壁。
  4. 前記複数のガラス板のうちの全てが、前記化学強化ガラスである、請求項2または3に記載の遮音壁。
  5. 前記透明板の外周部を支持する支持枠を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮音壁。
  6. 前記化学強化ガラスは、酸化物基準のモル百分率表示でSiOを56〜75%、Alを1〜20%、NaOを8〜22%、KOを0〜10%、MgOを0〜14%、ZrOを0〜5%、CaOを0〜10%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮音壁。
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