JP2016074650A - 痒み予防又は改善剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)ガラクソライド、(2)ジアセチル、(3)スザラール、(4)トランス-2-デカナールから選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、MrgprX1活性を阻害し、MrgprX1を介してカルシウムイオンが細胞内へ流入することを抑制することによる痒み予防又は改善剤。
【選択図】なし
Description
ヒスタミンにより引き起こされるこのような痒みの治療には、抗ヒスタミン剤が広く使用されている。この抗ヒスタミン剤は、蕁麻疹などの急性的な皮膚疾患の治療には有効である。
痒みを認識する知覚神経にはヒスタミン受容体以外にも多くの受容体が存在し、その1つとしてMrgprX1が知られている。このMrgprX1は、クロロキンやウシ副腎髄質ペプチド(8-22)(以下、「BAM(8-22)」ともいう)により活性化される。そして、MrgprX1が活性化されるとC線維などの知覚神経を介して痒みが惹起されること、及びこの痒みに対しては抗ヒスタミン剤は効き目が小さいことが、非特許文献1に記載されている。さらに、ヒトMrgprX1に相当するマウスMrgprA3を欠損したマウスではアトピー性皮膚炎やドライスキンによる慢性的な痒みが惹起されないことが、非特許文献2に記載されている。
また本発明は、カルシウムイオンがMrgprX1を介して細胞内へ流入することを抑制する、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤の提供を課題とする。
さらに本発明は、皮膚の痒みを早期に予防又は改善する、痒み予防又は改善剤の提供を課題とする。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
また本発明は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤に関する。
さらに本発明は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、痒み予防又は改善剤に関する。
また本発明のMrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤は、カルシウムイオンがMrgprX1を介して細胞内へ流入することを抑制することができる。
さらに本発明の痒み予防又は改善剤は、皮膚の痒みを早期に予防又は改善することができる。
MrgprX1は、痒み及び痛みに関与する感覚ニューロンに特異的な受容体であり、侵害刺激を制御することが知られている。具体的には、クロロキンやBAM(8-22)などのアゴニストがMrgprX1に結合すると、MrgprX1は活性化される。MrgprX1が活性化されると、細胞内のカルシウム濃度の制御に関与するイオンチャネルの活性化や小胞体が刺激される。これら一連の過程により、MrgprX1が発現する細胞の細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が誘発され、脱分極が起こり、侵害刺激受容に関与する知覚神経の発火により、痛みや痒みが惹起される。
なお本明細書において「カルシウムイオンがMrgprX1を介して細胞内へ流入する」とは、MrgprX1が活性化されることでイオンチャネルの活性化や小胞体が刺激され、細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇が誘発されることを指す。
また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
さらに本明細書において「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
なお前記化合物はそれぞれ、従来から香料として使用されている、安全性の高い化合物である。ここで、前記化合物の慣用名やIUPAC名等を下記に示す。
式(1)で表される化合物
ガラクソライド(Galaxolide):インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス
1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチルシクロペンタ(γ)-2-ベンゾピラン(1,3,4,6,7,8-Hexahydro-4,6,6,7,8,8-hexamethylcyclopenta(γ)-2-benzopyran)
式(2)で表される化合物
ジアセチル(Diacetyl)
2,3-ブタンジオン(2,3-butanedione)
式(3)で表される化合物
スザラール(Suzaral):高砂香料工業株式会社
シルビアール(Silvial):ジボタン
2-メチル-3-[4-(2-メチルプロピル)フェニル]プロパナール(2-methyl-3-[4-(2-methylpropyl)phenyl]propanal)
式(4)で表される化合物
トランス-2-デカナール(Trans-2-decenal)
デック-2-エナール(Dec-2-enal)
なお、後述の実施例で実証するように、式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、MrgprX1に作用しMrgprX1活性を阻害する。しかし式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、MrgprX1と同じGタンパク質であるヒスタミン受容体H1RやATP受容体には作用しない。ここで、ヒスタミン受容体H1RやATP受容体は、ヒスタミンやATPの産生が誘導される炎症や細胞傷害等による痒みを誘発する受容体である。これに対してMrgprX1は、ドライスキンや、アトピー性皮膚炎等による痒みを誘発する受容体である。したがって、ヒスタミン受容体H1RやATP受容体には作用せず、MrgprX1に作用してMrgprX1活性を阻害する式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、特に、抗ヒスタミン剤の効かない非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み(アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬、ドライスキン、発汗に伴う痒み、デリケートエリア(陰部)における痒み)等の予防又は改善に特に有用である。
その他の化粧料組成物に配合可能な成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、アスコルビン酸及びその誘導体、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)及び殺菌剤(例えば、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、チモール類、塩化ベンザルコニウム等)等が挙げられる。
皮膚外用組成物の形態で使用する場合、前記有効成分の他に、通常の皮膚外用組成物に用いられる成分、例えば界面活性剤、油性物質、高分子化合物、防腐剤、各種の薬効成分、紛体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等を適宜配合できる。
例えば、本発明のMrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、及び痒み予防又は改善剤の総量中、前記有効成分の含有量は0.001質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.001〜10質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。
本発明において前記有効成分の投与量は、J.Neurosci.,2011,31(20),p.7563-7567に記載の方法などの常法に従い、適宜決定することができる。また、前記有効成分の投与又は摂取は、全身への投与又は摂取でもよいし、局所への投与又は摂取でもよい。
<3>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<1>項に記載の痒み予防又は改善剤。
<4>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬、乾燥に伴う痒み(ドライスキン)、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは乾燥に伴う痒み又は発汗に伴う痒み、である、前記<1>又は<3>項に記載の痒み予防又は改善剤。
<5>前記MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の総量中、前記有効成分の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のMrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤。
<7>MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の製造のための、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<8>式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤として使用する方法。
<9>式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を適用する、MrgprX1活性阻害方法、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制方法、又は痒み予防若しくは改善方法。
<10>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<6>〜<9>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<11>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<6>〜<10>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<12>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬、乾燥に伴う痒み(ドライスキン)、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは乾燥に伴う痒み又は発汗に伴う痒み、である、前記<6>〜<11>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<13>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<8>〜<12>のいずれか1項に記載の方法。
<14>皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の痒み、が惹起された条件下、好ましくは乾燥又は発汗条件下、で適用する、前記<8>〜<13>のいずれか1項に記載の方法。
<15>前記化合物を皮膚、好ましくは乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<8>〜<14>のいずれか1項に記載の方法。
<16>前記MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の総量中、前記化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<6>〜<15>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<18>MrgprX1活性阻害薬、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制薬、又は痒み予防若しくは改善薬の製造のための、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<19>MrgprX1活性の阻害、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制、又は痒み予防若しくは改善の非治療的な処置方法のために用いる、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<20>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<17>〜<19>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<21>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<17>〜<20>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<22>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬、乾燥に伴う痒み(ドライスキン)、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは乾燥に伴う痒み又は発汗に伴う痒み、である、前記<17>〜<21>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<23>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<17>〜<22>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<24>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、が惹起された条件下、好ましくは乾燥又は発汗条件下、で適用する、前記<17>〜<23>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<25>前記化合物を皮膚、好ましくは乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<17>〜<24>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<26>前記化合物を医薬組成物又は化粧料組成物の形態で適用する、前記<17>〜<25>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<27>前記化合物を皮膚外用組成物の形態で適用する、前記<26>項に記載の化合物又は使用。
<28>前記化合物を食品、飲料、又は飼料の形態で適用する、前記<17>〜<25>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<29>前記化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<17>〜<28>のいずれか1項に記載の使用。
<31>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<30>項に記載の方法。
<32>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<30>又は<31>項に記載の方法。
<33>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、乾癬、乾燥に伴う痒み(ドライスキン)、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは乾燥に伴う痒み又は発汗に伴う痒み、である、前記<30>〜<32>のいずれか1項に記載の方法。
<34>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<30>〜<33>のいずれか1項に記載の方法。
<35>皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の痒み、が惹起された条件下、好ましくは乾燥又は発汗条件下、で適用する、前記<30>〜<34>のいずれか1項に記載の方法。
<36>前記化合物を皮膚、好ましくは乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は乾燥に伴う痒み若しくは発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<30>〜<35>のいずれか1項に記載の方法。
<37>前記化合物の有効量が、1日あたり、体重1kgあたり、0.0015mg以上、好ましくは0.075mg以上、であり、22.5mg以下、好ましくは2.4mg以下、である、前記<30>〜<36>のいずれか1項に記載の方法。
ヒト神経芽細胞腫SK-N-MC細胞のtotal RNAを逆転写して得られたcDNAを鋳型とし、PrimeSTAR GXL DNA Polymerase(商品名、TaKaRa社製)を用いて、MRGPRX1遺伝子、H1R遺伝子及びP2Y2遺伝子それぞれをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。
PCR条件は、98℃2分→[98℃15秒、68℃1.5分]×30サイクル→68℃2分とした。また、PCRで使用した各種プライマーの塩基配列を下記表1に示す。
試験例1で構築した各受容体遺伝子発現用プラスミドそれぞれを用いて、大腸菌JM109株を形質転換した。そして、NucleBond Xtra Midi EF(商品名、TaKaRa社製)を用いて、受容体遺伝子発現用プラスミドを大量に抽出し、精製した。
接着細胞分散試薬(商品名:Detachin、Genlantis社製)を用いて培養フラスコに接着した細胞を剥がした。そして剥がした細胞を96 well Optical Bottom Plate(商品名、Nunc社製)に1.5×104cells/wellとなるように播種して、さらに24時間培養した。
なおコントロールとして、lacZが挿入されたプラスミド(商品名:pcDNA3.1D/V5-His/lacZ、Life technologies社製)をヒト胎児腎細胞HEK293に導入し、前述の方法と同様の方法により細胞を調製した。
受容体の活性化の指標として、各受容体を強発現させた細胞内へのカルシウムイオンの流入量を、Calcium Kit II-fluo-4(商品名、DOJINDO社製)を用いて測定した。測定操作は、キットのプロトコールに準じて実施した。
カルシウム蛍光指示薬(商品名:fluo-4-AM)を含有したLoading bufferを試験例2で調製した細胞に添加し、37℃で1時間インキュベートした。その後、37℃でFDSS(浜松ホトニクス社製)により蛍光強度を測定した。
測定開始30秒後に、MrgprX1、H1R及びP2Y2のいずれかの受容体を発現している細胞に、表2に示す受容体のアゴニストを添加した。その後、蛍光強度を2秒毎に300秒間測定した。アゴニストを添加する前の蛍光強度に対する相対的な蛍光強度比を、アゴニストを添加する前の蛍光強度を1として算出した。
その結果を図1に示す。なお図1(a)は、MrgprX1が発現している細胞にクロロキンを受容体アゴニストとして添加したときの相対蛍光強度比の変化を示すグラフである。図1(b)は、MrgprX1が発現している細胞にBAM(8-22)を受容体アゴニストとして添加したときの相対蛍光強度比の変化を示すグラフである。図1(c)は、H1Rが発現している細胞にヒスタミンを受容体アゴニストとして添加したときの相対蛍光強度比の変化を示すグラフである。図1(d)は、P2Y2が発現している細胞にATPを受容体アゴニストとして添加したときの相対蛍光強度比の変化を示すグラフである。
なお、コントロールとしてlacZが挿入されたプラスミド(商品名:pcDNA3.1D/V5-His/lacZ)を導入した場合、蛍光強度の変化は検出されなかった。
前記試験例3において、MrgprX1のアゴニストとしてBAM(8-22)を添加したとき、MrgprX1活性がEC50付近となるBAM(8-22)の終濃度は0.5μMであった。
そこで、MrgprX1が発現している細胞に、カルシウム蛍光指示薬(商品名:fluo-4-AM)を含有したLoading bufferと、終濃度が0.5μMとなるようにBAM(8-22)を添加した。ここへさらに各種素材を添加し、試験例3と同様に相対蛍光強度比を測定した。そして、測定した相対蛍光強度比に基づいてMrgprX1活性阻害剤の探索を行った。
なお式(1)〜(4)で表される化合物は、従来から香料として使用されている。一方、式(1)〜(4)で表される化合物と同様に従来から香料として使用されているMusk ketone(1-(4-tert-butyl-2,6-dimethyl-3,5-dinitrophenyl)ethanone)のMrgprX1活性阻害率は、11.8%であった。
MrgprX1が発現している細胞、H1Rが発現している細胞、及びP2Y2が発現している細胞にカルシウム蛍光指示薬(商品名:fluo-4-AM)を含有したLoading bufferを添加した。ここに、各受容体のアゴニストのBAM(8-22)、ヒスタミン、又はATPと式(1)〜(4)で表される各化合物の混合溶液を添加した。なお、各受容体のアゴニストの添加量は、試験例4の結果から各受容体の活性がEC50付近となるように適宜設定した。また式(1)〜(4)で表される化合物の添加量は、終濃度が0〜0.01%となるように設定した。
そして、前記混合溶液添加後、300秒間蛍光強度の測定を行い、相対蛍光強度比の最大値を測定した。さらに化合物濃度が0%の時の最大相対蛍光強度比の値を1.0とし、各受容体活性を算出した。その結果を図2に示す。
以上の結果から、式(1)〜(4)で表される化合物は、Gタンパク質共役受容体のうちMrgprX1に特異的に作用し、MrgprX1活性を阻害することが確認された。
J.Neurosci.,2011,31(20),p.7563-7567(非特許文献1)に記載の方法を参考に、BAM(8-22)の塗布による痒み誘導試験、及び痒みの予防又は改善試験を行った。
これらの結果を図3(a)に示す。
これに対し、図3(b)に示すように、式(1)で表される化合物に代えて、MrgprX1活性を阻害する作用を有さないMusk ketoneを塗布しても、痒み総スコアに顕著な低下は見られず、BAM(8-22)の塗布により誘導された痒みは緩和されなかった。
下記表3に示す組成のボディローション(Galaxolide(G)及びPlacebo(P))を調製し、
ミストスプレーボトル(1プッシュ当たりの吐出量:0.1mL)に入れて提供した。
そして次週(月〜金曜日、Week2)に、被験品を使用する下肢の左右を変えて、被験品のボディローションを使用する試験を同様に行った。
なおボディローションは、朝の起床後及び夜の入浴後(入浴をしなかった場合は就寝前)の1日2回の他、日中、乾燥やかゆみが気になった際に適宜使用した。1日あたりのボディローションの使用量は、それぞれ3.0mLを上限とした。また、痒みの予防又は改善試験は二重盲検試験とし、被験品はボトル詰の段階で符号化され、被験者及びデータ解析者には被験品の中身を通知しなかった。
被験品のボディローションを使用している期間中、痒みの程度(主観評価)を毎晩記録した。「1日に感じた痒みの程度の平均」について、痒み強度(10cmVAS、左端(0):痒みを何も感じない、右端(10):非常に強い痒み感じる)と、痒みスコア(0:痒みなし、1:わずかな痒み、2:弱い痒み、3:中程度の痒み、4:強い痒み、5:とても強い痒み)とで評価した。その結果を表5に示す。
被験品のボディローションを使用している期間中、肌の乾燥の程度のスコア(主観評価)を毎晩記録した(0:乾燥を感じない、1:わずかな乾燥を感じた、2:少し乾燥を感じた、3:中程度の乾燥を感じた、4:強く乾燥を感じた、5:とても強い乾燥を感じた)。
その結果、試験期間中に感じた乾燥の程度のスコア平均値は、Placebo側が2.80、Galaxolide側が2.85となり、肌の乾燥の程度は左右で変化は無かった。
夏季に1回/日以上、体幹において発汗による痒みを感じる女性1名を対象に、下記に示すスケジュールで痒みの予防又は改善試験を冬季に実施した。
そして次週(月〜金曜日)に、Galaxolide(G)ボディローションを同様に使用した。
なおボディローションは、朝の出勤前、日中の勤務中、及び夕方退勤時、の1日3回使用した。1日あたりのボディローションの使用量は、それぞれ2.0mLを上限とした。また、痒みの予防又は改善試験は、試験例7と同様二重盲検試験とした。
試験例7と同様の評価基準で、被験品のボディローションを使用している期間中、「1日に感じた痒みの程度の平均」について、痒み強度と痒みスコアとで評価した。その結果を表7に示す。
被験品のボディローションを使用している期間中、発汗の程度のスコア(主観評価)を毎晩記録した(0:発汗なし、1:わずかに発汗した、2:少し発汗した、3:中程度発汗した、4:強く発汗した、5:とても強く発汗した)。
その結果、試験期間中に感じた発汗の程度のスコア平均値は、Placeboを使用した週で1.4、Galaxolideを使用した週で1.6となり、Galaxolideを使用した週の方が発汗量は多い傾向にあった。すなわち、Galaxolideを使用した場合、発汗量が多いにも拘らず、発汗により生じる痒みが緩和されていた。
さらに、上記実施例の結果は、MrgprX1活性を阻害する作用を有する、本発明で規定する化合物は、乾燥に伴う痒みや発汗に伴う痒みなどの非ヒスタミン依存性の慢性的な痒みに対して、予防又は改善する効果を有することを示している。
なお、後述の実施例で実証するように、式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、MrgprX1に作用しMrgprX1活性を阻害する。しかし式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、MrgprX1と同じGタンパク質であるヒスタミン受容体H1RやATP受容体には作用しない。ここで、ヒスタミン受容体H1RやATP受容体は、ヒスタミンやATPの産生が誘導される炎症や細胞傷害等による痒みを誘発する受容体である。これに対してMrgprX1は、アトピー性皮膚炎等による痒みを誘発する受容体である。したがって、ヒスタミン受容体H1RやATP受容体には作用せず、MrgprX1に作用してMrgprX1活性を阻害する式(1)〜(4)それぞれで表される化合物は、特に、抗ヒスタミン剤の効かない非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み(アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、発汗に伴う痒み、デリケートエリア(陰部)における痒み)等の予防又は改善に特に有用である。
<3>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<1>項に記載の痒み予防又は改善剤。
<4>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは発汗に伴う痒み、である、前記<1>又は<3>項に記載の痒み予防又は改善剤。
<5>前記MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の総量中、前記有効成分の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のMrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤。
<7>MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の製造のための、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<8>式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤として使用する方法。
<9>式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を適用する、MrgprX1活性阻害方法、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制方法、又は痒み予防若しくは改善方法。
<10>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<6>〜<9>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<11>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<6>〜<10>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<12>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは発汗に伴う痒み、である、前記<6>〜<11>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<13>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<8>〜<12>のいずれか1項に記載の方法。
<14>皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の痒み、が惹起された条件下、好ましくは発汗条件下、で適用する、前記<8>〜<13>のいずれか1項に記載の方法。
<15>前記化合物を皮膚、好ましくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<8>〜<14>のいずれか1項に記載の方法。
<16>前記MrgprX1活性阻害剤、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤、又は痒み予防若しくは改善剤の総量中、前記化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<6>〜<15>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<18>MrgprX1活性阻害薬、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制薬、又は痒み予防若しくは改善薬の製造のための、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<19>MrgprX1活性の阻害、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制、又は痒み予防若しくは改善の非治療的な処置方法のために用いる、式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物、式(3)で表される化合物、及び式(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の使用。
<20>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<17>〜<19>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<21>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<17>〜<20>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<22>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは発汗に伴う痒み、である、前記<17>〜<21>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<23>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<17>〜<22>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<24>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、が惹起された条件下、好ましくは発汗条件下、で適用する、前記<17>〜<23>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<25>前記化合物を皮膚、好ましくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<17>〜<24>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<26>前記化合物を医薬組成物又は化粧料組成物の形態で適用する、前記<17>〜<25>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<27>前記化合物を皮膚外用組成物の形態で適用する、前記<26>項に記載の化合物又は使用。
<28>前記化合物を食品、飲料、又は飼料の形態で適用する、前記<17>〜<25>のいずれか1項に記載の化合物又は使用。
<29>前記化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、10質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、である、前記<17>〜<28>のいずれか1項に記載の使用。
<31>前記MrgprX1が、ヒト由来のMrgprX1である、前記<30>項に記載の方法。
<32>MrgprX1活性を阻害することで痒みを予防又は改善する、前記<30>又は<31>項に記載の方法。
<33>前記痒みが、非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、好ましくはアトピー性皮膚炎、老人性掻痒症、接触皮膚炎、痒疹、発汗に伴う痒み、又はデリケートエリアにおける痒み、より好ましくは発汗に伴う痒み、である、前記<30>〜<32>のいずれか1項に記載の方法。
<34>前記化合物を皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の慢性的な痒み、の抑制を所望するヒトに適用する、前記<30>〜<33>のいずれか1項に記載の方法。
<35>皮膚の痒み、好ましくは皮膚の非ヒスタミン依存性の痒み、が惹起された条件下、好ましくは発汗条件下、で適用する、前記<30>〜<34>のいずれか1項に記載の方法。
<36>前記化合物を皮膚、好ましくは発汗に伴う痒みが生じている皮膚、又は発汗に伴う痒みが生じやすい皮膚、に適用する、前記<30>〜<35>のいずれか1項に記載の方法。
<37>前記化合物の有効量が、1日あたり、体重1kgあたり、0.0015mg以上、好ましくは0.075mg以上、であり、22.5mg以下、好ましくは2.4mg以下、である、前記<30>〜<36>のいずれか1項に記載の方法。
下記表3に示す組成のボディローション(Galaxolide(G)及びPlacebo(P))を調製し、
ミストスプレーボトル(1プッシュ当たりの吐出量:0.1mL)に入れて提供した。
そして次週(月〜金曜日)に、Galaxolide(G)ボディローションを同様に使用した。
なおボディローションは、朝の出勤前、日中の勤務中、及び夕方退勤時、の1日3回使用した。1日あたりのボディローションの使用量は、それぞれ2.0mLを上限とした。また、痒みの予防又は改善試験は二重盲検試験とし、被験品はボトル詰の段階で符号化され、被験者及びデータ解析者には被験品の中身を通知しなかった。
被験品のボディローションを使用している期間中、痒みの程度(主観評価)を毎晩記録した。「1日に感じた痒みの程度の平均」について、痒み強度(10cmVAS、左端(0):痒みを何も感じない、右端(10):非常に強い痒み感じる)と、痒みスコア(0:痒みなし、1:わずかな痒み、2:弱い痒み、3:中程度の痒み、4:強い痒み、5:とても強い痒み)とで評価した。その結果を表5に示す。
さらに、上記実施例の結果は、MrgprX1活性を阻害する作用を有する、本発明で規定する化合物は、発汗に伴う痒みなどの非ヒスタミン依存性の慢性的な痒みに対して、予防又は改善する効果を有することを示している。
Claims (5)
- 式(1)で表される化合物、
式(2)で表される化合物、
式(3)で表される化合物、及び
式(4)で表される化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、MrgprX1活性阻害剤。
- 式(1)で表される化合物、
式(2)で表される化合物、
式(3)で表される化合物、及び
式(4)で表される化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、MrgprX1を介したカルシウムイオンの細胞内への流入の抑制剤。
- 式(1)で表される化合物、
式(2)で表される化合物、
式(3)で表される化合物、及び
式(4)で表される化合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、痒み予防又は改善剤。
- 前記痒みが乾燥に伴う痒みである、請求項3に記載の痒み予防又は改善剤。
- 前記痒みが発汗に伴う痒みである、請求項3に記載の痒み予防又は改善剤。
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