実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
また、本明細書等において、「AとBとを分離する」とは、AからBを剥離してもよいし、BからAを剥離してもよい。また、剥離以外の方法を用いてAとBとを分離してもよい。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の剥離方法について図面を用いて説明する。
本発明の一態様は、第1の基板上に剥離層を形成する第1の工程、剥離層上に被剥離層を形成する第2の工程、剥離層及び被剥離層に接着層を重ねて、該接着層を硬化する第3の工程、剥離層及び接着層と重なる被剥離層の一部を除去し、剥離の起点を形成する第4の工程、及び、第1の基板と被剥離層とを分離する第5の工程を有し、第5の工程で第1の基板と被剥離層とを分離する力は、第4の工程の後に第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力以上であり、第4の工程の後に第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力は、被剥離層と第3の工程で硬化した接着層との間で界面破壊を生じさせるために要する力よりも小さい、剥離方法である。
分離開始から分離終了まで、該界面破壊を生じさせるために要する力よりも小さい力で、第1の基板と被剥離層とを分離可能であると、剥離の歩留まりが特に高くなり、好ましい。ただし、本発明の一態様において、第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力は、分離開始から分離終了までのどこかのタイミングで、被剥離層と第3の工程で硬化した接着層との間で界面破壊を生じさせるために要する力よりも大きいことがあってもよい。
本発明の一態様の剥離方法では、被剥離層と接着層との間で界面破壊を生じさせるために大きな力が必要となるよう、第3の工程で接着層を硬化し、被剥離層と接着層の密着性を十分に高める。次に、第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力が小さくなるよう、第4の工程で剥離の起点を形成する。これにより、第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力を、被剥離層と接着層との間で界面破壊を生じさせるために要する力よりも小さくすることができる。そして、第5の工程で、第1の基板と被剥離層とを分離することで、歩留まり高く剥離を行うことができる。
なお、本明細書等において、AとBとの間で界面破壊が生じる、とは、AとBとの間の界面の少なくとも一部分で破壊が生じればよく、AとBとの間の界面全体で破壊が生じてもよい。界面破壊は、接着破壊ともいわれ、接着層と被接着層の境界面の少なくとも一部が破壊することをいう。
本発明の一態様において、被剥離層と第3の工程で硬化した接着層との間で界面破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上(0.056N/10mm以上とも記すことができる)であることが好ましい。
本発明の一態様において、第3の工程で硬化した接着層の凝集破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上であることが好ましい。
なお、本明細書等において、Aの凝集破壊が生じる、とは、Aの少なくとも一部分で破壊が生じればよい。凝集破壊とは、硬化した接着層の少なくとも一部が破壊することをいう。
または、上記方法において、第4の工程の後に第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力は、0.10N/25mm以下であることが好ましい。本発明の一態様では、第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力は、分離開始から分離終了までのどこかのタイミングで、0.10N/25mm以下であればよく、第1の基板と被剥離層とを分離するために0.10N/25mmより大きい力を要する部分を有していてもよい。
または、上記方法において、第5の工程で第1の基板と被剥離層とを分離する力は、0.10N/25mm以下であることが好ましい。本発明の一態様では、第1の基板と被剥離層とを分離する力は、分離開始から分離終了までのどこかのタイミングで、0.10N/25mm以下であればよく、0.10N/25mmより大きい力で第1の基板と被剥離層とを分離してもよい。
本発明の一態様の剥離方法における、第1の基板と被剥離層とを分離するために要する力の評価方法の一例を、図6(A)を用いて説明する。
以下では、第1の基板から被剥離層を剥離するために要する力の評価方法を示す。評価には、図6(A)に示すような治具を用いることができる。図6(A)に示す治具は、複数のガイドローラ154と、サポートローラ153を有する。
まず、第1の基板155上に剥離層156を形成する第1の工程、剥離層156上に被剥離層(図示しない)を形成する第2の工程、剥離層156及び被剥離層に接着層(図示しない)を重ねて、接着層を硬化する第3の工程、剥離層156及び接着層と重なる被剥離層の一部を除去し、剥離の起点(図示しない)を形成する第4の工程を行う。その後、以下の評価を行う。
予め第1の基板155上に形成された被剥離層を含む層150(被剥離層や接着層)にテープ151を貼り付け、端部を一部剥離しておく。次に、テープ151をサポートローラ153に引っ掛けるように第1の基板155を治具に取り付け、テープ151及び被剥離層を含む層150が第1の基板155に対して垂直方向になるようにする。ここで、テープ151を第1の基板155に対して垂直方向に引っ張り(速度20mm/min)、被剥離層を含む層150を第1の基板155から剥離する際に、垂直方向に引っ張る力を測定することで、剥離に要する力を測定することができる。
ここで、剥離が進行している間、剥離層156が露出した状態で第1の基板155がガイドローラ154に沿ってその面方向に走行する。サポートローラ153及びガイドローラ154は、被剥離層を含む層150及び第1の基板155の走行中の摩擦の影響を無くすために回転可能に設けられている。
試験方法は、日本工業規格(JIS)の規格番号JIS Z0237に準拠する粘着テープ・粘着シート試験方法を参考にすることができる。上記試験を行うことができる各種試験機を用いて評価を行うことができる。試料の寸法は、例えば、126mm×25mmとすることができる。
以下では、本発明の一態様の剥離方法を2つ例示する。剥離方法1は、剥離工程を1回有し、剥離方法2は、剥離工程を2回有する。
<剥離方法1>
はじめに、作製基板101上に剥離層103を形成し、剥離層103上に被剥離層105を形成する(図1(A))。ここでは、島状の剥離層を形成する例を示したがこれに限られない。また、被剥離層105を島状に形成してもよい。この工程では、作製基板101と被剥離層105とを分離する際に、作製基板101と剥離層103の界面、剥離層103と被剥離層105の界面、又は剥離層103中で分離が生じるような材料を選択する。本実施の形態では、被剥離層105と剥離層103の界面で分離が生じる場合を例示するが、剥離層103や被剥離層105に用いる材料の組み合わせによってはこれに限られない。
作製基板101には、少なくとも作製行程中の処理温度に耐えうる耐熱性を有する基板を用いる。作製基板101としては、例えばガラス基板、石英基板、サファイア基板、半導体基板、セラミック基板、金属基板、樹脂基板、プラスチック基板などを用いることができる。
なお、量産性を向上させるため、作製基板101として大型のガラス基板を用いることが好ましい。例えば、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、または620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、または730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板、又はこれよりも大型のガラス基板を用いることができる。
作製基板101にガラス基板を用いる場合、作製基板101と剥離層103との間に、下地膜として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラス基板からの汚染を防止でき、好ましい。
剥離層103は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む合金材料、又は該元素を含む化合物材料等を用いて形成できる。シリコンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。また、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、In−Ga−Zn酸化物等の金属酸化物を用いてもよい。剥離層103に、タングステン、チタン、モリブデンなどの高融点金属材料を用いると、被剥離層105の形成工程の自由度が高まるため好ましい。
剥離層103は、例えばスパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法(スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法等を含む)、印刷法等により形成できる。剥離層103の厚さは例えば1nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下とする。
剥離層103が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
また、剥離層103として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(N2O)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層103の表面状態を変えることで、剥離層103と後に形成される絶縁層との密着性を制御することが可能である。
なお、作製基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。例えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル等の有機樹脂を形成する。次に、レーザ照射や加熱処理を行うことで、作製基板と有機樹脂の密着性を向上させる。そして、有機樹脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成する。その後、先のレーザ照射よりも高いエネルギー密度でレーザ照射を行う、又は、先の加熱処理よりも高い温度で加熱処理を行うことで、作製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。また、剥離の際には、作製基板と有機樹脂の界面に液体を浸透させて分離してもよい。
当該方法では、耐熱性の低い有機樹脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成するため、作製工程で基板に高温をかけることが難しい。ここで、酸化物半導体を用いたトランジスタは、高温の作製工程が必須でないため、有機樹脂上に好適に形成することができる。
なお、該有機樹脂を、装置を構成する基板として用いてもよいし、該有機樹脂を除去し、被剥離層の露出した面に接着剤を用いて別の基板を貼り合わせてもよい。
または、作製基板と有機樹脂の間に金属層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層を加熱し、金属層と有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
被剥離層105として形成する層に特に限定は無い。本実施の形態では、被剥離層105として、剥離層103上に接する絶縁層を作製する。さらに、絶縁層上に機能素子を作製してもよい。
剥離層103上の絶縁層は、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等を用いて、単層又は多層で形成することが好ましい。
該絶縁層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400℃以下として形成することで、緻密で非常に防湿性の高い膜とすることができる。なお、絶縁層の厚さは10nm以上3000nm以下、さらには200nm以上1500nm以下が好ましい。
次に、被剥離層105と基板109とを、接着層107を用いて貼り合わせ、接着層107を硬化させる(図1(B))。図1(B)は図1(C)における一点鎖線A1−A2間の断面図に相当する。なお、図1(C)は、基板109(図示しない)側から見た平面図である。
ここで、図2(A)の断面図に示す点線で囲った領域のように、剥離層103と重ならずに、作製基板101及び基板109が接着層107によって貼り合わされてしまうと、作製基板101と基板109の密着性(または、接着層111と接する、作製基板101上の層及び基板109上の層の密着性)の程度により、後の剥離工程の歩留まりが低下する場合がある。なお、図2(A)には、基板109側から見た平面図と、該平面図における一点鎖線B1−B2間の断面図を示す(平面図にて基板109は図示しない)。
一方で、被剥離層105と接着層107との間で界面破壊が生じやすい、又は接着層107の凝集破壊が生じやすい状態であると、作製基板101と被剥離層105とを所望の界面で剥離することが困難になる場合がある。そのため、被剥離層105と接着層107との密着性は十分に高くする必要がある。そして、接着層107は十分に硬化させる必要がある。
本発明の一態様では、剥離層103が設けられていない側の基板109が刃物等で切断できる場合、基板109、接着層107、及び被剥離層105に切り込みを入れることができる(図2(B)の矢印P2参照)。例えば、カッターなどの鋭利な刃物で切り込みを入れることができる。なお、図2(B)には、基板109側から見た平面図と、該平面図における一点鎖線B3−B4間の断面図を示す(平面図にて基板109は図示しない)。ここでは、接着層107と剥離層103とが重なる領域に枠状に切り込みを入れることで、実線状に剥離の起点を形成する例を示す。この方法によれば、作製基板101と基板109の密着性が高くても、剥離層103と被剥離層105とを剥離しやすい状態にして剥離を行うことができる(図2(C))ため、剥離工程の歩留まりの低下を抑制できる。
または、本発明の一態様では、接着層107は、剥離層103及び被剥離層105と重なるように配置する。そして、図1(C)に示すように、接着層107の端部は、剥離層103の端部よりも外側に位置しないことが好ましい。言い換えると、接着層107は剥離層103の内側に位置する、もしくは、接着層107の端部と剥離層103の端部とが重なることが好ましい。
接着層107には、例えば、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型の接着剤等を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、大気中の水分の侵入による機能素子の劣化を抑制でき、装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂にレベリング剤又は界面活性剤を含んでいてもよい。
上記樹脂にレベリング剤又は界面活性剤を添加することで、樹脂の表面張力を下げ、樹脂の濡れ性を向上させることができる。濡れ性が高いほど、樹脂を均一に塗布することができる。これにより、一対の基板を貼り合わせる際に気泡が混入することを抑制でき、接着層の凝集破壊や、接着層と被接着層との間での界面破壊が生じにくい構成とすることができる。また、発光装置や表示装置における表示不良を抑制することもできる。
レベリング剤又は界面活性剤としては、被剥離層に含まれる素子等に悪影響を及ぼさない材料を用いる。例えば、エポキシ樹脂に0.2wt%のシリコーン系レベリング剤を添加した材料を用いてもよい。
接着剤としては、所望の領域にのみ配置できる程度に流動性の低い材料を用いることが好ましい。剥離層103の外側に接着層107が広がること、さらには、剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。そして、剥離工程の歩留まりを向上させることができる。また、接着層に流動性の低い材料を用いると、所望の領域からはみ出した材料の無駄や、ふき取りの手間などを削減できる。したがって、材料のコストや装置の作製に要する時間を低減でき、好ましい。例えば、接着シート、粘着シート、シート状もしくはフィルム状の接着剤を用いてもよい。例えば、OCA(optical clear adhesive)フィルムを好適に用いることができる。
なお、被剥離層105と基板109の貼り合わせは減圧雰囲気下で行うことが好ましい。
接着剤は、貼り合わせ前から粘着性を有していてもよく、貼り合わせ後に加熱や光照射によって粘着性を発現してもよい。
また、接着剤として、水や溶媒に可溶なものや、紫外線などの照射により可塑化させることが可能であるもののように、必要時に基板109と被剥離層105とを化学的もしくは物理的に分離することが可能な接着剤を用いてもよい。例えば、水溶性樹脂を用いたシート状の接着剤を適用してもよい。
また、本発明の一態様では、シート状の接着剤と基板が積層された粘着フィルム、接着フィルム等を用いてもよい。
基板109としては、作製基板101に用いることができる各種基板を適用できる。また、フィルム等のような可撓性基板を用いてもよい。
また、接着層107を囲う枠状の接着層を設けてもよい。枠状の接着層を設けることで、剥離層103の外側に接着層107が広がること、さらには、剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。枠状の接着層を用いる例は、剥離方法2にて詳述する。
また、図2(D)に示すように、接着層107の外側に、樹脂層113を設けてもよい。図2(D)には、基板109側から見た平面図と、該平面図における一点鎖線C1−C2間の断面図を示す(平面図にて基板109は図示しない)。樹脂層113を設けることで、作製工程中の発光装置を大気雰囲気に露出しても、被剥離層105に水分等の不純物が混入することを抑制できる。
樹脂層113には、接着層107に用いることができる材料と同様の材料を用いることができる。
樹脂層113は、硬化状態であると、作製基板101と基板109の密着性の程度により、後の剥離工程の歩留まりが低下する場合がある。したがって、樹脂層113の少なくとも一部を、半硬化状態又は未硬化状態とすることが好ましい。樹脂層113に粘度の高い材料を用いることで、半硬化状態又は未硬化状態であっても、大気中の水分等の不純物が被剥離層105に混入することを抑制する効果を高めることができる。
また、例えば、樹脂層113として、光硬化樹脂を用い、一部に光を照射することで、樹脂層113の一部を硬化状態としてもよい。一部を硬化状態とすることで、工程中に、減圧雰囲気から大気圧雰囲気に移動した場合でも、作製基板101及び基板109の間隔及び位置を一定に保つことができ、好ましい。
接着層107の硬化時間が短いほど、装置の作製のタクトが短くなり好ましい。例えば、接着層107に熱硬化樹脂を用いる際、加熱温度を高くすることで、硬化時間を短くできるが、樹脂中で気泡が大量に発生してしまい、装置の歩留まりが低下する場合がある。そこで、本発明の一態様では、加圧しながら加熱する。これにより、加熱温度を高くしても気泡の発生を抑制することができる。例えば、加圧脱泡機(オートクレーブなど)を用いて樹脂を硬化することができる。
例えば、40℃で硬化するには約12時間の加熱が必要な樹脂について、加圧することなく80℃で1時間加熱すると気泡が発生するが、0.5MPaで80℃、1時間加熱することで、気泡の発生を抑制し、短時間で樹脂を硬化することができる。加熱と加圧を同時に行うことで、貼り合わせた際に生じる気泡を樹脂内に溶かし込むことができる。また、加熱及び加圧の前に生じていた気泡も除去することが可能である。なお、加熱後、大気圧下、室温で保存しても、気泡は発生しない。
加圧しながら加熱することで接着層を硬化させる工程は、接着層107を硬化する工程以外にも適用することができる。
次に、レーザ光の照射により、剥離の起点を形成する(図1(B)、(D))。
レーザ光は、硬化状態の接着層107と、被剥離層105と、剥離層103とが重なる領域に対して照射する(図1(B)の矢印P1参照)。レーザ光は、どちらの基板側から照射してもよいが、散乱した光が機能素子等に照射されることを抑制するため、剥離層103が設けられた作製基板101側から照射することが好ましい。なお、レーザ光を照射する側の基板は、該レーザ光を透過する材料を用いる。
被剥離層105に含まれる、剥離層103と接する層にクラックを入れる(膜割れやひびを生じさせる)ことで、剥離の起点を形成できる(図1(D)の点線で囲った領域参照。ここでは被剥離層105を構成する各層の一部を除去する例を示す。)。このとき、被剥離層だけでなく、剥離層103、接着層107の一部を除去してもよい。レーザ光の照射によって、被剥離層105、剥離層103、又は接着層107に含まれる膜の一部を溶解、蒸発、又は熱的に破壊することができる。
剥離工程時、剥離の起点に、被剥離層105と剥離層103を引き離す力が集中することが好ましいため、硬化状態の接着層107の中央部よりも端部近傍に剥離の起点を形成することが好ましい。特に、端部近傍の中でも、辺部近傍に比べて、角部近傍に剥離の起点を形成することが好ましい。接着層107と重ならない位置に剥離の起点を形成する場合、剥離層103と被剥離層105とを確実に分離するため、剥離の起点の形成位置は、接着層107からの距離が近いほど好ましく、具体的には、接着層107の端部からの距離が1mm以内に剥離の起点を形成することが好ましい。
剥離の起点を形成するために用いるレーザには特に限定はない。例えば、連続発振型のレーザやパルス発振型のレーザを用いることができる。レーザ光の照射条件(周波数、パワー密度、エネルギー密度、ビームプロファイル等)は、作製基板101や剥離層103の厚さ、材料等を考慮して適宜制御する。
レーザ光を用いることで、剥離の起点を形成するために基板の切断等をする必要がなく、ゴミ等の発生を抑制でき、好ましい。また、剥離の起点の形成にかかる時間を短縮することができる。また、作製基板101の表面に残るゴミを低減できるため、作製基板101の再利用が容易となる。また、カッター等の鋭利な刃物の摩耗がないため、コストが抑制できる、量産に適用しやすい、といった利点がある。また、いずれかの基板の端部を引っ張ることで剥離を開始できるため、量産化に応用しやすい。
そして、形成した剥離の起点から、被剥離層105と作製基板101とを分離する(図1(E)、(F))。これにより、被剥離層105を作製基板101から基板109に転置することができる。このとき、一方の基板を吸着ステージ等に固定することが好ましい。例えば、作製基板101を吸着ステージに固定し、作製基板101から被剥離層105を剥離してもよい。また、基板109を吸着ステージに固定し、基板109から作製基板101を剥離してもよい。
例えば、剥離の起点から、物理的な力(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離する処理等)によって被剥離層105と作製基板101とを分離すればよい。
また、剥離層103と被剥離層105との界面に水などの液体を浸透させて作製基板101と被剥離層105とを分離してもよい。毛細管現象により液体が剥離層103と被剥離層105の間にしみこむことで、容易に分離することができる。また、剥離時に生じる静電気が、被剥離層105に含まれる機能素子に悪影響を及ぼすこと(半導体素子が静電気により破壊されるなど)を抑制できる。なお、液体を霧状又は蒸気にして吹き付けてもよい。液体としては、純水や有機溶剤などを用いることができ、中性、アルカリ性、もしくは酸性の水溶液や、塩が溶けている水溶液などを用いてもよい。
事前の工程で、被剥離層105と接着層107とを十分に密着させていない場合、被剥離層105と接着層107との間で界面破壊が生じてしまう場合がある。図6(B)に、被剥離層105と接着層107との間で界面破壊が生じる例を示す。剥離の起点を設けていても、作製基板101と被剥離層105とを分離するために要する力が、該界面破壊を生じさせるために要する力よりも大きい場合には、図6(B)に示すように、作製基板101と被剥離層105とが分離されず、不良となる場合がある。
同様に、事前の工程で、基板109と接着層107とを十分に密着させていない場合、基板109と接着層107との間で界面破壊が生じてしまう場合がある。図6(C)に、基板109と接着層107との間で界面破壊が生じる例を示す。
または、事前の工程で、接着層107を十分に硬化させていない場合、接着層107の凝集破壊が生じてしまう場合がある。図6(D)に、接着層107が凝集破壊する例を示す。
本発明の一態様では、被剥離層105と接着層107との間、又は、基板109と接着層107との間で界面破壊を生じさせるために大きな力が必要となるよう、接着層を硬化し、接着層と被接着層との密着性を十分に高める。この接着層107の硬化は、接着層107の凝集破壊を生じさせるために要する力を大きくする効果も奏する。
さらに、本発明の一態様では、作製基板101と被剥離層105とを分離するために要する力が小さくなるよう、剥離の起点を形成する。これにより、作製基板101と被剥離層105とを分離するために要する力を、該界面破壊や該凝集破壊を生じさせるために要する力よりも小さくすることができる。そして、作製基板101と被剥離層105とを分離するために要する力で(それよりも大きな力でもよい。)、作製基板101と被剥離層105とを分離することで、歩留まり高く剥離を行うことができる。
なお、剥離後に、基板109上に残った、被剥離層105と基板109との接着に寄与していない接着層107、又は樹脂層113等を除去してもよい。除去することで、後の工程で機能素子に悪影響を及ぼすこと(不純物の混入など)を抑制でき好ましい。例えば、ふき取り、洗浄等によって、不要な樹脂を除去することができる。なお、剥離の起点よりも外側に形成された接着層107は、作製基板101又は基板109の少なくとも一方に残存することになる。図1(E)、(F)では双方の側に残存する例を示すがこれに限られない。
例えば、剥離層103がタングステン膜と酸化タングステン膜との積層構造である場合、タングステン膜と酸化タングステン膜との界面(又は界面近傍)で剥離が生じることで、被剥離層105側に剥離層103の一部(ここでは酸化タングステン膜)が残ってもよい。また被剥離層105側に残った剥離層103は、その後除去してもよい。
<剥離方法2>
まず、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に被剥離層205を形成する(図3(A))。また、作製基板221上に剥離層223を形成し、剥離層223上に被剥離層225を形成する(図3(B))。
次に、作製基板201と作製基板221とを、それぞれの被剥離層が形成された面が対向するように、接着層207及び枠状の接着層211を用いて貼り合わせ、接着層207を硬化させる(図3(C))。
枠状の接着層211は、接着層207が剥離層203又は剥離層223の外側に流れることをせき止められれば、硬化状態、半硬化状態、未硬化状態のいずれであってもよい。枠状の接着層211が硬化状態である場合、後述する剥離の起点を枠状の接着層211と重なる領域に形成することが好ましい。これにより、剥離後に、枠状の接着層211を、接着層207とともに被剥離層を封止する層として用いることができ、大気中の水分の侵入による機能素子の劣化を抑制することができる。これにより、信頼性の高い装置を作製できる。なお、枠状の接着層211を硬化状態とするときは、剥離工程の歩留まりの低下を防ぐため、枠状の接着層211の端部が剥離層103の端部よりも外側に位置しないようにすることが好ましい。
なお、作製基板201と作製基板221の貼り合わせは減圧雰囲気下で行うことが好ましい。
なお、図3(C)では、剥離層203との剥離層223の大きさが異なる場合を示したが、図3(D)に示すように、同じ大きさの剥離層を用いてもよい。
接着層207は剥離層203、被剥離層205、被剥離層225、及び剥離層223と重なるように配置する。そして、接着層207の端部は、剥離層203又は剥離層223の少なくとも一方(先に剥離したい方)の端部よりも内側に位置することが好ましい。これにより、作製基板201と作製基板221が強く密着することを抑制でき、後の剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。
次に、レーザ光の照射により、剥離の起点を形成する(図4(A)、(B))。
作製基板201及び作製基板221はどちらから剥離してもよい。剥離層の大きさが異なる場合、大きい剥離層を形成した基板から剥離してもよいし、小さい剥離層を形成した基板から剥離してもよい。一方の基板上にのみ半導体素子、発光素子、表示素子等の素子を作製した場合、素子を形成した側の基板から剥離してもよいし、他方の基板から剥離してもよい。ここでは、作製基板201を先に剥離する例を示す。
レーザ光は、硬化状態の接着層207と、被剥離層205と、剥離層203とが重なる領域に対して照射する(図4(A)の矢印P3参照)。
被剥離層の一部を除去することで、剥離の起点を形成できる(図4(B)の点線で囲った領域参照)。このとき、被剥離層205だけでなく、剥離層203、接着層207の一部を除去してもよい。
レーザ光は、剥離したい剥離層が設けられた基板側から照射することが好ましい。剥離層203と剥離層223が重なる領域にレーザ光の照射をする場合は、被剥離層205及び被剥離層225のうち被剥離層205のみにクラックを入れることで、選択的に作製基板201及び剥離層203を剥離することができる(図4(B)の点線で囲った領域参照。ここでは被剥離層205を構成する各層の一部を除去する例を示す。)。
剥離層203と剥離層223が重なる領域にレーザ光を照射する場合、剥離層203側の被剥離層205と剥離層223側の被剥離層225の両方に剥離の起点を形成してしまうと、一方の作製基板を選択的に剥離することが難しくなる恐れがある。したがって、一方の被剥離層のみにクラックを入れられるよう、レーザ光の照射条件が制限される場合がある。
そして、形成した剥離の起点から、被剥離層205と作製基板201とを分離する(図4(C)、(D))。これにより、被剥離層205を作製基板201から作製基板221に転置することができる。なお、剥離の起点よりも外側に形成された接着層207や枠状の接着層211は、作製基板201又は作製基板221の少なくとも一方に残存することになる。図4(C)、(D)では双方の側に残存する例を示すがこれに限られない。
次に、露出した被剥離層205と基板231とを、接着層233を用いて貼り合わせ、接着層233を硬化させる(図5(A))。ここでは、被剥離層225上に枠状の接着層235と、枠状の接着層235の内側の接着層233と、を設け、被剥離層225と基板231とを貼り合わせる。
なお、被剥離層205と基板231の貼り合わせは減圧雰囲気下で行うことが好ましい。
次に、レーザ光の照射により、剥離の起点を形成する(図5(B)、(C))。
ここでは、接着層233が硬化状態であり、枠状の接着層235が硬化状態でない場合を例に示し、硬化状態の接着層233にレーザ光を照射する(図5(B)の矢印P4参照)。被剥離層の一部を除去することで、剥離の起点を形成できる(図5(C)の点線で囲った領域参照)。
レーザ光は、剥離層223が設けられた作製基板221側から照射することが好ましい。
そして、形成した剥離の起点から、被剥離層225と作製基板221とを分離する(図5(D))。これにより、被剥離層205及び被剥離層225を基板231に転置することができる。
以上に示した本発明の一態様の剥離方法では、それぞれ被剥離層が形成された一対の作製基板をあらかじめ貼り合わせた後に、剥離をし、作製したい装置を構成する基板を貼り合わせることができる。したがって、被剥離層の貼り合わせの際に、可撓性が低い作製基板どうしを貼り合わせることができ、可撓性基板どうしを貼り合わせた際よりも貼り合わせの位置合わせ精度を向上させることができる。
以上、本実施の形態で示したように、本発明の一態様では、剥離の起点を形成した後における作製基板と被剥離層との分離に要する力が、接着層と被接着層の界面破壊に要する力や、接着層の凝集破壊に要する力よりも小さい。したがって、剥離工程において、被剥離層中で膜剥がれが生じることや、意図しない界面で剥離してしまうことを抑制できる。つまり、剥離工程の歩留まりが低下することを抑制できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置について図面を用いて説明する。
本実施の形態では、主に有機EL素子を用いた発光装置を例示するが、本発明の一態様はこれに限られない。
本発明の一態様は、第1の可撓性基板、第1の接着層、第1の絶縁層、第1の機能層、第2の接着層、及び第2の可撓性基板をこの順で積層して有する発光装置である。本発明の一態様の発光装置は、第1の機能層に発光素子を有する。本発明の一態様は、第1の機能層に表示素子を有する表示装置や、第1の機能層に半導体素子を有する半導体装置等にも適用することができる。
本発明の一態様の発光装置は、第2の接着層と被接着層との間で界面破壊が生じにくい。具体的には、本発明の一態様は、第2の接着層と第1の機能層との間、又は、第2の接着層と第2の可撓性基板との間で界面破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上である、発光装置である。第2の接着層と第1の機能層との間、及び、第2の接着層と第2の可撓性基板との間のそれぞれにおいて、で界面破壊を生じさせるために要する力が、0.14N/25mm以上であることが好ましい。
本発明の一態様の発光装置は、0.14N/25mm未満の力が加えられても、第2の接着層と第1の機能層との間、又は、第2の接着層と第2の可撓性基板との間に界面破壊が生じない、ともいえる。
上記構成において、第2の接着層の凝集破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上であることが好ましい。
本発明の一態様の発光装置は、0.14N/25mm未満の力が加えられても、第2の接着層の凝集破壊が生じない、ともいえる。
または、本発明の一態様は、第1の可撓性基板、第1の接着層、第1の絶縁層、第1の機能層、第3の接着層、第2の機能層、第2の絶縁層、第2の接着層、及び第2の可撓性基板をこの順で積層して有する発光装置である。本発明の一態様の発光装置は、第1の機能層に発光素子を有し、第2の機能層に着色層を有する。本発明の一態様は、第1の機能層に発光素子や表示素子を有し、第2の機能層にタッチセンサを有するタッチパネル等にも適用することができる。
本発明の一態様の発光装置は、第3の接着層と被接着層との間で界面破壊が生じにくい。具体的には、本発明の一態様は、第3の接着層と第1の機能層との間、又は、第3の接着層と第2の機能層との間で界面破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上である、発光装置である。第3の接着層と第1の機能層との間、及び、第3の接着層と第2の機能層との間のそれぞれにおいて、界面破壊を生じさせるために要する力が、0.14N/25mm以上であることが好ましい。
上記構成において、第3の接着層の凝集破壊を生じさせるために要する力は、0.14N/25mm以上であることが好ましい。
<具体例1>
図7(A)に発光装置の平面図を示し、図7(A)における一点鎖線D1−D2間の断面図の一例を図7(C)に示す。具体例1で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。本実施の形態において、発光装置は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成や、R、G、B、W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成、R、G、B、Y(黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定はなく、RGBWY以外の色を用いてもよく、例えば、シアンやマゼンタ等を用いてもよい。
図7(A)に示す発光装置は、発光部804、駆動回路部806、FPC808を有する。
図7(C)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、及び絶縁層821)、第3の接着層822、第2の機能層(着色層845及び遮光層847)、第2の絶縁層715、第2の接着層713、並びに第2の可撓性基板711を有する。第3の接着層822、第2の絶縁層715、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711は可視光を透過する。発光部804及び駆動回路部806に含まれる発光素子やトランジスタは第1の可撓性基板701、第2の可撓性基板711、及び第3の接着層822によって封止されている。
発光部804は、第1の接着層703、及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基板701上にトランジスタ820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831は可視光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重なる遮光層847と、を有する。発光素子830と着色層845の間は第3の接着層822で充填されている。
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏する。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有する絶縁層を選択することが好適である。
駆動回路部806は、第1の接着層703及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基板701上にトランジスタを複数有する。図7(D)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、1つのトランジスタを示している。
第1の絶縁層705と第1の可撓性基板701は第1の接着層703によって貼り合わされている。また、第2の絶縁層715と第2の可撓性基板711は第2の接着層713によって貼り合わされている。第1の絶縁層705や第2の絶縁層715に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が高くなるため好ましい。
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号(ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。工程数の増加を防ぐため、導電層857は、発光部や駆動回路部に用いる電極や配線と同一の材料、同一の工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、トランジスタ820を構成する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
図7(C)に示す発光装置では、FPC808が第2の可撓性基板711上に位置する。接続体825は、第2の可撓性基板711、第2の接着層713、第2の絶縁層715、第3の接着層822、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。導電層857と第2の可撓性基板711とが重なる場合には、第2の可撓性基板711を開口する(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、接続体825、及びFPC808を電気的に接続させることができる。
<具体例2>
図7(B)に発光装置の平面図を示し、図7(B)における一点鎖線D3−D4間の断面図の一例を図8(A)に示す。具体例2で示す発光装置は、具体例1とは異なる、カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。ここでは、具体例1と異なる点のみ詳述し、具体例1と共通する点は説明を省略する。
図8(A)に示す発光装置は、図7(C)に示す発光装置と下記の点で異なる。
図8(A)に示す発光装置は、絶縁層817a及び絶縁層817bを有し、絶縁層817a上に導電層856を有する。トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と、発光素子830の下部電極と、が、導電層856を介して、電気的に接続される。
図8(A)に示す発光装置は、絶縁層821上にスペーサ823を有する。スペーサ823を設けることで、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711の間隔を調整することができる。
図8(A)に示す発光装置は、着色層845及び遮光層847を覆うオーバーコート849を有する。発光素子830とオーバーコート849の間は接着層822で充填されている。
また、図8(A)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711とで大きさが異なる。FPC808が第2の絶縁層715上に位置し、第2の可撓性基板711と重ならない。接続体825は、第2の絶縁層715、第3の接着層822、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。第2の可撓性基板711に開口を設ける必要がないため、第2の可撓性基板711の材料が制限されない。
なお、図8(B)に示すように、発光素子830は、下部電極831とEL層833の間に、光学調整層832を有していてもよい。光学調整層832には、透光性を有する導電性材料を用いることが好ましい。カラーフィルタ(着色層)とマイクロキャビティ構造(光学調整層)との組み合わせにより、本発明の一態様の発光装置からは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整層の膜厚は、各副画素の色に応じて変化させればよい。
<具体例3>
図7(B)に発光装置の平面図を示し、図7(B)における一点鎖線D3−D4間の断面図の一例を図8(C)に示す。具体例3で示す発光装置は、塗り分け方式を用いたトップエミッション型の発光装置である。
図8(C)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層821、及びスペーサ823)、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711を有する。第2の接着層713及び第2の可撓性基板711は可視光を透過する。
図8(C)に示す発光装置では、接続体825が絶縁層815上に位置する。接続体825は、絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。
<具体例4>
図7(B)に発光装置の平面図を示し、図7(B)における一点鎖線D3−D4間の断面図の一例を図9(A)に示す。具体例4で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を用いたボトムエミッション型の発光装置である。
図9(A)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第1の機能層(複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色層845、絶縁層817a、絶縁層817b、導電層856、複数の発光素子、及び絶縁層821)、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711を有する。第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、絶縁層815、絶縁層817a、及び絶縁層817bは可視光を透過する。
発光部804は、第1の接着層703、及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基板701上にトランジスタ820、トランジスタ824、及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817b上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部電極831は可視光を透過する。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、特に限定されず、例えば、絶縁層817aと絶縁層817bの間や、絶縁層815と絶縁層817aの間等に設ければよい。
駆動回路部806は、第1の接着層703及び第1の絶縁層705を介して第1の可撓性基板701上にトランジスタを複数有する。図9(B)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、2つのトランジスタを示している。
第1の絶縁層705と第1の可撓性基板701は第1の接着層703によって貼り合わされている。第1の絶縁層705に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820、トランジスタ824に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が高くなるため好ましい。
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。また、ここでは、導電層857を、導電層856と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
<具体例5>
図9(B)に具体例1〜4とは異なる発光装置の例を示す。
図9(B)に示す発光装置は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第1の機能層(導電層814、導電層857a、導電層857b、発光素子830、及び絶縁層821)、第2の接着層713、及び第2の可撓性基板711を有する。
導電層857a及び導電層857bは、発光装置の外部接続電極であり、FPC等と電気的に接続させることができる。
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッション型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の電極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831と電気的に接続する。
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板上に上記レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率を有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を有する基板を形成することができる。
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降下を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電気的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに設けてもよい。
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする合金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の膜厚は、例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下である。
<材料の一例>
次に、発光装置に用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説明した構成については説明を省略する場合がある。
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いることができる。発光素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂や可撓性を有する程度の厚さのガラス、金属、合金を用いることができる。
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、ガラスを用いる場合に比べて発光装置を軽量化でき、好ましい。
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破損しにくい発光装置を実現できる。例えば、有機樹脂基板や、厚さの薄い金属基板もしくは合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにくい発光装置を実現できる。
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光装置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板や合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、又は、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合金などを好適に用いることができる。
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光装置の表面温度が高くなることを抑制でき、発光装置の破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる)の積層構造としてもよい。
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。特に、線膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグともいう)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
可撓性基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。
可撓性基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光装置とすることができる。
例えば、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した可撓性基板を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好ましくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、10μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有機樹脂層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を基板に適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルな発光装置とすることができる。
接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
第1の絶縁層705や第2の絶縁層715としては、防湿性の高い絶縁膜を用いることが好ましい。または、第1の絶縁層705や第2の絶縁層715は、不純物の発光素子への拡散を防ぐ機能を有していることが好ましい。
防湿性の高い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、防湿性の高い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m2・day)]以下とする。
発光装置において、第1の絶縁層705又は第2の絶縁層715の少なくとも一方は、発光素子の発光を透過する必要がある。第1の絶縁層705又は第2の絶縁層715のうち、発光素子の発光を透過する側の絶縁層は、他方の絶縁層よりも、波長400nm以上800nm以下における透過率の平均が高いことが好ましい。
発光装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる。または、In−Ga−Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無機絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形成できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。上記各具体例では、第1の絶縁層705がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al−Ni−La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag−Pd−Cu、APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITOの積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発光する。
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
発光素子830は、2以上の発光物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、白色発光の発光素子を実現することができる。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、又はO(橙)等の発光を示す発光物質や、R、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質を用いることができる。例えば、青の発光を示す発光物質と、黄の発光を示す発光物質を用いてもよい。このとき、黄の発光を示す発光物質の発光スペクトルは、緑及び赤のスペクトル成分を含むことが好ましい。また、発光素子830の発光スペクトルは、可視領域の波長(例えば350nm以上750nm以下、又は400nm以上800nm以下など)の範囲内に2以上のピークを有することが好ましい。
EL層833は、複数の発光層を有していてもよい。EL層833において、複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と、燐光発光層との間に、分離層を設けてもよい。
分離層は、例えば、燐光発光層中で生成する燐光材料等の励起状態から蛍光発光層中の蛍光材料等へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐために設けることができる。分離層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、0.1nm以上20nm以下、あるいは1nm以上10nm以下、あるいは1nm以上5nm以下である。分離層は、単一の材料(好ましくはバイポーラ性の物質)、又は複数の材料(好ましくは正孔輸送性材料及び電子輸送性材料)を含む。
分離層は、該分離層と接する発光層に含まれる材料を用いて形成してもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。例えば、燐光発光層が、ホスト材料、アシスト材料、及び燐光材料(ゲスト材料)からなる場合、分離層を、該ホスト材料及びアシスト材料で形成してもよい。上記構成を別言すると、分離層は、燐光材料を含まない領域を有し、燐光発光層は、燐光材料を含む領域を有する。これにより、分離層と燐光発光層とを燐光材料の有無で蒸着することが可能となる。また、このような構成とすることで、分離層と燐光発光層を同じチャンバーで成膜することが可能となる。これにより、製造コストを削減することができる。
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、電荷発生層を介して積層されたEL層を複数有するタンデム素子であってもよい。
発光素子は、一対の防湿性の高い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑制できる。
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、及び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させることで、各絶縁層を形成してもよい。
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、下部電極831上に開口部を形成し、絶縁層821の側壁が曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
絶縁層821の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷等)等を用いればよい。
スペーサ823は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することができる。例えば、無機絶縁材料や有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができる各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることができる。導電材料を含むスペーサ823と上部電極835とを電気的に接続させる構成とすることで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ823は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
トランジスタの電極や配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光装置に用いる導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸化物を用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3等)、酸化スズ(SnO2等)、ZnO、ITO、インジウム亜鉛酸化物(In2O3−ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。また、白色の副画素では、発光素子と重ねて透明又は白色等の樹脂を配置してもよい。
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料や顔料や染料を含む樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成すればよい。なお、遮光層は、駆動回路部などの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設けることで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オーバーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜や、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用いることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
また、接着層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料として接着層の材料に対して濡れ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコートとして、ITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属膜を用いることが好ましい。
オーバーコートの材料に、接着層の材料に対して濡れ性の高い材料を用いることで、接着層の材料を均一に塗布することができる。これにより、一対の基板を貼り合わせた際に気泡が混入することを抑制でき、接着層の凝集破壊や、接着層と被接着層との間での界面破壊が生じにくい構成とすることができる。
接続体としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
上述の通り、本発明の一態様は、半導体装置、発光装置、表示装置、入出力装置等の各種装置に適用することができる。
表示素子の一例としては、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、液晶素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子等が挙げられる。
なお、本発明の一態様の発光装置は、表示装置として用いてもよいし、照明装置として用いてもよい。例えば、バックライトやフロントライトなどの光源、つまり、表示パネルのための照明装置として活用してもよい。
以上、本実施の形態で示したように、本発明の一態様の発光装置は、接着層と被接着層の界面破壊や接着層の凝集破壊が生じにくいため、壊れにくい構成である。本発明の一態様を適用することで、信頼性の高い発光装置を作製できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置について図面を用いて説明する。なお、入出力装置が有する構成要素のうち、実施の形態2で説明した発光装置と同様の構成要素については、先の記載も参照することができる。また、本実施の形態では、発光素子を用いた入出力装置を例示するが、これに限られない。また、本実施の形態で説明する入出力装置は、タッチパネルともいえる。
本発明の一態様の入出力装置は、接着層と被接着層の界面破壊や接着層の凝集破壊が生じにくいため、壊れにくい構成である。本発明の一態様を適用することで、信頼性の高い入出力装置を作製できる。
<構成例1>
図10(A)は入出力装置の上面図である。図10(B)は図10(A)の一点鎖線A−B間及び一点鎖線C−D間の断面図である。図10(C)は図10(A)の一点鎖線E−F間の断面図である。
図10(A)に示す入出力装置390は、表示部301(入力部も兼ねる)、走査線駆動回路303g(1)、撮像画素駆動回路303g(2)、画像信号線駆動回路303s(1)、及び撮像信号線駆動回路303s(2)を有する。
表示部301は、複数の画素302と、複数の撮像画素308と、を有する。
画素302は、複数の副画素を有する。各副画素は、発光素子及び画素回路を有する。
画素回路は、発光素子を駆動する電力を供給することができる。画素回路は、選択信号を供給することができる配線と電気的に接続される。また、画素回路は、画像信号を供給することができる配線と電気的に接続される。
走査線駆動回路303g(1)は、選択信号を画素302に供給することができる。
画像信号線駆動回路303s(1)は、画像信号を画素302に供給することができる。
撮像画素308を用いてタッチセンサを構成することができる。具体的には、撮像画素308は、表示部301に触れる指等を検知することができる。
撮像画素308は、光電変換素子及び撮像画素回路を有する。
撮像画素回路は、光電変換素子を駆動することができる。撮像画素回路は、制御信号を供給することができる配線と電気的に接続される。また、撮像画素回路は、電源電位を供給することができる配線と電気的に接続される。
制御信号としては、例えば、記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択することができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
撮像画素駆動回路303g(2)は、制御信号を撮像画素308に供給することができる。
撮像信号線駆動回路303s(2)は、撮像信号を読み出すことができる。
図10(B)、(C)に示すように、入出力装置390は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第2の可撓性基板711、第2の接着層713、及び第2の絶縁層715を有する。また、第1の可撓性基板701及び第2の可撓性基板711は、第3の接着層360で貼り合わされている。
第1の可撓性基板701と第1の絶縁層705は第1の接着層703で貼り合わされている。また、第2の可撓性基板711と第2の絶縁層715は第2の接着層713で貼り合わされている。基板、接着層、及び絶縁層に用いることができる材料については実施の形態2を参照することができる。
画素302は、副画素302R、副画素302G、及び副画素302Bを有する(図10(C))。
例えば副画素302Rは、発光素子350R及び画素回路を有する。画素回路は、発光素子350Rに電力を供給することができるトランジスタ302tを含む。また、副画素302Rは、さらに光学素子(例えば赤色の光を透過する着色層367R)を有する。
発光素子350Rは、下部電極351R、EL層353、及び上部電極352をこの順で積層して有する(図10(C))。
EL層353は、第1のEL層353a、中間層354、及び第2のEL層353bをこの順で積層して有する。
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光素子350Rにマイクロキャビティ構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるように配置された可視光を反射する膜及び半反射・半透過する膜の間にEL層を配置してもよい。
例えば、副画素302Rは、発光素子350Rと着色層367Rに接する第3の接着層360を有する。着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は、第3の接着層360及び着色層367Rを透過して、図中の矢印に示すように副画素302Rの外部に射出される。
入出力装置390は、遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
入出力装置390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に有する。反射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
入出力装置390は、絶縁層321を有する。絶縁層321はトランジスタ302t等を覆っている。なお、絶縁層321は画素回路や撮像画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制することができる絶縁層で、トランジスタ302t等を覆うことが好ましい。
入出力装置390は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を有する。また、第1の可撓性基板701と第2の可撓性基板711の間隔を制御するスペーサ329を、隔壁328上に有する。
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。図10(B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲート304を有していてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電気的に接続されていてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第2のゲート304をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設けてもよい。
撮像画素308は、光電変換素子308p及び撮像画素回路を有する。撮像画素回路は、光電変換素子308pに照射された光を検知することができる。撮像画素回路は、トランジスタ308tを含む。例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用いることができる。
入出力装置390は、信号を供給することができる配線311を有し、端子319が配線311に設けられている。画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるFPC309が端子319に電気的に接続されている。FPC309にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていてもよい。
なお、トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のトランジスタは、同一の工程で形成することができる。または、それぞれ異なる工程で形成してもよい。
<構成例2>
図11(A)、(B)は、入出力装置505の斜視図である。なお明瞭化のため、代表的な構成要素を示す。図12は、図11(A)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図である。
図11(A)、(B)に示すように、入出力装置505は、表示部501、走査線駆動回路303g(1)、及びタッチセンサ595等を有する。また、入出力装置505は、第1の可撓性基板701、第2の可撓性基板711、及び可撓性基板590を有する。
入出力装置505は、複数の画素及び複数の配線311を有する。複数の配線311は、画素に信号を供給することができる。複数の配線311は、第1の可撓性基板701の外周部にまで引き回され、その一部が端子319を構成している。端子319はFPC509(1)と電気的に接続する。
入出力装置505は、タッチセンサ595及び複数の配線598を有する。複数の配線598は、タッチセンサ595と電気的に接続される。複数の配線598は可撓性基板590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。なお、図11(B)では明瞭化のため、可撓性基板590の裏面側(第2の可撓性基板711と対向する面側)に設けられるタッチセンサ595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ595には、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。ここでは、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合を示す。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、タッチセンサ595には、指等の検知対象の近接又は接触を検知することができるさまざまなセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極592は、図11(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続された形状を有する。
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
配線594は電極592と交差して設けられている。配線594は、電極592を挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のムラを低減できる。その結果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。
図12(A)に示すように、入出力装置505は、第1の可撓性基板701、第1の接着層703、第1の絶縁層705、第2の可撓性基板711、第2の接着層713、及び第2の絶縁層715を有する。また、第1の可撓性基板701及び第2の可撓性基板711は、第3の接着層360で貼り合わされている。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、可撓性基板590を第2の可撓性基板711に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
また、電極591、電極592、配線594などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線や電極に用いる材料として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等を有する透明導電膜(例えば、ITOなど)が挙げられる。また、タッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料は、抵抗値が低いことが好ましい。一例として、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)、複数の導電体を用いて構成される金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュ、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。例えば、タッチパネルを構成する配線や電極にAgナノワイヤを用いる場合、可視光において透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることができる。また、上述したタッチパネルを構成する配線や電極に用いることのできる材料の一例である、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどは、可視光において透過率が高いため、表示素子に用いる電極(例えば、画素電極または共通電極など)として用いてもよい。
透光性を有する導電性材料を可撓性基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極591及び電極592を形成することができる。
電極591及び電極592は絶縁層593で覆われている。また、電極591に達する開口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、入出力装置の開口率を高まることができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることができる。
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護することができる。
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。画素は、構成例1と同様であるため、説明を省略する。
なお、図12(B)に示すように、可撓性基板590を用いず、第1の可撓性基板701及び第2の可撓性基板711の2枚の基板でタッチパネルを構成してもよい。第2の可撓性基板711と第2の絶縁層715が第2の接着層713で貼り合わされており、第2の絶縁層715に接してタッチセンサ595が設けられている。タッチセンサ595を覆う絶縁層589に接して、着色層367R及び遮光層367BMが設けられている。絶縁層589を設けず、着色層367Rや遮光層367BMを配線594に接して設けてもよい。
<構成例3>
図13は、入出力装置505Bの断面図である。本実施の形態で説明する入出力装置505Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する点及びタッチセンサが表示部の第1の可撓性基板701側に設けられている点が、構成例2の入出力装置505とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。また、図13(A)に示す発光素子350Rは、トランジスタ302tが設けられている側に光を射出する。これにより、発光素子350Rが発する光の一部は着色層367Rを透過して、図中に示す矢印の方向の入出力装置505Bの外部に射出される。
入出力装置505Bは、光を射出する方向に遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
タッチセンサ595は、第2の可撓性基板711側でなく、第1の可撓性基板701側に設けられている(図13(A))。
接着層597は、タッチセンサ595が表示部に重なるように、可撓性基板590を第1の可撓性基板701に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
なお、ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、図13(A)、(B)に示す。
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図13(A)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、図13(B)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
また、トップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図13(C)に示す。
例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン基板から転置された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、図13(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器及び照明装置について、図面を用いて説明する。
電子機器や照明装置に用いることができる発光装置、表示装置、半導体装置等は、本発明の一態様の剥離方法を適用することで、歩留まりよく作製できる。本発明の一態様の剥離方法を適用することで、生産性高く、曲面を有する、もしくは、可撓性を有する、電子機器や照明装置を作製できる。
また、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて、曲面又は可撓性を有し、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図14(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に、湾曲した表示部7000を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。なお、表示部7000は可撓性を有していてもよい。
表示部7000は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作製される。
本発明の一態様により、湾曲した表示部を備える電子機器を歩留まりよく提供できる。または、本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図14(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、筐体7101、表示部7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7106等を有する。
図14(A)に示す携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図14(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体7201に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体7201を支持した構成を示している。
図14(B)に示すテレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7211により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図14(C1)、(C2)、(D)、(E)に携帯情報端末の一例を示す。各携帯情報端末は、筐体7301及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
図14(C1)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、図14(C2)は携帯情報端末7300の上面図である。図14(D)は、携帯情報端末7310の斜視図である。図14(E)は、携帯情報端末7320の斜視図である。
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
携帯情報端末7300、携帯情報端末7310及び携帯情報端末7320は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、図14(C1)、(D)に示すように、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示す情報7303を他の面に表示することができる。図14(C1)、(C2)では、携帯情報端末の上側に情報が表示される例を示し、図14(D)では、携帯情報端末の横側に情報が表示される例を示す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよく、図14(E)では、情報7304、情報7305、情報7306がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示されている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300を収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図14(F)〜(H)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示している。
図14(F)〜(H)に示す各照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の発光装置等を用いて作製される。
本発明の一態様により、湾曲した発光部を備える照明装置を歩留まりよく提供できる。または、本発明の一態様により、湾曲した発光部を備え、且つ信頼性の高い照明装置を提供できる。
図14(F)に示す照明装置7400は、波状の発光面を有する発光部7402を備える。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図14(G)に示す照明装置7410の備える発光部7412は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7410を中心に全方位を照らすことができる。
図14(H)に示す照明装置7420は、凹状に湾曲した発光部7422を備える。したがって、発光部7422からの発光を、照明装置7420の前面に集光するため、特定の範囲を明るく照らす場合に適している。また、このような形態とすることで、影ができにくいとう効果を奏する。
また、照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420の備える各々の発光部は可撓性を有していてもよい。発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420は、それぞれ、操作スイッチ7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部を有する。
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
図15(A1)、(A2)、(B)〜(I)に、可撓性を有する表示部7001を有する携帯情報端末の一例を示す。
表示部7001は、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を用いて作製される。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる発光装置、表示装置、又は入出力装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作することができる。
本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備える電子機器を歩留まりよく提供できる。または、本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図15(A1)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図であり、図15(A2)は、携帯情報端末の一例を示す側面図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部7001、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部7001を有する。
また、携帯情報端末7500は内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500にはバッテリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映像信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。なお、図15(A1)、(A2)、(B)では、携帯情報端末7500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報端末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
図15(B)には、表示部7001を引き出した状態の携帯情報端末7500を示す。この状態で表示部7001に映像を表示することができる。表示部7001は、引き出し部材7502を用いて引き出すことができる。また、表示部7001の一部がロール状に巻かれた図15(A1)の状態と表示部7001を引き出した図15(B)の状態とで、携帯情報端末7500が異なる表示を行う構成としてもよい。例えば、図15(A1)の状態のときに、表示部7001のロール状に巻かれた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の消費電力を下げることができる。
なお、表示部7001を引き出した際に表示部7001の表示面が平面状となるように固定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
図15(C)〜(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図15(C)では、展開した状態、図15(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態、図15(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末7600を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
表示部7001はヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されている。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報端末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
図15(F)、(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図15(F)では、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図15(G)では、表示部7001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の汚れや傷つきを抑制できる。
図15(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート7705、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部7001と重ねて配置してもよい。
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを加えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロール状に巻いた状態で使用することもできる。このように、筐体7701及び表示部7001を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、様々な状況において利便性良く使用することができる。
図15(I)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バンド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部7001やバンド7801と重ねて配置してもよい。
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
操作ボタン7803は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケーションを起動することができる。
また、携帯情報端末7800は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7802を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行ってもよい。
図16(A)に自動車9700の外観を示す。図16(B)に自動車9700の運転席を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置又は入出力装置等は、自動車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図16(B)に示す表示部9710乃至表示部9715に本発明の一態様の表示装置又は入出力装置等を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置である。本発明の一態様の表示装置又は入出力装置等は、電極や配線を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態とすることができる。表示部9710や表示部9710がシースルー状態であれば、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置又は入出力装置等を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置又は入出力装置等を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、図16(C)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示している。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等が適用される表示部は平面であってもよい。この場合、本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等は、曲面や可撓性を有さない構成であってもよい。
図16(D)に示す携帯型ゲーム機は、筐体9801、筐体9802、表示部9803、表示部9804、マイクロフォン9805、スピーカ9806、操作キー9807、スタイラス9808等を有する。
図16(D)に示す携帯型ゲーム機は、2つの表示部(表示部9803と表示部9804)を有する。なお、本発明の一態様の電子機器が有する表示部の数は、2つに限定されず1つであっても3つ以上であってもよい。電子機器が複数の表示部を有する場合、少なくとも1つの表示部が本発明の一態様の発光装置、表示装置、又は入出力装置等を有していればよい。
図16(E)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体9821、表示部9822、キーボード9823、ポインティングデバイス9824等を有する。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。