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JP2016053139A - ポリアミド系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物及びそれからなる発泡成形体 Download PDF

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JP2016053139A JP2014180278A JP2014180278A JP2016053139A JP 2016053139 A JP2016053139 A JP 2016053139A JP 2014180278 A JP2014180278 A JP 2014180278A JP 2014180278 A JP2014180278 A JP 2014180278A JP 2016053139 A JP2016053139 A JP 2016053139A
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Shigeaki Ishii
成明 石井
行成 祢宜
Yukinari Negi
行成 祢宜
あづさ 臼井
Azusa Usui
あづさ 臼井
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Abstract

【課題】高発泡倍率で、気泡径が均一であり、表面外観にも優れた発泡成形体を操業性よく得ることができるポリアミド系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】96%硫酸を溶媒として、温度26℃、濃度1g/100mlの条件下の相対粘度2.0〜4.0の範囲であるポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を0.05〜5質量部含有してなる樹脂組成物であって、特定の歪み硬化係数と240℃での溶融張力が20〜200mNであるポリアミド系樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリアミド樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなり、発泡成形体やブロー成形体等の成形に有利なレオロジー特性を有するポリアミド系樹脂組成物に関するものである。
ナイロン6やナイロン66等に代表される結晶性ポリアミド樹脂は、耐熱性、機械強度、成形性などの優れた性質を有しているため、多様な用途に使用されてきた。一方、一般的にポリアミド樹脂は、溶融粘度が低く、例えば、押出発泡成形や射出発泡成形する際に破泡を起こして十分な発泡倍率や強度を示す成形体が得られなかったり、インフレーション成形やブロー成形する際にパリソン形体保持が困難でドローダウンが起こり易いため、パリソン質量の計量が困難な場合や、製品の肉厚のコントロールが困難な場合がある。従って実用に供するためには、溶融張力の向上や伸長粘度測定時の歪み硬化性の発現が必要である。
これらの問題を改善するために、ポリアミドを作製後、種々の添加剤や反応性化合物等との溶融混練する方法や分岐ポリアミドを添加する方法により架橋を生じさせる方法が研究されている。例えば、特許文献1では少なくともひとつのイソシアネート基を含む化合物と、星型又はH型の分岐ポリアミドと、少なくともひとつの酸基、好ましくはカルボン酸を含む化合物を含有する発泡用組成物を提案している。しかしながら、この方法で得られる樹脂組成物は、溶融張力が足りないため、得られる発泡体のセル径は大きなものであった。
また、結晶性ポリアミド樹脂にガラス繊維およびポリアミド樹脂の増粘作用を有する多官能性添加剤、例えばエポキシ基や無水マレイン酸基等を含有する化合物を配合する方法も提案されている(特許文献2、特許文献3)。しかしながら、酸無水物やエポキシ基を含有する化合物は反応性にムラが生じやすかったりするため、実用的でない。
特開2005-530017号公報 特表2003−525993公報 特開2013−227382公報
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、高発泡倍率で、気泡径が均一であり、表面外観にも優れた発泡成形体を操業性よく得ることができるポリアミド系樹脂組成物を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂と(メタ)アクリル酸エステル化合物とからなり、特定の性能を満足する樹脂組成物とすることによって、溶融粘度が向上し、また、伸長粘度測定における歪み硬化性が発現し、その結果、高発泡倍率で、気泡径が均一であり、表面外観にも優れた発泡成形体を操業性よく得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度が2.0〜4.0の範囲であるポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を0.05〜5質量部含有してなる樹脂組成物であって、下記(イ)、(ロ)を同時に満たすことを特徴とするポリアミド系樹脂組成物。
(イ)融点より10℃高い温度での伸長粘度測定で得られる時間−伸長粘度曲線において、屈曲点が現れるまでの伸長初期の線形領域の傾きa1と屈曲点以降の伸長後期の傾きa2との比(a2/a1、歪み硬化係数)が、1.2〜10である。
(ロ)240℃での溶融張力が20mN〜200mNである。
(2)溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度で2.0〜4.0の範囲であるポリアミド樹脂(A)と過酸化物(C)とを溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の溶解液又は分散液を注入して溶融混練することを特徴とする(1)記載のポリアミド系樹脂組成物の製造方法。
(3)(1)〜(2)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる発泡成形体。
本発明のポリアミド系樹脂組成物は、高発泡倍率で気泡径が均一であり、表面外観にも優れた発泡成形体を操業性よく得ることができる。
本発明の発泡成形体は、密度が低く、気泡径が均一であり、表面平滑性に優れたものであり、自動車部品、電子電機部品などに広く利用することができる。
屈曲点が現れるまでの伸長初期の線形領域の傾きa1と屈曲点以降の伸長後期の傾きa2との比(a2/a1、歪み硬化係数)を求める際の伸長時間と伸長粘度の模式図を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、ポリアミド樹脂(A)について説明する。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とから形成されるアミド結合を有する重合体を意味する。このようなポリアミド樹脂を形成するモノマーの例を挙げると、次のようなものがある。
アミノ酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などがある。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどがある。
ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどがある。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などがある。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)として好ましいものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(1−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドなどがある。中でも特に好ましいものは、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12及びこれらの共重合ポリアミド、混合ポリアミドである。上記の中でも、耐熱性に優れ、成形加工が容易と言う観点から、ナイロン6、ナイロン66が特に好ましい。
ここで用いるポリアミド樹脂(A)は、通常公知の溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製造される。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度が、2.0〜4.0の範囲であることが必要であり、2.5〜3.5の範囲であることが好ましい。相対粘度が2.0未満では、発泡成形を行う場合、均一な発泡セルが生成しにくく発泡性が低下し、また、得られる発泡体の機械的特性も低下するので好ましくない。一方、相対粘度が4.0を超える場合、樹脂の粘度が高すぎることにより、架橋可能な範囲が狭くなる。このため、所定の溶融張力や歪み硬化性を示す樹脂を得ることができず、発泡成形などを行う際に、均一なセルを持った成形体を得ることができない。また、流動性が低く、加工性が悪くなる。
次に、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)について説明する。(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)は、ポリアミド樹脂(A)を架橋させるために添加するものである。本発明で用いられる(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)としては、ポリアミド樹脂との反応性が高くモノマーが残りにくく、毒性が比較的少なく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する化合物であることが必要である。具体的な化合物としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、またこれらのアルキレングリコール部が様々な長さのアルキレンの共重合体でもよく、さらにブタンジオールメタクリレート、ブタンジオールアクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜4質量部、さらに好ましくは、0.3〜3質量部である。0.05質量部未満では十分に架橋させることができず、歪み硬化係数や溶融張力が不十分なものとなるため、発泡成形において、均一なセルを有する発泡体を得ることができず、機械強度や外観に劣る発泡成形体となる。一方、5質量部を超える場合には架橋の度合いが強くなりすぎて、操業性に支障が出るため好ましくない。
また、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の分子量は、100〜800であることが好ましい。分子量が100未満であったり、800を超えるものであると、ポリアミド樹脂(A)を架橋させることはできても、歪み硬化係数や溶融張力が後述する(イ)、(ロ)の条件を満たさないものとなりやすい。
そして、ポリアミド樹脂(A)と(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を含有し、架橋構造を有する本発明のポリアミド系樹脂組成物を得るには、後述する過酸化物(C)を用い、ポリアミド樹脂(A)と過酸化物(C)とを溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の溶解液又は分散液を注入して溶融混練することが好ましい。このとき、混練状態をよくするために、二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(樹脂の融点+5℃)〜(樹脂の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は10秒〜90分が好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不十分となる。一方、高温や長時間であると樹脂の分解が起きることがある。
本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)及び過酸化物(C)は、固体状であればドライブレンドや粉体フィーダーを用いて供給する方法が望ましく、液体状の場合は、加圧ポンプを用いて、押出機の途中から注入する方法が望ましい。
本発明で用いられる過酸化物(C)の具体例としては、分散性が良好な有機過酸化物が好ましく、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、トリメチルトリエチルトリパーオキソナン、ペンタメチルトリオキセパン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。これらの中でも反応速度を制御しやすいなどの作業面からトリメチルトリエチルトリパーオキソナン、ペンタメチルトリオキセパンが好ましい。
過酸化物(C)の配合量はポリアミド樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部、さらに好ましくは0.3〜1質量部である。0.1質量部未満では、前述した(イ)、(ロ)を同時に満たすような本発明のポリアミド系樹脂組成物を得ることができない。一方、5質量部を超える場合には過酸化物(C)を添加する効果が飽和し、コスト面で好ましくない。さらに、コンパウンド中に発煙が多くなるため、操業面で不利となるため好ましくない。
本発明の生分解性ポリエステル樹脂組成物は、上記のように、ポリアミド樹脂(A)、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)及び過酸化物(C)を原料としてこれらを溶融混練して製造することができるが、一般に過酸化物は溶融混練中に分解するため、得られた樹脂組成物中に過酸化物が必ず含有されているとは限らない。また、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び/または過酸化物の添加に際して可塑剤などの媒体を使用することが好ましいが、この媒体も溶融混練時に揮発することがあるため、得られた樹脂組成物中に媒体が必ず含有されているとは限らない。
そして、本発明のポリアミド系樹脂組成物は、後述する(イ)、(ロ)を同時に満たすことにより、特に発泡成形工程に適したレオロジー特性を有するものである。そして、高発泡倍率で、セルが均一で表面平滑性に優れた発泡成形体を操業性よく得ることができる。
まず、(イ)として、樹脂組成物の融点より10℃高い温度での伸長粘度測定で得られる時間−伸長粘度曲線(図1参照)において、屈曲点があらわれるまでの伸長初期の線形領域の傾きa1と屈曲点以降の伸長後期の傾きa2との比(a2/a1)であらわされる歪み硬化係数が、1.2〜10であることが必要であり、中でも1.3〜8であることが好ましい。
歪み硬化係数が1.2未満であると、発泡成形時に破泡が生じるためには発泡倍率が制限される。また、破泡が生じた場合、平均気泡径が大きく、表面平滑性にも劣ったり、偏肉が生じた発泡成形体となる。一方、歪み硬化係数が10を超えると、発泡成形時にゲルが発生しやすく、流動性も大きく低下して操業性が悪化する。
次に、(ロ)として、本発明のポリアミド系樹脂組成物は、240℃での溶融張力が20mN〜200mNであることが必要であり、中でも50mN〜180mNであることが好ましく、60mN〜150mNであることがさらに好ましい。溶融張力が20mN未満の場合、発泡成形した場合、樹脂が切れたり、破れたりするため、発泡倍率は低く、気泡径の大きいものとなる。一方、溶融張力が200mNを超える場合、成形流動性が著しく低下し、加工性が低下する場合がある。また、ゲルなどが多くなり外観が悪くなることがある。
本発明における溶融張力は、以下のようにして測定するものである。東洋精機製作所製のキャピログラフ1C(シリンダーの内径9.55mm、オリフィスの内径1.0mm、長さ10.0mm)を用いて測定する。まず、シリンダーおよびオリフィスの設定温度を240℃とし、該シリンダー中にポリアミド系樹脂組成物(測定試料)を充填し、5分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として240℃の溶融樹脂をオリフィスからストランド状に押出する。このストランドを、下方の直径40mmの張力検出用プーリーの円形ガイドを通過させながら巻き取り、この円形ガイドにかかる荷重を張力計で検出する。巻き取り速度を徐々に増加させていき、ストランドが破断したときの張力(すなわち測定可能な最大の張力)を溶融張力とする。
さらに、本発明のポリアミド系樹脂組成物の溶融粘度は、240℃、21.2Nで測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜15g/10分であることが好ましく、中でも0.5〜10g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分未満であると粘度が高すぎて流動性が悪くなるため好ましくない。一方、MFRが15g/10分を超えると粘度が低すぎるため、発泡時にガスを保持できずに破泡したりするため、好ましくない。
なお、上記した(イ)、(ロ)の特性を満足していても、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を有していない、つまり架橋構造を有していない場合は、高発泡倍率で、気泡径が均一であり、表面外観にも優れた発泡成形体を操業性よく得ることができるという本発明の効果を奏することはできない。
また、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を含有していたとしても、良好な架橋構造を呈しておらず、(イ)や(ロ)の特性を満足していない場合も本発明の効果を奏することはできない。
つまり、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を適量含有することによって良好な架橋構造を有しており、かつ(イ)と(ロ)の両特性を満足することによって、はじめて本発明の効果を奏することが可能となる。
また、本発明のポリアミド系樹脂組成物は、無機充填材を含有することで結晶化速度が向上し、寸法安定性に優れ、また、発泡成形体を作製する際にはセルが細かく均一なものとなるために、無機充填材を含有することが好ましい。
無機充填材の含有量は、上記のような効果を奏することができ、成形時の外観、流動性と機械特性のバランスを考慮すると、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。0.5質量部未満である場合、無機充填材を添加することによる効果を奏することができない。一方、30質量部を超える場合、比重が大きくなり、軽量化することが困難となる。
本発明で用いる無機充填材としては、粉末状、板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品等の非繊維状のもののほか、繊維状のものも用いることができる。
非繊維状の無機充填材としては、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、層状珪酸塩、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラストナイト、ポリリン酸カルシウム、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等)、金属窒化物(窒化ホウ素、窒化アルミニウム)、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブ等を用いることができる。これらの内、発泡性の観点からタルクあるいはシリカが好ましい。
繊維状の充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維、セルロース繊維、石膏繊維、セラミック繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、酸化亜鉛ウィスカー等を用いることができる。これらの中でも、機械強度向上や耐熱性向上させるために一般的に知られており、また安価であることから、ガラス繊維が好ましい。
上記繊維状の無機充填材の断面形状は、一般的な円形に加え、扁平断面形状を有するものを用いることも好ましい。具体的な断面形状としては、長円形、円形が2本対となるまゆ形、楕円形、半円形、長方形、正方形、その他多角形、星形、またこれらの単繊維、もしくは複数対繊維などが挙げられる。
なお、本発明に使用する無機充填材は、表面をシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などのカップリング剤その他の表面処理剤で予備処理されていてもよい。
本発明のポリアミド系樹脂組成物にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、さらに顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐衝撃改良剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。
また、本発明のポリアミド系樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、他の重合体を添加してもよい。このような重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラストマー、およびこれらの無水マレイン酸などによる酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
次に、本発明のポリアミド系樹脂組成物からなる発泡成形体について説明する。本発明の発泡成形体は、押出発泡法、ビーズ発泡法、またはこれらの複合法により得られたものや、射出成形機等を用いた射出発泡法により得られたものが挙げられる。
本発明の発泡成形体の製造方法について説明する。まず、押出発泡法とは、樹脂にあらかじめ樹脂の溶融温度で分解する分解型発泡剤をブレンドしたものを押出機に投入するか、直接押出機に揮発性発泡剤を注入して、スリット状ノズルまたは丸形ノズルから押出し、シートまたはストランドを得る。そして、得られたシートやストランドを真空成形機など金型内で成形し、発泡成形体を得る方法である。
真空成形の際には、予熱シート温度を、ポリアミド系樹脂組成物の(Tg+40℃)〜(Tm−5℃)にした直後に、温度が(Tg+10℃)〜(Tm−20℃)の金型で成形することが好ましい。予熱シートの温度が高すぎるとシートがドローダウンして成形できなくなり、また温度が低すぎると、成形シートの伸びが不足して割れが生じたり、深絞り成形ができなくなったりする問題が生じることがある。一方、金型温度が低すぎると、得られる容器の耐熱性が不十分となる場合があり、また、金型温度が高すぎると、金型にシートが付着し成形物の離型が悪くなることや、成形物に偏肉が生じたり、その耐衝撃性が低下したりすることがある。
ビーズ発泡法とは、あらかじめポリアミド系樹脂組成物の微粒子を作製し、揮発性発泡剤を加圧下にて含浸させた後、温度や圧力の変化で発泡させて発泡微粒子を作製し、さらに型内発泡成形により発泡成形体を得る方法である。
押出発泡法とビーズ発泡法の複合法とは、押出発泡法により作製した発泡ストランドを切断して発泡粒子とし、型内発泡成形に供する方法である。
押出発泡法により使用する押出機のシリンダー温度は、ポリアミド系樹脂組成物の融点(Tm)または流動開始温度(Tf)以上であることが好ましく、220〜270℃とすることがより好ましく、240〜260℃とすることがさらに好ましい。ノズルの温度は、180〜220℃とすることが好ましく、200〜215℃とすることがより好ましい。
さらに、射出成形機等を用いた射出発泡法とは、射出成形機内に揮発性発泡剤を注入するか、分解型発泡剤をブレンドした樹脂組成物を射出成形機内に投入し、その溶融物を金型キャビティに射出し、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で、金型キャビティに隣接した金型コア部(ダイプレート)を、中型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる射出コアバック式の射出成形方法等により発泡体を得る方法である。射出成形機のシリンダー温度は、良好な溶融混練物を得る観点から、220〜270℃とすることがこのましく、より好ましくは230〜260℃とする。圧入された揮発性発泡剤、または分解型発泡剤は溶融状態のポリアミド系樹脂組成物と機械的に混練されることが好ましく、これにより溶融状態のポリアミド系樹脂組成物に均一に高濃度の発泡剤が溶解する。
これらの射出発泡成形の中でも、強度、表面の平滑性、外観の面から、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態とすることが好ましい。このような発泡成形体は、例えば、射出成形機において、発泡剤を含有した溶融発泡性ポリアミド樹脂組成物を金型キャビティに射出し、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で、金型キャビティに隣接した金型コア部(ダイプレート)を、中型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる射出コアバック式の射出成形方法で得ることができる。
詳しくは射出成形機において以下のような条件で行う方法である。溶融した発泡性ポリアミド系樹脂組成物を金型キャビティ内に射出し、保圧をかけないか、または、溶融樹脂が流動末端付近に到達した時点で0.2〜2.0の間、20〜100MPaの保圧をかける。次いで金型キャビティを構成する金型コア部(可動型)を10〜100mm/sの速度で、金型キャビティの厚みが拡張する方向へ後退させる。
ここで得られた溶融物を金型内に充填する際の、若しくは後に冷却する際の金型温度は、ポリアミド系樹脂の成形性、及び成形品の変形抑制の観点から、50〜120℃が好ましく、中でも60〜90℃が好ましい。
上記した発泡成形法で使用する揮発性発泡剤としては、例えば、窒素、二酸化炭素、水等の無機化合物、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等の各種炭化水素、フロン化合物、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、エタノールやメタノール等の各種アルコール類に代表される有機溶媒を挙げることができる。中でも、発泡性および衛生面から二酸化炭素、窒素、ブタンから選ばれることが好ましい。
上記した発泡成形法で使用する分解型発泡剤としては、熱分解型の、例えば、アゾ、N−ニトロソ、複素環式窒素含有及びスルホニルヒドラジド基のような分解しうる基を含有する有機化合物、炭酸アンモニウムや炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物を挙げることができる。その具体例としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)セミカルバジド、4−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、4−トルエンスルフォニルアザイド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアザイドなどである。
押出発泡法およびビーズ発泡法における揮発性発泡剤の添加量は、ポリアミド系樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましく、さらに好ましくは1〜3質量部である。添加量が0.1質量部未満では発泡させるガスの量が少なく、ポリアミド系樹脂組成物を発泡させる際の発泡倍率が上がらず質量減少効果が得られない場合があり、また、10質量部を超えると、発泡の際の破泡が起こり、得られた発泡成形体の強度低下が起こるため、好ましくない。
射出発泡法における揮発性発泡剤および分解型発泡剤の添加量は、ポリアミド系樹脂組成物100質量部に対して0.05〜3質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。添加量が0.05質量部未満では発泡させるガスの量が少なく、ポリアミド系樹脂組成物を発泡させる際の発泡倍率が上がらず質量減少効果が得られない場合があり、また、2質量部を超えると、得られた発泡成形体の強度低下、射出発泡においてはシルバーストリークなどの外観不良などを起こす場合があるため好ましくない。
そして、押出発泡法により得られる本発明の発泡成形体は、発泡倍率が6〜25倍であることが好ましく、中でも8〜22倍であることが好ましく、さらに好ましくは10〜20倍である。発泡倍率が6倍未満では質量減少効果が得られない場合がある。一方、発泡倍率が25倍以上になると、強度を保持することが難しくなる。
また、押出発泡法により得られる本発明の発泡成形体は、平均気泡径が700μm以下であることが好ましく、650μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。平均気泡径が700μmを超えると、発泡体の表面平滑性が低下し、また、発泡体の強度が低下する場合がある。
射出発泡法で得られる本発明の発泡成形体の場合は、発泡倍率が1.15〜4.00であることが好ましく、1.25〜3.50であることがより好ましい。発泡倍率が1.15未満であると、発泡成形体の軽量化効果が不十分となる。一方、発泡倍率が4.00を超えると、発泡成形体中でコア部の発泡セルが粗大化する場合や、スキン部が薄くなる場合があり、発泡成形体の強度が低下する。
また、射出発泡法で得られる本発明の発泡成形体は、発泡セルが存在するコア部を発泡セルが存在しないスキン部で包括した形態とすることが好ましく、コア部の発泡セルの平均気泡径は、表面平滑性を高める上で、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、120μm以下であることがさらに好ましい。平均気泡径が200μmを超えると、発泡成形体の表面平滑性が低下し、また、発泡成形体の強度が低下する場合がある。また、スキン部の厚みは50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。スキン部の厚みが50μm未満であると、発泡成形体の強度が低下する場合がある。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例及び比較例の評価に用いた各種特性値の測定方法は次のとおりである。
〔ポリアミド系樹脂組成物〕
(1)相対粘度
乾燥したポリアミド樹脂組成物の樹脂ペレットを、96質量%硫酸中に濃度が1g/dlになるように溶解させ、G−3ガラスフィルターにより濾別した後測定に供した。測定はウベローデ型粘度計を用い25℃雰囲気下で行った。
(2)伸長粘度
得られたポリアミド系樹脂組成物のペレットを、伸長粘度測定装置RME(レオメトリック社製)を用い、10mm×18mm×0.7mmの試験片を作製した。試験片の両端を金属治具で固定した後、樹脂組成物の融点よりも10℃高い温度で、歪み速度0.1sec-1 で回転させて測定サンプルに伸長変形を加え、変形中にかかるトルクを検出することにより伸長粘度を求めた。
(3)歪み硬化係数(図1参照)
(2)における伸長時間と伸長粘度の両対数プロットにおいて、屈曲点が現れるまでの伸長初期の線形領域の傾きa1と屈曲点以降の伸長後期の傾きa2との比(a2/a1)を算出した。ただし、屈曲点が観測されない場合のひずみ硬化係数は1とした。
(4)メルトフローレート(MFR)
得られたポリアミド系樹脂組成物を、JIS K7210に従い、240℃、21.2Nで測定を行った。
〔射出発泡成形体〕
(5)発泡体の密度(ρ1)
得られた射出発泡成形体からたて×横が10×10mmの切片を切り出し、乾式自動密度計(島津製作所社製アキュピックII 134型)を用い、気体置換型ピノメータ法により測定した。
(6)発泡の実倍率(Y)
(5)に記載の密度測定結果から、下記の計算式により求めた。
発泡の実倍率(Y)=(ソリッド成形体の密度ρ0)/(発泡成形体の密度ρ1)
(7)発泡成形体の平均気泡径
得られた射出発泡成形体の断面を、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM−200CX)を用い、2万倍の倍率で、気泡が20以上観察される視野内で、各気泡の長軸径を目視で測定して平均値を算出した。この作業を20ヶ所の異なる視野で行い、平均値を算出して平均気泡径とした。
(8)発泡成形体の表面平滑性
得られた射出発泡成形体の表面を観察し、発泡による膨張で表面が均一な厚みになっているかを目視で判定した。以下に示すように3段階評価とした。なお、発泡性が悪い場合、表面が波打った状態となり厚みが均一ではない状態となる。
◎・・・厚みが均一で表面平滑性が高い
〇・・・厚みは均一であるが、やや凹凸感がある
×・・・厚みが不均一である
〔押出発泡成形体〕
(9)発泡体の密度(ρ2)
得られた押出発泡成形体からたて×横が10×10mmの切片を切り出し、乾式自動密度計(島津製作所社製アキュピックII 134型)を用い、気体置換型ピノメータ法により測定した。
(10)発泡の実倍率
(9)に記載の密度測定結果から、下記の計算式により求めた。
発泡の実倍率(Z)=(樹脂組成物の密度ρ)/(発泡成形体の密度ρ2)
(11)発泡成形体の平均気泡径
得られた押出発泡成形体の断面を、光学顕微鏡により写真を撮影し、少なくとも100個の隣接するセルの長径を測定し、それら100個の平均値から求めた。
次に、実施例及び比較例に用いた原料は次のとおりである。
(1)ポリアミド樹脂(A):
A−1:ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製 A1030BRL)、相対粘度2.5、比重1.13
(2)(メタ)アクリル酸エステル化合物(B):
B−1:ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製 PDE−100、分子量230)
B−2:グリシジルメタクリレート(日本油脂社製 分子量130)
B−3:ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製 PDE−1000、分子量1150)
(3)過酸化物(C):
C−1: 3、3、5、7、7−ペンタメチル−1、2、4トリオキセパン(化薬アクゾ社製)
(4)無機充填剤:
D−1:タルク(林化成社製「MW−HST」 平均粒子径2.7μm)
(5)その他の添加剤:
E−1:高分子アクリル化合物(三菱レイヨン社製「メタブレンP−551」重量平均分子量145万)
実施例1
ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、過酸化物(C)0.5質量部をドライブレンドし、クボタ社製ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1を用いて計量し、スクリュー径37mm、L/D40の同方向二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS)の主供給口に供給した。そして、押出機のシリンダー中盤から(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を0.1質量部注入し、押出機のバレル温度設定は、250℃〜270℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量35kg/hとして溶融混練を行った。溶融混練の後0.4mm径×3孔のダイスよりストランドを押出して、ペレット状にカッティングし、真空乾燥機(ヤマト科学社製、商品名「真空乾燥機DP83」)にて、温度100℃で8時間乾燥処理し、ポリアミド系樹脂組成物のペレットを得た。
得られたポリアミド系樹脂組成物を用いて、下記のように射出発泡成形体および押出発泡成形体を作製し、評価を行った。
〔射出発泡成形体〕
得られたポリアミド系樹脂組成物のペレットを用い、該樹脂組成物100質量部に対して、0.5質量部の発泡剤(アゾジカルボンアミド)を添加し、射出成形機(FANUC社製S−2000i型)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃で射出成形して得た。長さ127mm、幅12.7mm、深さ1.6mmのキャビティを有する金型を用いた。ここで、発泡成形体の初期厚みは、1.6mmであり、初期厚みの3倍となるようにコアバックさせることでコア部とスキン部を有する射出発泡成形体を得た。
〔押出発泡成形体〕
得られたポリアミド系樹脂組成物のペレットを、二軸押出成形機(池貝社製「PCM−45」の先端にサークルダイ(直径65mm、リップ幅0.7mm)を備えた押出発泡試験装置に供給し、シリンダー温度260℃、吐出量25kg/h下で炭酸ガス2質量%添加して溶融混練した。そして、200℃にしたサークルダイから押出すことで、シート状の押出発泡成形体を得た。
実施例2〜7、比較例3〜6
(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の種類と量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にしてポリアミド系樹脂組成物を得た。
さらに、得られたポリアミド系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、射出発泡成形体と押出発泡成形体を得た。
比較例1
過酸化物(C)と(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂のペレットを得た。
さらに、得られたポリアミド樹脂を用い、実施例1と同様にして、射出発泡成形体と押出発泡成形体を得た。
比較例2、7
ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、タルクや高分子アクリル化合物を表1に示す量ドライブレンドした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
さらに、得られたポリアミド樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、射出発泡成形体と押出発泡成形体を得た。
実施例1〜7、比較例1〜7で得られたポリアミド系樹脂組成物の組成、特性値及び該樹脂組成物より得られた射出発泡成形体と押出発泡成形体の特性値を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られたポリアミド系樹脂組成物は、本発明で規定する組成を満足し、かつ(イ)、(ロ)の特性値を満足するものであったため、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、高発泡倍率で、平均気泡径が小さく、表面外観に優れていた。
一方、比較例1、2で得られた樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を含有しておらず、(イ)、(ロ)の特性値を満足しないものであったため、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、発泡倍率が低く、気泡径が粗大であり、表面外観に劣っていた。比較例3で得られたポリアミド系樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の含有量が少なかったため、(イ)、(ロ)の特性値を満足せず、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、発泡倍率が低く、気泡径が粗大であり、表面外観に劣っていた。比較例4、5で得られたポリアミド系樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の含有量が多すぎたため、架橋の度合いが強くなりすぎて、発泡成形時にゲルが発生し、流動性が大きく低下して操業性が悪化した。このため、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、発泡倍率が低く、表面外観に劣っていた。比較例6で得られた樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の分子量が大きいものであったため、(イ)、(ロ)の特性値を満足しないものであった。このため、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、発泡倍率が低く、気泡径が粗大であり、表面外観に劣っていた。比較例7で得られた樹脂組成物は、添加剤として高分子アクリル化合物を含有するものであったため、(イ)、(ロ)の特性値を満足するものではあったが、架橋構造を有していないものであった。このため、得られた発泡体は、射出発泡体、押出発泡体ともに、発泡倍率が低く、表面外観に劣っていた。

Claims (3)

  1. 溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度が2.0〜4.0の範囲であるポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有するか、又は1個以上の(メタ)アクリル基と1個以上のグリシジル基もしくはビニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)を0.05〜5質量部含有してなる樹脂組成物であって、下記(イ)、(ロ)を同時に満たすことを特徴とするポリアミド系樹脂組成物。
    (イ)融点より10℃高い温度での伸長粘度測定で得られる時間−伸長粘度曲線において、屈曲点が現れるまでの伸長初期の線形領域の傾きa1と屈曲点以降の伸長後期の傾きa2との比(a2/a1、歪み硬化係数)が、1.2〜10である。
    (ロ)240℃での溶融張力が20mN〜200mNである。
  2. 溶媒として96%硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/100mlの条件で求めた相対粘度で2.0〜4.0の範囲であるポリアミド樹脂(A)と過酸化物(C)とを溶融混練中に、(メタ)アクリル酸エステル化合物(B)の溶解液又は分散液を注入して溶融混練することを特徴とする請求項1記載のポリアミド系樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物からなる発泡成形体。
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JP2018065972A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 旭化成株式会社 発泡体及びそれを用いた成形体
JP2018177888A (ja) * 2017-04-06 2018-11-15 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる発泡成形体
JP2022512052A (ja) * 2018-09-28 2022-02-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリアミド発泡体の調製

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