JP2016044635A - 内燃機関の冷却ファン構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランクシャフトにそれと同軸のベアリングを介して相対回転可能に支持される遠心式冷却ファンと、クランクシャフトとともに回転する支持ホルダに支持されるとともに前記クランクシャフトの回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファンに係合する遠心ウエイトとを備える内燃機関の冷却ファン構造において、遠心式冷却ファンの中心部の軸方向の小型化を図って冷却風量を充分に確保する。
【解決手段】遠心ウエイト72の全体が、クランクシャフト30の半径方向でベアリング58よりも外側に配置される。
【選択図】 図3
【解決手段】遠心ウエイト72の全体が、クランクシャフト30の半径方向でベアリング58よりも外側に配置される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、クランクシャフトにそれと同軸のベアリングを介して相対回転可能に支持される遠心式冷却ファンと、前記クランクシャフトとともに回転する支持ホルダに支持されるとともに前記クランクシャフトの回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファンに係合する遠心ウエイトとを備える内燃機関の冷却ファン構造に関する。
クランクシャフトの回転数が増加するのに応じて、クランクシャフトとともに回転する遠心ウエイトを遠心式冷却ファンに係合し、遠心式冷却ファンがクランクシャフトとともに回転するようにしたものが、特許文献1で知られている。
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、遠心ウエイトが、遠心式冷却ファンおよびクランクシャフト間に設けられるベアリングと軸方向に並ぶようにして、クランクシャフトの近傍に配置されており、遠心式冷却ファンの中心部が軸方向に大型化してしまう。しかるに遠心式冷却ファンでは、その回転中心から半径方向外側に向けて冷却風が流れるものであり、遠心式冷却ファンの中心部が軸方向に大型化すると、冷却風が遠心式冷却ファンを通過し難くなり、外部から取り込める冷却風量が少なくなってしまう可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、遠心式冷却ファンの中心部の軸方向の小型化を図って冷却風量を充分に確保し得るようにした内燃機関の冷却ファン構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトにそれと同軸のベアリングを介して相対回転可能に支持される遠心式冷却ファンと、前記クランクシャフトとともに回転する支持ホルダに支持されるとともに前記クランクシャフトの回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファンに係合する遠心ウエイトとを備える内燃機関の冷却ファン構造において、前記遠心ウエイトの全体が、前記クランクシャフトの半径方向で前記ベアリングよりも外側に配置されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記遠心ウエイトが、前記クランクシャフトに直交する方向から見て前記ベアリングの少なくとも一部と重なる位置に配置されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記クランクシャフトの一端部に、アウターロータが、該アウターロータで囲繞されるようにして固定位置に配置されるインナーステータとともに発電機を構成するようにして回転不能に取付けられ、前記支持ホルダが、前記アウターロータに取付けられることを第3の特徴とする。
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記アウターロータまたは前記支持ホルダを前記クランクシャフトに固定するナットが前記クランクシャフトに螺合され、前記クランクシャフトに直交する方向から見て前記ナットの少なくとも一部と重なる位置に前記遠心ウエイトが配置されることを第4の特徴とする。
本発明は、第3または第4の特徴の構成に加えて、前記支持ホルダに、前記クランクシャフトの半径方向に沿う外側に向けて開放するスリットが設けられ、前記スリットに前記遠心ウエイトの一部が収容されることを第5の特徴とする。
本発明は、第3〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記アウターロータが、前記インナーステータを半径方向外側から覆う筒状の周壁部と、前記インナーステータの軸方向外端に対向しつつ前記周壁部の一端から前記クランクシャフト側に延びるリング板状の端壁部とを有するように形成され、前記端壁部ならびに該端壁部の外面に近接、対向する前記支持ホルダの周方向複数箇所に同軸に形成される取付け孔に挿通される固定部材で、前記アウターロータに前記支持ホルダが固定されることを第6の特徴とする。
本発明は、第6の特徴の構成に加えて、前記支持ホルダに、前記端壁部の中央部を貫通しつつ前記クランクシャフトを囲繞する筒状に形成されて該クランクシャフトに固定されるボス部が一体に設けられることを第7の特徴とする。
本発明は、第6または第7の特徴の構成に加えて、前記遠心ウエイトの揺動軸線が、前記クランクシャフトの軸線に直交する仮想平面に沿う方向に設定され、前記遠心ウエイトに設けられる係合突部を係脱可能に係合させる係止凹部が前記遠心式冷却ファンに設けられることを第8の特徴とする。
本発明は、第8の特徴の構成に加えて、前記クランクシャフトの周方向複数箇所で放射状に配置される複数の前記遠心ウエイトが、単一の共通な保持部材で揺動可能に保持され、前記保持部材が前記支持ホルダに取付けられることを第9の特徴とする。
本発明は、第9の特徴の構成に加えて、前記支持ホルダに、前記アウターロータの前記端壁部に対向して開口するリング状の保持部材収容溝が形成され、リング状である前記保持部材が前記保持部材収容溝に収容されることを第10の特徴とする。
本発明は、第9または第10の特徴の構成に加えて、前記支持ホルダに、前記アウターロータの前記端壁部に対向して開口するリング状の規制部材収容溝が形成され、前記遠心式冷却ファンに係合した作動状態での複数の前記遠心ウエイトの揺動位置を規制する単一のリング状の規制部材が、前記規制部材収容溝に収容されることを第11の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第11の特徴の構成のいずれかに加えて、温度に応じて形状を変化させる感温部材と、当該感温部材で駆動される連結ピンを収容する収容ホルダが、前記クランクシャフトの軸線に直交する方向から見て前記遠心ウエイトの少なくとも一部と重なる位置で前記クランクシャフトに固定され、温度上昇に伴って前記収容ホルダから突出する側に前記感温部材で駆動される連結ピンを係合させる第2の係止凹部が前記遠心式冷却ファンに設けられることを第12の特徴とする。
なお実施の形態の第3のボールベアリング58が本発明のベアリングに対応し、第1の実施の形態のリベット78および第2の実施の形態のボルト113が本発明の固定部材に対応し、実施の形態のバイメタル96が本発明の感温部材に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、遠心ウエイトの全体が、クランクシャフトの半径方向でベアリングよりも外側に在るので、遠心ウエイトおよびベアリングを相互の干渉を回避しつつクランクシャフトの軸線方向で近づけて配置することができる。このため遠心式冷却ファンの中心部の軸方向の小型化を図ることができ、遠心式冷却ファンの中心部のクランクシャフト周りの空間を広く確保して外気を取り込み易くすることができる。したがって、機関回転数が低くて冷却が不要な機関運転状態では遠心式冷却ファンおよびクランクシャフト間を切り離してクランクシャフトの回転フリクションを低減して燃費の低減を図ることを可能としながら、機関回転数が増大して冷却が必要となった機関運転状態では遠心式冷却ファンによる冷却風量を充分に確保して効率よく内燃機関の冷却を行うことができる。
また本発明の第2の特徴によれば、遠心ウエイトが、クランクシャフトの軸線に直交する方向から見てベアリングの少なくとも一部と重なる位置にあるので、遠心ウエイトおよびベアリングをクランクシャフトの軸線方向でより近づけて配置するようにして遠心式冷却ファンの中心部を軸方向でより小型化することができる。
本発明の第3の特徴によれば、発電機の一部を構成してクランクシャフトの一端部に回転不能に取付けられるアウターロータに、遠心ウエイトを支持する支持ホルダが取付けられるので、支持ホルダがアウターロータとともに回転するようにして遠心ウエイトを作動させることができ、しかも支持ホルダをアウターロータに近接させることで支持ホルダおよび遠心ウエイトの配置によるクランクシャフトの軸線方向での大型化を抑制することができる。
本発明の第4の特徴によれば、アウターロータまたは支持ホルダをクランクシャフトに固定するようにしてクランクシャフトに螺合されるナットの少なくとも一部に、クランクシャフトに直交する方向から見て遠心ウエイトが重なるので、クランクシャフトの軸線方向での大型化を抑制することができる。
本発明の第5の特徴によれば、クランクシャフトの半径方向に沿う外側に向けて開放するようにして支持ホルダに設けられるスリットに、遠心ウエイトの一部が収容されるので、クランクシャフトの軸線に沿う方向での遠心ウエイトの支持ホルダからの突出量を抑えることができ、クランクシャフトの軸線に沿う方向でのさらなる小型が可能となる。
本発明の第6の特徴によれば、支持ホルダが、アウターロータの端壁部ならびに端壁部の外面に近接、対向する支持ホルダの周方向複数箇所に同軸に形成される取付け孔に挿通される固定部材で、アウターロータに固定されるので、支持ホルダのアウターロータへの固定にあたって固定部材がクランクシャフトの軸線方向に突出するのを抑制し、クランクシャフトの軸線に沿う方向での小型化に寄与することができる。
本発明の第7の特徴によれば、支持ホルダに一体に設けられるボス部でアウターロータのボス部を兼ねさせることで、部品点数の低減を図りつつ、クランクシャフトの軸線に沿う方向でのより一層の小型化が可能となる。
本発明の第8の特徴によれば、クランクシャフトの軸線に直交する仮想平面に沿う方向に揺動軸線を有する遠心ウエイトの係合突部が、遠心式冷却ファンの係止凹部に係脱可能に係合するので、遠心ウエイトを小型化して簡素化することができる。
本発明の第9の特徴によれば、放射状に配置される複数の遠心ウエイトを揺動可能に保持する単一の共通な保持部材が支持ホルダに取付けられるので、部品点数の低減を図るとともに複数の遠心ウエイトの前記支持ホルダへの組付けを容易とすることができる。
本発明の第10の特徴によれば、リング状である保持部材を収容するリング状の保持部材収容溝が支持ホルダに形成され、その保持部材収容溝がアウターロータの端壁部に対向して開口するので、保持部材の支持ホルダへの取付けを容易とすることができるとともに、保持部材の保持部材収容溝からの離脱をアウターロータの端壁部で阻止することができる。
本発明の第11の特徴によれば、遠心式冷却ファンに係合した作動状態での複数の遠心ウエイトの揺動位置を規制する単一のリング状の規制部材が、支持ホルダに形成されたリング状の規制部材収容溝に収容され、その規制部材収容溝がアウターロータの端壁部に対向して開口するので、複数の遠心ウエイトの必要以上の作動を単一の規制部材で規制するようにして、部品点数の増大を抑えつつ当該規制部材の支持ホルダへの取付けを容易とし、規制部材の規制部材収容溝からの離脱をアウターロータの端壁部で阻止することができる。
さらに本発明の第12の特徴によれば、温度に応じて形状を変化させる感温部材と、当該感温部材で駆動される連結ピンが、クランクシャフトの軸線に直交する方向から見て遠心ウエイトの少なくとも一部と重なる位置でクランクシャフトに固定される収容ホルダに収容され、連結ピンが温度上昇に伴って収容ホルダから突出する側に感温部材で駆動されたときに該連結ピンを係合させる第2の係止凹部が遠心式冷却ファンに設けられるので、機関の回転数増大時だけでなく機関の温度上昇時にも遠心式冷却ファンをクランクシャフトとともに回転させるようにした場合でも、収容ホルダがクランクシャフトの軸線に直交する方向から見て遠心ウエイトの少なくとも一部と重なるようにすることで、クランクシャフトの軸線に沿う方向での小型化を図ることができる。
本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
本発明の第1の実施の形態について図1〜図7を参照しながら説明すると、先ず図1において、鞍乗り型車両であるスクータ型自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11に連結される操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びるダウンチューブ14と、車幅方向に延びてダウンチューブ14の後端に固着されるクロスメンバ15と、該クロスメンバ15の左右両側に前端が固着されて後上がりに延びる左右一対のリヤフレームパイプ16とを備える。
車体フレームFにおける両リヤフレームパイプ16の前端部にはブラケット17が設けられる。このブラケット17には、内燃機関Eと、該内燃機関Eおよび後輪WR間に設けられる伝動装置Mとで構成されるパワーユニットPの前部が、リンク機構18を介して上下に揺動可能に支承されており、該パワーユニットPの後部右側に配置される後輪WRがパワーユニットPの後部に軸支される。
車体フレームFと、前記パワーユニットPの一部とは、合成樹脂製の車体カバー19で覆われるものであり、この車体カバー19は、前記ヘッドパイプ13を前方から覆うフロントカバー20と、運転者の足の前方を覆うようにして前記フロントカバー20に連なるレッグシールド21と、乗員の足を載せるべくレッグシールド21の下部に連なるステップフロア22と、ステップフロア22に連なってリヤフレームパイプ16を両側から覆うサイドカバー23とを備え、サイドカバー23上にはタンデム型の乗車用シート24が設けられる。
図2において、前記後輪WRの前方に配置される前記内燃機関Eは、強制空冷式単気筒のOHC型に構成されており、この内燃機関Eの機関本体25は、クランクケース26、シリンダボディ27、シリンダヘッド28およびヘッドカバー29が相互に結合されて成る。
前記後輪WRの回転軸線と平行な回転軸線すなわち車幅方向に指向した回転軸線を有するクランクシャフト30を回転自在に支承する前記クランクケース26の前部に、前記クランクシャフト30に連接されるピストン31を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア32を有するシリンダボディ27が結合され、前記ピストン31の頂部を臨ませる燃焼室33を前記シリンダボディ27との間に形成するシリンダヘッド28が前記シリンダボディ27に結合され、ヘッドカバー29がシリンダボディ27と反対側でシリンダヘッド28に結合される。この機関本体25の自動二輪車への搭載時に前記シリンダボア32の軸線すなわちシリンダ軸線はわずかに前上がりに傾斜している。
クランクケース26は、前記シリンダボア32の軸線すなわちシリンダ軸線を含むとともに前記クランクシャフト30の軸線に直交する平面で結合される左および右ケース半体26a,26bから成り、クランクシャフト30は両ケース半体26a,26bで回転自在に支承される。すなわちクランクシャフト30および左ケース半体26a間には第1のボールベアリン35が介装され、クランクシャフト30および右ケース半体26b間には第2のボールベアリング36が介装される。
シリンダヘッド28には、前記クランクシャフト30の軸線に沿う一端側(この実施の形態では右端側)で外部に開放するようにして前記燃焼室33の外方に配置されるエアジャケット37が形成されるとともに、前記燃焼室33に先端部を臨ませる点火プラグ38を取付けるためのプラグ取付け孔39が前記エアジャケット37内に開口するようにして設けられる。
前記シリンダヘッド28の上部側面には前記燃焼室33に通じ得る吸気ポート(図示せず)が設けられ、該シリンダヘッド28の下部側面には前記燃焼室33に通じ得る排気ポート(図示せず)が設けられる。前記シリンダヘッド28および前記ヘッドカバー29間には、前記吸気ポートおよび前記排気ポートをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁を開閉駆動する動弁装置40が収容される。この動弁装置40が備えるカムシャフト41は、前記クランクシャフト30と平行な軸線を有して前記シリンダヘッド28で回転自在に支承されており、前記クランクシャフト30の回転動力が調時伝動手段42を介して前記カムシャフト41に伝達される。
前記調時伝動手段42は、前記第1のボールベアリング35よりも外方で前記クランクシャフト30に固定される駆動スプロケット43と、前記カムシャフト41の左端部に固定される被動スプロケット44と、前記駆動スプロケット43および前記被動スプロケット44に巻き掛けられる無端状のカムチェーン45とを備え、前記クランクケース26の左ケース半体26a、前記シリンダボディ27および前記シリンダヘッド28には、前記カムチェーン45を走行させるカムチェーン通路46が形成される。
前記クランクシャフト30の左端部は、前記伝動装置Mを介して後輪WRの車軸47(図1参照)に連動、連結される。前記伝動装置Mは、前記後輪WRの左側方に配置されるようにして前記クランクケース26から後方に延出される伝動ケース50内に収容されるものであり、Vベルト式の無段変速機51と、該無段変速機51および前記車軸47間に設けられる減速ギヤ機構(図示せず)とで構成される。
前記無段変速機51は従来周知のものであり、そのドライブプーリ52は、前記クランクシャフト30に固着されたランププレート53と前記ドライブプーリ52との間に浮動状態で収容される複数のウエイトローラ54が、クランクシャフト30の回転数増大に応じて該クランクシャフト30の半径方向外方に移動するのに応じて、Vベルト55への接触半径を大きくするように作動する。
図3を併せて参照して、前記クランクシャフト30の右端部には、発電機56が連結されるとともに、遠心式冷却ファン57が、前記クランクシャフト30と同軸である第3のボールベアリング58を介して相対回転可能に支持される。
前記クランクケース26の右ケース半体26bには、第2のボールベアリング36から突出したクランクシャフト30を同軸に囲繞する支持筒59が一体に設けられており、この支持筒59およびクランクシャフト30間には環状のシール部材60が介装される。
前記発電機56は、前記クランクシャフト30の右側一端部に相対回転不能に取付けられるアウターロータ61と、そのアウターロータ61で囲繞されるようにして固定位置に配置されるインナーステータ62とで構成されるものであり、前記支持筒59の先端部に前記インナーステータ62がボルト63で締結される。
前記アウターロータ61は、前記インナーステータ62を半径方向外側から覆う筒状の周壁部61aと、前記インナーステータ62の軸方向外端に対向しつつ前記周壁部61aの一端から前記クランクシャフト30側に延びるリング板状の端壁部61bとを一体に有するように形成される。
前記遠心式冷却ファン57は、前記発電機56よりも軸方向外方で前記クランクシャフト30の右端部に第3のボールベアリング58を介して回転自在に支承される円板状の基部57aに、複数の羽根57bが突設されて成る。
前記遠心式冷却ファン57からの冷却風を導くシュラウド65が、前記機関本体25のうち前記ヘッドカバー29を外部に露出させるようにして前記シリンダボディ27および前記シリンダヘッド28を囲繞するように形成されており、図2の矢印で示すように前記遠心式冷却ファン57から吐出される強制空冷用の空気がシュラウド内65内を流通することによって機関本体25のシリンダボディ27およびシリンダヘッド28が冷却され、シリンダボディ27およびシリンダヘッド28の外面には、複数ずつの冷却フィン27a,28aがそれぞれ突設される。
前記シュラウド65は、前記冷却ファン57を覆うファンカバー66と、前記シリンダボディ27および前記シリンダヘッド28を囲繞して前記ファンカバー66に連設されるシュラウド主部67とから成り、シュラウド主部67は、前記冷却ファン57からの冷却風を前記シリンダヘッド28の前記エアジャケット37側に向けて導くように形成される。
前記ファンカバー66には、前記冷却ファン57側に向けて外部から空気を吸引するための吸引口68を形成する吸引筒69が、前記クランクシャフト30と同軸に設けられ、その吸引口69にはルーバー70が設けられる。
前記遠心式冷却ファン57は、前記クランクシャフト30とともに回転する支持ホルダ71に支持される複数の遠心ウエイト72が、前記クランクシャフト30の回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファン57に係合することで、前記クランクシャフト30とともに回転するものであり、前記遠心ウエイト72は、その全体が前記クランクシャフト30の半径方向で前記第3のボールベアリング58よりも外側に在るように配置される。しかも前記遠心ウエイト72は、前記クランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記第3のボールベアリング58の一部と重なる位置に配置され、この実施の形態では、前記クランクシャフト30の軸線に沿う方向で前記遠心ウエイト72の外端を通る直線Lが前記第3のボールベアリング58を通るように、前記遠心ウエイト72および前記第3のボールベアリング58の軸方向相対位置が設定される。
前記支持ホルダ71は、前記遠心式冷却ファン57の基部57aおよび前記アウターロータ61の端壁部61b間に配置されるとともに前記端壁部61bに近接、対向するようにしてリング板状に形成されるホルダ主部71aと、前記アウターロータ61における前記端壁部61bの中央部を貫通しつつ前記クランクシャフト30を囲繞する筒状に形成されるボス部71bとを一体に有するように形成される。
ところで前記クランクシャフト30は、前記遠心式冷却ファン57側すなわち軸方向外方側に向かうにつれて小径となるテーパ部30aを、前記ボス部71bに対応する部分に有しており、前記遠心式冷却ファン57側から前記テーパ部30aに嵌装される前記ボス部71bおよび前記テーパ部30a間にはキー73が介装される。また前記テーパ部30aよりもさらに軸方向外方で前記クランクシャフト30の外周には雄ねじ74が刻設されており、その雄ねじ74に螺合するナット75を締め付けることで前記ボス部71bすなわち前記支持ホルダ71が前記クランクシャフト30に固定される。
前記アウターロータ61の前記端壁部61bならびに前記支持ホルダ110の周方向複数箇所には、同軸に連なる取付け孔76,77が形成されており、それらの取付け孔76,77に挿通される固定部材としてのリベット78で、前記アウターロータ61に前記支持ホルダ71が固定される
図4および図5を併せて参照して、前記支持ホルダ71における前記ホルダ主部71aの周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記クランクシャフト30の半径方向に沿う外側に向けて開放するようにして放射状に延びるスリット80が設けられ、それらのスリット80に、前記遠心ウエイト72の一部がそれぞれ収容される。
図4および図5を併せて参照して、前記支持ホルダ71における前記ホルダ主部71aの周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記クランクシャフト30の半径方向に沿う外側に向けて開放するようにして放射状に延びるスリット80が設けられ、それらのスリット80に、前記遠心ウエイト72の一部がそれぞれ収容される。
ところで前記遠心ウエイト72の揺動軸線Cは、前記クランクシャフト30の軸線に直交する仮想平面PLに沿う方向に設定されるものであり、前記遠心ウエイト72に設けられる係合突部72aを係脱可能に係合させる第1の係止凹部81が、前記遠心式冷却ファン57における基部57bに設けられる。
すなわち前記遠心式冷却ファン57における前記基部57aには、前記遠心ウエイト72を支持する前記支持ホルダ71の相対回転を許容しつつ前記遠心ウエイト72の一部を収容する環状収容凹部82が形成されており、前記クランクシャフト30の半径方向に沿う前記環状収容凹部82の外側周壁に、周方向に等間隔をあけた複数個たとえば6個の前記第1の係止凹部81が設けられる。
また前記アウターロータ61のうち前記支持ホルダ71の前記ホルダ主部71aに近接、対向する前記端壁部61bには、前記遠心ウエイト72のうち前記ホルダ主部71aから前記端壁部61b側に突出した部分の先端部を収容する収容凹部83が環状に形成される。
3個の前記遠心ウエイト72は放射状に配置されており、それらの遠心ウエイト72は、単一の共通な保持部材84で揺動可能に保持され、前記保持部材84が前記支持ホルダ71の前記ホルダ主部71aに取付けられる。
前記保持部材84は、線材でリング状に形成されるものであり、前記支持ホルダ71の前記ホルダ主部71aに、前記アウターロータ61の前記端壁部61bに対向して開口するリング状の保持部材収容溝85が形成され、前記保持部材84がその軸線を前記仮想平面PLに沿わせるようにして前記保持部材収容溝85に収容される。
しかも前記遠心ウエイト72は、前記支持ホルダ71を前記クランクシャフト30に固定するようにして該クランクシャフト30に螺合される前記ナット75の少なくとも一部と、前記クランクシャフト30に直交する方向から見て重なる位置に配置されるものであり、この実施の形態では、前記遠心ウエイト72の揺動軸線Cを通る前記仮想平面PLが図3で示すように前記ナット75を横切るように、前記クランクシャフト30の軸線に沿う方向での前記遠心ウエイト72および前記ナット75の相対位置が設定される。
前記保持部材84と、前記遠心ウエイト72との間には、前記係合突部72aを前記係止凹部81から離脱させる側に前記遠心ウエイト72を付勢するねじりばね86が、各遠心ウエイト72に個別に対応して設けられており、前記遠心ウエイト72は、前記クランクシャフト30とともに回転する支持ホルダ71の回転数増大によって前記ねじりばね86のばね力を上回る遠心力が作用するのに応じて、前記係合突部72aを前記係止凹部81に係合させる側に回動することになる。
また前記支持ホルダ71における前記ホルダ主部71aの外周部には、前記アウターロータ61の前記端壁部61bに対向して開口するリング状の規制部材収容溝87が形成され、前記遠心式冷却ファン57に係合した作動状態での複数の前記遠心ウエイト72の揺動位置を規制する単一のリング状の規制部材88が、前記規制部材収容溝87に収容され、この規制部材88も、前記保持部材84と同様に線材でリング状に形成される。
なお前記スリット80は、前記保持部材収容溝85および前記規制部材収容溝87を周方向複数箇所で分断するように配置される。
図6および図7を併せて参照して、前記クランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記遠心ウエイト72の少なくとも一部と重なる位置で、前記クランクシャフト30には収容ホルダ90が固定される。
前記クランクシャフト30には、前記雄ねじ74が設けられる部分との間に外方に臨む環状段部30bを形成するようにした小径軸部30cが、前記雄ねじ74が設けられる部分の軸方向外方に位置するように形成されており、前記第3のボールベアリング58は、前記小径軸部30cと、前記遠心式冷却ファン57の前記基部57aとの間に介装される。
前記収容ホルダ90は、前記小径軸部30cを貫通させる貫通孔91を中央部に有してリング状に形成されるものであり、この収容ホルダ90には、その内周側に開放する環状凹部92と、該環状凹部92の周方向等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所に内端を開口するようにして放射状に延びる収容孔93と、前記クランクシャフト30側に臨む環状の段部95を前記収容孔93の外端との間に形成しつつ前記収容孔93よりも小径にして該収容孔93の外端に連なる小径孔94とが設けられ、前記小径孔94の外端は前記収容ホルダ90の外周に開口する。
前記収容ホルダ90には、温度に応じて形状を変化させる感温部材であるバイメタル96と、当該バイメタル96で駆動される連結ピン97とが収容される。
前記バイメタル96は、前記クランクシャフト30の前記小径軸部30cを囲繞するようにして略C字状に形成され、前記収容凹部92に収容される。
前記連結ピン97は、前記バイメタル96の外周に当接するフランジ部97aを一端に有するとともに他端部を前記小径孔94に挿通するようにして、前記収容ホルダ90内の周方向に等間隔をあけた3箇所に放射状に配置される。また前記段部95および前記フランジ部97a間には前記収容孔93内に一部が収容されるようにして戻しばね98が縮設されており、前記連結ピン97は、その一端側のフランジ部97aが前記バイメタル96の外周に常時当接するように付勢される。
前記バイメタル96は、温度変化に応じて拡縮するものであり、温度上昇に伴う前記バイメタル96の拡大変形によって前記連結ピン97はその他端部が前記収容ホルダ90の外周から外方に突出するように駆動されることになり、前記遠心式冷却ファン57における前記基部57aの内周の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記収容ホルダ90から突出した前記連結ピン97を係合させる第2の係止凹部99が設けられる。
図2に注目して、前記クランクシャフト30が備えるクランクピン100には、前記ピストン31に連なるコネクティングロッド101および前記クランクピン100間に設けられるニードルベアリング102に潤滑油を供給するための有底の油孔103が同軸に設けられており、前記クランクシャフト30には、前記バイメタル96が配置される部分まで潤滑油を導く油路104が、前記油孔103に連なるようにして同軸に設けられ、前記バイメタル96は機関温度を代表して前記潤滑油の温度を感知して変形する。
なおクランクケース26を構成する左および右ケース半体26a,26bと、前記クランクシャフト30との間に第1および第2のボールベアリング35,36に代えてメタル軸受が介装される場合があり、この場合、メタル軸受と、左および右ケース半体26a,26bとの間に潤滑油を供給する必要があるので、右ケース半体26bおよびクランクシャフト30間に供給される潤滑油を前記油路104に導くようにしてもよい。
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、クランクシャフト30にそれと同軸である第3のボールベアリング58を介して遠心式冷却ファン57が相対回転可能に支持され、クランクシャフト30とともに回転する支持ホルダ71に支持される遠心ウエイト72が、前記クランクシャフト30の回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファン57に係合するのであるが、前記遠心ウエイト72の全体が、前記クランクシャフト30の半径方向で前記第3のボールベアリング58よりも外側に配置されるので、遠心ウエイト72および前記第3のボールベアリング58を相互の干渉を回避しつつクランクシャフト30の軸線方向で近づけて配置することができる。このため遠心式冷却ファン57の中心部の軸方向の小型化を図ることができ、遠心式冷却ファン57の中心部のクランクシャフト30周りの空間を広く確保して外気を取り込み易くすることができる。したがって、機関回転数が低くて冷却が不要な機関運転状態では遠心式冷却ファン57およびクランクシャフト30間を切り離してクランクシャフト30の回転フリクションを低減して燃費の低減を図ることを可能としながら、機関回転数が増大して冷却が必要となった機関運転状態では遠心式冷却ファン57による冷却風量を充分に確保して効率よく内燃機関Eの冷却を行うことができる。
また前記遠心ウエイト72が前記クランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記第3のボールベアリング58の少なくとも一部と重なる位置に配置されるので、前記遠心ウエイト72および前記第3のボールベアリング58をクランクシャフト30の軸線方向でより近づけて配置するようにして遠心式冷却ファン57の中心部を軸方向でより小型化することができる。
また前記クランクシャフト30の一端部に、アウターロータ61が、該アウターロータ61で囲繞されるようにして固定位置に配置されるインナーステータ62とともに発電機56を構成するようにして回転不能に取付けられ、前記支持ホルダ71が、前記アウターロータ61に取付けられるので、支持ホルダ71がアウターロータ61とともに回転するようにして遠心ウエイト72を作動させることができ、しかも支持ホルダ71をアウターロータ61に近接させることで支持ホルダ71および遠心ウエイト72の配置によるクランクシャフト30の軸方線方向での大型化を抑制することができる。
また前記支持ホルダ71をクランクシャフト30に固定するようにしてクランクシャフト30に螺合されるナット75の少なくとも一部に、クランクシャフト30に直交する方向から見て遠心ウエイト72が重なるので、クランクシャフト30の軸線方向での大型化を抑制することができる。
また前記支持ホルダ71に、前記クランクシャフト30の半径方向に沿う外側に向けて開放するスリット80が設けられ、前記スリット80に前記遠心ウエイト72の一部が収容されるので、クランクシャフト30の軸線に沿う方向での遠心ウエイト72の支持ホルダ71からの突出量を抑えることができ、クランクシャフト30の軸線に沿う方向でのさらなる小型が可能となる。
また前記アウターロータ61が、前記インナーステータ62を半径方向外側から覆う筒状の周壁部61aと、前記インナーステータ62の軸方向外端に対向しつつ前記周壁部61aの一端から前記クランクシャフト30側に延びるリング板状の端壁部61bとを有するように形成され、前記端壁部61bならびに該端壁部61bの外面に近接、対向する前記支持ホルダ71の周方向複数箇所に同軸に形成される取付け孔76,77に挿通されるリベット78で、前記アウターロータ61に前記支持ホルダ71が固定されるので、支持ホルダ71のアウターロータ61への固定にあたってリベット78がクランクシャフト30の軸線方向に突出するのを抑制し、クランクシャフト30の軸線に沿う方向での小型化に寄与することができる。
また前記支持ホルダ71に、前記端壁部61bの中央部を貫通しつつ前記クランクシャフト30を囲繞する筒状に形成されて該クランクシャフト30に固定されるボス部71bが一体に設けられるので、支持ホルダ71に一体に設けられるボス部71bでアウターロータ61のボス部を兼ねさせることができ、部品点数の低減を図りつつ、クランクシャフト30の軸線に沿う方向でのより一層の小型化が可能となる。
また前記遠心ウエイト72の揺動軸線Cが、前記クランクシャフト30の軸線に直交する仮想平面PLに沿う方向に設定され、前記遠心ウエイト72に設けられる係合突部72aを係脱可能に係合させる第1の係止凹部81が前記遠心式冷却ファン57に設けられるので、遠心ウエイト72を小型化して簡素化することができる。
また前記クランクシャフト30の周方向複数箇所で放射状に配置される複数の前記遠心ウエイト72が、単一の共通な保持部材84で揺動可能に保持され、前記保持部材84が前記支持ホルダ71に取付けられるので、部品点数の低減を図るとともに複数の遠心ウエイト72の前記支持ホルダ71への組付けを容易とすることができる。
また前記支持ホルダ71に、前記アウターロータ61の前記端壁部61bに対向して開口するリング状の保持部材収容溝85が形成され、リング状である前記保持部材84が前記保持部材収容溝85に収容されるので、保持部材84の支持ホルダ71への取付けを容易とすることができるとともに、保持部材84の保持部材収容溝85からの離脱をアウターロータ61の端壁部61bで阻止することができる。
また前記支持ホルダ71に、前記アウターロータ61の前記端壁部61bに対向して開口するリング状の規制部材収容溝87が形成され、前記遠心式冷却ファン57に係合した作動状態での複数の前記遠心ウエイト72の揺動位置を規制する単一のリング状の規制部材88が、前記規制部材収容溝87に収容されるので、複数の遠心ウエイト72の必要以上の作動を単一の規制部材88で規制するようにして部品点数の増大を抑えつつ当該規制部材88の支持ホルダ71への取付けを容易とし、規制部材88の規制部材収容溝87からの離脱をアウターロータ61の端壁部61bで阻止することができる。
さらに温度に応じて形状を変化させるバイメタル96と、当該バイメタル96で駆動される連結ピン97を収容する収容ホルダ90が、前記クランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記遠心ウエイト72の少なくとも一部と重なる位置で前記クランクシャフト30に固定され、温度上昇に伴って前記収容ホルダ90から突出する側に前記バイメタル96で駆動される連結ピン97を係合させる第2の係止凹部99が前記遠心式冷却ファン57に設けられるので、機関の回転数増大時だけでなく機関の温度上昇時にも遠心式冷却ファン57をクランクシャフト30とともに回転させるようにした場合でも、収容ホルダ90がクランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て遠心ウエイト72の少なくとも一部と重なるようにすることでクランクシャフト30の軸線に沿う方向での小型化を図ることができる。
本発明の第2の実施の形態について図8を参照しながら説明するが、上記第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみで、詳細な説明は省略する。
前記クランクシャフト30の右端部には、発電機56が連結されるとともに、遠心式冷却ファン107が、前記クランクシャフト30と同軸である第3のボールベアリング58を介して相対回転可能に支持される。
前記発電機56におけるアウターロータ61の端壁部61bの内周は、前記クランクシャフト30に、キー109およびナット75で固定される筒状のボス108に固定される。すなわち前記アウターロータ61は、前記クランクシャフト30に螺合される前記ナット75で前記クランクシャフト30に固定される。
前記遠心式冷却ファン107は、前記発電機57よりも外方で前記クランクシャフト30の右端部に第3のボールベアリング58を介して支持される基部107aに、複数の羽根107bが突設されて成り、前記基部107aは前記クランクシャフト30の端部および第3のボールベアリング58を軸方向外方から覆うように形成される。
前記遠心式冷却ファン57は、前記クランクシャフト30とともに回転する支持ホルダ110に支持される複数の遠心ウエイト72が、前記クランクシャフト30の回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファン107に係合することで、前記クランクシャフト30とともに回転するものであり、前記遠心ウエイト72の全体は、前記クランクシャフト30の半径方向で前記第3のボールベアリング58よりも外側に配置される。
前記支持ホルダ110は、前記遠心式冷却ファン107の基部107aおよび前記アウターロータ61の端壁部61b間に配置されるとともに前記端壁部61bに近接、対向するようにしてリング板状に形成される。
前記アウターロータ61の前記端壁部61bの周方向複数箇所にはねじ孔である取付け孔111が形成され、前記端壁部61bに近接、対向する前記支持ホルダ110の周方向複数箇所には前記取付け孔111に個別に対応した取付け孔112が形成され、それらの取付け孔111,112に挿通される固定部材としてのボルト113で、前記アウターロータ61に前記支持ホルダ111が固定される。
また前記支持ホルダ110の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記クランクシャフト30の半径方向に沿う外側に向けて開放するようにして放射状に延びるスリット80が設けられ、前記遠心式冷却ファン107が備える前記基部107aに設けられる第1の係止凹部81に係脱可能に係合する係合突部72aを有する前記遠心ウエイト72の一部がそれらのスリット80にそれぞれ収容される。しかも各遠心ウエイト72は、単一の共通な保持部材84で揺動可能に保持され、前記アウターロータ61の前記端壁部61bに対向して開口するようにして前記支持ホルダ111に形成されるリング状の保持部材収容溝85に前記保持部材84が収容される。
また前記遠心ウエイト72は、前記アウターロータ61を前記クランクシャフト30に固定するようにして該クランクシャフト30に螺合される前記ナット75の少なくとも一部と、前記クランクシャフト30に直交する方向から見て重なる位置に配置されるものであり、この実施の形態では、前記遠心ウエイト72の揺動軸線Cすなわち前記保持部材84の軸線を通って前記クランクシャフト30の軸線と直交する仮想平面PLが前記ナット75を横切るように、前記クランクシャフト30の軸線に沿う方向での前記遠心ウエイト72および前記ナット75の相対位置が設定される。
また前記遠心式冷却ファン107が備える前記基部107aの内面には、前記遠心ウエイト72が図8の鎖線で示すように作動して前記遠心式冷却ファン57に係合した作動状態で前記遠心ウエイト72に係合して遠心ウエイト72のの揺動位置を規制する環状の規制突部115が一体に突設される。
さらに前記支持ホルダ110には、前記クランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記遠心ウエイト72の少なくとも一部と重なる位置に配置される収容ホルダ110aが一体に設けられる。この収容ホルダ110aは、第1の実施の形態における前記周よホルダ90と基本的には同一の形状を有するように形成され、温度に応じて形状を変化させる感温部材であるバイメタル96と、当該バイメタル96で駆動される連結ピン97とが前記収容ホルダ110aに収容され、前記遠心式冷却ファン107における前記基部107aの内周の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所には、前記収容ホルダ110から突出した前記連結ピン97を係合させる第2の係止凹部99が設けられる。
この第2の実施の形態によれば、第3のボールベアリング58がクランクシャフト30の軸線に沿う方向で前記遠心ウエイト72よりも外方に配置されており、遠心ウエイト72がクランクシャフト30の軸線に直交する方向から見て前記第3のボールベアリング58の少なくとも一部と重なる位置に配置されるようにした第1の実施の形態の効果は得られないものの、それ以外では第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上述の実施の形態では遠心式冷却ファン57,107がクランクシャフト30に第3のボールベアリング58を介して直接支持されるようにしたが、クランクシャフト30に連動する部材と、遠心式冷却ファン57,107との間にベアリングが設けられるものについても本発明を適用可能である。
また遠心ウエイトを摩擦係合によって冷却ファンに係合するようにしたものにも本発明を適用することができる。
30・・・クランクシャフト
56・・・発電機
57,107・・・遠心式冷却ファン
58・・・ベアリング
61・・・アウターロータ
61a・・・周壁部
61b・・・端壁部
62・・・インナーステータ
71,110・・・支持ホルダ
71b・・・ボス部
72・・・遠心ウエイト
72a・・・係合突部
76,77,111,112・・・取付け孔
78・・・固定部材であるリベット
80・・・スリット
81・・・係止凹部
84・・・保持部材
85・・・保持部材収容溝
87・・・規制部材収容溝
88・・・規制部材
90,110a・・・収容ホルダ
96・・・感温部材であるバイメタル
97・・・連結ピン
99・・・第2の係止凹部 113・・・固定部材であるボルト
C・・・揺動軸線
PL・・・仮想平面
56・・・発電機
57,107・・・遠心式冷却ファン
58・・・ベアリング
61・・・アウターロータ
61a・・・周壁部
61b・・・端壁部
62・・・インナーステータ
71,110・・・支持ホルダ
71b・・・ボス部
72・・・遠心ウエイト
72a・・・係合突部
76,77,111,112・・・取付け孔
78・・・固定部材であるリベット
80・・・スリット
81・・・係止凹部
84・・・保持部材
85・・・保持部材収容溝
87・・・規制部材収容溝
88・・・規制部材
90,110a・・・収容ホルダ
96・・・感温部材であるバイメタル
97・・・連結ピン
99・・・第2の係止凹部 113・・・固定部材であるボルト
C・・・揺動軸線
PL・・・仮想平面
Claims (12)
- クランクシャフト(30)にそれと同軸のベアリング(58)を介して相対回転可能に支持される遠心式冷却ファン(57,107)と、前記クランクシャフト(30)とともに回転する支持ホルダ(71,110)に支持されるとともに前記クランクシャフト(30)の回転数増大に応じて前記遠心式冷却ファン(57,107)に係合する遠心ウエイト(72)とを備える内燃機関の冷却ファン構造において、前記遠心ウエイト(72)の全体が、前記クランクシャフト(30)の半径方向で前記ベアリング(58)よりも外側に配置されることを特徴とする内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記遠心ウエイト(72)が、前記クランクシャフト(30)に直交する方向から見て前記ベアリング(58)の少なくとも一部と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記クランクシャフト(30)の一端部に、アウターロータ(61)が、該アウターロータ(61)で囲繞されるようにして固定位置に配置されるインナーステータ(62)とともに発電機(56)を構成するようにして回転不能に取付けられ、前記支持ホルダ(71,110)が、前記アウターロータ(61)に取付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記アウターロータ(61)または前記支持ホルダ(71)を前記クランクシャフト(30)に固定するナット(75)が前記クランクシャフト(30)に螺合され、前記クランクシャフト(30)に直交する方向から見て前記ナット(75)の少なくとも一部と重なる位置に前記遠心ウエイト(72)が配置されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記支持ホルダ(71,110)に、前記クランクシャフト(30)の半径方向に沿う外側に向けて開放するスリット(80)が設けられ、前記スリット(80)に前記遠心ウエイト(72)の一部が収容されることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記アウターロータ(61)が、前記インナーステータ(62)を半径方向外側から覆う筒状の周壁部(61a)と、前記インナーステータ(62)の軸方向外端に対向しつつ前記周壁部(61a)の一端から前記クランクシャフト(30)側に延びるリング板状の端壁部(61b)とを有するように形成され、前記端壁部(61b)ならびに該端壁部(61b)の外面に近接、対向する前記支持ホルダ(71,110)の周方向複数箇所に同軸に形成される取付け孔(76,77;111,112)に挿通される固定部材(78,113)で、前記アウターロータ(61)に前記支持ホルダ(71,110)が固定されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記支持ホルダ(71)に、前記端壁部(61b)の中央部を貫通しつつ前記クランクシャフト(30)を囲繞する筒状に形成されて該クランクシャフト(30)に固定されるボス部(71b)が一体に設けられることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記遠心ウエイト(72)の揺動軸線(C)が、前記クランクシャフト(30)の軸線に直交する仮想平面(PL)に沿う方向に設定され、前記遠心ウエイト(72)に設けられる係合突部(72a)を係脱可能に係合させる係止凹部(81)が前記遠心式冷却ファン(57,107)に設けられことを特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記クランクシャフト(30)の周方向複数箇所で放射状に配置される複数の前記遠心ウエイト(72)が、単一の共通な保持部材(84)で揺動可能に保持され、前記保持部材(84)が前記支持ホルダ(71,110)に取付けられることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記支持ホルダ(71,110)に、前記アウターロータ(61)の前記端壁部(61b)に対向して開口するリング状の保持部材収容溝(85)が形成され、リング状である前記保持部材(84)が前記保持部材収容溝(85)に収容されることを特徴とする請求項9記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 前記支持ホルダ(71)に、前記アウターロータ(61)の前記端壁部(61b)に対向して開口するリング状の規制部材収容溝(87)が形成され、前記遠心式冷却ファン(57)に係合した作動状態での複数の前記遠心ウエイト(72)の揺動位置を規制する単一のリング状の規制部材(88)が、前記規制部材収容溝(87)に収容されることを特徴とする請求項9または10に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
- 温度に応じて形状を変化させる感温部材(96)と、当該感温部材(96)で駆動される連結ピン(97)を収容する収容ホルダ(90,110a)が、前記クランクシャフト(30)の軸線に直交する方向から見て前記遠心ウエイト(72)の少なくとも一部と重なる位置で前記クランクシャフト(30)に固定され、温度上昇に伴って前記収容ホルダ(90)から突出する側に前記感温部材(96)で駆動される連結ピン(97)を係合させる第2の係止凹部(99)が前記遠心式冷却ファン(57,107)に設けられることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却ファン構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110657045A (zh) * | 2018-06-29 | 2020-01-07 | 空中客车运营简化股份公司 | 飞行器推进机组及具有这种推进机组的飞行器后部 |
CN114337103A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-04-12 | 苏州盛虹纤维有限公司 | 一种fdy卡盘电机冷却机构 |
-
2014
- 2014-08-26 JP JP2014171207A patent/JP2016044635A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110657045A (zh) * | 2018-06-29 | 2020-01-07 | 空中客车运营简化股份公司 | 飞行器推进机组及具有这种推进机组的飞行器后部 |
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CN114337103B (zh) * | 2021-12-16 | 2023-02-10 | 苏州盛虹纤维有限公司 | 一种fdy卡盘电机冷却机构 |
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